3月15日(水) 二日市温泉の老舗旅館

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今日もラウンジ朝御飯

お気に入りのシーザーサラダは今日もたっぷりめに。 ハウステンボス最終日の朝は、今日もクラブラウンジで。
 
品揃えはおおむね同じで、ただ、温かいおかずが今日は「カスレ」。
 
豆たっぷりのソーセージ入りトマト煮込み……という感じ?シーザーサラダが相変わらず美味しくて、朝からばりばりサラダを食べた。
 
オムレツという気分ではいまいちなかったので、スープだけを貰って、卵は和食コーナーの温泉卵を持ってきてみた。パンやチーズ、フルーツなどもしっかりいただいて、朝からなかなかにお腹いっぱい。
 
ラウンジの和朝食、昨日は四角い弁当箱でしたが、今日はこんな感じで。 和食のおかずが、蓋を開けて置かれていたので、思わず写真撮影を。
 
煮物や煮豆、ちりめん山椒、玉子焼き。写真ではいまいち見えないけれど、煮豆の隣に焼き魚なども器に綺麗に詰まっていた。
 
漬物類も好みでいただけるように小さな器に揃っていて、素敵な感じ。
 
今日はお昼時にちょうど列車移動という予定だったから、「ルームサービスメニューのサンドイッチを、テイクアウト用に包んでいただくことはできますか?」と頼んでみるも、テイクアウトの対応はしていないとのこと。残念。
 
決して不愉快な対応などがあったわけではなかったのだけれど、ホテルヨーロッパ、「真の高級ホテル」という感じでは無いのだよなぁ……と、色々と感じつつある滞在3日目。

特急ハウステンボス号

今日は一路、福岡へ。
 
チェックアウトの時間までホテルの部屋でゆるゆる過ごし、ラウンジでお茶いただきつつチェックアウトの手続きをした後は、ホテルの中庭から出ている宿泊者用の船に乗ってハウステンボス入口ゲートまで。
 
船を下りてから「JRハウステンボス駅」まで、徒歩15分くらいはかかって、荷物を持ちながらの移動はなかなか大変。ゲートを出たところにホテルオークラがあったので、そこの館内パン屋さんで昼御飯用のパンを購入した。
 
ついでに、これもゲート外にあった「伊都きんぐ」というお店の、あまおう苺入りどら焼き「どらきんぐ生」もおやつにと購入。
 
特急ハウステンボス号。グリーン車はガラッガラでした。 ハウステンボス駅が始発の特急ハウステンボス号は、福岡まで約2時間。
 
私たちの下車は、1つ手前の駅の二日市。
 
せっかくだから、ゆったり座れる方が良いよねとグリーン車を予約したら、私たちが乗った全12席のグリーン車ブース(1両の中央にドアがあり、半分が指定席、残り半分がグリーン席なのでそんな感じに)は私たちにお客がおらず、貸切状態。
 
ただでさえゆったり座席だったのに、ますますゆったり気分で移動することができたのだった。
 
ずっしり重い「どらきんぐ生」は、餅のようなねちねちもちもちした薄めの皮が独特。中には大粒のあまおうが1粒丸ごとと、その周りにごく薄くこしあんの層があり、残りはたっぷりのホイップクリームで満たされていた。クリームにも甘さがあって、なかなかの食べ応え。美味しかった。

二日市温泉の老舗旅館〜「大丸別荘」

せっかくだから福岡で温泉にでも浸かりませんか?という私の提案で、訪れたのは博多にほど近い温泉街「二日市温泉」。
 
そこからタクシーで数分の距離にあるのが「大丸別荘」。
温泉行きたい、美味しい和食食べたい、古めかしい和風建築も大好き、という私が、「ここがいいなー」と選んだ宿だった。館内には2部屋だけ寝具がベッドの部屋があり、その部屋をリクエストして予約を入れた。
 
大丸別荘。大正亭への渡り廊下も風情があります。 ベッドの部屋は「大正亭」という棟にあり、「昭和天皇もご宿泊された純木造本格的書院造」なのだそう。
 
日本庭園を囲むように宿泊棟があるので、2階にあるフロントから大正亭までは、エレベーターに乗り、屋根のみで壁のない渡り廊下を歩き、更にガラス戸のついた渡り廊下に行き、靴を脱いで更に歩き……と、迷いそうな道のりだった。
 
ロビーに至る道の途中に大浴場があり、嬉しいことに「大正亭専用」の家族風呂が2つあるとのこと。予約は必要なく、24時間、空いていればいつでもどうぞということだ。
 
こたつが嬉しいお部屋、「夕光」 私たちが案内されたのは「夕光(ゆうかげ)」という1階の部屋。
 
嬉しいことに、部屋に入ると「こたつ」が出迎えてくれた。
 
たいそう広く、食事処にもなるメインの座敷の10畳間と、こたつが置かれた6畳間。そして更に襖を隔ててベッドルーム。
 
こぢんまりとしたベッドルーム。でもそれがむしろ落ち着いて良い感じ。 セミダブルサイズのベッドが2つ並んだベッドルームは、床が板張り。
 
3部屋それぞれ、エアコンがついていて、座敷にはガスストーブも。肌寒くなる夜も快適に過ごすことができた。
 
新しいホテルのような痒いところに手が届く「設備の充実」はないものの、スマホの充電の口に困ったりすることもなく、ただ、ホテルと比べるとクローゼットが無いのが、荷物の置き場と整理にちょっとばかり困るなぁ、という。
 
縁側も良い雰囲気。すぐ外は日本庭園。 昔ながらの木枠のガラス引き戸のついた縁側も、椅子とテーブルが置かれて素敵な雰囲気。
 
窓のすぐ外は日本庭園なのだけど、散策者から目線が合わないように、適度な塩梅に植え込みが配置されていた。
 
トイレも広くて清潔だったので、思わず写真を…… こんな写真まで残すのはどうかと思いつつ、トイレはこんな感じ。
 
部屋入り口ドアの近くに洗面所へのドアがあり、手洗い場と男性用小便器、そして個室。このスペースだけでも、やたらと広い。
 
ベッドルームからトイレに至るまで、襖2枚と扉2つを通過せねばならず、「なんかすごいな」と思ったのだった。
 
更に庭に面したところに、クラシックな雰囲気の洗面所と檜風呂も。内風呂は温泉ではないということもあって、結局一度も入らなかった。

温泉と日本庭園

荷物を置いて少し落ち着いたところで、母と2人、温泉を堪能しに。
 
浅瀬を楽しめる、面白い温泉でした。自然光たっぷりで気持ちいい。 別棟にある大浴場は「次田の湯」。
 
ごろごろと丸い石が敷き詰められた岩風呂で、深さ90cmの「池」の部分と、30cmほどのごく浅い「川原」の部分が模されていて、「自然との一体感が万葉の心を感じさせます」という趣向の面白いお風呂だった。
 
90cmの深さのお風呂というのもあまり経験がなくて、「お風呂なのにプール的」に感じる不思議な感覚。浅瀬のところは、「山椒魚のように手のツボを刺激しながら前へ進むと良い」との指南が浴室入口に貼られていた。
 
他にお客さんが誰もいなかったので、思うさま「山椒魚プレイ」を満喫。
お湯もほどよく好みな感じに熱めで、ほのかに香る硫黄の温泉臭も心地よいお風呂だった。
 
以下2枚の写真は翌朝に撮影したものだけれど、大正亭専用家族風呂は、こんな感じ。
 
こちらは大正亭専用家族風呂「芦の湯」。 どちらのお風呂も、洗い場こそカランが2つきりだったものの、浴槽はたいそう広くて、贅沢な気分を味わえた。
 
こちらの「芦の湯」は、1つの浴槽が真ん中で仕切られて、湯温の違いを楽しめるようになっている。
 
窓際の湯の注ぎ口のある方はやや熱めで41℃、手前はぬる湯で36℃だそう。
 
もう1つの大正亭専用家族風呂「水心の湯」。 不思議なオブジェが置かれているもう1つの家族風呂が「水心の湯」。
 
建物の角に位置しているので2面が窓でたいそう明るく、とても気持ちが良い空間だった。
 
このお風呂が、「空いてさえいれば」予約なども不要で24時間入り放題というのは嬉しい限り。
 
風情のある庭園には、大きな鯉もたくさん。 お風呂を満喫しても、外はまだまだ明るい時間帯だったので、浴衣を着て庭園に出てみた。
 
中央には大きな池があって、他の棟の側に行くには、飛び石を踏んで渡らなければいけない風になっている。
 
屋根つきの古風な橋があったり、石製のテーブルセットなども中途に置かれていたり、散策し甲斐のある広大な庭だった。
 
向こうに見えるのが、多分ロビーなどがあるメイン棟……かな?遠い。 ロビーフロアの喫茶室に行けば、無料でコーヒーなどがいただけるのだけれど、いかんせん、遠い。
 
大正亭は特に一番遠い位置にあるので、それゆえにか、大正亭宿泊者用の小さなコーヒースペースが棟内に用意されていた。
 
ボタンを押して一杯ずつ抽出するタイプのコーヒーメーカーが置かれていて、欲しい時にいただける。

温泉旅館食を満喫

食事は部屋食。メインの広いお座敷で、ガスストーブもつけて部屋を暖かくしていただいた。
 
18時半スタートと早めの時間にしてもらったけれど、お風呂に長々と浸かったせいか、すっかり空腹。ついついお酒も進んでしまった。
 
出てきた料理は、こんな感じ。
 

八寸
・鮑柔煮、葉わさび
・うるいと数の子のお浸し
・平貝、菜の花、蕪、蛍イカ、干し柿、ゆず柑橘ジュレ
・雲子 酒盗旨出汁
・イカのオイル漬け、フルーツトマト、カラスミ
・鯖寿司
・タコの柔煮
・パテ
・カステラ玉子
・新玉ねぎのポタージュ ふきのとう
お造り
四点盛り(本まぐろのからすみまぶし、ヒラマサ、イカ、かつお) 白身 脇 他
お椀
青のりごま豆腐、椎茸、イカ真蒸、焼よもぎ麩、小松菜
焼物
鰆の木の芽焼、鴨の塩焼 金柑ソース
焼物
春キャベツのグラタン(ポテト、あさり、えのき)
ご飯
きびごはん、鯛の吸い物、香の物
デザート
いちご、大学芋、くず饅頭

適度にモダンで、でもしっかり「和食」な料理の数々、美味しかったです。 温かく食べるべきものはちゃんと温かい状態で、タイミング良く持ってきてくれる食事は、どれも期待以上の美味しさ。
 
特に、酒の肴だらけの八寸は幸せな内容だった。
 
白子やからすみ、鮑など、日本酒が欲しくなる数々で、最初に貰ったビールを早々に飲み干した後は、この土地の名前がついた「筑紫野」という吟醸酒を冷やで1合。
 
部屋食でも熱々の状態でいただける気遣いが嬉しかった、鰆と鴨の焼き物。 右の写真は「鰆の木の芽焼、鴨の塩焼 金柑ソース」。
 
四角い深皿にアツアツに熱した石板が入っていて、鰆も鴨も、温かい状態でいただけるようになっていた。
 
まだ夜は肌寒いこの季節にはその気遣いが嬉しくて、和風のポタージュやキャベツのグラタンの温かさも御馳走、という感じ。具沢山のお椀も美味しかった。
 
ふわふわと優しい食感のくず饅頭のデザートも堪能した後は、少し休んでから再び温泉へ。
 
この旅行の2週間ほど前、私は自宅の浴室で滑って転んで腰を強打してしまい、嫌な感じの痛みが残っていたのだけれど、ここに来て具合が良くなってきた気がする。温泉は、偉大。