7月19日(水) そして今日もオーシャンドーム

ブッフェ朝食、今朝は焼き鯖

部屋から見た風景 ホテルの部屋からは、ちょうどオーシャンドームが見下ろせる。銀色の大きなドームに繋がるように和風の回廊が延びていて、それは2004年10月にオープンした「松泉宮」というスパエリアだ。貸切専用の風呂がいくつかと大浴場などがあり、シェラトンの「グランデフロア」に宿泊している人たちが優先的に使えるのだとか。あまりにお高そうで風呂の方は利用しなかったのだけれど、その右側に見えるプール(写真上側の白っぽいプールが子供用、下側のラグーンのようなプールが大人用)が一昨日遊んだところ。オーシャンドームまではホテルから歩いて5分くらい。すぐ隣だ。

だんなと息子がなかなか起きないので、一人早起きしてしまった私はこんな写真を撮りつつ2人が目を覚ますのを待つ。関東はこの数日、ずっとずっと雨が降り続き気温もたいそう低くなっていたそうだけれど、宮崎は昨日までの3日間、ひたすらに晴天続き。今日はさすがに雲が出るかな?曇だったら、動物園にあるという流れるプールに行ってみるのも悪くない……と思っていたのだけれど、今日もどうやら蒸し暑く晴れる1日になりそうだった。

そして息子、元気に起床。だんなも起床。
私もだんなも決して体力が無い方ではない……はずだけれど、そろそろ元気盛りの息子の遊びに全力で1日つきあうのがつらくなってきたお年頃。子供は夜寝て朝起きれば、昨日までの疲労が消えて「元気100%」で復活するのだけれど、大人はそうもいかないのがつらい。旅行2日目「元気90%」旅行3日目「元気80%」とどんどん目減りしていく己のパワーが情けない。
「おっはよん♪」
ああ、息子の語尾が跳ねているよ。今日も元気そうだね、息子。
和風朝食(でもオムレツつき)

そうこう言いつつ、今日も昨日と同じレストランにブッフェ朝食を摂りに行く。今日は絶対和朝食!と心に決めていたので、御飯と味噌汁、漬物などなどをトレイに乗せる。昨日のししゃもはどこかしらー?と思えば、昨日ししゃもが置かれていたコーナーには「焼き鯖」が並べられていた。一口大にカットされた鯖の脇には昨日と同じく炭の入った七輪が置かれていて、「軽く炙ってお召し上がりください」と。鯖数切れを七輪に乗せた後、甘く炊いた豆やひじき煮、ごぼうのサラダなどを皿に取ってきた。オムレツも食べたいなと、今日はハムとじゃがいも入りでお願いする。

「オムレツ?どんなオムレツ?」
とオムレツコーナーの前に立つ私の後ろに並んだ息子は、「好きなものを入れて焼いてもらうんだよ?なんでもいいんだよ?」と私から聞いて
「すみませぇん!チーズだけ、チーズを、た〜っぷり入れてオムレツ、お願いしまぁす!」
とコックさんに告げていた。本当にチーズたっぷりのオムレツを作ってもらったようで、息子御満悦。コーンフレークと厚切りハムとフルーツで、今日も何やら満足そうだ。

御飯と味噌汁(やっぱり我が家のいつもの味噌汁より白っぽくてちょっと甘め)を並べてひじき煮と豆の煮物、焼き海苔、オムレツにサラダに漬物、という朝御飯。力がついたところで、じゃあ今日も泳ぎに行こう。

そして今日も〜「オーシャンドーム」

昨日の息子のお気に入りだった子供用滑り台 じゃあ今日もオーシャンドームに行こうか?と、「当然オーシャンドームだよね?」という意味合いを込めて息子に話しかけると、
「……んとね、こないだの、ここのホテルのプールでもいいなぁ……」
とか言っている。今朝上から写真を撮ってみたばかりの、ラグーンぽくて面白いけど広くはないプール。流れるプールというわけでもプールサイドが楽しいというわけでもないし、なぜ?と不思議に思うと
「だってさぁ、流れるプールだと、すーぐにお父さんとお母さん"疲れた〜"って言うじゃん!3人いっしょに遊びたいよー」
と言うのだった。

「すーぐに」と言うけれど、それでも昨日は連続1時間以上(トータルで2時間半くらいは)ぐるぐるぐるぐる、それこそバターになっちゃうくらいに流れるプールを泳いでいたのである。歩いたり漂ったり潜ったり泳いだり、流れているから多少楽とは言ってもさすがに疲れてきて「休もう?」「水飲もう?」「ちょっとは波のプールの方にもい行こうよー」などと声をかけてはなるべく休憩を取るようにしていたのだけれど、それが息子にはおおいに不満だったらしい。だんなも私も年相応以上には体力があると思っているのだけれど、元気盛りの小学生のスタミナについていくにはなかなか大変なのだった。
でも、息子の言葉にそうかそうかと苦笑いして、今日はだんなと2人全力でつきあってやることに。いつの間にか「流れるプール」を「ながプー」、「波のあるプール」を「なみプー」と略し始めた息子は、今日も絶好調だ。

急なウォータースライダーは怖がる息子も、写真の子供向け滑り台(利用できるのは小学生まで)は気に入ったようで何度も何度もシューシュー滑っていた。今日は"なみプー"の魅力を再認識したらしく、流れるプールも波のプールも両方たっぷり満喫する。波打ち際の、波が砕けるあたりに腰を落として押し寄せる波に抵抗するのが楽しいのね。
「ぎゃー、流されるー」
「きゃー、おぼれるー」
「でっかいの、来るぞー」
と、皆でキャーキャー。足下は人工芝(しかも経年劣化でかなり剥げかけている人工芝)だから、うかつに膝を打ったりするとめちゃめちゃ痛いのだけれど、それでも真水でざばざば来る波がけっこう楽しい。今日も館内はガラガラと言って良い入場者数だった。

お昼御飯は館内のフードコートで生の地ビール(ひでじビール)を飲みつつ、「本日レディースデイのため500円特価」というお値打ち品だった女性限定オムライスプレートを。だんなと息子は麺類を啜り、私はドミグラスソースがかかったでっかいオムライスをつついた。ピラフもドミグラスソースもレトルトの既製品のような味だったけれど、オムライスの出来具合はなかなか。ちょうど12時を過ぎたところで、毎日12時きっかりから10分ほど催されるサーフィンショーを眺めながらの昼御飯になった。いつもはゆるめの波しか来ない波プールにサーフィン用の巨大並が沸き起こり、そこでスタッフ2名が順々にサーフィンやボディボードを披露してくれるのだ。

「おー、上手いもんだねぇ」
「……見てると楽しそうだよね」
なんて言いながらくいくい飲んでいたひでじビールは、ピルスナータイプの「きつね」。キレが良いけれど良い感じの後味もちゃんとある、こくのある好みなビールだった。ヴァイツェンのいのしし、エールタイプのもぐら、ボヘミアンダークラガーのむささび……と、ネーミングも可愛らしいこの地ビールは、オリジナルグラスがまた動物マークつきでとても可愛らしかった。……空港でお土産ビール買えるかな。

空港でさよなら宮崎飯〜「魚山亭」

プールを出たのは2時過ぎ。3時過ぎのバスに乗ってホテルを出る予定だったので、身支度を整えてホテルに預けていた荷物を取りに行く。ホテルのクロークは、当初は担当のスタッフが常駐しているものだったようだけれど、今はコインロッカールームになっていた。自分でコインロッカーに入れ、100円の返却式になっている。好きなように荷物を出し入れできるので、これはこれで有り難かった。

「……で、ラーメン食べに行く?」
「でも……疲れたね」
「なんか天気も思わしくないしね」
ここ4日間「もうちょっと曇っててもいいから」と思いたくなるほどに晴れ続きだったけれど、さぁ帰ろうという段になって急に雲が空を厚く覆い始めた。当初の予定では、最後に宮崎ラーメン(九州だから、やっぱり豚骨ラーメンなのね←豚骨大好き♪)を食べて帰ろうという話だったのだけれど、疲労と空模様に断念。まだまだ時間はあったけれど、空港に向かってしまうことにした。空港で焼酎飲めるところくらいはあるだろうから、早めの夕飯をだらだら楽しんでも良いよね、ということで。

空港に向かうシャトルバスに乗り込んで数分、バラバラッと大粒の雨が降ってきて、みるみるうちに土砂降りになっていった。空港に着く頃には稲光まで光っている。テレビのニュースでは、けっこうな規模の低気圧が近づいているらしかった。ラーメン屋、止めておいて正解だったかな?などと話しながら空港内のお土産もの屋さんを見て歩く。私の目当ては冷や汁用の味噌、手頃な価格のマンゴー。残念ながらお手頃価格のマンゴーはなかったのだけれど代わりに美味しそうなマンゴージャムを見つけたので買ってみた。真空パックの鶏の炭火焼きとか、地鶏の炊き込み御飯の素とか、宮崎を名残惜しみつつ色々お買い物。自宅用に「ひでじビール」のセットも買った。

幸せな晩酌のおかずたち ひととおりのお土産を購入したところで、「じゃあ晩酌できるところ〜」と空港内の飲食店を眺め歩くと、「魚山亭」(ぎょっさんてい)という、私たちのニーズにぴったりのお店が。何しろ宮崎料理屋さんだ。山ほどの焼酎が置かれているらしい。晩酌セットなどもあるらしい。居酒屋然としているのに、お子さまランチもあるらしい。店を入ってすぐのカウンターの向こうでは鶏をじゃんじゃか炭火焼きにしているらしく、あの特有の香ばしい煙がもくもくと立ち上っていた。
「……ここじゃん?」
「ここ以外ないじゃん?」
皆でうきうきと入店し、うきうきとメニューを眺め、うきうきとあれこれ食べた。最後の最後までしっかり宮崎飯を堪能できて(しかもちゃんと美味しくて!)大満足。

このセット良くない?ぴったりじゃない?と、色々魅惑的なセットメニューがある中、「だれやみセット」を選択。「だれやみ」は宮崎の方言で「疲れを癒す」転じて「晩酌」の事なのだとか。つまり「晩酌セット」だ。地ビール1杯、焼酎1杯を選択できて、料理は3皿。メヒカリの南蛮漬、おび天(さつま揚げ)、地鶏の炭火焼、という素敵な組み合わせだ。素敵、素敵よ晩酌セット。焼酎の選択肢が30種類ほどもあったのも、これまた嬉しかった。

左側の、写真のセットが1人前。分厚くてふわふわとした口当たりのさつま揚げも美味しかったし、もろみ味噌を添えたキャベツがついてくる地鶏の炭火焼きも、香ばしい。私は「綾の地ビール」のケルシュタイプのと、栗焼酎(その名も「栗」)を飲みつつ、だんなは「ひでじビール」のむささびと芋焼酎(古秘)を飲みつつ、この酒美味しいね、あの酒も美味しいねと交換しながら帰宅前の晩酌大会。息子も横でボリュームたっぷりのお子さまセットを堪能中。でーっかい海苔巻き(太さが子供の両手で抱えるくらい)、チキン南蛮、つくねの串焼き、サラダやプリンがセットになっていたそれをせっせと食べている。

茗荷の入っていない冷や汁 やっぱりシメに御飯っぽいの食べたい気分ですよね、チキン南蛮と冷や汁のセットなんてのもありますよ……と、飲んだくれた後の私たちは再びメニューを眺め、2人でそのセットを半分こして食べることに。もも肉が使われている、なんともジューシーな揚げ鶏に、ふんだんに卵が使われているのだろう、黄色が濃厚なざっくりしたタルタルソースが添えられているチキン南蛮。冷や汁は茗荷が抜きでしそが多め、麦飯が添えられてきた。

キーンと冷えた汁と温かい御飯にかけて食べる、この幸せ。
私は子供の頃、豆腐の味噌汁を御飯にかけて食べるのが大好きだったのだけれど(いや、今も好きよ)、でも母には「そんな汚い食べ方やめなさい」と怒られていた。冷や汁ときたら、飯にかけて食べることを推奨されている。デフォルトとされている。しかも美味しい!なんて素敵な食べ物なのだろうなぁ……と、心底うっとりしてしまうのだった。茗荷の添えられていない冷や汁は、味噌の風味が濃厚に感じられる。最初から最後まで美味しく楽しい晩酌で、しみじみ「宮崎って素晴らしい!」と思いながら搭乗口に向かったのだった。

今度来る時には、遊びと共に「食べ」もメインで来なくちゃ。チキン南蛮が美味しいお店とか、地鶏の炭火焼きのお店とか、まだまだ行きたいところはたくさんだ。

宮崎空港内 「魚山亭」にて
だれやみセット
  (地ビール1杯・焼酎1杯・メヒカリ南蛮漬・おび天・宮崎地鶏の炭火焼)
チキン南蛮 冷や汁セット
  (チキン南蛮・茶碗蒸し・冷や汁)
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\失念……