食欲魔人日記 00年1月 第3週
1/10 (月)
づけ丼
抹茶入り玄米茶

起きると、寝室には私一人。
居間ではだんながテレビゲームに興じていた。んぼ〜っとしていると、何時の間にか食卓にはづけ丼が並んでいた。
年末に購入した、巨大なマグロのサクを切って漬けておいた"づけ"である。もう何日も漬けられ続けていたまぐろは、悪くはなってはいなかったけれど、さすがにちょっと危険な感じ。たれが染みすぎて、まぐろが赤黒く半透明になっている。
あったかい御飯に海苔をたっぷり、上にまぐろをたっぷり。かつおのだしの効いた"づけ"は、それでも思った以上に美味しくてほっとした。

味噌バターコーンラーメン
麦茶

「スパゲティとか、ラーメンが食べたいなぁ。焼きそば、うどん……」
と"麺摂取提案"をしてくるだんなに応え、
「ならば、味噌ラーメンでしょう。味噌バターコーンラーメン。」
とリクエスト。
我が家の"麺料理担当"であるだんなが買い物に赴き、麺ともやし、ひき肉などを入手してきて、うきうきと台所で動いている。

私は"オール・オア・ナッシング"タイプである。
手間をかけるとなったら既製品のスープやソースの類は一切使わないが、"手を抜くもんね"と決めたら最後、果てしなく何もしなくなる。
インスタントラーメンにするとなったら、もう鍋に作ってそのまま食べるでいいじゃないか、という思考をしてしまう。コーン缶でも開けて、バターの1つも落とせば上々だ。

だんなは、違うらしい。
"少々の手間で美味しくなるなら"とインスタントラーメンのグレードアップも怠らない。鍋を2つも3つも使って出来上がるようなら、それは"インスタント"ラーメンと言わないんじゃないか、と私などは思ってしまうが彼の中ではそういう手間は手間ではないらしいのであった。

というわけで、もやしとひき肉、それに"ひき肉入れるなら、にんにくも必要だよなぁ"という理由でにんにくのみじんも一緒に炒めてそれを具とし、別鍋でゆで卵まで作られている現状なのであった。
湯を張って温めておいたどんぶりにスープを張り、麺を入れ、具を大きく盛りつけ2つ割にしたゆで卵を乗せる。コーンも乗せて(私には大盛りだ)、バターをひとかけ。何だか店で出てきそうなゴージャスラーメンが食卓にのぼったのであった。

味噌ラーメンにバターは不可欠だ。
コーンの重要度も相当高い位置にくる私であるが、やはりバターを落とさなければ味噌ラーメンではないのである。
恭しく"カルピス特撰バター"を取り出し、厚めに切った塊をどんぶりの隅に落とす。周囲にバターの膜を作りつつやわやわと溶けゆくバターの、小指の先ほどになったやつを口に放り込むのが私の至高のひとときなのであった。溶けかけた、でもまだ冷たい部分の残るバターって美味しいんだよねぇ。口の中にふわわわわんと漂うバターの香りがもう最高。……という私は……ヘン?

宅配寿司
インスタント吸い物
ビール、日本茶

蛋撻
プーアル茶

バターたっぷり味噌ラーメンを食べたのが午後1時半。
夕方になっても夜になっても空腹は遠く、やる気までも遥か遠くを浮遊していた。
「ピザァ〜?」
「うどん〜?」
「そばぁ〜?」
などと覇気に欠けた会話の後、財布と相談して安めの宅配寿司を取ることに。

50分ほど待って届いたのは、大きな飯台に入った寿司。子供用のミニ寿司と合わせ、箸が5本も入っていたのは何故だろう。
穴子といくら、うにという"せりあちゃん好き好きセット"が怠りなく入った寿司を、ビール片手にがつがつ食べる。深紅のまぐろはやたらと厚く大きく、得体の知れないまぐろっぽい赤身のたたきの巻物が入り、山葵はシャリの真横についてるのがあったりと、ちょっとトホホな宅配寿司。それでもサーモンや帆立はなかなかイケたし、穴子やうにも不味いという程ひどいものではなかった。手抜きさせてくれてありがとう、宅配寿司。

1/11 (火)
お赤飯
抹茶入り玄米茶

「赤飯は1週間以上の保存が可能か」
の命題を抱えた、本日の朝食。

1月3日、だんなが祖母宅でいただいてきた赤飯がその検査対象である。いただいてきてから8日、2日間は涼しい場所で常温保存(冷蔵庫がぎちぎちで入らなかったの……)、以後は冷蔵庫にて眠っていただいている赤飯である。白米ならば、もう絶対ヤバイだろうというタイミングである。だが、食う。気にせず、食う。赤飯は大好物だ。
レンジで5分チンし、大きめ陶器皿に盛ったそれを各自茶碗に取り分けて食す。ごま塩も当然必須だ。
米と米の間に、薄く糸が見えたような気がした。……まぁ、餅米だし、多分OK。
小豆が、なんとなく違う風味がするような気がした。……まぁ、酸っぱくないし臭くはないから、おそらくOK。
かくして、"ちょっとヘンだけど、まぁ見ないふり"作戦で赤飯の残りは綺麗に片付いたのであった。
結局命題の真偽は出たのだろうか?我が家的には、多分「真」なのだ。他の家がどうかは……考えないことに、しよう。

ところで、昨日の日記猿人投票数が8票もありました。
食欲魔人日記、初の快挙です(いつもは5票前後なのね)。
どうやらその原因は、「味噌バターコーンラーメン」にあったようです。コーンが必須。バターは更に必須。こんな数行が大きな反響(←8票)を呼ぶとは。侮りがたし味噌バターコーンラーメン。

近所のパン屋の
 バターシュガートースト
べこの乳 コーヒー牛乳

「パン食い」の私は何かというとパンを食べたがる。
かくして今日も近所のパン屋「フロリダ」に向かうのであった。ここは、昼12時に焼き立てトーストが並ぶのである。目玉焼きが乗った「エッグトースト」、ペースト乗せの「カレートースト」etc。
本日は「バターシュガートースト」。横に並ぶ「シナモンシュガートースト」と見比べ、思案した結果である。お供には「べこの乳コーヒー牛乳」。名前は何やら気恥ずかしくてすごいものがあるが、べこの乳は旨い、と思う。殊に値が張るドリンクヨーグルトなんかもう、最高である。

まだ湯気を立てているトーストに噛りつきながら考える。
「何故、外で食べるトーストは、旨いか」

口から鼻孔に広がるバターの香り、シャリシャリと溶けきらないグラニュー糖の甘さ。
きっと、自分でやったら躊躇するほどのバターと砂糖が使用されているのだろう。「げげげ、そんなに乗せちゃうの!?」」と思う程のバターと、「うげげげ、そんなにかけちゃうの!?」とたじろぐ程の砂糖がまぶされているのだ、このパンに。
そういえば、チャーシューまんには1個あたり大さじ2杯以上の砂糖が使われているらしい。
知識を得ることは時に恐ろしいものである。
だけど、まぁ、美味しいから良いのである。バターシュガートーストもチャーシューまんも。

ハヤシライス
R1/Fの
 ロメインレタスのサラダ美しい緑のドレッシング
 2種類の柑橘とウイキョウのサラダ
よなよなエール、アイスコーヒー

カンカンに熱した中華鍋にバターを大きく1かけ。1個分の玉ねぎ薄切りをくたくたになるまで炒めたら、牛薄切り肉を投入。適当に炒まったところで、ポートワインを入れて少々煮込み、そこへ冷凍保存しておいた手製ドミグラスソースを入れる。最後に片栗粉にてちょいととろみをつければハヤシライスの出来上がり。何だか今日はこういうものが食べたくなったのであった。

で、副菜はデパート惣菜売場のサラダ。先日に引き続き、月代わりサラダから、まだ食ってない2種を買ってきてみた。ひだひだしているロメインレタスを使ったサラダと、オレンジたっぷりウイキョウサラダ。どちらも酸味がやや強いけど、妙に本格的味がする。悪くない。

さて。いざハヤシライスに相対する段になって、だんなが言った。
「にんにく、入ってる?」
目がキラキラしているところを見ると、"入れた方が僕は好みなんだなぁ"という心の声が潜んでいるらしい。
ごめんよ。にんにく入ってないんだ。ていうか、普通ハヤシライスににんにくは入るもんなのか?

1/12 (水)
チャーシューまん
野菜まん
プーアル茶

雪が降るらしい、とテレビで言っていた。布団との別れをいつも以上に惜しみつつ、台所で蒸籠を出して、今朝は点心朝食。
先週の日曜日に持ち帰り用に包んでいただいた翠園酒家のチャーシューまんと、冷凍庫で保管されていた近所の中華屋台の野菜まんと。

点心のチャーシューまんというやつは、何故このように小さいのだろうか。
私の拳ほどもなく、息子の拳程度の大きさである。蒸籠に2個、詰めることなく余裕で入る。コンビニの肉まんあんまんの半分ほどのその大きさはちょっと(かなり)物足りないものだ。その物足りなさがチャーシューまんへの憧憬を一層強くする要因かもしらんが、でもでもやっぱり美味しいものはでっかい方がいい。大ききことは美しきかな。

直径18cmの蒸籠にびっちり収まる超巨大チャーシューまん。
そんな情景を一人思い浮かべ、へらへらしてしまう曇天の1月中旬である。

コンビニの
 赤飯おにぎり
小岩井ヨーグルト
日本茶

昼飯を買い求めに出ると、みぞれが降っていた。当然気温は一桁前半である。寒い。冷たい。悲しい。切ない。
で、今日は悲しくコンビニごはん。赤飯おにぎり1個、そして小岩井ヨーグルト1個。んでもって日本茶。
ま、たまにはこんな日もあるさ、って感じで。

鶏肉のホイル焼き
コンビーフとキャベツの炒め
帆立と白菜のスープ
御飯

ぷよまん カスタード
玄米茶

みぞれザラザラの今日の夕食のテーマは、文句無く「あったかいもの」である。
あったかいスープ。あったかい鍋。あったかいグラタン。何でもいいから、とにかくアツアツのものを作ろう!と思いつつ台所に立つ。
帆立の缶詰と白菜を使ったあったかスープ。
鶏肉をチーズと一緒にくるんで焼いた鶏肉のホイル焼き。懐かしの給食の味。
そいでもって、残り物のキャベツとコンビーフはちゃちゃちゃと炒めて付け合わせ。
あとは、炊きたての御飯!
万全だ。

で、鶏肉のチーズ焼きである。
中学時代の、懐かしの給食の味だ。油ギットギトの、手のひらサイズの可愛らしいホイル巻きは、とろけたチーズと鶏肉と塩味と、何やらとてつもなくオトナな味なような気がして私はトリコになっていた。個人的にはクリームシチューもカレーライスも上回るその愛はミートソーススパゲティをも凌駕しそうな程だったのだ。
給食献立表を見て、3日くらい前からわくわくしてた自分は、やっぱり生まれついての食いしん坊……なのかもしれない。

この魅惑の逸品「鶏肉のチーズ焼き」、ものの本によると、鶏肉に白ワインをふり、塩胡椒したのちに"とろけるチーズ"を乗せて巻いて、オーブンで20分も焼けば出来上がりらしい。簡単だ。めっちゃ簡単だ。でも、どーしても、あの!給食の、あの!味にはならないのである。なーんかパサパサで脂っけがあんまりなくて、んでもってやや上品めに出来上がっちゃうのである。
今日もやっぱり、ちょっと上品めの鶏肉のチーズ焼き。旨いは旨いけど、何だか切なくなっちゃうのであった。

1/13 (木)
ベーコンエッグ
帆立と白菜のスープ
御飯
抹茶入り玄米茶

饅頭食ったり赤飯食ったりで、白い御飯の朝御飯は実に実に久しぶり。卵料理のおかずっちゅーのも、実に実に久しぶり。
「ああ、もうお煮しめは無くなったのね……」
と正月料理を振り返りつつ、完全に日常に戻った食生活にちょっとしみじみしてみた。

目玉焼き。
皆様にとっての"目玉焼き"はいかな形状のものであろうか。固焼き?半熟?あるいは両面焼き(ターンオーバー、というらしい)とか?
私にとっての"目玉焼き"は頑なに半熟である。黄身が固まっていてはいかん。固まりかけているのはOK。でも、つつくと、とろ〜んと溢れ出さないのはNG。
理想は「白身は固まり、黄身はほとんど生」な状態なのであった。黄身の上に白い膜が張っているのがベスト。

で、今朝も当然この状態の目玉焼きを目指す。
卵をフライパンに落としてすぐに蓋。様子みぃみぃ、日によっては途中で水を差したりする。本日はベーコンが敷かれているので水は入れない。
まぁ、そんな感じなんです、はい。

チョウシ屋
 コロッケパン (コッペで)
 ピーナッツバターパン (食パンで)
牛乳

久しぶりにチョウシ屋に赴き、昼御飯入手。
昭和通りを越えて築地側、銀座3丁目の路地にひっそり佇むこのお店は肉屋さんである。私の認識では「コロッケ屋」さんだが、多分本業は肉屋なのである。
昔なつかし風情のコロッケパンは220円。ついでにピーナッツバターパンは130円。どちらもコッペパンか食パンかを選ぶことが出来るが、大抵私はコロッケはコッペで、ピーナッツバターは食パンでいただくのが常である。理由は、自分でもよくわからない。
ちなみにメンチカツサンドもかつサンドも揚げシューマイサンドも、アジフライサンドなんてのも可能だ。ジャムサンドも、なんとなく心ひかれる。

ともあれコロッケパンである。
注文をすると、おなじみのおっちゃんがコッペパンの封を切り切込みを入れ、揚げ網から1つコロッケを取り出して2つに切り……とちゃかちゃか動き出した。
薄くカラシを塗ったパンにうまいことずらしつつコロッケを挟み、上から小さな杓子でもってソースをとろーんとかけてくれる。チョウシ屋メイドの包み紙で手早く包み、輪ゴムで止めて出来あがり。その間30秒ほど。美しい。

続いてピーナッツバターパン。
耳がついたままの8枚切り食パンに、木ベラでこてこてとピーナッツバターを塗る。巨大なアルミの缶に入った白っぽくてもっちりとしたピーナッツバターだ。パンの隅々までこてこてと塗りたくり、サンドにした後軽く上から押さえつけ、ナイフでさくっと2等分。薄紙でしゃわしゃわと包み、こちらも輪ゴムで止めたら完成。全部で350円なり。

これまでの経験から、コロッケパン及びピーナッツバターパンには牛乳が最もふさわしいということになっている。
で、牛乳も怠りなく購入し、これが私のお昼御飯。

まだアツアツのコロッケは、ソースがついてもまだ衣サクサクだ。噛むとじゅわっとソースの香りが口に広がるコロッケパンをもしゃもしゃと食す。キャベツやレタスは入っていない。ただただコロッケとパンである。これが良い。たまらない。
パンの厚さ並にピーナッツバターがたっぷり挟まっているピーナッツバターサンドも相変わらずであった。口の周りを若干ベタベタさせながら2口齧って牛乳1口。

いかん。パン1つにしておこうと思ったのにまた2つ買ってきてしまったあぁ!
そう思ったのは全部たいらげて満腹になった後だったりなんかして。

豚肉のオーブン焼き
長ねぎのクリームスープ
御飯
ビール、麦茶

苺 with コンデンスミルク&牛乳

夕食は、豚肉の大きな塊を使ってオーブン焼きに。
焼き豚用に網がかぶせられている豚肉を、そのまま生かそうと塩胡椒をすりすり。にんにくみじん切りもすりすり。網にローズマリーの枝を絡めたら、こんがりとフライパンで焼く。あとは、じゃがいも、にんにくの塊と共にオリーブ油を回しかけ、オーブンでひたすら50分ほど焼いたら、ローズマリーの香る豚肉オーブン焼きの出来上がり。

で、野菜庫からちょっと古くなった大量の長ねぎを発掘。
これはざかざか薄切りにしてバターでじくじくと炒めた後、スープで煮込む。牛乳を入れたら濃厚なクリームスープになった。……って、適当に作ったから本当は自信がない。

塩味だけの淡泊なオーブン焼きは想像以上に旨かった。ビールと合う、合う。
豚肉の脂のしみたオリーブ油がついてこんがり焼けた皮付きじゃがいもが、また悪くない。
あ、今度はじゃがいもと玉ねぎとベーコンを小さめに切って敷いてみよう。そうすると、ジャーマンポテトがオーブン焼きと一緒に出来上がるって寸法で。うふふふふ♪

1/14 (金)
きなこ餅
あべかわ餅
抹茶入り玄米茶

餅を焼く。朝から6個も、である。
息子は1個。きなこ餅。
だんなは3個。あべかわ餅。
私は2個。きなこ餅1個にあべかわ餅1個。
コンロに魚焼き網を乗せて、餅の膨れるのを焦げないように番をするというのはなかなかに楽しい。

きなこには、半量程度の上白糖を加える。
コーヒー紅茶にパルスイートスリムを使用する私も、きなこには"上白糖"でなくちゃいかん、と思う。甘いきなこの中に小指の先ほどの砂糖の塊なんかが混ざっていたりして、それが口の中で弾けると楽しいんだな。それだけの理由だけど(いや、味も勿論違うよ……)。

餅と言えば、私的には"汁粉"が最も好きではある。
追ってきなこ餅、あべかわ餅と続く。
そいでもって、みぞれ餅(←大根おろしの醤油和えをまぶすのね)なんてのも時に恋しくなる。

田舎の秋田で食べた餅というのが、また、趣深い。
ただただ焼かれた、そのまんまの餅が大皿に盛られ食卓にのぼり、それを囲う者は醤油皿を手に餅を食べるのであった。醤油皿には醤油と、大さじ1ほどの砂糖。焼きたての餅を、食卓にて砂糖醤油で食するのが、そこの文化であるのであった。
従兄弟連中の中には、"砂糖醤油"でなく、"マヨネーズ醤油"で食する者もいた。
それもまた文化とは……あんまり思いたく、ない。

マキシム・ド・パリの
 ガトーショコラノアール
牛乳

ところで、私はどうやら風邪ひきらしかった。
餅を焼きつつ、どうも視界がふりゃふりゃとおぼつかないと思ったら、38℃弱の熱が出ていたのであった。で、本日は会社をお休みして一人病床についてみている次第である。

で、昼にはちゃんと昼御飯を食べねばならない。一人、台所を漁る。
パンは無い。御飯はいまいち食べたくない。うどんやスパゲティはめんどくさい。
食料庫及び冷蔵庫冷凍庫らと協議の結果、真空パックに包まれたチョコレートケーキはどうか、との提示があった。年末にYが持ってきてくれた、マキシム・ド・パリの豪華"ガトーショコラ"である。ナイフでさくりと2切れほど切り出し、冷たい牛乳と共に食ってみた。

生地の合間にチョコレートそのものがとろりとした状態で入っており、洋酒の味が舌にしみ、ゴージャスな味である。んが、鼻が詰まっていてチョコの匂いも洋酒の芳香も私には感じられないのだ。
これは悲惨である。ショックである。
本当は100美味しいはずのものが60程度にしか感じられない今の状況は、ちょっとばかり泣けてきてしまうのであった。
とりあえず、こういう時は寝るに限ります。とほほほほ。

洋梨の缶詰

夕方になっても、どうにも熱っぽい。いかんいかんいかん。
こういう時、いつもだったらだんなが"豚にんにくおじや"だとか"鍋焼きうどん"だとかを作ってくれたりするのだったが、今日に限って忙しいらしいのだった。残業で、どうやら遅くなりそうだということだ。

とりあえず、息子には何か食わせにゃいかんだろうと、レトルトカレーを温める。1人分のカレーを1人でたいらげてしまう1歳9ヶ月の息子。だが、彼が皿に向かい格闘するカレーの匂いを嗅いでも、一向に食欲のわかない私なのであった。
カレーの香りにすら食欲が喚起されないとは、我ながら重症である。心なしか"私は病人"という自覚が一層高まってしまう。
で、自覚が促すままに缶詰を漁る。

風邪なら、「もも缶」。
絶対、「もも缶」。
誰が何と言おうと、「もも缶」。
もも缶も、出来ることなら黄桃ではなく白桃が望ましい。
あの、周囲がほんのり半透明の、ふわりとした何やら清潔そうな外見の白桃がよろしい。
冷蔵庫に首を突っ込んで
「もーもーかーんー」
と呟きつつ探すも、出てくるのはパインの缶詰、小豆の缶詰、洋梨の缶詰、など。白桃はおろか、黄桃すら我が家にはストックが無いらしいのであった。ダメじゃん、あたしんち。

仕方なしに、洋梨の缶詰を"これは、もも缶"と思いつつ食べることにした。
……でもやっぱり、思っても念じても信じても、洋梨は洋梨なのであった。私の食べたいのは白桃なのに。洋梨じゃないのに。
普段は大好物の洋梨が、えらい言われようである。ごめんよ洋梨。

1/15 (土)
中華粥
 with 油条、香菜、焼き豚
プーアル茶

冷凍保存してあった自家製中華粥を解凍。定番の油条・香菜を準備して、今日は焼き豚もつけちゃう。お供には、真っ黒なプーアル茶。

ピザシティの
 クォーターピザ
 (ベーコンポテト、ツナミックス、インディアンミックス、テリタマ)
 チキンバー、ポテト
 コーラ

朝から「悪魔嬢」……じゃなかった、「悪魔城ドラキュラX」なるゲームに興じていて、すっかり昼飯の事を考えていなかった私たち。
気が付くと12時をまわっており、宅配ピザを頼むことに。初体験の"ピザシティ"に、クォーターピザを申し込む。メニューの写真があんまり美味しそうに見えないので、不安半分。
これがこれが、思った以上に美味しいピザ屋だった。ソースの違うピザもクォーターにしてくれるところが、よろしい。マヨネーズのうじゃうじゃかかるベーコンポテトと、コーンの入るツナミックス、カレー風味のインディアンミックスに、卵たっぷりテリタマをもしゃもしゃ食べる。

おやつ: ナチュール・クレーム・カラメル

おやつを作成。
「ナチュール・クレーム・カラメル」という名前はすごいが、要するにプリンである。オーブンで蒸し焼きにする、洋風焼きプリン。
唐突に"プリンが食べたいプリンが食べたい"と内なる衝動が沸き起こり、昼飯前に一生懸命作っていたのであった。

【ナチュール・クレーム・カラメルのつくりかた】

 1. カラメルを作る。 2つかみ位のグラニュー糖を小鍋に入れ、中火にかける。そのうちとろけて、褐色のカラメルになり、ぶわぶわと泡がたってきたところで水大さじ1くらいを投入。あっついうちにプリン型に分けておく。
 2. 牛乳500ccを沸騰直前まであっためる。バニラビーンズがあったら、種をこそいで入れておく。
 3. 卵3個をボールに入れ、ほぐす。そこへ100gのグラニュー糖を投入。適当に混ぜておく。
 4. 3.に2.を入れて、均一に混ぜる。で、それを漉す。
 5. プリン型に生地を流しこみ、170℃のオーブンで35〜45分くらい焼く。プリン型を並べた天板には湯を張っておくべし。

陶器の茶色い容器4つとココット皿2個にプリンが出来た。生地と型の間にしゃくしゃくとナイフを入れて、皿で蓋してプリンを出す。若干サラサラとしたカラメルがお皿にとろ〜っと垂れてきて良い感じ。バニラが香る、柔らかめのふるるんとしたプリンはなかなかの出来映えだった。
だんな曰く、
「92点!」
……ちょっと甘かったのが敗因らしい。

だんな特製 天津丼
わかめスープ
よなよなエール、麦茶

年末来冷凍していた蟹の足を使って、豪華天津丼をだんなが作ってくれた。
缶詰じゃない蟹肉を使った天津丼なんて初めてだ!……と密かに感動している私をよそに、だんなはハサミでカキカキと蟹の脚を割っている。ボールにこんもり蟹肉の山。ちょっとシアワセ。

本来、"甘酢あん"てのはケチャップの味がするのが当たり前なのだと思っていた。だが、どうやら"オトナの甘酢あん"が存在するらしい、と知ったのが1年ほど前。醤油と酢と砂糖が同量ずつ。スープで伸ばして酒をひとたらし、片栗粉でとろみをつける。これが"オトナの甘酢あん"。
ケチャップ入れなくても美味しいのです、これが。

1/16 (日)
焼き豚
御飯 with おとなのふりかけ
わかめスープ

昨日深夜、私はだんなと息子が眠る中、一人午前4時までテレビゲームに興じていた。
そして今朝、私が眠る中、だんなは息子をあやしつつ、やはりテレビゲームに興じていた。
「悪魔城ドラキュラX」
が当面我らをトリコにしているソフトの名である。だんなが友人から借りうけてきたものらしい。夫婦二人してはまってしまったものだから、睡眠時間をずらしてまでお互い長時間やろうとするのだ。……いかがなものか。

で、6時間弱の睡眠で起床。午前9時半。
昨日炊いた御飯、昨日作ったスープで簡単朝御飯。それだけでは寂しいので、焼き豚を少々切って小皿に盛る。"おとなのふりかけ"も出す。私は鮭で、だんなが鰹。

吉野家の
 牛丼・並
 味噌汁
 ポテトサラダ

本日も本日で、数時間交代でテレビゲームに興じる。気が付くと午後1時。空腹も感じない。もとい、感じないようにしている私。
だんなが見かねて近所の吉野家で牛丼を買ってきてくれた。すまんのぅ。はぐはぐ。
そして、またゲーム。

ふろふき大根&味噌田楽
ほっけ
油揚げと絹さやの味噌汁
御飯
日本酒 (神亀生酒)、麦茶
ナチュール・クレーム・カラメル

夕食くらいはちゃんと食べたい。
本日のメインはふろふき大根。
「ふろふき大根が、食べたいぞ」
と何やら決意を固く持っていたらしいだんなが大根1本買ってきて、昨日から仕込んでいたものだ。面取りして、米のとぎ汁で煮て、昆布だしでじっくり煮て、何やら私以上に"おふくろの味"的仕事をしている彼であった。愛があるのね、ふろふき大根に。
大根の鍋にこんにゃくと豆腐も入れて、田楽も一緒に堪能する予定。

味噌作りは私の担当。鶏ひき肉を使った甘さ少なめの鶏味噌と、八丁味噌を甘く練った田楽味噌を用意。田楽味噌には柚子の絞り汁をちろりとたらす。
1尾350円で特売していたほっけの干物も焼いて、純日本風の夕食である。

昨日からことことことことゆっくり煮ていた大根は、ほっこりと柔らかく、昆布の香りがした。鶏味噌や田楽味噌との相性も、上々。
こういう料理は日本酒がすすんでいかんやね〜っと少々寝不足の私はあっという間にご機嫌なのであった。