5月26日(金) 本場の白熊と霧島温泉
ドーミーインの朝風呂&充実ブッフェ
ドーミーインの大浴場は、木〜日の曜日限定、午前中の入浴時に季節の変わり湯「果実湯」なんてサービスがある。
冬に泊まった時は柚子湯だったこのお風呂、今回は「ネーブル」ですって。
昨夜は早々に寝てしまったので、今朝はしっかり5時前に目覚めた私、いそいそとネーブル湯を堪能しに大浴場に行ってきた。
嬉しいことに貸切状態だったので、ちょっとだけ写真撮影。
大きなネーブルがごろごろと20個近く浮かぶのは、半露天の浴槽。朝の空気がたいそう気持ち良かった。
……でも、「ネーブル」ってけっこう大きくて、お風呂にそれがぷかぷか大量に浮かんでいるのはなんだかちょっと不思議な感じ。
そして朝のもうひとつのお楽しみ、ご当地メニューが色々楽しめる朝食ブッフェ。
「さつまあげ」があるだろうことは想像していたけれど、嬉しいことに種類豊富に、豆腐小判天・棒天・牛蒡天・鰯棒天などが大皿に盛られていた。
嬉しいことに、「薩摩黒豚の蒸ししゃぶ」、奄美大島名物「鶏飯」、「鶏団子&丸蒟蒻&人参の旨煮」、「つわと薄揚げの炒め煮」、「豚骨煮」といったものも。
パンやスクランブルエッグ、ベーコンなどのメニューもあったけれど、「米飯のおかず」が圧倒的に多かったので、こんな感じで。
さつまあげ2種、鯖の塩焼き、豚骨煮、鶏飯、豚しゃぶ、温泉卵、かつおのタタキ、かつお味噌。
食後にフルーツ(パイナップル、ピンクグレープフルーツ、ネーブル)も。
温泉卵を選んだので頼まなかったけれど、目玉焼きやオムレツはお願いすればすぐその場で焼いてもくれる。「焼きたてでーす」と出てきた明太子入りオムレツが美味しそうだった。
ほんと、この宿の朝食は幸せ。
天文館歩きと本場の「白熊」
予約した宿泊プランが「22時間宿泊プラン」というものだったそうで、チェックアウトは13時で良いらしい。
13時半から、ホテルすぐ裏手のショップでレンタカーを借りる予約をしているので、午前中散策して、お昼を食べてからホテルに一度戻ろうということになった。買ったものをスーツケースに入れてから次の目的地に向かうことができたので、ちょうど良かった。
10時近くになって多くのお店が開き始めたタイミングでゆるりと出発。
天文館のアーケード街をちらりと歩き、「蒸氣屋菓々子横丁」で「かすたどん」買って、「かご市」でお土産用豚とろラーメンと薩摩地鶏のおつまみ買って、「月揚庵」で真空パック薩摩揚げ買って、「スーパーハルタ」で九州醤油と九州醤油味のじゃがりこ買って……と、充実のお土産購入タイム。
スーパーで、お手頃価格の鹿児島県産マンゴーをみつけたのだけれど、「これから丸2日持って歩けるかな……歩けないよな……」と購入を断念。その後、スーパーに寄れるタイミングが無かったから、買ってくれば良かったなー。
かすたどん10個入り | \1242 |
赤鶏さつま炭火焼き 鹿児島ラーメン豚とろ |
\380 3×\540 |
3袋入り詰合せ チーズ巻 |
\864 \350 |
九州醤油(こいくちむらさき) ジャガビー九州しょうゆ味 |
\208 \208 |
お昼は、「鹿児島に来たからには、やっぱりここで食べておかないとね」と「天文館むじゃき」に訪れた。
店頭には、私たちと同じ思考の修学旅行生たちがたくさんいて、テイクアウト用の白熊を買う人で大賑わい。
私たちは、まあ良い大人なので、店頭の喧噪に混ざるのはちょっとねと、「昼御飯食べついでに白熊食べようかー」と、4階の和食屋さん「味処むじゃき亭」に入ることにした。
私が食べたのは、「鹿児島県産黒豚を味噌ベースで甘辛く仕上げました」という「わっぜえか丼」とベビー白熊のセットメニュー。
だんなは黒豚カツ玉丼と単品のベビー白熊を。
ベビー白熊は、普通の白熊の他、ストロベリー、ミルク金時、チョコレート、宇治金時、コーヒーから選べるそうで、だんなが普通のを頼むのならと私はあえて「コーヒー白熊」を選んでみた。
「わっぜえか丼」は、思ったほどには味噌味噌しておらず、甘さ強めのこってり味の丼。鶏そぼろや錦糸卵、千切りキャベツも乗っていて、そぼろがとても美味しかった。添えられた汁物が「薩摩汁」だったのも素敵。
「わっぜえか」って、鹿児島弁で「すごい!」の意味だそうで、かごしま新名物として提供するお店が増えているのだそうだ。
というわけで、いよいよ白熊♪
「むじゃきの白熊」自体は物産展などで何度か食べた事があって、「あ、おんなじ味だー」という感じ。
関東の民には馴染みの薄い謎の焼き菓子(安納芋を材料とした「スウィートロール」というものらしい)や、謎豆(十六寸豆)、固め食感の寒天やフルーツ、レーズンにさくらんぼに、とあれこれ盛られた練乳かき氷はベビーサイズでもなかなかの食べ応え。
コーヒー白熊には、プリッツ(塩気が幸せ)やマシュマロ、プルーンなどがトッピングされていた。氷の下には豆も、しっかり。
コーヒー風味以前に練乳感が強い味わいだったので、溶けてくると「コーヒー牛乳」的懐かしさ。練乳好きにはたまらない美味しさだった。
だんなはかき氷を食べると「頭がキーン」となっちゃうタイプ(私はキーンとなったことがない)で、終盤は私が2皿抱え込んで食べることに。
薩摩紀行 わっぜえか丼 ベビーコーヒー白熊 黒豚かつ玉丼 ベビー白熊 |
\1500 \900 \510 |
桜島の眺望リベンジ
今日はたいそう良い天気。
車を借りた後、
「昨日は全然見られなかったし!」
と鹿児島港まで桜島を見に行ってみた。
車が簡単に止められそうなところをということで、海沿いのショッピングモール(?)の「ドルフィンポート」に。
隣接の公園では小学生たちがお弁当を食べていて、晴天の下、最高の眺めを堪能することができた。やっと肉眼で見ることができたよ、桜島。
そこからは一路、高速道路を北上して霧島温泉エリアに。
途中、「桜島SA」を通過する時に、「桜島SAと言うからには桜島が見えるのかね?」と寄り道してみた。
ちょっとばかり遠景にはなるものの、少し高台になった広場からは確かに桜島がばっちりと。
登録有形文化財の木造駅舎〜「嘉例川駅」
鹿児島空港ICで高速を降りてからは、狭い山道をうねうねと温泉郷を目指す。
途中、「木造駅舎嘉例川駅」という小さな古びた看板があって、
「……今の、見た?」
「うん、すごい気になる」
「気になるよねぇ」
「寄るか!」
と、木造駅舎の無人駅に寄り道してみた。
JR肥薩線の駅で、開業は明治36年。
木造駅舎「嘉例川駅」は県内最古の駅舎で、登録有形文化財になっているそう。
特急「はやとの風」が止まるのに、無人駅なのだそうだ。
無人駅ということで、ホームまで自由に出入り可能。
タイミングよく、1時間に何本もない電車がちょうど到着したところで、単線を進んでいく列車を見送ることができた。
ホームからの眺めは、こんな感じ。
5月末だから、まだ春の景色が残っているかと思いきや、鹿児島はもうすっかり「初夏」な空気だった。
今日も暑い暑い。
知らずに
「猫駅長さんとか、いないのかな?」
「いないでしょ」
なんて会話をだんなとしていたのだけれど、まさかの駅猫「にゃん太郎」さんのお住まいが駅舎内に。
たまたま駅に居着いた猫さんなのであるらしい。あいにく今日は「カゼのためお休み」なのだとか。
写真で見たにゃん太郎さんは、目と鼻の部分が黒茶のぶちで、たぬきのようなパンダのような愛らしい顔をしていた。目が青いから、シャム猫の血が少し混じっているのかしら。会いたかったなー。
温泉と絶景の宿〜「旅行人山荘」
今日のお宿は、霧島温泉郷の高台にある「旅行人山荘(りょこうじんさんそう)」。
たいそう眺めが良いらしく、温泉も素敵で、値段もそこそこお手頃だったこの宿。不思議な名前は、かつてあった『旅行人』という雑誌の編集者、蔵前仁一さんの実家旅館であるから、だそう。
雑誌広告やCMなどに使われた事のある貸切露天風呂はなかなかの人気で、この鹿児島旅行が決まって早々に宿の予約と露天風呂の予約を入れたのに「あいにく赤松の湯は予約がいっぱいで」と断られたほど。
お目当ての「赤松の湯」ではない、別の露天風呂を予約していたのだけれど、到着してみたら「夕方5時15分からでしたら、赤松の湯をご用意できます」と言って頂き、更には夜に無料の「ホタル見学ツアー」なるものも開催中とのこと。
露天風呂の予約を変更してもらい、夕食スタートも早めにしてもらって、ホタルも見に行くことにした。
部屋は和室の他にベッドルームの洋室もあり、予約は洋室で。
部屋数はそれなりにあるのにエレベーターは小さめで、部屋のユニットバスの設備や館内の調度品は、昭和を感じさせる古いもの。
でも清潔感はあるし、旅館ほどにべたべたした接客ではないのもむしろ好印象。居心地の良い素敵な宿だった。
ベッドルームから一段上がった板張りのスペースに、大きめの椅子の応接セット。
卓上の籠にはお菓子が5種類ほど入っていた。
冷蔵庫は小型サイズのものが空状態で置かれていて、ホテル風のお茶セットも。
そして客室の窓からは、この眺め。
高台の良い場所にあるから、桜島がどーんと正面に綺麗に見えたのだった。
食事をした食堂からも、そして大浴場の露天風呂からも桜島が見えるようになっていて、初日はさっぱり見えなかった桜島、後半にたっぷり堪能することができた。
少し休憩してから、まずは大浴場へ。
この宿の温泉は、単純泉と硫黄泉の2種類があるそう。大浴場は露天が硫黄泉で、内湯が単純泉。
蔵王温泉郷ほどのこってり濃厚な硫黄感ではなかったものの、湯の花がふわふわ浮かぶ、あの特有の香り(この匂いが私は大好きでー)が漂うとても気持ちのよい温泉。肌がすべすべになった。
そしていよいよ、貸切露天風呂「赤松の湯」へ。
フロントで鍵を受け取り、大浴場脇の芝生から木扉を通って専用の小道へ。
石段を下りて、林の中の小道を歩いて、やっと小さな小屋が見えると、そこが「赤松の湯」だった。
脱衣場脇にシャワーも1つあり、フロントに通じる電話なども置かれている。
瓢箪型のお風呂は、2人で入るのはもったいないくらいの広さ。
グループ旅行で8人くらいで入りに来ても、全然大丈夫そうなくらいで、人気に拍車がかかったのは10年ほど前のコーヒーのCM(原田知世が出たブレンディのものだそう)で使われたから、というのもあるみたい。
宿の近くには野生の鹿も現れるそう。今回は残念ながら会えなかったけれど、
「……鹿くらい、普通に出るよね」
と頷くしかない雰囲気だった。
せっかく温泉宿に泊まるんだし!と、温泉旅館飯が好きな私は、ちょっと良いめの食事のプランを予約したのだった。
「みやま御膳」プランは、「季節を先取りした旬の地元の野菜、黒豚、黒毛和牛などの食材を使った薩摩料理のグルメコースです」だそう。
和牛ロースに薩摩黒豚に地鶏のつくねにと、肉料理もたっぷりで食べ応えのある内容だった。
お風呂に入ってすっかり喉も渇いたのでビールを1瓶貰った後は、1合徳利でやってくる焼酎を2種類、だんなと半分こ。
地元牧園の焼酎「大森林」は、ややすっきり系の味わいで、「おすすめ焼酎」とメニューにあった「ぶっぽうそう」はさっぱりした旨味と甘味が舌に残る、好みな感じの焼酎だった。脂の乗った豚肉料理とかに、焼酎はとてもお似合い。
でてきた料理はこんな感じで、どれもちゃんと美味しかった。
- 食前酒
- 梅酒
- 小鉢
- 三点盛 もだま 苦瓜味噌炒め 胡麻豆腐
- 前菜
- サーモン炙り寿司 黒豚昆布巻 もろこしかんざし ホタルイカ
- 刺身
- 白身 鮪 ウニ 水烏賊
- 煮物
- 季節の野菜 もろこし餡
- 鍋
- 大隅鍋 塩味噌仕立て
- 焼物
- 和牛ロース溶岩プレート焼き
- 揚物
- キビナゴ天麩羅 薩摩芋天麩羅 新茶の葉
- 吸物
- 海老 結び湯葉
- 食事
- 鹿児島産米かやく御飯(大豆とひじき) 香の物
- デザート
- メロン 苺
白味噌仕立てのお鍋の味つけとか、全体的に味付けは甘め寄りな印象。
東北の「塩辛い系の濃い味」側に馴染みのある私には、なかなか新鮮で、でも美味しかった。
面白かったのは、きびなごの天ぷらの皿に添えられていた、「お茶の葉の天ぷら」。
見たことのある葉っぱだけど、これ、なんだろ?と思ったらお茶なのだった。新芽のところを揚げたのだそうで、さくさくと香ばしく、そしてしっかり「お茶」の風味。
みやま御膳 瓶ビール(キリンラガー) 焼酎(大森林) 焼酎(ぶっぽうそう) |
\680 \480 \630 |
食事を終えると、外はちょうど夕焼けが綺麗なタイミング。
食堂の窓の向こうはデッキで、外に出られるようになっていて、ちらりと外に出て撮影してみた。
そして一度部屋に戻って数十分のんびりした後、午後7時半過ぎにロビーに集合し、ホテルバスで20分ほど移動して「ホタルの散歩道」でホタル鑑賞。
霧島温泉の「駅前ホタル会」という団体がホタルの生息環境を保護整備しているそうで、数百メートルの小さな小川の周辺がホタルの名所になっていた。
「いや、とか言っても数十匹がちらちら飛んでるくらいだったりするんじゃないの?」
なんて思っていたら、1桁単位が違っていた。数百匹のホタルが乱舞していて、本当に綺麗。
なんでも見頃のピークが5月下旬で、時間帯は19:30-20:30が一番多く飛ぶんですって。一番良い季節、一番良いタイミングにホタルを見に来られたというわけで。
緑がかった黄色い灯りがお互い鳴動するように点滅を繰り返していて、隣接の林の木々の高いところにもホタルが飛んで、天然のイルミネーションのようだった。
撮影禁止ということで(もとより、撮影したところでまともな写真はほとんと撮れなかったと思うし)、写真には残せなかったけど、思いがけず素敵なものを見ることができて、何より。
ホテルへの帰還は午後8時半過ぎで、混まないうちにと早々にもう一回温泉を満喫した後は、お部屋でのんびり。