7月21日(火) 茶餐廳と点心と、アフタヌーンティーと焼味弁当

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THE PENINSULA HONG KONG のプール

ここで食事を摂るのも素敵よね、と思いつつ……(願い叶わず)

今日の起床は5時(日本時間なら6時)。とても常識的範囲内!と思うことにして、目が冴えてしまったその勢いで昨日の日記などつけていた。
 
隣の部屋から息子も起き出す気配がして、午前6時、2人でこそこそ打ち合わせして今日もプールへ。受付のおねぇさんらには昨日のうちにすっかり顔を覚えられていて、「Wellcome back」と笑顔でロッカーキーを渡された。
 
プールは本館の8階、ロッカールームやジムの受付は7階にある。本館専用エレベーターでは向かえないので、部屋からぐるりと廊下を回る形でぺたぺたと新館側エレベーターに向かい、7階へ。部屋から水着着用、部屋に常備のスパ用ガウンを羽織って直接8階に向かえば、すぐにプールに飛び込むこともできる(実際そうして来ている人もいた)。私たちは毎回ロッカーを利用していたので、まずは7階を目指す。
 
うっとりするほど広い、充実のロッカールーム なにしろこのホテル、ロッカールームが素晴らしい(プールもそりゃあもう素晴らしいけれど)。
 
この設備が宿泊者無料で使えるとは、本当にありがたい限り。
 
写真の右手奥が100個ほど並ぶロッカー(鍵は受付で渡される)で、左手がこぢんまりとしたパウダーコーナー。左手奥が4つほど並んだシャワールーム。前方に進めば温水ジャグジー(ちょうど"お風呂"の温度)、冷水ジャグジー、スチームルームとサウナが並んでいる。
 
あまり利用者は多くないらしく、いつ来ても混雑していることはない。他のお客さんとロッカールームで一緒になったのは滞在中3回に1回くらいで、いても1人か2人かというところだからいつ来てもゆったり使うことができた。
 
大浴場気分で使えるジャグジー 何より嬉しかったのが、左のジャグジー。
 
女性専用ロッカールームにあるのだから(そして水着になる必要のない、ジムで運動した人も利用するのだから)裸で入っても問題ない……というか裸で入るべきだったのかもしれないけど、私はいつも泳いだ後に利用していたから、ざっとジャグジー横のシャワーを浴びた後に水着着用のまま利用していた。
 
プールとお揃いのブルーのタイルのジャグジー、天井にはこれまたブルーが基調のイルカのタイル絵があって、幻想的な雰囲気だ。
 
プールの後、ジャグジーでゆっくり温まってからシャワーブースに行き、使い放題のふかふかタオル使ってガウン羽織って、パウダーコーナーに並べられた「ESPA」(このホテルのスパオリジナル品)の化粧水やら美容液やらをぴたぴた塗って部屋に戻るのが毎日のお楽しみ。
 
パウダーコーナーまわりなどは「充実の設備」という風ではない(鏡が2つに椅子が2つだし)けれど、実際のところお客さんは少なくてバッティングすることはまずないし、いつ来ても「貴女のために御用意しました、どうぞお使いください」とばかりにおろしたてのブラシやコームが1セット用意され(大量に積まれていたりということがない)、シンクもピカピカ、シャワールームもピカピカに磨きあげられているのが本当に気持ち良かった。
 
広々としたプールはけっこう深いのです 水着に着替えてガウンを羽織ってロッカールームを出る。螺旋階段を1フロア上るとそこがプールで、ビクトリア・ハーバー側に大きく窓をとった素敵な空間が広がっている。
 
プール周辺の窓際にはテーブルセットがいくつも並べられ、そこ(The Pool Terrace)で朝食や軽食をいただくこともできるのだそう。
 
朝食は7時からということで、6時に私たちがプールに向かう時にはいつも、テーブルセットのためにスタッフたちが忙しく立ち働いていた。
 
プールは若干深めで、水深1.5m。息子は背が立たない深さで、私も背伸びしてようよう鼻と口が空中に出せるくらい。ブルーのモザイクタイルが敷き詰められて、湾に面した方にはプールに至る広めの階段が設けられている。階段の両側には、プールと同じ水温のジャグジーも。
 
ちなみに営業時間は6:00〜21:30。12歳以下の利用は大人の同伴が必要とのことだ。息子はぎりぎり同伴が必要な年齢で、
「僕が一人で自由にプール行っちゃいけないのかー」
と、不満そうな息子。
 
整然と並ぶデッキチェア しっかりとした作りのデッキチェアが、合計20脚くらいプールの周辺に並んでいる。
 
頭の部分に1枚、腰の部分に1枚、バスタオルが既にセットされていて、「ここを使うよ」と脱いだガウンをチェアにかけると、ほどなく冷たいおしぼりと水がやってくる。
 
他のお客さんには冷茶らしきものが出ていたところをみると、いつも息子と一緒に来ていた私たちには子供用にと配慮して、あえてお水を持ってきてくれていたのであるらしかった。
 
実際はもっと広く見える長さ18mのプール(ローマ様式、なのだそうだ)は、深さと幅もあるせいか、案外と泳ぎ甲斐がある。毎朝のように真面目に泳ぎに来ていた男性客などもいたし、滞在中一度だけ、日本人の親子連れにも会った(息子より数歳年下の男の子が意気投合して息子と一緒に遊びまくった後、「今日日本に帰るんだー」と名残惜しそうにバイバイしていた)。
 
昨日に続いて今日も息子と2人朝から泳いでいると、今日はほどなくして私の母も見学にやってきた。
 
水着には着替えず、プール入り口で用意されたゴム製サンダルに履き替えた後ペタペタと近くにやってきて、
「あらーこの椅子いいわー。とってもいいわー」
とデッキチェアに寝そべっている。
 
今日はご覧のとおりの曇天な、ウッドデッキ 湾側の左右のドアから出られるのは、ウッドデッキのテラス。
 
晴れた日にはここにデッキチェアが並べられ、リゾートホテル気分で日光浴することもできる。
 
けど今日は、ご覧の通りの曇天で、明け方にはけっこうな量の雨も降っていたらしい。デッキには水たまりも出来ていて、「これからまた降るぞー」と言わんばかりの黒い雲がどんどろどろどろと流れてきていた。今日は一日、こんな天気が続くと聞いた。
 
んじゃ、そろそろ7時だしプールから出て朝御飯について思いを馳せましょうかね。

茶餐廳で朝御飯〜「翠華餐廳」

今日の朝御飯は別行動。
私とだんなは外のお店に食べに行くことにして、母と息子は2人でホテル御飯(昨日と同じブッフェ)。
 
粥麺専家にも行きたいけれど、でも昨日の朝食ブッフェでお粥ちょびっと食べちゃったところだし……と、向かってみたのは「茶餐廳」というジャンルのお店。
 
喫茶店のようでもありファミレスのようでもある飲食店で、朝から晩まで営業している。お手頃価格の朝食セットあり、ランチセットあり、飲み物メニューも充実。
 
香港を歩くと、この看板をしょっちゅう見ることになりますよ今日は、ホテルから徒歩圏内にあるチェーン店、「翠華餐廳」を目指してみた。
 
この通り沿いにあるんだよ、とメインストリートから直角に右に伸びる道路をひょいと覗くと、とっても派手な、これ以上なく目立っている看板が見えて、「ほら、あった」と。
 
繁華街あちこちにあるお店だから、町歩きをしているとその派手な看板の存在感もあって「あ、ここにも翠華餐廳あったわ」「あそこもある」とつい見つけてしまうこと請け合いだ。
 
中はなかなかの混雑で、駅近くで配られているフリーペーパーを読みながらパンを囓っているおねぇさんとか、マカロニ食べてるお兄ちゃん、ラーメン啜ってるおっちゃんなどなど。洋食とも中華ともつかないメニューが混在しているこの感じが茶餐廳独特の雰囲気だ。
 
「翠華餐廳」にて、鮑魚火腿絲火粉、これがセット。 だんなが注文したのは「鮑魚火腿絲火粉 (Abalone & Shredded Ham w/Macaroni in Soup)」HK$25。
 
「配:西煎雙蛋、牛油方飽 (Served w/Pan Fried Double Egg & Butter Bread)」と併記されていて、つまりそれは「アワビとハムを乗せたスープマカロニ、卵2個の目玉焼きとバターサンドつき」とでもいう感じのメニューなのだった。
 
私が選んだのは「特脆奶油豬仔包 (Crispy Bun w/Sweet Condensed Milk)」HK$8。
 
飲み物は?と聞かれて、私はアイスミルクティー、だんなはアイスレモンティー。
だんなの方のセットメニューには「以上各款早餐奉送珈琲或茶(凍飲加$3)(Served w/Coffee or Tea Cold Drink Plus $3)」とあったのでHK$3、だとすると私のミルクティーはHK$16だったのかな(=最後のお会計が$52だったみたいなので)。
 
共に朝食専用メニューから選んだのだけれど、他に載っていたのは「沙哆牛肉公仔麺 配:嫩滑炒蛋、牛脂豬仔 (Satay Beef w/Instant Noodles in Soup Served w/ Scramble Egg & Butter Bun)」であったり、「炒菜肉絲湯米線 配:牛脂豬仔 (Shredded of Pork & Preserved Vegetable w/ Vemicelli in Soup Served w/Butter Bun)」であったり、「高纖雙奶麥片 (Oats in Fresh Milk)」であったり。麺ありパンありマカロニありで、「洋食」というのともちょっと違う品揃えだ。
 
「翠華餐廳」にて、特脆奶油豬仔包。甘そうでしょ?甘いのよ(笑) 注文してものの数分でやってきた料理。
 
「マカロニにバターサンドがついてくるのも面白いよね」とだんなの前に並べられた料理を笑いながら眺めつつ、でも私の前に置かれたものもなかなか壮観なものだった。
 
「大きなコッペパンを横両断して、バターこってり塗ってトースト。こんがり焼けたところに上からコンデンスミルクをどばどばどば〜」というものが、どどんと置かれているのだった。見た目、甘そうだ。実際、とっても甘かった。ふわんとした柔らかなパンは、表面がい〜い感じにカリカリとバターを吸って焼かれてクリスピーな食感に。
 
パンも甘いがミルクティーも甘い。かなり濃いめに淹れた紅茶に牛乳たっぷりシロップたっぷりという風で、飲んでも食べても口の中がずっと甘いような感じだった朝御飯。
 
でも、だんなの皿を見るのもたいそう楽しかったし(味見させてもらった"ハムマカロニ"はそうそうこれこれという感じだったし)、ピーナッツバターにシロップどばどばの香港風フレンチトーストを彷彿とさせるコンデンスミルクがけトーストも、「ああ、なんか香港って感じだなぁ」と、とても楽しく美味しかったりしたのだった。

尖沙咀 「翠華餐廳」にて
 特脆奶油豬仔包
 アイスミルクティー
HK$8
HK$16

「澳門茶餐廳」で見かけた、美味しそうな蛋撻!もとい葡撻! 帰りがけ、スイーツメニューのテイクアウトができると良いなぁとホテル近くの「杏花樓甜品 (Hang Fa Lau Dessert)」に寄ってみるも、この時間は朝食メニュー以外は頼めないとのこと。
 
じゃあリベンジだな〜、とホテルに向かって歩き出し、そこで美味しそうな蛋撻を見つけた。
 
杏花樓のお隣にあった「澳門茶餐廳(Macau Restaurant)」の蛋撻は、マカオのお店だというだけあって、ポルトガル風のエッグタルト。品名も「蛋撻(タンタ)」ではなく「葡撻(ポウダッ)」になる。見かけは似ているけど、味は全然違うのだ。
 
1個HK$7。美味しそうだなぁ、お昼か夜のおやつに食べられるかなぁと4個買ってホテルに戻った。

尖沙咀 「澳門茶餐廳」にてお買い物
葡撻 4×HK$7

「澳門茶餐廳」の葡撻。卵のコクが濃厚です。 「葡撻」は、より「プリン」に近い、とても卵卵した感じのもの。
 
蛋撻は卵液に水が相当量入る(だからクシュクシュとした水っぽい食感が生まれる)けれど、こちらは水は入っておらず牛乳を使って、それ以前に卵そのものがたっぷり、という風な口当たり。
 
パイ生地部分も、中華のモロモロサクサクとしたものともビスケット的なものとも異なる、いわゆる洋風の折りパイ風のもの。
 
ホテルのフルーツ皿に盛りつけて「おいしそ〜」と眺めた後、午後や夜に皆がよってたかって美味しくいただいたのだった。

叉焼酥の美味しさ、変わらず〜「嘉麟楼」

なんでも熱帯性低気圧が接近中とのことで、天候が崩れ気味の一日。
 
午前中はホテルでだらだらして午後にお買い物しませんかと再びホテル内のプールに向かってみたら、大変な豪雨になっていた。雨でけぶって、数時間前には綺麗に見えていた対岸の香港島のビル群がまるで見えないくらい。
 
こりゃ午後のお出かけもちょっと無理かなぁ。昨日の疲れもあるし今日は無理せずいきますか、と、お昼はホテルから出ずに「嘉麟楼 (Spring Moon)」で飲茶を楽しむことにした。
 
プーアル茶をいただきながら点心メニューからあれこれ頼み、最後に杏仁豆腐とマンゴープリン。
息子は朝食ブッフェで張り切りすぎた(パンを5個食べたとかなんとか……)そうで、デザートも要らない、と、焼売と小龍包くらいしか食べなかった。大人たちはおおいに絶品点心を楽しみまくる。

蜜汁燒肉排(Barbecued pork ribs with honey)
「嘉麟楼」にて、蜜汁燒肉排 こういうのを食べるとビールが恋しくなっちゃうよね、と話しながら、焼味好きの私たちはついついこういうものを頼んでしまう。
 
バラ肉ではなくスペアリブを使ったチャーシューは骨つきで、旨味たっぷり、とってもジューシー。
 
見た目がギラギラしているのにさして脂っこくはなく、むしろ上品な味わい。骨をしゃぶるようにしながらいただいた。
 
叉焼酥(Baked barbecued pork puffs)
「嘉麟楼」にて、叉焼酥。サクサク、ふんわり♪ 焼きたてのがやってきた、私の大好物チャーシューパイ。
 
ここのチャーシューパイが世界一美味しいわ!なんて、13年前の訪香時に思ったりしたものだけど、その美味しさはなおも健在だった。
 
半月型の、若干小ぶりなチャーシューパイは2口ほどで平らげることができるくらいのサイズ。小さめに刻まれたチャーシューが甜麪醤ベースの甘いタレと共にサクサクの中華パイの中に詰まっている。ホロホロと崩れていく繊細なパイ生地の香ばしさがたまらなく良い感じ。
 
燕窩灌湯餃(Bird's nest dumpling in supreme soup)
「嘉麟楼」にて、燕窩灌湯餃。燕の巣がトッピングされております。 冷房も効いていて涼しいし(外は大雨だし)、温かい汁物も欲しくない?ということで、リッチな一品「燕の巣入りスープ餃子」。
 
画面の左、クシュクシュした半透明のものが燕の巣……なんだけど、改めて今回口にしてみて「やっぱり燕の巣の美味しさって私には良くわからなーい」と思ってしまった。
 
綺麗にヒダを寄せた大ぶりの餃子の中にはプリップリの海老が。金色のスープはさすがの美味しさで、えぐみもなく実に上品な味だった。こう、器を両手で持って「ごくごくごくごく」と飲み干してみたい衝動に駆られたけれど、自重。ちょっとずつレンゲで口に運んでゆっくり味わうべきものだよね。
 
筍尖鮮蝦餃(Steamed shrimp dumplings with bamboo shoots)
「嘉麟楼」にて、さすがの風格の「筍尖鮮蝦餃」 「どうだぁ!」という風情で登場の、貫禄の海老蒸し餃子(=蝦餃)。
 
「筍尖鮮蝦」と品名にあるだけあって、筍のシャキシャキ感も感じられるけれど、海老の存在感は殺さない適度なバランス。
 
モチモチした浮き粉の皮への火の通り具合も完璧で、ムッチムッチプリンプリンした食感は最高だった。
 
玉米竹笙餃
    (Steamed vegetarian dumplings with sweet corn and bamboo fungus)
「嘉麟楼」にて、シャキシャキコロコロ「玉米竹笙餃」 「これ気になる。すごい食べてみたい」
と私が選んだ餃子は、ちょっと不思議な外見。でもすごく好みな味だった。
 
半透明の浮き粉の皮でくるまれたまん丸な餃子は、中にコーンやキヌガサ茸、人参、椎茸などをくるんでいる。餃子なのに餃子らしからぬ「シャキシャキ」した歯ざわり。
 
蔕子燒賣(Steamed siu mai with scallops)
「嘉麟楼」にて、帆立の香り濃厚な「蔕子燒賣」 帆立の旨味を感じる、とても上品な味の焼売。
 
「崎陽軒」ラバーの息子は「もっと普通の焼売がいいなー」などと失礼な事を呟いていたけれど(まぁ、あの豚肉たっぷり焼売の匂いや旨味は無いからね……)、味も外見も「美しいな」と感じた焼売だった。もっちもっちしてます。
 
他に、サクサクパリパリ皮の鶏肉入りの春巻や小龍包(ちょっとばかりケダモノ臭いのがデフォルトの小龍包なのに、ここの小龍包の上品なこと!)もいただいた。
 
香芒凍布甸(Chilled mango pudding)
「嘉麟楼」にて、香芒凍布甸。果肉たっぷりでした♪ 最後に炒飯あたりをいただいても良い腹具合だったけど、「天気も悪いし午後はアフタヌーンティーに行かない?」という話も出ていたのであとはデザート。
 
コーヒーカップに固められたマンゴープリン(杏仁豆腐も同様)は、マジパンで作られたお店のマークの飾り入り。
 
エバミルクも無しのとてもシンプルな外見だったけれど、甘い果肉たっぷりの、とろける食感。一昨日の「欣圖軒」のマンゴープリンに使われたマンゴーは少し酸味があったので(マンゴーそのものが酸っぱいのではなく、まぶしたレモン汁がちょっと多めだった的な酸味)、こちらの方が今回は好みな味だった。
 
杏仁豆腐(Chilled soft almond jelly)
「嘉麟楼」にて、杏仁豆腐。シンプルの極みの美味。 杏仁豆腐もマンゴープリン同様、シンプルな盛りつけ。
 
カップに固められた状態で、クコの実1つとミントの葉1枚が控えめに添えられている。
 
これまたシンプルながらすごく「ちゃんとした」味のするもので、クシュッととろけていく絶妙な食感に、ふんわり優しく漂う杏仁の甘味と香り。
 
サクサクのパイや春巻などを食べていて感じるけれど、このお店の美意識は「食感」に多く注がれているのかなぁ、なんて思う。日本人は食感を大切にする民族であると聞いたことがあるし、そのあたりも「このお店好きだなぁ美味しいなぁ」と感じる理由なのかも。
 
マンゴープリンも杏仁豆腐も、最高に口当たりが良い幸せなデザートだった。
 

そんな感じで、料理の味の方は「さすが嘉麟楼」という感じだったのだけれど、総じて良かったかというと、「うーん」。
 
お店のスタッフは目配りができているようで今ひとつ周りが見えていなかったり(お茶のお代わりが欲しい時とか追加のオーダーをしたい時とか)、残念ながら注文を1つスルーされてしまったりもしたのだった。
 
「野菜炒めも食べたいね」
と、点心をオーダーする時に一緒に
「葉野菜を炒めたのが欲しいんだけど」
と尋ねて、
「どの野菜に致しましょう」
「空心菜、あるかな?」
「かしこまりました」
と、そんな濃厚なやりとりをしたのに、その青菜炒めが一向に来ない。
 
「そういえば来ないね」と気付いたのは鹹点心(しょっぱい系点心)はあらかた出揃ってしまった頃で、ふと周りを見ると、すぐ隣のテーブルの親子連れ(お父さんは谷村新司似←いや、日本人ではなくて地元のお客さんみたいだったけど)が、まさにその「空心菜炒め」的なものをモリモリ食べているのだった。「空心菜炒め」って、メニューには載っていなかったはず。
 
「お隣のテーブルに行っちゃったかなぁ」
「いや、注文自体を単に忘れてるんじゃないかな、あれはちゃんと向こうのお客さんのオーダーで」
と、「どっちにしても、今更来ても困るし〜」とデザート食べ食べ空想話を展開する私たち。
 
結局伝票にはその「青菜炒め」は記されていなかったのであるけども、私たちの妄想では、
「オーダーは通った→できあがったものを隣のテーブルに間違って持っていった→後で気付いた給仕の人が伝票から消した」
という作り話ができあがってしまって、以来「ほら、青菜炒めが出てこなかったお店で」「谷村新司が青菜炒め食べちゃったお店で」と、しまいには「谷村新司のお店」というたいそうな言われようをされてしまう嘉麟楼なのだった。もうただのタレントショップみたいな事になっている。
あらぬ誤解だったらごめんなさい谷村新司似の人。
 
でももう、私たちの中では嘉麟楼は「谷村新司の店」ってことになってしまいそう。

尖沙咀 「香港半島酒店」内「嘉麟楼」にて
蜜汁燒肉排
燕窩灌湯餃
筍尖鮮蝦餃
蔕子燒賣
叉焼酥
雞絲春卷
鮮肉小籠包
玉米竹笙餃
香芒凍布甸
杏仁豆腐
中国茶(普洱)
HK$90
3×HK$68
HK$52
HK$62
HK$62
HK$62
HK$62
HK$62
2×HK$45
HK$45
HK$88

午前中部屋を空けた間にすっかり綺麗になっていた部屋には、また新たなウェルカムフルーツに入れ替えられていた。
今日の内容はバナナと大きなオレンジ、そして見慣れない果物が2種類。
 
色もサイズも見た目も「赤ピーマン」に似た果物はウォーターアップル。アップルという名ではあるけれどリンゴではないのだそう。白い果肉はうすら酸っぱくてうすら甘くて……香りもそんなには無いような。
 
黄緑色の果皮、艶のないちょっとゴツゴツした表面、サイズはリンゴくらい……という馴染みのない果物は、グァバだった。切ってみると馴染みのあるグァバの香りで、でも白い果肉は渋みがあって味の方は今ひとつ。
 
面白いなぁ、一体何種類来るんだろう……と、毎日ウェルカムフルーツを撮影している私。バナナは必ず入ってきますという感じなのが面白い。

豪雨のアフタヌーンティー〜「The Lobby」

豪雨で対岸のビルも海も何も見エマセーン! 午後になると、雨がもう大変な感じになってきた。
 
こりゃあ出かけるどころじゃないねと、稲光まで見え始めた外界を窓から眺めつつ、お部屋でのんびり。
 
3時になる頃に「30分後くらいにアフタヌーンティーに伺いたいんだけど」とフロントに電話したら「どうぞどうぞ」ということだったので、だんなと母と3人でロビーまで降りていった(息子はまだ腹一杯だそうで、部屋でお留守番)。
 
予約は受け付けてくれない、ペニンシュラホテルの「The Lobby」の名物アフタヌーンティー。
 
供されるのは午後2時から7時までとのことで、だから連日午後2時を過ぎるとロビーには長い行列ができるのがこのホテルの、もとい"香港の"ひとつの名物と化している。朝晩はひっそりと、どこか張りつめた空気もあるこのロビーが、この時間帯だけは最高に賑やかだ。
 
ペニンシュラホテルの宿泊者の特権の一つが「待たずにロビーを利用できる」ことで、この大混雑のアフタヌーンティーも予約を受け付けてくれる(突然行っても宿泊者ならすんなり席に案内してくれるとも聞いた)。昨日一昨日と、このロビーの喧噪を目の当たりにしていた私たちは、
「行列せずに、その噂のアフタヌーンティーを楽しめるなら」
と行ってみることにしたのだった。
 
「The Lobby」にてアフタヌーンティー。三段重ね二人分がこんな感じ。 さすがに、さきほどの"ガッツリランチ"の後で1人1つのセットはきつかろうということで、3人で2人分。
 
そもそもだんなはスコーンが苦手で、逆に母の側は「スコーンが食べられれば、あとはサンドイッチとかはそんなに要らないわ」とのこと。「だんなと母と2人で1人分のセットでちょうど良い感じじゃない」という事になったのだった。
 
私?私は……1人分、がっつりと食べたわけだけども……(甘いもの別腹!)。
 
アッサムやダージリンなど、多くの種類の中から選べる紅茶は「Peninsula Afternoon」というそれらしい名前のブレンドティーにしてみた。ミルクティーにして美味しくいただける感じの、好みの味のお茶。
 
「A selection of finger sandwiches and savoury pastries, home-made Afternoon Tea pastries, freshly baked raisins scones, Devonshire clotted cream and strawberry preserve and your choice of teas from The Peninsula Tea Collection」
 
とメニューに紹介されていた「三段重ね」。
 
「The Lobby」でのアフタヌーンティーセット、下段にスコーンが並びます。 下段には、2人分で3個のレーズンスコーンとクロテッドクリーム、ストロベリージャム。
 
ウェハース生地にレモンクリームを挟んだようなフィンガータイプのお菓子も2本、盛られている。
 
クロテッドクリームは、たっぷりコテコテ塗っているとスコーンに対して足りなくなるくらいの分量だったので、「もひとつください」とお願いしたら快く追加クリームを持ってきてくれた。本場イギリスから取り寄せているらしい、とても濃厚な味のクロテッドクリームだ。
 
スコーンは若干しっとりとした口当たり。ムガーッと「オオカミの口」が開いたスコーンは、でもどこか素朴な雰囲気もある。
 
「The Lobby」でのアフタヌーンティーセット、中段はこんな感じ。 中段、アップルパイのような外見のパイは梅肉のような味の甘酸っぱいフィリングを詰めたもの。
 
あとはしょっぱいものだらけで、キッシュ風のタルト、卵とハムのサンドイッチ、ハーブの風味のクリームチーズ入りキュウリのサンド、そしてサーモンサンド。
 
すごくぶっちゃけて言えば、「どれもこれもすごーく美味しい!」という感じでもなく(いや、普通にちゃんと美味しいのだけど)、後に朝食にいただいたエッグスベネディクトの美味しさとか、最終日に包んでもらったサンドイッチの素晴らしい美味などを思い出すと、このアフタヌーンティーはやっぱりどこか「宴会料理」的な、「大量に作って流れ作業でお客さんに持っていきますよー」という感じのものなのだな、と思った。
 
盛りつけもご覧のとおり割と無造作な感じで、給仕ぶりも含めて「ざっくばらん」な印象が強い。なんというか、ホテル側からすれば「午後の戦場」なのだろうな、と。……でも、その戦場っぷりをお客に悟られちゃいかん、とも思う……。
 
「The Lobby」でのアフタヌーンティーセット、最上段はこんな感じ。 ←そして最上段はこんな感じ。
 
フルーツケーキ2切れと、カシスとチョコのミニケーキ。苺のミニロールケーキ風、パッションフルーツとチョコのムースのミニケーキ、そしてピスタチオのマカロン2個。
 
サンドイッチもそうだったけれど(いや、そもそもスコーンが)、全てが2の倍数ずつというわけではなく、ケーキは特に1つずつだけ盛られているものが多い。
 
誰かサーモンサンド食べる人ー、チョコケーキ貰っていい?ロールケーキ欲しいなぁ、などとわいわいやりながらつまむのは、それはそれで楽しかった。
 
卓上の、年期の入った大きな銀ポットにはこれでもかとたっぷりお茶が入り、継ぎ足し用のポットには何度も差し湯をしてくれた。「もう出涸らしです」ってほどにお茶をいただき終わった頃にはすっかり満腹。
 
「The Lobby」でのアフタヌーンティーセット、最後にこれがやってきました。 そんな中、だいたい皿が空になってきた頃に「こちらもセットになります〜」とやってきたのが、コーヒー味のムース。
 
デミタスカップに入ったムースは、クリーム色がかった白色なのに濃厚なコーヒー風味。「コーヒー色じゃないのにすごくコーヒーの味!」と母が驚いている。
 
上にはほのかに甘いコーヒー味のグラニテもトッピングされて、クロテッドクリームやら何やらで油っこくなった口の中がすっきりとする、いい感じの「シメのデザート」だった。
 
天井近い上階のテラスではクラシックの生演奏が流れてくる。
パッヘルベルのカノンに、ラヴェルのボレロ、あれは昔の映画のテーマ曲……と馴染みのある曲が次々、のんびり演奏されていた。
 
この荒天だというのに、今日も変わらずフロアの端には行列ができ続けている。観光客ばかりと思いきや案外と地元のお客さんらしき人たちも多く、行列に堪え忍ぶのが得意な日本人だけでなく、欧米人らもたくさん並んでいたのがちょっと意外に思えた。
 
私はスコーンを2個分担当したのであまり(胃袋に)余裕がなくなってしまい、その他諸々はだんなに多く食べてもらったので全てのものを味わったわけではないけれど、ケーキはしっかりと甘く濃厚なクラシックな味。パイやタルトは心地よい食感にサクサクパリパリとしていたし、いかにも伝統的という風なアフタヌーンティーセットだった。うん、満足!

尖沙咀 「香港半島酒店」内「The Lobby」にて
The Peninsula's Classic Afternoon Tea (For two persons)
The Peninsula Tea Collection (Darjeeling)
HK$398
HK$58

オーダー靴とお買い物

食後、強風吹きすさぶ中、道路挟んで向かいにあるシェラトンホテルを目指す。雨はもうたいしたことが無かったけれど、風が強くてなかなか大変。いよいよ台風接近!という感じだ。
 
シェラトンホテルの建物内のアーケード地下フロアに「Milano」というオーダーバッグ・オーダー靴のお店があるらしい。私が持ってきたガイドブックをパラパラと捲っていた母が
「靴!靴作りましょう!由紀ちゃんあなたも!」
と、ガイドブックに載っていた店を指差して「ここに行きたい」とリクエストしてきたのだった。
 
地下から道路を渡り、お店はどこに?とアーケード街をぐるぐるすること数分。結局、地下から入ったそのフロアの隅っこにそのお店はあった。
間口3m奥行き5mほどの小さなお店の壁にずらりとバッグが並んでいる。
 
靴は見本にと数足置かれていた程度で、
「どんなのでも作るヨー、雑誌から選んでもイイし、この見本を組み合わせても、OK」
と、日本語ペラペラのおねぇさんが説明してくれた。
 
オーダー靴は1足19000円換算で作ってくれるのだそう。
確かに、昨年足を骨折してから左の足が甲高気味になってしまって市販のパンプス系はつらい思いをすることが多かったから「良い機会かなぁ」と母と一緒にオーダー靴を頼むことに。
 
オーダー靴屋さんにて。採寸しまーす。 気に入ったらまた凝ったものを改めてお願いすれば良いや、と、ラウンドトゥのリボンつき、ただし踵は華奢なタイプではなくてしっかりめの、色は黒、とごくごく普通な感じのパンプスを作ってもらうことにした。
 
母はスクエアトゥのバックベルト、皮は深めの紫色。
 
採寸してもらって、
「イツ日本帰るノ?土曜日?じゃあ間に合うネ、土曜の朝取りにキテ」
でもその前に仮縫いあるヨ、明日の午前11時、もう一度この店キテ。そう言われた。
 
この紙に足置いて。と、足の形をなぞられて、メジャーも使って何ヶ所か採寸。
バッグ作らない?バッグは羊皮、とってもいい素材!とバッグを強くお勧めされたけど、「でも他に買い物したいものあるからー」と、靴のオーダーだけでおいとました。
 
オーダー靴屋さん、これは翌日の「仮縫い」風景 で、翌日の仮縫い風景が右の写真。(どちらも母を撮りました)
 
ジーンズ素材みたいな布で、でもちゃんと「靴」の形になったものを合わせてくれて、ここに余裕がありすぎるとかなんとかチョークで印をつけてものの数分で作業終了。
 
これでOK、土曜日取りにきてね〜と言われ、旅行最終日土曜日の朝9時半にお店に向かうと、ちゃんと「私の靴」が待っていてくれたのだった。
ちょっと履き馴らさないと、まだ皮が固い感じではあるけれど、小指や踵に当たる嫌な感じがない。
 
母は外反母趾気味だし、私もけっこうな大足(サイズもでかいが横幅もでかい……)でなかなか「これは履きやすい!」というぴったりの靴を見つけることができないから、私たちみたいな人にはオーダー靴は嬉しい存在かも。

尖沙咀 「Milano」にてお買い物
オーダー靴 HK$1672

なんとなく天気も落ち着いてきた感じに見える……けど、気付けばホテルやビルの入り口には、「颱風訊號現正懸掛(Typhoon Signal Now Hoisted)3」の看板が置かれている。「台風シグナル」と言われるこれは、香港政庁から発令されるもの。シグナル3は"強風警報"レベルだけれど、幼稚園などは閉鎖される程度なのであるらしい。
 
「見覚えあるよ……これ、シグナル8の見覚えがあるよ……」
前回の香港訪問時を思い出して苦笑いの私とだんな。知らずに街に出て、あらゆるお店や銀行までもが閉まっているのを見て、おまけに上環は水没していたりして、気が付いたら「台風シグナル8」だった、前回の香港最終日。学校も会社も店舗も原則閉鎖されるのがシグナル8だ。
ちなみに、3の上は4とか5とかなくて、いきなり8になる。(以前は10段階あったけれど細かすぎるよねとレベル4〜7は撤廃されたらしい)
 
まだレベル3だもんねー大丈夫だよねー、と変な余裕がある私たち、雨が止んだのを良いことに、歩いて行ける距離のショッピングモールに向かってみることにした。「お買い物は興味ないし」という息子はやっぱりお留守番。
 
まずは「新港中心 (Silvercord)」地階にある雑貨屋さん「GOODS OF DESIRE」に。
 
いかにも中華な感じのキッチュなあれこれが売られていて、今はちょうどセール期間。妙なものが色々安くてかなりときめいてしまった。
 
「これ……安いよ、可愛いよ……」
と、HK$90くらいのクッションを抱えて煩悶するも、だんなに「冷静になりなさい」と諭されて、結局同じ柄のオーブンミトンを買うにとどめてみたり。
 
香港の地名をちりばめた新聞の3行広告的なものがみっちり並んだ、なんともシュールな柄(こんな柄)。このクッションが居間にあってもむしろ困るか……と自重した。「これ、誰かに貰っても嬉しくないよなぁ」という謎な柄のクリアファイルもお土産にと買ってみたり。

尖沙咀 「新港中心」内「GOODS OF DESIRE」にてお買い物
オーブンミトン
クリアファイル
HK$70
HK$12

新港中心の向こうは、更に大規模なショッピングモール「海港城 (Harbour City)」。ロクシタンがあるんだよ〜、と、フロアマップを貰って眺めるも……広い。でかい。すごい。
 
ゴルチェのショップもある、ああアレッシもある!あれも!これも!ユニクロまである!しかもなんか色々安い!
と、なかなか大変な事に。今はセールシーズン、あちこちに「30%OFF」「50%OFF」「70%OFF」の文字が。ダメ私もうダメ血圧上がって倒れそう……となってしまったけれど、いかんせん、このショッピングモールは広大すぎた。真面目に眺め歩いていたら1日かかっても端から端まで行くことすらできなさそう。
 
息子もお部屋で待ってるしね、と、散策は適当に切り上げて、お目当てのロクシタンで予定していた品だけ買って(でも「○ドル買ったらミニボトルのシャンプーとコンディショナー、バス用ブラシとポーチをプレゼント!」なんてやってたから、つい2セット購入……)ショッピングモールを後にした。

尖沙咀 「海港城」内「L'OCCITANE」にてお買い物
Summer Protection Gel Mask Conditioner 250ml
Summer Protection Sun Mist 100ml
2×HK$250
2×HK$190

お部屋で焼味!〜「廣東燒味餐廳」

高級ホテルの部屋でこれを食べるのもどうよと思いつつ

散策している間に周辺は薄暗くなり、時計を見れば7時になろうというところ。
 
実のところ大人たち(特に私)はさっぱりお腹が空かなくて、
「ホテルのルームサービスを頼まない?」
「んで私たちは焼味弁当!?」
ということになった。
 
私とだんなは、大好きな焼味弁当屋さんのお弁当をつつき、そういうのがあまり好きではないだろう母と息子はルームサービスでどうでしょうか、と、ホテルへの帰り道をてくてく歩く。
 
あとは直進でホテル、というところで母と別れて、母には部屋で息子と一緒にルームサービスメニューの検討をしてもらうことに。私たちは漢口道を200mばかり北上して懐かしい焼味弁当屋さんを目指した。
 
「廣東燒味餐廳」の店頭。オラ、わくわくしてきたぞ! ここがお気に入りの店、「廣東燒味餐廳(Cuangdong Barbecue Restaurant)」。
 
店頭にずら〜りとぶら下げられる、焼き鴨や焼き鶏や叉焼、豚バラ、その他諸々。
 
お店の看板に「歡迎訪香旅客(観光客歓迎)」「歡迎外賣(テイクアウト歓迎)」と書いてある割には、日本語はもちろん英語もろくに通じない楽しいお店。
 
看板に書いてあった焼味メニューは
・酬神大金豬(約30斤重) 毎隻 HK$2380
・脆皮乳豬(約3斤半) 毎隻 HK$388
・新鮮燒肉 毎斤 HK$96
・新鮮肥鷄 毎隻 HK$150
・[青見][青見]燒鵝 毎隻 HK$240
・蜜汁叉燒 毎斤 HK$64
・秘制猪下青 毎斤 HK$80
と、そんな感じ。他にも色々。
 
左手のちっちゃい窓からお弁当が出てきます これらを単品で買うこともできるし、好みのものを乗せたお弁当も作って貰える。
 
2種類を乗せた「燒味雙拼飯」というのも頼めるし、店内で食べるなら更に色々なメニューがある魅惑の世界。
 
「お弁当2個は要らないかな、御飯そんなに要らない」
「じゃあ2種盛りのお弁当1つにして、あと何か肉頼む?」
と店頭でだんなと相談の結果、漢字でメモした注文書を作ってお店の人に渡した。
 
青菜炒めもつけてもらって、計HK$100の幸せ夕食を無事お買いあげ。

尖沙咀 「廣東燒味餐廳」にてお買い物
燒味雙拼飯
新鮮燒肉 半斤
[青見][青見]油菜
HK$30
HK$55
HK$15

「ビールも要るよね」
「ビール!ビール!」
と、ホテル最寄りのセブンイレブン(香港にはセブンイレブンがいっぱい……)に寄ってみると、「500mlビール2缶でHK$15.9」の特売中。
 
ビール1リットルで200円しないってなんて素敵!と、サンミゲール(生力)2缶購入。

尖沙咀 「7-ELEVEN」にてお買い物
啤酒(生力500ml×2)
HK$15.9

部屋に戻り、「スパゲティみたいなのが食べたい」という息子と、「なにか……サラダっぽいものが欲しいわ」という母に、それぞれルームサービスを頼んだ。
息子にはカルボナーラスパゲティ、母にはグリーンサラダ。
 
ホテルのルームサービス。立派なセットがやってきました。 やってきたのは、折り畳み式の大きなワゴン。広げると丸く綺麗なテーブルになった。
 
今日の午後に見たばかりな覚えのあるレモン色のクロスを広げたテーブルは、私たちの部屋のライティングテーブル脇につけてもらい、母たちの部屋から椅子を持ってきて4人で囲む食卓。
 
サラダにはバルサミコ酢ドレッシングやナッツ類、カリッと焼いたパルミジャーノなどが添えられ、一緒にやってきた籠にはパンもたっぷり。小さな花も飾られた綺麗なテーブルセットに、息子が「すごい!レストランまんまだ!」といたく感激していた。
 
パルミジャーノ・レッジャーノ別盛でやってきたカルボナーラもたいそう美味しそうだったけれど、ライティングテーブルに向かい合った私とだんなは「焼味うめー!」「やっぱこれ食べておかなきゃ悔いが残るよね!」となんだか別世界な感じに。……高級ホテルでこんなもの旨い旨い食べていて、ほんとスミマセン……。

[青見][青見]油菜
「廣東燒味餐廳」の油菜炒め。シャキシャキ♪ 発泡スチロールの器の底にはオイスターソースが。シャキシャキい〜い具合に炒められた油菜がみっちり詰まっている。
 
油でテラテラ光る青菜にソース絡めて食べるのがたまらなく美味。
 
「青菜炒め」というとこれが出てくるところが多いけれど、青梗菜ほど芯だらけでなく、ほうれん草ほど葉だらけでシナシナにならず、良い感じの野菜なんだな。苦みのない菜の花という感じ。
 
新鮮燒肉
「廣東燒味餐廳」の燒肉! 半斤分、たっぷり包んでもらった「燒肉」。
 
高級料理店のものほど洗練された味ではなく、ほのかに豚特有のケダモノ臭さを感じたりもするのだけど、「それがまた良し」と思える。
 
皮の部分はカリカリパリパリとクリスピー。適度に塩気も効いている。
 
燒味雙拼飯
「廣東燒味餐廳」のうまうまお弁当♪ 「燒味二色盛り弁当」という感じのこれ。
 
盛ってもらったのは「燒鴨」と「切雞」で、御飯にはうっすらと「燒鴨」のタレをかけてくれている。添えられているのは茹でキャベツ。青菜よりも甘味があって柔らかく優しい味。
 
「切雞」は蒸し鶏。塩気のしっかりついた葱だれを絡めていただく。
 
甘じょっぱいチャーシュー系の味も御飯によく似合うけど、この「切雞」の鶏・葱油・御飯のコンボも最高に幸せな味。
 

こんな感じで、「夜は軽くにしておこう」という心意気はどこへやら、結局しっかり、肉とか飯とか肉とか肉とか食べてしまって、充実の胃袋に。
明日は節制しよう、とカケラも心にもないことを呟いて、今日も早めの就寝となった。
 
そうそう、夕方のターンダウン時(買い物行っている間にやってくれていた)に、ホテルから「GUEST MESSAGE」の封筒が届いていた。
「Here is the latest Tropical Cyclone Bulletin issued by the Honk Kong Observatory.」で始まったその手紙によると、
 
「シグナル3が16:40に発令されたよー」
「それってつまり風速が41〜62km/時って意味なのねー(以下台風の位置などの説明)」
「当ホテルの施設とレストランは、今後の天候の悪化によってはオープンできない可能性があることをお知らせするよー」
「台風の最新情報は遠慮なくコンシェルジェに連絡してねー」
「皆様のご理解とご協力に感謝するよー」
 
と、そんな感じだった。シグナル3でこんな感じになっちゃうのかー、と興味深く思いつつも「英文レター!わからん!」と頭から煙を出していた私。