| まず、マンゴーを手に入れる |
では、マンゴプリンを家で作ってみましょう。
それには何をおいても、まずマンゴーです。
マンゴプリン作成において、マンゴーは果実そのものを使うのが最も好ましいと私は考えます。
美味しいプリンは、果実使用がやっぱり一番。
しかし旬を外れた時期、高すぎるものしかない場合は涙をのんで缶詰やピューレを手に入れるしかありません。
以下はマンゴー素材についての簡単な説明です。
- ● マンゴー果実
- 「フィリピンマンゴー」「メキシカンマンゴー」「アップルマンゴー」など、様々な名前で出ているマンゴーですが、その品種の種類は約1000種、とか。日本においては「植物防疫法」に定められた十数種類のみが輸入されています。病害虫がつく果物なので、それを国内に入れないようにとの対策だそうです。
濃厚な甘みを持つ果実の味は「蜜柑と柿を足して2で割った感じ」とも表現されていますが、更に南国特有の生臭さ、未熟な果実からは青臭さも漂います。
おおざっぱに、熟した果皮が黄色になるものと赤色になるものとに別れ、黄色のものを「フィリピンマンゴー」(または「ペリカンマンゴー」)、赤色のものを「アップルマンゴー」と表記するお店が多いです。
マンゴプリンに加工するには、甘味・酸味のバランスが良く、繊維質が少ないフィリピンマンゴーの方が適しています。特に、フィリピン産のカラバオ種、別名「マニラスーパー」とも言われる品種は甘味が強く、繊維質は種の周囲に限られるという、プリン作成にとても適した品種のようです。
一方赤くなるアップルマンゴーは濃厚な甘味とこってりした風味が特徴です。繊維が多いのが難点ですが、こちらはこちらで風味豊かなプリンが作れる ことと思います。国産の熟したアップルマンゴーは最高級の美味です。
フィリピンマンゴーは果皮の黄色が(メキシカンマンゴーは赤色が)強くなり、押すと柔らかさが感じられるようになった頃が食べ頃です。まだ緑色の場合は室温に置いて熟するのを待ちましょう。
以下、各国からの輸入時期をまとめてみました。
国 名 品 種 名 入荷時期 フィリピン カラバオ種 通年 タイ ナンカンワン種
ナンドクマイ種
ピムセンダン種
ラッド種4〜7月 日本 各種 5〜9月 メキシコ ヘイデン種
ケント種
トミーアトキンス種
ケイト種等5〜9月 台湾 ケイト種
アーウィン種
ヘイデン種6〜7月 アメリカ
(カルフォルニア)ケイト種等 8〜9月 フィージー パロット種等 10月 オーストラリア ケンジントン種 10〜1月 見た目同じ品種のようなのですが、香港をはじめ、バリ、タイなどのマーケットで見るフィリピンマンゴーは、それはそれは巨大で、それはそれは安価だったりします。フィリピンマンゴーは、大人の手首から肘くらいまでの長さがあったりして、それが1つ50円ほど、しかも完熟しているその味は濃厚で豊潤で、日本でマンゴーを買うのが悲しくなってきてしまいます。マンゴーそのものの単価が全く違うので、日本の料理店で食すマンゴプリンは必然的に高くなってしまいます。
自作するときはせめて、スーパーなどで熟している(ように見える)ものを一生懸命吟味して買ってくるしかありません。やはり夏には安価で美味しいものが店頭に並ぶ傾向があります。
また、マンゴー果実について、読者の方からこのような情報を頂きました。併せて御覧ください♪
実際にマンゴーを購入する際には「○○種」というものよりは「○○産」という表示がついているかと思いますので、産地別の特徴を知っているとより一層マンゴー選びが楽しくなるかと思います。
情報を下さった皆様、ありがとうございます。感謝感謝。
- フィリピン産
- 皮は黄色く、形は楕円形。マンゴーと聞いて多くの人が思い浮かべるのがこのフィリピン産のものかと。「ペリカンマンゴー」とも呼ばれる。市場に多くでまわっているのと、値段も比較的手ごろなので、日本人にとって一番なじみのあるマンゴーと言っても過言ではないのでは? ここではフィリピン産を基準に他産地のマンゴーの特徴を紹介します。
- メキシコ産
- 皮は赤く、形はフィリピン産を平べったいとすれば球形に近く、サイズも1〜2回りほど大きい「アップルマンゴー」とよばれる種類。実の色はフィリピン産のものに比べると赤みが強く、オレンジ色に近い。味は濃厚。1口でフィリピン産のマンゴーを2口分の味がすると表現してもオーバーではないかと。アイスクリームや生クリームと一緒に食べたとしても、マンゴーの香りと風味が口の中いっぱいになるくらいに濃厚。ただ濃厚な分、水分が少なく、口当たりはねっとり(フィリピン産のものをピューレ状態にしたものが「さらさら」なら、メキシコ産は「どろどろ」)。香りも強いので、ものすごいマンゴー好きな人でも大きめのもの1つを食べたら満腹になってしまうと思います。
- カリフォルニア産
- 皮は緑色、形はメキシコ産と同様で球形に近く、サイズも大きい。本当に熟れているの?と思ってしまうくらい皮は緑色ですが、カットするとみずみずしい実があらわれます。実の色はフィリピン産と同じく黄色。柑橘類に比べると果実が「ねっとり」しているマンゴーですが、カリフォルニア産はとてもみずみずしいのです(少なくとも私が食べたマンゴーの中では一番みずみずしかったです)。口にした瞬間に広がるのは、爽やかな香りとバランスのとれた甘さと酸味。そして後味はとてもサッパリ。ジュースなどにせず、そのままカットしてシンプルに食べたいマンゴーです。
- 沖縄産
- 同じ沖縄産でも様々な品種のマンゴーがあると思いますが、私が出逢ったものについて書かせてもらいます。一言で表現するのであれば「メキシコ産とカリフォルニア産の長所を足して2で割った味と風味」。カリフォルニア産は他の産地のものよりみずみずしい分、口に含んでいない状態ではそれほど香りはしませんでしたが、この沖縄産からはカットした瞬間から爽やかな香り。口にするとフィリピン産より濃いけどメキシコ産ほど強くはない甘さと香りが広がり、口当たりはみずみずしくもありマンゴー特有のねっとり感もあり、甘いけれどサッパリもしていて、そして後に残るのはほのかな香り……一口食べる度にうっとりとしてしまう美味しさでした。この甘み、酸味、香りのハーモニーが素晴らしいマンゴーもシンプルにカットして召し上がっていただくのをお客様にオススメしていました。ただ生産量が少ないのか、数はあまり入ってこなかった記憶があります。
マンゴプリンにするなら水分は少ない方が濃厚な味になると思うのでやはりオススメはメキシコ産(アップルマンゴー)かな、と。
カリフォルニア産と沖縄産のはやはりカットして食べるのが一番です。
そして種の周りはもちろん、そのままガブリと。(このとき、種で口を怪我されないようにご注意ください!)
(みきさん)[02.02.18]みきさんは、フルーツパーラーでのアルバイト経験があるとのこと、具体的な味の違いを教えていただきました♪
(せりあ由紀)
■ ■ ■香港・フィリピン・台湾などあちこちでマンゴ&マンゴプリンを試してきましたが、今までの一番は実はベトナムです。
フィリピンマンゴの3倍くらいの大きさで、その上本当に甘い甘い!
思わず大量に買ってきてしまったくらいです。
カフェでは半分に切ったマンゴの皮をお皿にしたマンゴアイスクリームも食べられますよ。
(由美さん)[02.02.14]
- ● マンゴー缶詰
- デパートの食材コーナー、輸入食材(特にエスニック系)を扱うマーケットなどで、時々マンゴーのシロップ漬缶詰を見かける事があります。
狙い目は、デパートの中元・歳暮解体セール。案外ここで見つけたりします。しかも安価。
タイ製、インド製など数種類が存在しているようですが、『新宿中村屋 シェフが教えるカリー・スパイス料理』(旭屋出版 2001.08)によると、インド「Vijay」社のものがおすすめだとか。完熟したインド産のアルフォンソマンゴーを使った缶詰はオレンジ色の缶と青い缶との2種類があり、前者はスライスのシロップ漬けで、後者はピュレとのことです。
参考するレシピによっては、「品質が変わらない缶詰や冷凍ものを利用します」と断言している料理人さんもいるようです。
私は……やっぱり生の果肉が好きかな、と思うのですがそのへんは好きずきかと思います。
- ● マンゴーピューレ
- レシピの中で登場しますが、冷凍のマンゴーピューレというのもあります。
ただし業務用のものがほとんどで、一般のマーケットで見かけることはほとんどありません。高級食材店、輸入食材店をあたる方が遭遇の確率は高そうです。
メーカーは、あるいは複数あるのかもしれませんが、私が確認したものは「ボアロン」というフランスのメーカーもの。場所は恵比寿三越地下の製菓材料コーナーと、ネット上での通信販売ページの2ヶ所でした。
恵比寿三越では1kg\2200とのことでしたが、1kgあったらさぞ大量のプリンが……。
- ● マンゴージュース
- これもレシピに登場します。
マンゴージュースはデパートの食材コーナー、輸入食材マーケット等で輸入ものを見かける事があります。最近は国産マンゴーの生産も盛んになりつつあり、国産マンゴーのジュースという、美味しそうな瓶詰めのものも並ぶようになりました。マンゴー果汁以外のものも入っていそうですが、「マンゴーネクター」みたいな缶入りドリンクもあるようです。
- ● マンゴーリキュール
- プリン作成のメインの食材ではありませんが、風味漬けにちょこちょこ登場します。
甘い甘いマンゴーの香りがするリキュールで、アルコール分は24%です。大きな瓶で売っているらしいのですが……見かけたことがないのです。普通の酒屋さんでは、まず見かけないシロモノです。
これがなくても充分風味豊かなものが作れるとは思います。
[99.06.08記述][00.08.16改訂][02.06.22改訂]