マンゴプリン発祥の歴史


マンゴプリンは、香港の広東料理店で生まれました。
広東語で「芒果布甸」と表記します。「芒果」がマンゴー、「布甸」がプリンです。
「芒果」は「芒菓」や「香芒」と書かれることもあり、また、「芒」の文字が「[木亡]」([]内はこれで一文字で見てね)となっている場合もあります。
かのペニンシュラホテル内にある「嘉麟樓 -ガーロォンラウ- (Spring Moon)」がその発祥の店とも言われていますが、その真偽のほどは未確認。ですが、ここのマンゴプリンの味が香港のマンゴプリン人気に拍車をかけたのは間違いないようです。

マンゴーが中国で栽培され始めたのは古く漢の時代から。
生では勿論、ジュースとしても、更に未熟の実を塩漬けにするなどしていたそうです。
料理ではなくデザートに用いるようになったのは、女子供が飲茶屋に出入りするようになり、「甜點」と言われる甘い點心への人気が高まってから。
プリンやパイなどの西洋菓子の流入もこの頃から盛んになり、そんな中、80年代中頃から徐々に香港内の料理店にマンゴプリンの存在が広まっていったようです。
現在では香港に行きさえすれば、「芒果布甸」の文字をあちこちで見ることができ、ガイドブックでも「香港デザートの代表的存在」などと書かれています。各店それぞれ独自のレシピを持ち、香港においてもその味その風味は微妙に異なります。世界に名だたる福臨門魚翅海鮮酒家のマンゴプリンはフレッシュマンゴーの果肉にバニラ味のアイスクリームと生クリームを加えているのがミソだとか。

日本においては、以前よりシンガポール製の、四角い紙パック入りのものは売られていました。
んが……これはいまいち(ていうか、論外)。
香港デザート「真のマンゴプリン」とはほど遠い存在です。
手作りの、限りなく香港のものに近いプリンは、日本では香港人シェフを抱える高級中華料理店、本格飲茶の店などで食する事が出来ます。
マスコミ登場回数が多い、「人気シェフ」と巷で言われる中華料理人の店にも、オリジナリティ溢れた美味なるマンゴプリンが多々あります。
変わったところでは、インド料理屋やタイ、フィリピン、ベトナムといったアジア料理店にも。
テイクアウトものとしては、中華街に足を運べばパックものの手軽に買えるマンゴプリンが多数存在していますし、メーカーものがコンビニで売られていたりもします。
更に、国産マンゴーが旬になり、海外産マンゴーも大量輸入される夏には洋菓子店のケースに洋風バージョンのマンゴプリンが並んでいたりも。
お店によって、また、買う店によって、その味は隨分と異なってきます。
一度食べたものがイマイチだったとしても、
「マンゴプリンて美味しくないじゃん」
などと思わず、是非究極のプリンを求めて更なる高みを目指しましょう。

手に入れた各レシピを見ると、ほとんどがマンゴー果実に牛乳や生クリームなどの乳製品を混ぜ合わせ、ゼラチンで固めるという手法を取っています。ですので、厳密には「マンゴプリン」というのは、「プリン」ではなく「ババロア」になってしまうのですが、まぁそれはそれ。
めくるめく甘味と酸味、ミルク分の集大成、南国の香り漂うシアワセデザート、マンゴプリンを是非食べてみて下さいな。

[99.06.08記述]
[99.08.16改訂]
[02.06.22改訂]