10月08日(金) ジェンガラ屋さんとケチャ鑑賞

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バリ島の朝

昨夜ベッドに入ったのは午前1時を過ぎた頃。
 
それでも6時過ぎには目を覚ましてしまって、
「日本時間だと7時……そりゃ目も覚めちゃうわねー」
と、一人ぺたぺたと寝室からリビングルームに移動した。息子が寝ているエキストラベッドはリビングルームにあるのであまり活動するわけにもいかず、でもひっそりあちこちを改めて眺めてみる。……広いなぁ。落ち着かないほど、広いなぁ。
 
池には鯉とアヒル、木々の枝にはリス。奥には海も見えました。 そういえばベランダもあったんだっけ、と、音を出さないように扉を開けてこっそり外に出てみたら、桃源郷のような光景が広がっていた。
 
客室の広さを反映したような広々としたベランダにはテーブルセットが2つ。寝室前のミニテーブルの上には灰皿が置かれている。
 
1階にある私たちの部屋の、すぐ外は蓮の花が浮かぶ池だった。鯉や灰色の小さな魚がたくさん泳いでいて、人慣れしたアヒルたちも目の前を泳いでいく。池の向こうに見える木の枝には、リスがちょろちょろと走っていくのも見えた。あいにく空はどんよりと曇ってはいるけれど、桃源郷のような美しさ。幾分空気は涼やかなものの、熱帯独特の湿度の高い空気がまとわりついてくる。
 
日本から持ってきたノートパソコン立ち上げて昨日の日記をぽちぽち打ちつつ、早くだんなと息子起きないかなーと待っているうちに息子が起き、ほどなくだんなも起きてきた。午前8時過ぎ、皆で連れ立っていざ朝御飯。

クラブラウンジの朝御飯

世界中のハイアットホテルに共通するサービスとして、スイートルームの宿泊者は"Grand Club Lounge"を使うことができる。
 
クラブラウンジでは、有料のブッフェ朝食よりも品数の少ないコンチネンタルブレックファストと、夕方のカクテルタイムでの軽食とアルコールが無料で供される。日中はソフトドリンクとお菓子の類も。
 
チェックイン時に渡された日本語のホテルマップ。呆れるほど広大です。 ……が、そのクラブラウンジは、えらいこと遠かった。
 
チェックイン時に渡された"リゾートマップ"(しっかり日本語!)を開いてみると、私たちの部屋は左下、3の番号があるあたり。目指すべきラウンジは14、マップの右寄りだ。
 
ホテルの所有する砂浜は全長650mあるそうなので……つまり、そんな感じの距離なのだった。
 
「ん〜……ホテルの全容の確認兼ねて、砂浜まわりで行ってみようか、で、帰りフロント経由で戻るというのはどう?」
と提案して、「異議な〜し」と散策がてら歩いていくことに。
 
ラグーンのように不規則な形状のホテルプール。早く泳ぎたいね〜♪ このホテルのメインのプールも、クラブフロア宿泊者用のプールも、ラグーンを象ったような不規則な形状のもの。
 
600を越える客室を擁する巨大ホテルなので、ビーチやプールサイドに並んだデッキチェアも相当な数だった。
 
右の写真は、クラブフロア宿泊者用のプール。椅子がちょっとだけ豪華な感じ。このプールは、クラブラウンジのすぐ近くなので、私たちの客室からはこのプールもやっぱりちょっと遠かったりするのだった。
 
池に囲まれて、浮島のようにも見えるクラブラウンジには壁がなく、ゆえに冷房も入っていない。
 
それでも朝晩はさほど暑くもなく、風もそれなりに通っていくのでなかなか快適だった。10月はハイシーズンではないということもあってか、「すごく混雑していても2割くらいの空席がある」くらいの混み具合。かといって逆に空席がありすぎてスタッフの視線が突き刺さるということもなく、いつ行っても居心地の良いラウンジだった。結局毎朝ここで朝食を摂ることに。
 
クラブラウンジの朝御飯。パンの種類が豊富です。 ブッフェ台近くのソファ席に案内してもらい、くつろぎながら軽めの朝食を楽しんだ。
 
コンチネンタルブレックファストなので「オムレツ焼いてくれるシェフ」などはおらず、パンとシリアル、フルーツやヨーグルト、ジュース類の他はハムやチーズのコールドミートがあるくらい。
 
コーヒーと紅茶も勿論出てくる。紅茶がティーバッグではなく茶葉を入れたポットだったのが嬉しかった。
 
で、嬉しいことに、「TODAY SPECIALS」というホットミールが毎日2〜3品用意されていた。卓上に案内札が毎朝置かれていたスペシャリテ、今日は「egg mousse with shiitake mushrooms」と「hash-brown potatoes」だそう。
 
更に日替わりの野菜入りのジュースがあって、今朝は「rockmelon, cucumber juice」だった。キュウリのジュースか……と、今日はスルー。
 
クラブラウンジの朝御飯、今朝はこんな感じで 今朝いただいた1皿めは、こんな感じ。
 
ハム数種類とスモークドフィッシュ、スライスオニオンとオニオンピクルス、ドライいちじくとドライマンゴー。
 
フルーツはカット済のものがグラスに盛りつけられたものが毎回用意されていた。
 
紅茶がやってきてほどなく、温められたロールパンやクロワッサンなど数種類のパンの盛り合わせ(写真の奥、ナプキンにくるまれたものがそれ)も出てきた。毎朝出てきたパン籠は、全部食べなければいけないものでもないのだけれど、こちらのパンも1日1個くらいはもぐもぐと。
 
ピンク色が可愛らしい、Indonesian muffin。 種類豊富なパンコーナーから貰ってきたのは、「Indonesian muffin」と、チーズクリームバナナケーキ。
 
可愛らしい色合いだったインドネシア風マフィンは、マフィンというより「蒸しパン」のような感じ。中華蒸しパンに似ている食感で、しっかりめの甘さがついていた。
 

Grand Hyatt Bali Hotel」内「Grand Club Lounge」にて
スモークドハム、スモークドフィッシュ
オニオンピクルス、ドライいちじく、ドライマンゴー
カットフルーツ
インドネシアンマフィン、チーズクリームバナナケーキ
クロワッサン
オレンジジュース、ミルクティー

大きなプールは花盛り

昨日の移動の疲れもあって午前中はのんびり過ごすことに。
 
曇天ながら気温はぐんぐん上昇中で、早速プールだ!と、水着に着替えてホテルのメインプールに行って来た。
 
早速水遊び。大きなプールに隣接してイタリアンレストランがありました。 大型ホテルゆえにプールも広々としていて、それなりにプールサイドにお客さんがいてもそれほどには混雑している印象は受けない感じ。
 
プールサイドにある大きなイタリアンレストランでは、まだまだ朝食を摂る人たちが沢山集っているようだった。
 
プールの一画にはほどほどに傾斜があってほどほどの長さがあるウォータースライダーもあって、ここばかりはお客さんが集まる人気のスポット。
 
腹這いになっちゃいけませんとか、続いて滑っちゃいけませんなどと日本のようにうるさく言う係員もおらず、皆好き勝手に頭から突っ込んでみたりしている。腹這いにウォータースライダー滑るのって楽しいね!(←やってみた)
 
子供連れもかなり多いし、日本人もたくさん見かけた。後にフロントに用事済ませついでに聞いてみたところ、このホテルでは宿泊客の約3割が日本からのお客さんなのだそうだ。
 
スイートルームのベッドルーム。天蓋つきベッド、昼間はこんな感じなのでした。 お昼間近になって部屋に戻ると、既に部屋はすっかり綺麗になっていた。
 
昨夜は天蓋が降ろされて、もっさぁ〜とした「白いかたまり」になっていたベッドの昼間の風景はとても美しくて、さっそく記念撮影。
 
うっかりすると躓いてしまいそうな段差のあるベッドなのだけれど、このベッドまわりの空間はたいそう素敵で、旅行中ずっとうっとりしながら使っていた。
 

Bali Collectionへ

ヌサドゥア中心部には、老舗のショッピングモール「Bali Collection」がある。
 
グランドハイアットからは、ホテルのセキュリティゲートを越えてもの50mほどでモールの裏門にアクセスすることができた。
 
ここヌサドゥアはインドネシア政府によって作られたリゾートエリアなので登録のない外部の物売りなどは入ることができず、ゆえに安全だけれど物価はおおむね「ヌサドゥア価格」、バリ島の余所のエリアより大体が割高だ。
 
でもまぁ、遠くに行くのも今日は面倒だし、ここで済む買い物ならここでしちゃっても良いかも?と、昼食摂りがてら出かけてみた。
 
パラソルの下でインドネシア料理のお昼御飯。 せっかくだからインドネシア料理が食べたいねと飲食店のメニューを眺めて進むうち、日本語が達者な店員さんの誘い文句につられて入ったのが「Frangipani Bali Int'l Restaurant」というお店。
 
ナシゴレンミーゴレン、その他炒め物などの他に、洋食メニューのハンバーガーやパスタなども出しているという、バリ島でよくある風な品揃えだった。
 
息子はオニオンリングが乗ったボリュームたっぷりのハンバーガー「Febulous Burger」を。私は「Bebek Goreng」、だんなは「Bali Nasi Campur」。
 
そしてお供にローカルビールBINTANG(ビンタン)を貰った。ぶっちゃけ、ビンタンビールはそれほど美味しいものじゃないのだけれど(なんというか……旨味がない……うすい……)、でも、バリのねっとりとした空気にはこんな感じのビールが合うなと思えるし、その国の料理はその国のお酒と合わせたい(逆に、その国の酒を飲む時にもその国の料理と合わせたい)と思うと、やっぱりここはビンタンで。
 
初めて食べる「Bebek Goreng」、つまり「フライドダック」です。おいしー♪ bebekはアヒル、gorengは揚げる(もしくは炒める)という意味なので、「Bebek Goreng」はつまり「フライドダック」。
 
メニューに添えられた英語の説明にも
「Fried Duck w. vegetable, rice & sambal」
と記されていた。
 
これがなかなか、想像以上に豪快な料理。小さめサイズとはいえ半羽分のダックが、小骨部分はパリパリと囓って食べられてしまうほどにじっくりこんがり揚げられていた。適度に塩も利いていて、ほのかにスパイシー。
 
刻んだトマトたっぷりの自家製らしいサンバルと、刻んだレモングラスがベースの、生姜と葱入りのピリ辛味小皿も添えられてきた。このあたり、シンガポールの海南飯にちょっと通じるところがある。そして円錐状に可愛らしく盛られたご飯と、生のキャベツとトマトときゅうり。
 
こちらはだんなの「Bali Nasi Campur」、こちらの鶏も美味しかった♪ そしてこちらはだんなの「Bali Nasi Campur」。
 
nasiはライス、campurは「混ぜる」という意味だけど、正確な理解としては「盛り合わせ」と表現した方が正しいと思う。
 
インドネシア語と思われる説明には
「Gedampfte Reis geschmuckt mit pepes ikan, tum Ayam, Sate lilit, nyat nyat, lawar, kacang saur und Sambal」
とあった。
 
後になって翻訳ソフトにかけてもわけわからない結果が返ってきて難儀したのだけれど、「pepes ikan」は「魚のバナナリーフ包み焼き」「tum ayam」は「鶏肉のバナナリーフ包み蒸し」、「sate lilit」は「海鮮のサテ」、「lawar」は「豚肉といんげんのココナッツ和え」……といった感じらしい。
 
こちらにもレモングラスのソースとサンバルが添えられていて、「こっちの鶏も旨いよ」「ダックもどうぞ」と、ちらっと交換。インドネシア料理は、見た目は「なんだかわからない、茶褐色なもの」的なものが案外多かったりするのだけれど、美味しいものがたくさんある。
 
ビンタンビール飲み飲みのんびりつまんでいたら、雨がバラバラ降ってきた。
早めにプール上がっておいて良かったねぇ、と話しながら、小雨降る中、パラソルの下なのを幸いとそのまま屋外で食事を続行。食事を終えた頃は、引き続き雨足はやや強めだったけれど、買い物を済ませる頃には雨もすっかり止んでいた。

Bali Collection」内「Frangipani Bali Int'l Restaurant」にて
私:Bebek Goreng
    Beer (BINTANG)
夫:Bali Nasi Campur
    Beer (BINTANG)
子:Febulous Burger
    Sprite
Rp 75000
Rp 23000
Rp 62000
Rp 23000
Rp 52000
Rp 15000

昨夜、到着後に空港で少しだけインドネシアルピアを作っていたのだけれど、「空港はレートが悪いしね」と本格的に両替するのは止めていた。……が、驚いたことに、ここヌサドゥアの両替屋は、空港より更にレートが悪かった。
 
「そういう時はおゆきさん、クレジットカードでキャッシングした方が最終的にレートが良かったりするよ」
とだんなから助言を貰い、確かにその方が良いかもとモール内のATMに行ってキャッシングでRp 1000000を入手した。帰国後に来た請求によると、8600円+手数料139円ということだったので1円がRp114.4というあたり。うん、ここで両替屋に行くより全然良い感じだった。
 
そうして、ちらっとモール内でお買い物。
 
すごく安いというわけではないけれど、モール内にあるデパート「Sogo Departement Store」(ええ、あの日本のデパート「そごう」です)で扱っているものは割合に品質はちゃんとしたものが多い印象だったので、自分用の雑貨などをつい色々買い込んでしまう。軽くて丈夫で便利そうなアタ製の籠は、さっそくホテルでドレッサー前に散らばっていた化粧品を片づけるのに役立った。

Bali Collection」内「Coco Supermarket」にてお買い物
牛乳
グアバジュース
スプライト
ソトアヤム(3種類)
カップラーメン
スパイス(サフラン)
スパイス(バニラビーンズ)
バリ音楽CD
虫除けスプレー
2×Rp 3580
Rp 12500
2×Rp 8000
Rp 22500、Rp 5000、2×Rp 4500
Rp 6500、Rp 6000
2×Rp 16500
Rp 33000
2×Rp 125000
Rp 31500
 
Bali Collection」内「Sogo Departement Store」にてお買い物
バティック
アタ製小物入れ
ココナッツ製カトラリー
オブジェ(かば)
オブジェ(マンゴスチン)
ボディスクラブ(ココナッツ)
3×Rp 95500
2×Rp 45000
Rp 99500、Rp 59500、Rp 19600
Rp 40000
Rp 18000
Rp 22500

念願のお買い物〜「Jenggala Keramik Bali」

Bali Collectionでの買い物を終え、しばしホテルでのんびりしてから、16時頃に改めてお出かけ。
 
バリに来ているからには一度くらいは本格的な「バリ芸能」を見たくて、
「レゴンダンスもバロンダンスも好きだけど、やっぱりケチャが見たいな」
と、「お願いです、一日だけ、夜にケチャ見に行きたいです」
とだんなと息子にお願いしていた。
 
ウブドに行くのは大変そうだけど、ホテルにあるヌサドゥアからだったら南端のウルワツ寺院が遠くないところにある感じ。ウルワツ寺院では、毎夜ケチャを開催しているのだそうだ。予約も不要。
 
でも、問題なのが足の確保だ。
 
辺鄙な場所にあるため(&ケチャ開催は日が暮れてからなので)、無難なのはツアーに参加してしまうこと。とってもよくあるのが「宿泊ホテルへの送迎つき、ケチャ鑑賞と観賞後のシーフードディナーツアー」みたいなもの。でもそういうのはちょっと(いや、かなり)嫌だ。
 
で、ホテルのコンシェルジュに
「ウルワツにケチャ見に行きたいのだけど、タクシーチャーターした方がいいかな?」
と聞いてみたら「大丈夫よ、帰りのタクシーは普通にいっぱい通ってるわ」とのこと。
 
ほんとに?帰りの足もちゃんと確保しておかないと苦労するって旅行者のブログとかにあったよ?と、その言葉に半信半疑でホテル入り口のタクシーカウンターで再度相談してみたら「だったら今から3時間半分のタクシーチャーターした方がいいよ」と勧められた。行ったことのない場所だし、夜だし、繁華街というわけではないし、と、お勧め通りにタクシーをチャーターすることに。1時間US$13ということだった。
 
よろしくね、と、車に乗り込み挨拶した後に
「今から行くの?ケチャにはまだまだ早いよ?」
と、愛想の良い運転手に言われたので、
「だったら、道中にJENGGALA KERAMIKがあるでしょ?そこ寄ってください」
と寄り道をお願いすることにした。ホテルで借りたチャータータクシーだったら買い物しても車に預けておけるだろう、と。
 
「わかったわかったジェンガラジェンガラ」
と愛想の良い運転手、でもジンバラン方面(=ジェンガラショップのある方面)に車を進め、乗り付けたのは全然違うお土産物屋さんだった。
 
「たくさん買い物するといいよ、時間もたっぷりあるし♪」
とばかりに降ろされたのだけれど、建物の感じからしてなんかちょっと違う気がする、ジェンガラのあのマークがどこにもないし……と不審に思いながら入ってみれば、雑多な(しかも質の悪そうな)土産物が並ぶ、小綺麗だけれど怪しげなお店。ジェンガラもあった。確かにあったけれど、全然種類が揃ってない。
 
ニヤニヤと嫌な笑いを顔に貼り付けた、態度だけは愛想の良い(でも目をぎらぎらさせた)店員が近寄ってきて日本語で
「ついてイル値段カラ、20%お安くなりマス。あと○○スルと5%引きで、××……」
と、何やら説明を始めた。なんかもう、気持ち悪いお店だった。「20%お安くなりマス」の前の値段は、当然ながらBali Collectionでの物価よりも高いくらい。
 
それでも、けっこうお客さんが入っていた。それがまた気持ち悪かった。
絵に描いたような、典型的な「お客さん連れてきたタクシーにはマージンあげますよ」みたいなお店。久しぶりに旅行先で嫌な店入っちゃったなぁ。ホテルと契約しているタクシー会社でもそういうこと、するのね。
 
なにこれ!?とお店を出たのは、入店してから1分そこそこ。憤慨しながら
「ここじゃなくて!ジ ェ ン ガ ラ!」
と運転手に伝えたら、「わかったわかった」という感じで、そこからものの数百メートルの距離にあった「JENGGALA KERAMIK」にやっと連れて行ってくれた。余計な事をしたお前にはもうチップはビタ一文やらん、と心に決めて、実際彼には1ルピアもチップは渡さなかったのだった。
 
さすがのジェンガラ、バリ島での買い物で一番楽しみにしていたジェンガラは、たいそう綺麗な建物だった。インテリアを扱う高級ブティックのような佇まい。ショップ内は写真撮影禁止で、更には「さっさと買い物してウルワツ行かなきゃ!」と焦っていたこともあって外観写真の1枚も残せなかったのだけれど、買い物はしっかりしてきた。もっと余裕をもってきて、隣接のカフェで一休みとかもしたかったな。
 
ちなみにジェンガラは、バリ島に本拠地を置く高級陶器ブランドの名称(詳細はこのサイトに)。
有名なのは、フランジパニ(プルメリア)の花やバナナの葉をモチーフにした白や淡い緑色の食器。バリ島内の高級ホテルで採用されて、一躍有名になったブランドだ。日本でも取り扱うセレクトショップなどがあったりはするけれど、どれもびっくりするほどお値段が高いのだった。
 
が、そんな憧れだったお皿たちが、小さいものなら500円ほど、メインディッシュサイズの皿でも2000円以下で買えるこの幸せ!
 
「これ4枚ね、あとこれもね」
と、仮置きさせてもらっていたキャッシャーの隅っこにいそいそ往復する私を見て、息子が
「お皿10枚目〜!11枚目〜!」
と仰天しながらカウントしていた。いや……でも、箸置きとか小皿とか、そういうのが多かったのよ……?

ジンバラン「JENGGALA KERAMIK」にてお買い物
Frangipani Square Plate
Frangipani Rectangular
Frangipani Small Plate
Frangipani Chopstick Rest
Banana Leaf Platter
Round Leaf Plate w/Frog
Creamer W/lines motif
Small Check-in Box
Rp110000
3×Rp 110000
4×Rp 60000
4×Rp 40000
Rp 180000
Rp 100000
Rp 50000
Rp 40000

白も一番のスタンダードな薄緑色も、ピンクも黄色も赤も素敵だったけれど、私が選んだフランジパニの皿は、ふちに茶色く色づけのしてある深緑色のもの。カエルのモチーフのついた丸皿も1枚だけ買ったし(たくさん買いたかったけど収納する場所がないなと……無造作に重ねたらカエルが割れそうだし)、どうにも心惹かれたバナナリーフモチーフの大皿も買った。ああ幸せ。
 
そして助かったのが、飛行機の預け荷物で持って帰る人のために数種類のサイズの「Check-in Box」なるものが用意されていた事。
 
会計時に「これ全部、チェックインボックスに入れてくれる?」とお願いしたら、「この量ならSサイズですね」と、てきぱきと、それは見事に梱包してくれた。梱包代として350円ほど追加料金がかかったけれど、これのおかげで1つも欠けることなく無事に日本にジェンガラを持ち帰ることができた。
 
分厚く上質な段ボールの内側には6面全部に薄い板状の発泡スチロールで壁を作り、1つ1つぎっちり紙で梱包した食器を綺麗に納めてくれる。隙間もこれでもかと大量の紙と砕いた発泡スチロールで満たして、最後は透明テープと紐でぐるぐる巻きにしてくれるのだった。巻いた紐を太くよって持ち手まで作ってくれる完璧っぷり。「FRAGILE」のシールを何ヶ所かにぺたぺたと貼り、そうして職人技の美しいジェンガラ箱が完成した。梱包の途中で、「あ、なんだ、お皿あと8枚くらい買い足しても大丈夫だったかも」と思ったのは秘密だ。
 
最後には、箱の重さもちゃんと量ってくれて「7kgね!」と笑顔でジェンガラ箱を手渡してくれたのだった。うーん、やっぱりお皿あと8枚くらい(以下略)

ウルワツ寺院のケチャダンス

ウルワツの、いたずら好きな猿。カメラやメガネを持って行かれないように注意! 自分では20分かからずに買い物したつもりだったけれど、結局30分くらいかかってしまったみたい。
 
それから車を飛ばしてもらって、ウルワツ寺院到着は17時45分頃。
 
ケチャの開始は18時と聞いているから、大変大変!と降ろしてもらった駐車場から急ぎ会場の入り口を探して移動した。
 
敷地のそこここには、ニホンザルに似た猿たちが。この猿がたいそういたずら好きで、人間のバッグやカメラ、あとメガネなどを持っていってしまうということだった。
 
背後に見えるのが、ウルワツ寺院……かな。 小さな門扉のところでウルワツ寺院(Pura Luhur Ulu Watu)への入場料1人Rp 3000を払い、更に進んだところで今度はケチャの鑑賞料1人Rp 70000を払う。
 
会場は更に歩いて数分のところ、崖っぷちの道をざかざか歩くと、今まさに日が沈もうとしているところだった。
 
既に大変な混雑で、観光バスも半端ない数来ている模様。既に会場はかなりの混雑だったけれど、私たちの後ろからも続々とお客さんが歩いてくる。
 
海に沈んでいく夕日 海に沈んでいく夕日はたいそう幻想的。でも問題は「ケチャの席は残ってるのかどうか」「無事に見られるのかどうか」。
 
案の定、すり鉢状に舞台を囲むベンチ席はもうほとんど全てが埋まっていた。
 
それでも続々と来るお客さんを、「そこの、舞台と客席の境目の地べたに座っちゃえ」と会場の係員が指示し始めている。
 
椅子ではないけれど舞台と客席の間に10cmほどの段差があり、そこも客席と化しつつあるタイミングなのだった。期せずして私たち、最前列。お尻の下はただの石の床だけど、でも特等席だ。
 
そろそろケチャが始まりますよー 最終的には、私たちの座る更に前にもお客さんが来て、更には本来客席のない、割れ門の左右にまで仮設の椅子が並べられたりして、会場は大変カオスな感じになっていったのだった。
 
本来は踊り手さんたちだけが通るはずだろう"割れ門"からも平気でお客を入れ始め、ケチャが始まってもなおお客の入場は続いていく。
 
酷い時には踊り手さんとお客がぶつかりそうになるほどの大混雑。お客のマナーもあまり良くなく、会場側のその「無理矢理にでもお客入れちゃえ」な対応とあいまって、ちょっと予想とは違う、がっかりめなケチャだった。
 
でも、まぁ、ケチャはその成り立ちからして「神様に捧げるもの」というよりは「エンターテイメントショー」的な要素が強いから、こんな感じで良いのかなぁ……。
 
「音楽」「歌」というのともちょっと違う感がある、大好きなケチャ。 かつて見たケチャは、今はもうないデンパサールのアートセンターで催されていたもの。
 
友人とバリに初めて来てそのケチャを見て衝撃を受け、次にだんなと新婚旅行で来た時にも「これはすごいから、とにかくすごいから」と連れて行ったのだった。
 
あのアートセンターのケチャは、男達をドームのように覆う「違う空気」みたいなのを確かに感じて、私の知る神様とは違うものだけれど「神がここにいる」と理解できるような、それはそれは神秘的な不思議な空間だった。吸い寄せられるような魅力があのケチャにはあったけれど、でも残念、このケチャにはそれを感じなかった。
 
何度か「あ、この感じ」と思う一瞬が訪れたのだけれど、お客のざわつきやら何やらでそれがふわっと消えてしまう感じ。
 
魔王の登場ですよー 演じる側も「これはエンターテイメント」という割り切りといった空気が感じられ、白い猿ハヌマーンの登場から後半は、悪役がお客さんにちょっかい出したり、ハヌマーンもお客さんに何かと絡んだりのコミカルな演出が多かった。
 
息子もげらげら笑いだし、常に笑いが絶えないような後半部分。最後は火あぶりにされそうなところから復活するハヌマーンによるファイアーショーで、派手な終幕に観客は拍手喝采という風だった。派手だし面白かったけれど、でもやっぱり「私が好きなケチャ」はこういうのじゃなかったなぁ。

ウルワツ 「Pura Luhur Ulu Watu」にて
入場料
ケチャ鑑賞料金
3×Rp 3000
3×Rp 70000

夕飯はインドネシア風ピッツァ〜「Salsa Verde」

タクシーの運転手はどこか夕飯を摂れるところ(それもマージン目当てでしょう?と勘ぐりたくなるよね)へ連れて行きたそうな感じだったけれど、
「ホテルに戻るの、ホテルで夕飯食べるの。ホテルホテル」
と、ケチャ観賞後はまっすぐにホテルへ帰還。
 
そうそう、ウルワツからの帰りのタクシーは、危惧していたとおり「流しのタクシー」なんて全然来ていない様子だった。そもそもお客のほとんどがバスで乗りつける団体の人たち。個人で来る人は我が家同様、タクシーをチャーターしている風な人たちばかり、客待ちしている風な車は、私が見る限りではまず無いように感じられた。
 
グランドハイアットに到着したのは、もう8時になろうかという頃合い。「20分で行けるヨー」なんて運転手さんは言っていたけど片道40分、なかなかの行程だった。
 
7kgの重量のジェンガラの箱は、ホテル入り口で「部屋まで運んでおいてね」とベルボーイに託して、私たちはそのままホテル内のレストランへ。あそこが気になるねと昼間話していた、プールサイドのイタリアンレストラン「Salsa Verde」に行くことにした。
 
Grand Hyatt Baliのイタリアンレストラン「Salsa Verde」 このレストランも壁の無い(ゆえに冷房も無い)半屋外形式の造り。
 
朝食時にはかなりな混み具合のこの店も、夜8時を回ったこの時間には人影もまばらだった。
 
カウンターの向こうにピッツァ用の石釜があるのに気が付いて、これはピッツァ食べなきゃなぁ、パスタよりピッツァだよなぁ、とメニューをめくる。
 
卓上には突き出しとして、グリッシーニ風に"素焼きしたピッツァ生地を細く棒状にカットしました"的なものが出てきていた。トマトベース、ヨーグルトベース、バジルベースの赤・白・緑のイタリアカラーの3色のソースが添えられているのが面白い。
 
息子はカルボナーラスパゲッティ(これがまた、息子には嬉しい感じに大盛りだった)を注文することにして、それを一人抱え込んで平らげ、平らげると早々に部屋に戻っていった。
 
私とだんなは「シェアして食べようか」と、あれこれ注文。
 

Antipasti Platter
Grand Hyatt Bali 「Salsa Verde」にて前菜盛り合わせ♪ 前菜は盛り合わせを。
 
メニューによると
 
Parma Ham, Italian Salami, Tomato & Mozzarella Salad, Baby Octopus, Artichokes & Olives, Grilled Vegetables, Parmigiano Cheese
 
だそうで、ちょうど2人でいただけるよう全部が2ピースずつ盛られているものだった。
 
ちまちまお上品に盛るのではなく、「トラットリアの夕御飯」みたいな豪勢な盛りが良い感じ。
 
Pizza Indonesiana
Grand Hyatt Bali 「Salsa Verde」にてインドネシア風ピッツァ、お肉たっぷり。 スパイシーミートがたっぷり散らされた風変わりなピッツァは「Pizza Indonesiana」というもの。
 
メニューによると
 
Pomodoro Sauce, Mozzarella, Braised Beef, Chili, Mushrooms, Fried Shallots
 
とのことで、インドネシア風ピッツァのインドネシアらしさは牛肉やチリ、揚げ葱あたりにあったような感じ。
 
上品な味、とは言い難いのだけれど、でもイタリアンの基本をふまえたエスニック風味のピッツァでたいそう楽しかったし美味しかった。具沢山なので空腹に染みいる感じ。
 
Involtini di Maiale
Grand Hyatt Bali 「Salsa Verde」にて、メインディッシュのインヴォルティーニ 牛肉のタリアータとかよりこれが美味しそうだよねとメインディッシュにいただいたのが、豚肉のインヴォルティーニ。
 
何か(多くの場合、野菜とかチーズとか)を何か(多くの場合肉、時々魚)で巻いた料理がインヴォルティーニ。これは
 
Pork Rolls Filled with Mozzarella Cheese, Ham & Mixed Mushrooms, Dressed on Risoni Pasta, Pomodoro Sauce
 
とのことで、モッツァレラとハムときのこを巻いた豚肉のインヴォルティーニなのだった。
 
むっちりと、「具沢山の肉巻き」という感じの肉の下には、たっぷりのリゾット。チーズがやたらたくさん入ったリゾットで、「あらやだ美味しい」と、リゾットも余さず綺麗にいただいた。
 
Panna Cotta
Grand Hyatt Bali 「Salsa Verde」にて、デザートのパンナコッタ♪ 部屋では息子が待っているのだけれど、でも料理全部美味しかったし、甘いものも食べたい……と、うっかりドルチェもいただくことに。
 
ドルチェメニューには、定番ティラミスの他に、何種類ものジェラート、ピーナッツバターパイ、チョコレートセミフレッド、ベイクドアップルパイ、トロピカルフルーツの盛り合わせ、といったものが載っていた。
 
パンナコッタは
Vanilla Pudding, Blueberry Sauce
と説明が。
 
だんなはバニラジェラートを1スクープとコーヒー、私は料理と共にいただいていたサングリア(これがまた、苺とパイン入りの不思議な味わいで)がまだ残っていたのでそれを舐めつつパンナコッタを。
 
どうもバリ島においては生クリームやチーズなどはかなりな「高級品」扱いらしく、濃厚で美味しかったこのパンナコッタのお値段は650円ほどという驚きのものだった。だんなが「俺のジェラートとコーヒー足したよりまだ高いよ、これ」と仰天している。美味しかったので悔いなしだ。
 

Grand Hyatt Bali Hotel」内「Salsa Verde」にて
Antipasti Platter
Pizza Indonesiana
Carbonara Spaghetti
Involtini di Maiale
Panna Cotta
Gelati Vanilla
Beer (BINTANG)
Sangria
7-UP
Coffee
Rp 135000
Rp 113000
Rp 102000
Rp 195000
Rp 72000
Rp 31000
3×Rp 60000
Rp 125000
Rp 35000
Rp 35000

部屋に戻れば、先に入浴まで済ませていた息子が
「遅かったじゃーん」
と巨大なソファでごろごろしながらも若干おかんむり。
 
ごめんごめんと謝ったけれど、でも息子、ほんとホテルのお部屋が好きだよねぇ……。
 
10年近く前、ビーチリゾートに行って帰ってきて我が家近くにまで来たところでハタと"バカンスはもう終わり"ということに気が付いてしまって、
「こっちこっちよー、おうちじゃないの、おへやにかえるのよー!」
と、「家じゃなくて、あのホテルの部屋に戻るんだ」とおいおい泣きながら訴えた息子を思い出して笑ってしまった。
 
ホテルをチェックアウトした時には未だ訳が分かっていなくて、飛行機に乗ってもまだわからなくて、自分の家が近づいたところで悟ってしまったというのがなんとも面白くて、あの事件はずっと我が家の語りぐさ。そんな息子も、今ではそこそこ軽妙にホテルのレストランで英語で食べたいものを伝えられる程度にはクールな少年に成長した。
 
「えー旅行とか、もう親と一緒に行く年でもないよ、俺留守番でいいよ」
とか言い出す日も多分そう遠くない、はず。いいのよ、そしたらお父さんとお母さんは心おきなくアマンとかに泊まりに行くのよ。