変わらない香港、新しい香港がよくわかるQ&A  
『香港の食の物語』(主婦の友社) p128〜130 より






以下の文章は『香港の食の物語』という、香港食べ歩きエッセイからのものです。
マンゴプリンに関して著述があった部分のみ、御紹介します。





 
Q : 香港の高級レストランで食事するとき、服装はどうしたらいいの?

A : 気遣いは必要ない。どんなに高級なレストランでも、男はネクタイ、女はドレス着用だなんて堅苦しいことをいわないのが中華料理の魅力でもある。事実、ぼくはどんな店でもポロシャツにデニムのパンツ、スニーカーで出かけて行く。短パンで男がすね毛を出して行くと、断られることがある、という程度だ。
 ただし、香港で唯一、グランドハイアット(君悦酒店)の「ワン・ハーバーロード」だけはジーンズ、スポーツシューズ不可。この店のマンゴープリンには一目置くべきだが、他の料理はそれほどでもない。あなたの旅の服装の基本がジーンズで、「ワン・ハーバーロード」のマンゴープリンをどうしても食べたければ、スカートと靴をかばんに詰める必要があるけれど……。


Q : 街を歩いていて「甜品」と看板に書かれた店があったので入り、「芒果布甸」と紙に書いたけど、首を振られるばかり。ない、ということ?

A : 今でこそ、デザートの王様なんて紹介されるようになったマンゴープリンだけど、十年ほど前までは甘いデザート(甜品)といえば、ごま団子(煎堆)、エッグタルト(蛋撻)、くるみの汁粉(合桃露)など、温かいデザートばかりだった。だから、昔ながらの甜品の店にはマンゴープリンはない。


Q : マンゴープリンを食べ歩きたいの。おいしいレストランを教えて。

A : ハートを上にあしらったマンゴープリンで冷たいデザート・ブームに火をつけたのは、ザ・ペニンスラの「嘉麟樓」だった。フレッシュマンゴーをたっぷり使い、ゼラチンが少ないので、ゆるめの舌ざわり。酸みとのバランスをとるために、甘みを強めに仕上げてある。まずここは押さえるべきだろう。
 次に、グランド・ハイアットの「ワン・ハーバーロード」。ここのは、マンゴーを丸ごと1個、贅沢に使っている。
 福臨門酒家では、マンゴーの果肉に生クリームを多めに加えて練り、ひときわ濃厚に仕上げた。ホテル日航の「桃季」のそれはマンゴーの果肉を固めたゼリーに近く、鮮やかなオレンジ色をしているのに対して、ワン・ハーバーロードと福臨門酒家のそれはプリンに近く、見た目は黄色である。
 もう一店挙げるとすれば、ザ・リージェントの「麗晶軒」。マンゴープリンだけ食べ歩くわけにもいかないが、この五店を押さえれば、香港のマンゴープリン通を自認して差し支えないと思うよ。