足が届かないトイレ

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とあるショッピングモール内のトイレを撮影してみたり

トイレの話。
ソフトドリンクをこれでもかと飲むお国柄だからか、ショッピングモールはもちろんスーパーマーケットやドラッグストアにも当然の如くお客用のトイレが完備されている。しかも便器数が多く清潔で、よっぽど混雑しているモールなどでなければ「トイレの前に大行列」という日本でありがちな光景は見られない。嬉しいことだ。

アメリカのトイレ、ドアは写真のように下部に30cmほどの隙間がある。上部にも空間がある。しかもドアを閉めても縦に細く(ひどいところは幅3cmくらいに)隙間ができたりする。全体的にスカスカと隙間風を感じてしまうトイレなのだった。
最初はこの隙間っぷりが少々つらくて(だって便器に座ると両側の個室に入っている人の足は見えるし、前を通る人の姿も見えちゃうし、気が紛れること甚だしい)、出るものも出なかったりした。日本人は繊細なのだ。

便器の種類、これが妙に豊富に思える。華奢な体型の人ならズボッとはまってしまうんじゃないかという程に「穴」が大きい(というか便座の幅が狭い、というか)ものから、逆に"これでちゃんとブツは下に落下するのだろうか"と不安になっちゃうほど便座の幅が広く「穴」が小さなものもある。高さも、低く感じるものから、普通に座ると足が浮いてしまうものまで。初めて"普通に座ると足が浮く"という便器に座った時は、内心ひどく屈辱に思ったりした。私の足はそんなに短くない、はずだ……(普通サイズだと思っていたのに……)。

そしてトイレットペーパー。これはショッピングモールなどのトイレならば、巨大な巨大なペーパーホルダーにセットされたペーパーが左か右についている。普通の家屋、あるいはレストランの中などの小さなトイレならば馴染みのトイレットペーパーだ。が、ペーパーのセットの仕方は日本と逆。日本は"手前上部から手前下部にだらんと下がる"向きにペーパーをセットするが、アメリカでは"奥上部から奥下部にだらんと下がる"方向にするのが一般的であるらしい。

トイレついでに、子供のオムツ及び女性用製品。これは圧倒的に日本の製品が質が良いように思える。"軽く・薄く・装着感を少なめに"なんて方向に商品開発されている日本製と異なり、アメリカのそれは「何でそんなにガサばりますか?」と問い詰めたくなるほどに分厚く巨大でゴワゴワなものが未だに多い。選べばそこそこ使用感が良いものはあるけれど、それでも日本製のものの方が品質は上だ。紙オムツはパンパースを越えるものは今のところ見つかっていない(その点では日本も同じ?)。

最後に、「やっぱりアメリカなのねぇ」と思ったこと。
アメリカ人女性は、"消音のために水を流しながら用を足す"なんてことはしない。大だろうが小だろうが、屁だろうが何だろうが盛大に音を出して致している。
日本人女性の多くは、大なり小なりをするとき、"その音"が周囲に聞こえないように水を流しながら用を足す習慣がある(私もつい、そうしてしまう)。水資源を守るためにと流水音発生器がついているところも多いけれど、アレを押すのも"今まさに排出してます"という合図以外の何物でもなく、却って恥ずかしくなってしまい、結局、水を流してしまったりしている人も少なくない、はずだ。

アメリカに来て、隣の個室から盛大にジャバジャバなる音が聞こえてくるようになって、なんとなく気分が楽になった(なんかね、その音がまた凄いんだ。一体何リットル排出してるんだお前、というくらい)。
そうよね、それで良いのよね。ここはトイレだもんね。