12月11日(土) 朝ブッフェ、昼ブッフェ、夜もブッフェ

最後の朝食ブッフェ

旅行中にしては珍しく、気を失うように寝て寝て寝まくって、目覚めれば7時。8時間ほども寝てしまったらしい。旅行中は4時間睡眠くらいで活動してしまう私には珍しいほど、どうやら疲れているらしかった。

今日の予定は、お昼にシャングリラホテルのハイティーに行くことだけ。それ以外には特に決めておらず「さて、今日はどうしようかなー」なんて考えながら1階のカフェテリアに向かい、無料のブッフェで簡単に朝食を済ませることにした。連泊する人のことが一応考えられているのか、内容は微妙に一昨日から変わっている。炒麺の代わりに炒飯、スープの代わりにお粥。そのほかはカリカリベーコンとか、スタッフが無表情にひたすら焼いていく目玉焼きとか、こってりくどそうなデニッシュなんかは変わりない。
「……今日もフルーツはいまいちだなぁ……」
と思いつつ、それでもレタスのサラダの存在がちょっとだけ嬉しかった。

昼にもブッフェなので、それに備えて極力軽めに、ほんのり中華な朝御飯。皿に炒飯を盛りつけ、それを目玉焼き担当に差し出して「ここに乗せてちょーだい」とアピール。卵の上から葱ふって醤油ひとたらしして、脇にカリカリベーコンとポテトを添えてみたりして。お粥はなんてことのない味だったけれど、炒飯がなかなか美味しくて、なんだかんだと朝からしっかり食べてしまった。

Orchard 「York Hotel」内ラウンジにて
朝食ブッフェ
 目玉焼き乗せ炒飯
 お粥
 カリカリベーコン、フライドポテト
 レタスのサラダ
 甘くないパパイヤ、甘くないスイカ、甘くないパイナップル
 オレンジジュース、牛乳

一生分の蘭を見た気分〜「The National Orchid Garden」

黄色い蘭のアーチ お買い物に行きたいエリアがあと1ヶ所残っているけれど、午前中には特にやりたいことがない。ホテルに籠もっているのも勿体ないし、かといってデパートやお店がオープンするにはまだ間がある。

「あー……植物園でも行ってみる?なんか、豪華なラン園があるらしいよ」
ガイドブックを開いて何気なく呟いたら、その言葉に母がおおいに乗ってきた。
「花!いいわね、花。それにしましょう!」
南国らしい色鮮やかさ

ホテルからタクシーに乗って、突然目指してみた、「Singapore Botanic Gardens」(シンガポール植物園)。繁華街からはちと離れているけれど、でもタクシーで数百円も払えば行くことができる。植物園自体は無料で、園内は犬の散歩をする人やジョギングする人、ピクニックしている人などで案外と混雑していた。池があったり音楽堂があったり、園内をぐるりと一周するにはたっぷり数時間かかりそうな広さがありそうだ。

目的のラン園、「The National Orchid Garden」は、植物園の入り口からずんずん奥に10分ほど歩いたところにある。ここは入園料が必要で、大人5ドル、学生1ドル、子供は無料。植物園の一施設であるし、30分もあれば一周できるところだろうと思っていたのだけれど、かなり歩きごたえのあるとても立派な蘭園だった。
「うぉ、これが蘭なのか!」
「こんな色のもあるんだー……」
と、感心しきり。よく手入れされた花はどれも綺麗に咲き誇っていて、とても見応えがあった。写真撮影が趣味らしき人々が、でっかいカメラ構えて綺麗に咲いた花を接写している姿も多い。

お昼に予約してあるホテルに到着しなくちゃいけないので、散策できる時間は45分くらい。ちょっと早足でバタバタと温室や遊歩道を歩き、余裕があればもっとじっくり歩いてみたかった蘭園を後にした。茶色がかった色合いを持った蘭とか、スモーキーなピンク色をした蘭があるなんて、これまで全然知らなかった。面白かったわぁ。

おーはなさいた♪ おーはなさいた♪
きれいなはーなーがー♪

The National Orchid Garden」にて
Adults
Child
2* $5.00
free

お昼御飯なハイティー〜「Rose Veranda」

で、予約時間の12時を待って訪れたのが、「Shangri-La Hotel Singapore」。「Rose Veranda」という2階にある喫茶コーナーでは、毎日12時からブッフェ式のハイティーが楽しめるらしい。土曜日の今日が旅行の最終日ということで、
「3時開始とかじゃなくて、昼頃からゆっくりランチがてらのハイティーを楽しめるところ」
「できればシャンパンブランチみたいなものがあるところ」
なんて内容で出発前、事前に色々調べていたのだけれど、ここが宿泊ホテルからそう遠くないし手頃で良いかなと思われたのだった。日本からE-Mailでホテルに予約の旨伝え、ちゃんと「予約完了しました、お越しをお待ちしてます」なんて内容の返事もいただいている。

シンガポール到着時にホテルまで送迎してくれた現地係員のジョニーさん(でも顔は波平)曰く、
「ハイティー行くならネ、シャングリラがオススメネー。オイシイネー」
なのだとか。初日のバス内でそれを聞き、
「そうなんですか?日本から予約してきてるんですよ」
と答えたら、
「アラー、じゃあ私のアドバイスは他にナンニモありません」
と。そんなにオススメなのかなシャングリラハイティー。
色鮮やかなフルーツやお菓子が

……で、確かにここ、料理の種類もその味のレベルも期待以上だった。空いた皿はすぐに下げてくれたりあれこれ細やかに気を遣ってくれたお店の人の態度も申し分なかったのだけれど……ただ、なぜか入れたはずの予約が入っていなかった。しかも、お店の受付の女性の態度が最悪だった。

12時きっかりに訪れた私たち、そのお店今日最初のお客だったようだ。名前を告げて予約してある旨伝えると、
「そんな予約は入っていませんよ」
と。
「予約?入ってないわね。ほんとにここ?ローズベランダ?今日?」

あからさまにこちらのミスだという態度で目つきと口調が共にきっつい受付女性がまくしたてる。こちらは予約した英文メールと、ホテルから貰った返事のメール両方ともプリントアウトして持ってきているのでそれを見せたのだけれど、その文面を見て「……ッチ」と舌打ちする始末。しかも、その交渉中に次の予約客がやってきたら、こちらは放り出してさっさとその次の客を席に案内してしまった。

「ごめんなさいね、こちらの手違いで」
なんて一言は一切なし。「しょうがないわねー」という風に案内されて(混み合う時期でもなかったみたいだし開店直後ということで結局のところ予約しなくても余裕で席はあったわけだけれど)、わざわざ何日も前から予約した自分が情けなくなってしまうような態度を取られて、とにかく腹立たしいことこの上ない。悔しいから、この先何があってもシンガポールのシャングリラにだけは宿泊しないぞー。

ともあれ、最初にそんな事があったのだけれど、ハイティーの内容そのものはすこぶる素晴らしいものだった。一昨日のラッフルズホテルでのそれと同じく、おかず系の料理も種類が豊富。いや、ラッフルズホテルより明らかに多かった。中央付近、目立つところに置かれているのはインド風のカレー。スパイシーな数種類のサラサラととしたカレーの脇にはサフランライスとナンも用意されていて、ちょっとイタリアンがかった海老入りのサラダの他数種類の冷たい前菜類、チーズ類、ハム類もふんだんに揃っている。他には中華風のパイ、キッシュなども。
スコーンや焼き菓子などなど

そしてウォーマーで温められた銀色の容器の中にはうやうやしく、干し葡萄入りのスコーンが。周囲にはふんだんにケーキ類、ババロアやゼリーの類も並び、さりげなーくクッキーやチョコレートもそこかしこも置かれている。クリスマスシーズンということで、別の台にはブッシュドノエルやシュトーレン、クリスマス飾りを施したチョコレートケーキなどもこれでもかと10種類くらい置かれていた。もう最初から「全種類食べるのは絶対無理」と悟るしかない品揃えだ。

料理の品数に比例するように、ここのお茶の品揃えもまた素晴らしかった。100種類以上は軽くありそうな、ワインリストかと思うような「ティーリスト」が手渡され、注文するとちゃんとお茶っ葉の入ったポットが、1人1つ、でーっかいものが用意されてやってくる(なんか、どこ行ってもティーバッグの紅茶だったから、そんな事に感動……)。しかもそのお茶、「もうなくなっちゃったから、他の種類飲んでもいい?」とお願いしてみたら、ハイティーの料金内で(つまり追加料金なしに)他のお茶も試させてくれたのがまた嬉しい。

私は「シャングリラ」という名前のお茶を。母はアッサム、息子はマンゴージュース(←さすがにこれは別料金)を。ハイティーらしくお茶から始めたのだけれど、最初に塩辛いものをつまんでいたら、無性に酒が恋しくなった。白ワインをグラスで母と1杯ずつもらい、
「こうなるとチーズが恋しくなってくるね」
「あっちにあったよチーズ」
と、優雅なアフタヌーンティーはいつしか「酒盛り」状態に。チーズコーナーには塊のままの各種チーズとナイフやフォークが置かれていて、緊張しながらカマンベールやブリーやエメンタールなどをショリショリとスライス。クラッカーを添え、干しあんずや葡萄も持ってきてワイン片手に美味しくいただいた。カレーもなかなか本格的な味で食べ応えがある。

適当に酒と肴を楽しんだ後で、いよいよ甘いものを。スコーンのすぐ隣にはクロテッドクリームとストロベリージャムが用意されていて、ジャムの選択肢が他になかったのがちょっと残念だったけれど、クロテッドクリームは初めて食べる美味なるものだった。日本ではナカザワ社のものがメジャーだけれど、それと比べて色はこってりと卵の黄身のような色味がある。ふわんと柔らかく、とろけるような優しい口溶け、舌触り。生クリームほど舌にもたれず(でもクロテッドクリームの乳脂肪分は生クリームのそれより高いはずだけど……)、でもバターに近い濃厚さがある。 「わ!このクリーム美味しい!すっごく美味しい!」
と、スコーンにこっっってりつけていただいた。あんまり美味しくて、スコーンにクリームつけてジャムつけて……を2個ほど堪能したら、他のケーキはもう1個も胃袋に入れる余地がなくなってしまった。ブッシュドノエルあたりもとっても美味しそうなのだけれど、全然無理そう。
見かけに反してシンプルな味のローカル菓子

「あらぁ、あんた、もう食べないの?」
「むーりー……ぜんぜん、むーりー」
母がトドメとばかりにチョコケーキにかぶりつく脇で、フルーツ持ってきたり、一口サイズの焼き菓子を手に取ったり。一角にはシンガポールのローカル菓子も並んでいる。日本の和菓子にちょっと似た、お饅頭やお団子のようなものが可愛らしくトレイに並べられている。ココナッツミルク風味のものや、きなこに似た風な豆の粉を使っているものなどがあって、初めてなのにどこか懐かしさ漂う外見をしている。

1つ試してみようかな……と持ってきたのは、写真の色鮮やかな虹色の綺麗なお菓子。「Rainbow Lapis」(レインボー・ラピス)という名の"ニョニャ料理"の定番菓子なのだそうだ。「ニョニャ」とは、マレーシアに住む中国系マレー人の女性のことで、昔ながらのマレーの料理と中華料理がミックスされたものがニョニャ料理。

このお菓子、見かけに反してとても優しい味の美味しいお菓子だった。ココナッツミルクの風味で、歯触りは「ういろう」そのもの。甘さもそんなにきつくなく、中国茶傍らにパクパク食べられそうな味わいだった。

あとはパパイヤとスイカとドラゴンフルーツを囓るのがやっとになっちゃった私、ホテルを出る頃にはこれ以上なく腹一杯状態になってしまったのだった。甘いものと甘くないものが両方並んでいるブッフェは、すっごく危険……。

Orchard 「Shangri-La Hotel Singapore」内「Rose Veranda」にて
ウィークエンドハイティー(大人)
ウィークエンドハイティー(子供)
マンゴージュース
グラスワイン(白)
2* $34.00
$20.00
2* $13.00
2* $13.00

雑貨の殿堂!〜「Holland Road Shopping Centre」

午後は、予定通りショッピング。「Holland Village」(ホーランド・ヴィレッジ)というエリアは各国駐在員が住んでいるような高級住宅街なのだそうだけれど、そんなマダムたち相手の雑貨屋さんが数多くあるらしい。繁華街から西に車で15分ほどのところに、「Holland Road Shopping Centre」(ホーランドロード ショッピングセンター)があり、そこを中心に洒落た飲食店やケーキ屋さんなどがぽつぽつとあるそうだ。肝心の雑貨屋さんはこのショッピングセンターに集中しているとか。

「あとね、このショッピングセンターのすぐ脇に"市場"があるらしいよ」
なんて話しながら、今日も急発進急停車なんでもありーな感じのタクシーでそこに向かった。
見事に色鮮やかな果物屋さん

まずは、「あ、あそこに市場発見〜!」と低いトタン屋根の一角をみつけ、そこをぷらぷら。魚屋さんもあるみたいだし、あとはお花屋さん(これがまたいかにも南国な花を売っていてすんばらしく綺麗だった)、そして私たち目当てのフルーツ屋さん!

バナナやリンゴ、スイカやメロンなど、日本でもお馴染みな果物もあるけれど、それ以上にジャックフルーツとかスターフルーツとかマンゴーとか龍眼とか、いかにもなトロピカルフルーツが山になっている。
「あぁ!マンゴスチンがある!!」
「ライチもあるわねぇ」
「あのマンゴー、美味しそうだなぁ〜」
いくつかのフルーツ屋さんを眺め歩き、一番果物が光り輝いて見えた美味しそうなお店で、いくつかの果物を購入。お店のお兄ちゃんは「ヨン様」を粘土べらで伸ばして四角くしたような顔をしていた。笑顔がステキ。

「マンゴー好きなの。赤いの1個と黄色いの2個。美味しそうなの選んでくれる?」
「もちろん!……あ、ライチもいるの?ならこの袋に好きなだけ入れてね」
「あとねあとね、マンゴスチンも欲しいの」
「おっけー」
たどたどしく英語でやりとりしつつ、結局、1500円分ほどの果物をお買い上げ。
このフルーツ、日本には持って帰っちゃいけないことになっている。……だから、このあとホテルで全部食べるのよー……(と言っておこう……)。

Holland Village 市場の果物屋さんにてお買い物
アップルマンゴー1個
ペリカンマンゴー1個
ライチ1袋
マンゴスチン10個
 
 
 
 
 
全部で$27.00
人気のパン屋さんでした

市場のすぐ近くには色々なファーストフードのお店などもあり、そのひとつに「Bread Talk」があった。この旅行中に何度か見かけたことがある、シンガポールで展開している(他に中国、フィリピン、マレーシアあたりにもお店があるらしい)パン屋さん。ここの名物パンは「Flosss」なるものだそうで、ふかふかの楕円型をしたパンに自家製エッグクリームを詰めて"ポークフロス"なるものをトッピングしたものなのだとか。明日の朝まで保つかなぁ……と思いながら、いくつかお買い物してみた。明日の午前中には家につくから、朝御飯に食べたらどうかなと。持ち歩き時間は約18時間、なんとかなるかなと思われた。

その名物"フロス"と、その辛いバージョンのファイアーフロス。美味しそうだったカレーパン1個と、クリスマスのパン、パネトーネ(ドライフルーツ入りのフカッとした歯触りの甘いパン)。大きな果物の袋と、つぶさずに持たなきゃいけないパンの袋を抱えることになり、大変な雑貨屋巡りになってしまった。

Holland Village 「BreadTalk」にてお買い物
Flosss
Fire Flosss
Chicken Curry Bun
Panattone
$1.40
$1.40
$1.20
$7.80

さて、パンはめでたく翌朝に日本の我が家で食べることになったのだけれど、"フロス"はあまり時間をおかずに食べる方が良いものらしい。腐ったりはしていなかったけれど、「自家製エッグクリーム」なるものはすっかりパンに染みこんじゃって、一体どこへ?といった風情。表面の肉そぼろも脂が滲み出たような感じになって、買ったときはふわっとした印象だったそれが何だかギトーッ〜っと怪しく光るようになってしまっていた。確かにトッピングされていたのは肉そぼろで、ああこれは台湾で食べた「肉髭」というやつと同じ部類なのだなと、自分なりに納得。台湾のサンドイッチに同じような肉そぼろ(ツナ缶のツナと肉に変えたような……というか、酒の肴のマグロの佃煮を豚肉に変えたもの……というか)が挟まっていて、それを美味しくいただいた経験があるのだけれど、それとすごく似た味がしていた。辛い版"フロス"は、それに豆板醤チックな辛味を加えたもの。

辛いフロスも辛くないフロスも、どちらも翌朝に食べた感想としては、「う〜ん、こんなものか……」といったものだったのだけれど、でもカレーパンは期待以上にとっても美味しいものだった。もっさりとした歯触りのチキンカレーはすごく異国な味が漂い、それが適度に歯ごたえのある白っぽいパン生地にくるまれている。揚げてはいないパンなので非常にあっさり。適度にクセのあるカレーが妙に美味しく、だんなが非常に喜んでくれた。ドライフルーツ入りのパネトーネもあっさり味。こちらも好みな味だった。今度は買いたてのフロスを朝食に食べてみたいな。

さて、そしてお買い物続行。外見はえらい古ぼけたビルだった Holland Road Shopping Centre の中には、私と母が渇望していた雑貨屋さんがた〜んまりと入っていた。これが最後だしと、盛大にお買い物。数時間後には私の残り所持金は7ドル(400円ちょっと……)という、とんでもないことになってしまった。ここまで買わんでも、という程にお買い物したなぁ。満足満足。

何しろここに来て、アラブ街もインド街も中華街も思ったような雑貨屋さんにいまいち巡り会えなくて、母も私もフラストレーションが溜まっていたのである。
「わ!布がたくさん〜!」
「クリスマス飾りもバーゲン中〜!」
「ステキな食器〜!」
もう、大変。

まずは、ショッピングセンター2階にある、この建物内一番大きなお店だった「LUM'S ARTS & LIVING」に1時間ほど入り浸る。食器や布類、クリスマスの飾り関係やキャンドルスタンド、写真立てなどなど、「雑貨」に分類されるあれやこれやがたっぷりと並んでいた。私は色違いの イカット(インドネシアのゴワッとした織物)、紺ベースと青ベースのもの2枚と、玄関棚の敷くのに良さそうなサイズのベージュのテーブルランナー、木彫りのマンゴスチンを2個購入。南国っぽい色鮮やかなクリスマスツリーの飾り類にも惹かれたけれど、あまりに派手なので、日本のお茶の間には似合わないなと断念。母もあれこれ購入して満足そうだ。

Holland Village 「Holland Road Shopping Centre」内「LUM'S ARTS & LIVING」でお買い物
IKAT FABRIC APPROX
TABLE RUNNER/LP
FRUITS
2* $19.50
$13.90
2* $2.50

更にショッピングセンター内をぐるぐる。ビル内には他にも10店舗くらいは雑貨のお店があって、他にも靴屋さんとか子供服屋さんなどがちょこちょこと。通りかかった小さな布屋さんでセール品のランチョンマットを見つけ、「あー、これ、欲しかったんだよなぁ」と、しばし悩む。1枚15ドル(900円くらい)だそうで、日本で買おうかどうか迷っていた時の価格は2000円弱というところ。欲しかった形の欲しかった素材のものなので、思い切って買っちゃうことにした。同じ素材のおそろいのコースターも4枚。

Holland Village 「Holland Road Shopping Centre」内「HANS TREASURES」でお買い物
アタ製のランチョンマット
アタ製のコースター
4* $15.00
4* $3.00

更にてくてく。雑然と物が積んである小さなお店で、でも1軒目より遙かに安い布あれこれを物色。
「しまった!こっちが安かった!」
「しかも綺麗な布が多い!」
なんて母とわいわいやりながら、クリスマスや年始の飾りに良さそうな布(テーブルランナーだけれど、壁にかけるのも良さそうだ)を1枚購入。レジのおっちゃんが
「コレ、ヘナセット。家で、デキルヨ」
と、私の腕のニョロニョロ模様を指さしながらヘナセットを勧めてきた。同じ値段だけれど、この箱はフレグランスとセットになってて、でもこっちの箱はヘナのセットが2個くっついたものだからお得よー……とあれこれ勧めてくる。家で楽しめるかなと、1セット買ってみた。問題は、私にそういう図柄をかけるかの技量的なところだけれど……帰ってから図柄調べて練習してみようかしら。

Holland Village 「Holland Road Shopping Centre」内 店名失念……でお買い物
赤い織物のテーブルライナー
ヘナセット
$24.00
$9.50

ホテルのチェックアウトは午後6時で良いよと言われている。送迎バスが6時にやってくるので、それまでにチェックアウトしてロビーで待っているように、だそうで。だから午後5時頃にホテルに帰れば荷造り等々充分におこなえるはずだったのだけれど、
「……あはは、私、あと7ドルになっちゃった……」
「私も、あと20ドルあるかないかだわ……」
という状態に陥ってしまい、予定より30分以上も早くホテルに戻ることになった。

部屋に戻ると、チェックアウト日の今日も綺麗に部屋が整えられていた。タオルなども全部替えてくれていたので、
「ごめん、また部屋汚してごめん……」
と思いつつ、シャワーを浴びてのんべんだらりと最後の休憩。出発ギリギリまでホテルを使えるのは本当に便利で、たとえそれが最後にほんの数十分いることになったとしても、「いつでも部屋に帰れる」と思うと、最後まで全力で遊べるというもので。

ローストビーフとターキーのクリスマスブッフェ〜「Marriott Cafe」

で、チェックアウトは午後6時。飛行機の出発は午前0時近く。その間何をさせられるかと思えば、問答無用で免税店に連れていかれ、問答無用で「会員登録」だか何だかをされ、問答無用で「1000円オフチケット」なるものを手渡されて
「ココからフリーです。集合は2時間半後の9時ネ」
と放り出されたのだった。今回、ホテルと飛行機だけの、観光抜きの旅行を手配したのだけれど、最後にはどうしてもこんな感じの展開が待ち受けているらしい。こういうところ、やっぱり個人旅行の方が色々気楽だなぁと思ってしまう。

海外旅行をして、何らかの理由(無料送迎バスを使ってホテルから繁華街への移動に使っちゃえ、というのがその主な理由だったりして)でDFSに足を踏み入れてしまう度に思うのだけれど、こういうところの人たち(DFSで働く人たち、旅行会社の人たち)は日本人が揃いも揃ってブランドものや免税品が大好きと信じて疑ってないところが腹立たしい。嫌いだよ、よっぽどの理由がなければDFSなんて足を踏み入れたくないスポットだよ……と、私も母も思っていて、ゆえにとっととDFSを退散して他のデパートやショッピングモール目指してほんのり暗くなってきた繁華街に繰りだした。

幸い、立ち寄ったDFSは繁華街オーチャードのど真ん中。ちょっと歩けば伊勢丹があり、高島屋があり、地元の各種ショッピングセンターもある。
「……でも、現金はもうほとんどないからカード使って食べるしかないんだよね。……伊勢丹とかなら、JCB使えるかな?」
昨日立ち寄った高島屋はとても大きくて、食べるところもいくらでもあって……という感じだったので、じゃあ伊勢丹はどうかなと行ってみる。通りを挟んで2ヶ所にある伊勢丹、どちらにも行ってみたのだけれど、食べたいと思うお店が今ひとつない。中華料理は昨夜食べちゃったし、今日はちょっと違うものを食べたい気分だ。かといってイタリア料理とか和食ってのも何か違う。

どーんとでっかいクリスマスツリー 「じゃあ、デパ地下のフードコートみたいなところとか……?でも最終日の夜に、それもねぇ」
「そうよ、うるさいところは、もうイヤよ」
「だよねぇ……」

シンガポールの「銀座」とも言える華やかなエリアをうろうろうろうろした挙げ句、DFS近くにある「Singapore Marriott Hotel」(シンガポールマリオットホテル)に辿り着いた。1階の軽食レストランではクリスマスブッフェを開催中。ちょっと高かったけれど、ちらりと覗いてきた母が
「お寿司があるわよ、あと生牡蠣なんかも」
と言ったものだから、
「なんですって!?ナマガキ!?」
と私が反応しちゃったのだった。よく見たらお刺身まであるし、値段は張ったけれど母も息子もそれぞれ満足のいく内容のブッフェのようだったので、夕飯はこれにしちゃうことに。ロビーに飾られた、どーんとでっかい3フロア分ぶち抜きのクリスマスツリーがよく見える席で、クリスマスっぽい雰囲気を存分に味わいながら集合時間までのんびりディナーを楽しんだ。
まずは生牡蠣から!

まずは、当然生牡蠣(そしてビール!)から。冷菜コーナーには生牡蠣、カクテルシュリンプ、ボイルしたロブスターのようなものや蟹まである。ハムやサラダと共ににそれらを持ってきて、ビールぐいぐい飲みながら真冬の生牡蠣をチュルチュルと。ちょっとばかり大味な生牡蠣だったけれど、生牡蠣好きな私はかなーり嬉しい。

そして、息子はせっせとマグロとサーモンの刺身を食べている。白い御飯があったのを良いことに、
「……まぐろ丼にしてあげようか?」
「うん!まぐろ丼食べる!」
と、スープ皿に御飯よそってマグロたーっぷり乗せて、醤油を垂らして御満悦。私はすっごく怪しいお寿司を見つけ、それも何個かつまんでみた。ほうれん草の和え物(というより、ほうれん草のナムル……)を乗せた軍艦巻き、中華風のクラゲサラダを乗せた軍艦巻き、なんだか普通じゃない味がする、焼きサバを乗せたような握り寿司とか。
そして厚切りローストビーフ♪

そして、クリスマスらしい料理も色々。担当の人がいてスライスしてくれるでっかいターキーにはラズベリーソースを添えて。同じコーナーにローストビーフもあり、好みでグレービーソースなどをかけて食べる。ホイル包みのベークドポテトがあったので一緒に持ってきた。
カプレーゼ(モッツァレラチーズとトマトとバジルのサラダ)やスモークサーモンなども堪能し、ローストビーフやターキーをしっかり食べたら、パンも口にしていないのにお腹一杯になってきてしまった。カレー類、チキンやサーモンの温かい料理も10種類ほど並んでいたけれど、それはほとんど口にできないまま、たーっぷり並んでいるデザートのコーナーにふらふらと吸い寄せられてしまう。

デザートの品揃えも豪華。ライチのシャルロットやマンゴーのチーズケーキなどの各生ケーキ、杏仁豆腐とか豆腐花といった中華風の冷たいデザート、更にはクレームブリュレとかクッキー、チョコレートなどなど。昼食もあんな感じだったのに、つい
「あ、昼には杏仁豆腐とかってなかったもんね」
あれこれ持ってきてはぽいぽいとつまんでしまう。

で、これから飛行機に乗るってのに、全力で後悔する羽目になっちゃったのだった(満腹でキモチワルイ……)。

Orchard 「Singapore Marriott Hotel」内「Marriott Cafe」にて
クリスマスブッフェディナー(大人)
クリスマスブッフェディナー(子供)
ビール(Kilkenny)
オレンジジュース
2* $48.00
$28.00
2* $10.95
$8.00

ブッフェの夕食を存分に楽しみ終わった頃には、指示された集合時間まで残り15分と迫っていた。ちょうどいいねとホテルを後にし、そのまま何も買わずのDFSを素通りして裏手の集合場所に。バスには私たちと同じくH.I.S.を利用したらしい旅行客が20人ばかり一緒に乗り込んだ。

空港までの道には10階ほどの高さがありそうな高層住宅が団地のように立ち並び、窓際にクリスマスツリーが飾られたりしているのがよく見えた。見た感じ、カーテンをつけている家が案外と少ない様子。すっかりどこもかしこもクリスマスなんだなぁ……と思いつつ、数十分後にバスは空港に到着。
11時半頃に出発する便だったはずなのだけれど、40分の遅れがあって離陸は日付が変わってから。もう疲れ果てちゃって、座るなり爆睡体勢に入っちゃった私はサンドイッチと飲み物がやってきたことすら知らずに朝食までぐーぐー寝てしまったのだった。

これが今回の旅行の戦利品

戦利品は少しの布と少しの食料品と少しの雑貨。
2回目の海外旅行、初めての"孫との海外旅行"を母はおおいに楽しんだようで、
「また来年も(え?来年?)もよろしくね。もしイタリアに行くことがあったら、絶対絶対教えてね。ついていくから!」
と鼻息荒く、数日我が家に滞在した後、秋田に帰っていった。
んとー、じゃあ、私もまたがんばってお金溜めなきゃね。おつかれさまでした。