7月23日(火) 今日は香港島散策と福臨門
- ・ ペニンシュラで朝食を
- ・ 「茶具文物館」〜人気のお茶は烏龍茶?
- ・ 「三思堂」〜オーガニックなお茶屋さん
- ・ 「福臨門魚翅海鮮酒家」〜その味はやっぱり本物
- ・ 上環〜中環散策
- ・ 母と2人で尖沙咀お買い物歩き
- ・ 「龍逸軒」〜あの懐かしいマンゴプリンの…"器"
ペニンシュラで朝食を
今日も私の起床は朝5時になるかならないかの頃。「日本時間朝6時」の起床は永久に変わらないものとして、もうこのまま帰国までいっちゃうことにした。ちょっとばかり寝不足な気もするけど、気にしなーい……。
さすがに息子も旅行後半ということでお疲れの様子。今日は朝プールに行けそうな時間に起きてはきたものの、
「プールは……今日の朝はいいやー」
とベッドでごろごろしている。
そして3日連続で「The Verandah」の朝食ブッフェに赴いていた母と息子もそろそろ飽きてきた様子。
「なんか、別のが食べたいわー」
「僕、オムレツとか食べたい」
などと言い始めている。
なので、では今朝は「The Lobby」の朝御飯に行ってみましょうか、ここはブッフェじゃないからセットメニューとかになるけど、と、今日は4人で1階ロビーで朝御飯をいただいてみることにした。
アフタヌーンティーの時間帯ともなると行列で満席で華やかで大変賑やかな雰囲気だけれど、朝と晩には本当に静かな、ちょっと張りつめた空気さえ感じるロビー。
パンと卵料理とコーヒーと……なんていうセットメニューしかないのかしらと思っていたけれど、アラカルトメニューも充実。味噌味の"Soba"なんかもメニューに載っていた。
セットも良いな美味しそうだなと思いつつ、アラカルトメニューに「Eggs Benedict」があったので私とだんなはそれを注文。
「エッグスベネディクト」はアメリカ発祥の朝御飯メニュー。横半分にカットしてトーストしたイングリッシュマフィンの上にポーチドエッグをそれぞれ乗せ、オランデーズソース(卵黄とバターがベースでレモン汁やビネガーを加えた、こってりとろりとした少し酸味のあるソース)をかけたもの。
お店によっては、ソースがやたらと酸っぱかったり、「なんか、全体的にぐじゃぐじゃ……」な感じのものがやってきたりで、シンプルなようでいて奥の深い朝食メニュー。
パンはサクッと、卵はトロリとという加減がなかなか難しそうな料理だ。少なくとも、ポーチドエッグが綺麗に作れない私にはこれを作れる自信が全くない。
中国語名では「窩蛋伴火腿沙巴翁汁配英式烘餅」となるそうで、興味深いなぁ、なんて思ったりした。
やってきたエッグスベネディクトは、表面がいかにも美味しそうな色に焼けたもの。黄身をつつくと黄身がとろりとこぼれ出て、上品なオランデーズソースの味といい、パーフェクトなものだった。卵を茹でた時の水分でパンの食感が損なわれたりもしていない、ふわっとろっさくさくが全て一度に味わえるこの快感。
で、母はセットメニューの「半島早餐(Traditional Peninsula Breakfast)」HK$250。
フレッシュジュースかフルーツの盛り合わせ、シリアル、卵料理かフレンチトースト、自家製パンの盛り合わせにコーヒー紅茶、というボリュームのある朝食セットだ。
息子はチーズとハム入りのオムレツを焼いてもらって、英国式風トーストをつけてもらう。
8枚切りより更に薄いくらいの耳なしのパンをこんがり焼いて、紙ナプキン立てのようなレター立てのような専用スタンドに立てられたトーストにちょっと感動。
フランスパン生地の、断面が大きなパンをたっぷり2切れ焼いたフレンチトーストも、そして私たちのエッグスベネディクトも、なんとも上品な出で立ちだった。
私たちは更に、「お肉も欲しい……」ということで、エッグスベネディクトにハムが添えられてはいたのだけれど、ベーコンとソーセージを別途頼んでみたり。
ベーコンカリカリにしてね、のリクエストに、うっとりするほどパリンパリンな、お煎餅もびっくりなクリスピーなベーコンがやってきたのだった。
静かなロビーで濃いめに淹れた紅茶を飲み飲み、「フレンチトーストなのにパンもついてきたら食べきれないわ」という母からレーズンロールを1個貰ったりしながら、ちょっとのんびり朝御飯。卵料理とフレンチトーストの2択で、いずれにしてもパンがついてくるということは、フレンチトーストは卵料理という扱いなんだねぇ……。面白いな。
7時頃はけっこうな土砂降りだった雨は、食べ終わる頃には雲も高い位置になり天候も落ち着いてきた様子だった。今日は香港島散策できるかなー。
人気のお茶は烏龍茶?〜「茶具文物館」
天候はめでたく落ち着いたようで、結局今日は一日、一度も傘が必要にはならなかった。
ちょっと風が強くて曇天続きではあったけれど、むしろ気温が低め(最高気温は31度くらい)で、強い日差しがなかった分、歩きやすかったくらい。
今日は香港島方面に行ってみましょうということで、まずは地下鉄に乗って「金鐘」駅へ。
駅にほど近いところにある香港公園内の「茶具文物館」に向かってみた。入場料無料で、お茶の歴史の紹介や稀少な茶具の紹介などもあるらしい……けど、残念ながら今回は、新企画向けの準備中ということで、茶具が置かれているだろうフロアは立入禁止になっていた。
白壁の赴きのある建物は1844年築、当時はイギリスの総司令官邸として利用されていたものなのだそう。
館内入って目立つところには、ピンポン玉を使った投票コーナーが。
緑茶に白茶に青茶、紅茶、黒茶、花茶。それぞれを代表する茶葉の種類とその特徴、効くとされている体への効果(黒茶は「減肥」に良いとか、青茶は「増強抵抗力」とか)が表になっていて、「貴方の好きなお茶はどれですか?」と投票できるようになっている。
「やっぱり黒茶だよね、プーアル最強だよね」
と私とだんなは黒茶に投票したけれど、人気があるのは青茶のよう。烏龍茶の人気はやっぱり高いものなのであるらしい。
文物館併設のギフトショップにはお手頃価格の茶器や茶葉が売られていて(茶葉などには昨日訪れた「雙魚茶館」のロゴがあった)、さほど広くはないお店だけれど見応えがあった。中国茶用のシンプルな茶こしが可愛かったので、思わず台と共に購入。
併設の「羅桂祥茶藝館」には、これまた有名な「樂茶軒」というお店がある。
本格的にお茶を楽しめる喫茶店で、時間が良ければここで休憩も楽しそうだったけれど、まだオープンしたばかりというタイミングで、残念ながら私たちの方も朝食のお茶がお腹にたっぷり……という状況。
販売している茶葉や茶器を見せてもらい(プーアルの岩茶がたくさん!)、でもここでは何も買わずに香港公園を後にした。
茶こしセット 茶こし 台 |
HK$38 HK$20 |
オーガニックなお茶屋さん〜「三思堂」
「それではここからトラムに乗ります」
と言うと、息子大喜び。
息子はまだ、今回の旅行でトラムに乗っていなかった。私とだんなは昨日朝御飯食べに行く時に乗っちゃったんだよね。
しばらく乗るよー、ということで、銅鑼灣方面に向かうトラムをしばし待ち、満員状態でやってきたトラムを1つやりすごして直後にやってきた空いたトラムに乗りこんだ。
トラム、やってこない時は10分近くやってこなかったりするし、やってくる時は団子になって3〜4つくらい連なって来たりする。各駅停車で追い越し無し、とにかくのんびりのんびりという交通手段だ。
急な階段の上り下りが苦にならなければ二階席は風も通るし眺めも良い。
ご覧のとおり座席数はそれほど多くないけれど、入れ替わりが割と激しいので、地下鉄1駅分以上を移動するなら、いずれなんとなく座れる、といった具合。
後ろの席がめでたく空いて、それに座ってのんびりしながら「銅鑼灣のそごうを通り過ぎたら降りるよ〜」なんて言いながら十数分のトラム移動を楽しんだ。
銅鑼灣で向かったのは、またまたお茶屋さん、「三思堂 (San Si Tang)」。
香港のビルはそうしたところが多いけれど、細い細いビル(感覚としては、ちょっと広めのコンビニが立つくらいの敷地に20階建てのビルが立っている……みたいな)の21階にある小さなお茶屋さん。
以前日本に留学していた事があるのだという、日本語が堪能な年若きご主人に美味しいお茶を淹れていただきつつ、茶器や茶葉を見せてもらった。
ここは、まだ珍しい存在の、オーガニックの茶葉を重点的に扱うお店。
プーアル茶は「黒茶」を代表するお茶だけれど、見せてもらったティーバッグのお茶は、「青茶」のプーアルなのだそう。機械に頼った発酵・熟成をせず、自然に発酵・熟成させている茶葉なのだとか。そう聞いても風味の見当もつかなかったけれど、購入してみることにした。
お手頃価格の綺麗な色の茶托も買ってみたり、だんなはだんなで有機紅玉觀音茶を買ったり、空気を抜いて保存できるシンプルなお茶缶を買ったり。
有機紅玉觀音 天然野生普洱青茶 密閉茶筒 茶托 |
HK$60 HK$50 2×HK$70 4×HK$15 |
その味はやっぱり本物〜「福臨門魚翅海鮮酒家」
ここまで来たなら、やっぱりあそこに行くべきでしょう!
さぁ予約しなさい!もとい、予約をお願いします!
……と、だんなにお願いして、向かう前に一報入れてもらった、今日のランチのお店「福臨門魚翅海鮮酒家 (Fook Lam Moon)」。尖沙咀にもお店はあるけれど、本店はここ、香港島側の灣仔にある。地下鉄駅からもほど近い場所だけれど、トラムだったらお店のすぐ近くに駅がある。
母はどちらかというとトラディッショナルな中華料理を好むし、「福臨門」なら日本に支店もあって「ああ、あの銀座にあった、あの高級中華料理店ね」と記憶にある。私もここ本店は13年前にちょっとばかりがっかりなディナーに赴いた記憶しかなく、この機会にまた来ることができたらなと思っていた。さすがにディナータイムに訪れる勇気(というか、金銭的余裕)はなく、気軽に点心を楽しめるランチタイムに。
お店はけっこうな混雑。こちらにどうぞと案内された3階フロアもほとんどの席が埋まっていて、少し進んだ中ほどのテーブルに案内された。
お茶はどうします?的なやりとりの後、やってきたのがこの可愛いラベルつきのポット。
各料理店でビールなども飲みつつも、最後は必ず中国茶をいただいていたけれど、ここのお茶ラベルの可愛らしさは秀逸。
卓上には鉛筆で必要品数を記入してお店の人に渡すタイプのオーダーシートが置かれていた。
オーダーしたのは「蒸」項目から海老蒸し餃子、蟹子入りの焼売、「煎炸」項目から春巻と咸水角。そして「頂點」と記されたフカヒレ入りスープ餃子。アラカルトメニューからシメに福建炒飯、デザートに「甜點」の蛋撻やマンゴプリン、と、ひととおり楽しんできた。点心だから比較的お手頃価格とはいえ、やっぱり高級ホテルのダイニング並かそれ以上という感じの値段設定だ。
- 家郷咸水角 (deep fried shrimp and begetable glutinouw dumpling)
最初にやってきたのは揚げ物2種。
高級店の割に今ひとつ融通が利かなかった福臨門、「私たち、4人で来たから点心の個数を人数分に調整してくれますか?」とのリクエストに「それはできません」とつれない返事。
インターコンチネンタルでもペニンシュラでも、「個数調整してくれる?」とのお願いには「もちろんですとも」という感じだったし、どころか先方から「蛋撻は4個にしましょうか?」なんて言ってくれたりもしたのにな。
揚げ物はどちらも3個ずつの分量で、でも個数調整できない代わりにか、春巻きには2等分するようにナイフが入って皆でつつけるようにしてくれていた。
春巻はプリプリした海老が鶏肉と共にたくさん詰まった、なんともリッチな味。揚げ具合も完璧で、サクサクホロホロとした皮は少し冷めても心地よい食感だった。咸水角も「隙のない」といった印象の、上品で手の込んだもの。「おお、さすが」という感じ。
- 筍尖鮮蝦餃 (steamed prawn dumplings)
こちらもまた、超高級店のさすがの風格!といった風の海老蒸し餃子。
大ぶりの海老が惜しみなく、プリップリと大量に入っている。透けるような浮き粉の皮への火の通り具合も完璧で、「うわ!めっちゃめちゃ美味しい!」と盛り上がる私たち。
素晴らしく美味しかったものだから、4個では足りなくてもう1蒸籠お代わりを。
- 蚧皇蒸燒賣
「餃子よりは焼売が好き」という息子のためにこれをオーダー。
「ごくごく普通の焼売があると良いけど」と思ったけれど、そこはやっぱり福臨門で、蟹の卵がトッピングされていたりとかするのだった。
皮はごく薄く黄色い色味がついていて、あんは豚肉ベース、ねちもちとした食感が心地良い。
- 豉汁蒸排骨 (steamed spare ribs in black bean sauce)
母は苦手な味かもしれないけれど(母はにんにくが嫌い……豆鼓みたいな癖のある調味料も嫌い……)、でも私とだんなはこの料理が大好きなのよね、と頼んでみた豆鼓蒸しのスペアリブ。
でもやってきたものは、にんにくの香りも若干控えめで、豆鼓も独特なクセの強さを感じさせない、塩気と甘さと旨味を添えるくらいの適度な存在感。
「あらー、これ、美味しいわね」と母が気に入ってつまんでいた。
上品ではあるけれど物足りないというほどでもなく、とても良い感じ。
- 魚翅灌湯餃 (shark's fins dumplings in kim wa ham stock)
せっかく「魚翅海鮮酒家」に来たのだから、と、1人1つ頼んでみたフカヒレ入りスープ餃子。
先日の"燕の巣"に続いて、"フカヒレ"の方も、実のところその美味しさが本当にはわかっていない私。でも"フカヒレならでは"の美味しいスープが出ているんだろうな、きっとなー、と思いながら、蟹肉がたっぷり詰まった大きな餃子にかぶりつく前に、金色に輝くスープをたっぷり口に入れてみた。
金華ハムをふんだんに使ったのだろう深みのあるスープはさすがに絶品だったし、上にトッピングされたフカヒレも惜しみない分量。
美味しい……美味しいんだけど、でも「フカヒレだから美味しい」のかなぁ。やっぱりよくわかっていない私だ。
- 福建炒飯 (Fried rice "Fukien style")
シメに、私の好物の「福建炒飯」を。
できあがりをちらっと見せに来てくれて、でも「皆さん用に取り分けますねー」と奥のワゴンに下げられてしまった。目の前にやってきたものがこの写真。分かりづらくてスミマセン……。
卵たっぷり入りのシンプルめな炒飯の上から、具沢山の褐色のあんをかけたのが「福建炒飯」。油っこい中華丼……と言うと表現は悪いけど、炊いたままの白い御飯ではなく炒飯にあんをかけるから、けっこうヘビィな食べ物だ。
叉焼に海老にシャキシャキした野菜にと、盛りだくさんの具は美しく均等に切られていた。好物なもので、ついついお代わり。
- 酥皮蛋撻仔 (fresh baked egg tart)
メニューに「作るのにお時間がかかります」と注意書きのあった蛋撻、3個セットとのことだったので2皿頼んでおいた。
湯気が立つほど温かい状態でやってきたそれは、3個でHK$40だったから、1個150円ほどというなかなかに強気なお値段。
でも、それだけに、美しく層になった中華のパイ皮はサクサクホロホロのパーフェクトな口当たり。フィリングのトロプル感もとても心地よく、
「あらやだ……美味しい」
「さすがに美味しいね」
と、私とだんなが2個目の蛋撻に手を伸ばしたのだった。
- 香芒凍布甸 (fresh mango pudding)
デザートは、私は「やっぱりこれよね」とマンゴープリン。
だんなと息子は2人で1つのマンゴープリン、母は「鮮奶椰汁糕 (fresh coconut milk pudding)」を選んでみていた。
シンプルなガラスの器に固められたプリンは、その盛りつけもとてもシンプル。
プリンの表面には少しばかり粘度のある濃厚なマンゴージュース(マンゴーピュレというほどの濃さでもない)が張られていて、エバミルクは無し。プリン自体からもさほどミルクっぽさを感じないこのプリンは、でも果肉はごろごろと芳醇な香りと甘さのものがたっぷりと。
まるでマンゴーの生ジュースを囓っているかのようなプリンで、こういうのも美味しいなと思った。
そして母が頼んだココナッツプリンは、1辺7cmはあろうかという立方体がどどんと3つ。ネチネチムチムチとしたお餅のような歯ごたえで、ココナッツの自然な甘さが心地良い。……しかし、でっかいし量も多いねぇと苦笑いしながら、こちらも1個お裾分けしてもらったり。
家郷咸水角 雞絲蝦春巻 筍尖鮮蝦餃 蚧皇蒸燒賣 豉汁蒸排骨 魚翅灌湯餃 福建炒飯 酥皮蛋撻仔 鮮奶椰汁糕 香芒凍布甸 啤酒(生力) 名茶(普洱) 蒸留水 |
HK$50 HK$40 2×HK$55 HK$50 HK$55 3×HK$120 HK$190 2×HK$40 HK$40 2×HK$50 4×HK$40 4×HK$20 HK$30 |
上環〜中環散策
では午後は上環から中環まで歩いてみましょうか、と、灣仔から地下鉄に乗って上環へ。
上環を降りたら「摩羅上街(Upper Lascar Row)」、通称「キャットストリート」を目指し、そこから「荷李活道 (Hollywood Road)」 を歩きつつ、世界一の長さのエスカレーター「中環至半山自動扶梯(Central-Mid-Levels escalator )」まで至ったらその周辺を散策しつつ下山(?)して中環から尖沙咀へ帰還、というルートで数時間歩いてみた。
いい感じに曇り空なので強い日差しの下よりも格段に歩きやすく、雨の心配もなくて快適な数時間。
「キャットストリートは、泥棒通りとかガラクタ通りって言われてるんだよ」
「本当に盗品とか売ってるの!?」
「ん〜、そりゃないと思うけど、まぁ行けばわかるよ」
息子はそのネーミングに興味津々な様子。
実際は、まぁなんてことないものを売っていたりするのだけれど、その雑多な感じが謎めいていて、行くとちょっとばかりわくわくしてしまうキャットストリート。
いかにも綺麗な、翡翠製の香水瓶などをうやうやしく扱っているお店もあるけれど、まんま「小学生男子の机の引き出しの中身」みたいなものを売っているお店もある。
左の写真の店なぞは、私からすると「全部ゴミ」に見えてしまうのだけれど、息子にとっては「宝の山」に見えたりするらしい。
モデルガンがあるよ!これなんだろメンコ?シール?と、店にへばりつくように立ち止まってしまって、私は私でターコイズのアクセサリーを扱うお店で
「このブレスレットいくらですか?2つ買ったら安くなる?」
なんて交渉。
母も一緒になって「このペンダントヘッドも買うから、いくらになる?」と言い出して、結局「まとめてHK$200でイイヨ」(最初はHK$400とか言われていたけど、そりゃあまりにもぼったくりでしょう……)ということに。
ターコイズのブレスレット×2 ターコイズのペンダントヘッド |
計 HK$200 |
キャットストリートに対して、並行して走る荷李活道に行くと、ここは敷居の高そうな美術品を扱うお店が多くなる。重厚そうなカーペットを売る店があったり、工芸品を売る店があったり。すごく綺麗な茶器を扱うお店もあった。
このあたりはとにかく坂・坂・坂で、海側に降りる道路を見下ろすとゾッとするくらいの急斜面。石畳だし、転んだらさぞ痛かろう……という感じ。
「綺麗な風景だけど、でもここには住みたくないわねぇ」
と母がぼやいている。
もうすぐだよ、もうあそこにエスカレーターが見えてるよ、このへんも色々お店とかあるよ、と辿り着いたのが行列のできる蛋撻屋さん「泰昌餅家」。1個HK$5の蛋撻を2個買った。確か9年前にも買って美味しかった記憶があるのだけど、「この店だったかなーどうだったかなー」と記憶が曖昧で(この店でした)、美味しければまた明日買うチャンスがあるし、と2個だけ。
蛋撻 |
2×HK$5 |
ここらで「喉乾いた」「疲れた」「休憩したい」「トイレも行きたい」ということで、「どこかで休みましょう」ということに。
坂を降りきったくらいのところにある「壇島珈琲餅店」はどうかなと思っていたけれど、向かう途中にチェーン店の甘味屋さん「杏花樓甜品 (Hang Fa Lau Dessert)」を見つけたので、ここで休むことにした。
マンゴープリンをはじめ甘味も色々揃っているし、飲み物類も豊富だし、ここでどう?と入ってみればちゃんと清潔なトイレもあって、何より。
私は「楊枝甘露」、母は「鮮士多啤梨西米露」(苺タピオカ)、息子は「芒果鮮牛奶」(マンゴーミルク)、だんなはアイスコーヒー。
「楊枝甘露」は今から5〜6年前に香港で広まった、マンゴープリンよりも歴史が浅い、人気のデザート。
マンゴー+柑橘(ポメロ)+タピオカココナッツミルクという組み合わせのスイーツで、タピオカココナッツミルクにマンゴー果肉とジュースを混ぜて、ほぐした柑橘の実も混ぜて……といった風のもの。
香港滞在中に一度はどこかで食べたいなと思っていたので(これをムースにしたものは水上レストランで口にしたけども)、この休憩の時に食べることができたのは幸い。
ポメロが多すぎたら酸味が尖るし、少なすぎても「楊枝甘露」として物足りないし……と、簡単なようで美味しさの追求は奥が深そうなデザート。コンデンスミルクのような濃厚な甘さも感じて、疲れた体に染み渡る美味しさだった。ほろ苦酸っぱ甘いという不思議な味。
「楊枝甘露」が美味しいと評判のお店は「滿記」だそうで……いずれ行けるかなぁ。行けるといいなぁ。
楊枝甘露 鮮士多啤梨西米露 芒果鮮牛奶 アイスコーヒー |
HK$27 HK$25 HK$26 HK$? |
さすがに歩き疲れました帰りましょう、と、そのまま皇后大道中を南に下れば、ほどなく中環の地下鉄入り口。
その付近には「上海灘 (Shanghai Tang)」本店が。
雑貨の一つでもお土産に買えると良いなぁと立ち寄ったのだけれど、これというものには出会えなくて、ここでは何も買わずに地下鉄に乗り込んだのだった。
母と2人で尖沙咀お買い物歩き
今日はたいそう歩いて疲れ切っていたのだけれど、まだ寄らねばならない場所がある。
お目当ての品はといえば、興味があるのは私だけであろう化粧品とかだし、と、
「みんな先に帰ってて〜。私一人で、ちょっと化粧品とか見てくる〜」
と、尖沙咀の改札を出てホテルと反対方向に歩き出そうとしたら、「私も行くわ!」と一番疲れているだろう母も同行することに。
だいじょぶ?目当ての店はここからなら遠くないけど、でも帰り道はけっこうな距離になるよ?と話しつつ、ともあれお目当ての化粧品屋さんを目指してみた。
「雅施化粧品中心 (Aster Cosmetic Centre)」は、試供品サイズの有名ブランド化粧品があれこれ買えるお店なのだそう。
基礎化粧品の類が主だというし、私の愛用しているメーカーのは無いんだろうなぁと思いつつ、これというお目当てもないけど見に行ってみた。
が、これがたいそう楽しくて、7ml入りの小さなサイズのエスティーローダーナイトリペアがあったり、クリニークのターンアラウンドコンセントレートもあったり。
「ナイトリペアだ、ナイトリペア」
と、母と2人でがっつり籠にそれらを入れ(日本のデパートで普通に買うと50mlで13000円くらいだから、7mlで800円はたいそう安いわけです)、他にも色々「コレね、スイスのメーカーのパックです。今特売中!」なんてお店の人の口車に乗ってしまって、スイスのメーカー(SwissBorn)のパックとか目元専用パックとかあれこれ買い込んでしまった。母も悪くない感じのBBクリームなどを買えたようで御満悦。
SwissBorn silk protein mask SwissBorn soothing silk protein eye contour mask Gel Gloss Topcoat CLINIQUE turnaround concentrate ESTEE LAUDER advanced night repair |
HK$460→HK$238 HK$320→HK$192 HK$68 2×HK$35 3×HK$68 |
あとはね、クッキー!と、ホテルに戻る方角にてくてく歩き、重慶大厦(チョンキンマンション)の3階にある「Jenny Bakery」を目指す。
ここのクッキーが美味しいと聞いていて、それは気になるなぁと調べてみたらホテルのすぐ近くのチョンキンマンション内に店舗があるという。「CKE重慶站2樓203號舖」ってどこだそれは、と、化粧品屋さん「沙沙」の奥から更にエスカレーターで行ける上階を目指すと、そこは「1坪ショップ」的な感じに、小さなお店がこれでもかと並ぶ怪しいフロアが広がっていたのだった。
ここの203号の店舗ってことだね、203号どこどこー?と、結局1周するくらい歩いて探したのだけれど、結局のところは「エスカレーターを降りたらそのまま直進、突き当たり」のところにあったという。
ケースに色々なクッキーが並んでいて、「これとこれを詰めてね」という風な感じではないこのお店。殺風景な店頭にはペラッとポスター状の紙があって、「このクッキーの詰め合わせの小はHK$○、大はHK$○」といった事が書かれている。選択肢は「4-mix」と「8-mix」の2種類で、
混合曲奇(4款味) (4-mix)
・Shortbread
・Butter
・Coffee
・Oatmeal Raisin
混合曲奇(8款味) (8-mix)
・Coffee Almond
・Cashew Nut
・Almond Poppyseed
・Hazelnut Macadamia
・Walnut
・Pistachio
・Mixed Nuts
・Chocolate Chip/Cashew/Walnut
という組み合わせ。
ショートブレッドやバタークッキーが欲しいから、買うなら4-mixだな、と価格を見れば、「S: HK$60 M: HK$93」とある。お土産にS缶1つ買ってみた。母も「お土産にするわー」と数缶購入。
混合曲奇(4款味) S |
HK$60 |
買ったクッキーを帰国してから開けてみたのが左の写真。
1枚ずつが小分けになっているわけでなく、丸い缶にみっちりと隙間無く4種のクッキーが詰められていた。
どれもこれもサクサクとした心地よい食感で、いかにもバターたっぷりという風。特に絞り出しクッキーの「Butter」「Coffee」の歯触りの心地よさは格別。
……で、このクッキー、「缶に入ってるから」とスーツケースに入れてしまったのだけれど、手荷物として機内に持ち込んで帰った方が良かったかもしれない。崩れたものはなく、クッキーそれぞれきちんと形は保ってはいたけれど、細かく崩れた粉が全体に散ってしまって、「あああ、これ、ホントはもっとずっと綺麗だったんだろうなぁ」と開封時に少しだけがっかりしたのだった。
ところでこのチョンキンマンション3階はなかなか楽しいショッピングエリアで、アクセサリー専門店とか、アジアな感じの衣類専門店とか、あとはネイルサロンとかマッサージ屋さんなどなど、おおむね女性向けのお店がこれでもかと詰まっていた。どの店も値段はお手頃。
母は綺麗な織りのストールを衝動買いし、私は私で「ネイル屋さんあったから寄っていい?OPIのが色々安かったの〜」と、ごめん母はちょっと他のお店見てていいから!と母に言い置いて、マニキュアあれこれ衝動買い。
1本HK$100は安いなぁ嬉しいなぁと、厳選しながら3本購入。ああ、10本くらい買ってくれば良かったかなぁ。
OPI NL148 (Get Me to the taj on time) OPI NLY38 (Nutcracker Sweet) OPI DS021 (Designer Series - Diamond) |
HK$100 HK$100 HK$100 |
最後に、帰国する前にこれを買い忘れちゃダメ!と、ホテル地階のペニンシュラブティックでXO醤を1瓶お土産に買って、やっと部屋に帰還した。XO醤は各ホテル、あるいはレストランで買うこともできるけれど、今回はせっかく長く宿泊するのだしとペニンシュラのを買ってみようと決めていたのだ。
XO醤 |
HK$290 |
今日は私、誰よりも歩いたわよ、多分……と、帰還はすっかり6時過ぎ。
両手にぶら下がる買い物袋の重みに幸せを感じつつ、でも本当に疲れた。疲れたけど……夕飯どうしよう?
そうそう、部屋はもちろんすっかり綺麗になっていて、そして置かれている「本日のウェルカムフルーツ」は
バナナ、緑色のリンゴ、オレンジ、桃。
薄紅色の桃は本当に「日本の桃」そのままな感じで、でもかなり固い。剥いてみたら、やっぱり固くて渋かった。残念。
あの懐かしいマンゴプリンの…"器"〜「龍逸軒」
今日の夕飯について、特に考えていなかった私たち。
ホテル界隈の高級店についてはあれこれ調べてあったけれど、シャワー浴びてまたちょっと良いめの服着てばっちりお化粧して……という元気もあんまりなく、何より今日はお昼に福臨門で飲茶して「高級店はお腹一杯」という気分。
「なんかさ……東坡肉(トンポーロー)みたいなの食べたくない?杭州料理ってジャンルになるから、あんまりお店ないみたいなんだけど……」
とネットサーフィンしてあれこれ調べ始めただんなと、
「ねぇ、私、初日の夜、調子悪くてあんまり食べられなかったじゃない?もう一度最初のお店(=欣圖軒)行って、マンゴープリンとか食べたいんだけど」
と主張する母、
「僕はねぇ、もうあまり歩きたくないし、電車とか乗らないで食べられるところがいいなぁ」
などという息子。
実のところ、私の意見は割と息子に近かった。なるべく歩かないで、でも不味くはないところー。高級中華は昼に堪能したから、あまり高くない(お洒落しないでも良い)ところー。「もうあんまり移動したくない」は、母も同意見の様子。
なので、「じゃあ九龍酒店の中華料理屋さん、行ってみる?」ということになった。
「九龍酒店 (The Kowloon Hotel)」はペニンシュラのすぐ裏手にあるホテル。ペニンシュラの系列店だったことがあり、当時は"狭くて安価だけど、でもそのサービスはペニンシュラ"というのをウリにするホテルだった。
そして地下には「環龍閣(Wan Loong Court)」という名前の、ややカジュアルめな雰囲気の中華料理屋さんがあって、そこのマンゴープリンがこれまたすごく美味しかったのだ。
でも、現在は「九龍酒店」はペニンシュラ経営を離れて別のオーナーに譲渡され(ホテル自体の名前は変わらず)、レストランも地階から2階へ、店名も変わってすっかり様変わり。オーナーが変わったのなら厨房スタッフも総入れ替えで当然味も変わってるだろうけど……と、でも、ネットで調べた今のこのお店のマンゴープリンは、独特な形状の器(翡翠じゃないけど深緑の石製の、壺のように上部がすぼまった形の容器)をそのまま使っているみたいで、なかなか美味しそうに見えた。
目の前だしこのお店に行ってみようか?と、「30分後に行くよ」と簡単に予約して、ゆる〜い格好でお出かけ。笑っちゃうほど不味かったら、それもそれで思い出になるでしょうということで、気持ちの方もゆるゆるで。お店の名前は「龍逸軒 (Loong Yat Heen)」。このお店と同フロアにはオイスターバーと、朝から夜までブッフェをやっているらしい大きなレストランがあり、ブッフェレストランは団体観光客でそれはもうすごい混雑だった。中華料理店の方はお店も小さく(見た感じ、円卓が10個くらいしかない)、でも窓際の席は全部埋まっている状態。
メニューもろくに控えなかったうえにメニューにないものもいくつか注文したから正式な品名がさっぱりだけど、バーベキュー盛り合わせと、牡蠣の土鍋蒸しポートワイン風味(本当は牡蠣フライを注文したつもりだったけど、メニューページの同じ場所に掲載されていた土鍋蒸しと間違えられたっぽい。結果オーライな美味しさだった)、あとは日本人にお馴染みメニュー「酢豚」。
メニューの数はそう多くはなく、スタンダードメニューが1冊(これは日本語併記)と、季節ものメニュー1冊(これは中国語メイン、英語併記)を回し読みしながら、をああでもないこうでもないとだんなと相談。
「この人たち、中華料理があまりわからないのかしら?」とばかりに、女性スタッフが「ここにコース載ってるよ」「これ、冬瓜のスープ。おすすめ。4人分持ってこようか?」などとアドバイスしてくれたけど、「そうじゃないんだー」「コース食べたいんじゃないんだー」と、好みのものを筆談も交えてでリクエストしてみたりして、結果的になかなか幸せな夕御飯になった。
- BBQ Platter
ビールのアテにこういう味のものがやっぱり恋しくない?と、バーベキュー盛り合わせ。盛られてきたのはチャーシューと鴨(か、もしくはアヒルだったかも)。
焼き汁がテラテラと光っていて、あまり「皮がパリパリで気持ち良い食感!」という風ではなかったのだけれど、いかにもな甘じょっぱい味はビールに良く似合う。
某水上レストランよりはずっと美味しい……。
- Oyster Port ・ Sauteed Vegetables
シェフのお勧めメニューに牡蠣料理があって、「良いね良いね」と食べてみることに。
子供の握り拳くらいのサイズがある巨大な岩牡蠣は、表面に軽く衣をつけて揚げられていてサクッとした衣の食感が心地よいもの。中はふっくらと柔らかで、甘味のあるポートワインの風味がくどくない程度に添えられていた。鍋底には玉ねぎやパプリカなどの野菜もたっぷり。
土鍋がジュウジュウ音を立てながらやってきたのも素敵な感じで、このボリュームたっぷりの牡蠣料理がHK$168(2000円しないくらい)なのが素晴らしい。
青菜炒めは、リクエストで作ってもらったもの。
メニューに掲載されていたのは煮物系が多かったので、炒めたものが食べたいねと「葉野菜を塩とガーリックで炒めてよ、ガーリックは少しで良いんだけど(←母が苦手なので)」と注文。喜んで、と笑顔の給仕のお兄ちゃんに「空心菜が良いんだけど」と伝えたくて、でも「くうしんさい」じゃ伝わらない。英語の名前もわからない。メモ帳に「空心菜」と書いたら「ああ!」と再び笑顔になって「了解です」と。そしてほどなく、リクエスト通りの空心菜炒めがテーブルにやってきたのだった。
「油菜」も美味しいなと思うけれど、空心菜も大好きな野菜。
- 菠蘿咕嚕肉 (Sweet and Sour Pork with Pineapple)
なんかこう、馴染みのある味のものが食べたいねということで、「酢豚」。
パイナップルも野菜も入っているけれど「メインは肉!です!」という風な、迫力のある肉だらけの皿がやってきた。
黒酢と使った甘さ控えめな大人っぽいものではなく、ケチャップがちょびっと使われているような赤い色の酢豚は、とても馴染み深い味。揚げたての豚肉はちゃんと表面がサクサクしていて、とても見知った味だった。
- Shr.Pork Noodle
母と息子は2人とも「固焼きそば」が大好き。
でもメニューに載っていなかったので、「ディープフライドヌードルが食べたいの。"肉絲"かけて」と、青菜に続いてこれもリクエスト。シュレッドミート……と言いかけて、メモ帳に「肉絲」と書いて伝えたら、「合点承知!」とばかりに力強く頷かれた。
目の前で人数分取り分けてくれた固焼きそばは、うっとりするほどのパリパリ具合。「息子の分を多めによそってあげて」とお願いしたら、息子の前には笑っちゃうほど大盛りな焼きそばが取り分けられて、息子は「はぁ〜♪」と目がハートになっていた。
椎茸やもやし、黄ニラなんかが入っていて、いいぞいいぞという感じ。
- 香芒布甸 (Chilled Mango Pudding)
と、ここまで全体的に期待以上に美味しくて、思いがけず酢豚なんかも口にできて、とても満足だった夕御飯。
でも残念ながらマンゴープリンの方は「ああ……やっぱり環龍閣とは違うお店になっちゃったんだなぁ」と思い知ることになった。
器こそ「環龍閣」時代のものと同じだったけれど、それだけに、ちょっと固くてちょっと薄い味で……のプリンには「そうじゃないんだよぉ〜違うんだよぉ〜」という気持ちが盛り上がる。
けっして不味いわけではなく、日本で食べれば「普通に美味しい」くらいの味なのだけれど、香港には美味しいマンゴープリンがたくさんありすぎて、しかも「環龍閣」のそれは本当の本当に美味しかったものだから、とりわけ残念。
龍逸軒〜、料理は良い感じなのだから、マンゴープリンもがんばって〜。
BBQ Platter Oyster Port 菠蘿咕嚕肉 Sauteed Vegetables Shr.Pork Noodle 香芒布甸 啤酒(生力) 中国茶(普洱) |
HK$168 HK$168 HK$108 HK$78 HK$98 2×HK$32 4×HK$48 4×HK$20 |
↑メニューを控え忘れた分とリクエストして作ってもらった料理の名前は、レシートに書かれていたのを写しました……
「余力があったらワンタン麺でも食べに行く?」と言っていたものの、疲れもあったし「さすがに食べ通し過ぎるよね」と自重して、部屋に帰還。
今夜はホテル滞在の最後の夜。
ターンダウンされているのも(初日を除いて)毎夜の事だったけれど、今夜はちょっと「あれ?」と思った。
先日(3泊目夜)、ルームサービスを使った時にそのワゴンと一緒にうっかり下げてしまった部屋備え付けのフルーツプレートとグラス1個がちゃんと補充されていて(ルームサービスを利用した翌日の清掃で補充されていなかったから、それ以後「下げられちゃったお皿、補充してちょーだい」とメモで残したりしていたのに、ずっと無視されてたの……)、「あれ?今までこんなことしてくれていたっけ?」という箇所が、いくつか。
全体的に光量を落として、枕元の読書灯が使いやすい位置で薄く灯りをともしていたり、テレビもベッド側にちょっと斜めに方向を向けてリラクゼーション的番組が音量を落として流してあったり。「明らかに別の人が担当しました」という雰囲気の違いで、「今までここまでしてくれたことなかったよね?」と最終夜になって私たち、苦笑い。
まぁ、ライトとかテレビとかは実際のところどうでも良いのだけれど(多分利用しないし……)、「日によって、なんか違う」とお客に感じさせてしまうようなサービスはちょっとどうかな、と思わなくもない。まぁ、これまで担当していた"いつもの人"が割とがさつな人だった、ということなのかな……。
ともあれ、もう一度汗を流した後に温かいお茶を持ってきてもらって、昼間「泰昌餅家」で買ってきた蛋撻を食べた。
直径10cmほどと、中華料理店の蛋撻に比べると大きなサイズのこの蛋撻。
アルミカップに収まった生地は、サクサクとしたクッキーのような口当たり、フィリング部分も良い具合のクシュクシュトロトロっぷりで、「ぐはぁ〜!」「なんじゃこりゃ超美味しい〜!」と深夜のたうちまわるくらい美味しかった。
洋菓子のようではなく、ちゃんと中華の蛋撻な感じで、でも「料理店の蛋撻ではなくパン屋さんの蛋撻」という感じのこの蛋撻。
明日また買おう、中環行くし……!と心に決めた最後の夜なのだった。