8月20日(火) 更に牡蠣っ喰いに、行こう〜♪

巨大な巨大なフレンチトースト〜「The Market Cafe」

本日は8時起床。今朝はホテル近くのオープンカフェで朝食をとってみることにした。
昼過ぎや夜には毎日ジャズの生演奏をやっているお店で、そこそこ繁盛している様子。ちょっとだけ気になっていた。

朝の時間帯はほとんど客はいなかった。週末にはビュッフェ形式の朝食も供されているようだけど、平日の朝は何種類からか選べる朝食のセットメニューがほとんどだ。

メニューに「French Toast」なる魅力的な単語を見つけ、私はそれにすることに。だんなは2枚のパンケーキと2個分の卵料理のセット。オレンジジュースやアイスティーを持ってきてもらい、しばし待った。
今日もじりじりとした暑さがある。朝から気温はどんどん高くなり、昼には35℃を越えるだろうなぁという予感がする。

やっぱりこれはスクランブルエッグとは言えない…… 巨大な巨大なフレンチトースト

だんなの元に最初にやってきたプレートには、笑っちゃうほどいびつなパンケーキが2枚と、"スクランブルエッグ"という注文に応えたものにしては隨分と卵焼きのようになっちゃってる卵料理、そしてカリカリに油が抜けたベーコンが5〜6枚どっさり乗っていた。いびつなパンケーキは素朴な味。テーブルにはパック入りバターやメープルシロップが小皿に山になって出されていて、それをぺたぺたつけつつ食べる。息子はパンケーキがいたく気に入ったようで、だんなの皿から1枚ぶんどってぺろりと食べてしまった。

そして私の元にはこれまた巨大なフレンチトースト。
斜めに切られた巨大なフランスパンが3切れ、シナモンパウダーがふられて皿の上に乗っている。卵液を染み込ませてオーブンで焼いたようなそれは確かにフレンチトーストだけど、「バターたっぷり、そいでもって卵液もほんのり甘い」のが好みな私としてはちょっとばかり物足りない風味。で、テーブル状のバターとメープルシロップを手にして、たっぷりまぶしながら食べた。フランスパンのフレンチトーストはやっぱり旨い。でも、でかかった。

全体的に味の方は「超美味しい〜!」というほどでもなくて、いたって普通。でも量だけはたっぷりで、数時間もりもり動けそうだ。


New Orleans 「The Market Cafe」にて
French Toast
2 Pancakes 2 Eggs set
オレンジジュース
アイスティー
アイスカフェオレ

路面電車に乗って

午前中は、「アンティークショップや洒落たコーヒーショップなどが並んでいて楽しい通り」とどこかで読み、「Magazine Street」なる通りの散策。調べてみるとその「Magazine Street」は10kmもある通りで、「一体どこがその繁華街なの〜?」と少々迷いながらの散策となった。French Quarter寄りの起点からてくてく3kmくらい何もないところを歩いてしまい、そこで疲れたので数ブロック隣を平行に走っている路面電車に乗ることに。そこから「Garden District」なる高級住宅街エリアに移動し、その周辺の「Magazine Street」をぷらぷらした。確かに洒落た雑貨店とか面白そうなアンティークショップ、時代がかったカフェなどがあって良い感じ。良い感じなんだけど……微妙に私やだんなの「このへん好き〜!サイコー!」というアンテナにはひっかからない。今ひとつ、つまらない。

結局、暑さの中バテるようにして中心部に戻ってくることになった。
つくづく有り難いのは路面電車の存在だ。ニューオーリンズには、ミシシッピ川と平行に海側を短い距離走る「River Front Street Car」と、繁華街から動物園方面までを長い距離走る「St.Charles Street Car」の2種類がある。話によると、アメリカ最古の路面電車がここのものらしい。海側を走る真っ赤な路面電車も、内側を走る渋い緑色の路面電車も、どちらもなんとも可愛いらしい姿だ。前の電車が行って5分経たないのに次のが見えてきたり、20分待っても影も見えなかったりとスケジュールはまちまちだけど、1回乗って$1.5、一日券だと$4はなかなかに便利。滞在中、何度となく路面電車にはお世話になった。息子も大喜びだ。

路面電車〜♪

2人がけ席が4つほど、シート席に8人ほどが座ればいっぱい、という感じの小さな路面電車には冷房などはついておらず、窓を開け放して「自転車よりは早いけど」くらいのスピードでゆったりゆったり走っていく。芝生の生えた並木道の真ん中を走ったりするので風光明媚なことこの上ない。次の停留所で止まって欲しいときには、窓際の上に張られたロープをニューッと引っ張ると前方でブザーが鳴るようになっている。のどかだー。ステキだー。

牡蠣屋でジャンバラヤ〜「Felix's Restaurant」

散策しているうちに、すっかり昼飯時になってしまった。
路面電車が「Bourbon Street」そばを通るのを良いことにそこで下車し、近辺にいっぱいあるOyster Barの一つで御飯を食べることにした。牡蠣好きの私たちは「あのへんに牡蠣!」「こっちにも牡蠣!」と牡蠣屋の場所をくまなくチェックしていたりする。安い店を探してもみたけど、でも、あんまり生牡蠣の値段に各店変わりはないようだ。まるでなんか協定でもしているんじゃないかというほどに、ほとんど同じ。

昼飯にと選んだのが、「Felix's Restaurant & Oyster Bar」という店。こういう店なら大概、だんな好物「Po-Boy」も置かれているからだんなに異論のあるはずもない。
窓際のボックスシートに案内され、
「おゆきさーん、夜もオイスター食べるんでしょ?生牡蠣は続けて食べない方が……」
と生牡蠣を避けようとする夫に
「1個しか喰わなくても当たる人は当たるし、毎日食べても当たらない人は当たらない!」
と断言して「あなたが食べないなら私一人で1/2ダース食べるわよー」という勢いで生牡蠣1/2ダース注文。もう牡蠣。何が何でも牡蠣。生牡蠣サイコー。で、生牡蠣となったらビールも頼まなきゃいかんのである。

牡蠣〜♪こちらは山盛りジャンバラヤ 今日のビールはDixie。がぶがぶ飲みながら、結局だんなも一緒に生牡蠣をかっくらうことになった。
テーブルにはケチャップとチリソースと、小さな容器に入ったホースラディッシュが置かれている。それらをちょいちょいと落としつつ、レモンをギューッと絞ってツルンと食べる。生臭くない新鮮な牡蠣は今日も絶好調に美味しかった。……でも、一昨日食べた「Acme」の方が若干美味しかったかなぁと思う。

そして、だんなのメインディッシュはミートボールのPo-Boy、私は御飯ものが恋しくてジャンバラヤ。
Po-Boyの巨大さを鑑みて「御飯ならいっぱい食べられるかなぁ……」と思って注文したジャンバラヤだけど、甘かった。楕円形の深さのある皿にはどっぷり山盛りになった御飯。軽く2合分くらいあるんじゃないかと思えるほどのたっぷり飯に、ピリ辛味ソーセージや鶏肉がわしわしと入っている。トマトソースベースの、その割に酸味はそれほどなく甘味と辛みが強いような"こってり味炊き込み御飯"はすごく美味しいけど、その山はいくら削って食べても少なくならない。かなり手強かった。


New Orleans 「Felix's Restaurant & Oyster Bar」にて
Raw Oysters on the Halfshell (1/2dozen)
Jambalaya
Meat Balls P-Boy
Beer (Dixie)
Coke
$3.95
$10.50
$7.25
2×$3.00
$1.75

貴族気分を味わってみる〜「Oak Alley Plantation」

オークの並木から見える大邸宅。ステキー

昼食を終え、一旦宿に帰ると1時半を過ぎたところだった。あまりにも汗みどろだったので一度シャワーを浴び、一休み。で、まだまだ時間もありそうだとミシシッピ川沿いに点在するプランテーションハウスの見学に行ってみることにした。

ニューオーリンズから高速道路をかっとばして50マイルほど。途中ミシシッピ川を越える長い橋も渡り、1車線しかない細い道をずんずん進んでいくと、それらしい案内板が次々と目に入ってくる。写真でちらっと見て、「ここがいいなぁ!」と目を付けた「Oak Alley Plantation」なるところに行ってみることにした。なんでも映画のロケにも多数使われているところだとか。確か「Interview with the Vampire」の最初のあたりもニューオーリンズのプランテーションハウスでロケをしたとか聞いたことがあるなぁ……と思っていたところ、まさにこのプランテーションハウスがそのロケ地だった。

暖炉のある居間。年代物のピアノが置いてあった もうすぐ4時という時間に到着したものだから、観光客の姿もそれほど見えない。入場料は一人$10と、他で見た案内に比べてかなり高かったけど、とりあえず支払って入場。車に乗っている時に見えた大邸宅に向かって歩いていくと、玄関のところにそれらしきコスプレをしたおばちゃんがニコニコと案内する。
「あと数分でご案内するから、裏で待っていてね」
とのこと。裏に回ると、表通りまで続く一本の道の両側に見事な大木のオークの並木が広がっていた。樹齢は200年以上もあるらしい。このハウス自慢のオークの並木がこれだ。写真で見るより何よりその光景は美しかった。これだけで「おー!来て良かったなぁ」と思える絶景だ。

感動している間に、先のコスプレおばちゃんに案内されて屋敷の中へ。他の10人ほどの観光客と一緒に屋敷の中を30分ほどかけて案内された。もちろん英語で、そのおばちゃんの英語は非常にゆっくりめで聞きやすかったにも関わらず、一番聞き取れたセンテンスが「ここの1階から2階への階段は22段です」なんてどーしよーもない情報だったのが我ながら情けない。

天蓋つきベッドのある主寝室 どの部屋も呆れるほど広く、レースぴらぴら装飾キラキラという感じ。窓から見える風景はどこを見てもうっとりするような景色で、一度でいいからその天蓋つきベッドに寝てみたいなぁとしみじみ思った。
一階で見学できたのは居間と書斎。二階には主寝室と子供部屋と、娘さん用と思われるツインベッドの置かれた部屋。ベッドにはどれも豪奢な天蓋がついていて、なんともロマンチックだ。
ロマンチックだけど、憧れちゃうけど、こんな家じゃ「ジャージ来て髪ボサボサでポテトチップ食べながら漫画を読む」なんて行動は絶対取れないなという感じ。ジャージも似合わん、髪ボサボサも論外、ポテチなんて許されず、漫画読まずにハードカバーの書物を読め、と叱咤されそうな雰囲気だ。貴族やるのも楽じゃなさそう。

そして最後にテラスに出ての案内。
「あそこが台所です」
と指さされたところは母屋と離れた別棟で、そこから小道を通ってダイニングまで料理は運ばれてくるということだった。アイスクリームなんか溶けちゃいそうな距離。あのへんが奴隷部屋で……なんて案内もあった。

そしてここを出たのが午後5時過ぎ。日が傾いていく道を再びニューオーリンズに向けて戻っていった。


Oak Alley Plantation
3645 Highway I8 Vacherie, LA 70090
225-265-2151
http://oakalleyplantation.com/
Adults $10

ソフトシェルクラブ♪〜「Mike Anderson's Seafood」

今日がニューオーリンズ最終夜。
「やっぱり牡蠣〜!」
「山盛りの牡蠣〜♪」
と牡蠣に思いを馳せつつ、昼に続いてまたもやOyster Barに行くことになった。今度の店は「Mike Anderson's Seafood」。2つの目当てがあって、牡蠣料理の「オイスターロックフェラー」と、蟹料理の「ソフトシェルクラブ」も食べたいねと検索していて、この店を見つけたのだった。地元の評価もそこそこ高いようで、ちょっとばかり期待。

街一番の繁華街「Bourbon Street」沿いにあるこの店、周囲はジャズバー、飲食店、風俗店などなどで大変な騒がしさだ。生演奏をやっている店は通りに響くようにそのドアを開け放し、他の店は負けじと店内に流す音楽の音量を大きくしている。ジャズもカントリーミュージックも今風の音楽も全部ごっちゃに通りに流れ、しかもところどころの店の前には、日本の"酔いどれ横町"みたいなところで嗅ぐことのできる匂いと同じ香りが漂っている。どこの国も繁華街の匂いというのはさほど変わらないのかもしれない。

席につくなり、とりあえずビール。私は好みの「Abita Amber」を注文し、琥珀色のそれを愛でつつぐいぐいと飲む。今日もビール2杯コースだ。当然生牡蠣も半ダース。ここもまた、充分新鮮でプリップリのやつが来て、しみじみ幸せになりながらツルツルと食べた。カクテルソースとレモンが添えられるのはどの店も同じだ。

ソフトシェルクラブ。蟹さんの丸揚げー オイスターロックフェラー。見かけはすごいけど旨いっ!

そして続々と料理が来た。息子用には海老フライとフライドポテトがセットになったチャイルドミール。テーブルの中央にはソフトシェルクラブが2尾分、そして更にオイスターロックフェラーが6個やってきた。テーブルは食べ物だらけ。幸せな光景だ。アメリカに来て、毎日がほとんど「肉料理肉料理、そして肉料理」という生活だったけど、ここまで魚介たっぷりというのはニューオーリンズが初めてだった。

ソフトシェルクラブは、脱皮直後の蟹なのだとか。殻がふやふやと柔らかいので、殻ごと食べられる。通常は丸ごとフライにするそうだ。
やってきたそれはまんま「丸揚げ」。ハサミも足も綺麗にそのままの形でこんがり揚げられていて、自分がサワガニ食べるクマにでもなった気分がする。足をもいではパクリ。ハサミをちぎってはパクリ。本当にそのままサクサクとどこもかしこも食べられるので、殻が柔らかいというよりは私の顎が頑丈になっちゃったのではないかという錯覚がでてきてしまう。1ヶ月分のカルシウムを摂取した気分になるそれは、身が詰まっていてそれを余すところなく殻ごと食べられるのが快感だった。味はシンプルな塩胡椒味で、レモンをギューッと絞って食べる。
しかし……丸揚げの蟹って、何だかシュールな光景だ。

「オイスターロックフェラー」は、「牡蠣のほうれん草ソテー乗せオーブン焼き」という感じのもの。ほうれん草をバターや生クリームのソースてくてくてに煮たようなそれは、その料理一品がスタンダードなクレオール料理。それを牡蠣の身にまぶして表面をこんがりとオーブン焼きにしてある。昨日「GUMBO SHOP」で食べたあのほうれん草のソテーに牡蠣の磯臭さが混ざり合って、これはこれでとても完成された味がする。牡蠣のクリームコロッケでも食べているようなその生クリームの風味がとても濃厚。だんなは相当ツボに入ったようで、しばらく蟹そっちのけで「うーまーひー、うーまーひー」と悶えながらこの牡蠣を喰っていた。他の料理はとにかくビールに似合いそうだけど、これだけはキリッと冷えた白ワインなんかが恋しくなってくる。

6個の生牡蠣に6個の焼き牡蠣、2個の蟹。魚介盛り沢山で、しかも蟹料理にはポテトやサラダもついてきたのですっかり満腹になってしまった。ビールもたっぷり1人2杯。
すっかり路面電車も乗り慣れて土地勘もつき、のんびりミシシッピ川沿いに歩いてでて路面電車に乗ってホテルに帰った。この日もホテルの前には「ゴーストツアー」の皆様が溜まっていて、苦笑しながら部屋に戻る。果たして私たちのホテルには幽霊がいたんだろうか?気になるけど、毎日熟睡できていたし快適だったので問題はないはずだ、多分。

New Orleans 「Mike Anderson's Seafood」にて
Oyster on the 1/2-shell (6)
Oyster Rockfellar(6)
Softshell Crab 2
Kid's Shrimp Fries
ビール(Foster Draft)
ビール(Abita Amber)
$3.95
$9.95
$14.95
$4.50
$3.75
3×$3.00