食欲魔人日記 05年07月 第5週
7月25日 月曜日
親子共同作業の混ぜ寿司。御飯ちと潰れ気味だけど気にしない。
永谷園 中華風冷やし烏龍茶づけ(貝柱)

先日買った、永谷園の「中華風冷やし烏龍茶づけ」。サントリーとのコラボ商品だそうで、冷たい御飯に茶漬けの素乗せて、冷たい烏龍茶をだばだばかけて喰いなさい……というものだ。1人で1〜2度食べたけれど、だんなにもこのキテレツなものを食べていただきたい、と、今朝の食卓に。

いつも、中華デザートなどに添えられていて「色は良いけどいまいち味気ない……」という存在でしかないクコの実が、甘酸っぱくてカリカリと楽しい食感で、案外良いアクセントになっている。あとはフリーズドライのザーサイとか胡麻とか葱とか、案外簡単にほぐれて柔らかくなっていった貝柱とか。夏の朝にはさっぱりと心地よい食感ではあるのだけれど、味はというと……ちょっとばかりビミョ〜。永谷園は時々こういうほんのりキテレツなものを発売して人知れず消えていったりするのだけれど、私はいつのまにか市場から消滅してしまっていたパン用ふりかけ「トッピー」がけっこう好きだったのよ。

ドッグパンの卵野菜サンド&ピーナッツバターサンド
茹でとうもろこし
牛乳

今日はあまり急ぎの仕事もなくて、「海の日特集」でスカパーで放映されていたのを録画したナショナル ジオグラフィック チャンネルの海もの番組をせっせと見たり、溜まっていた本を読んだり。「海の日特集」は思いの外面白くて、謎だらけの古代タコ「コウモリダコ」を捕獲してあますところなくその体を見せてくれたり、イワシの群を追ってやってきた何百匹ものサメの大群が映し出されていたり、口あけて「ほえー」と眺めたおした。熱帯魚とかにはあんまり興味がなくて、深海魚だクラゲだシュモクザメだというあたりばかりに心奪われる私を、だんなは「おゆきさんてば、ほんと悪趣味……」と思っているらしかった。……なんかね、「狙ったような美しさ」というのには私はあんまり興味がないみたいで。コウモリダコ、こんなに美しいのに。例えヨーロッパで「地獄の吸血イカ」なんて名前がつけられようとも。

昼御飯は、ドッグパンが3個残っていたのでサンドイッチに。ゆで卵のマヨネーズ和えと、レタスと玉ねぎとトマトを挟んだボリュームたっぷりの卵野菜サンドと、息子の「おかわり!」対策に残った1個のドッグパンにピーナッツバターを塗ったものを用意しておく。あとは茹でとうもろこしと、お供に牛乳。

そう大きなサイズじゃないドッグパンだったけれど具沢山のサンドイッチにしたので1個でけっこうお腹一杯。厚切りトマトが思った以上に卵サラダに似合っていて嬉しかった。案の定息子に
「おかわり!」
と言われたので、「同じのはないけどね、パンのおかわりはあるよ」と1/2サイズに切ったピーナッツバターパンを差し出したら大喜び。

夏野菜の混ぜ寿司
根菜と油揚げの味噌汁
グリーンサラダ
冷茶

今日は平和な一日……と思いきや、昼を過ぎたところでドカドカといくつも仕事の依頼が飛び込んだ。今日はとても不安定な天気で、とんでもない土砂降りになったと思ったらその10分後には陽が射したり、全く空模様が読めない天気の一日で、でも夕飯の食材買いに行きたいし、今日は『のだめカンタービレ』が連載されている雑誌『Kiss』の発売日だしで、小雨になったところで一気に用事を片づけてきた。

今日はマグロの刺身やイワシ、イカ、カツオに金目鯛の切り身に海老に、と色々なものが「3パック1050円」セールになっていて、マグロとイワシと海老を購入。づけ丼にしようかな、いや、ちらし寿司が食べたいなー……でも具を煮ている余裕はない……と、ちらし寿司の素も買ってきた。具が全部寿司酢の味になっちゃってるやつじゃなくて、酢と甘く煮た具が別々になっているのがいいなーと、買ったのは永谷園の「銀座すし嘉 あなご寿司」というもの。わーい穴子入りだー!と、値段も見ずに買ってきたらやたらとお高い「素」だった。

夏だし、と、ちらし寿司には茹でたブロッコリーとか枝豆、刻んだきゅうりも入れてみた。あとは角切りにしたマグロ、錦糸卵、海苔。今日も台所をうろうろしていた息子が
「おすし?おすし?パタパタする?うちわでパタパタする?」
と寄ってきた。うん、じゃあ色々手伝ってもらおう、と、交代しながら具を混ぜたりうちわで扇いだり。「御飯を潰さないように切るように混ぜる」というのがどうにもまだ難しいみたいで、でも「ぼくもぼくも混ぜるー」と息子がやる気に満ちあふれていたので色々おまかせした。こうやって盛りつけるんだよ卵と海苔乗せてね、と、盛りつけもおまかせしたら、錦糸卵を7割方、むんずと掴んで盛りつけて去っていった。こらこらこら、そんなに持ってくな。

週末が肉っけ溢れたものだったので、味噌汁に大根と人参と玉ねぎをどっさり入れ、サニーレタスのサラダは玉ねぎとピーマンと人参ときゅうりをしこたま混ぜて。
残念ながらだんなは激ジョブで夕飯には間に合わなくて、
「おいしくできたのに、ざんねんねーお父さん」
「……ねぇ、一緒に御飯混ぜて作ったのにねぇ」
なんて言いながら、息子を2人でわしわしと食べた。……今度は錦糸卵、卵2個使ってどっさり作ろう。

7月26日 火曜日
初めて作った、イタリア風のイワシの照り焼き
「ミスタードーナツ」の
 ポン・デ・フロマージュ
 D-ポップ
アイスティー
昨日の夕方近くに仕事がドピャーッとやってきて、昨日はだんなが帰ってきた午後11時半頃まで仕事をしていた。だんなも帰ってきたしと、いまいちキリはよろしくないところだったのだけれどパソコン落として12時過ぎに就寝。気がつけば、息子まで
「明日は、なんにもようじ、ないよね?お父さん、待っててもいいかなぁ?」
とかなんとか言いながら一緒に起きて待っていて、家族全員夜更かししてしまった。。

それでも仕事があるしと、今朝も7時頃に起きてお仕事お仕事。明日は息子と一緒にお出かけする予定にしているので、今日のうちにすっきりさせたいなぁと、台風対策(=ベランダの植木鉢を安全なところに移動させるくらい)だけやっておいて、息子は寝かせてやったまましばしお仕事。息子が起きるのを待って、かなり遅めの朝御飯……というより昼御飯をいただいた。

昨日、土砂降りの合間を縫うように急いで買ってきたのはドーナツ。だんなが「ジム行く前にドーナツ食べていきたいなぁ」「今回のおまけ、良くない?あの椅子が欲しいんだけど」と、
「というわけで、ドーナツを買ってきてください」
と1000円札をぺろりと1枚くれたので、それであれこれ買ってきた。六実デリ1個、カスタードクリーム1個、D-ポップ2個に新発売の「ポン・デ・フロマージュ」2個。

現在発売中のチーズヨーグルトクリーム入りのものがけっこう好みな味で、今回は「ポン・デ」系のフロマージュ味。中のクリームはやっぱり好みな味だったのだけれど、チーズヨーグルト味だとばかり思っていた表面のコーティングがホワイトチョコだと知って「……甘い……」と少々がっかり。ここも甘酸っぱいヨーグルト味だとめちゃめちゃ好みだったなー。

息子が1個1個D-ポップを丹念にゆっくり食べていたので、先に食べ終わった私はお皿やコップもそのままにお仕事再開。「ごちそうさまでした!」と席を立った息子は台風近づく不安定な天気の中、一人で家遊びしていてくれたけれど、そのうちに
「おかあさーん、お皿、さげなきゃダメだよね?」
と呟いて、私が仕事に夢中で生返事している間に
「じゃあね、ぼくがお皿あらっちゃうからね」
とか言いながら、スポンジ使って綺麗に皿とコップを洗ってくれていた。あはは、どうもすみません……。

イワシのソテー照り焼き風 ルッコラ添え
茹で海老入りグリーンサラダ
マッケンチーズ
缶チューハイ(ピーチ)

夕御飯は、マッケンチーズ。息子に
「さいきん、マッケンチーズ、食べてないよねぇ?」
と上目遣いで見られてしまったので、近いうちに作ろうと思っていた。今日は台風接近のためだんなも早く帰ってくるということだったので、久しぶりにだんなも一緒にマッケンチーズの夕御飯(どうもだんなが激ジョブの時とか飲み会の時とかに作る傾向があるから……>マッケンチーズ)。

鍋に少量のバターと小麦粉落とし、火にかけてペースト状にしてから牛乳注いで「ゆるめのホワイトソース」を作る。そこに削ったチェダーチーズをたっぷり入れ、そのソースで茹でたマカロニ和えればできあがり。チーズをモッツァレラやパルメザンや青カビなどを混ぜたものにすれば「4種のチーズのペンネ」的な料理にもなって、色々遊べるチーズソースだ。息子はアメリカ〜ンな味のチェダー一色のがお気に入りらしい。

鶏肉を焼いたのがマッケンチーズにはたいそう似合うので、ついオーブン焼きの鶏肉ばかりを添えてしまっていたのだけれど、今日はイワシを。昨日、3パック1000円のを買ってきた魚介よりどりセール品、マグロは昨夜食べ、イワシはワタをウロコを取っておいてある。あとは殻つきのブラックタイガー8尾。

先日から、Cucina Tokionese Cozimaのレシピページ更新の仕事の依頼を受けてせっせとやっていたのだけれど、今日作っていたファイルが「イワシのソテー 照り焼き風」というもの(今チェックしてもらっているので、公開は多分数日後……)。本当はジャガイモのスープ状のソースを作って下に敷いて……とちょっと手間のかかる前菜だったのだけれど、イワシの照り焼きがやたらと美味しそうだったので、作ってみることにした。このソースの味ならきっとサラダを敷いても似合うはず〜、と、ルッコラを刻んだものを山盛り魚の下に敷いてみる。

イワシは「大名おろし」(中骨にある程度身を残した、身に骨が残らないように切る贅沢な3枚おろし)にして、塩ふって皮目に強力粉ふってフライパンで両面こんがりと。そこにバルサミコ酢4:はちみつ2:醤油1の割合の合わせ調味料を加え、火を落として余熱で煮絡めてできあがり。レシピでは、茹でたじゃがいもに牛乳を加えて冷たくしたソースの上にこれを乗せ、風味づけにカレー粉をぱらりと仕上げにふりかけていた。

バルサミコ酢は、独特なツンとした香りはあるけれど案外味はまろやかで、はちみつと合わせたほの甘いソースに良く似合う。ちゃんとイタリア風だけれどちゃんと「照り焼き」な味になったイワシは思っていた以上に美味しくできた。茹でた海老もこのソースに絡めちゃおうと思ったのだけれど、それじゃくどくなるかなと海老は茹でて刻んでサラダに散らしてしまうことに。

イワシの照り焼きは、そのまんま御飯に乗せても美味しそうで(水にさらした玉ねぎとか山盛り添えたら美味しそう……)、パスタの具にも使えそう。数年前の一時期はやたらと高価になっちゃって「イワシって高級魚!?」という認識になっていたりしたけれど、最近はまたすごく手頃な値段になってきて何より何より。

7月27日 水曜日
最近流行の自然食ビュッフェ。たくさん食べたけど野菜ばかりー。
卵丼
根菜と油揚げの味噌汁
麦茶

今日は早起き。息子と映画を見に行く約束をしているので、早めに起きて御飯炊いて早めに朝食を済ませ、だんなの出勤と一緒に私たちもお出かけ。

朝御飯は、残っていたお味噌汁と、半熟に火を通した卵丼。いつもは1人ずつ丼用の鍋で作る卵丼、家族の分全てを一度に作ろうとフライパンで作ったらちょっとばかり半熟具合が失敗してしまった。卵2個に対して、醤油と味醂と酒を大さじ1くらいずつフライパンに入れ、沸騰したところで溶き卵を流し入れる。蓋をして中火で数十秒、蓋をしたまま火を止めて蒸らすこと数十秒。フライパンがでっかいしと心もち長く火を通していたら、半熟をちょっと通り過ぎて「少し柔らかいところもあるけどー」くらいの固まりっぷりになってしまった。
ちょっと失敗。

海浜幕張「奈のは」にて
 ランチビュッフェ 1600円

息子と一緒に海浜幕張の映画館へ。今日は水曜日、レディースデイで女性1000円ということで息子と一緒にポケモン映画を見てきた。混雑するかなぁと初回を見に行くことにして、更にネットで席の予約もして行ったところ、館内はけっこうな混雑。私たちと同じく、お客のほとんどはお母さんとその子供達だ。

息子、ポケモンは前から好きだったけれど、ポケモンの映画を見に来るのはこれが初めて。
「おかあさん、ジュースとポップコーンかおうね」
「……えー、朝御飯、しっかり食べてきたじゃん。それに、見終わったらすぐに昼御飯行こうかなって思うんだけど」
「でもね、えいが見にきたら、ジュースとポップコーンはひつようなんだよ」
必要ですかそうですか……と、一番小さな「キッズサイズ」の可愛いポップコーンとコカコーラ、ジンジャーエールを購入。買ったは良いけど、息子は映画が始まったらそれに夢中でほとんどポップコーンの袋に手が伸びてこなかった。

アニメ映画を見たのは「もののけ姫」以来だと思うけれど、その頃からの「背景にCGばりばり」に未だにいまいち馴染めない私。なんでキャラクターが凹凸のないのっぺりしたアニメ顔なのに背景の建物がやたらと立体的で、水の表現なんかが実写ばりにキラキラしちゃってるんだろうなぁ……と。そしてその頃からの「声優に、プロの声優じゃなく芸能人を起用」というのにも相変わらず馴染めない。うわー、なんか、へったくそな人がいるぞー……と思うと、それはたいてい芸能人だ。……アニメはアニメなんだから、昔どおりにプロの声優がやってくれる方が嬉しいなぁ。

……と、そんなことを思ってしまいつつも眠ったりせずにポケモンをしっかり堪能。いつのまにかポップコーンも空になっていたけれど、映画館を出た11時過ぎにそのままお昼御飯を食べに行った。
「パスタ屋さんとか、行く?それともねぇ、ちょっと気になってたバイキングのお店があるんだけど……」
「バイキング?それ!ぼく、そこ行きたい!」

息子から快諾を得て向かったのは「奈のは」というオーガニック嗜好のビュッフェ専門レストラン。ランチタイムは大人1600円、小学生の息子は850円。けっこう評判が良いらしく、平日でもランチタイムには行列ができるということだったので試しにと向かってみた。

我が家からそう遠くないところにある「四季のさんぽ道」と、ノリはほぼ一緒。野菜や豆や乾物、海藻などを多めに使った和風中心の料理が並び、洋食系のものは少なめ。素焼きの平鉢などに盛られた料理は1つ1つは案外少な目で、その代わりに
「○○ができあがりました〜」
と続々と入れ替わっていく。最近この手のビュッフェはブームなのかな、と思いながら色々いただいてきた。

玄米御飯に野菜のカレー、野菜だけが入った散らし寿司にお麩を炊いたの、きんぴらごぼう、鯖の味噌焼き、黒胡麻の麻婆豆腐。グリルした無農薬野菜各種に、きのこのあんをかけた茶碗蒸し、湯葉あんをかけたあんかけチャーハン、野菜のコロッケ。……全体的に、肉と魚が少なめの、ヘルシー嗜好な料理ばかりだ。数品あるデザートも、アロエ入りヨーグルト、白玉ぜんざいなどなど、どれも甘さは淡め。

ちょうど「ひじきの煮付け」とか「きんぴらごぼう」あたりの料理が恋しいところだったので、少しずつあれこれ野菜料理乾物料理をいただいてきてちょこちょことつまむ。こういう料理で息子は満足だったかしら、と息子の皿を見れば、ひじきの炊き込みご飯に根菜のお味噌汁、茹でとうもろこしと野菜コロッケ、茶そばという大変渋い組み合わせに麦茶を添えて、なんだか幸せそうに食べていた。万事OKらしい。

あっさりした和風中心の料理、そういうものだと思ってお店に入れば満足できるのだけれど、そうじゃなく「普通のランチビュッフェ」を想像して入っちゃった人にとっては、なかなかつらい品揃えらしい。2種類ほどのパスタは出るなり消えていく人気商品で、焼きたてピザも出るなり数十秒で消えていく。あ、ピザだよーピザがきたよーと近寄ってみたら、残り8切れほどあったところ、私の2人前にいた人が全てをさらっていってしまって、残念ながらピザは口に入らず。うう、8切れ残っていたものを8切れ持っていくなんて、なんかちょっとひどい……。

ともかくも、あれこれ食べてお腹いっぱい。湯葉あんかけのチャーハンがなかなか美味しくて、サラダかたわらにわしわし食べてきた。

ラムもも肉のジンギスカン風炒め
ゴーヤーとツナのマヨネーズ和え
キャベツのカレー風味スープ
羽釜御飯
ホッピー・冷茶

最近、地元のスーパーでもラム薄切り肉を普通に見かけるようになったけれど、カルフールのラム肉コーナーの相変わらずの充実ぶりが嬉しくて、
「カレーにしようかなー、ラムチョップ買っちゃおうかなー」
と悩みつつ、もも肉のぶつ切りを買ってきた。薄切りじゃなく、角切りに近いごろりとしたもので、炒めて食べたら美味しそう。芸はないけどジンギスカンみたいな味で炒めたいなぁと、野菜も併せて買ってきた。

家に帰って夕方、食事の支度をし始めたところで
「……でもだんな、明日飲み会だって言ってたっけ……」
確かジンギスカン食べ放題じゃなかったっけ、とそこで思い出して、2日似た夕御飯が続くのはあんまりかもしれない、と慌てて確認。
木曜は土用の丑の日だそうなので鰻のかば焼きも買ってきてある。木曜用の鰻を前倒しにして、だんながジンギスカン食べている間に私と息子がジンギスカン風炒めを食べれば円満解決なのではないかなー……と思っていたら、だんなから
「ラム肉炒め続行すべし」
の一報が入った。……ラム肉炒めを肴に、クパーッとホッピーやビールを飲みたかったのであるらしい。

具はピーマンに玉ねぎ、たっぷりのもやし。醤油や味醂やおろしにんにくで自家製のタレを作ろうかどうしようかと考えつつ、以前から少し気になっていた「炙りにんにく味」とかいう焼き肉のタレを買ってきて、それを使ってザカザカと炒める。カルフールでゴツゴツと巨大で美味しそうなゴーヤーも買ってきたので、薄切りにして塩ふって水にさらしてある程度アクを抜き、ツナとマヨネーズで和えたものを一品。キャベツは千切りにしたものを炒めてコンソメスープにし、軽くカレー粉をふってみた。

調子に乗って野菜を切りすぎたのか、けっこうな分量になってしまった炒め物をホッピーと御飯の供にしながら、ほのかににんにく臭い夕御飯。買ってきたタレは確かににんにく臭かったけれど、思ったよりも甘くて食べやすいものだった。……にんにくの芽と鶏肉の炒め物とかこのタレで作りたい気分。

7月28日 木曜日
土用の丑の日!よって、うな茶!
「カルフール」のパリパリチーズパン
コロッケ
トマトのサラダ

牛乳

昨日も大変な暑さだったけれど、今日も負けず劣らずの熱気になるらしい。
朝7時前に起きて洗濯機回して、携帯虫除け首からかけて(←1回ベランダ出ただけでボスボス刺される、とトップページに書いたら、これがいいよとオススメいただきました。これがごっつぅ効きます。以来ほとんど刺されなくなりました)、鉢に水やり。まだ早朝と言っても良いくらいの時間帯なのに、今日もイヤになっちゃうほど暑かった。こういう時こそ、「美味しいかき氷屋に行くぞー」と出かければ良いのだけれど……出る気力が沸かない……。

でも、今日は学校に届け物しなきゃいけないし、図書館から「予約の本が来てますよー」と連絡が入ってるし、明日の朝御飯に予定しているブツ用の粉とジャム買わなきゃいけないしで、9時過ぎたところで息子を誘ってお出かけ。いまいち食欲もなくて、息子と一緒に牛乳一杯飲んだだけで、何も食べずに自転車にまたがった。

「……あ、朝御飯……というか、もう帰ったら昼御飯か。何か食べたいのある?チーズのパンだけは買ってきてあるけど」
「ぼくねぇ、コロッケが食べたい!」
「……そっか、コロッケか……」

息子はコロッケが大好き。私も大好き。大好きだけれど、あまり作ったことはないコロッケ。
「君は、ポテトのコロッケが好きなの?それともお肉たくさん入ってるやつ?それともクリーム?」
と数日前に聞いたところ、即答で
「カニクリームコロッケ!」
と言われてしまった。そうですかカニですかカニ必須ですか。手間はかかるけど、じゃあそのうち作ってやろう。

さすがに今日、昼間っからカニクリームコロッケを作る気力はなく、駅前のパン屋さんのポテトコロッケを買ってきた。家に帰ってから「パリパリチーズ」とかいうネーミングのチーズパン(平たく伸ばして焼いたフランスパン生地に、チーズをこれでもかと散らしたようなもの)をオーブンに入れ、大きなトマトはスライスして「ピエトロ」のドレッシングとみじん切りにした玉ねぎを散らして。桃も剥いて、朝昼兼用になっちゃった分ちょっと豪華な食卓にした。

のんびり食事しながら、先日スカパーで放映されたのを録画しておいた数年前のポケモン映画を見て、午後はのんびり。

ひつまぶし
しじみの味噌汁
きゅうりの磯和え
目指せおばあちゃんの卵焼き
麦茶

今日は土用の丑の日。だんなは飲み会だそうで、息子と2人の夕御飯は当然のように「鰻」ということに。家で食べる鰻は、鰻丼よりも「ひつまぶし」が美味しい。多少質が悪くて固めの鰻でも、ひつまぶしならそりゃもう美味しくいただけるのだ。息子も、刻み海苔をどっさりかけて食べる「鰻の混ぜ御飯」が大のお気に入り。

先日名古屋で食べてきたひつまぶしは、だしではなく煎茶をかけていただくものだった。それはそれですごく美味しかったのだけれど、あれはタレの味がある程度あるからこその美味しさで(実際、「味が薄かったら」のためにタレが別添でやってくる)、今日の鰻じゃタレがちょっと物足りない感じ。御飯に対して鰻がちょっと少なめのようだったから、今日は鰹だしを用意した。昆布と鰹節で濃いめのだしをとって、吸い物よりちょっと濃いめに味をつける。

あとは、これでもかという分量の刻み万能葱と刻み海苔、生わさびを用意。酒をふって軽くフライパンで蒸し焼きにした鰻の蒲焼きをざくざく細かく切ってタレと共に御飯と混ぜ合わせ、そのまま食べたり、薬味を乗せたり、薬味を乗せたうえでだしをかけてお茶漬けにしたり。

どうせだったら「卯巻き」も欲しいと思ったのだけれど、鰻の分量に余剰はなかったので、ただの卵焼きを添えた。先週の地震の日の翌朝、おばあちゃんが焼いてくれただし巻き卵がそれはそれは美味しかったのでそれを目指してみたのだけれど、卵の1/4量くらいのだしと調味料の分量じゃ、まだまだ固めの卵焼きになってしまった。ふわふわと柔らかくて、だしがジュッと染み出てくるようなおばあちゃんの卵焼きを目指すには、卵の1/3量か1/2量くらいのだしが必要なのかしらん。……今度作ってもらえる機会があったら、ちゃんと脇に立って教えてもらってこようと思う。けっこうしっかりめに、だしの味と醤油や味醂、砂糖の味が感じられる濃いめの味の卵焼きだったんだな。

あとはしじみの味噌汁、酢の物にしたきゅうりに海苔を混ぜた磯和え。
「今日のごはん、ビタミンいっぱいはいってる?」
「ビタミン?うん、鰻にはビタミンAとかEとか入ってるんじゃなかったかな?野菜はCとかもね」
「じゃあ、けんこうになるねぇ!」
「……なるねぇ〜」
一体どこでそんな事を覚えてきたのか、「Cは、びょうきをやっつけるー、Aは赤いたべものに入ってるー」とか言いながら、息子はひつまぶしを薬味で1膳、うな茶で2膳平らげた。

7月29日 金曜日
久しぶりにスコンを焼いてみる。
自家製スコン
 クロテッドクリーム・いちごジャム・杏ジャム
アイスミルクティー

我が家近所じゃなかなか見かけない、ナカザワのクロテッドクリームを先日カルフールで見つけた。懐かしいな懐かしいな久しぶりにスコンにコテコテつけて食べたいなぁと、1個購入。だったらと久しぶりにスコンを焼いてみることにした。

朝起きて、起きるなり粉やバターを計量。薄力粉とベーキングパウダーと塩と砂糖を合わせてふるったところに、バターを指先で潰して細かくするようにしながらすり混ぜていく。砂のようにサラサラになったら牛乳加えてひとまとめにし、まな板の上にぺたぺた広げたらセルクルで型抜きして天板に並べて卵の黄身を水で溶いたものを塗りつけ、190度のオーブンで15分くらい。

「スコーン」ではなく「スコン」という表現も、そして作り方も、林望さんのイギリスエッセイ本に掲載されていたものそのまんまだ。何度かこのレシピで作ったけれど、ポソポソとしたならではの食感のものが案外ちゃんとできあがるので毎回このレシピで作っている。今回、あまりにもざっくばらんに生地をまとめすぎてしまったのが原因なのか、表面がザラザラとした「いかにも素朴な」というか端的に言って「シロウトくさい」仕上がりになってしまったけれど、でもちゃんと"オオカミの口"と表現されるムガーッとした膨れ具合も、生地のポソポソホロホロ感もちゃんと実現できた。お供にクロテッドクリームと、あと昨日買ってきたジャムを出して、冷たい紅茶も用意して〜……とバタバタしていたところ、だんなも起きてきた。

が、だんな、何やら具合が悪そうだ。明け方に気持ちが悪くなってどうしようもなくなったそうで、起きてきた今もめまいグルグルなのだとか。焼きたてのスコンを前に、
「おいしそう……食べたい……でも無理みたい……」
とアイスティー1杯飲んでベッドに戻っていった。食事を摂るのも無理なら、出勤もダメっぽい。あららら、かわいそう……。

ともあれ、焼いちゃったスコンは美味しくいただこうと、息子と2人もりもりと食べる。スコンにつけるジャムは、「果実の粒がそのまま残ってます」みたいなものよりも、細かく砕けたピュレ状の方が好みだなとスーパーの棚を見渡して好みな感じのものを買ってきたのだけれど、これがよく見ると「砂糖不使用」などと書いてあって、すごーく甘さが控えめなジャム。その分いちごの味も杏の味もはっきり感じられて美味しかったのだけれど、ついつい分量多めにクロテッドクリームをこってり、ジャムもどっさりという風にスコンにつけて食べてしまった。

「おかさんが、焼いたの?」
「焼いたよー。今度は一緒に作ってみる?」
「作るー」
今日は、あまり息子を早起きさせるのもかわいそうかなと一人でやっちゃったのだけれど、息子はそのへんが少々不満だったらしい。
じゃあ今度は真っ昼間にスコン作りを。

つけ麺(とんこつ醤油味)
茹で鶏と刻みきゅうり
卵焼き(昨夜の残り)
麦茶

だんな、結局お仕事お休み。午前中ずっとおとなしく寝ていたせいか多少昼には復活したようで、
「冷やし中華食べたいな……いや、つけ麺とかあったら、それもいいな……」
とリクエストいただいた。今日も猛暑の中、「そういえば、毎週金曜日は卵の安売りじゃん」と、チャーッと自転車乗ってつけ麺買いに近所の安売りスーパーまで。「とんこつ醤油味」なるつけ麺2人前と、99円特価の卵1パックと、その他諸々買ってきた。

買い置きの鶏肉1枚茹でて、刻みきゅうりと共にお皿に盛りつける。昨夜の卵焼きとか、ほんの数口分余っていたゴーヤーとツナの和え物などもテーブルに出し、それらをちょこちょこつまみながら2玉のつけ麺を3人で分け合いつつ食べる。コッテリ味のつゆにつけて食べるきゅうりや鶏肉が案外と美味しくて、「ぼくはね、スコーンいっぱい食べたから、おそばはちょこっとでいいんだよ」とか言っていた息子もたらふく平らげていた模様。

私は午前中から夕方までひたすらお仕事。息子もおとなしく、朝顔の観察日記などつけていたりした。

千葉 「銚子丸」にて
 キス・白魚
 鰹・秋刀魚
 鶏皮軍艦・ローストビーフにぎり
 とろサーモンのカルパッチョ
 イカそうめん
 あなご天にぎり
 夏の劇団セット(大トロ・本マグロ・ねぎとろ・穴子手巻き・穴子入り卵焼き)
 ビール

自宅でかき氷(カルピス醍醐味がけ)

夕方は息子の音楽教室。夕方のデパ地下安売り魚介でも買って帰るか、それともそれとも……と教室終了後に留守番していただんなに電話をかけてみた。

「何か材料買って帰るか……それとも、こっち出てきてお寿司でも食べる?」
「……は?すし?」
「……いや、酸っぱいものだったら案外さっぱりと食べられるかなって……」
「さっぱりしてるけど、生ものですよ奥さん」
「ああ、弱ってるときにそういうのはヤバイか……そうだよねぇ……」

生ものですよ、なんて言っていた割には、「いや、でもやっぱ行く」と言って出てきただんな。いつもの回転寿司屋「銚子丸」でビール1本注文して半分こして、軽くあれこれ食べてきた。注文した皿はほとんど全てだんなと半分こして、1貫ずつ色々な種類を。調子に乗って私が「鶏皮軍艦」とか「ローストビーフにぎり」を注文する傍ら、病人のはずのだんなは「あなご天にぎり」という大変ヘビィなイロモノメニューに挑戦していた。

黒板に書かれた「今日のおすすめ」のキスや白魚、鰹に秋刀魚はどれも新鮮でプリプリとした良い味のものばかり。ただいままぐろ&穴子フェア中ということで、シメの皿には「大トロ・本マグロ・ねぎとろ軍艦・穴子手巻き・穴井入り卵焼き」の5つが1貫ずつ盛り合わせになったセット(880円)をいただいた。俺も俺もとだんなも一緒に注文し、私とだんなの前には同時に豪華長皿が。

大トロは最後に食べたいよねぇ……間に穴子を挟みつつ大トロに移行するには……と色々考え、ねぎとろ軍艦、穴子入り卵焼き、とつまんでいく。そこでだんなの方を伺うと、だんなの皿からは私と同じものが消えており、まさに卵焼きを頬張っているところだった。

「……軍艦からいきました?」
「当然でしょ」
「で、このあとは本マグロ、手巻き、大トロという流れになりますか?」
「うん、当然でしょ」

で、本当に、この後ほぼ同じペースで全く同じ順番で長皿の5種類を食べ終えた私たちだった。大トロは口に入れた途端にトロリと溶ける絶品なもので、今日はまた格別に美味しかった。これで1皿880円なら大満足。

独身時代、だんなとデートしていてカレー屋さんのメニューの「本日のカレー・5種」だか何だかの好きな順位が5種類見事に一致したことがある。居酒屋に入って「このつまみが欲しいよねぇ」と指さすものもほぼ一緒で、この人と一緒に食事するのはストレスがないなぁと心から思ったのは数度目のデートの後だ。で、結婚しちゃってから後、この気味悪いくらいの嗜好の一致はもうあまり意識することはなくなっていたのだけれど、久しぶりに「うわー、このヒト私と全く同じ順序で寿司喰ってるよー」と実感してしまった次第。

息子は息子で今日も回転寿司をおおいに堪能して玉子焼きだいなり寿司だ茶蕎麦だと自分で皿を取っていたけれど、
「君も、何か好きなの頼んでみればいいじゃん。わさび抜いてくださーい、って言えばさ」
と助言した直後に
「すみませぇん、この、ほんまぐろ、ちゅうとろを、ひとつ。わさびはー、いれないで、くださぁい!」
と声高らかに注文していた。「本まぐろ」の単語の後などに、メニューを再確認して数秒固まってしまったりしたので、板前さんもこちらに体を向けて、息子の発する単語ごとにコクコク頷いて、「はい、さび抜きでね」と。

「……え?まぐろ?いや、まぐろは良いんだけどね。中トロ??」
「だってね、"ほんまぐろ"なんだよ。ほんもののまぐろなんだよ。おいしーん、だよ」
いや、問題はその後の「中トロ」の部分で……と苦笑いする私をよそに、輝く青い皿(まぁ400円の皿だからそう目くじら立てるものじゃないけど……)を前にした息子はそりゃもう満足そうに念願のさび抜きまぐろを食べていた。
……今度ちゃんと、赤身と中トロと大トロの違いを教えてやらねば。

「デザートも、食べようかなー」
と息子がレーンを凝視し続けているので、
「……だったらさ、デパ地下でプリンとかシュークリームとかショートケーキとか、好きなの買って帰らない?家で食べようよ」
と提案したところ、しばし考えて
「んとね、シュークリームいらない。かき氷がいい」
と。

そういえばここ数日、「おやつにかき氷しようね」と言って、全然作れてなかったっけと思い出して、帰宅してから手動かき氷器引っ張り出して、今シーズン初のかき氷をショリショリと作る。だんなはみぞれ、息子はマンゴー味カルピス、私はカルピス醍醐味。醍醐味カルピス味のかき氷があれば他になんにもいらないわと思えちゃうほど、クリーム味カルピスがけかき氷は美味しかった。ただでさえカルピス味かき氷は美味しいのに、醍醐味の美味しさときたら、もうもう。

7月30日 土曜日
だんなのお誕生日のお祝いは仔羊のグリルで
自家製スコンちょこっと
アイスカフェオレ

明日はだんなの誕生日。明日でも良いけれど、土曜日の今日の方が気分的にだらだらできるねーと、今日は誕生日お祝いランチ。ちょっと早めの11時半頃にレストランにお邪魔することになっているので、朝御飯もちょっと早めに、そして軽めに。だんなの体調もかなり良くなったということで、昨日は食べられなかった自家製スコンを数個温め、つまむ程度にいただいた。温めなおして改めて食べた自家製スコンは相変わらず美味しくて、とても満足。

今日も肌にまとわりつくような蒸し暑い日で、汗かきつつお出かけだ。

青山 「Cucina Tokionese Cozima」にて

 とうもろこしの一口スープ・お魚のペーストのカナッペ
     食前酒:白桃ジュースのスプマンテ割

 舌平目のカルピオーネ ウイキョウの花香り ポレンタ添え
     白ワイン:Inzoria '04 (Villa Tonino) Sicilia

 佐島のタコのテリーヌ 甘いトマトとバジルのソース
     白ワイン:Fiano di Avellino '04 (Feudi di Sangregorio) Campania

 フレッシュなホルモンのグリル グリーンサラダと
     白ワイン:Mille Uve '01 (Indicazione Geografica Tipica) Venezia Giulia

 スパゲッティーニ 茄子のプッタネスカ
     赤ワイン:Nero d'Avola '03 (Villa Tonino) Sicilia

 コチのグリル レモンの香りのクリームのソース 柔らかく煮た冬瓜と
     白ワイン:Vigna Martina Riesling '03 (Isimbarda) Piemonte

 仔羊のグリル トマトに詰めたハーブバターのソース グリルした茄子・じゃが芋と
     白ワイン:Due Mila Tre (Capichera) Sardegna

 桃の丸ごとコンポート ザバイオーネソース
 プチフール(フリーズドライストロベリー入りホワイトチョコレート・いちじくのケーキ)
 ハーブティー

何日か前、「オーストラリア産の美味しい仔羊が入荷します」というお店からのダイレクトメールをもらい、「じゃあもうすぐ夫の誕生日なのでうかがいますっ!」と予約を入れてしまったCucina Tokionese Cozima去年の結婚記念日の、「ワインだらだら飲みながらのだらだらランチ」がそれはそれは幸せだったので、今回もそんな感じでお願いしますー……と、予算とともにリクエストを伝えておいてみた。

今回は、「料理もしっかり、そしてワインもたっぷり」という印象だったコース。どの皿にもひと手間かけた野菜料理が添えられていて、
「茄子おいしー」
「トマトもおいしー」
なんて言いながら、魚介に肉にホルモンに、と堪能しまくった2時間半ほどののんびりランチ。最後はいーい気分に酔っぱらってふわふわしながらお店を後にすることになった。

食前酒に甘い甘い白桃のジュースをスプマンテで割ったものをいただきつつ、ほわんと甘いとうもろこしの一口スープ、ふわふわの食感の白身魚のペーストを添えた一口サイズのカナッペ。テンポよく前菜が3品続き、それに合わせてカラッとした口当たりの脳天から抜けるような辛口の冷たい白ワイン(キーンと冷たくしてガブ飲みするのがふさわしいような白ワイン)、軽いながらもコクのある白ワインに、樽の香りが漂ってきそうな濃厚なトロンとした白ワイン……と、続々と出してくださった。

エスカベッシュに似た、舌平目のカルピオーネ。イタリアンパセリの花にそっくりの、ウイキョウのふわふわとした花が添えられ、小ぶりのポレンタが玉ねぎのサラダの下に隠れている。佐島のタコをこれでもかと使ったテリーヌは、タコ本体から出た蛋白質の煮こごりで固められたものだそう。臭みがなく、プリプリコリコリしたタコに、ジューシーな甘いトマトとバジルのソースが添えられていた。

で、なんといっても前菜で美味しかったのがホルモンのグリル!レバーにハツにトリッパに……と、プリプリブリブリしたホルモン類が大ぶりにざっくりカットされ、ほのかにスパイスが効いた衣をつけてグリルされている。分厚いトリッパなど、いかにも手間をかけて下処理されたような臭みの無さで、それらを覆うように葉野菜のサラダもたっぷりと。樽の香りのする白ワインが実にお似合いで、くっぴくっぴ飲みながらホルモンをどっさりいただいてしまった。

そしてパスタは少しサラリと、茄子入りのプッタネスカ。ピリリと辛く、それに合わせたワインは最初にいただいた白ワインと同じ作り手のシチリアのカラッとした赤。レモンの酸味が感じられるクリーミーなソースを添えたコチのグリルは皮面が香ばしく焼かれていて、綺麗に透明に煮込まれた冬瓜が添えられていた。

メインディッシュは、仔羊のグリル。トマトにはにんにく風味のハーブバターが詰められていて、これを肉に添えながらむっちりした肉をもりもりと。こんがり焼けた茄子も、黄色がかった不思議なじゃがいももいい具合の添え物だった。ラムチョップ1本分の羊だったけれど、これが分厚くて案外大きくて、充分な食べ応え。合わせたソースがハーブの軽いものだからと、合わせてもらったワインはサルデーニャのどっしりとした重みと香りの白だった。

デザートは、私とだんなは甘い白桃丸ごとコンポートにした、カスタード風ソースをかけたもの。もしかしたら私よりマンゴーが好きなんじゃないかと最近思われる息子は
「マンゴーの、マンゴーのデザートは、ありますか?」
と、美しいマンゴー色の、マンゴー果肉とマンゴーソース、パッションフルーツなどを添えたバニラジェラートをもらっていた。ベーコンと野菜入りのクリームソースのパスタもいただいて、息子もしっかり御満悦。

昨日体調が悪かっただんなに、こんなにワイン飲ませちゃって大丈夫だったかしら……と思ったものの、端から見ると足取りはしっかりとした風で、シェフのKさんにお礼を言ってお店を辞するともう2時過ぎだった。

「美味しかったねぇ〜」
「最高だったねぇ〜」
「ちょっと、歩こうね」
と、のんびり表参道駅まで歩き、歩いたところでけっこう酔っている自分に気がついた。後から聞けば、だんなもその頃べろんべろんだったそうで……(お店でべろんべろんにならなくて良かったねぇ……)。

ざるそば
冷茶

渋谷に出て少しだけデパ地下を散策し(だんな、酔っぱらってるのにお酒売り場で「〆張鶴」純米とか見つけて一升瓶買ってるし……)、新宿から総武線に揺られて帰宅。家についた途端、猛烈に酔いが襲ってきちゃって、私はヨレヨレとベッドに倒れて2時間ほど寝こけてしまった。

せっかくの「だんな誕生日おめでとう週末」のはずなのに、いつのまにかお風呂のお湯が張ってあるし、「じゃあお蕎麦でも茹でようかね」とお湯沸いてるし、ボーッとしている間に私がやれることは「海苔を刻むこと」くらいしか残ってなくて、作務衣姿のだんなに
「ああ……結城先生、ありがとうございます」
とぺこぺこしながら海苔を刻んでみる。夕御飯はさらっとざるそばのみで終了した。……さすがにちょっとばかり飲み過ぎちゃったかしら(でも悔いなし)。

早めに入浴して早めに夕食とって、食後に家族で空き地で花火。どこからか打ち上げ花火の音(今日は隅田川の花火だけど……まさかうちまでは聞こえてこないはずだし)が聞こえてきて、ついでにどこかの公園からか盆踊りの音も聞こえてきて、とても良い感じ。

7月31日 日曜日
はっぴばーすでーつーゆー
「ル・パティシエ・ヨコヤマ」の岩シュー
アイスカフェオレ

今日はだんなの誕生日。
「不二家のショートケーキでいいよー。旨いし、好きだし」
とだんなは言うけれど、いつもいつもお祝いが不二家のショートケーキというのも芸がなさすぎる……と、1週間ほど前に習志野市谷津にある「ル・パティシエ・ヨコヤマ」に電話してショートケーキの予約をお願いしてみた。ついでに名物の「岩シュー」なるシュークリームも取り置きをお願いできれば……と伝えてみたのだけれど、残念ながら岩シューの予約は受け付けてないとのこと。どうせ出向くならこのシュークリームもいただきたいなと、開店前に到着するつもりで9時半に一人家を出て電車に乗って谷津に向かってみた。

京成線の、津田沼のお隣の、各駅停車しか止まらないような小さな駅、「谷津」(やつ)。駅から歩いて5分くらいのところにあるこのケーキ屋さん、交通の便が良いとは言えないこのロケーションで、ものっすごい人気なのである。シンプルなロールケーキの「谷津ロール」が美味しいと聞いていて、初めて訪れたのは今年の5月。「白」と「茶」のロールケーキ2種類買ってきたけど、シンプルながらふわふわのスポンジに風味豊かなクリームは確かにめちゃめちゃ美味しかった。「テレビチャンピオンケーキ職人選手権3年連続優勝」というネームバリューもさることながら、値段のお手軽さも魅力なのだと思う。お店は混雑していたけれど、お店の方の対応も気持ちの良いものだった。

で、開店10時まであと10分という頃合に店頭に到着。店の前には既に10人くらいが列を作っていて、警備のおっちゃんが女性客に日傘を貸してくれていた。あれよあれよと列は長くなり、開店時には30人以上が待っていたように思う。日曜10時にこんな行列ができる理由が、お一人様10個までの「岩シュー」なのだった。

予約していたショートケーキを受け取り、「岩シュー」も3個もらい、ふとショーケースを見てみると「マンゴープリン」と共に実に美味しそうな「マンゴーパイ」「マンゴータルト」なんかもあったりして、プリンとパイを1個ずつ。「賞味期限、3日先だし……」と、ついついロールケーキも1本包んでもらってしまって、大変な大荷物で帰宅した。今日はまた格別に蒸し暑い。

「岩シュー」は、その名の通り、岩のようにガリバリッとした皮のシュークリーム。シュー生地にクッキー生地を散らして焼いた皮は確かに固いけれど、適度な気持ちの良い固さ。その中に、みっちみちにカスタードクリームがこれでもかと隙間なく詰められている。店頭では、小山のように積み上げたシュー皮に、3kgくらいは入ってるんじゃないかという巨大なボウルに入ったカスタードクリームを若い職人さんがえんえんと詰め続けていた。詰めるなり箱に詰めて売られていく、という感じ。これは、買ってすぐに食べたほうが良いんだろうな、きっと……と判断して、何も食べずに待っていてくれただんなと息子と共に、買ってくるなり家ですぐに食べてみた。

……おおぉぉぉぉ、やっぱり、美味しい〜。
甘さ控えめのカスタードクリームにはバニラビーンズがたっぷり入っていて、ふわりとろりとした食感も絶妙。大きなシュークリームなのに、囓った断面全てがみっちりとカスタードクリームで埋まっている様は壮観だ。適度に固い皮も香ばしく、これで1個135円という価格もまた嬉しかった。……実に危険なお店だ。地元にあったら週に2度はこのシュークリーム買いに出かけてしまうかもしれない。

マクドナルドで
 ペッパーチーズダブルビーフ
 フレンチフライ
 ファンタグレープ

だんなのお誕生日だというのに、どうにもこうにもマクドナルドが恋しくて(マクドナルドが恋しいというより新商品の「ペッパーチーズダブルビーフ」が気になっちゃって気になっちゃって)、
「……恋しいんですが。アレが」
「……いいんじゃないですか?どうせお買い物行かなきゃだし」
と、買い物ついでにマクドナルドにお出かけ。夏限定の胡椒味ぷんぷんのダブルチーズバーガーを食べてきた。

口にしてみて「ん、確かに胡椒だ。胡椒味のダブルチーズバーガーだ」と納得してそれでおしまいだったのだけれど、あのCM見ていてどうにもこうにも食べたくなっちゃうのはなかなかつらい。実に簡単にCMに踊らされる私は、「一度食べれば満足しちゃうのよね……あと3ヶ月はいらないわって思うことになるのよ……」とわかっているはずなのにケンタッキーフライドチキンのCMが流れるたびにうずうずしてしまうのだった。

とりあえず、久しぶりのマクドナルド味を満喫できて、満足。どうしようもないほどに何を食べてもどこで食べても「マクドナルド味」のマクドナルドのハンバーガーだけれど、実のところ私はそれがけっこう好きなんだな……。あのチェダー味のチーズとか。

串揚げ
 (豚肉・うずら卵・チーズ・玉ねぎ・ししとう・茄子・ブロッコリ・長ねぎ・にんにく)
ざく切りキャベツ
枝豆・とうもろこし
「キムチでやせる」の焼きそば
ホッピー・エビスビール

「ル・パティシエ・ヨコヤマ」のショートケーキ
アイスコーヒー

「誕生日おめでとうランチ」は昨日豪遊してきたとはいえ、今日もだんなの好きそうなものを……といろいろ考える。昨日の段階では「石焼きビビンバ作ろう!ナムルあれこれ作って!」という話だったのだけれど、それは平日でもけっこう簡単にできそうだったので、本日は「串揚げ」ということに。名古屋で買ってきた「矢場とん」の味噌ダレを使いたいなとずっと考えていたのだ。「どて煮」の調味料に使ったりするのも良いらしいけれど、やはりこのタレはとんかつに使いたいところ。

「串揚げ、よくない?」
「串揚げ、いいよね。玉ねぎ入れようね」
「玉ねぎ・肉・玉ねぎ・肉・玉ねぎ、と」
「いや、それは悲しいから肉・玉ねぎ・肉・玉ねぎ・肉にしましょう」
なんて言いながら、あれこれお買い物してきた。うずらの卵必須でしょー、茄子やししとう揚げるのも美味しいよね、にんにくもサイコーじゃない?と、あれこれあれこれ。

竹串には結局5つも具は刺さらなかったので、せめてもと「肉・玉ねぎ・肉」と刺してみることに。肉や卵やチーズ、長ねぎなどは衣をつけてフライにし、あとはサッと素揚げするくらいで食べられるようにして、味噌ダレやとんかつソース、ウスターシャソース、A1ソース(←英国生まれのステーキソース)あたりをずらりと並べて、卓上にカセットコンロと小さな揚げ鍋をセット。各々好きなように串に刺した具を突っ込んでセルフ串揚げを楽しんだ。生のキャベツはざっくり切って、適当にソースつけながらつまめるようにして、こうなってくると自分たちが「名古屋飯」を目指しているのか「大阪飲屋街の串揚げ」を目指しているのかよくわからなくなってくる。

1つ1つ揚げて、揚げたてを食べる串カツは、ちょっとばかり忙しかったけれど実に実に美味しかった。だんなも私も舌や上顎を火傷してしまいながら、ハフハフ言って串カツを食べる。息子もうずら卵のフライやチーズフライを喜びつつ、お腹いっぱいになったところでテーブルから離れて色々お手伝いしてくれた。
「ぼくも、ぼくも、卵とかつけてみたい」
と言うので衣のつけかたを教えてやり、何本か串カツの衣をつけてもらう。楽しそうに台所にスタンバイしてくれていたので
「すみませーん、卵のフライ、1つくださいー」
「はい、卵ですね、どうぞー」
「お肉も1つお願いしまーす」
と、色々こきつかってしまった。

「お肉ですねー、ただいまサラダもたべほうだいになっておりまーす」
「……え、店員さん、サラダはどこに?」
「のみほうだいにもなっておりまーす」
「え?そうなの?」
「おだいは、タダでーす」
「いや、タダじゃないから。材料ちゃんと買ってきたんだから」
「タダでーす」
店員さん、どんどんエスカレート。最後はやることがなくなったらしく、流しの前で踊っていた。店員さん、商売する気はゼロらしい。

シメは、「キムチでやせる」から先日届いたばかりの焼きそば。本日の主役自ら鍋ふって、醤油ともソースともつかない独特な味の太麺焼きそばを炒めてくれた。甘く辛い独特な味の焼きそばを久しぶりに食べて、満足満足。

すっかりお腹一杯になってしまったけれど、食後には期待どおりにクリームもスポンジも山盛りの苺も絶品だったショートケーキをいただいて、歌うたって、だんなにプレゼントを。

数年前にだんなに買ってあげた「名古屋ネクタイ」、ずいぶん汚れてきてしまったので新しいのを買ってあげた。「味噌煮込み」とか「海老シャチ」とか「名古屋弁」とか。そこまで名古屋にこだわりたいわけじゃないのだけれど、ご当地ネクタイ、ここまで楽しくて柄のセンスが良いの(←一見ただのストライプなのによーく見るとその先がどんぶりに吸い込まれて"きしめん"になっているとか、ただの三角形柄かと思いきやよく見ると"小倉トースト"になっているとか)はあまり見かけない。だんなも大好き、私も大好き名古屋ネクタイ。

秋田きりたんぽネクタイとか、佐世保バーガーネクタイとか、宇都宮餃子ネクタイとか、横浜中華街中華点心ネクタイとか、あれば絶対買う(ただし、5m離れて「あ!餃子だ!」なんてわかっちゃうのはダメなのね……さりげなーくさりげなーく)のになぁ……。ちなみに密かに気になっているのは「銀座ネクタイ」。