7月24日(火) 最後の朝は陸羽の飲茶

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帰国の日の朝飲茶〜「陸羽茶室」

最後の朝、ホテルの窓から。今日は良い天気! 昨夜、
「朝7時半に最後の食事の予約入れたからね」
と告げたら、母がたいそうびっくりしていた。
 
「え?夜じゃなくて?朝?7時半?」
「そう。朝の7時半」
 
だって、その時間じゃないとチェックアウトとか色々間に合わないもの。最後の飲茶だよ、と言ったら
「飲茶?朝から餃子食べるの?」
と、困惑の度を更に深めてしまったらしい。
 
飲茶はむしろ夜には楽しめず、朝からお昼、午後はせいぜい2時か3時頃までしか楽しめないのが一般的だ。まるで香川のうどん屋のようだ。
まぁ良いから、行ってみない?それとも別行動して母はホテルで最後の朝御飯にする?と言ったら「じゃあ行ってみようかしら……」釈然としない顔をしつつも、母は「行くわ」と頷いたのだった。
 
今日の起床は、さすがに連日の疲れもあってか午前6時。ホテルを出るのは7時で充分だろうから、皆を起こすのは6時半で良いかなー……と、窓から外を撮影してみる。今日は青空も見えてなかなか良い天気。
 
朝7時になったところで皆でぞろぞろホテルを出て、地下鉄に乗って「中環」へ。
 
土曜の朝の中環の町並 地上に出たら「皇后大道中」と並行して走る「士丹利街」を目指す。
 
昨日も歩いたばかりのエリアだわぁと思いながら、ゆるい傾斜の坂道を上っていくと「陸羽茶室」の渋い看板が見えた。
 
陸羽茶室(Luk Yu Tea House)」は、1933年創業、超老舗の飲茶の有名店。
 
日本のガイドブックでもこれでもかと紹介され続けているのに、相変わらず日本語どころか英語も今ひとつ通じない。常連客を大事にしている雰囲気は13年前から変わらぬもので、今も変わらず「観光客が来ちゃってスミマセン」という気分になるお店だった。でもその排他的な空気も含めて、この何とも言えない異国の雰囲気はたまらなく魅力的。「伝統の味」を具現化したような点心は値段も良いものだけれど、これもまた魅惑的なのだった。
 
初めて訪れた、「陸羽茶室」の2階席 今回案内されたのは2階席。
 
これまで2回来て、両方とも確か1階の席だったから、2階に来るのは初めてだった。なんともレトロな雰囲気で、壁際に用意された食器とお茶器のコーナーは、なんだか学校給食のワゴンのよう。
 
給仕はおっちゃん(点心を運んで来るのはおばちゃんだけど)、お客さんも常連客はおしなべておっちゃん、という、おっちゃんだらけのこのお店。
 
若い女性客や子供なんかがやってくるなら、それはほぼ間違いなく私たちみたいな観光客だ。私たち含め、お店に溶け込んでないからすぐわかる。常連客のおっちゃんたちの、お店への溶け込み具合ときたらすごいもので、もはや、お店に最初からある調度品のような感じだ。
 
新聞読み読み、のんびりお茶を飲んでいる常連客のおっちゃんたち。点心を運ぶおばちゃんを呼び止めたりもしていないようなのに、卓上にはいつのまにか蒸籠が数個置かれていたりして(おそらく毎回同じものを食べるから、自動に出てくるのね……)。
 
陸羽茶室の、歴史を感じる碗や皿 そして、私たちの目の前には、この古めかしい碗や皿。「陸羽珍品」と文字の入った揃いの食器だ。
 
テーブルの隅には、ステンレス製のポットに入れられたプーアル茶。更に、洗杯用のステンレスのボウルも出てきた。
 
「……せっかくだし、やってみる?」
「やってみようか」
と、これまで伺ったいくつかの店で、他のお客さんを観察して覚えた動作を思い出しつつ、「洗杯」をやってみた。
 
左の大きな碗にお茶を注いで、ざっとゆすぐようにしながらレンゲと箸の先もその茶に浸す。平皿とお茶の碗にも少し茶を垂らして、ざっと「水でぬぐう」ようにしてステンレスのボウルにその茶を捨てる……と、そんな感じ。最初に洗杯用のボウルに茶を入れてしまって、その中に茶碗を浸すようにしている人も見たので、やり方は本当に色々のよう。
 
これは、かつて衛生状態があまりよろしくなかった時代の「自分の使う箸と食器は自分で洗いましょう」という風習が残ったもので、今となっては(綺麗に洗われた食器が出てくるのが当然だから)あくまで儀礼的なものであるらしい。でもちょっとわくわくする、食事の前のこの準備。
 
そしてほどなく、階上から駅弁売りのような格好で、トレイを抱えたおばちゃんらが「ハーガゥ♪シュ〜マイ♪」などと点心の名前を歌うように言いながら降りてきた。言葉が通じない観光客とみると、抱えたトレイの蓋や蒸籠をあけて、中身を見せてくれる。くださいな、とジェスチャーで伝えると、卓上に置かれたスタンプ帳的な伝票にぺたりと判を押し、点心をテーブルに乗せてくれるのだった。
 
今回の旅行では、ワゴンサービスの飲茶も含めてこういうスタイルの飲茶屋さんには来ていなかったから、とても新鮮な気分。
ついつい、来るもの全部「あ、これもください」「それもください」と言いたくなってしまう。実のところ揚げ物はちょっと冷めてるのが多いし、お腹も膨れちゃうから避けていかないと……と思いつつ、つい揚げ餃子とかもらっちゃうのだった。
 
いただいたのは9品。

浮き粉の皮の蒸し餃子
「陸羽茶室」にて蒸し餃子。浮き粉の皮で、ほのかに香菜の香り 一番最初にテーブルにやってきたこの点心は、浮き粉の皮を使った蒸し餃子。
 
魚介ではなく豚肉ベースでほのかに透ける緑色はニラではなくて香菜のよう。
 
プリプリムチムチとした食感で、ほんのりと爽やかな香りがした。
 
ミートパイ
「陸羽茶室」にてミートパイ。サックサクでした。 パイが2つ乗った小皿。
 
チャーシューパイかな?と思ったのだけれど甜麪醤の甘さはなく、ミートパイのよう。
 
ポロポロとした挽き肉炒めが詰まっていて、ほんのりスパイシーな感じもあるので、むしろカレーパイのような。
 
パイがサクサクとしていて心地よい食感だった。
 
蟹卵乗せ焼売
「陸羽茶室」にて蟹卵の乗った焼売♪ モチモチとした食感が素敵な、蟹卵乗せの焼売。
 
昨日の「福臨門」のこれもたいそう美味しかったけれど、こちらも歴史を感じさせる安定した美味しさ。
 
蝦餃と共にこちらも美味しくて、二度目にこの蒸籠が再び来た時にお代わりをいただいてしまった。
 
蝦餃
「陸羽茶室」にて、これは絶対欠かせない「蝦餃」♪ 「ハーガゥ(=蝦餃)♪シューマイ(=焼売)♪」と、なぜかいつもセットで回ってくる上記の焼売とこの蝦餃。
 
半透明の浮き粉の皮でくるまれた海老蒸し餃子はずっしりと重量感があるもの。
 
適度に刻まれた海老肉はたっぷりで、下味が全体的にちょっと強めについているので醤油などを添えなくても美味しくいただけた。
 
甘酢がけ揚げ餃子
意外な美味しさだった、「陸羽茶室」の揚げ餃子 トレイの蓋を開けて見せてもらったのは、揚げ餃子。
 
揚げものはお腹が膨れるのよね……と躊躇したのだけれど、息子が横から「これ!食べてみたい!」とのことで1皿いただいてみた。
 
テーブルに乗せられた後に、上からとろりとかけられた艶のある野菜のあんは甘酢の味。
 
これが予想外な美味しさで、サクサクパリパリとした揚げ餃子の食感は心地よく(中には豚肉と海老のあん)、さっぱりとした甘酢あんも人参や山菜のような謎野菜が不思議な美味しさ。
 
大饅頭
「陸羽茶室」にて絶品の大饅頭〜♪ 深めの蒸籠に入った、超巨大なお饅頭。
 
皆で分けて食べたら食べきれるかな、と貰ってみたら、これは13年前に友人とこの店に来た時にお土産にした、懐かしの味のお饅頭だった。
 
そうそうこれこれ!超美味しかったの!また食べたかったの!と、思わず大口あけてかぶりついてしまった。
 
中には鶏肉に角煮に野菜にゆで卵にと、おもちゃ箱のように色々なものがしこたま詰まっている。筍のシャキシャキを感じたり、甘くトロリと煮込まれた肉の味を感じたり、と、食べる箇所で食感も味も異なる楽しいお饅頭だ。
 
これ、もう1個もらって包んで帰って、空港で食べたりしても良かったなぁ……と、食べた後で気が付いた私。
 
揚げ胡麻団子
「陸羽茶室」にて揚げ胡麻団子 「黒胡麻のお饅頭とかが食べたい……」と母が呟いたところで、ちょうどやってきた揚げ胡麻団子。
 
食べる!食べるわ!と母が喜んで1皿もらうことにした。
 
皿に溢れんばかりに盛られた2個のおおぶりなお団子は、「あらお客さん4人なのね」とばかりに、テーブルに置く時に1個を等分にするようにハサミを入れてくれた。
 
まだほのかに温かみの残る胡麻まんじゅうで、胡麻の香ばしい香りがふわふわ漂ってくる感じ。
 
割られた揚げ胡麻団子と、スタンプ帳 割られたお饅頭と、スタンプ帳(「成績表」という感じだなぁ、と、見るたび思う)を並べたのがこちらの写真。
 
マスの中に少しも綺麗に判子が収まっていないところがまた素敵。
 
 
蛋撻
「陸羽茶室」にて蛋撻!蛋撻♪ なんとなく「陸羽では胡麻あん以外に甘いもの食べたことがなかった」くらいに思っていたけれど、実は13年前も9年前も食べていた蛋撻。
 
今回も「ひととおり食べたわー」とひと心地ついたところで蛋撻がやってきて、迷わず1皿。
 
綺麗に層のできた生地だけれど、どことなく不揃いだったりするのがむしろ可愛らしい。フィリングの黄色がとても濃厚で、クシュクシュと頼りないパーフェクトな食感はさすがの老舗の風格だった。

中環 「陸羽茶室」にて
点心9品
茶(普洱)
計HK$288
4×HK$22

日本まで持ち帰るよ蛋撻〜「泰昌餅家」

蛋撻屋を目指して、石畳の坂をのぼります 朝食を終えて、まだ時刻は8時を過ぎたばかり。
 
ホテルに戻らなければいけない時間(9時半にオーダーメイドの靴を取りに行かなくてはならない)まではまだ余裕があるねと、ちょっとばかり坂をのぼって、昨日訪れた蛋撻屋さん「泰昌餅家」をもう一度目指した。
 
風情のある石畳の道は、でもなかなかの急斜面。
まだ朝のうちということで気温は30度を下回り、若干過ごしやすくはあるものの、目指すお店に到着する頃には既に汗が噴き出ていた。
 
「泰昌餅家」の店頭。朝から大人気です。 このお店、本業はパン屋さんなので、朝は7時半から営業している。蛋撻も朝から普通に販売していた。
 
今朝も店頭には既にお客さんが訪れていて、数人並んでいた彼女たちは、どうやら中国本土からのお客さんのよう。
 
私たち同様、今日帰るらしい彼女たちは、「10個ね」「20個ね」と、かなりな数の蛋撻を注文していて、これは時間がかかりそうだなぁと、私は店内を眺めて「他に何か買っちゃおうかなぁー」と品揃えをじっくり観察していた。
 
「泰昌餅家」にて。これは「皮蛋酥」だそう。 丸く艶やかなお饅頭のようなパンは「皮蛋酥」なのだそう。
 
他にもココナッツパイ(椰絲堆 )や、ちょっと洋風な外見のチキンパイ(雞批)、チャーシューパイ(叉焼批)などがあり、あれこれ少しずつ買ってみることにした。
 
店頭に並ぶ蛋撻は、全てアルミの固い焼き型に収められている。「○個ください」と伝えたタイミングで、蛋撻を持ち上げて床に置いた籠にその型をカッチャコンと落とし入れ、持ち帰り用のアルミカップに蛋撻を収めていくのだった。
 
並ぶ蛋撻の山……♪ カッチャコン、カッチャコン、と型を落とす音を30回くらい聞いたところで、やっと私の順番。
 
待っている間に、メモ帳に欲しいものの個数と名前を記していたので、それを見ながらおばちゃんがふんふんと頷きながら箱に詰めてくれた。
 
これはさすがにスーツケースに詰められないよね。手荷物で大事に持って帰らないと。

中環 「泰昌餅家」にてお買い物
蛋撻
椰絲堆
皮蛋酥
雞批
叉焼批
8×HK$5
HK$5
HK$6
2×HK$7
2×HK$7

チェックアウトまで

ホテルの部屋に戻ると午前9時。
 
数十分、部屋で荷造りなどをしてから、向かいのシェラトンホテル内のショッピングモールにある「Milano」のオーダー靴を受け取りに行った。水曜の夕方に頼んで、本当に土曜の朝に間に合っちゃったよ!と驚きつつ履かせてもらうと、あつらえたように(いや、あつらえたんでした)ぴったり。
 
9月にはお店の方たちが揃って来日するのだそうで、東京では新宿ヒルトンホテルで受注会をするのだそう。
日本語が達者なおねぇさんが
「雑誌のキリヌキとか持ってきて、言ってくれたら、そのトオりに作るからネー」
バッグもあるよ、靴の型は保存しておくからこの先はメールでも注文できるヨー、と、その来日イベントの案内チラシを靴の包みと一緒に入れてくれた。
 
さて、チェックアウトまで、あと数時間。
 
最後のホテルプールは、この天気♪ 息子は最後のプールを堪能するべくだんなと一緒にスパに行っていたので、私も靴を受け取ってから合流して最後の水遊び。
 
今日がラストデーなんだよ、と、馴染みになったスパの受付のおねぇさんにしょんぼり顔で伝えると「あらまぁー残念ー」と返してくれ、「でも最後までエンジョイしてね」とにっこり。
 
今日は本当に良い天気で、プールから出られるウッドデッキにも日光浴用のチェアがずらりと並べられている。
 
ホテル滞在中、このたまらなく快適なスパとプールが使い放題だったのは本当に嬉しい事だった。
いつ行っても誰も入っていない、あったかいジャグジーも「お風呂だー!」という感じだったし、ふかふかの大判タオルも使い放題。どんなタイミングで利用しても「シャワー室の床がびしょびしょ」とか「誰かの髪の毛が洗面台に散らばってる」なんてことは絶対になくて、常に「あなただけのために用意しました」みたいな感じで化粧品やブラシが並べられていたのだった。ああ、幸せだったなぁ。
 
チェックアウトは12時の予定。既に荷造りは完璧。
 
3時過ぎに発つ飛行機に乗るには、チェックアウトした12時のタイミングぐらいで空港に向かい始めなければいけない感じ。町中で昼食を摂る時間的余裕はちょっとなさそうで、
「だから、チェックインした後に空港でワンタン麺食べない?」
というだんな(=ローカル麺料理好き)と、
「せっかくだから、最後にホテルでサンドイッチでも食べていかない?」
という母(=洋食好き)の意見がぶつかり合う。
 
でも、どのみちホテルで食事を楽しむほどの余裕はなかったので、「じゃあテイクアウトでサンドイッチ1つ頼みましょう」とルームサービスに電話してみた。
 
ルームサービスメニューに載っていた「半島烘七穀包公司三文治配生菜、番茄、雞肉、火腿、煙肉及香草煎蛋伴炸辣薯角 (Traditional Peninsula Club with lettuce, tomatoes, slow-cooked chicken, shaved bone ham, bacon and herb-fried egg, served on toasted seven-grain bread with chilli chips)」はHK$170。
 
ペニンシュラの玄関にいる狛犬(?)像。「また来てねー」という笑顔に見える。 "to go"したいの、包んでお部屋に持ってきてね、とお願いして数十分後、紙袋に恭しく納められたクラブハウスサンドがやってきた。
 
プラスチック製のケースに綺麗に収納され、もう1つ別のパックにはホテルメイドらしきポテトチップスが入っている。
 
快適にお食事できますように、とばかり、大ぶりのプラスチックの皿とカトラリー、ナプキンなども用意され、それはなんとも素敵な「ピクニックセット」だった。
 
何から何までパーフェクトだった……とは残念ながら言えなかったけれど、でもペニンシュラ香港はやっぱり素敵なホテルだったし、「また来たいね」「また来なきゃね」と思わせてくれる快適な滞在だった。次も絶対水着持参で。

空港での最後の食事

行きはホテルのリムジンを利用したけれど、帰りはエアポートエクスプレス(日本の"成田エクスプレス"的な列車)に乗ろうじゃないかと、ホテルの裏手から出る無料シャトルで九龍駅を目指すことに。
 
シェラトンホテル、ランガムホテルなどを経由しながらの十数分のバス移動で九龍駅に無事到着し、エアポートエクスプレスに乗り込む前に飛行機のチェックイン手続き。1個30kg弱はあるスーツケースとはここでお別れすることになり、一気に身軽になった。
 
Airport Expressの車内 Airport Expressは、12分に1本くらいの割合で香港〜九龍〜青衣〜空港というルートで走っている。九龍からは21分ほどで空港だ。
 
ちょうど「4-person Group Ticket from HK$150」というプロモーションがあり、九龍〜空港間の4人分チケットがHK$220で購入できた(通常は大人片道HK$90)。
 
段差が無く広々とした車内は大型スーツケースを持ち込んでも不自由しないような作りで、でも各座席にテーブルなどはついていないので(そもそも移動時間も短いし)車内でお弁当を……といった雰囲気ではない。ホテルで包んでもらったサンドイッチは空港で食べることにして、しばしの列車の旅を満喫した。
 
空港に着いてみると、「さて、搭乗時間までまだ2時間くらいはあるね」ということに。
 
空港には有名チェーン甘味屋さん「許留山」もあるし、隣接する第二ターミナルには「杏花樓」もあったりする。でもちょうどお昼時、お腹も空いてきたよねと、
「ここ、化学調味料を使ってないのがウリの、ワンタン麺とか食べられるお店なんだよー」
ここ行ってみない?とだんなが提案して、「恒香桟 (Hang Heung's Kitchen)」に入った。幸いなことに洋食系メニューも豊富で、サンドイッチなども揃っている。
 
母はフルーツサラダとミルクティー、だんなはワンタン麺、息子は醤油ラーメン、と、各自それぞれ。
私は卓上のポップ札にムラムラしてきてしまって、「海南雞飯套餐」を頼んでしまった。シンガポールチキンライス海南飯、「配 香噴噴油飯、老火例湯 送 香滑紅豆冰」とある。
 
空港で最後の食事、「恒香桟」にて「海南雞飯套餐」 鶏のスープで炊いた御飯とスープ。酢漬けの野菜に蒸し鶏。ソースは2種類生姜ベースとチリベース。
 
送(Free)と書かれていた「香滑紅豆冰」とは、粒あん入りのコンデンスミルクジュースの事だった。
 
グラスに入った飲み物がやってきて「なんじゃこりゃ?頼んでないよ?」とよくよくみればセットとのこと。練乳の味がするジュース(というより、水に練乳溶きました、みたいなもの)の底に粒あんが沈んでいて、要するに「小倉ミルク氷」が溶けた味なのだった。
 
やたらと馴染み深い味で苦笑いしつつ、息子が手をのばしては「うま!なにこれ!」とか言いながら飲みまくっている。
 
滞在中、こればっかり食べていたよね……の「油菜」 そして、「やっぱりこれも最後に食べておかないと」とばかりに油菜も。
 
どこで頼んでも、「青菜炒め」と言えばデフォルトでこれ!とばかりに、本当にこればっかり食べていた。
 
でも、茎と葉それぞれの食感が楽しめ、さしてアクもない食べやすいシャキシャキとしたこの油菜は本当に重宝。ありがちな感じに、上からとろんとオイスターソースをかけた青菜を、これが最後を楽しんだ。
 
そして、たいそう美味しかった、母用のサンドイッチ。
 
ペニンシュラホテルで包んで貰ったサンドイッチ「Peninsula Club」。うまー!!! 母用に飲み物もフルーツプレートも別途頼んだし、このくらいはぎりぎり見逃してくれるよね?と、レストラン内で食べてしまったサンドイッチ。
 
厚めにスライスされたパン2枚の間には、レタスにトマト、茹で鶏とハムとベーコン、ハーブの香りの目玉焼き。たいそう具沢山で、「厳選した食材だけを挟みました!」という風な、挟んだもの1つ1つの味をしっかりと感じることができたサンドイッチはさすがの美味しさ。
 
「全部は多いから、手伝ってね」
と母から1切れ貰ったのだけど、息子が「いいなぁ〜」という顔をしていたので、その1切れを息子と半分こした。うん、こりゃ旨いね。ホテルでのんびりしてラウンジとかで食べたかったかも。

「香港國際機場」内「恒香桟 (Hang Heung's Kitchen)」にて
海南雞飯套餐(優恵)
雲呑麺
陽春麺
油菜
鮮什果沙律
熱奶茶
HK$78
HK$33
HK$32
HK$26
HK$45
HK$13

時間もあるしとのんびりめに食事して、食後に階下の「奇華餅家 (Kee Wah Bakery)」で、ちらっとお買い物。
 
「確かここのパイナップルケーキが美味しいらしいんだよ〜」
と、ノーマル味のパイナップルケーキ他、卵の黄身入りとココナツ入り、そしてマンゴーケーキも買ってみた。

「香港國際機場」内「奇華餅家」にてお買い物
香芒金酥
原味鳳梨金酥
蛋黄鳳梨金酥
椰果鳳梨金酥
2×HK$6
2×HK$6
2×HK$6
2×HK$6

上空から見る香港ディズニーランド 午後2時半。
 
予定の2時45分よりも若干早く搭乗が始まった。でもタイミングを同じくして降り始めた雷まじりの豪雨の影響で、出発に遅れが出たらしい。
 
もう私は眠いので寝ます……と、席につくなり離陸を待たずにうとうとし始めたのだけれど、「もう1時間くらい寝たかなー」と目を開けたのにまだ飛行機は地上にいて、軽くびっくり。
 
「お母さん本気でぐーぐー寝ていたでしょ」
僕は飛ばないなぁって心配になっていたのに、と息子は少々呆れ顔だ。
 
で、結局、定刻より30分ほど遅れての離陸になったけれど、でもその頃には雨雲も去って、また綺麗な青空が見えるようになっていた。右側の窓際に席だった私たちの眼下には香港ディズニーランド。エリアの中央あたりに見える白い円錐形の建物がおそらくスペースマウンテン。
 
この青空を滞在中にももっと見たかった……なんて ああ綺麗な青空だなぁ、こんな青空を滞在中にもっと見たかった……いやでもそれじゃ暑かったから天気悪いくらいでむしろちょうど良かったのかな、なんて思いながら、帰路の旅。
 
日本時間夕方6時頃に供された機内食は、「チキンのすき焼き風煮」か「ビーフカレー」かの2択。
 
ビーフカレーの注文が想定以上に多かったらしく、「ビーフの場合は少々お時間いただきますが……」と言いながら乗務員さんがギャレーと客席をせっせと往復しまくっていた。息子は「カレーだぁ!」とカレーを選択した挙げ句、「思ったより辛い……けっこう辛かった……」とちょっと涙目。
 
私はむしろ醤油味のものの方が恋しくてチキンを選択、「サラダとかがついてないのは短い距離の路線だからかなー?」と思いながら、案外軽めなボリュームの夕飯を平らげた。内容は、メインのおかずの他はパンとバター、フルーツ(ドラゴンフルーツ、メロン、スイカ、リンゴ)、チョコレートバー。
 
予定通りの時間に成田に着陸できていたらタイミングよく総武線快速に乗って家に帰れたはずだったのだけれど、到着が遅れたことでほんの数分の差で1時間に1本の快速を逃す羽目に。「私たち千葉に住んでるのに、なかなかおうちに帰れナーイ……」とぼやきながら出発ロビーのスターバックスで時間つぶしし、無事に家に到着できたのは夜11時を回った頃だった。
 
だんなも息子も、母も、皆さんお疲れさま。病気も怪我もトラブルもなく、今回も本当に何より。
 
さて、今回の旅行は台風に脅かされて、日々のお天気チェックがいつもの旅行以上に欠かせないものになった。
 
週間予報を見ていても数日でその予報は激変したりもしたけれど、唯一晴れた日に無事海洋公園まで行ける判断ができたのは天気予報を見ていたから。
ということで、私がチェックしていたのは以下2つのサイト。
AccuWeather.com - Hong Kong
Hong Kong Observatory : 7-Day Weather Forecast
 
そして、公式サイトを持たない飲食店の検索については
U Food
 
当サイトに「奶」などの中国語を表示するにあたっては
どんと来い、中国語 : 文字化けしないホームページ作成
の各サイトにとてもお世話になりました。
 
ああまぁ行きたいなぁ香港!