10月12日(土) Death Valley

「SOUTHWEST」に乗って

今度こそ、アメリカの国立公園を堪能する旅である。
2ヶ月前に
「ワイオミング州のジャクソン目指したはずがミシシッピ州のジャクソンに到着しちゃって、急遽国立公園旅行がニューオーリンズ食い倒れ旅行に」
という大変なことをやらかした後の、今回の旅行だ。空港の拠点はラスベガスになったが、
「ラスベガスって、ネバダよね。ネバダ、ネバダ、ネバダ」
と5万回くらいフライトチケットの申し込み画面を確認した。OK、多分、目指す地につけるはず(多分?)。

フライトチケットの問題は解消したと思われたが、更に大きな問題が出発直前に発生してしまった。
息子が昨夜に発熱してしまったのである。

滅多に旅行前や旅行中、旅行後に体調を崩すことのなかった息子だけど、前夜午前2時に荒い息で
「おかーさぁん」
と涙声で起こされたとき、多分38℃ちょっとの熱があったんじゃないかと思う。とりあえず水を飲ませ、再び3時半に泣き始めたのであれこれ世話しているうちに夜明けに。

だんなは半ば本気で
「もしも朝になってもこの熱が続くようなら旅行は中止だな」
と覚悟したらしい。私は私で、午前3時半の段階に
「あのね、明日は飛行機に乗って旅行に行く予定なんだ。……行きたい?」
と直接息子に聞いてみていた。
「うん、ぼく、ひこうき乗りたいなー」
ヒーハー言いながら答える気丈な息子。うむ、さすが私の子。
「OKわかった、じゃあ根性で熱を下げなさい」
と告げ、その言葉通りに朝には多少回復していたのだった。熱は37.5℃あたりというところだろうか。心配ではあったけど、出発してしまうことになった。

そして10時25分、テネシー州Nashville空港から私たちは飛び立った。今回使った航空会社は「飛行機業界のユニクロ」とでもいう感じの「SOUTHWEST」という会社。
すごいんである。安いんである。キャンペーン中だったりすると、19ドルだの39ドルだのといった馬鹿げた値段で旅行ができたりしちゃうんである。今回、NashvilleからLas Vegasまでは134ドル、他の航空会社の価格と比べると、明らかに安かった。安いには安いなりの理由がある。

まず、席は自由席。チェックインした時、渡される搭乗券には座席指定がされていない。チェックインしたタイミングによって、でっかく「A」だの「B」だのと記されているのだ。で、搭乗するときに
「Aのお客様、先にお乗りくださぁ〜い」
とABC順に案内されるのであった。で、好きな席に座る。我が家のように「3人並んで横に座りたいのよね」というのは、最後の方に搭乗してしまうとまずムリだったりするのだった(障害者や5歳以下の子供連れ、妊婦さんがいる場合などはチケットのアルファベットに関わらず優先的に搭乗できる)。

メンテナンスや部品を揃えるコストの解消に、どこに飛ぶにもただ1つの機種だけが使われる。3人・3人の横6人がけのシートの中央に通路が通り、前方と後方には飛行機ではなんとも珍しい"向かい合わせの席"まであったりした。

めでたく「A」のチケットを渡され、後方の3人がけシートに座ることができた私たち。お昼時の4時間のフライト、機内食などは当然期待できないなと思っていたけれど、面白いものが支給された。
けっこう嬉しかったです出発して数十分後、通常はドリンク満載のワゴンが通路を行き来するものだけど、やってきたのは"ドリンクのオーダー"だった。
「ジンジャーエールをくれぃ」
「ジュースをくれぃ」
などと告げると、ほどなくプラスチックカップに入れられたジュースがやってくる。同時に渡されたのは、箱入りのお菓子セット。

「Snack Pack」と書かれたその箱、中にはオレオとナビスコ社のチーズ味クラッカー、クラフト社のイチゴ味グミの3つが入っていた。袋入りのナッツも渡される。これが機内食だと思うと笑ってしまうけれど、なかなかどうして有り難いものだった。持ち帰ることもできるので、実際、数日後に車の中でパリパリ食べて良いおやつになってしまったりしたのだった。

ロッキー山脈を越え、はるか下に見える風景が荒涼としたものになってきた。テネシーやミシシッピあたりの風景は、ひたすら森の緑と川の青、という色合いだけれど、西に行くに従って風景はどんどん赤茶色や白茶色になっていく。砂漠のような荒涼とした風景が続いた挙げ句、いかにも人工的な雰囲気漂うオアシスのような町に降り立った。
飛行機を降りるなり目の前にはスロットマシーンが並んでいたり、鮮やかなショーの広告があちらこちらに飾られていたり。ラスベガスは話に聞いていたとおり、何やら凄そうなところだ。

Death Valley を目指して

空港で予約していたレンタカーに乗り込み、いざいざ最初の宿を予約してある国立公園「Death Valley」(デスバレー)を目指す。こちらの時間では午後1時前。だが、テネシーと2時間の時差があるため、私たちにとっては午後3時前なのだった。めちゃめちゃ空腹なのだった。

「まずは、飯!飯!」
「……でも、ラスベガスの繁華街に入っちゃうとなぁ」
「時間取られるし、何だか高そうな気もするよ」
「とりあえず、ちょっと郊外に出ますか」

と、Death Valleyに向けて高速道路を数マイル、右前方に小さなモール街が見えたので
「ここにしよう〜」
「何かありそう〜♪」
と車を止めてみた。アウトドアグッズ屋やスポーツセンターなどが並ぶ一角、いくつかの飲食店があり「Sweet Tomatoes」なるファミレスチックなお店に入ってみることに。「Salad and Soup Buffet」があるらしい。サラダとスープのブッフェ、軽い昼食には良い感じに思えた。

ラスベガスは「BUFFET」が名物と聞くけれど トレイを持ち、平皿に好みのサラダを盛りつけたところで会計。ドリンクを自分でディスペンサーから注いで席につき、奥まったところにはスープをはじめパスタものやパン類、グラタンのようなものも並んでいるのでこれも取ってこられるようになっていた。

シーザーサラダや中華風サラダの他、レタスや玉ねぎやにんじんやコーン、ポテトといった具材が並ぶ。ドレッシングは6種類ほどで、マカロニサラダやポテトサラダなどの種類もまぁまぁ豊富という感じ。生クリームソースのペンネや、ミートソーススパゲティ(アメリカらしく、麺はテロテロに柔らかい)、フォカッチャやピザパンなどのイタリアチックなパン類、そしてスープはクラムチャウダー、チキンヌードルスープ、チリスープ、コーンチャウダーなどが6種類ほど。更にフローズンヨーグルトのディスペンサーも置いてあった。チョコシロップやナッツをかけて食べられるようになっている。

"平熱よりちょっと高め"の熱にまで下がった息子は、泣いたり吐いたりはしないものの、まだちょっと元気がなかった。とりあえず何でもいいから食べられるものを、とフローズンヨーグルトを渡すと、それはけっこう嬉しそうに食べている。私たちは、がっちょり食べる。

味は、"普通"というか"今ひとつ"というか、モノによっては"もっとがんばりましょう"というか。
全体的に大雑把な味わいの品々は、どれもこれもアメリカンな味わいだった。一見するとごく普通のマカロニサラダに見えた物体はこってりねっとりと妙に甘ったるく、チャウダー系スープもどっぷりとした甘さが強い。それはまるで、キャンベルの濃縮缶詰を表示の半量の水で溶いて塩を抜いて砂糖を加えたみたいな感じ……とでも表現できるだろうか。
「あっはっはっはー、ブッフェだね。いかにもブッフェだ」
「そうそう、期待してはいけない、とりあえず満腹になったことだし」
苦笑いしながら、それでもたっぷり御飯を食べていざいざDeath Valleyへ。

Las Vegas 「Sweet Tomatoes」にて
Salad and Soup Buffet
Salad and Soup Buffet (Ages 3 to 5)
2× $6.99
$1.49

あとはひたすら北西に向けてひた走る。
高速道路(インターステート)から国道(USハイウェイ)へ。高速道路は中央分離帯がしっかりあるけれど、USハイウェイはお互い1車線しかない(場所によっては2車線以上あるところもあるけど、大概1車線)、一見ごくごく普通の道路。なのに周囲の車は時速80マイルほどで走っている、なかなか恐ろしい道路だった。時速80マイルといったら、時速120km超である。そのスピードですぐそこを通る反対車線の車とすれ違う。一度、大型トレーラーとそのままの速度ですれ違ったら、風圧で私たちの車が50cmほどズルッと右にスライドするということが起こった。それ以来、大型車とすれ違うときは速度控えめにしていた我が夫。

ラスベガス郊外からUS 95を116マイル。「Beatty」という、小さな小さな町についた。ラスベガスを抜けてすぐ、周囲の光景はとても閑散としたものになった。乾いた茶色の大地に、同じように乾いた色の低木や草がちょこちょこっと生えている。その草木の色がまた茶色だったり白茶だったりするので、全体的に殺伐とした印象の光景だ。

カサカサ〜とした印象の風景

午後4時すぎ、係員のおばちゃんが「そろそろセンターを閉めようかね」と動き出していた頃に、BeattyにあるDeath Valley Information Centerに飛び込むように到着することができた。
ここで、「2002 National Parks Pass」を購入する。

1年使って50ドル。安いと思うアメリカの国立公園の入場料は、車で入場する場合10ドルから20ドルくらい(徒歩や自転車で入るとまた違う料金)。年に何度も国立公園を訪れる人のために、50ドルで「1年間、これでどこでも行けますよ」というパスを発行してくれる。車1台あたりの金額なので、来客を連れて行ってもそのカード1枚で全員入れるのだった。なかなか便利だ。

今年の絵柄はユタ州の「Arches」のもの。裏側にだんなのサインと、"Spouses Signature"として私のサインも書く場所があった。カードには一ヶ所、"Oct"の位置に穴があけられ、来年の10月までが有効だとそこで見分けられるようになっている。
自動車に貼るための同じ絵柄のステッカーと、国立公園マップなどが納められた紙製のケースが渡され、「国立公園だ、国立公園だぞー」という気分が盛り上がった。

日はいよいよ西に傾いてきた。日暮れ前に宿につけるかな。

Death Valley ・ 1

長野県と同じ広さがあり、アメリカ国内で最大級の広さの国立公園。夏は気温50℃を越える灼熱の砂漠があり、"アメリカ最低地点"なる場所もあるというのが「Death Valley」(デスバレー)。カリフォルニア州にある(ほんの少しネバダ州にも入っている)。
砂漠の写真を見てからというもの、グランドキャニオンよりもイエローストーンよりも
「行きたいぞ!ここ、絶対行きたいぞ!」
と強く思っていた私だった。季節もちょうど、涼しくなってきた秋。真冬になればなったで人気スポットとしてお客が大勢やってくる場所なので、一番良い季節かもしれなかった。

気温の高さは、周囲をぐるりと囲んでいる山のせいだ。山と山の間を縫うようにくねくねと道が海抜マイナス何十メートルの地に降りていく。高さのある木はどこにもなく、岩山というか土山というかなのっぺりした山にぽつぽつ低木が生えている。生き物の気配はほとんど感じられず、カラスだけが飛んでいる。

主な観光スポットは公園の南東に集中している。私たちは北東から公園に入ったが、西の外れにある宿を予約していたので、とりあえず観光は明日に回すことにして途中のスポットだけちょこちょこ立ち寄りつつ宿を目指すことになった。

道のそここに、車がオーバーヒートしたときのためのラジエーター水が置かれている。坂も多いし、日陰はほとんどない。盆地にはいった途端に、気温は外界と7℃くらいは違っているように感じられた。長袖が心地よい気候だったはずなのに、タンクトップ1枚で動きたくなってくる。

アメリカ人は「悪魔」という単語が好きだねぇ

Devils Cornfield (悪魔のとうもろこし畑)

宿に向かう道の途中、看板が出ていたのが「悪魔のとうもろこし畑」。
低木のその木の感じは今ひとつ"とうもろこし"とは違うような感じではあるけれど、その木がほぼ等間隔に、確かに"畑"のようにずらずらと数百メートルも続いている。小さな石が転がり、ひび割れたような大地はひたすら乾いていて、"悪魔の"と表現したくなる気持ちもわかるような気がする。

「悪魔のとうもろこし畑」を過ぎ、100mほど遠くにけぶる砂丘を眺め、とりあえず急ごう、と西へ西へと進んでいった。

Panamint Springs Resorts の暗い夜

「片側が崖、しかも柵などは無し」というスリリングな道路(後になってみると、山岳部の国立公園内部や周囲の道路はこういうのばっかりだった)をブイブイ飛ばして、午後5時過ぎに無事に今晩の宿、「Panamint Springs Resorts」に到着。……が、どうも様子がおかしかった。

レストランが宿の受付も兼ねているようだったけれど、そのレストランの内部は日暮れ時だというのに真っ暗だ。人の気配はあるし、レストランのテラスでは何組かが既に夕食を摂っている。でも異様なまでに静かだった。レストランの入り口を覗き込むと、中にはロウソクの炎が2つ3つ揺れている。どうも、演出でそうしているというわけではなさそうだった。

レジの中に立っていたおばちゃんが言う。
「あのねぇ、今日、発電器がイカれちゃったのよ。部屋に電気はつかないわ。このレストランもね。熱いお湯も出ないからシャワーも無理。宿泊のキャンセルをしたければそれでも良いし、泊まってくれるなら60%オフにするわよ」
電気、つかない。お湯も出ない。もうすぐ日も暮れ、食事は暗闇の中ですることになるかもしれない。
顔を見合わせて、思わず苦笑してしまう私とだんな。さぁどうしよう、けっこう大変なことになった。

ここは公園の西端なので、数マイルも車を走らせれば公園の外には出られる。が、この先の町に宿はあるのか距離はどのくらいなのか、情報源は1枚の地図しかなかった。
レストランの奥、真っ暗な厨房からは肉の焼ける美味しそうな匂いが漂ってきていた。どうやら夕御飯はちゃんと出してくれるらしい。疲れていたこともあって、いいよいいよ、暗くてもいいよシャワーなくてもいいよ、とそのままチェックインすることにした。部屋の鍵と共に「これもどうぞ」と渡されたのは、アルコールランプ1個とろうそく1個、マッチ1箱。

部屋はモーテルタイプで、車を部屋の前の広場につけ、部屋の入り口ドアはその広場に向いている。扉を開けるとすぐにベッドルーム。ダブルベッドが2つとラックが1つ、椅子が2つ。半畳ほどの小さなウォークインクロゼットがあり、小さなバスルームにはバスタブはなく、簡素なシャワーと便器、洗面台だけ。洗面台の横に折り畳みの小型テーブルがあり、シャンプーや石鹸などが籠に詰められていた。外も薄暗くなりつつあり、部屋の中はこの時間で既に暗い。早速ランプに火を入れてバスルームに置き、こわごわと用を足す。

部屋にはテレビも電話もなかった。電話がない時点でインターネット接続の道は絶たれていたけれど、更に電気もつかないということで絶望的な状態に。私のノートパソコンのバッテリーは1時間と保たなくなっているものなのだ。
とにかく、真っ暗になってしまう前に食事を済ませてしまい、暗くなったら"後は寝るだけ"という状態にしようね、と荷物を置くなり食事に出ることにした。その前に、ベッドの上に寝間着を出しておくことだけは忘れずに。

あー、日よ暮れないでー、と思いながら眺める

内心パニックな私たちをよそに、夕日に照らされるデスバレーの山々は壮絶に美しかった。殺伐とした風景の山が、真っ赤に染まって輝いている。レストランの各テーブルにはろうそくが置かれ、給仕のおねぇちゃんは懐中電灯を片手に注文を取り始めた。こんな状況だというのに、きっちりハードカバーのメニューが手渡されてしまうのがちょっと笑える。
「僕はこれで、妻も同じくこれね。……で、息子のなんだけど、ホットドッグはできる?」
メニューを指さす我が夫。
「できないわ」
「……じゃあね、フライドポテトは?」
「それも、ムリ」
……だったらメニューを渡さずに、今作れるものを言ってくれた方がありがたい、と苦笑してしまいながら私たちはステーキを注文。こんな状況だというのに、きっちり
「焼き方は?」
と聞かれてしまった。ミ、ミディアムレアでお願いします。

ビールは出せるということで、ネバダの地ビール「Sierra Nevada Pale Ale」を出してもらった。琥珀色のカラッとした味わいの好みのタイプのビールが出てきて、しみじみそれを美味しく思いながら料理を待つ。日はいよいよ西側の山の下に沈み、空が青紫になっていく。

写真を見て、後から「こういうもの食べていたのね」と再確認「A 10 oz Filet, Seasoned and Cooked Just the Way You Like It.」なる説明が書かれていた「The 49er Filet Steak」が紙皿に乗せられてしずしずと私たちの前にやってきた頃には、ろうそくの明かりでようやっと物体の輪郭がわかるくらい、という状態になってしまった。ミディアムレアだかミディアムだか、そもそも牛の肉かどうかすらの判別が目では不可能です、という感じ。自分がナイフで何を切っているのかすら怪しく感じられる中、触覚と味覚と嗅覚を総動員しての食事となった。
「何が来たのか、わからないね」
と笑いつつ、でも皿の上から漂ってくる匂いはとてもとても美味しそう。そして実際にとてもとても美味しかった。

厚さ5cmほどもあろうかという大きな牛肉は肉汁たっぷりで焼け具合も(舌と歯の感触などからすると)ばっちり、という感じだった。その上にはグリルした大きな玉ねぎの輪切りが置かれ、お肉の横には巨大なじゃがいも。オーブン焼きしたじゃがいも用にか、バターとサワークリームが小さな器に盛られてついてきた。更に、パプリカやズッキーニや玉ねぎなどの塩炒めが山盛りに。
息子はガーリックトーストを囓っていた。香ばしいトーストは美味しかったけど、最近暗闇を怖がるようになってしまった息子は
「……くらいね。……こわいね……」
と半分泣きそうになりながら食事をしていた。


California州 Death Valley 「Panamint Springs Resorts」にて
The 49er Filet Steak
Sierra Nevada Pale Ale
$16.65
 

食事の後は、早々に就寝。手探り状態で寝間着に着替え、ごそごそとベッドカバーをめくって入る。
真の暗闇はこういうものなのなのか、と感心するほどの暗さの中、やっぱり息子は怯えていた。貴重な体験なんだから楽しまなきゃー、がんばれ、息子。

で、深夜3時。
「トイレ行きたい……」
と息子に起こされる。最近は夜中に一人でトイレに行けるようになった息子だけど、さすがに暗闇の中で一人トイレに起きる勇気がなかったらしい。

眠い目をこすりながら真っ暗闇の外に出てみると、空には恐ろしく綺麗な星空が。これまで日本のスキー場や冬の温泉場などで何度か綺麗な星空を見ることはあったけれど、ここまでキラキラギラギラたくさんの星が見えたのは生まれて初めてのことだ。オリオン座くらいしかわかる星座はなかったけれど、オリオン座の下側の台形の中にあるという星雲のモニャモニャした感じまで肉眼で見えたのが感動だった。
そのままほけーっと十数分星空を眺める。電気のない夜の、嬉しい出来事だった。