7月16日(土) あんかけスパにシロノワール、名古屋コーチン

イタリアンなモーニング〜「cafe KOMON」

一応、今回名古屋に来たのは「万博」が目的なわけだけれど、万博の入場者数予想を見ると「土曜が最も混雑、日月はそうでもないかもー」というものだった。じゃあ今日は名古屋市内で遊ぼうか、ということに。

名古屋の朝と言えば、豪華な無料のモーニングセット。コーヒー一杯頼めば、トーストがついてくるのが普通で、ゆで卵やフルーツ、ところによっては茶碗蒸しやうどんなどまでついてくるというのが、関東あたりじゃ考えられない豪華な「コーヒー一杯で食べられる朝御飯文化」だ。……とは言うものの、内容が豪華なのは郊外のお店が多く、名古屋駅近くじゃそこまですごいものはなかなかないらしい。

「……というわけで、"リヨン"というお店に行ってみようと思います」
と、7時半過ぎに宿を出る。名古屋駅からほど近いところにある「リヨン」という店は、6種類ものセットメニューの中から選べるモーニングセットなのだとか。その内容も小倉のホットサンド、野菜のホットサンド、トーストと卵とカステラの組み合わせ……など、なんだかやたらとすごいことになっている。

「はーい、この店でーす」
と、駅近くのビル地階のお店の前に立ってみると、「営業中」の看板はかかっているのに店内は暗く、鍵までかかっている。土曜は営業しているはずなんだけど……8時からオープンだって聞いたんだけどなぁ……とお店の前をうろうろしてみたのだけれど、どうやら今日はやっていないみたい。がっかり。

んじゃ、しょうがないからこっちの店にしよう、と、しっかりチェックを入れておいた別のお店に。駅の反対側だけれど、これまた駅から遠くないところにある、「cafe KOMON」というお店を目指してみた。

これが無料のモーニング こっちは+500円のモーニング

まだオープンしたばかりといった風の小綺麗なお洒落な喫茶店。店入り口には開店祝いと思われる蘭の花などが飾られていて、板張りの床もテーブルも椅子もまだそこら中がピカピカとしているお店だった。

「レギュラーセット」(ドリンク代のみで食べられる)は自家製パンのトーストサンド・コールスローサラダ・ヨーグルトという内容で、"ドリンク代込み500円""ドリンク代込み900円"(ドリンク代が400円を超える場合、400円との差額を加算)といったちょっとお高いセットだと、卵料理がついたりソーセージがついたり料理が豪華になっていく。

面白いねと、だんなが900円の豪華セット(Cセット、右の写真)、私と息子はドリンクのみのレギュラーセット(左の写真)を頼んでみた。Cセットはレギュラーのメニューに加え、クロワッサンとベーコンエッグ、ソーセージがついてくるらしい。
だんなと私はミックスジュース、息子はバナナジュース。作りたての冷たいフルーツジュースをいただきながら、「550円でこれが食べられるなら幸せかもー」という内容の豪華朝御飯を楽しんだ。

トーストサンドは、パニーニ風のバジルと生ハムとトマトが挟まれたもの。コールスローはセロリの香りで、ヨーグルトにはラズベリーのジャムが少量落とされている。だんなの皿には更に豪華に、さつまいの入ったパン(クロワッサンの代わり?)、半熟のスクランブルエッグに厚切りベーコン(……ベーコンと書いてあったけど、塩漬け豚肉を厚切りにして焼いたような、とてもジューシーなもの)、たっぷりのソーセージが盛られ、大変なことになっている。私と息子もフォークをのばしてあれこれつまませてもらった。朝からパニーニ食べられるとは思っていなかったから、なんだか嬉しい。

テーブルにあったグランドメニューはイタリアンとも無国籍ともつかない美味しそうなものがあれこれ並んでいたのだけれど、スパゲティの欄のところに「ソースはあんかけ、オイル、トマトからお選びいただけます」と書いてあったのが素晴らしく名古屋だった。ミートソースでもクリームソースでもなく、「あんかけ」。素晴らしい。

名古屋駅近く 「cafe KOMON」にて
モーニングCセット
ミックスジュース
ミックスジュース
バナナジュース
\900
追加料金\150
\550
\500

ポケモンだらけの遊園地〜「Pokemon The Park 2005」

photo

そして今日の目的地は、万博のサテライト会場のひとつ、「ささしまサテライト」にある「Pokemon The Park 2005」(ポケパーク)。ポケモンだらけの子供向け遊園地で、名古屋駅から電車で1駅、歩いても15分くらいの距離にある。朝食の場所から遠くなさそうだったので、てくてく歩いて向かってみた。

連休ということである程度は覚悟していたのだけれど、ポケパークはすごい混雑。本当に子供向けの遊園地で、小学校の低学年生でも余裕で乗れるゆるめのジェットコースターがあったり、モンスターボールを模した観覧車があったり、コーヒーカップがあったりバイキングがあったり。そこここにポケモンのキャラクターがくっついていることと、アトラクションごとに固有のポケモンカードがもらえる以外は、ほんとに普通の遊園地だ。
photo

で、乗り物はどれもお高め。たいして複雑な動きもないコーヒーカップで1回500円、そんなに大きくもない観覧車で1回800円。最初
「えっとーえっとー、どれに乗ろうかなー」
と到着直後は右往左往していた息子、カードがもらえると知った途端に「あれに乗るー」「今度はこれー」と大騒ぎになり、せっかく来たのだからと大行列になっていないアトラクションを中心にいくつか楽しんできた。ウォークスルーアドベンチャーの「ミュウと波動の勇者ルカリオ」、「ポケモン大観覧車」、くるくる回る乗り物の「ピカチュウの森」は息子1人で乗ってきてもらい、あとは「ポケモン星空トリップ」(左の写真)に「ルギアのくるくるシップ」(コーヒーカップ)は私とだんなが順番に付き添った。カード5種類ゲットー……と、とりあえず息子は大喜び。

アトラクションは全て「Edy」で決済されるのだけれど、オリジナルEdyカードを買おうとすると1枚2000円(←チャージされる金額抜きで、カードだけで2000円……ポケモンイラストつきとはいえ……)。我が家は、だんなが前から持っていたEdyカードを使い、アトラクションも「次はお父さんと行ってきな」とか「君だけで乗ってくる?」となるべく節約節約としたけれど、それでもほんの2つ3つのアトラクションで6000円ほどの金額が飛んでいってしまい、びっくりだった。たっかいねぇ……。

そんなこんなでお昼に近い時間になり、パーク内は着々と混雑していく一方で180分待ちのアトラクションなども出てきたことから、このへんでパークを後にすることに。昼御飯を食べに大須あたりに移動しようかしらねと、帰りがけに通りがかったサテライト会場内のフードコートの中華料理店でマンゴプリンを発見した。

「食べてもいい?食べてもいい?」
と私が立ち止まってしまったせいで、
「じゃあ、ぼくね、かき氷ー」
「……俺、ビール飲んでもいいかなぁ……」
と、昼御飯前だというのに、ついついここでのんびりと休憩。

栄に本店があるという中華料理店だそうで、マンゴプリンはとても本格的な味。マンゴーの味が濃厚で適度にミルクっぽさがある自然な味のマンゴプリンで、すごく美味しかった。300円で分量たっぷり。
「ぼくは、マンゴーかき氷!」
と、マンゴーかき氷(200円)に練乳トッピング(50円)してもらった息子。それまた嬉しい安さで、しかもどうやらマンゴーシロップは自家製のようで、香料臭さの全くない自然な甘さ。マンゴプリンとマンゴーかき氷を買ったものだから、「そんなにマンゴー好きなのかしらこの人たち」という感じで、
「……これ、サービスです。ちょうどマンゴージュースを絞ったところだったのでー」
と小さな紙コップに一杯のマンゴージュースをおまけにつけてくれた。このマンゴージュースも新鮮な果実を使ったもので、実に実に美味しい。思いがけず美味しいマンゴーデザートに出会えてきゃあきゃあと御機嫌な私と息子だ。

だんなは向かいのトルコ料理屋さんで「おつまみケバブ」(ケバブとポテトの盛り合わせ)と生ビールを買ってきていて、私も少し分けてもらう。こちらも観光地にしては良心的な価格と盛りの良さで、全体的に美味しくてお安くてちょっと感動だった。ポケパークのアトラクションは実にぼったくった値段だったけれど、たまたま買って食べたものがどれも安くて美味しかったのでちょっとだけ救われた。

名古屋 「ささしまサテライト会場」内フードコートにて
「CHINESE DINING EXPOドラゴン 2005」の
 マンゴプリン
 マンゴーかき氷 ミルクがけ
「トルコ料理レストラン SULTAN」の
 生ビール
 おつまみケバブ(大)
 
\300
\250
 
\600
\700

からいあんかけスパ屋さん〜「からめ亭」

昼御飯は、名古屋らしいものを食べに行きたいねということで、「あんかけスパ」。発祥のお店「ヨコイ」も、有名店「チャオ」も以前行ったので、ちょっと変わったタイプのあんかけスパゲティを食べたいねと「からめ亭」というお店を目指してみた。その名のとおり、ちょっと辛めな味のあんかけなのであるらしい。1時を過ぎて丸の内にあるお店に到着すると席の大半は埋まっていた。
「ぼくは、あんまりおなかすいてないみたい……」
と息子が言っていたので、2皿注文して皆で分け合う。ついついビールも注文。今日も蒸し暑く日射しも強く、水分を取っても取ってもすぐに蒸発してしまう感じ。実に実にビールが美味しい。
具沢山、ミラカン

私が注文したのは、あんかけスパメニューの基本中の基本である「ミラカン」。
人気メニュー「ミラネーゼ」(ウィンナーとベーコンとハム、お店によって玉ねぎやマッシュルームも入る)と「カントリー」(玉ねぎ、ピーマン、マッシュルーム、ミックスベジタブルなどの野菜が中心)が、お客さんの「……両方一緒に入れたら、美味しいんじゃない?」という要望で合体したのだという「ミラカン」、赤いウィンナーや野菜炒めが実にあんかけのソースに良く似合う。他の店より、より黒々とした濃厚そうなソースに、油が怪しくキラキラ光る大量の炒め物がトッピングされていた。

麺はあんかけスパでは基本の極太麺。イタリア人が見たら「なんじゃこりゃー」と呟かれてしまうんじゃないかというふっといふっというどんのような麺が平皿に盛られ、上に具がトッピングされ、皿の縁に沿うように丸くあんかけソースを垂らすのがあんかけスパのスタイルだ。大量の具の下にこんもり盛られた太い麺を、とろ〜んと伸びるようなテラテラ光るソースに絡めて食べる。

確かに、かなり辛いソース。茶褐色のソースには黒い粒々がたっぷり混ぜ込まれているのが見え、それらは全て粗く砕かれた黒胡椒だ。唐辛子系の辛さじゃなくて、この胡椒による辛さなので、舌の感覚がなくなるようなカーッとくるものじゃなく、じわ〜っと後味で痺れてくるような胡椒の辛さ。甘さ控えめの大人っぽいソースが、麺にも具にも良く似合う。
「カルボナーラ」という言葉から想像されるものとはだいぶ違うけど、でも美味しい

そしてだんなの注文したのが「カルボナーラ」。
これまた、普通「カルボナーラ」と聞いて想像するのとは全く違う、ゆるめのスクランブルエッグが麺とソースの上にトッピングされたようなものがやってきた。卵たっぷりの、ふわふわした優しい味のスパゲティ、こちらは息子にちょっとわけてあげるつもりで「Mサイズ」に。

このお店、基本は「Sサイズ」(ゆで上げた麺の分量200g)で、「Mサイズ」(300g)・「MLサイズ」(380g)、「Lサイズ」(450g)、「Wサイズ」(600g)と幅広いサイズ展開がある。Mサイズでもなかなかな分量だった。息子がカルボナーラをうまいうまいとけっこう食べていたので、私のミラカンをだんなにあげつつ、完食。今日はこれからおやつをどっさり食べに行くので、昼は「ちょっと足りないかも」くらいで抑えてみた。

ミートソースともトマトソースともつかない不思議な味のあんかけスパ。胡椒のピリ辛が実にビールに似合っちゃって、
「やばい……実に合うよ……」
「やばいよね……ビールがもっと欲しくなるよ……」
と、どこか呆然としてしまいながらパスタとビールを空にした。

最後に、レジのところであんかけスパにぴったりの極太麺(ボルカノ社の2.2mmの太麺業務用1kg袋 650円也)が置かれていたのでそれを購入。さぁ大須散策だ〜。

名古屋丸の内 「からめ亭」にて
ミラカン(S)
カルボナーラ(M)
瓶ビール(中)
\997
\1029
\550

安くて美味しいジュース屋さん〜「伊藤くだもの店」

おもちゃはいつ取れるかな? 昼食後は地下鉄で大須に移動。いくつものアーケード街が交差し並行している大須の町をぷらぷら歩いてお店を眺めながらおやつの食べ歩き。

最初に通りかかった商店街では「氷祭り」なるものを開催中で、通りのそこここに氷柱が飾られていた。中に造花が固められていたり、おもちゃがこれでもかと固められていて「削って取れたら持ってっていいよ」という状態になっていたり。道行く人がぺたぺた触って去っていき、大人までもが真剣にジュースの王冠などで氷をガリガリ削っていたりもした。私たちも、氷柱を見つけるたびにぺたぺた触って
「ひやぁ〜」
「ヒヤヒヤ〜」
などと言いつつ歩いていく。

途中、一休みしたのが「伊藤くだもの店」。老舗の果物屋さんで、店頭で280円のフレッシュジュースが売られている。値段の手頃さも嬉しいし、そのメニューのオリジナリティもまたステキ。今日メニューにあったのは「バナナミルク」「ぶどうミルク」「すいか」「りんごオレンジ」などなどで、今日のおすすめは「いちじくミルク」。 photo

「……せっかく来たからには、他じゃあまり飲めそうにないのにするかなぁ〜」
ということで、私はいちじくミルク。息子は
「ぼくはね、好きなものがはいってるジュースをのむよー」
と、ピーチバナナ。だんなは
「じゃ、俺は普通のジュースにしてみようかな」
と、メロン。
店頭に置かれたベンチに座って休憩しながら甘く濃厚な、でも自然な美味しさのジュースを楽しんだ。

いちじくは淡く甘い優しい味の、いちじくそのままの味。シロップを少し入れた方が美味しいかしらと思いつつ、そのままミルク味のジュースをいただいた。息子のピーチバナナも桃の味がしっかり感じられる濃厚なもので、誰よりも甘いジュースだった「メロン」も、高級果物店での900円ジュースに負けない美味しさだった。お店には常に5人ほどが行列をつくっている状態で、ジュースが次々売れていく。
良い店だなぁ。

名古屋大須「伊藤くだもの店」にて
いちじくミルクジュース
メロンジュース
ピーチバナナジュース
\280
\280
\280

揚げパンとミルメークのお店〜「のんのん」

photo そしてまた、てくてくと大須散策。息子はゲームセンターをみつけて「ムシキング」に興じたりしながら、次なるおやつ処は「のんのん」というお店。給食で大人気の「揚げパン」が食べられるお店だ。嬉しいことに、ミルメークと牛乳のセットなどもあるらしい。

小さなお店に、いくつかのテーブルといくつかの椅子。日によっては行列もできるらしいけれどこの時はガラガラで、テーブルについて揚げパン1個とフルーツ牛乳を適当に家族でちょっとずつつまんでみる。

揚げパンは砂糖ときなこ、あとシナモンとココア……だったかな、確か4種類の味。ここは当然きなこでしょー、ときなこ味のを1つ、そして最近は滅多に見かけなくなった「フルーツ牛乳」があったので、それを1本。ミルメークは小袋を1つ20円で買うこともできて、初めて見た「抹茶きなこ味」などを5袋お土産にいただいてきた。

給食の揚げパンと同じ、表面がグラニュー糖でジャリジャリしている懐かしい味の揚げパン。まだ温かくて、表面にきなこがどっさりまぶされていて、手を汚さないように包み紙の袋から先っちょを出しつつ回し食べ。「だんな食べる?」「息子もお食べ」と回していたら、息子の番で揚げパンとフルーツ牛乳がぴたりと止まり、そこですごい勢いで減っていく揚げパンとフルーツ牛乳。私がちょっとボーッとしている間に6割以上が消え失せていた。こらこらこら。

名古屋大須 「のんのん」にて
揚げパン(きなこ)
フルーツ牛乳
おみやげミルメーク5袋
\130
\130
\100

嗚呼あこがれのシロノワール〜「コメダ珈琲店」

今回の大須巡り、最後は待望の「コメダ珈琲店」。名古屋が誇る、200店以上も展開しているチェーンコーヒー屋さんだ。色々と独特な文化を持ったコーヒー店らしく、広いファン層に支えられている……らしい。そこの名物「シロノワール」が、今回の大須巡りの最終目的地の目標物なのだった。

私はこれまで全然その存在を知らなかったのだけれど、だんなにとって今回の名古屋旅行最大の目的と言っても良いのがこの「シロノワール」なのであるらしい。4年前に名古屋を訪れた際、知人に
「名古屋に行ってきたの?じゃあ、シロノワールも食べてきたの?」
と言われ、なんだそれは一体!?と調べた結果「食べてみたい」になったのだとか。あいにくこのコーヒーチェーン、名古屋駅近くにはないということで、栄の店に行くかなーそれとも大須かなーとあれこれ行きやすいそうな店舗を調べて(しかもお店によってはシロノワールが置いてなかったりもするらしいので)、いざいざと大須のコメダに。

「シロノワールひとつ、あと、飲み物、俺はアイスコーヒーガム抜きで」
「……私は、アイスレモンティーで」
「おゆきさん、ガム抜きじゃなくていいの?」
「……あ、えっとーガム抜きで」
なんでも、「ガム抜きで」と言わないと問答無用で甘いアイスティーやアイスコーヒーが出てくるお店なのであるらしい。いきなり独自文化の洗礼を受け、面食らう私。

photo

そしてやってきた巨大なお皿、これが「シロノワール」。

ホットケーキサイズの分厚く大きく温かいデニッシュ生地のパンに、ソフトクリームをトッピングしたもの。これがシロノワールだ。入ったお店の店頭には「ミニサイズ出ました!」とポスターが貼られていたけれど、初めてということもあり、ここは基本のサイズを食べねばならぬとだんなと私、2人向かい合って正式サイズシロノワールに相対する。昼にあんかけスパ食べて、その後生ジュース飲んで揚げパン食べてフルーツ牛乳飲んで、その後にシロノワールかい!と自分に自分でツッコミを入れたくなったけれど、まぁ、そういう日もあるさ、ということで。

取り皿は3人分やってきている。だけれど、息子は「パンはね、いらないの、アイスがいいの」と缶詰フルーツがたっぷり盛られたソフトクリームのデザート「フルーツソフト」を一人抱えて格闘している。私とだんな2人でシロノワールを半分こして食べた。見かけがけっこうなボリュームだからどうなることかと思ったけれど、案外サクサクと食べられた。うまい、うまいよシロノワール。

あらかじめ6等分にカットされているデニッシュパンを取り皿に取り、ソフトクリームをすくって添える。更に上から別添の黒蜜をたらりと垂らし、食べる。パンはほのかに塩気があり、バターたっぷりふあふあの食感。温かいパンと冷たいソフトクリーム、そして黒蜜の甘さが渾然一体となって、何やら幸せな食感と味になって口の中に広がるのだった。……しかし1人でこれ食べるのはけっこう大変なんじゃないかしら。

結局、シロノワールはさくさくと余裕で食べきることができたけれど、でもコーヒーと紅茶についてきた豆菓子は胃袋におさめられず、そのまま持って帰ってきた。甘いもの食べ過ぎだわねと、大須から宿まで15分くらいかけててくてく歩いて帰還。夕飯までの1時間ほどを宿で休憩し、今日も一番風呂をいただいてしまった。部屋には今日も冷たい麦茶の入ったポットが新しく置かれていて、しばし冷房の効いた涼しい部屋で一休み。

名古屋大須 「コメダ珈琲店」にて
アイスコーヒー(ガム抜き)
アイスレモンティー(ガム抜き)
シロノワール
フルーツソフト
\360
\410
\560
\510

鶏尽くし〜「とら家」

「……手羽先食べに行く?昨日のリベンジで、風来坊」
「手羽先……うん、味噌カツとかよりは手羽先かな、ビールでね」
「ていうかさぁ……名古屋コーチン喰いたくね?」
「食べたいよ、すっごく食べたいけどさぁ……お高いかなぁって思って、無理かなと」

いやそれがさ、あんまり無理じゃないかもよ、この店なんかけっこうお安そうだよ、近いし……と、宿の部屋で夕飯に向けての家族会議を開いている私たち。結果、本日の夜は「名古屋コーチン、そしてビール」というテーマに決定した。行くことになったのは、伏見にある「とら家」というお店だ。名古屋駅に用があったので、一度名古屋駅に出て、そこから地下鉄で1駅。昨日の反省をふまえ、今日と明日の夕飯はちゃんと予約しておくことにした。7時半頃に行きまーすと一報入れておいてから宿を出る。

間口の狭い、奥に細長いお店。案内された2階には既に2組ほどのお客さんが入っていてわいわいとやっていた。
「お、ホッピーあるじゃん、俺、黒ホッピー」
「じゃあ私普通のホッピー」
"名古屋コーチンとビール"というテーマはどこへやら、メニューに「ホッピー」の文字を見つけて速攻ホッピーを飲み始める私たち。焼酎を入れて飲むホッピー、ビールに似た苦みがあるけれどスカッと軽く、でもビールよりも酔いは回る危険な飲み物。私もだんなもここ数年おおいにはまっている飲み物だ。焼き鳥とかに似合うんだよねぇ、これがまた。

ホッピー飲み飲み、私は途中から梅酒に切り替えて飲み飲み、数時間前まであんなにおやつを食べ歩いていたというのに、親子3人よく食べた。メニューにはひたすら鶏料理が載っていて、でも息子はめざとく見つけて自分の好物のコロッケやコーンバターやチーズの串揚げなんかを注文して食べている。私とだんなはひたすら鶏!とにかく鶏!

さすがにメニューの全品に名古屋コーチンを使っているわけではなくて、手羽先の唐揚げと串焼き盛り合わせ以外は「三河どり」を使っているそう。でも、プリプリとした新鮮な綺麗な桃色の「霜降り」や「鶏わさ」など、何を注文してもそれぞれがいちいち美味しくて幸せだった。

photo
霜降り
photo
鶏わさ
photo
鶏みそ串カツ
photo
鶏はらみのネギ塩炒め

私は「鶏わさ」が大好き。
「霜降り、本に載ってたよ。旨そうだったからこれ取ろう」
「あとねーあとねー、鶏わさも食べたい、大好きなの私」
「……霜降りが、ようするに鶏わさっぽくない?代用にならない?それじゃダメ?」
「ダメなの、霜降りは霜降りで、鶏わさは鶏わさなの。どっちも食べるー」
「……はいはい……」
美味しい焼き鳥屋さんであっても、案外「鶏わさ」は扱っていないところがあったりして、大好物なのにあまり口にしたことはない「鶏わさ」。生肉大好きな私たちはおおいに燃えた。

表面だけさっと火を通した「霜降り」はわさび醤油でいただく。柔らかな生肉の食感が歯に心地よく、でも臭みなどは全然ない。淡白で滑らかで幸せに美味しい肉だ。で、似ている品かと思われた「鶏わさ」はまたちょっと独特で、こちらはわさびをたっぷり溶かしただしに浸った半生の鶏の肉。こんもりと刻み海苔がトッピングされており、だしの味が少しばかり染みた鶏肉はわさびの強い香りがツンツン漂ってくる。こちらもうまー。ホッピーに素晴らしくよく似合う。

鶏肉の串カツに味噌ソースをかけたものも香ばしく好みな具合に甘辛く、柑橘系の酸味が爽やかな鶏皮ポン酢はたっぷりの葱が添えられてきた。鶏皮ポン酢以上の大量の葱が添えられたハラミの炒め物もコリコリプリプリと心地よい食感。そしてなんといっても名古屋コーチンの手羽先唐揚げが涙ちょちょぎれるほど美味しかった。塩とタレの2種類から味が選べて、それぞれ1本ずつ合計4本注文したのだけれど、最後に塩を追加注文してもう1本いただいた。

皮はバリバリと固く香ばしく、染み出る肉汁はほんのりケダモノ臭い強い味。軟弱じゃない歯応えのある肉はただ塩をしただけでも充分美味しくて、ちょっと大人っぽい味つけの甘さ控えめのタレ味唐揚げよりも、片栗粉はたいて揚げただけ、みたいな塩味唐揚げが気に入った。もうこれだけ5〜6本あれば酒が何杯でも飲めちゃうわ、というほどに。

名古屋コーチンの串焼きは、皮とレバーと腿と胸。だんなと半分こしながら、添え物のキャベツをつまみにバリバリと食べながらいただいた。脂の味がとろけそうに甘い皮や、甘さが感じられる臭みのないレバー。ああ、名古屋コーチンは美味しいなぁ。

最後に、小ぶりのどんぶりに盛られた焼き鳥丼(中央に生卵の黄身、周囲に刻み葱どっさり)を家族3人で分け合って平らげ、夕食は終了。ロックの梅酒をくいくい飲み干してしまって、同じく焼酎のロックをくいくい飲んでいただんなと一緒に
「ぜんぜん酔ってないじょ〜」
「うん、全然酔ってないよね〜」
とぐにゃぐにゃと歩き、息子に
「だめだよ、おとーさんもおかーさんも酔ってるよ!」
叱られながら宿に帰還。はー、鶏料理、サイコー。鶏を愛する名古屋文化、サイコー。

何を食べても実に美味しくて、価格も手頃で、「夜のご予算3000円」と紹介されていた店でお会計は9000円。だいたい、この手の予算を大幅にオーバーする(ご予算1人3000円のところだったら、1人で軽く5000円は食べちゃう……)我が家にしてはとても優秀な結果だった。
……でも、明日は万博予定なのに、こんなに飲んでどうするのー?

名古屋 伏見「とら家」にて

霜降り
鶏わさ
鶏みそ串カツ
とら家のなつかしのコロッケ
コーンバター
チーズの串揚
名古屋コーチン手羽先唐揚げ
名古屋コーチン串焼盛り合わせ(4本)
とり皮ポン酢
鶏はらみのネギ塩炒め
とら家の焼き鳥丼
ホッピーセット
追加焼酎
梅酒(さつまの梅酒)(ソーダ割り)
焼酎(晴耕雨読)(ロック)
梅酒(梅朱)(ロック)
\590
\590
2×\120
\380
\380
\120
6×\120
\690
\350
\500
\550
2×\350
\180
\500
\800