1月14日(月) プール巡りとタイ舞踏

Dusit Hotel の朝御飯〜LAGUNA Cafe

目覚めは9時。バカンスに来て寝坊というのは、ある意味正しい道なのかもしれない。でも、なんだかすっごく損した気分。どうも私は貧乏性だった。

「今日は他のホテルのビュッフェを体験してみようか」
と、滞在ホテルの対岸に位置する「Dusit Laguna」に行ってみることにした。こぢんまりとした印象がとても素敵なホテルだ。水上バスに乗って次の駅。宮廷風タイ料理レストランを抜けて小道を進み、ショップを越えるとロビーに出る。そこから階段を降りてプールサイドに向かえば、そこが朝食用のカフェテラスになっていた。屋外と屋内、両方の席が用意されている。レストランへの通路から外を眺めると、そこには熱帯の樹木がうっそうと繁っていた。

DusitLagunaの通路から

レストランを囲む池に面したソファー席に案内される。料理は小さなワゴンに点在するようにちらちらと置かれていて、どれもこれもとても美味しそう。
種類豊富な生ジュースに、シリアルにパンに冷菜温菜にタイ料理。
「あー、このミックスジュース、すっごく美味しそう〜」
だの、
「お粥が何種類もあるぅ〜」
だの、
「果物も、種類豊富だよぅ〜」
だのとすっかり浮き足だってしまい、朝からたらふく食べてしまった。

かけつけ一杯にミックスジュース。「何が入っているのか」を想像しながら飲むミックスジュースは美味しいし、楽しい。
バナナとキウイとパパイヤとパイナップルを味を感じ、それ以上の味もほのかに感じたけれどちょっとわからない。甘い甘い南国のミックスジュースだ。
飲み干したところでグレープジュースとドリンクヨーグルトを持ってきて、あれこれ食べながらぐびぐびと飲む。紅茶も飲む。

クロワッサンとバナナケーキ、小さなシュガードーナツを持ってきて息子に半分分けながら食べる。カリカリベーコンにハッシュドポテト、薄切りハムとスモークサーモンを盛りつけた脇には「なんだか皿上の調和がヘン」と思いつつもタイ飯を。カニチャーハンにピリ辛の牛肉炒め、野菜炒めを盛りつける。

昨日の朝食よりも、全体的に充実しているし味も良いような気がする。ボウルに入った何種類ものジャムの数々はほれぼれするし、ハチミツは巣のままのやつが型にはめられ、こそげとるようになっていた。食パン類もライ麦やレーズンパンなど、大きなものがごろんごろんと置かれて自分でスライスできるようになっていたり。あれもこれもと食べたくなる。

そして、忘れちゃいけないお粥コーナー。ひき肉入りのお粥には葱とガーリックオイルを散らしてたっぷり食べた。朝から胃腸も絶好調。

シメには当然、トロピカルフルーツ。熟しまくった甘い甘いグアバにパパイヤ、マンゴーにスイカにパイン。こういうビュッフェ料理は大歓迎だ。毎日でも飽きないかもしれない。

Dusit Laguna 「LAGUNA Cafe」にて
Dusit Breakfast
2 × 580.00 B

巨大な象に遭遇。ちょっと迫力。 食後、「ほいじゃホテルに戻ろうかね」と船着き場への道を行くと、途中のタイ料理レストランではそこここに白いレースの飾り付けが施されていた。今日はここで結婚式らしい。横の広場には、おそらく新郎新婦を乗せるのであろう、巨大な象が待機していた。昨日見た子象とは比較にならない巨大な象だ。大人2人と言わず、5人くらい乗っても平気そうな象が樹木の葉をばりばりと食べていた。

こんなでっかい動物、柵なしで見たのは初めてかもしれない。1mほどの至近に近づいてきた象は見上げるほどで、ちょっとばかり怖かった。

今日は曇り空、でも遊ぶ

とにかく遊ぶ、だらだら遊ぶ、息子へもサービス、それが今回の旅行の主目的だ。
今日もホテルのプールと海でだらだらと遊ぶ。基本的に物売りはシャットアウトされているビーチなので、「ミチュアミ〜?」おばちゃんとか「マッサージ?」おばちゃんとか、「マニキュア?」おばちゃんなどはやってこない。ちょっと物足りなくもあるけど、うざったくないのが楽でいい。時々「ジェットスキー?」なんて聞いてくるお兄ちゃんたちは出没する。

私はパラセイリングをしたくてたまらなかった。交渉してみたけど、「今日は風がないからダメ」という返事が。背中にパラシュートつけて、ボートで引っ張ってもらってふわんと浮くアレ、やったことないからやってみたくてたまらない。

ともあれ、曇り空の下ではあったけどデッキチェアにだらだらと寝そべってみたり、海に浮かんでみたり、浮き輪につかまる息子を「探検〜」なんて言いながら引っ張り回して遊んでみたり、良い感じで時間が過ぎていく。

タイ風ラーメン。具沢山で良い感じ。 時刻は正午。充実した朝御飯を遅めの時間にたらふく食べてしまったので、いまひとつお腹がすかない。
「お昼は軽食でいいねぇ」
「水着から着替えるのもめんどくさいしねぇ」
と、プールサイドのビストロでお昼御飯。私はフィッシュ&チップス、だんなはタイ風ラーメン、息子にはお子さまメニューからチーズ味のスパゲティ。昼真っからシンハービールを飲み干しつつ、分け合いつつのお昼御飯。

フィッシュ&チップスは、ふわふわとした分厚い衣の白身魚のフライに山盛りのフライドポテト。タルタルソースがついてきた。やたらと脂の乗りまくった柔らかい魚は、見かけ以上に食べ応えがある。30℃弱の気温の中で食べるアツアツのフライ。汗が吹き出てくる。"切りっぱなし"という感じのにんじんのサラダがついてきていて、それが丁度良い"箸休め"に。

「タイ風ラーメン」は、ラーメンとは名ばかりの汁ビーフン。イカ団子や真っ赤なチャーシュー、海老や青菜などの具が山盛り乗った、これまた食べ応えのある皿だ。何だかしみじみとした美味しさだ。
「なんでスープがこんなに甘いの?」
と思ってしまうすごく甘めのスープは、それでいてビーフンや具に似合っているような気がする。

Laguna Beach Resort 「ANDAMAN POOL BISTRO」にて
Fish & Chips
Noodle Soup
Spaghetti
Singha Draft
Ginger Ale
280.00 B
200.00 B
120.00 B
2 × 150.00 B
90.00 B

長いプールだ、シェラトングランデ

滞在ホテルの設備だけじゃ、正直なところ飽きてくる。午後は「Sheraton Grande Laguna Phuket」のプールに行ってみようということになった。
水着の上にTシャツを羽織っただけのだんなと息子、私はTシャツに加えてパレオを巻いて水上バスへ。他のホテルのレストランは何の制限もなく滞在ホテル付けで飲食できるけれど、プールやビーチの設備を使うにはパスが必要だ。昼食つきの「デラックス・デイ・パス」は600B、午後2時から7時まで利用できる「スタンダード・デイ・パス」は350Bかかる。

シェラトンホテル内を少々さまよってパスチケットを購入し、めでたくシェラトンのメインプール近くのデッキチェアに場所をとる。長い長い水路のようなプールがロビー方面にまで伸びていて、部屋によってはプールアクセスも可能らしい。途中にはジャグジーあり砂場ありで、なかなか楽しいプールだ。全長は300mを越えるとか。橋の下をくぐり、通路の下もくぐり、細い細い水路状のプールをじわじわと進んでいくと、
「なんちゅーかこう、潜入捜査でもしてるみたいだね」
「スニーキング ミッションというやつだね」
とだんなとニヤニヤしてしまう。夫婦で現在はまってるテレビゲームが、そんな感じのものなのだった。

プールサイドには軽食喫茶コーナーが。プールの中に椅子があって、そこに腰掛けても飲めるようになっている。しかし本日は曇り空。
「水の中で飲む気はしないね」
「デッキチェアで紅茶でも飲みたい気分だね」
と、ゆらゆらとプールの中から「あそこに座ってるんだけどー、紅茶とコーラ、持ってきてね」とオーダーする。ほどなくプールサイドにお茶セットがやってきた。ポットに入った紅茶をだばだばと飲むプールサイド、ちょっと良い気分。

Sheraton Grande Laguna Phuket 「Pool Snack Bar」にて
Premium Tea
Coke
2 × 95.00 B
85.00 B

タイ語の「カルピス」、到底読めない日も落ちかけて、いよいよ涼しくなってきたところで部屋に帰還。熱いシャワーを浴びてから部屋で少々一休み。
ひとっ風呂浴びた後、息子が
「カルピス〜、カルピスのむよ〜」
と昨日街で買ってきたカルピスを冷蔵庫から取り出した。タイで生産されたカルピス、しっかり日本語で「カルピスウォーター」の文字も記載されているのに、その上のロゴは全くもって読解不可能の"記号"になっている。あまりに不思議な缶の外見に、思わず写真撮影。

で、味がこれまた全然違うのだ。コカコーラの味は変わらないのに、カルピスの味はあからさまに違う。タイで飲むカルピスは、どこかヤクルトにも似たような「乳酸菌が発酵しまくってます」的味がした。日本で飲むそれよりは、あきらかに濃い味がする。ちょっと不思議なタイのカルピス。

タイ舞踏の夕食を〜LAGUNA Cafe

プーケットでの3回目の夕御飯。
今朝、朝食を摂ったホテル「Dusit Laguna」ではタイスキが食べられるらしい。ロビーに並んでいたレストラン案内には「Shabu Shabu」の文字が踊っていた。
「シャブシャブだ!」
「タイシャブだ!あれ?つまりタイスキのことだよねぇ?」
と私たち、おおいに盛り上がる。子連れのたらたらバカンスゆえあまり夜にも昼にも出歩きたくはなかったりするので、ホテル内でタイスキが食べられるならそれに越したことはない。

暮れゆくアンダマン海

で、対岸のそのホテルに再び赴いた。日もとっぷりと暮れ、黒々としたラグーンの上にはちらちらと小さな明かりを灯した舟が浮かんでいる。見るとそれは水上バスではなく、カップルを乗せたディナークルーズ船なのだった。「キム」という名の、琴に似た楽器の奏者も一緒に乗り込んでおり、ポロンポロンと儚い音色が周囲に響いている。当然シェフと給仕人も1人ずつほど乗っていて、キャンドルを灯した席で食事するカップルの姿が良く見えた。す〜ばらしくロマンティックな光景だけど、見ている側としてはちょっと気恥ずかしい気分もする。
水上バスを待つ私たちは、船着き場にて
「あ、水上バス、来たかな?」
「……いやあれは違うよクルーズ船だ」
「……なんだ、乗れない舟なのね。あれはいかがわしい舟なのね」
「そうそう、いかがわしい舟、いかがわしい舟」
肝心のバスが来ないもんだから、「そう、あれはいかがわしい舟」「あれもいかがわしい舟」と"いかがわしい舟"を連呼する私たち。いや別にいかがわしくないんだけど。

数分後、無事にいかがわしくない舟にて「Dusit Laguna」に到着。
残念なことに、「Shabu Shabu」はランチのみのメニューなのだった。掲示のポスターを隅々までしっかり読まなかった失態だった。「あらぁ、残念」とポスターの前にたたずむと、脇には「タイ舞踏の夕べ」なんて案内も掲示されていた。本日午後7時よりの開始で、8時から舞踏ショーが始まるらしい。
「こっちもタイ料理だよ」
「うん、やっぱりタイ飯が食べたい気分だし」
と、そちらに行ってみることにした。まだ時間は6時半過ぎというところ、予約をしてからぷらぷら歩いて開始を待つ。

7時を過ぎて数分後、朝食を摂ったところと同じ店に入店した。
「たまにはシンハービール以外を飲もうか」
と、だんなは「Phuket Island Lager」なるビールを、私はロングカクテル「Dusit Long Island Iced Tea」を。何種類ものリキュールを合わせたカクテルは、不思議なことに見かけも味もアイスティーに良く似ている。飲みやすいけどアルコール度も高い。私の好きなカクテルに"Dusit"の名を冠したそれは、酸味がちょっと強かった。

で、ビュッフェ料理をたっぷり堪能。
全ての料理に英語で説明がしてあるものの、初めて見る料理も多くておっかなびっくり盛りつけていく。唐辛子マークなんてついていないから「これ、辛いかなぁ」「これも辛そうだなぁ」と脅えつつ、それでも一通り食べてみたいよなと少しずつ食べてみた。
冷菜はサラダ類がほとんどだ。魚介たっぷりで甘酸っぱい味のもの、白菜らしき野菜の入った強烈に辛いものなどなど。ゆで卵たたっぷり入った魚介入りのサラダは、口にしたときは甘酸っぱいだけなのに後味は強烈に辛かった。パクチーの香りが全面的に漂ってくるひき肉のサラダと、揚げ卵がたっぷり混ぜられた甘口のサラダは特に美味しく思われて、ついついそればかりを山盛りに食べてしまう。

素朴な感じの舞踏でしたスープも数種、素朴な土鍋に入ったものがコンロにかかって並べられている。魚介入りの澄んだスープは辛く酸っぱくちょっと尖った味。対してトムヤムクンはちょっとばかりマイルドだった。海老とふくろ茸がごろごろ入ったトムヤムクンだ。当然パクチーもたっぷりと。
スープの横にはカレー類。レッドカレーやグリーンカレー、ローストダック入りのココナッツ風味のレッドカレーなんてのもある。牛肉入りの一見欧風的なカレーは、その実、舌の根にココナッツの甘さがもやもやと残る面白い風味のものだった。何を食べても、どれもしっかりタイの味。

「冷菜食べたら、おかずと御飯だよなぁ」
と、大皿の中央にこんもりとタイ米の御飯。インドネシア料理における「ナシ・チャンプル」の如くに周囲におかずを放射状に散らしていく。牛肉や野菜の炒め、魚介の炒め、お気に入りのサラダの数々、サテ類も数種類揃っている。甘くて辛くて酸味もある、ちょっとばかり観光客向けにマイルドにアレンジされてはいるだろうけどしっかり香るタイな味の料理だった。

そしてそしてフロアの隅にはシェフが2人、並んで構えて立っている。そこでは汁麺と炒め麺、あんかけ麺をその場で作ってくれるらしい。麺はビーフンや小麦麺、卵麺など好みのものが選べる仕組みだ。どれも5口ほどで食べられるような小さなポーションの麺だ。
だんなが頼んだあんかけ麺は魚介たっぷり空心菜もたっぷりのもの。私が作ってもらった小麦麺の汁麺は、レバーやもやしが山盛りトッピングされていた。甘口のスープの独特の味だ。

そうこうしているうちに、フロアでは数人の踊り子さんがひらひらと舞い始めていた。衣装も音楽も、バリ島のものと近い空気を感じるものだった。ただ、いかにも「神様に捧げます」といった感じのバリのものに比べると、素朴な雰囲気が漂う。純粋に収穫を喜んだり、村人の幸福を祈ったりしているような、そんな感じのものだった。今回見たものがたまたまそういうものだったのかもしれないけれど。
先の先まで神経を尖らせたような、くねくねと流線を描く指先の動きは美しいものだ。

いつしか食卓はデザートコースへ。トロピカルフルーツの数々と、餅米を使ったようなお菓子が並ぶ。日本で言うところの"ゆべし"に良く似た、くるみのようなナッツの味がする練り餅的なものだとか、果物の形を模したミニ菓子だとか、色鮮やかで凝った形状のものが美しく並んでいる。

5分ほどの踊りを終えては内容や衣装を変え、女性だけだったり男女ペアだったりの舞踏ショーはまだちょっと続くようだった。が、息子はもはや退屈そうな様子。少々ぐずり始めていたので宴の途中ではあったけど、ちと早めに退席させていただいた。夜もまだ遅くはない。
「ちょっとだけ、遊んでいく?」
「いいですねぇ」
「ぼくも、あそぶー」
と、滞在ホテルに戻ってからプレイルームに行ってみた。数台のパソコンと数台のプレイステーションが置かれた部屋には各国後の文庫・雑誌も置かれており、中央には2台のビリヤード台が置かれている。インターネット接続とテレビゲーム以外は無料で遊べる。

「ナインボール、しましょうか〜」
「いいですねぇ〜」
と、ビリヤードと2ゲームほど、1勝1敗のバランスの良いゲームを終えてのんびりと部屋に帰った。
プーケット滞在はあと2日。ちょっとばかりメランコリックな気分になりつつあるこの頃。

Dusit Laguna 「LAGUNA Cafe」にてタイ舞踏つきタイ料理ビュッフェ
Thai Buffet
Phuket Island Lager
Dusit Long Island Iced Tea
Coke
Evian 2001
2 × 760.00 B
140.00 B
230.00 B
85.00 B
220.00 B