6月2日(水) 海とプールでこんがり、ラムチョップもりもり

朝のお散歩

海の夜明け 私は、旅行に行くとたいてい朝早くに目を覚ましてしまう。今日もやっぱり午前6時過ぎに目覚めてしまった。外はちょうど夜明け直後といった感じで気持ち良さそう。ホテルのカードキーとカメラを持って、ホテル内を散歩してみることにした。

昨日遊んだ流れるプールのあたりを
「このへんに、何か建物があったよなぁ……。あぁ、レストランだったのかー。あのへんに、もうひとつのプールもあったはずー」
と思い出しながら一周してみる。ホテルのスタッフがプールに浮いた木の葉や花びらを取り除いたり床をブラシで磨いたりとあちらこちらで働いていた。スプリンクラーが動いて草木に水をかけていて、そこら中、かなりの湿気が。涼しい部屋から持ってきたカメラのレンズが何度も曇ってしまって写真を撮るのも大変だ。

海は西を向いているので朝日が昇ってくる様子は見られなかったけれど、空が明るくなっていくなか赤く染まる雲を見られたりして、早起きして得した気分に。南国ならではの花もあちらこちらに咲いていて、あれこれ撮影して歩いてみた。

にょろにょろと猫のしっぽみたいに伸びた真っ赤な穂を持つ植物、甘い匂いのする"プルメリア"というツルンとした白い花、鮮やかな深いピンク色のブーゲンビリア、昨日も町中で見かけたオレンジ色の花をつける樹や、鳥の羽のようなツンツンした花びら(?)を持つ不思議な樹。名前がわかるものなどほとんどないけれど、「あー、あそこにも見知らぬ花がー」と、あれこれ探して歩いてみる。ハイビスカスもそこら中に咲いていた。すてきすてきー。

赤い猫じゃらしみたいな これはプルメリア。いい香り
綺麗なオレンジ色の花が咲く樹 これも花?

一度目のブッフェ朝食

散歩を終えて帰ってきて、午前7時過ぎ。だんなも息子もまだ起きる気配がなく、けれども動き回った私はすっかり空腹に。数十分じりじりと待ち、だんなが目覚めたのをこれ幸いと息子も起こして朝食に向かった。今日はホテルから一歩も出ないで、ひったすらホテルの施設で遊び倒そうという予定。しっかり食べてしっかり動こう!と、鼻息荒く昨晩も食事したブッフェレストランに向かう。

朝食はこのブッフェレストランの他には軽食専門の小さなカフェのみで摂ることができる。ホテルの外に出るならば、バスか何かに乗らないと食事できそうなところに辿りつけなさそう。だから宿泊客はほぼ全員、このブッフェレストランに集合することになる。それほどお客が入っていないように思われたホテルだけど、朝御飯を食べに来ると「おお、こんなに泊まっていたのか!」という感じ。

昨夜デザートが並んでいたコーナーにはデニッシュが何種類も並び、サラダが並んでいたコーナーはフルーツや冷前菜に。内容はやっぱり和風韓国風洋風のごた混ぜ状態で、スモークサーモンの隣にそうめんが置かれていたり、メキシコ風の卵料理の脇に冷や奴が置かれていたりした。白い御飯もあれば味噌汁もあり、キムチもある。納豆や焼き海苔、生卵まで!

3日間ここで朝御飯を食べるなら1日くらいは御飯と味噌汁の朝食もいいかも〜……と思いつつ、今日はあれこれ好きなように食べてみることにした。シェフがオムレツを焼いてくれるコーナーにできたてワッフルがあったのでそれをいただき、ホイップクリームとメープルシロップをこてこてと添える。スモークサーモンやチーズ、ソーセージのパイ包み焼きにポテトグラタン、メキシコ風のサルサをかけていただく揚げ卵みたいなものも皿に盛る。だんなが焼いてもらってきたチーズと玉ねぎとマッシュルーム入りのオムレツもしっかり分けてもらって、今日も朝からもりもりとよく食べた。

息子は息子で、大好物のコーンフレークが6種類くらい用意されているのに狂喜乱舞して、
「あれとー、これとー、これも入れちゃえ〜」
と何種類かをミックスさせて牛乳入れてボリボリと食べまくり、それ以外にもスモークサーモンを囓ってみたりフルーツを山盛り持ってきてぺろりと平らげてみたり。

「なぜこんなところにそうめんがあるんだろうね」
とか言いながら、結局親子3人全員揃ってそうめんを啜ってみたりもした。かまぼこやさつまあげ、刻み葱なんかもちゃんと用意されていて、市販の濃縮だしをただ薄めただけみたいな麺つゆが用意されている。それはそれで美味しいなぁと思っちゃったり。

遊ぶ遊ぶ

海賊船のあるプール

朝食後は早速水着に着替えてプールサイドへ。デッキチェアにタオルを置いてから、プールで海でずっとずっと遊びまくった。

プールは大きく分けて3つ。海賊船のオブジェが浮かぶプールにはウォータースライダーが2つあり、浅めの子供用コーナーと1.5mほどの深さの大人用コーナーと、そして3m深さのスキューバーダイビング練習可能なコーナーに分かれている。脇には水球用のゴールやウォーターバスケット用のゴール、ウォーターバレーボール用の網なんかも張られている。
もう1つは流れるプール。1周15分というそのプールは、大きな浮き輪の穴にお尻を入れる格好でぷかぷか浮きながら流れられるようになっている。浮き輪は2人用のものもあり、途中には急流ポイントや滝、渦巻きプールエリアなどもあってなかなか楽しい。そして競技用の、ごくごく普通の四角いプールもあった。ボディサーフィンが可能な設備もあって、それはお兄ちゃんたちに大人気。

専用マットを敷いて座ったり腹這いになったりの姿勢で滑っていくウォータースライダーを飽きるほどやり、流れるプールを飽きもせずぐーるぐるぐるとまわりまくり、そして海にも行ってみた。2人乗りの細長いボート、"カヤック"も無料で乗れるということで、オールを2本借りて家族3人で乗ってみる。ブイの浮くところの範囲内で遊んでねということだったけれど、そのブイはずいぶんと遠くに見える。400mほどは先にあるんじゃないかと思われたけれど、どうやらそこまでずーっと大人の背が立つ程度の水深しかないようだ。

それでも一応、息子にはライフジャケットをつけてやってぐいぐいと沖に漕ぎだしてみる。どこまで行っても海の底がよく見える、綺麗な綺麗な海水で、でもその綺麗な海底にはそこら中にナマコが沈んでいた。あっちにもナマコ、こっちにもナマコ、とにかく海の中に点々と黒々とした物体ばかりが目に入る。海底30cmごとにナマコがいるというくらい、とにかくナマコだらけの光景で、自分の足で海底を踏んで歩く勇気は持てそうにないなぁと確信。ナマコだらけの光景に圧倒されて、カヤックの上からは、海の中に魚が泳いでいるかどうかなんて、確認できなかった。もっと深い海のところに行かないとダメなのかなぁ、魚は見られないのかなぁ、と、このときはちょっとがっかり。

カヤックの上でじりじりと陽に焼かれ、その後またプールに戻ってじりじりと陽に焼かれ、そんなことしている間にお昼になった。
……実は、浮き足だつあまり、私たち全員、日焼け止めを塗っていなかったりした。それがその後の悲劇の始まり。

初めてのチャモロ料理

とりあえず、部屋に戻ってちゃちゃっと着替える。お昼御飯食べたらまた同じ水着を着るよねと、バスルームに水着をうっちゃって、ホテル内の軽食レストランでお昼御飯。簡単なものがいいねと話していたのだけれど、そのお店のメニューにはハンバーガーやピッツァなどが載っていて、「そうそう、こんな感じ!」と、その店に決定。わざわざ着替えてこなくても、プールサイドに持ってきてもらったり、部屋まで運んでくれたりしてくれるらしい。

冷房の効いた店内で、だらだらしながらまずはビール。だんなは青島、私はサンミゲール、息子にはポカリスエット。鰻重やカツ丼が載っているメニューを見て「うっわー」と呟いていたら、
「Today's Special」
と店員さんがどんぶりを持ってきた。ラップのかかったその中身を見ると、それは"山かけ丼"。マグロの切り身がざくざく乗った御飯の上には間違いなく"とろろ"がこんもりとトッピングされていた。

サイパンまで来て鰻重とか山かけ丼を食べなくてもなぁ……と、ラージサイズのピッツァを皆でつつくことに。前菜メニューに「伝統的なチャモロ料理」と説明のあった"Chicken Kelaguen"なるものを見つけたので、試しにそれを注文してみることにした。
さっぱり辛くて、うまー

"チャモロ料理"とは、この島の土着の料理。特徴はココナッツミルクと香辛料をたっぷり使用することなのだとか。Kelaguen(ケラグエン、あるいはケラゲン)とは"お総菜"の意味。チキンケラグエン(あるいはチキンケラゲン)、ビーフケラグエン(あるいはビーフケラゲン)と、種類は色々あるそうだ。メニューに載っていたチャモロ料理はChicken Kelaguenだけだったので、選択の余地なくこれを食べてみる。

説明文には(メニューは見事に日本語……)、
「味付けチキンに薄いティティザスプレッド付き。フィナデニソースで。」
と書いてあった。"ティティザスプレッド"も"フィナデニソース"も、説明されてもその言葉自体がさっぱりわからない。後になった知ったところによると、"ティティザスプレッド"とは"Titiyas"というチャモロ風トルティーヤの事、"フィナデニ(Finadeni)ソース"とは、刻んだ葱や唐辛子を醤油とレモン汁などで和えたチャモロ料理に欠かせないソースなのだそうだ。そんな事は知らず、ともあれ初めてのチャモロ料理。

やってきたのは、角切りされた茹で鶏を刻んだ青葱、玉葱、生姜などで和えて赤唐辛子とレモンで味付けしたような"酸っぱ辛い"料理だった。大ぶりのレタスの葉が数枚と、素焼きしたピザ生地のようなもの(というか厚焼きのトルティーヤみたいなもの)が添えられている。ほんのり甘さが感じられるそのティティザスプレッドでさっぱり味の鶏肉をくるむようにしながら、あるいはレタスでくるんでみたりしながら、その鶏肉を食べてみた。さほど辛さは強くなく、メキシコ料理にCeviche(セビッチェ)という、魚介のライム和えの料理があるけれども、それとちょっと似てるかなと思った。一口目の印象は柑橘類の酸味の方を強く感じるけれど、食べ進むうちに口内や舌の表面が辛さでヒリヒリしてくる。でも、美味しい。これは美味しいぞー。
ボリュームたっぷりピッツァ

そして、メインディッシュは大きなピッツァ。メニューにはピッツァの種類は掲載されておらず、ハムだの肉だのトマトだのといった具材の名前ばかりが20種類くらいも記されていて、「お好みのものをトッピングします」と書いてあった。
「これって……いくつ乗せていいの?何個まで?」
注文時に尋ねてみると、
「なんでもよ。全部でも!」
と、これ以上なくシンプルな返事をいただいてしまい、逆に「えっとー……どれ、乗せようか?」と悩んでしまう。乗せすぎも大変なことになりそうだし、シンプル過ぎるのもつまらないし。

で、結局、息子のリクエストによるハム、それに合わせてトマトとマッシュルームとアスパラガスも。そしてちょっとそれじゃ物足りないかな?と挽き肉を追加した。で、やってきたのはその直径の大きさ以上に食べ応えがあったピッツァ。生地が独特で、その独特さが美味しい。先の"ティティザスプレッド"に似た食感の、ビスケットのようにカリカリサクサクとしたピザ生地だった。イタリア風のピッツァのようにサクッパリッあるいはモチッとしたものでもなく、アメリカ風のピッツァのようにフカフカしたパンのようなものでもない。こんがりと焼けていて、サクサクホコホコと香ばしくて、期待した以上にとても美味しかった。息子が2切れ、私が3切れ、だんなが3切れ。午後の運動分の活力を充填し、再び水着に。

Pacifc Islands Club」内「Galley」にて
Chicken Kelaguen
Large Pizza
Beer (Tsing Tao)
Beer (San Miguel)
Pocari Sweat
$7.50
$17.50
$4.50
$4.50
$3.00

さらに遊ぶ遊ぶ

午後も引き続き遊ぶ遊ぶ。子供用の浅めのプールで息子とビーチボールで遊んだり、マットに寝そべる体勢でウォータースライダーをこれでもかと満喫したり。途中、体力の尽きた私は「甲羅干し〜」とマットの上にうつぶせになってプールの上をたゆたってみていたりもした。

「な、なんか、ヒリヒリしてきたよ……」
「……やっぱり?私も……」
気がつけば、肩や背中が赤くなってヒリヒリし始めている。日焼け止め、もっとちゃんと塗っておいた方がいいよとだんなが一人で部屋に戻って日焼け止めを持ってきてくれたのだけれど、そうこうしているうちに時刻はもう4時。

肩のヒリヒリも本格的になってきたので一度部屋に戻って着替え、ホテル棟を挟んだプールの反対側、テニスコートのある方へぷらぷらと遊びに行った。そこにはわりあいと本格的なテニスコートが数面あり、9ホール用意された小さなパターゴルフ場、3on3をするようなバスケットコート、アーチェリー場なんかがあった。大学時代にアーチェリーをやっていただんなはアーチェリーに興じ、私は息子の
「ゴルフ!ゴルフやってみたい!」
の声に、一緒にパターゴルフをやってみることに。

カーブあり隆起ありのパターゴルフはそれなりに楽しかった。子供用のクラブもちゃんと用意されていて、色とりどりのボールから好きなものを選んで使う。可愛らしいサイズが息子にはちょうど良いようで、とても楽しそうに何度も何度もパコパコボールを叩いている。2周ほどパターゴルフをした後は、アーチェリーをしていただんな共々全員が汗みどろになっていた。南国で運動するのはなかなか大変……。

ラム肉夕食

Tシャツが重くなるほどにかいた汗を流そうと、夕食前にひとっ風呂。私もだんなも肩や背中が真っ赤に染まっていたけれど、息子は赤くならずに素直に肌がこんがり黒くなっていっている。ヒーヒー言いながら、できるだけぬるめにしたシャワーを浴びて保湿ジェルを塗りまくった。まだ2日もあるのに今からこんなに焼けてどうするのー。

部屋でしばし休んで一息ついて、でもまだ時刻は6時を過ぎたところ。
「確か、今はハッピーアワーだよ。ドリンクが半額になるってよー」
と、ホテル内のステーキ&魚介料理屋さんに。一応予約してから向かったのだけれど、6時を過ぎたばかりの店内はお客は他にまだ誰もいなかった。結局その後も店内にお客が増えることはなく、テラス席に10人ほどのグループがやってきてパーティーを始めた以外にはお客の影を見ることはできず、なので気兼ねすることもなく家族でのんびりと夕御飯を楽しむことができた。
かわいらしい海老の前菜

今の時間、飲み物がすべて半額ということで、私は定価7ドルの「Marinas Trench」というカクテルを。この店のオリジナルらしいそれは、メロンリキュール入りのハードレモネードといった風のロングカクテルだった。エメラルドグリーンの色合いが美しく、とろんと甘くて飲みやすい。ここぞとばかりにカクテルをくぴくぴと堪能し、その後は赤ワインをいただこうかなとも思いつつ、結局ビールをいただいてしまった。いくら飲んでも汗になって出ていくような気候で、飲んでも飲んでも喉が乾く。ビールがうまー。

前菜は、私がココナッツ風味の衣をまぶして揚げた海老のスィートチリソース添え。だんなはタスマニアサーモンの"薔薇仕立て"というすごい名前のもの。メインディッシュは私がラム肉、だんながアンガスビーフのフィレミニヨンのステーキ。そして息子にはチャイルドメニューからフィッシュ&チップス。お店の人は
「コレが美味しいよ。とってもおトク!オススメ!」
とロブスターが食べられる$90/人くらいのコースを熱心に勧めてくれたけど、好きなものを好きなように食べることにした。ハッピーアワー効果もあって、デザートまでいただいても会計は合計$100。満足できる夕御飯だった。
繊細な細工いっぱいのラム肉ロースト

値はもさほど悪くない料理だったので、「もしかして、これはすっごい量の食べ物が出てくるのかしら……」と恐怖していた(いや、期待かもしれない)のだけれど、やってきたのは程良い分量の、細かな細工が施された上品な味のものばかり。満腹しすぎることもなく、適度に心地よくお腹がいっぱいになった。海老は区切りつきの可愛らしい皿に1尾ずつにフォークが刺さって盛りつけられ、カリッと揚がった大ぶりの海老がココナッツの香りをまとって良い感じ。ラムはリクエスト通りにきっちり見事なミディアムレア。じゃがいもをリング状に揚げ焼きしてガレットのようにしたものにマッシュポテトを詰め、その上に美しく肉が盛られている。ポテトチップの他には素揚げしたスパゲッティと思われるものが触角のように天井に向かってピヨンと伸びていて、どこかユーモラスさもある盛りつけ。緑色の、目に鮮やかなソースも添えられた、見た目の楽しさもある料理だった。肉汁たっぷりのラムも美味しかったけれど、だんなの食べたアンガスビーフがこれまたジューシーで柔らかで美味!

デザートにはチョコレートクレームブリュレ。息子はハーゲンダッツのバニラアイスとシャーベットの盛り合わせをもりもりと平らげ、私はねっとりと濃厚な、でも甘さはさっぱりめのチョコレート味ブリュレを堪能した。あー旨かった旨かった。大満足。

Pacifc Islands Club」内「Seaside Grill」にて
私:
Hawaiian Prawns
Roasted Lamb
Choco Brulee
カクテル(Marinas Trench)
ビール(San Miguel)

だんな:
Tasmanian Salmon
Fillet Mignon
ビール(Corona)
グラスワイン(Cab Canyon)
Coffee Hot

息子:
Kid Fish N Chips
Haagen Dazs I/C

 
$8.00
$25.00
$8.00
$3.50
$2.25

 
$7.00
$27.00
$3.00
$2.50
$2.50

 
$5.00
$5.00

部屋に帰ると、まだ8時前。それでも遊び疲れもあって眠くなってしまい、
「もう、お風呂入っちゃったから良いよねー」
「このまま寝ちゃえ〜」
と、数十分後に全員がベッドに沈んでしまったのだった。早寝早起きで健康的なバカンス。