10月06日(土) 伊勢神宮参拝
- ・ 宿の朝食
- ・ 「月夜見宮」「伊勢神宮外宮」〜これが神域
- ・ 「寶来亭」〜松阪牛ランチ!
- ・ 「伊勢神宮内宮」〜更に神域
- ・ 「おかげ横丁」〜参拝後の煩悩炸裂
- ・ 「倭姫宮」〜最後にお姫様にご挨拶
- ・ 「鶴橋風月」〜ソース腹を満たしに
宿の朝食
昨夜あんまり早くに寝たせいで、案の定、超早起きをしている私。
まだ暗いうち、5時にもならない頃に目が覚めてしまって、ぽちぽちと昨日の日記をつけたりしていた。
宿の窓から見て右手が、朝日がのぼる東側。
今日も良い天気になりそうだなー、秋らしい高くて綺麗な空だなー……なんて思いながら、ゆるゆる夜が明けるのを眺めていた。
で、6時になったところで朝風呂浸かりに行って、昨日買ってきておいたフルーツ牛乳飲んで、ちょっと遅めの8時にお願いしておいた部屋出しの朝御飯をいただいた。
宿のおばちゃん曰く、
「明日神宮に行かれるんですかぁ?すごく混みますよ〜、お泊まりの皆さんはけっこう早くにお発ちになりますよ?」
8時じゃちょっと遅いかも……だそうだけれど、まぁ帰りの列車は4時過ぎとけっこう遅めだし、早くから歩き回っても午後にスタミナ切れ起こしちゃいそうだしね、と、我が家はのんびり行くことに。
昨夜の夕食も宿代相応以上に満足な内容だったけれど、朝食もまた「焼き魚と味噌汁は温かくいただけるように」と卓上簡易コンロで温める仕組みになっていた。派手な品はないものの、御飯が美味しくいただけるおかずが揃い、とても満足な朝御飯♪
鰺の干物にしらすおろし、昆布に貝にあさりに……と、今日も朝から魚介がたくさん。
「わーい、生卵だ!」
「卵かけ御飯が食べられるね」
「海苔の佃煮も美味しいよ」
と、朝から家族皆して御飯をお代わりしてしまいながらもりもり平らげた。
食後もそう急がずにゆるゆる支度して、宿を出た後は鳥羽駅から近鉄に乗って15分ほどの伊勢市駅に移動。今日はお伊勢さん詣で!
これが神域〜「月夜見宮」「伊勢神宮外宮」
伊勢市駅についてコインロッカーに大きな荷物を預けると、何やら駅前が賑やかな感じになっている。
今日は折しも「伊勢まつり」が催されているところだったらしい。駅前には特設ステージが組まれ、「まずはこっちから行ってみようか」と歩き出した先にはお祭り屋台が並び始めているところだった。遠くには子供用の小さな御神輿のようなものも見えたりして。
伊勢神宮は、伊勢市駅にほど近い「外宮(げくう)」(正式には「豊受大神宮」)と、そこから車で10分ほどの距離にある「内宮(ないくう)」(正式には「皇大神宮」)の2つの正宮がある。参る順序は「外宮→内宮」が正しいありようとされていて、更に広義の「伊勢神宮」となると別宮・摂社・末社・所管社を含めた、合計125の社宮が含まれる。なんともすごい。さすが日本の神様の総元締めの神宮だ。
というわけで、駅近くから行こうか、と最初に参ったのは、豊受大神宮(=外宮)別宮の月夜見宮(つきよみのみや)。
鳥居の前にはちょうどお祭りの御神輿が出ているところで、なかなかの賑わいだった月夜見宮。
でも、鳥居をくぐった途端にその空気がパキッと変わった。
後に外宮内宮を歩いて「神域ってこういうものなのか」と皮膚が粟立つような感覚を覚えることになるのだけれど、街中にある、そう広い敷地ではないこの別宮も、空気が違う。
上手く言えないけれど、静謐で気持ち良くもあり、でもなんだか恐れ多いような、姿勢正してピシッとしておかなくちゃみたいな、そんな感じ。
月夜見宮に祀られているのは月夜見尊(つきよみのみこと)と月夜見尊荒御魂(つきよみのみことのあらみたま)。月夜見尊は、天照大御神の弟神なのだそうだ。
お参りして「せっかくお伊勢さんに詣でるのだから」とこの機会に始めることにした朱印帳にも御印をいただき、次は外宮に向かっててくてく歩く。
途中通りかかった麹のお店「糀屋」が素敵だったのでちらりと寄り道。
たまり醤油や美味しいお味噌、塩麹などなど色々並んでいて、いくつか味見させてもらった。お醤油が欲しかったけれど、ここで重いもの買ったら後々大変だなぁ……と、好みな味だった「醤油麹」を1瓶購入。麹独特の甘さがあって、もろみ味噌のような感覚できゅうりなどに添えて食べると美味しそう。焼いた魚に添えたりしても美味しいだろうな。
醤油麹 | 420円 |
さて、そしていよいよ到着、外宮「豊受大神宮」(とようけだいしんぐう)。御祭神は豊受大御神(とようけのおおみかみ)。衣食住、そして産業の守護神だ。
だったらアレだ、「一生食いっぱぐれませんように」ってお祈りするのが一番かな……と考えながら橋を越えて、北御門口から境内へ。
あれ?ここは表参道側じゃなかったみたいだね……なんて言いながら砂利を踏みつつ進むのだけれど、橋を越えるたび、鳥居をくぐるたびに「神様の近くに行く」ような感覚が強くなる。私に神様は見えないけれど、「優しいけど怒ると怖い恩師が1000人くらい勢揃いしてあちらの方向にいらっしゃる、その存在感を感じる」みたいな、そんな感じ。
正殿目指して歩いていくと目の前に厩舎があり、神馬と会えた。
名前は「草音号」、後に調べたところによると2011年10月に皇室から奉納された御馬なのだそう。
神様の乗御に供するという意味をもって神前に奉納される馬、なのだそうだ。かわいいなー。かしこそうだなー。
先の別宮もそうだったけれど、伊勢神宮の社殿その他諸々建築物全て、一見するととても質素に見えるもの。
日光東照宮のような、豪奢な類の建物を期待して参拝すると「ええっ!?」と肩すかしをくらうような、古式ゆかしい木造建築。茅葺きの屋根と檜の柱が印象的な佇まいだ。鳥居も彩色されておらず、全体的に自然に溶け込んでいる。
周囲の木々も実にのびのびと巨木に育っていて、あれもこれも全てが「神木」という風な堂々たるものばかり。
心なしか誇らしげな感じに枝を伸ばしていて、短くはない参道を歩くのも楽しかった。
周囲はけっこうな混雑で、国内海外問わず団体のお客さんもたいそう多い。なのにやっぱりなんだか空気は綺麗なのだった。都内だったら、たとえば明治神宮あたりでも似た感覚を覚えるけれど、明治神宮の空気の清浄さが日本酒のアルコール度数くらいだとしたら、伊勢神宮のそれは焼酎のアルコール度数ほどに濃厚……という感じ。
そして正宮に到着、この奥に御正殿がある。
伊勢神宮では、鳥居や社殿の門の正面に、衝立のように木塀が建てられているところが多い(こんな感じ)。
正宮正面にはひときわ大きなこの木塀があって、
「この衝立みたいなの、東京の神社とかじゃあんまり見ないものだよね?」
「何か防ぐ意味があるのかね?」
「出さないようにしているのか、入らないようにしているのか興味深いね」
と不思議に思い、帰宅してから調べたところ「蕃塀」(ばんぺい)と呼ばれるものなのだそうだ。
「直接に中が見えては畏れ多い(から御正殿を直視できないようにする)」という意味があったり、「不浄なモノの侵入を防ぐ」という意味もあったり、諸説あるらしい。
写真撮影ができるのはこの蕃塀のところまでで、鳥居から先でカメラを構えることは禁じられているのだった。
来年、2013年に式年遷宮を控えている伊勢神宮。20年ごとに全ての社殿を造り替えて神座を遷すという神宮最大の重儀だ。だから、この御正殿も今年までのお役目で、来年からは隣接して建てられつつある新宮が御正殿として機能していくことになる。
屋根はすっかり苔むして、神さびた雰囲気。お参りして、左右に伸びる玉垣の隙間から御正殿の方を見てみると、更に奥に見える鳥居の真下と左右で色の違う砂利(……というか、砂利と表現するにはやや大きめな石)が敷かれているのが見える。鳥居の真下を通るように一直線に敷かれているのは「お白石(おしらいし)」、左右に敷かれた黒い石は「清石」(きよいし)と呼ばれるのだそうだ。
うーん、ここから先は、たとえ「入ってもいいよ」と言われても「畏れ多くて入れません」、といった雰囲気だ。
お参りして、お守りやお札や御朱印をいただいて、表参道から外へ出た。
第一鳥居口のところには式年遷宮記念の「せんぐう館」なるものがあったので、こちらも見ていくことに。
4分の1サイズなのにたいそうな迫力の外宮正殿の模型があったり、神宮の「祭り」について、工芸品についてなどの展示があったり。
映像で伊勢神宮特有の「八度拝八開手」を見られたのも興味深かった。立ったり座ったりを繰り返し、正座の姿勢から頭を地につけるように伏し、その頭を下げた体勢で「パパパパン・パパパパン…パン」と拍手をする。一般の参拝客はせず、神宮の神職が祭典時のみに行なう拝礼作法なのだそうだ。
さて、それじゃあ内宮に向かいましょうか、あそこからバスが出るみたいだよー……と指さした先には、タイミング良く臨時バスがやってきていて、混雑する車内ではあったけれどスムーズに内宮に移動することができた。
松阪牛ランチ!〜「寶来亭」
内宮行きのバスを降りると、そろそろ12時になろうというところ。
参拝前に腹ごしらえだ!と、
「ここね、松阪牛食べられるみたいだよ?……でも、それは値が張るから、たとえばフツーの和牛の牛丼とかでも良いかなって思ったんだけど」
と、バス停からほど近いところにある「寶来亭(ほうらいてい)」というお店のメニューを見に行ってみた。
ステーキ牛丼セット、「上」なら1700円、「極上」なら2400円、「松阪牛」なら3000円。
せっかくだから極上くらいにしておいてみる?いやいや極上頼むくらいなら松阪にしちゃった方が?と家族会議の結果、家族全員「松阪牛」に。
瓶入り地ビールも1本もらって夫と半分こ。更に、近鉄周遊切符「まわりゃんせ」の提示でソフトドリンクも1杯ずつ無料でいただけて、豪華なランチになった。
出てきたのは、珍味の小皿(牛しぐれ煮、きゃらぶき)と、伊勢海草の佃煮の小鉢。
赤だしと香の物、そしてデザートに抹茶アイス。ステーキ丼にはレタスとフライドポテトと人参のグラッセ、そして玉ねぎのソテーというちょっと洋風な添え物がついてきた。
ちなみに小鉢の伊勢海草は「あらめ」と呼ばれるものなのだそう。
「なにこれ!?この肉!超うま!」
息子が悶絶していたステーキ丼の肉は、「ステーキと表現するにはちょ〜っと薄っぺらいかなぁ?」という風ではあったけれど、確かに「ここ数年、こんなお肉は食べていなかったわ〜」と感じるたいそう上質なものだった。
口に入れるととろけていくような口当たり。サシがしっかり入った脂の旨味も上品で、「ほら、ここ3食魚ばっかりで肉ひとかけらも食べてなかったからさ?」なんて叩いていた軽口が「おいしい……」「やだ、すごくおいしい……」以外の表現ができなくなってしまううくらい。
店頭では店頭で買って食べ歩きできる松阪牛の牛串なども販売していて、こうした食べ歩き品をちょいちょいつまみながら散策するのも楽しそう。「向かいの店では「伊勢海老コロッケ」なんていうのも扱っていて、それも気になる私だった。
ステーキ牛丼セット(松阪肉) 地ビール(伊勢角屋麦酒・ブラウンエール) |
3×3000円 1000円 |
更に神域〜「伊勢神宮内宮」
お腹も充実したところで、午後は「内宮」に。
正式名称は「皇大神宮」(こうたいじんぐう)、御祭神は、「天照坐皇大御神」(あまてらしますすめおおみかみ)。天照坐〜というのは一番丁寧な呼び方(=神前で畏まって称え申し上げる御名称)で、一般的には「天照大神」(あまてらすおおみかみ)と呼ばれている。
最初に渡る宇治橋。
美しい五十鈴川に架かるこの橋は、いかにも「あちらとこちらの境界」という風だ。
この橋も式年遷宮で20年毎に架け替えられるそうで、実際、橋の右手には新しい橋脚の準備が進んでいるようだった。
橋を越えて川に沿った参道をゆるゆる歩くと、五十鈴川の水面近くまで寄れるようになっている。
ここは御手洗場だそうで、神聖な川・清浄な川とされるこの五十鈴川で手と口を清めるのも良いのだそう(もちろんちゃんと手水舎はあるわけだけど)。
なんとも綺麗な川で、水も美しく澄んでいる。御手洗場からちらりと覗いただけでも小魚がたくさんいるのが見てとれる。ちょっとしたテーマパーク並に観光客が続々と大量に押し寄せてきているというのに、さすがにこんな場所でゴミを捨てるような不逞の輩も居ないらしい。
更に歩き、神楽殿の先にある正宮を目指す。
外宮同様、こちらの木々も気持ち良さそうに伸びている。
うん、やっぱり、どの木も神木の風格があるように見えるよねぇ……と、木漏れ日も美しいところで写真数枚撮ってみた。
神域とかいうことを抜きにして、この木々の間を歩くだけでも森林浴としてこれはとっても気持ちが良い。マイナスイオン万歳。
外宮同様、内宮も「写真撮影はここまで」という指定があり、それはやっぱり蕃塀のところまで。蕃塀の先には十数段の階段があり、その先に鳥居がある。
御覧のように大変な混雑で、なのに緊張感がある空気が漂っていて、詣でる人たちも常よりも神妙な感じ。
人はこんなに多いのに、繁華街ほどのざわつきはないのが興味深かった。
御神体は、八咫鏡(やたのかがみ)。日本書紀に登場するような神話の時代の品が近くにあると思うと不思議な気分だ(戦国時代に移動させられて今は他所にあるという説もあるらしいけれども)。
天照大神、太陽神様に「商売繁盛!」などをお祈りするのもなんだかなーという感じで、ここはやっぱり日本の安寧とか家族の健康とか、そんな事を祈ってみたり。
境内内には「荒祭宮」(あらまつりのみや)があり、こちらには天照坐皇大御神荒御魂(あまてらしますすめおおみかみのあらみたま)が祀られているので、個人的かつ生々しい願い事はこちらにがっつり祈ってみた。
参拝後の煩悩炸裂〜「おかげ横丁」
参拝後はお買い物!そして甘い物!と、内宮門前にある「おかげ横丁」をぷらぷら。「伊勢が最も賑わった江戸後期から明治初期の風情を再現」したエリアなのだそうな。
もう季節は10月ではあるけれど、昨日に続いて今日も半袖1枚で汗ばむほどの陽気。
ちょうどおやつ時でもある時間帯、横丁はそここでコロッケや串焼きなどを食べ歩きする人で溢れている。かき氷やソフトクリームを売っている店もあちこちに。日本酒をさらっと飲める立ち飲みスタンドもあちこちに。
今日はあいにく、夜に夫が車を運転する必要があったのでお酒は控えて「じゃあかき氷だ!」と、「赤福氷」がいただける「団五郎茶屋」に寄ってきた。
「餡と餅は赤福そのままではなく、冷たい氷になじむよう特製いたしました。抹茶蜜のかかったかき氷の中に入っています。夏季限定の商品です。」
という赤福氷。
甘めの抹茶蜜のかき氷の中に、こしあんがたっぷりと詰まっていて、氷に埋もれても固くなっていない餅が数切れ埋まっているというものだった。あんこの感じが赤福そのものなので、「宇治金時」とは違う感じ。
そして、実は赤福氷よりもツボだったのが、息子が頼んだ「甘夏練乳氷」。
「甘夏だよ?みかんよりほろ苦いんだよ?君、グレープフルーツ苦手じゃん……あと、柑橘と練乳が似合う風にも思えない……」
「いや、でも、注文している人けっこう多いみたいだし。お勧めメニューだし、美味しくないってことはないんじゃないかなぁ?」
僕は頼んでみるよ!と息子が頼んだその氷は、甘夏特有のほろ苦さも多少あるものの、練乳ともよく似合う不思議な美味しさだった。しっかり甘くもあり、でもさっぱりと食べやすい。
ミルクセーキに甘夏のほろ苦さを加えたような、どこか「ミックスジュース」的な美味しさも感じる不思議なかき氷で、汗をかいた散策後にはこれがすごく美味しかった。
赤福氷 甘夏練乳氷 |
2×500円 500円 |
おやつ後も、引き続き横丁をぷらぷら。私のお目当ては、招き猫のお店とお香のお店。
招き猫のお店は「吉兆招福亭」。店頭に巨大な招き猫がいて、店内は驚くほどに招き猫がたくさん。猫グッズもたくさん。
白猫グッズが欲しいなぁ……と、店内を眺め歩き、白猫ストラップと白猫マグネットを購入。我が家の猫に似ているグッズを買ってみた。
白猫ストラップ 白猫マグネット |
1050円 1050円 |
そしてお香の店は「くつろぎや」。
伊勢の地名を冠したオリジナルのお香が色々あって、お香立てなどのグッズも豊富。店頭で炊いていたお香もとても良い香りだった。
どれか欲しいな〜と一通り眺め歩いて、選んだのは「五十鈴川」というお香。家で炊くのが楽しみだ。
お香(五十鈴川) |
840円 |
最後にお姫様にご挨拶〜「倭姫宮」
まだ電車の時間までぎりぎり余裕がありそう、と、最後に訪れたのは皇大神宮別宮の「倭姫宮(やまとひめのみや)」。
やや外宮寄りではあるけれど、内宮外宮を繋ぐ路線バスを途中下車しなければいけないところにある。近くには「神宮徴古館」もあるから、時間があったらこちらに寄りつつ……とすれば良いのかな。
私たちは「30分あればお参りできるよね?」「バス停からそんなに歩く感じじゃないものね?」と、倭姫宮にお参りするのがやっと、という感じなのだった。
内宮外宮とうってかわって、人の気配が無い別宮。
さっきまで「おかげ横丁」で俗気に浸りまくっていたから、なおのこと神宮の空気に身が引き締まる思いがする。
ここの御祭神は「倭姫命」(やまとひめのみこと)、垂仁天皇の皇女で伊勢の地に天照大神を祀った、伊勢神宮の起源にまつわる方なのだそう。
大きくはない社殿は、ここもまた質素な佇まい。
ここもまた、社殿横に清められた更地があり、式年遷宮の準備が着々と進んでいるようなのだった。敷き詰められたお白石が目に鮮やかだ。
他に人もいないこともあって、とても静かな気持ちでお参りできた。この小さな別宮ひとつとっても、都心にあったら「強力パワースポット間違いなし」という雰囲気だ。なんだか自分が綺麗な人間になった気がするけれど(内面的に、ね)、それはきっと幻だ。
ああ、お伊勢詣で、楽しかったなー。また遠くない将来に詣でたいし、遷宮後の新しくなったお宮も見てみたい。でも、お伊勢さんはなにしろ遠く、夫も私も「念願叶って」の今回の伊勢参りなのだった。
ソース腹を満たしに〜「鶴橋風月」
そして夕方4時過ぎ、近鉄特急に乗り今夜は大阪に。今日は単身赴任先の夫の住まいに宿泊の予定だ。
「近鉄は鶴橋で降りるから、そこで焼き肉とか食べる?」
なんて話をしていた……んだけど、もう疲れ果てちゃって、荷物も多いこともあり「あんまり繁華街を大荷物でぷらぷらしたくないね」という結論に。
だったら、乗換駅の京橋駅近くにお好み焼きの「鶴橋風月」があるからそこにしちゃう?と、お好み焼きをさらっと食べてから帰ることになった。
各テーブルに鉄板があって、でもお店の人が焼いてくれるスタイルのチェーンお好み焼き屋さん。
私が選んだのは「牛すじねぎ月見玉」、息子はチーズ入り、夫は「2人がソース味だったら醤油味のにしようかなと思って」と醤油味の焼きそばを。あとは「とんぺい焼き」などなどで。
なんとなく「ソース味のものが食べたい」という気持ちで盛り上がっていたので、満足だった夕御飯。
仕上げに葱をぶわっとかける、半熟目玉焼きが乗った「牛すじねぎ月見玉」は、醤油系の味ではなくてお好み焼きソース+マヨネーズの味付けだったのだけれど、それもまた良い感じ。
店員のお姉さんが鮮やかな手さばきでさささささーっと焼いてくれて、私も久しぶりに自分で焼きたくなってしまった。
とんぺい焼き ねぎごましょうゆ焼きそば チーたまぶたモダン 牛すじねぎ月見玉 ジンジャーエール ラムネ |
480円 850円 1150円 1050円 2×250円 250円 |
そして、いざいざと一人暮らし中の夫の家に移動。
「仮住まいだしさー、モノできるだけ増やさないで、あるもので頑張ろうとしているわけよ」
と、あちこちに工夫が見える(でも、片付け魔の私には色々片付けたいポイントがあってうずうずする……)生活のさまを拝見しつつ、
「ああ、あのへんとか掃除したい、あとこのへんを片付けたい、でももう疲れて動けない……」
と、お風呂に入らせてもらった後は早々に就寝。夫は家族分の布団をちゃんと用意してくれていた。これならまたいつでも来られるね!