食欲魔人日記 00年4月 第4週
4/17 (月)
コロッケ with 千切りキャベツ
たくあん
豚汁
御飯
抹茶入り玄米茶

2日目の豚汁は、ちょっとシアワセだ。

「起きて、朝に豚汁があるってのは、いいよねぇ〜」
と、だんなも似たような事を言っている。
昨日の豚汁に、昨日の、2つだけ残ったコロッケ。それらを温めて、冷蔵庫から同じく"昨日の"千切りキャベツなども取り出す。
2日目のコロッケってのも、少しばかりシアワセだ。

今朝は重いと思ってやらなかったけど、「コロッケ丼」なんてのもイケるらしい。親子丼を作るように丼つゆを温め玉ねぎを入れ、コロッケを入れ、玉子でとじる。丼つゆで食するコロッケ。うん、結構美味しいと思うぞ。

銀座 フロリダの
 ツナ&たまごサンド
べこの乳

朝御飯がパンなら昼は御飯。朝が御飯なら昼はパン。
笑ってしまうくらいに、自分は大抵そう行動している。
従って今日は、パン。

気がついたら昼休み開始の鐘が鳴ってしまっていたので、ほてほてと一番近くにあるパン屋に買いに行く。マガジンハウス本社前の古びたパン屋は今日も女性客で大賑いだ。奥の棚からパック入りのサンドイッチを1つ掴んで速攻購入。冷蔵ケースに入る「べこの乳」もつまみ出す。

ごくごく普通のマヨネーズ和え玉ねぎ入りのサンドイッチと、何の変哲もないマヨネーズ和え卵入りのサンドイッチだ。
当たり前すぎて思わず笑ってしまいそうなこれらのサンドイッチは、パンにしっかりバターが塗られていてほんのりと甘い。このバターがなくちゃやっぱり締まらんのだな、うむ、と頷きつつ、パクリ。
「べこの乳」というネーミングもがまた相変わらず恥ずかしいなぁ、と思いながら牛乳をグビリ。
……のどかだ。

牛肉と茄子の生姜煮
筍の土佐煮
2日目の豚汁
御飯
よなよなエール、麦茶

帰るなり、だんなが
「今日はなんだか和風の煮込みが食べたい気分……♪」
などと言っている。

そう、折良く今日は和風の煮込みが夕食のおかずだ。
私も丁度、「和風の煮込みが食べたい気分」と思っていたのだ。うむ、夫婦って素晴らしい。
ていうか、豚汁が残っているのだから和風のおかずにせざるを得ないのだけれども。

メインのおかずは、牛肉と茄子を醤油と酒と少々の味醂で煮たもの。山のような千切り生姜を入れて、さっぱり風味。
そいでもって買い置きしてあった筍を醤油と砂糖でこっくりと煮込む。煮上がりにたっぷりの鰹節をかければ、「筍の土佐煮」というものができあがる。どちらも醤油と味醂が入っていて、いかにも「日本のおかずぅぅぅぅぅ〜」といった風情のおかずになった。

こういうおかずは、御飯が進む。
しっかりと甘辛く味が染み込んだ筍でごはん1膳はいけちゃうし、2日目の豚汁なんてアイテムがあれば更に1膳いけちゃうし、牛肉たっぷりおかずでもやっぱり1膳いけちゃうのだ。
ここをぐぐっと堪えて御飯1膳で止めておいた健気な私。(果たしてそれを健気というものなのか)
……うう、物足りない……。

4/18 (火)
目玉焼き
筍の土佐煮
最後の豚汁
御飯
抹茶入り玄米茶

飽きもせず、今日も豚汁だ。
3日目の豚汁、最後の豚汁はいい加減煮込まれて味噌の味が具と渾然一体となっている。肉も脂身が溶けてしまってぐずぐずになっているし、大根も綺麗な銀杏型で残っているものはほとんどない。見てくれはサイアクだ。それでも、こうなっちゃった豚汁はサイコーに美味しい。

昨日の筍のちょびっと残ったやつを温め、目玉焼きも作る。
半熟の黄身が上手く食べられない息子の為に1つを固焼きに、残りの2つは半熟に。フライパンに水を少々入れて蒸し焼きにして、黄身の表面が白くうっすらと固まったタイミングが好みだ。この半熟目玉焼きを、御飯の上にドカンと乗せてちろりと醤油を垂らした後、黄身を崩しながら食べる。生の卵を使った卵御飯も美味しいけど、目玉焼き御飯もなかなかのものだ。

銀座 スワンベーカリーの
 アスパラモルタデラサンド
 いちごペストリー
 シュークリーム 森永 特濃4.3牛乳

近所の超絶お気に入りのパン屋にお昼御飯を買いに行く。
「アスパラモルタデラサンド」という、呪文のような名前に惹かれてこいつを1つ。

パッケージを見たときは、
「アスパラ・モルタ・デラサンド????」
と困惑し、続いて
「アスパ・ラモル・タデラ・サンド????」
と一層誤った解釈をして店頭で首を捻ってしまった私。
正解は、
「アスパラ・モルタデラ・サンド」。
アスパラガスとモルタデラソーセージというものを使ったサンドイッチなのだそうだ。

さて、「アスパラモルタデラサンド」。2種類の具沢山のサンドイッチが2切れずつ合計4切れ、パックされている。卵にハムにアスパラにサニーレタスが挟まったもの。もうひとつは"モルタデラソーセージ"にレタスが挟まったもの。どちらも味のある全粒粉のパンにサンドされている。マヨネーズ味のアスパラサンドも、香辛料が効いていてパプリカも入る、面白い風味のするモルタデラサンドもどちらも美味だ。

そしてデザート。いちごペストリーは、親指と人差し指で円を作った程度の大きさの、かわいらしいデニッシュだ。中央にいちごジャム、パリパリとしたペストリー生地の上はツヤツヤしていていっちょ前に白く砂糖で模様が描いてある。1つ40円。キュートだ。キュートすぎて10個くらいたいらげても物足りないかもしれない。
特濃牛乳、グビリ。

そして今日のメインディッシュかつラストデザートはシュークリーム。
もっさりこってりしたクリームが詰まってるここのシュークリームは、いかにも"パン屋のシュークリーム"然としていて私の大好物。1個110円。
はふっとした皮と、黄色くトロンとしたクリームは相変わらず旨かった。
は〜、ごちそうさまでした。さ、メールでも書くか。

R1/Fの
 春の醍醐味30品目
 五穀豊穣サラダ
 ケールと春野菜のサラダ
 鶏肉のピリ辛
鰺の開き
大根の味噌汁
御飯
よなよなエール、麦茶

モロゾフの
 カスタードプリン
ほうじ茶

1時間ほど残業。先に帰っただんなが、御飯炊いて味噌汁作って待っててくれた。
メインのおかずは買い置きの鰺の開きをチリリと焼くとして、それ以外のおかずを作る時間も無いので惣菜を買って帰る。午後6時半を回ったデパート地下食料品売場はいつもながら大騒然。迷ってるヒマもないので、なじみのR1/Fでサラダを買うことに。

「12人のスーパーシェフ」という月替わりのスペシャル企画は3月で終了したはずだけど、「スペシャル企画」として、なんぞ今月限りのサラダが出ているらしい。
"RF1商品開発チーフ、早瀬達秋の「匠」のサラダ"
と銘打って、目立つところに並ぶサラダが4種類。「期間限定」「限定○個」「おあと○名様」などという言葉におしなべて弱い私は「試しね、試し……」と呟きながら3種類を買っていた。ついでに目の前の「鶏肉のピリ辛」なんておつまみ風の唐揚なんかとも目が合っちゃって、しかも唐揚げが「私を食べて♪」なんて言ってるもんだからこいつも購入。(←「……だめじゃん」だんな談)

今月限定のこのサラダ、リーフレットを見るとこんな感じ

 早瀬達秋シェフの春の醍醐味30品目
せり、こごみ、たらの芽、と数えるだけでも楽しい30品目。
春の野の香りが、カラダに染みわたっていくようです。
くるみ、白胡麻、豆乳を使ったソースでまろやかに仕上げました。

 五穀豊穣サラダ
ヘルシーな食品として、いま注目を集めている昔ながらの穀類。
サラダに仕立てて、すっかりモダンな一皿になりました。
モチモチした食感が、かめばかむほど味わい深い。

 ケールと春野菜のサラダ バジルドレッシング付き
豊富なビタミンCと鮮やかな緑が特長のケール、そして日本の春野菜いろいろ。
バジルドレッシングを添えて、新日本食風サラダができあがりました。

 ベリー・ベリー・ベリー
フレッシュベリーの甘酸っぱさを楽しむデザートサラダです。
あんず酒のジュレが効いた大人の味。

最後のベリーサラダがキラキラしてて美味しそうだったんだけど、我が家の年長者の男性約1名は、ラズベリーやブルーベリーが大嫌いなのだった。とほほ。

帰ってくると洗濯物が片づいてて御飯が炊けてて味噌汁まで出来ているのは良いことだ。「おう。今、帰ったぞ。」と大黒柱気分の私。
だんなが網でチリリと鯵を焼いてくれているのを背後にしつつ、買ってきたサラダを1つずつ皿に盛る。4種類の惣菜に、ビール。焼きたての脂がじゅわーっとしている鯵の開き。何だか御馳走。

R1/Fのサラダは、どれも沢山の種類の野菜が入っているので嬉しい。"五穀豊穣"は13種類、"ケール"は11種類、"春の醍醐味"に至っては名前にあるとおり30種類だ。合わせて54種類。すごすぎる。って、ダブリの食材も当然あるわけだけど、それにしたって普通に家で作る料理じゃとうてい実現できない種類の多様さだ。味は……普通、だったけど。

ヒットは「鶏肉のピリ辛」だった。みりん干しに煮た甘辛ソースが絡んだ鶏の唐揚はビールとの相性もばっちしだ。健康的なサラダを食しつつ、ビールをぐびぐび。カロリーがちょっと怖い鶏唐をつまみながらビールをぐびぐび。そろそろビールが美味しい季節になってきた。

そして、こんがり焼けた、ちょっと塩気の多い開きをつついて御飯を食べる。だんなが作ってくれた大根の味噌汁は、私が作るのの2倍くらいの太さの大根がごろごろと入っていて笑ってしまった。でも美味しかったです。

で、デザートはプリン〜〜〜〜♪
いつもショーケースの前を通るたび、
「なんか、気になるよねぇ……」
「ちょっと、美味しそうなんだよねぇ……」
と夫婦して言っていたモロゾフのカスタードプリンだ。

菓子売場を通っていて、またもや「私を食べて♪」攻撃をくらい、クリティカルヒットしてしまったやつだ。
そもそも「私を食べて♪」と声が聞こえる時点で既にダメダメだったりするのだが。
「……おみやげ。」と、3個購入。
分厚いガラスの容器に入ったプリンはうっすら白くて柔らかかった。ふんわりしていて懐かしいような味で、かなりシアワセ。

4/19 (水)
大根の味噌汁
卵御飯
抹茶入り玄米茶

鍋には昨日の大根の味噌汁。
それがあったまっていく匂いを嗅いでいたら猛烈に卵御飯が恋しくなったので、欲望に素直に従うことにする。

新鮮な生卵に醤油をちろりと垂らして御飯にぶっかけるだけ。それだけなのに、妙にほんわかして美味しいのだ、卵御飯ってやつは。

有楽町 可口飯店にて
 カーオパットクン(海老入り炒飯)

今日から有楽町阪急にて「アランジアラモード」なるアランジアロンゾの展覧会が開かれている。
昼休み、ちょびっと早く会社を抜けてチャリこいで行ってみると、入場制限中の大行列。とぼとぼとそのまま有楽町マリオンを抜け出て、しょーもないので昼飯を食うことにする。

目の前にはすっかり風景になじんでしまっている、妙にエスニカルな建物がある。
可口飯店ことコカレストラン。タイ風飲茶が人気の店で、タイミングによっては行列ができてしまう店だ。幸い12時ちょっと前、店はそんなにまだ混んでいない。
一人でふらりと窓際の席に座って、お昼御飯。

数ヶ月ぶりに来て見たら、メニューが一新しててちょっとびっくり。前は800円でおかずと御飯とスープのセット、なんてあってそれがなかなか良かったのに、そういう定食ものは1つも無い。いくつかの点心と、サラダ風のものと、あとは一品料理で麺か飯類。値段は900円とか、1000円とか。
ちょっと嬉しくない方向に変わってしまっていて、一人テーブルで唸る。
んが、メニューの下には「マンゴプリン 500円」の文字が。何だか嬉しいメニューが1つばかり増えていて、またまた一人テーブルで唸る。
食べたい……が。炒飯1000円にデザート500円はちょっと痛い。私は給料日前だ。
ぐっと堪えて、「カーオパットクン」なる炒飯のみを注文。どうせ今日はデジカメ持ってきてないし(←マンゴプリンは全て写真に収めなければ気が済まない人)。

で。
普通の炒飯なのである。この「カーオパットクン」なるものは。
普通の葱入り卵入り炒飯だ。塩味の、ごくごく普通のやつなのだ。なんだか凄い名前なのに、拍子抜け。
この炒飯をこの怪しげなネーミングたらしめているのは、どうやら添えられたタレとレモンのくし型1切れであったらしい。レモンをきゅっと絞って、ナンプラーに生の赤唐辛子をぶちこんであるタレをかけると、確かに異国の風味になる。トムヤムクンのような、酢っぱ辛い味になる。

でも、でも、それだけで1000円かい。確かにパラパラで不味くはなかったけど。海老もぷりぷりのがコロコロと入っていたけど、なーんか納得いかない。
暴利である。むっちゃ、暴利である。んもう、好きな店リストから撤去だ撤去。
それでも近日中に私はマンゴプリン食べにまた入ってしまうのだ。とほほほほ。

そうそう、「アランジアラモード」は夕方に行ったら入れました。
「超合金メカパンダ」なるブツと、Tシャツとカードと本2冊とグラスセットを購入。うれしいな〜うふふふふ〜。

香菜と葱の和えそば
アイスアールグレイティー

だんなの帰りが遅いらしい。
「先に食べててね〜」
と連絡を貰ったので、遠慮なく先に食べちゃうことにする。

だんながいないなら、いない時にしか出来ないものを喰わなきゃな。
だんなが嫌いかつ私が大好物という食材はウニと香菜である。香菜は幸い生春巻用に買い求めたのがまだ残っている。これを喰おう。わしわしと。気遣いなく。思う存分に。わーいわーい。

香菜とはシャンツァイでありパクチーでありコリアンダーである。もう大好物。
数年前、ハネムーンで行ったバリ島で日本円にして30円くらいで大きな束を売っているのを見たときは、本気で密輸してやろうと思ったものだ。いや、密輸と言わずとも、その束を右手に持って左手にマヨネーズでも持って(肉味噌なんかあったらもうサイコー)わしわしとウサギのように食べ尽くしたいと。カメムシ臭いんだけどねぇ。なんでこんなに好きなんでしょうねぇ。

というわけで、「香菜と葱の和えそば」である。
香菜をざくざく切り、白髪葱と刻んだアカピーマンと一緒に酢と砂糖入りの醤油だれで和えた麺料理だ。帰宅して冷蔵庫を覗いてみたら赤ピーマンはおろか長ねぎも無かったりしたけど、気にしない気にしない。玉ねぎで代用しちゃう。

玉ねぎを薄くスライサーで切って、たれは同量の砂糖と酢と胡麻油に対して4倍の醤油とスープといった感じ。冷やし中華と似たようなものだ。
茹でた麺を水でキュッと締めて、ちょっとばかりの酢と胡麻油を絡めておいて、香菜と葱と一緒に和える。
で、で、上から煙がたつほど温めた胡麻油を大さじ2ばかり、ジャジャジャジャ〜とかける。この「油ジャジャジャジャ〜」は結構楽しい。しかも美味しい。そうするには、鉄製の中華おたまに油入れて、それをコンロの上で微動だにせず2分ばかり頑張らなきゃいけないんだけど、そのへんは気合いでクリアだ。
最後にたれをまぶしてざざざっとかき混ぜれば出来上がり。

臭い麺に合わせて、臭いお茶。アールグレイのアイスティ。
「いや〜ん。臭〜い。おいし〜い。」
と、ハタから見たらちょっと私はヘンな人なのかもしれない。

4/20 (木)
アンデルセンの
 チーズデニッシュ
 クリームパン
カフェオレ

本日、会社休み。
昼12時にホームページ管理の件等々でマンジャペッシェで打ち合わせ予定。

いつもより30分タイマーを遅くセットして起きてみれば、朝からどしゃぶりなのである。
私は雨女だ。先週の動物園行きといい今日といい、気合いの入った予定入りの日はかなりの確率で雨になる。小学校の卒業式や、高校初めての運動会や、成人式や入社式や、記憶に残る記念日はなんか知らんが雨が多い。でも、こんな日まで雨にならなくてもいいじゃないか。ぶちぶちぶち。

ぶちぶちしながらだんなの煎れてくれたコーヒーに牛乳ドバドバ注いですすりつつ、昨日買ってきたデニッシュを食す。
久しぶりにアンデルセンにて購入。デンマーク菓子パンの店であるからには、やはりデニッシュを買わなければいけない。クリームチーズたっぷりのさくさくデニッシュ、上には仕上げに削ったエダムチーズがかかっている。そいでもって食パン状の生地にカスタードクリームを詰め込んだものと。

千駄ヶ谷 マンジャペッシェにて
 桜エビとキャベツのスパゲティ
 ルッコラとトマトのサラダ

11時45分、お店に到着。今日は撮影があるとかで、昼の営業はしてないらしい。

「料理雑誌の撮影だべか〜」と気軽に行ってみたら、店には"オードリーンヘップバーンの息子"なる大男が椅子にどっかり座っていたのであった。雑誌『MORE』の特集か何かで、「オードリーンヘップバーンが愛した食事」だかいうものをやるらしい。それで日高良実シェフが担当になった、と。

で、打ち合わせの後に日高さんのパソコンのセットアップを仰せつかる。ダイヤルアップネットワークの設定して、メールソフトを入れて、ついでにいらないデスクトップアイコンの掃除もして……としていると、横では件の息子が10数人と共に食事しているのである。あ、あ、あ、何かすごく旨そうなもの食べてるし。時間は14時半。何か食べてくれば良かったかなぁ〜と思っていたら、マネージャーK氏が
「○○さんもお腹すきましたよね。パスタお持ちしますねっ」
と厨房に消えて数分後、作業しているテーブルの隣に炭酸水とフォークとナイフと、パスタの皿とサラダの皿が並べられた。火が通って甘くなったキャベツがドカドカ入っている桜エビたっぷりのオイルパスタと、エンダイブやプチトマトと一緒にルッコラが山盛りになったサラダ。オリーブ油とビネガーと塩だけの味つけのシンプルなやつだ。
いや〜ん。嬉しい。遠慮せずにいただきます。ルッコラ大好物なんです。わしわしわし。

有機野菜とうたっているここの野菜は本当に美味しいのだ。固めの茎のルッコラは口中が胡麻の香りで溢れるし、半分にぶったぎっただけのはずなのに、トマトもじんわり甘くて美味しい。
新鮮な桜エビもピチピチした歯ごたえで、その塩気とキャベツの甘さが良い感じだし。なんだかごっつぅ美味しいものを馳走になってしまった。感謝感謝。

そうこうしているうちに、「息子イベント」は終了したらしい。氏が背後50cmあたりを歩いて去っていたその時、私は口からはみでそうになっているルッコラをフォークで押し込んでいるところだった。
雑誌の編集と思われる華やかな女性たちも去り、店は途端に男だらけになる。そして、彼らが去った後のテーブルでまかない喰ってる皆さんがいる。
あ、あ、あ、そのどんぶり御飯、なんだかものすごく美味しそうなんですけれども。(←やめなさいって)

デパートで買ってきた
 とんかつ
御飯
麦茶

なんだかんだで帰宅は6時半。雨の中、念願のビビンバを作る気力も萎え萎えになってしまったので移動途中の有楽町阪急でとんかつを2枚ほど買ってみた。
さっきの得体の知れないまかなりどんぶり御飯が無性に美味しそうだったので、こちらも負けずにカツ丼を作る所存である。いや、惣菜とんかつ買っているあたりで既に大敗なんだけど。

しかし、帰宅してみるとだんなの帰りは遅いらしいし、こっちも色々やることがあったしで、御飯の準備どころか御飯を食べることも忘れてしばしパソコンの前で没頭しまくってしまったのであった。気が付くと8時。ひえぇぇぇぇ、すまん息子よ。腹減ったか。泣いてるか。そりゃ泣くわな。すまんすまんすまん。
慌てて息子用のポテトコロッケを温め、私用のとんかつを温め、御飯を盛り、麦茶を入れ、そうして食べ終わったところで、「あ、カツ丼するんだった」と気が付いたのである。
ががーん。なんかショック。

4/21 (金)
中華五目スープ(レトルトもん)の雑炊
麦茶

いつも日付が変わる前には寝てしまう自分だというのに、昨夜はパソコンの前に座りつづけて、気がつけば3時だった。
久しぶりにごっつぅ寝不足である。目が開かないまま適当に洗濯機を動かし、目が開かないまま適当に洗顔と化粧(おいおい)。

目が開かないままに目玉焼きなどをするのはさすがにまずかろう、ということで、インスタントの中華スープに御飯を放り込み、即席雑炊をすする。
むむむー。不味くないけど美味しくない。寝不足に加えて欲求不満も抱えて出社。

木村屋ペストリーショップにて
 ホットドッグピッカリリ
 ディリースープとサラダとミルクコーヒーつきで\1,000

午後1番に人形町にてお仕事。
なので昼休みちょい前に会社を出て腹ごしらえしてから現地へ向かう。雨の中、入店して食べるのは久しぶりの木村屋ペストリーショップに赴いてみると、天気柄か珍しく誰もお客がいなかった。1人客の礼儀として、4人がけのテーブルではなくカウンターのはしっこに座る。

目の前にはオレンジ色と臙脂色の格子のタイル。いつからかかっているのかわからないような「先客万来」の猫の絵つきの小さなのれん。壁には画鋲で止められた手書きのメニュー。相変わらず肩から力が抜けてしまう、良い感じにレトロな内装だ。
手元にあるのは巨大なアルバム。カラー写真が入れられた手作りのメニューには、これでもかこれでもかとサンドイッチメニューが並んでいる。手作りメニューは店に3つしかないので、混雑時は「メニュー待ち」が発生したりするのであった。

初めて見るものが載っている。「ホッドトッグピッカリリ」。なんだか童話の題名ででもあるようなそれは、スパイスを効かせたピクルスが入るホットドッグらしい。「ゴーダチーズがとろ〜り溶けて」なんて説明を見たところで、迷わずこれにしてみることに。セットにすると1000円だ。サラダとスープとドリンクがつく。

日替わりのディリースープは、いつも濃厚などろりと煮込まれたやつが出てきて、いつも私の期待を裏切らない。ミネストローネありチャウダーありコーンスープあり、どれも美味しいものばかりでいつも私はわくわくする。今日はあまり見たことのないような、薄茶色のスープが出てきた。表面からはどうやら椎茸と思われる薄切りが顔を出していて、かき混ぜるとシメジやエリンギのかけらがとろけかけたじゃがいもと一緒に出てきた。きのこのクリームスープ、というところらしい。「こんなに煮込んで売り物になるのでしょうか」と思うくらいトロトロに煮込まれてしまったスープは身体があったまって、寒い雨の日にぴったりだ。

そしてこんがり焼かれたホットドッグ。
中には太いソーセージと「ピッカリリ」なる独特のピクルスと、エダムチーズがたっぷり入っている。表面カリカリサクサクというのが何とも良い感じだ。コリアンダーシードが香る「ピッカリリ」はそれゆえになんとなくエスニックな香りがして、チリドッグエスニック版、という風情。
横にはみじん切りのゆで卵やケチャップを混ぜ込んだようなポテトサラダや"ピッカリリ"がきゅうりやアスパラやトマトと一緒に盛られた豪華なサラダ。うっすら酸っぱいフレンチドレッシングがかかっている。なんかこれだけでも美味しいサンドイッチが作れそうで、「サンドイッチ用の食パン2枚ください」とか言いたくなってしまったりして。

食後には、この店ならではの桃とプルーンのシロップ漬け。
注文するサンドイッチによっては、このデザートが薄っぺらい銀色の使い捨て四角いケースに入り、飾りのついたプラスチック楊枝がささった状態で皿の隅に置かれているのだ。
ふくふくとしたプルーンも、歯ごたえのある桃も、なんとなく懐かしいような味がして、これを食べると、「おお、木村屋だ」という感慨が沸いたりする。

その頃には横にドリンクも来ていたりして。牛乳が半分以上はいっているであろう"ミルクコーヒー"。透明な分厚いグラスに入っていて、そのグラスはアルミの取っ手つき受け皿に収まっている。合羽橋に探しに行っても見つかるかどうか不安になってしまいそうな古めかしい容器に、やっぱり私は嬉しくなる。
いつもいつもいつも、私はこのミルクコーヒーを飲んでしまう。夏場はアイスで、あとはホットで。
でもドリンクメニューには「レモンステラ」なんて文字列もあったりして、これが私は気になって仕方が無い。なんだかとても美味しそうな飲物じゃないですか。そしてその下には「チェリーアイスクリーム」。バニラでもチョコでもストロベリーでもなく、「チェリーアイスクリーム」。んもうこの感覚が、私は大好きなのであります。

鰹の叩き にんにくスペシャル
にらたま
わかめと油揚げの味噌汁
御飯
よなよなエール

紅茶(レピシエのPENINSULA)
銀のぶどうの
 マンゴ仕立てのプリン
新宿高野の
 マンゴープリン
 マンゴーパフェ

ここ3日ほど、「ビビンバビビンバビビンバ」と叫び続けていたので、今日こそはと退社後に食材仕入れにデパートに行く。

……で、最初に買った袋の中に、なんでケーキ屋の箱が2つも入っているのだろうか。マンゴープリンとマンゴープリンとマンゴープリン。全部マンゴープリン。

そして揺らさないように静かに野菜売場に行き、とりあえず明日の友人もてなし用食材を数種類購入。バジルとししとうと香菜、赤ピーマンに安売りのニラ。ついでに安売りしていたマンゴーも購入。じゃがいもまで買ったら、荷物はすっかり重くなった。調子に乗って、「今日のおすすめ」なんて書いてあった鰹の切り身も買っちゃって、蒜山高原のヨーグルト4個セットなんつーのも買っちゃって、そうして私は右肩に通勤用バッグ、右肘に傘、右手にケーキの箱、左手に鰹と肉入りの袋と野菜の大袋、なんて姿になってたたずむことになる。うおぉぉぉぉぉぉ、重い〜。死ぬ〜(←大馬鹿)

そして、私は何のためにデパート行ったんだかわからなくなった状態で帰宅したのであった。
もやしはどうした。ほうれん草は。大根は。ぜんまいは……冷蔵庫の中にあるけど。牛肉は。ナムルの材料、1個つしかないじゃないか。
でも、マンゴープリンとマンゴープリンとマンゴープリンとマンゴーを抱えた私はちょっとばかりシアワセだったのであった。

そして結局、銀座松屋の陰謀に乗せられて「今日のおすすめ」の鰹を食っている私たちである。いや、鰹大好きだから全然良いんだけど。
今日は、いつも以上ににんにくスペシャル。
にんにくは薄切りにしたのを4かけ分くらい、たっぷりと。万能葱もそれ以上にたっぷりと。表面を強火の遠火でガーッと焦がした鰹を切って、その上からにんにくと葱をドバドバドバドバ〜とかけちゃう。そりゃもうたっぷりと。鰹が見えなくなるくらい。
そうして、味醂と酒を煮きって醤油入れて、義弟の高知土産の「柚子しぼり」なる100%天然果汁をたらしたものを入れたタレをこれまた上からたっぷりかける。はふーん。臭くて、にんにくが辛くて美味しい。

で、副菜は買い置きでちょっと萎びかけたニラをだんながにらたまにしてくれた。こっちはほんのり甘くてこれまた御飯が進んじゃう。
ビールも進むし、御飯も進む。こういうおかずがやっぱり楽しい。

デザートも楽しい。
マンゴープリンとマンゴープリンとマンゴープリン。全部テーブルに並べて記念撮影。美しい〜♪
詳細はここここここにあったりなんかして。

4/22 (土)
だんな特製カニ炒飯
わかめと油揚げの味噌汁
麦茶

炊飯器の中に残る御飯を覗き込んでだんな曰く、
「チャーハン、作ろうか。」

しかし冷蔵庫には肉系食物が無い。長ねぎまでもが、無い。
「葱が無いなら、万能葱とレタスを使おう!」
などとわたわたと台所で動いていただんなはカニの缶詰をも発掘したらしく、特製カニ炒飯を作ってくれた。出来上がり間際に入れたらしいレタスもショリショリ感が残っていて良い感じだし、安いカニ缶ながらカニの味もちゃんとしていた。ころころ入るグリーンピースも良い感じ。ちょっと嬉しい。

海老とバジルの炒めご飯
タイ風ポテトサラダ
椎茸入り酢辣湯風スープ
アイスアールグレイティー

だんなは友人の結婚式2次会へ出掛けてしまった土曜の昼。
私だけヒマなのもなんだし、と中学時代の友人Rと高校時代の友人Sちゃんを家に呼んでささやかなパーティーを。2人とも私の結婚式に手伝ってくれた人で、お互い顔なじみだ。「久しぶりだねー」「ねー」「ねー」などと言いつつ、3人プラス息子の4人で食卓に向かう。

今日のテーマは「エスニック」。
「香菜を使おう!」を主題に、海老とししとう、アカピーマンをナンプラーで炒めてバジルを混ぜ込んだものを御飯にぶっかけた「海老とバジルの炒めご飯」。
そいでもって砂糖がちょっと入った、春雨と玉ねぎ、豚ひき肉が入ったタイ風のポテトサラダ。
干し椎茸をごろごろ入れて、酢とラー油を垂らした酢辣湯風のスープ。どれも香菜がすこぶる似合う料理ばかり。2人にも御飯をよそってもらったりアールグレイティーをアイスで入れてもらったりしながら、テーブルにずらりとお皿を並べてみんなで昼食。楽しいな♪

ストロベリーティー
資生堂パーラー ロオジエの
 ガトーフレーズ
Sobrie'sの
 ショコラ・ショコラ

RもSちゃんも、美味しそうなお菓子をたくさん持ってきてくれた。嬉しい。めっちゃ嬉しい。空まで飛んでしまいそうだ。そして私の身体は地面にめりこんでしまいそうだ。……自虐的ギャグはこのへんにしておいて。

Sちゃんの持ってきてくれたケーキ箱、資生堂パーラーのマークがあるけれど見慣れないロゴが飛び交っている。銀座8丁目あたりのお店でしか買えないフレンチレストラン「ロオジエ」のケーキらしい。表面の光沢も艶やかな、なんとも美味しそうなケーキが並んでいる。
「私、これこれこれね!」
と遠慮せずにいただいた丸いショートケーキ風の「ガトーフレーズ」は、どうやらお店の目玉商品らしかった。苺が7つも入っているというもので、特製生クリームが甘くなくくどくなく、大人気らしい。

「これがね、一番高かったの」
というSちゃんに値段を問うと、なんと1個800円。ふおぉぉぉぉぉ、なんとオソロシイケーキだろうか。800円。定食のお昼ご飯が食べられてしまう値段だ。怖すぎる。ありがとうSちゃん。万歳万歳。

くるくるとたっぷりのクリームが上に絞られている。中にカスタードクリームでもあるのかと思ったら、本当に生クリームばかり。そしてこのクリームがえもいわれぬ美味しさだ。ふわりとしていてほんのり甘く、少しも油っぽくない。家でナカザワ生クリームをわっしわっしと泡立てても絶対でないだろう味がする。ふわりとしたクリームに、ほわんと柔らかいスポンジケーキ。そして中にはたっぷり半割の苺が入っている。それだけだ。部品を挙げればショートケーキとなんら変わらないはずなのに、この800円のケーキは本当に800円の味がした。

「今度絶対、また買うにゃ!」
と宣言してみたものの、2個買ったら1600円である。消費税込みで1680円である。ううう、ユニクロならシャツが2枚買えてしまうところだ。いけませんか、こういう換算の仕方は。

そして、RはRでアンリシャルパンティエの旨そうなゼリーだとかスフレケーキだとかを買ってきてくれていた。新宿伊勢丹にしか入っていないという、「Sobrie's」という店の「ショコラ・ショコラ」なる細長い箱も貰った。中には焼きチョコのようなガレットのような直径5cmほどの円形のものがころころとパッケージされて並んでいる。しっとりとしたチョコレートケーキのようなこれもまた、じんわりと甘くて美味しかった。
うふふふふ、楽しいなぁ。

赤坂見附 しろたえ
 レアチーズケーキ
カフェオレ

ケーキ食ってお茶飲んで、ソファに座って並んで話していたところ、
「これから帰るよ」
とだんなからTEL。

「今赤坂見附だから、"しろたえ"のチーズケーキを買って帰ろうと思うけど」
なんて言っている。
はい、もう、ぜひ、買ってきて下さいお願いします、とついさっき800円のケーキを食った事実を異次元の彼方に放り投げて答えている私だ。
SちゃんとRに伝えると、一緒に「チーズケーキ待ち」をしてくれる、と言う。日がやや傾きつつある頃、そして私たちはレアチーズケーキを待ちつつ、いや、だんなの帰りを待ちつつおしゃべりに興ずる。

夕方5時。素朴なパッケージの箱を抱えただんなが帰ってきた。
ぬかりなく私たちはコーヒーを煎れて待っている。
片手の手のひらにちょこんと乗りそうな、こぶりのサイズの名物レアチーズケーキが5個。そして何故かスフレとプリンとシュークリームまで1個ずつ入っている。ああ、もう、どいつもこいつも甘いものが大好きなのだ。

とりあえずスフレとプリンとシュークリームは横へ除けておいて、皆でチーズケーキを食べる。サクサクのタルト生地が下にあり、上にはどっしりと重量のあるレアチーズの部分。上にはちょこっとピスタチオの実が飾られているだけ。見かけはえらくシンプル極まりないのに、重量のあるチーズクリームは口に入れるとほえんと溶けていく。ひたすら滑らかで、チーズでありクリームである。「私はレアチーズケーキ以外のナニモノでもありませんっ!」と強い主張のあるケーキなのだ。
ずっと前、学生時代に一度食べたきりだった、久しぶりの"しろたえ"のチーズケーキは相変わらず美味だった。ふへへへへ。

自家製ビビンバ
タイ風ポテトサラダ
椎茸入り酢辣湯風スープ
よなよなエール、麦茶

今日こそやっと、ビビンバだ。
"しろたえ"のケーキと共に、だんながもやしや大根、ほうれん草や牛肉を買ってきてくれた。何故か焼き肉用のカルビパックまで袋の中には入っている。
「だってだって、ビビンバするとお肉が食べたくなりませんか?」
というのがその理由だ。

ビビンバ。これが案外めんどくさい。
もやしを茹でて塩と胡麻油で和える。ほうれん草もほぼ同様に。大根は塩で揉んで甘酢と唐辛子で和える。ぜんまいは醤油と味醂で甘辛く。牛ひき肉は甘辛くポロポロと。アルミのボールばかりが台所に転がることになってしまい、大変にめんどくさい料理なのだ。

大きなどんぶりに御飯を控えめに盛りつけ、作ったナムルをたくさん乗せる。そぼろもたっぷり。これをスープ用の丸いスプーンでわっしわっしとかき混ぜる。見てくれは悪いけど気にしない。ひたすらぐちゃぐちゃと、わっしわっしとかき混ぜる。ほうれん草ももやしもぜんまいも、何もかも渾然一体となったところでおもむろに口に運ぶ。

んん〜、胡麻油と甘辛い肉そぼろ。酸味のある大根に塩気のあるほうれん草にモヤシのシャキシャキ感。やっぱりビビンバはすばらしい御飯料理だ。
ビールを飲みつつ、塩で焼いたカルビに焼き肉のたれをちょちょいとつけつつ、食べる。ちょっとした焼き肉気分。
「いけますよ。旨いですよ。ビビンバも"エンドレスメニュー"だなぁ……」
とか言いながら、どんぶりの上のほうまであったビビンバを片づけて、だんなはお代わりに臨んでいた。
良く食べるわね、君。
私も人の事は全然言えないんだけど。

4/23 (日)
ミニビビンバ
麦茶

9時半起床。1時間半後には家を出なければいけないというのに、それに持っていくためのpdfファイルなどを作成していたらすっかりあわただしくなってしまった。だんなが
「ちょっとだけビビンバを食べよう!」
とか何とか言いながら昨日の残りのナムルを取り出してテーブルに並べてくれた。普通の御飯茶碗に3口分ほどの御飯を入れて、上から山盛りのナムル。

昨夜さんざん喰ったはずのビビンバなのに、やっぱり今日も美味しかった。
さー、今日も動くぞ動くぞ遊ぶぞー。

千駄ヶ谷マンジャペッシェにて
 ホリデーランチB
 前菜盛り合わせ
 パスタ(ジェノヴェーゼ)
 メイン(比内鶏のグリル・アーティチョーク添え)
 ドルチェ盛り合わせ
 ハーブティー
 グラスビール

1ヶ月ぶりのマンジャペッシェの御飯。
つい3日前に打ち合わせで来たような気もしないではないが、今日は家族全員でのお食事だ。で、有り難いことに今日は"タダ飯"。オーナーのパソコンのセットアップやらメンテナンスをしたところ、オーナーからお礼として招待して貰ってしまった。タダ飯は、嬉しい。嬉しいので遠慮せずに日曜の12時にぞろぞろと伺う。

日曜の昼間に来たのは、初めてかもしれなかった。
既に席の4割ほどは埋まっていて、スタッフが忙しく立ち歩いている。顔なじみのK氏やY氏もおらず、なんだかちょっと違う雰囲気を感じながら席につく。前菜とパスタとメイン料理のセットであるBコースをいただく。長い坂をてくてく上ってきたので何やらビールが恋しい気分。小さなグラスに1杯ずつ、貰う。

8種類ほどが盛り合わせになって出てくる前菜は、いつも相手の皿と自分の皿が微妙に異なる。彼の皿には葱とハムのマリネがあるけれど、私の皿にはアスパラのソテーが乗っている、という感じ。
「あ、それ無い。」
「僕の皿にはそっちが無い。」
とか言いながら、小さく盛られたそれをそれでも2等分して分け合って食べちゃう。
キッシュやクスクスのサラダ、鶏レバーのペーストが乗ったクロスティーニなどがある。砂肝のマリネなんかもあったりして、「美味しいなぁ……」と思ってコリコリやっていると、息子に1つ奪われた。……あ。

パスタ料理は3種類から選ぶ。私はバジルペーストのジェノヴェーゼ。「豚の塩漬け肉が入ったものです」と言われて速攻これに。パスタ好きのだんなは珍しくリゾットを注文していた。ヒイカ(←ちっこいイカ)を丸ごと一緒に炊きあげたという、イカスミが混ざる黒々としたリゾットだ。万能葱がパラパラと混じるあたり、なんだか日本の雑炊をも思わせる。

通常、バジルとにんにく、松の実とオイルだけで作られるジェノベーゼには、いんげんがたっぷりと混ざっていた。コリコリとした食感がなかなか楽しい。塩味の強いベーコン、といった"豚の塩漬け肉"(パンチェッタ、だと思う)の濃厚な脂の味がまた合っている。相変わらず美味だ。

で、リゾットというやつは「おじや」に似ていてあまり美味しいと思えるもんじゃない……と少しばかり今まで思っていたのだが、だんなから奪って食べた今日のリゾットは絶品だった。
米は1粒ずつパラパラとほぐれていて、中にはほんのり芯が残る。まるでパスタの一種のようだ。黒々としたソースからは強い潮の香りがして、私も今度リゾットにしよう、なんて思ってしまった。

料理は着々と美味しいものが運ばれてくる。
だが、今日は何だかやっぱり店内の雰囲気が妙だった。パタパタとスタッフが忙しく動いているのに、いまいち目が行き届いていない。
いつもなら、
「お2人で食べられるようにとりわけましょうか?」と言ってくれたりだとか、
パンが無くなるとすぐに追加のパンの籠を持ってきてくれる、だとか、
グラスのビールが無くなったところで、「他に何か飲み物を?」と訊いてくれたりだとか、
なんてことが当たり前にあるのに、なんだかそういう事が全くない。
席はほとんど満員だったし、一時は入り口に待ち客が座っていたりもするほどではあったけど、でも、だからと言って「いつも出来ることが今日は出来ない」というのはちょっと違う気がする。

「なんか……今日はバタバタだね」
「日曜の昼に来たの、初めてだしね」
とちょっと溜息。

メインは肉と魚のどちらかが選べるので、当然夫婦で両方を頼む。だんなが最初は魚を、私が肉を食べ始め、半分食べ終わったところでお皿を交換。
魚は、マチガレイのグリル、アスパラガス添え。肉は、比内鶏のグリル、アーティチョーク添え。
「どっちもグリル料理とは、ちょっとつまらないなぁ」
と注文の時に思ってしまったけど、それは大きな間違いだった。こんがりと皮目を焼かれた鶏肉はシコシコと力強い歯ごたえがあるし、対して魚は中の脂がじんわりと溶けて広がっていて、ふくふくと崩れるほどに柔らかい。殊にこっちの魚は、他に調味料は何も要らないと思わせる美味しい素材だった。こんがり火を通されただけのグリル野菜もまた土の味がして美味しいし。
肉と魚を両方堪能できて、すっかり満足。お腹もちょうど良い感じ。

「あとは、デザートだね♪」
と、待つ。お皿はすぐに下げられた。
でも、パン屑を片づけてくれになかなか来ないし、どころか「食後のお飲物は?」と訊いてくれにも全然来てくれない。水のお代わりを要求したら、1人目には忘れ去られ、2人目がやっと持ってきてくれた。それでもパン屑は、無視。
隣の席の二人組には、メイン料理を食べ終わって早々に大きなデザート皿が並んでいる。あれあれ、どうなってるの?

どうやら私たちのテーブル用に持ってきてくれたらしい、デザート皿を2つ持った女性が向こうからやってきた。でも私たちのテーブルの、パン屑が散らばったままの状態を一見して「あら、まだなのね」という顔をして戻っていってしまい、その皿は別の2人客にそのまま供されていた。
……なんだか、忘れられちゃったみたいだ。お皿が下げられてから、もう15分以上も経つだろうか。
隣の客も、その後の2人客も、すっかりデザートをたいらげてデミタスカップを持っている。でも、私たちのテーブルにはパン屑があるだけだ。

"もしかして、実は私はこの店のスタッフ大変嫌われているとか!?もしかしてこれは復讐だったりするとか!?"
と怖い考えになってしまいつつあった頃、だんなが側の女性を呼び止めて「デザートにしてくれませんか」と伝えてくれた。
それからパタパタとパン屑が片づけられ、飲み物の注文を訊きに来、デザート皿がやってきた。……なーんか調子が狂う。いつものお店と全然違う。マネージャーのK氏がいないときのこの店は、こんな感じになっちゃうのかなぁ……と、かなりがっかり。

デザートは、私とだんなのお皿は全然別のものだった。私にはリコッタチーズのタルトと、苺のソルベ、チョコレートとフルーツ入りのセミフレッド。だんなには苺のタルトとバニラアイスクリーム、リコッタのムース。どれもお互い大好きなものなので、これも半分食べてお皿を交換。イタリアのタルトというやつは水気が思い切り少なくてサクサクとしているものらしい。フォークを刺すとほろほろと崩れていってしまうこのタルトが、私は大好きだ。ムースもソルベも、過不足なく美味しい。……でも、胸のもやもやはやっぱりもやもやなままだ。
追加注文の支払いは当然するつもりで、今日誕生日を迎える息子用にもデザートを注文しようと思ったのに、それを伝えるタイミングさえも私たちには与えられなかったのだ。

こんなにお客が入っていても、こんな不足だらけのサービスだったらこの店は良い店なんかじゃない。初めてこのお店に来て、「なんて素晴らしい店なんだろう!」とその味とサービスに感動した内容の、今日は3割以下の出来映えだった。初めて見た男性スタッフは、通りすがりに皿を置く、といった風に動作の"止め"が全く無いサービスの仕方で、私はカモミールティーを投げられて受け取ったような印象を受けた。

帰る間際、今日のホールのトップの役目を仰せつかってしまったらしい、顔なじみのTさん(いつもはKさんの下で爽やかに動き回っているのだ)がそそそそっとテーブルの側にやってきた。
「今日は、お恥ずかしいところを何度も……」
と恐縮しきった顔で一生懸命頭を下げていた。
多分、色々と行き違ってしまったんだろう。皿を下げた人物がデザートへの準備をするのを忘れ、デザートを持ってきた女性は「あら、メインを食べ終わったばかりなのね」と勝手に合点し、その前後を良くみていなかったTさんは「もうデザートが終わったんだな」と納得してしまったのだと思う。最後に色々な不手際に気が付いてくれたらしいTさんの言葉で、"もやもや"は"もや"くらいに軽減された。でも。でもしかし。
……すっきりしない食事だったなぁ……

特製おこさまランチ
 メンチカツ
 海老フライ
 オムレツ
 マカロニグラタン
 ポテトサラダ with レタスときゅうり
 海老ピラフ
 コーンスープ
 オレンジジュース

麻布 しろたえ
 チーズスフレ
カフェオレ

今日は息子の誕生日。
トホホな昼食を済ませた後、食材いろいろ買って帰宅。夕方から夫婦してバッタバッタと台所で動き回り、お祝い用の「おこさまランチ」を作ってみた。
マカロニグラタンはベシャメルソースからちゃんと作ったし、何から何まで全部手製だ。食べる直前に揚げたメンチカツに海老フライ、ちょっとだけコンデンスミルクを混ぜたポテトサラダ。甘くて美味しいコーンスープ。ミックスベジタブルとマッシュルーム入りの海老ピラフ。生クリームたっぷりのオムレツ。うん、素晴らしいじゃないかおこさまランチ。


こんな感じにできたのさ(グラタンはまだオーブンの中)

おこさまランチ、息子は大はしゃぎだった。むんずとメンチカツを掴んで、そのままがぶりと1個たいらげ、つづいて2個目もたいらげ、お代わりして3個目も綺麗に喰ってしまった。海老フライもしっぽから囓りついたりコーンスープは一気飲みしたり。すっかりご機嫌の息子は「おいちぃ!」をくり返していた。

デザートは、昨日だんなが買ってきてくれた、しろたえのチーズスフレ。だんなはシュークリーム。
そして息子用には、今日、銀座の風月堂でショートケーキを買ってきた。やっぱり誕生日には生クリームと苺たっぷりのショートケーキが似合うんじゃないか、と思う。小さな細いローソクを2本、貰ってこようと思っていたのにすっかりそれは忘れてしまった。ううう、残念。ローソク「ふー」しようと思ったのに。今度でっかい束を買ってこよう。どうせ7月はだんなの誕生日で3X本使うのだ(ほんまかいな)。

ともあれ息子よ。2歳、おめでとう。