12月31日(火) NEW YEAR'S EVE PARTY

06:45、起床。
折角めざまし時計を9時にセットしていたのに、何故か目が覚める。うだうだしていてもなんなので、おもむろに洗面台に行き、先日買った洗顔クリームで顔の掃除を始める。アカだか何だかわかんないけど、ポロポロと汚れが取れて面白い。肌がつるつるになる(ような気がする)ので、これは大きなサイズを買って帰らなければなるまい〜、と寝ぼけた頭で決意する。
顔の洗濯も終わったので、今度は荷物の片付けに入る。スーツケースがかなり苦しい状況になってきた。果たして帰国時にスーツケースを閉じることが出来るのであろうか。

09:20、Sちゃんと「The Verandah」というホテル内のレストランに朝食をとりにいく。入り口には10人程がならんでいて、ちょっと驚く。普通朝食で行列は出来ないと思うのだけど、人気があるのだろうか。「下のロビーでも朝食がとれますよー」というウェイターの助言には従わず、「ここで我々は食事したいのだ」とひたすら待つ。15分ほどまって、やっと座れる。天井にファンがまわり、白壁のレストランは明るくて南の島のホテルを彷彿とさせる。
ペニンシュラブレックファーストなるものを2人して注文。色々とジュースやらパンやらをチョイスする。

ジュース:
私はグアバ、Sちゃんはキャロット。グアバジュースはこってりしていて甘くて美味しかった。キャロットは……まさしくニンジン100%で、かなりスゴイ味だった。Sちゃん、飲みきれず。
シリアル:
ホットシリアル、コールドシリアルと、あとドイツ語で「GRUCHなんちゃら」というものが選べるらしい。ウェイターが、そのドイツ語の物を「イッツ、デリシャス」と言って勧めてくれる。試しにこれにしてみると、これは冷たいオートミールで、沢山の果物が入った甘いものだった。苺にブルーベリーにパインにリンゴ。うひゃぁ、美味しい。確かに美味しい。
卵:
「Two coddled Eggs with Sarmon」とかいうのと、オレンジパンケーキが選べるらしい。「coddled」が何だかわからなかったが勘がこれを食べろと言っていたので、これにする。やってきたのは温泉たまご。綺麗な陶の容器に卵が2つ。上にはスモークサーモンが乗せられている。黄身の固まり具合がなかなかよろしい。なんか優雅で良いなぁ。(※「coddle」とは「とろ火で煮る」の意味でした。)
パン:
これまた色々選べる中から、私はレーズンパン、Sちゃんはデニッシュを選択。テーブルの上に小さなビン入りのジャムがころころしているほか、小さなパックのチーズまで4種類ばかりおいてある。
ミルクティを飲みながら、これらのものをいただいた。かなり満腹になってしまった……。

「The Verandah」で朝御飯
Peninsura B'Fast HK$ 250

10:25、部屋に戻る。
まだ荷物整理にとりかかっていなかったSちゃんがえらい勢いで荷物の整頓にはいる。私は化粧を済ませて、メールを書いて、この旅行記を打っている。ホテルのアメニティを持って帰ろうとするも、どれもボトルが結構大きくて難儀する。タルカムパウダーは絶対貰って行きたいし、などと考えながら結局5つのボトルを全てスーツケースにぶちこんだ。Sちゃんはソーイングセットを貰ったようである。
「チェックアウトの時間と今後の予定を教えろ」と言ってきていたので、 11:30頃にチェックアウトするぞ、と電話しておいたら、11:25頃に荷物を取りにきてくれた。キツキツながら、荷物もスーツケースに無事おさまって、チェックアウト。
かなり滞在費がかさんだようである。全部で14万円弱というところか。ひえー……。

「半島酒店-ペニンシュラホテル-(Peninsula Hotel)」滞在
12月29日
Room Charge HK$ 3100.0
Service Charge HK$ 310.0
Room Tax HK$ 155.0
12月30日
Laundry 7685 HK$ 75.9
Laundry 7655 HK$ 121.0
Room Service Dinner HK$ 99.0
Sp Moon Dinner HK$ 430.1
Lobby Dinner HK$ 545.0
Room Charge HK$ 3100.0
Service Charge HK$ 310.0
Room Tax HK$ 155.0
The Verandah B'Fast HK$ 451.0
合計 HK$ 8852.0

ビンボーな私達は、本当ならフェリーにでも乗って香港島へ行かなければならなかったのだが、あまりの荷物の凶悪な重さにタクシーを使うことにした。
大晦日だからか、あるいはそれとは全然関係ないのか知らないが、道路がえらく込み合っている。海のすぐ向こうに見えるコンラッドホテルに行くのにも40分位かかってしまった。
しかも、運ちゃんに、裏手の方に降ろされてしまって、難儀してしまう。頼むよー、頼むから、ホテルの前に格好良く車をつけてくれよー。と騒いでも後の祭りで、私とSちゃんはスーツケースをひきずりながら、レセプションを目指す。
エレベーターが使えたと後に判明したのだが、この時は階段を上れと矢印があったので、スーツケースを抱えて上る。ああ、アッパークラスな旅だった筈なのに、何でこんな力仕事してるんだろ、私たち。なんとか自力でチェックイン。12時を軽くまわっていたので、なんなくチェックイン出来た。

タクシーに乗る
ペニンシュラ→コンラッド HK$ 320

部屋は58階(!!)の5821号室。セキュリティーが重視されているらしいこのホテルは、エレベーターに乗るにもルームキーが必要であったりする。ピークビューの部屋は、高所恐怖症のだれかさんが窓を覗いたら宿泊などとんでもないと思うだろうほどに高い。そのへんのビルが全て見下ろせるほど高い。うひょ〜……。
ペニンシュラはグリーンとクリーム色の上品な配色の部屋だったが、今度はブルー&グリーン系の装飾。ペニンシュラほどの広さはさすがに無かったが、ベッドの上にクッションもごろごろしていてとても綺麗。バスルームもシャワーブースつき。バスタブの隅には「あひるちゃん」がひとつ、鎮座ましましている。「アメニティの充実度ナンバーワンのホテル」と雑誌にあったように、洗濯石鹸からうがい薬から、爪みがきから体を洗うスポンジからついている。コーヒーメーカーまである。豆は有料らしいけど。デスクの引き出しにはハサミやホチキスも。便利、便利。

2人して喜んで写真なぞを撮っていたらウェルカムティーがやってきた。お、陸羽のお茶だ。
続いてスーツケースと、ウェルカムフルーツもやってくる。今度はマンゴーやら柿やらが器に盛られている。フルーツと一緒にセイロも来たので何かと思ったら、こちらはチョコレートの詰め合わせだった。嬉しいなぁ。良いホテルは宿泊客を太らせる。……と思ったらバスルームに足踏み昇降の小さなマシンがある。……いたれり、つくせり(泣)

荷物を広げ、パソコンを出し、早速デスクの上に置く。電源ケーブルはすぐにつなげたが、問題は電話線の方である。壁についてる口は香港独特の細長いものしかなく、しかたないので電話口のほうの4線のを引っこ抜いて自分の端末につなげる。……応答、なし。ファックスの方も、ダメ。
仕方がないので、ビジネスセンターに電話して聞いてみたが、語学力の無さに、あまり内容が通じない。「そちらに行くから」のようなことを言われたのでおとなしく待っていると、スーツ姿の女性がやってきてくれて、四角いモジュラージャックへの変換機をつけてくれた。……今度はモデムからダイヤルトーン信号は聞こえるようになったが、そのあとのプッシュ信号の方が聞こえてこない。色々説明は試みてみたものの、女性の方もコンピューターにはあまり明るくないらしい。

「コンピュータースタッフを2時頃に連れてくるから」と言われたので、Sちゃんと茶を飲みながら待つ。 2時をすぎても一向にそのコンピュータースタッフがやってこないので、こちらからケーブルを持ってビジネスセンターに乗り込んで行った。どうやらその人は多忙な方のようで、センターで数分待つとやってきてくれた。先の女性と3人で部屋に戻り、色々やってみたが、やっぱりダメ。端末の日本語がわからないと、日本人スタッフまで呼んで4人ですったもんだしてみたが、やっぱりダメ。

部屋についているのはPBX回線で、ビジネスセンターにはPBX非収容の回線があるという。これならどうだと、今度は端末を抱えて3人で下に降りてゆく。
8階のビジネスセンターの奥に、ファックスが数台並んでおり、そこの回線を奪って接続してみる。……つながった。スタッフのお兄さんは、「これなら部屋からでもつながるはずなんですけどねぇ」という風に不思議がっている。メールを出すのに、わざわざビジネスセンターまで行けっていうのだろうか。めんどくさいなぁ。なんとか解決策はないのだろうか。まぁいいけど。
「PBX収容ラインじゃデータ通信出来ないとかってないですか」とか「これはISDN回線なんですか」などとたどたどしく英語で聞いてもみたが関係ないらしい。PBXやISDNの話なんてするから、少し驚かれた。PBXについて語る、ノートパソコンを抱えて電子メール送信を希望する日本人女性観光客……奇妙な存在だったことだろう。

Sちゃんを大変に待たせてしまった。15:30を過ぎようとしている。今日は大晦日だから(?)ビクトリアピークに夜景を見に行かなければならないのだ。てくてく歩いてピークトラムの乗り場へ行く。現地人やら観光客らで乗り場は混雑。15分程待って乗ることが出来た。急勾配の路面を、トラムは結構なスピードで登っていく。

ピークトラムに乗る
ビクトリアピークまでの往復券 HK$ 23 /人

ビクトリアピークなんて東京タワーのように観光ナイズ化された野暮ったいところかと少し侮っていたのだが、綺麗なショッピングセンターになっていて驚きである。小綺麗なショップがつらつらと並び、どれもちょっと入ってみたい雰囲気なのがまたシャクである。アラン・チャンのお店があるらしい。チェーック!
中国チックでキッチュでシックなアランチャンのお店にはお茶やらTシャツやら、興味深いものが様々売っていた。腕時計なんか、とっても私の好みだけど、もうあまり散財は出来ないのである。Tシャツも心踊るデザインのものが多かったけど、やっぱり散財は出来ないのである。カードを何枚か購入。

アラン・チャン(Alan Chan)ショップでお買い物
ポストカード10枚 HK$ 84.5

アーケード街の一角で、なにやら美味しそうなものを売っている。人だかりがしている。思わず購入、後悔は味わってみてからのポリシーな私たち。 綿アメのような糸状のものにナッツをくるくると巻いて、一口大にしたものを6つ、パックに入れている。「龍髭糖」とある。甘そうなネーミング。
そしてそれは……甘かった。歯茎の裏に、にちゃーっとくっつくという感じ。アーモンドの味のする綿が結構美味しいけれども。……甘い。甘くて喉が乾く。

龍髭糖 HK$ 5

何故か、プリントクラブまで隅にあったりして。香港の方々が面白そうに覗いている。「日本でとっても流行っているのよー」なんて心の中でほくそえむ私。これも何かの記念かもしれない。日本語でキティちゃんが「お金を入れてねー」などと叫んでいる機械に寄り、Sちゃんとプリクラ初体験。結構かわゆく撮れたかもしんない。

プリクラ HK$ 30

もしかして(しなくても)、高いね、日本より。あとでSちゃんと半分こ。
外に出ると5時をまわったところ。そろそろ暗くなってくる頃だろうか。ピークカフェでお茶でも……と思ったが、イベントか何かの為に閉まっている。仕方ないので、「絶景スポット」とあった中国風のあずまやのところで暮れゆく香港をひたすら眺める。なかなか暗くなってこない。寒くもなってきた。人も増えてきたから、抜けたら、もうこの場所には戻ってこれない。……と煩悶するも寒さにかなわず。まだ薄暗い程度だったが断念してビクトリアピークを去ることにした。
帰りのピークトラムも大混雑。待っている間にとっぷりと日が暮れた。トラムから見た夜景は確かにすばらしいものだった。夜景キラキラ〜、今度はもっと暖かくして夜景を見に来よう。

18:40、おなかがすいたが、今日の夕食のことは何も考えて無かった。
トラム乗り場から歩いて少しのところに「翠亨邨茶寮-スイハンビレッジ-(Tsui Hang Village)」があるのを本で見つける。新宿にある美味しい飲茶の店と同じ名だ。ここが本店……かな?ここにしましょうか、とほてほて歩く。「新世界大厦-ニューワールドタワー-(New World Tower)」の2階にあった。まだこちらの夕食時間には早いのか、まだ数組の客しかいない。新宿のスイハンビレッジよりも、こちらの庶民に溶け込んでいる風な印象がある。場になじんでいるというか、ちょっと古臭いというか。

とても麺類が食べたかった私達は、メニューに載ってもいないのに「ヌードルはあるか」と騒ぐ。「ヤキソバ?」と聞いてくるのに、「ノー!ウィズ スープ!」と頼む。わかってくれたかな〜。後は、興味のむくまま、色々注文。杏仁豆腐のちゃんとしたのを、まだこちらに来てから食べてなかったから、それを期待してたのに、マンゴプリンしか無いという。……ちぇ〜。

ローストグース:
……とメニューに英語で説明してあったので、とても食べたくなり、頼んだ。八角の香りのするビーンズが下にひかれた上に、皮つきのグースが切り身で盛られてやってきた。甘くて、皮もジューシーで、美味しいー。ちょっと油っこいけど、それもまた良し。
季節の野菜のソテー:
……と英語で説明してあったので、これも頼んだ。季節ってナニ?と思ったら、ただの青菜炒めだった。でも食べたことない青菜で、ちんげん菜よりも青青としていて、アスパラのような味の、太い茎のものだった。割と味のある野菜だった。美味。
ヌードル:
そうめんのような細い麺が、塩味系のスープにはいって、小さな碗で運ばれてきた。上にはザーサイの味のシナチクのよーなものと、エビと帆立と白身魚が乗せられている。良く考えたら年越しそばだね、これ。美味。
マンゴプリン:
杏仁豆腐が恋しかったのに、しくしく……と思いながら食べた割には大層美味しくて満足である。他のと1線をひいていたのが、上にエバミルクが入っているであろう、ミルクミルクしたソースがかかっていたことである。後で本を見たら、このソースがかかっている方が本物というか本来のスタイルのようなのだけれども、今までの、ソースはかかっていなかったぞ。細かく砕いた缶詰の果物なんかも乗っていたりして、結構凝っている。やっぱりマンゴプリンは美味しいなぁ。

「翠亨邨茶寮-スイハンビレッジ-(Tsui Hang Village)」で夕食
合計 HK$ 332.2

帰りは若干距離があったので歩くのもしんどいと、トラムに乗ってみることにした。乗り場で待っていると、すぐ側にたったお兄さんが、何やら早口で聞いてきた。「ここに止まるのか!?」と聞いてきたようだったが……私、現地人に見えましたかー?「……へ?」と固まったら、一瞬にしてわかったらしく、すぐ別の人に聞いていたけど。
1.2ドルで乗れるトラムは大層便利。すぐ停留所がやってくるからスピードもそんなにないけど、歩くよりは全然まし。車内は混んでいて座れはしなかったけど、良い経験です。明日も乗ることにしよう。癖になりそう。

トラムに乗る HK$ 1.2

20:10、ホテルに戻る。Sちゃんはベッドでころころしている。私はこの日記打ち。後でビジネスセンターに行かなきゃなー……。
そうそう、今日の22:30からラウンジの方でNew Year's Eveのお祭り騒ぎがあるらしい。「大晦日にナニか予定をいれちまってるんだったら、今直それをキャンセルしな!香港1のDJが、素晴らしい夜をお約束するぜ!」てなノリの案内パンフが部屋にあった。ディスコチックな夜を演出する趣向らしい。行くしかないでしょう。ふふ。
てなわけで、英気を養うべく、しばし休息。

21:50、メールを出すために端末抱えて7階のビジネスセンターまで降りていく。昼間お世話になった人はいなかったが、受け付けで、「メールを出したいから、ダイレクトラインを貸してくれぃ」と言ったところ、「話は聞いてますよん」とスムーズにファックスラインのところに連れてってくれた。滞りなく通信を終える。「ローカルコールだけど、コストかかりますか?」と聞いたら、かからない、ノープロブレム、だという。「明日もまた来ます〜」と言ってビジネスセンターを去った。

22:35、時間を少し過ぎたところで、そのイベントが開催されるレストランに行ってみた。ロビー上階のGarden Cafeと、ロビー階のthe Lobby Loungeがそれらしい。階にエレベーターに着いたとたん、懐かしのジュリアナあわやという音楽がどわっと流れてきた。ホテルにあるまじき大音量である。普段は重厚な雰囲気をかもし出しているだろうロビーにヘンなかぶりものをかぶった人たちが歩いている。音楽にまけじと大声で受け付けに聞いたところ、サービスチャージが150ドル、キャッシュオンリーだという。手ぶらで来た私達は、とりあえずお金を取りに1回部屋に戻ることとなる。

イベントが始まってすぐに行ったのに、もう既に会場は満席状態だった。ちょっと隅の方の臨時にあつらえたテーブルについて、とりあえずサービスで1つだけつく飲み物を注文。フローズンマルガリータをちびちび飲みながら、店内を観察する。テーブルには羽かざりのついたヘアバンドやキラキラ光る紙製のシルクハットなんかがあって、ゲストはこれをかぶって飲む人は飲み、踊る人は踊っている。風船が会場中に溢れていて、各椅子に結ばれていたり、天井から糸をだらんとさせて浮いていたりする。ペニンシュラでもそうだったが、どうも新年の飾りとして風船を多用するらしい。それとも単に今年の流行なのだろうか。
酒を飲み終えたところで、おもむろに私たちは踊り始める。Sちゃんはこういうところ、初めてなんじゃないだろーか。ダンスフロアも即席のものなのでライトも床もかつてのジュリアナほどの規模は無いが(当然だ)、ヨーロッパの方々らしきおじさまとおばさまが2人で手に手をとって踊っている様なぞは、なかなか優雅で良いものである(たとえ流れている曲がテクノであったとしても)。ディスコなんて久方振り。正直足が疲れてはいたのだが、それでも楽しくてくねくねと踊る。Sちゃんも、踊る。「踊るの、初めて〜」とか言いながらゆらゆらしている。かわいらしい。

で、また一旦席に戻ってカクテルを飲む。今度はメニューに「ゾンビ」というのを見つけたので、これを注文。以前銀座でこれを飲んだ時は飲みきれない程大きなグラスにこれが来て、それがたまらなかったのだが、今度は普通の足の無いウィスキーグラスでやってきた。飲みきれない程来るからゾンビと言う名だと思っていたのに、違ったらしい。Sちゃんはフローズンダイキリを。飲んでしまう頃には、あと15分で新年というところだった。人の固まっている場所で新年の瞬間を迎えたいと、再びダンスフロアに戻る。

2分程前から、カウントダウンが曲の間にまじり、最後の10カウントは音楽も止んで会場の皆で一斉にカウントダウンに入った。皆風船を持って、ヘンな帽子をかぶって上機嫌である。新年の瞬間と共に、天井から風船が沢山振ってきた。我先にと皆風船を割り出す。バチン、パン、パンと会場中大騒ぎである。夫婦やカップルで来ている者たちは、抱きしめあうわ、ディープキス始めるわ、そりゃもうすごいものである。……っち。「S奈ちゃ〜ん、うらやましいよぅ」とSちゃんに泣きつく。

少しすると、厨房の方からジャンジャカジャンジャカと白い服を着た集団があらわれた。中国雑技団の何かかしら、と思ったが、それは只の(?)料理人集団であった。20人程つらなって、商売道具であるはずのナベやらボールやら蓋やらを持って、打ちならしながら会場を一回り行進して去っていった。ゲストも「ヒューヒュー」などと言って料理人らを歓待する。……なんなんだ。謎な数分はこうして過ぎた。Sちゃんは「一夜の夢」などと言っている。夢じゃないわ、これは現実よ。
ふと見ると、ホテルの従業員も酒を飲むわ、写真撮影をするわの職務怠慢状態である。おおらかでいいやね、こういうのも。

New Year's Eve Party HK$ 150

24:05、大音響で耳がぼわんぼわんすることもあって、部屋に戻る。せっかくお風呂にアヒルちゃんもいるけど、今日は風呂につかっている余裕もぜんぜんない。シャワーを浴びて、とっとと寝よう。おやすみなさい。新年、おめでとう。

photo
鍋釜を抱えて現れた料理人集団。NEW YEAR'S EVE PARTYにて。