10月6日(土) プールとバティックとシーフードブッフェ

朝食ブッフェ

一階が私たちの部屋 昨日は一日中、雨の音がし続けていた。
起きてみると、雨は降っていないながらもどんよりと曇り空。

そういえば、昨夜部屋からインターネットでランカウイ気象情報を調べてみたところ、今日から滞在中の4日間、ずーっと予報は「thunderstorm」のマークだった。
雷雨ですか。嵐ですか。なんということだ。……少しは晴れるといいな。去年のフィリピンもそれなりに曇っていたからやっぱりこの季節はこのあたり、それなりの天気にしかならないのかな。

少しばかり暗い心持ちになってしまいつつ、とりあえずカメラ持ってそっと部屋を抜け出して、部屋の周囲を散策してみた。海はどこだー。

このホテル、一番安価なスタンダードな部屋は、2階建ての1階2部屋2階2部屋という構成の「Melaleuca」(メラルーカ)と呼ばれる建物になっている。私たちの宿泊するメラルーカは鬱蒼とした草木に囲まれるように建っていたけれど、ベランダから出て少し歩けばすぐに砂浜が見え、ものの数分で海岸に辿りつくことができた。写真は、砂と土の地面の境目あたりに立って自分たちのメラルーカを撮影してみた感じ。

部屋の外には広々としたテラスがあり、デッキチェアが各部屋2つずつ、それと木製のダイニングテーブルも置かれている。ダイニングテーブルの脇に意味ありげな木箱があったのだけれど、その中にはトースターなどが納められていた。広々としたこの空間でルームサービスの朝食を摂るお客さんも少なくないのだろう。

「でも、やっぱりレストランに食べに行きたいわよね」
「作りたてのを食べたいもんね」
と、全員起きてきたところでバギーを呼んでフロント近くにあるレストランに連れて行ってもらった。何しろ海岸に沿うような形の全長1.5kmのだだっ広いリゾートホテルだ。部屋にあったホテルマップを見たところ、私たちの泊まる部屋はかなり端の方に位置しているとわかった。フロントまで500mほど、プールへも300mほどの距離がある。

そういう場所なのでリゾート内でマウンテンバイクを借りることができ、一度借りてしまえば宿泊中ずっとその自転車を乗り回すことができる。子供用サイズの自転車もちゃんとあるということで、後で借りに行くことにした。
マンゴーデニッシュも美味しかったです

朝食が摂れるお店は、夜にはメインダイニングになる「serai」ただ一ヶ所のみ。アラカルトもあるし、ブッフェの用意もある。初日ということだし今日はブッフェにしましょうかね、ということにした。充実した美味しい朝御飯に、結局滞在中ほとんどずっとブッフェということになるのだけれども。

選択肢豊富な朝御飯は、パンやパンケーキをはじめとする洋風のもの一式にお菓子も含めたマレー料理あれこれ、そしてしっかり和食のコーナーまで用意されていた。白い御飯に味噌汁、焼き鮭に玉子焼き、漬物などの類も用意されている。

バリ島で食べたナシゴレン、ミーゴレン、シンガポールで食べたカヤジャム(トーストに添えるココナッツ風味の甘いぺースト)、肉や魚のサンバルソース煮込みなどなど、今回マレーシアは初めてだったのにインドネシアやシンガポールで口にした記憶のあるものが多く並んでいたのがとても嬉しい。

やはりここは食べたことのないものや久しぶりなものを中心に食べようと、「ROTI CANAI」なるクレープ状の温かい粉もの料理(マレーシア風パンケーキなのだそうだ。写真中央の、一見餃子みたいなものがそれ)を持ってきてみたり、初日から思う存分楽しんでしまった。
色鮮やかなフルーツコーナー

今朝私が食べたのは、こんな感じ。

  • ハム、スモークサーモン、スモークツナ
  • グリーンサラダ
  • マンゴーのペストリー
  • ROTI CANAI (マレーシア風パンケーキ)
  • SAMBAL SOTONG (鶏肉のスパイス煮込み)
  • SAMBAL UDANG (海老のチリソース煮込み)
  • DHALL(ダールカレー)、フィッシュカレー
  • ナシゴレン、ミーゴレン
  • フルーツ(マンゴー、ドラゴンフルーツ、パパイヤ、メロン、パイナップル)
  • 自家製フルーツカクテルのヨーグルト和え
  • ウォーターメロンジュース、紅茶

さすが南国、フルーツコーナーは日本ではまず見ることのない品揃えだった。黄色く熟した柔らかそうなマンゴーに赤い果肉のパパイヤ、メロンにスイカ、ドラゴンフルーツにスターフルーツ、パイナップル。バナナと小ぶりなリンゴ、そしてロンガン。オレンジよりは日本のミカンに近い感じがする柑橘類(タンジェリン……かな、多分)もある。あれこれ目移りしてしまいつつ、でも結局のところ美味しいのはマンゴーだったりして、朝から山盛りのマンゴーを堪能してしまった。舌でとろける、繊維っぽさのかけらもない甘くとろけるマンゴーだ。

自家製のフルーツカクテルがこれまた良い感じ。細かく切られた果物あれこれが爽やかな味のシロップに沈んでいて、そこにプレーンヨーグルトをかけて食べるとめちゃめちゃ美味しかった。これもしっかり平らげて、とりあえず部屋に帰還。ああ、また雨が降ってきた……。

「Four Seasons Resort Langkawi」内「serai」にて
Br. Buffet (Adult)
Br. Buffet (Child)
3×RM106.50
RM53.00

曇り空の水遊び

良い雰囲気なのだけれど……どよよーん どよよーんとした空模様の下、それでも雨は止んだようだったので水着に着替えてホテルのプールに向かってみることにした。何しろ息子がプールプールと朝御飯を食べ終わった頃からずっと足踏みをしているのだ。やっぱり、南国のホテルに来たからには息子ならずとも水遊びしたいところ。

曇天ということで少し涼しい気候ということもあってか、午前9時頃のプールサイドにはまだ誰も来ていなかった。浜辺に面したガゼボも空いていたので「ここにしよう!」とビーチバッグを置くと、すぐにホテルのスタッフがやってきてガゼボにバスタオルを敷いてくれた。冷たい水とコップもすかさず出てきて「ここは私たちの場所」という感じに調えられる。

屋根つきのガゼボは日焼けを厭う母にもちょうどよいかなと、滞在中は前向きにガゼボを選ぶようにしていたのだけれど、案外競争率は高くなかった。欧米人たちは好んで日当たりの良いデッキチェアに場所を取っていたし、そもそも競争になるほどにプールにお客は来ていなかった。

プールの水の温度は思った以上に温かく、今日などは気温よりも水温の方が高く感じるくらい。肩を出すと肌寒ささえ感じるので、ついついプールから出ることなく肩まで水に浸かって遊びまくってしまった。ちなみにこのファミリープールの水深は150cm。私も背伸びをしないと口が水面から出ないし、当然息子は足が届かない。少し離れたところにラッププールなる別のプールもあるそうだけれど、そちらは16歳以下のお子さまは入場禁止の「大人のプール」だ。

複雑に凹凸のあるプール 趣はジャングルプールって感じで

母は水着にならずに、ガゼボにのんびり転がったり、海岸を散歩したり。
なんでも、フィリピンの海よりもこちらの海岸の方が綺麗な貝殻が多く見つかるらしい。数十分して戻ってきた母は「こんなにあったー」とジャラリと十数個の貝殻を見せてくれた。乳白色の綺麗な貝殻に、細長い巻き貝などなど。

ここの海は、綺麗なエメラルドグリーン色をしてはいるのだけれど、砂の粒子が細かすぎるらしく砂が常に舞い上がっているような状態で、海自体の透明度はかなり低い。海岸から海に入ってシュノーケリングを楽しむという感じではなく、そもそも波がかなり荒いので海で泳ぐこと自体難しい。海岸には「泳いじゃダメ」のサインの赤旗、「遊泳注意」のサインの黄旗、「遊泳OK」のサインの緑旗が立てられるのだけれど、滞在中緑旗を見ることができたのは2回ほどだった。でも、荒い波のおかげでか綺麗な貝殻がたくさん打ち寄せられてくる。

滞在中、私も何度か折を見て海岸で貝拾いをしたのだけれど、晴れた暑い日にはスタッフが駆け寄ってきて「お水どうぞー、貝殻、このテンポラリーバッグに入れてはどうですか?」と水と袋を渡してくれるのにはちょっとびっくりだ。

プールから海岸へは、ほんの100mほど。私は初めてのホテルにうきうきしてしまってプールや海を行ったり来たりしていたのだけれど、息子はひたすらにプールで水遊び。だんなもそれにつきあって水遊び。
このプールは凹凸を多く配した独特な形状で、なんでも角を多く作ってお客同士が適度にプライバシーを保ちつつ遊べるように作られているのであるらしい。でも今日のところは私たちの貸し切りだ。がっつり泳ぐという雰囲気のものではないけれど、その迷路のような感じが子供にはたまらないらしい。そこここにジャグジーの噴出口がセットされていて、座ってのんびりできる場所がいくつもあった。床底のタイルは綺麗なブルー。

ランチはパスタ

一度部屋に戻ってシャワーを浴びて、昼御飯は南イタリア料理が食べられるというレストラン「serai」に、朝に続いて再び足を向けてみた。冷房の効いたダイニングで(いささか効きすぎた室内で)のんびり昼御飯。ピッツァやパスタが中心なので、プールサイドのレストランとあまり大きくは品揃えが違わないような気がする。全体的にイタリアン寄りな、このホテルのレストラン事情なのだった。

恐らくはボリュームたっぷりなのだろうサラダを1皿注文し、あとは各自1人1皿好きなものを。私とだんなはパスタ料理、母はシンプルなピッツァ、息子はキッズメニューに載っていたキッズピッツァを注文した。

具沢山サラダ 実に美味しいジェノベーゼでした

「Insalata Dell'Aia」は、ロメインレタスと鶏肉、ゆで卵とパルメザンチーズのサラダ。
つまりは「鶏肉入りのシーザーサラダ」だったのだけれど、鶏肉にかけられていたバルサミコ酢ベースの甘酸っぱいドレッシングがとても美味しい。値段から察するにそこそこの分量のサラダなのだろうと予想して、皆で取り分ける形にしてもらったのだけれど、予想通りに1人ではとうてい食べきれない量のサラダがやってきた。

「このたれ美味しいよ、たれ」
「たれ言うな……」
そんな事言いつつ、ボリュームたっぷりのサラダをもぐもぐと。

私が注文したものはジェノバペースト和えの海老入りフジッリ「Fusilli al Pasto e Gamberetti」。
ドライトマトやいんげんもたっぷり入った、とても具沢山なショートパスタ料理だった。これまた分量たっぷり、けっこうなボリュームだ。

だんなはボンゴレのリングイネ、母はマルゲリータピッツァ、息子はお子さまにたまらない感じのコーンやツナの乗った小ぶりのピッツァ。このピッツァ大きいから食べきれないわと分けてもらった母のピッツァはチーズがこぼれそうなほど乗っている。だんなのボンゴレにもこれでもかと大量のアサリが入っていて、全体的に具がいっぱいといった感じのランチだった。

ボンゴレに使われていたアサリは、日本のように黒っぽい砂っぽい色合いの貝ではなく、白とベージュが混ざり合った薄い色合いのもの。海岸に多く打ち上げられていて「綺麗な貝だわー」と拾っていた貝そのままの色形で、あら私はせっせとアサリを拾っていたのかしらと苦笑い。

「Four Seasons Resort Langkawi」内「serai」にて
Insalata Dell'Aia
Pizza Margherita
Linguine Vongole
Fusilli al Pasto e Gamberetti
Kids Pizza
Beer(Tiger)
RM52.00
RM48.00
RM62.00
RM64.00
RM18.00
3×RM14.00

マレーシアスタイルウォシュレット

慣れると良いものですよ せっかくの美味しいランチの話の後にこういうビロウな話はどうかと思いつつ、トイレの話。

バリ島のホテルには、確かこんなものついていなかった。プーケットのホテルでも見かけなかった。ただ、プーケットのショッピングモールのトイレには、確かこれがついていた。そこで一度だけ使った記憶がある。

ホテルのトイレの脇には、そしてショッピングモールのトイレにも空港のトイレにも、マレーシア国内で使ったトイレにはこれがついていた。便器の隣にシャワーホース。持ち手部分にレバーがあって、そこを押せば冷水がピャーッと飛び出るようになっている。

プーケットで使ってみたそれは、レバーを握ると水鉄砲の如くに一発の水流がピャッと飛び出てくる、なんとも飛び道具的なものだったのだけれど、この国で使ったそれは普通にシャワーのような感じ。ホテルのトイレなら万が一着ている服を汚したりすることになっても大丈夫……と、部屋のトイレについていたコレを、まずは試しに使ってみることにした。基本的には「大」をした後に使用するもので、その場所めがけてシャワーをピャーッと当てるのだ。つまり場所を自ら指定してやらなければいけない、手動のウォシュレット。

これがなかなか気持ちよかった。
足場がいまいち安定しない和式のトイレならともかく、洋式だったら大きな問題もなく、何度かの修練(修練?)の結果、非常に心地よくこれを使えるようになった。使えるようになっちゃったらもう臆すこともなく、色々なところでこの手動ウォシュレットを使っていた私。なにしろ海外に旅行に行くたびに「トイレにウォシュレットがついていない」ことを小さからぬストレスに思っていた自分なので、使えるようになったらこれは非常に嬉しい存在なのだった。これだけ暖かい(というか暑い)国なら、出てくるのが常に水であっても何ら問題はない。

唯一の難点は、日本のウォシュレットと異なり便器まわりに水しぶきが飛び散りやすいということ。ホテルはともかく、空港などのトイレでは床や便器が濡れているところが多くて、「うへぇ」とうんざりしながら用を足すことになるのだった。

バティックを買いに

陰影がくっきり出てきた白い砂浜

ランチを摂っている間に、厚くたれこめていた雲はずいぶんと薄くなり、少なくなってきた。あれよあれよという間に日差しも感じるようになり、気温もぐんぐん上がってくる。

「こりゃ、プールだな」
「もう一回プールだな」
と、部屋に帰ってもう一度水着になって、再びプールに向かった。
いい天気!

やっぱり青空の下で泳ぐ方が断然気持ちがいい。昼前に撤収したガゼボも幸い空いたままの状態で、もう一度ここにタオルを敷いてもらって母はのんびり昼寝をしていた。

「なんかね……"おやつ"が出るらしいよ。おやつ時にプールサイドとかにいたら、食べられるんじゃない?」

などと話しながら泳いでいたところ、スタッフが大きな銀色のバケツを抱えて各デッキチェアを回り始めている。バケツの中には氷が満たされ、棒のついた何かがたくさんそこに刺さっていた。

「あ……アイスキャンディーだ……」
とわかってしまったらもう大変で、一度水から上がっておやつ休憩。小さめの自家製アイスキャンディーは、ライチの果肉が固められたシャーベットタイプのものだった。さっぱり味で冷たくて、自然な甘さで良い感じ。

おやつを平らげた後にもう少しだけ泳ぎ、まだ日は高かったけれど部屋に戻ることにした。ちょっとホテルの外に出てみない?ということで、これからタクシーに乗って繁華街まで行ってみることに。

シーフードブッフェディナー

街でお買い物してみたいわー、ということで、夕方になって少し過ごしやすい気候になってから、タクシーに乗って島の南東にある「Kuah Town」に向かってみた。滞在ホテルは島の北端に位置しているので、車で30分くらいはかかる距離だ。ランカウイ島は小さな島だと思っていたのだけれど、シンガポールよりも大きいらしい。

目指してみたのは、ショッピングモールLangkawi Fair(ランカウイ・フェア)。あまり観光客観光客していない、ブランドもののショップなどはほとんどない、地元民も来る感じのショッピングモールだった。そこかしこで1枚15リンギット(500円弱というところ)のバティックを売っていて、母と2人でキャッキャ言いながらバティックを選んで数枚購入。鮮やかな緑やオレンジを使ったいかにもな南国チックな色合いのバティックも素敵だけれど、実際に我が家で家具にかけたりするとなると、茶色やくすんだ緑、青色などの落ち着いた色の方が結局のところよく似合う。

酒屋さんで見たビールは、国産の「Tiger」が1缶たったの1.7リンギット(60円弱……)。何缶持って帰る分には免税なんだっけ?いや、そもそも今この状況でどれだけ手で持って帰れるかも問題で……とだんなと話し合い、結局8缶買うことにした。ジュース並に安い、というか、ジュースより安い。

モール内にはスーパーマーケットもあったので、「なんでスーパーなんか見るのー」という母につきあってもらって食材探し。バクテーの素が売られていて、しかも「四川」「福建」「傳統」(伝統……かな?)の3種類の味が。とりあえず四川は辛そうだということでスルーして、他の2種類を数個ずつ買ってみた。シンガポールで買ってきて使い勝手の良かったチキンブイヨンなども少々。だんなは大変に怪しいカップ麺タイプのレトルトミーゴレンを買っていた。小さな缶詰入りのカヤジャムとか、怪しいメーカーのランチョンミートなども試しにお買いあげ。見慣れない醤油やビネガー、サンバル類もものすごく気になったのだけれど、あまり大荷物になってもなとこのくらいで止めておいた。

Kuah Town 「Langkawi Fair」にてお買い物
バティック
ビール(Tiger)
インスタントミーゴレン
バクテーの素
チキンブイヨン
カヤジャムの缶詰
ランチョンミート
ランチョンミート
4×RM15.00
8×RM1.70
RM1.30
7×RM3.90
2×RM3.50
RM2.00
RM2.90
RM2.30
海を間近にしたWestinの広々としたプール

で、そろそろ時刻も6時半というところ。

町中で夕御飯をと思ったのだけれど、ショッピングセンター内にはこれというお店も特になく、近くのホテルまで移動してみることにした。

この近く、海際の方に行くとウェスティンホテルがあるらしいよー……ということで、タクシーに乗って The Westin Langkawi Resort & Spa へ。少し高台に建っていたホテルで、ロビー階からは階下に海と島々、そして眼下に大きなプールが良く見えた。日も暮れたということでプールサイドのパラソルが次々に畳まれ、片づけられていく。

プールの向こうには桟橋が見え、その専用桟橋から出航するアイランドホッピングツアーが人気なのであるらしい。

フロントでホテル内のレストランについて尋ねてみると、夕食を摂れる場所は2ヶ所だという。ひとつはカジュアルなプール沿いのコンチネンタル料理屋さん、もうひとつは「今日はシーフードディナーです」と紹介された、ブッフェ専門のダイニング。シーフードブッフェは悪くないねと、これにすることにした。ただし、ディナー開始は夜7時ということで、まだ30分ほど時間がある。

それでは食前酒でも、ということで、ロビー階のラウンジの屋外席で海を眺めながらカクテルを飲んでいた。私が飲んだのはジンジャーエール割りのPimm's No.1。Pimm's No.1はハーブやスパイス、柑橘類のエキスを加えたジンがベースのカクテル用リキュールなのであるらしい。さっぱりと酸味のある、甘い香りのお酒のようだった。テーブルにはガーリック風味の揚げピーナッツもおつまみにやってきていて、ディナーを目前にしているというのに香ばしいそれについつい手が出てしまう。

ホテルのスタッフも、とても親切だった。ビールの袋を持って夕食をいただきに行くわけにもいくまいとベルボーイに荷物を預けたのだけれど、
「レストランの御予約はされていますか?こちらでしておきましょうか?」
と速やかに手配をしてくれ、そのスタッフがラウンジの席まで「予約取れました。7時以降でしたら何時に行かれても大丈夫ですよ」とわざわざ告げにきてくれた。

その男性スタッフは食事を終えてロビーに戻ってきた私たちも早々に見つけ、
「ディナーはいかがでした?もうタクシーは呼ばれました?」
と声をかけてくれ、最後まで世話をやいてくれたのだった。
最後の最後に「いや、わたくし、実は先日までこの島のフォーシーズンズホテルに務めてまして」と、「ですからフォーシーズンズにお泊まりのお客様には格別の思い入れがあるのです」的な事を言って笑顔で見送ってくれた。

「The Westin Langkawi Resort & Spa」内「Breeze Lounge」にて
 Pimm's No.1

7時になるのを待って行ってみた、ロビー階よりひとつ下のフロアのレストラン「Taste」。既にお客もちらちらと入り始めていて、なかなか盛況な様子だった。客席より数段上に設けられたブッフェコーナーは照明が多めでとても明るい感じ。目立つところにミニサイズのチョコレートファウンテンが置かれていて、まずはそこに目がいくようになっていた。

全体的にデザートが多めで、ブッフェ台の4割近くをデザート類が占めているように思ったけれど、あれもこれもと目移りしてしまう、充実した内容のブッフェだった。魚介ばかりというわけでもなく、ちゃんとメインディッシュなどは肉料理も用意されている。価格は1人3500円弱と、けっこう手軽な価格だったのがまた嬉しかった。

デザートコーナーはなんとなく南国色 魚介だらけの前菜プレート 色鮮やかなマレー菓子

全体的に、お洒落な盛りつけが施されたコーナーが多く、とりわけデザートコーナーは色鮮やかで美しい。蒸された(いや、茹でられた?)ムール貝や大きな海老も最初から小鉢に盛りつけられていて、それを大皿に適当に並べるように乗せてテーブルに持ち帰ったりした。注射器型の容器に詰められたドレッシングなど、面白い仕掛けが色々とあって子供も大人も楽しそうに料理を盛りつけている。

食べたものは、こんな感じ。

  • ムール貝、海老のカクテル
  • タイ風魚介とマンゴーのサラダ
  • 蟹とかぼちゃのスープ
  • 巻き寿司
  • パエリア
  • シェパーズパイ
  • 羊のグリル
  • 温野菜
  • "Cantonese Stlye Yee Mee"
  • ピーチシナモンコブラー
  • ココナッツアイス
  • フルーツ(オレンジ、スイカ)
  • マンゴークレームブリュレ

鰻の蒲焼きが添えられた、少し珍妙な(柴漬けとかが巻かれていたような……)巻き寿司は、海苔が内側に巻かれたものと外側に巻かれたもの2種類が盛り合わされている。家族皆に人気があったのが「Cantonese Stlye Yee Mee」。
揚げ麺に魚介入りあんかけスープをかけて食べる、要するに「あんかけ固焼きそば」なのだった。あんのとろみは少しゆるめなので、たっぷりかけると麺が柔らかくなってラーメンのようにも食べられるムール貝やイカ、アサリ、海老などが入った具沢山のあんもちゃんと中華風の味つけで美味しかった。息子はこの麺をせっせとお代わりして食べている。

デザートコーナーに、アイスクリームが4種類。豊富なフルーツと洋風の焼き菓子あれこれ、マレー料理の甘い米菓子(ういろう、みたいな)も何種類か並べられていた。

マンゴーものもまた色々あって、なんだか毎食マンゴー食べているような気がするけどと、香菜がたっぷり入っタイ風の甘酸っぱい味つけの、マンゴー入り魚介のサラダをつついてみたり、食後にはマンゴークレームブリュレを堪能してみたり。ブリュレはものっすごく濃厚な味だった。もうすっかりお腹いっぱい……。

「The Westin Langkawi Resort & Spa」内「Taste Restaurant」にて
Buffet Dinner(Adult)
Buffet Dinner(Child)
Fr.Mango Juice
Beer(Tiger)
3×RM98.00
RM49.00
RM17.00
RM14.00

宿泊ホテル入り口のカンテラが飾られた壁。昼も素敵だけど夜の美しさときたら 食後はまたタクシーに揺られて宿泊ホテルに帰還。
昨日の夜はあまり眺める余裕がなかった、夜のロビーまわりの美しさを堪能しつつ、バギーで部屋まで送ってもらって、それから大きなバスタブにお湯張って長風呂を満喫した。

お湯の噴出口が噴水のようになっていて趣深く、でもあまりに浴槽が大きいので湯をひととおり張り終えるまでに15分くらいはかかってしまう。これじゃあバスバブルはうまく溶けないかもと思ったのだけれど、そのへんの心配は無用でジャグジーのついているお風呂なのだった。

脇のスイッチを入れると床全面から細かい泡が盛大に吹き出してきて、湯に溶かしたバスバブルがものすごい勢いで泡立っていく。これでもかとお風呂をもこもこの泡だらけにして、この広さだったら余裕で3人は入れるねと家族皆で泡だらけになって遊んでいた。まさかランカウイまで来て露天風呂(しかもでかい)に入れるとは思わず、あと何回こうやって入れるかはわからないけれど(けっこう手間はかかるしね……)、このお風呂はすごく楽しい。

外出の間に部屋はすっかり夜モードのセッティングがなされていて、ベッドルームにペットボトル入りの水がまた増えていた。歯磨き用に洗面所に数本、ベッドの脇のテーブルにも数本。

昨夜から明らかに増えていて、どこまで増えるんだろうと思っていたら、滞在中さすがに7本以上置かれることはなかったのだった。部屋から外に出ても、何かと「お水どうぞー」「お水どうぞー」とホテルスタッフに渡されてしまうので、旅行中は常以上に水ばかり飲んでいる気がする。