究極のマンゴプリンを求めて −1−  
『香港食いしんぼ指南』(ラポート株式会社) p16〜17 より











以下の文章は『香港食いしんぼ指南』という、ファンロード編集部による香港取材旅行での食体験レポート本よりの引用です。
思えば、学生時代の自分が「香港行きたいなぁ」「マンゴプリンというのを食べてみたいなぁ」と考える契機となったのが、この編集部から出ている『ファンロード』というアニメ・漫画雑誌の香港特集記事だったのでした。
必要部分のみの紹介にとどめようと思いましたが、あまりにも他では得られない内容なのでこちらに当該ページの全文を紹介します。
尚、写真の説明部分はせりあ由紀によるものです。











 
 芒果布甸=マンゴプリンといえば、日本のお姉さんたちがあこがれる香港のデザートの代表です。私たちも最初に常客となった桃源酒家という広東料理店で、知らずにオーダーして以来、やみつきになりました。特に桃源のものは、大人数で行くと魚とかの大きな形のものを作ってくれ、飲茶の残りのような小さな器のものより新鮮でした。おかげで、取り分ける時に少しでも多めに入っているものをと、よく醜い争いが起こったものです(笑)。

 そのうちにいろいろなレストランで食べ続けると、もっとおいしい店や変わったアレンジをした品など、新しい発見が出てきました。よく香港特集の雑誌などで、マンゴプリンの一番おいしい店はここ!なんて記事があります。おいしいかどうかは選ぶ人の主観なのでケチをつけてもしょうがありませんが、これらの判断には大事なデータがぬけています。実はマンゴプリンは、おいしいシーズンがあるのです。やはり果物だけあって熟れ時があるのか、暑い時期の方が涼しい時期よりもおいしいのです。これはかなりの店にこの両時期に食べに行った時の、参加者全員の感想です。同じマンゴプリンがおいしいといわれる店で食べるなら、旅行シーズンには向きませんが夏場を選んだ方が、よりおいしい思いができますよ。

 それでは、マンゴプリン研究の発表です。まず基本ラインのマンゴプリンをどこに置くかですが、後の方で紹介するデザート屋さんの許留山のマンゴプリンが、普通のレベルではないかと思います。かつてはあれほどありがたがっていた桃源のマンゴプリンも、レベルはこれと変わりません。とりあえずこれだけでも気軽にオーダーできますし、基本を知るってことでも、この店のマンゴプリンはおさえておきたいところです。もしどこかのレストランでいろいろ食べた後に、デザートでこれより劣るマンゴプリンが出たら、それはハズレです。

 マンゴプリンは人気メニューなので、広東料理店だけでなく四川料理とか他の料理店でも用意しています。また、飲茶でもたいていは食べることができます。ここらへんでも、基本以上のものに出会える可能性は多いですね。

 それではもっと上ランクのマンゴプリンはどこで食べれるかというと、やはり高級ホテルの広東料理レストランが、飾り付けも美しくそれぞれアイデアをこらしたマンゴプリンを出しています。問題は、それだけ食べてサヨナラはできないという点です。ランチタイムに飲茶をやっている店なら、他の点心代ていどの出費ですみますが、そうでない所ではホテルの高い食事代を覚悟しなければなりません。

 まずは基本から攻めて、飲茶、高級レストラン……とレベルを上げていった方が、本当においしいマンゴプリンに出会った時の喜びもひとしおだと思います。実際、私たちのツアーでも何度も食べて「またマンゴプリンですかあ」と飽きてきた参加者が、ひと口食べるなり「おいしー!」を連発して夢中になる時があります。それを観察すれば、レベルの高いマンゴプリンはどれかだんだん分かってきますからね。


写真・1
桃源酒家の十人用・巨大な魚型マンゴプリン。
オーダーしてから作るので、同じレベルのものとしてはフレッシュな味わいです。
【写真説明】直径40cmはあろうかという大きな皿の半分以上を埋め尽くす魚型のプリン。魚の眼の部分に赤いチェリーが置かれ、右上には標準サイズのプリンが2つ。ミルクがたっぷり。

写真・2
許留山の豪華版の方のマンゴプリン、鮮汁果芒果布甸。要はフルーツ盛りで、下のプリン自体は基本の味です。
【写真説明】果肉は入って無さそうな、俵型にカットされたプリン。
周囲にはスイカ、苺、メロン、キウイが盛られている。ミルク無し。

写真・3
美しい飲茶点心で有名なゼンのもの。
生クリームとゼリーをトッピングしてあり、味も基本以上。
【写真説明】 陶器の器入りのオレンジがかったプリン。中央にホイップクリームとマンゴゼリーらしきものが飾られる。果肉は少な目に見える。

写真・4
シロップに浮かんだ、色も鮮やかな聚賽軒海鮮酒家のマンゴプリン。
マンゴの身をピューレ状にしたものがまざって基本以上の味。
【写真説明】赤味がやや強い、マンゴプリン型(周囲に凹凸のある、三角形の型)のプリン。オレンジ色の混じったミルク(シロップ?)がたっぷりかかっている模様。

写真・5
四川料理の乾坤閣のもの。
生クリームの下には、マンゴの切り身がちりばめられて歯ごたえを楽しませます。基本以上。
【写真説明】ガラスの器入り、色はやや赤め。中央にホイップクリームが乗せられ、上から果肉が入るのが透けて見える。

写真・6
九記焼(月昔)海鮮酒家の、ちょっと黄色が人工着色すぎてどぎつい感じのマンゴプリン。
基本がやっと。
【写真説明】説明の通り、写真の中で黄色味がやたらと強いマンゴプリン型プリン。上にはチェリー。少量のミルクがかかっている。

写真・7
薬膳料理の一洲保健酒家の、やや固めながらマンゴのすり身がちりばめられたジューシーな一品。
基本以上。
【写真説明】自然な色味のマンゴプリン型プリン。上からミルクがたっぷり。細かい果肉が入っているのが良く分かる。美味しそう。

写真・8
四川料理の旧太子閣の、上がマンゴプリン、下がマンゴゼリーになった二重構造の一品。
味自体は基本だけど、見た目では分からない工夫にマル!
【写真説明】ガラスの器入りで、色は薄目。上にはホイップクリーム。レンゲで少しすくわれている写真であり、深さ半分位でプリンとゼリーの境があるのが見てとれる。

写真・9
田舎料理の名店・農圃の、とても田舎風とは思えないツバメの巣をトッピングしたマンゴプリン。
もちろん水準以上。
【写真説明】マンゴプリン型マンゴの上に、ツバメの巣らしき白きモヤモヤがどちゃっと乗っている。しかもミルクつき。果肉も入っているらしい。