12月29日(日) アッパーなホテルの悦び

08:30、起床。
昨日の食べ過ぎでまだ胃のへんがぐるぐるする。歩きすぎで足もなんだかむくんでる。今日はマッサージ日和。「足保健-ツォボウギン-(Health Foot Reflexology)」という足の裏マッサージの店に電話して、今日の午後4時に予約を入れてもらう。
そこまで予定を入れた後、Sちゃんと「そういえば、我らはまだ1度も飲茶を経験していない」という話になる。そういえば、まだ焼売・餃子の類は口にしてない。
これは大変と、ホテルの朝食はブッチすることにして最寄りの「翠園酒家-ジェイドガーデン-(Jade Garden)」(新橋に支店がある。有名。)に行ってみることにする。

10:00、チェックアウト。
ホテルの朝食も捨て難いが、心は飲茶に飛んでいる私たち。

「九龍酒店-カオルーンホテル-(Kowloon Hotel)」での滞在
ROOM CHARGE HK$ 2001
LOCAL CALL HK$ 30
合計 HK$ 2031

レセプションで「空港まで送るよ」と言われたのに対して、「いや、今日からはペニンシュラホテルなのだ」と言うと、ベルボーイ氏が私達の荷物を両手に引っ掴んで外に出ていった。どうやらペニンシュラのカウンターまで連れていってくれるらしい(場所的には道路挟んで向い側。目一杯隣接している2つのホテルなのだ)。2つのスーツケースで合計40キロはあるだろうそれを、お兄さんは軽々とペニンシュラまで運んでくれた。道中、曲がり角をえらい勢いで曲がったり、鮮やかに段差を駆け上ったりとエンターテイメント性に溢れたお兄さんであった。Sちゃんとひとしきり笑わせてもらう。多謝。

で、絶対まだ無理と思っていたペニンシュラでチェックインに成功した。いきなり部屋に通される。まだ10時をまわったところである。なんて親切なのだらう。本館の409号室だ。廊下も静か。香港チックな上品な絵が随所にかけられている。1階のエレベーター乗り場は人通りも多く、ホテル内アーケードのすぐ脇で騒がしいところだけれど、エレベーターを降りると別世界。
部屋に入ってすぐ右に1畳位のスーツケース置き場の台、左に2つのクローゼット。4歩ほど歩いて右に扉、開けるとベッドルームである。広い。広すぎる。めちゃめちゃ広い。うひゃー、と叫んでしまいたい(もとい、実際に叫んでしまった)程広い。15畳はゆうにあるくらい、広い。
天井は普通のホテルの1.5倍程の高さに充分とあって、ベッドも大きめのが2つ。応接セットは3人がけのソファーと1人がけのゆったりした椅子があって、ビジネスデスクにも椅子がふたつ。家具の置いていないスペースに、人が4人は寝転がれるようなスペースがある。上品な家具、天井から床まで広がる綺麗なカーテン、ふかふかのベッド。素敵だわ、素敵すぎる。これがアッパークラスの喜びよ!(わけわかんなくなってきている)
バスルームも無論シャワーブースつき。洗面台は2つ。しかもテレビつき。置いてある石鹸はエルメスだったりなんかしちゃったりして……もうため息しか出ない私たち。
ほどなくスーツケースも届けられ、しばし部屋の写真撮影に没頭する。少しすると、お茶を伴ってウェルカムフルーツもやってきた。大きなポットになみなみとジャスミンティ。オレンジと洋梨とモンキーバナナとスターフルーツと葡萄とプラムの盛り合わせ。嗚呼ー!しあわせ!……でも、お腹もすいちゃったねぇ、Sちゃん。

10:45、部屋を出発。飲茶に行かねばならない。
ホテルを出る前にコンシェルジェでアダプターの修理について聞いてみる。ここでは対応が難しいが、「電脳城」というところが側にあるので行ってみてはどうか、と地図を渡される。スターハウスというビルの中にあるらしい。案外近場である。食事に行ったら行こうねー、とSちゃんに優しい言葉をかけられる。うう、すまないねぇ……。
ほてほてと歩いてお店に向かう。途中、興味深い化粧品屋や土産物屋にでくわす。でも今は食欲優先。
翠園酒店は混んでいたが、何とか座ることが出来た。中程の席で、おばちゃんらの引くワゴンが通らない場所である。こんなことに、私たちは負けてられない。自らワゴンの側に乗り込んでいって、着々と食物をチョイスする。
おこわ
芋角-ウーコッ-:タロ芋の包み上げパイ
春巻-チュンキュン-
揚エビ餃子
金魚餃-カムユーカウ-:金魚の形のエビ餃子

ちょっと揚げ物系に走ってしまって、くどかったかも。揚げ物系はちょっと冷めかかっていたし。でも美味しいからいいや。揚エビ餃子はマヨネーズのようなものをつけて食べる。これ好き。
しばしして、デザートが食べたくてならなくなってきたのだが、そのワゴンが一向にやってこない。しょうがないので、側を通ったおばちゃんに「あい うぉんと まんごぷりん」と宣言してみると、別途に持ってきてくれた。美味しい。めちゃめちゃ美味しい。満足である。嗚呼、果肉よ果肉、アナタはどうしてマンゴなの、って感じである。おなかいっぱい。
……と思っていたら、ついにデザートワゴンがあちらを通過した。ちょっと呆れた風なSちゃんを置いておいて、杏仁豆腐(と言うか、何と言うか。ババロアがブロックで3つ、皿に盛られている)を奪取する。これは美味しいに相違ない、と睨んだ私の目利きは狂いが無かった。これもめちゃめちゃ美味しい。
朝(もう昼だけど)からこんな、食べ過ぎてどーする。まぁ良いか。

「翠園酒家-ジェイドガーデン-(Jade Garden)」で飲茶
合計 HK$ 228.8

食事も終えて、Sちゃんにつきあってもらって「電脳城」へ行く。良い響きである。「電脳城」。とても住んでみたい感じのするネーミングである。
行ってみるとここは、小さなコンピューターショップが詰まった、ビルの中の一角だった。ミニ秋葉原の様相を呈しているここは、年末ということもあってか、4割ほどの店が閉まっていた。めげずに、手近な明るい店を選んで入る。なんとか説明が通じたか、店の奥から100V−220Vのマルチ対応のアダプターを持って来て貰う。これは買うしかないでしょう、と値段を聞かずに決めてしまったが、2500ドル……ちょっと痛い出費である。まぁ仕方がないか……。カードだ、カード。

「恒総電脳系統有限公司」でお買い物
IBMアダプター HK$ 2500

アダプターを手に入れた後は、早速部屋に戻ってみる。部屋の中にはコンセントが随所にある。データ用モジュラージャックもちゃんとある。よしよし。
……やっと端末はたちあがってくれた。脱力。ニフティに試しにつないでみて、Kさんに報告メールを送ってみる。良かった良かった。見ると、Sちゃんはベッドの上でころころしている。かわいらしいので写真におさめる。
心配かけたねぇ、ありがとね。
まだ13時を過ぎたところ。ペニンシュラホテル内アーケードに行ってみる。ペニンシュラのアーケードはブランドショッピングの殿堂である。すげー、すげー。興味ないけど。フェラガモは入場制限までしてしまうほど混んでいる。並んでいるのはほとんど日本人だった……。私たちはカシミアの専門店に行き、ちょっと買い物をしてみた。Sちゃんは白いカーディガンを、私はブルーのマフラーを。キャセイの割引チケットで10パーセントオフになった。あなうれし。

「MONET KASHMIR」でお買い物
マフラー HK$ 360

地下1階の中ほどに、ペニンシュラブティックがあった。ケーキとかチョコレートとか紅茶とか、乙女ゴコロをくすぐるグッズてんこもりである。でも高い。チョコなんか、9粒で3000円の世界である。ぼったくるなぁ。これはお土産にならない。高すぎる。却下だ却下。
荷物が出たので、1度部屋に戻る。ちょっと休んでから、また出発である。もうすぐマッサージの時間だし。
飲茶をしたときに通り過ぎて興味深かった店の数々に寄る。Sちゃんはマニキュアを購入、私はシルクの店でタンクトップを購入。安い……。

土産物屋で
タイシルクのタンクトップ HK$ 20 *5

「足保健」に行くのにかなり迷う。迷うというより、ガイドブックに載っていたビルにその店がないのである。時間は早めだったが少々焦っていると、そこのチラシを持ったお兄さんと会う。2つ隣のビルに「足保健」はあった。ちょっと早いけど店に行ってしまう。

15:40、「足保健-ツォボウギン-(Health Foot Reflexology)」へ。
「そこのトイレでストッキングを脱いで、その横で足を洗ってね」と言われる。日本語通じまくり。入って来た時も、いきなり「イラッシャイマセ」の日本語攻撃である。とても清潔で、感じが良いところ。いぼいぼつきのスリッパに履きかえ、待つこと数分、「どうぞー」と呼ばれて背もたれつきの椅子に座る。私の前には壮年のおじさん、Sちゃんの前には40歳位のおばさんが座り、「ハジメテですかー?」とか言いながらクリームを塗ってマッサージを始める。日本語のツボマップなぞを渡され、片言の説明が入る。「ココ痛い?チョット痛い?ダイジョブねー、ここは肩ねー」などと言われる。

痛がってた部位からすると、私は肩と腰と三叉神経(って、どこなのよー)が悪いらしく、Sちゃんは食べ過ぎと睡眠不足の気が強いらしい。私は食べ過ぎでは無いのだろうか……。
30分のマッサージは痛くすぐったくて気持ち良かった。叫びたくなった(実際に叫んだ)ことも数回あったけど。
「イタイ?ダイジョブ?」
「だ、だいじょぶです〜……うぎゃぁ〜」
「ダイジョブネー、ダイジョブネー」(←大丈夫じゃナイ(泣))
Sちゃんはいつもどおりの顔で当たり前の如くマッサージを受けている。……。

「足保健-ツォボウギン-(Health Foot Reflexology)」でマッサージ
お1人様30分 HK$ 270

マッサージを終えた私たちは「マッサージもしたし、今日は快適な部屋でまったりしよう」ということになった。テイクアウトのお店があったら何か買っていこうと思ったが、道中にそういう店は特に無く、仕方ないので昨日買い物したPEKING ROADに再び行くことに。
途中で銀座のWINS的な人だかりに会う。ロイヤルジョッキーなんたら。Kさんの言っていたスポットがここらしい。中に入って(若い女なんて、日本と違って1人もいないので目立ったことこの上ない)マークシートカードを3種類入手。出口そばの売店で「業専訊馬」という競馬新聞を買う。「競馬新聞が欲しい」というリクエストにはこんなもんで良いのだろうか……

露店でお買い物
競馬新聞「業専訊馬」 HK$ 5

PEKING ROAD はいつも混んでいる。特にレジを通った後の甘いものコーナーが凄いったらない。きっと美味しいのだろう。チェック、チェック。

「PEKING ROAD」でお買い物
アップルタイザー HK$ 9.1 *2
CFLEDO PEACH HK$ 8.5
GRAPE TISER HK$ 5.1
HI-C COCONUT HK$ 2.6
BEAN.JELLY HK$ 4.3

ココナッツジュースと豆腐花(BEAN.JELLY)はちょっと冒険の匂いがするお買い物である。まずかったら、それはその時。
次、例の甘いものコーナーで色々と買ってみる。6個で10ドル、種類混合あり、らしい。
ゴマだんご、カスタードパイ、ソーセージ入り中華風パンなどなど6種類2個ずつ購入。これが今日の夕御飯。

「PEKING ROAD」でお菓子
12個 HK$ 20

部屋に帰るとまだ6時前というところ。一息ついて、私は旅行記を打ちはじめる。
ちょっとして、お茶でもしようか、ということになったが、気がつくと部屋に茶器のセットが置いていない。ガラスのグラスもミニバーもアイスピッチャーまで置いているのに、茶のセットが無い。よもや有料なのか、とルームサービスに電話するとすぐに中国茶を持ってきてくれた。サインを請われなかったのでこれはどうやら無料らしい。すぐ持ってきてくれるから部屋に茶器が無いということだったようだ。おお、流石ペニンシュラ。
お茶を持ってきてくれたおじさんは、夜のベッドメイクもやっていってくれた。

アイスピッチャーに氷を満たして、ベッドサイドには私サイドとSちゃんサイドにひとつずつグラスとエビアンを置いてくれる。バスルームにもバスマットが引かれていたれりつくせりな状態である。アッパークラスの喜び、ここにきわまれり〜!なんたってアメニティにボディローションとタルカムパウダー、洗濯石鹸まであるんだから。あ〜、ここに住みたい。部屋と執事を日本に持って帰りたい。
持ってきて貰ったお茶を飲みながら、買ってきたお菓子を食べる。カオルーンホテルのチョコレートも食べる。このチョコ、すんごく美味しい!きゃあ、きゃあ。

ウェルカムフルーツもつまんだら、かなり満腹になってしまった。2人で交互にだらだらとお風呂に入ると、もう10時になろうとしていた。バスタブは思いっきり足を伸ばして楽に入れる位。換気も非常に良くってラジオもテレビも楽しめる。快適快適、「上流階級のマナー」なる本(こういう本読んじゃうあたり、庶民だわ、私……)を持ち込んでバスタイムを満喫する。気持ちイイ〜、シアワセ〜。
今日はとっとと寝て、明日に備えることとしよう。明日は11時30分からホテル内の嘉麟樓というレストランで飲茶をするのだ。
ベッドふかふか、枕もふかふかのが2つ。頭を乗せると沈んでいく心地よさ〜。
……結局ガイドブックなどをチェックしていたら、寝たのは12時をまわったころになってしまった。明日はだらだら寝ていることとしよう。おやすみ……。

photo
ペニンシュラホテルのお部屋。広い広い広い〜。