食欲魔人日記 09年03月 第4週
3月23日 月曜日
これに刻み葱かけてポン酢かけます
バタートースト
グレープフルーツ
カフェオレ

朝起きて、「自分のことだけすればいい」というのはなんてらくちんな事だろうと思い知っているこの数週間。
入院中は、トイレ行って顔洗って、あとはベッドの上でごろごろしていれば朝御飯が出てきた。退院した今も、トイレ行って顔洗って服を着替えれば、「朝御飯できましたよー」と母の声が聞こえる。ありがたいことだけれど、人間がダメになりそうだ。暇だから変なところばかり目についてしまって、ろくに動けもしないのに猛烈に風呂掃除とかしたくなってしまう。

今日の朝御飯はバタートーストとグレープフルーツ。
「卵とベーコンでも焼こうと思ったんだけどー」
と母が言っていたけれど、いやいやそんなに食べられないからこれで良いよと、バターしっかり塗ってトーストした厚切りパンにかぶりついた。グレープフルーツを食べるのもなんだか久しぶり。

焼き野菜のサラダ、蕪のサラダ
ミニカツ丼
豚汁(ラスト)
麦茶

息子の学校も残すところあと2日。給食も終わり、今日は昼前に帰ってくる。

「昼御飯はどうするの?」
と朝食時に息子に聞かれ
「……うーん、カツ丼でもする?カツさえ買ってきてもらえれば簡単に作れるし、冷蔵庫に卵いっぱい入ってるし、冷凍御飯もあるし」
と私が提案。

母は「料理するのは問題ないけど、献立を考えるのが苦手だし、孫の好き嫌いがまだ全部は把握できてないし」というスタンスなので、昨日今日と献立は私が考えて、買い物は母にお願いしている。コンロの前に松葉杖なしで仁王立ちするのが足にとって是か非かはわからないけれど、私自身、少しくらいは食事の支度をしたいなというのもある。

カツ丼!それは良いわね、と母も賛成してくれて、とんかつ屋さんでロースカツを2枚買ってきてもらった。1人1枚のカツではあまりに巨大だし昼御飯だしということで、どんぶりも小さめのものを用意して、2枚のカツを3人で等分する感じでカツのとじ煮を用意した。玉ねぎ半個、卵3個で小さめのフライパンに用意して、それをそのまま食卓に出し、「自分でかけてねー」という風に。

計量スプーンをちゃんと使わず、お玉使ってかなり目分量な感じで調味したので、今日のカツ丼は若干濃いめの味つけに。病院食の倍くらい濃い味になっちゃったわと苦笑いしてしまったけれど、御飯にかけるとそれがまた美味しいんだ……。

カツと一緒に母がサラダ類も買ってきてくれていたので、ほんのりガーリック風味の焼き野菜のサラダや、浅漬け風味の蕪やキュウリ、青菜のサラダも一緒にテーブルへ。残り少ない豚汁もこれで空になり、今日も大変によく食べた息子は「外でサッカーしてくる!」と家を飛び出して行った。元気だなぁ。

酢油キャベツ
茹でアスパラとプチトマト
塩焼き鶏もものねぎポン
コーンスープ
羽釜御飯
麦茶

未だ私の中では肉への飢えが治まらないようで、夕飯は「鶏もものねぎポン」。
鶏もも肉を皮目こんがりとスキレットで塩焼きにして、刻んだ万能葱かけてポン酢(旭ポンズ)かけるだけという簡単料理ながら、何にでも合うこの「ねぎポン」が私は大好き。牛すじ煮たのでも白子でもあん肝でも、白身魚でも豚肉でも美味しくいただける「ねぎポン」は本当に偉大だ。旭ポンズの美味しさが偉大だという話もある。

日々の暮らしで毎日の献立に困っているのだと言う母のヒントにもなれば良いなと思ったのだけれど、
「秋田じゃ、こんな細い葱は売ってないのよ、長ねぎばっかり」
だそうで。……長ねぎでは辛さが強くなるから、確かにちょっと違った感じになってしまうかもしれない。……そっか、売ってないか……万能葱を関東で普通に見かけるようになったのも、そう昔の事でもない気がするし。

あとは、大量にあるキャベツ消費の一環にと、酢油キャベツも用意した。酢油キャベツ作り(ずっと椅子に座ったまま調理できたから簡単だった)と鶏の塩焼きは私が担当。母が隣でコーンスープや茹でアスパラの用意をしてくれていた。息子も御飯の準備や食器の出し入れをしてくれて、3人で台所を行ったり来たりしながら夕飯の支度。

退院してからずっと肉料理だし、今日はしっかり「肉の歯ごたえ」が感じられるトンカツに鶏ももにという献立だったから、さすがになんだか胃も脳も満足した感がある。そうすると、次に食べたいのはお寿司とかかなぁ……中華料理もいいなー。

3月24日 火曜日
スペアリブの豆鼓蒸し。えらいたっぷりやってきたのでした。
チーズトースト
マンゴー・グレープフルーツ
カフェオレ

今日の朝御飯はチーズトースト。あとは「蛋白質分解酵素」と「ビタミンC」補給のために、マンゴーとグレープフルーツ。母が来てくれてからは、朝食にフルーツが欠かさず出てくるようになった。八百屋さんでしょっちゅう
「これ食べたいけど……高い……」
と躊躇することがあったりするので、苺だグレープフルーツだ文旦だと旬のものがあれこれ出てくるのはとても嬉しい。

今日はだんなが買ってきてくれたアップルマンゴーを角切りにして。ちょっと繊維っぽかったけれど、甘く熟したマンゴーは素晴らしく甘かった。
苺もそろそろ手頃な価格になってきた頃かしらん。牛乳かけて練乳かけて山盛り食べたい。

おにぎり(天むす風・おかか)
ポテトコロッケ
麦茶

今日は夕方からお出かけの予定。
夕飯は外食決定なので、お昼は軽めにしときましょうと、母がおにぎり屋さんでおにぎりを買ってきてくれた。私の分は大きなエビフライ入りの天むす風と、おかか醤油和え御飯のおにぎり。総菜屋さんのコロッケも買ってきてくれたので、それも1人1個、お供に麦茶。

今日で息子の学校も終わり。明日から長くはない春休みが始まるとあって、それなりの大荷物で帰ってきた。
「僕いくらー!あと鮭!」
「うん、お母さんは天むす貰うよー」
息子が帰ると家の中が一気に賑やかになる。騒がしくおにぎり選びつつ、私が選んだちょっと昔風のおかかおにぎりは思った以上に美味しかった。

ホテルニューオータニ幕張内 「大観苑」にて
 冷菜盛り合わせ \3675
 春巻 3×\262
 小龍包 3×\315
 湯葉と中国菜の炒め \2100
 スペアリブの豆鼓蒸し \2100
 五目あんかけかた焼きそば \1575
   あん入り饅頭 \370
 フルーツ杏仁豆腐 \630
 マンゴープリン \840
 季節のシャーベット(いちご) \630
 生ビール 2×\945
 スパークリングワイン(200ml) \1260
 アセロラドリンク \683
女子供でけっこう食べました……。

だんなは出張、息子は春休み、私は怪我人、母はせっかく東京近郊まで出てきたのに遊べてない……ということで、「近くのホテルにお泊まりに行きましょう!」ということになった。母曰く「1泊じゃつまらない」ということで2泊。
遠方を往復できるほどの足の具合でもないし、「狭い我が家でくさくさしているくらいなら、バリアフリーなホテルの部屋でのんびりしましょ」の主旨ということで、車でほんの数十分の距離にある幕張のホテル ザ・マンハッタンに予約を入れた。

その昔々、バブリーな時代の頃に母と2人で泊まりに来たことがあるこのホテル、当時はツインルームの宿泊とフレンチのメインダイニングのディナー、ブッフェ朝食で軽く10万円以上した記憶がある。今は朝食つき3人で1泊3万円ちょっとというところ。経営母体が変わったせいもあるだろうけれど、隨分とお手軽価格になった。2年ほど前にレディースプランで利用したことがあるラグジュアリーツインの部屋は、広めのソファスペースがあって、シャワーブースつきのバスルームは広々。3人1部屋というとこのタイプの部屋になるので、今回もこの部屋になった。

試しにと問い合わせてみたら、車椅子もお借りできるという。短距離の移動は松葉杖で楽勝だけれど、滞在中日に1日幕張を散策するならばさすがにつらいかなと、借りられるものは借りることにした。ついでにと「シャワーブースで使うためのお風呂椅子も、もし可能ならばお借りできますか?」と聞いてみたらこれもOK。足が不自由になると、座れる場所なしには入浴できないということをここ数週間で思い知った私。我が家にも長らくお風呂椅子は存在していなかったのだけれど、退院のタイミングで母に買ってきてもらっている。

で、おかげさまで、狭くて物が溢れているバリアフリー何それ状態の我が家に閉じこもっているよりは遙かに快適なホテルの部屋で2泊3日を過ごすことになった。今日は息子の習い事が終わってから急ぎ移動。夕飯時間際の時間にチェックインして、部屋に荷物を置くなり夕食を摂りに外に繰り出した。

中華料理が食べたいねということで、目指したのはホテルニューオータニ幕張大観苑というお店。残念ながら宿泊ホテルに中華料理店は入っておらず、近隣の店といえばこのホテル内のお店か、線路向こうのビルの上階にあるお店ということになる。とりあえず距離が近いところをということで、ニューオータニに向かってみた。

母の好きな冷菜盛り合わせをはじめ、私のリクエストでスペアリブの豆鼓蒸しとか、息子のリクエストで点心類とか。焼きそばも食べたいよね、さっぱりと湯葉の炒めとかも良いんじゃない?とあれこれあれこれ注文して、お腹一杯食べてきた。嫌味のない素直な味付けの中華料理で、揚げたての大ぶりな春巻きも、大皿にババーンとやってきたスペアリブも良い感じ。湯葉と中国菜の炒めに青梗菜が山盛り使われていて、更にかた焼きそばのあんにも青梗菜が山盛り使われていたので、大量に野菜を食べることもできた。3種冷菜の盛り合わせはチャーシューとくらげ、そして甘酢漬け白菜という内容。

ついつい母にそそのかされて、生ビール1杯に加えて200mlのスパークリングワインも母と半分こで飲んでしまい、左足は幸い痛くはならなかったものの、帰り道は少々足がむくみ気味。ギプスがきつい感覚になってきてしまい、部屋に帰った後は慌ててベッドに寝ころんで左足を持ち上げてみたりしていた。
やっぱりギプス中にはビール1杯以上のアルコールは禁忌なようだ。反省。でも中華もお酒も美味しかったから後悔はしない。

段差のほとんどない快適なバスルームで体洗って、ふかふかの大きなベッドに寝そべって、なかなか良い気分。
おやすみなさい〜。

3月25日 水曜日
アーティスティックな「ブーケ海老」
ホテルのブッフェ朝食
 コーンとツナのサラダ
 葉野菜のサラダ
 グリルドポテト
 ハムとチーズのオムレツ
 サラミ・ハム
 千葉県産ピーナッツバターを添えたポンテケージョ
 ミニチョコデニッシュ・ミニクロワッサン
 オレンジ・パイナップル・バナナ・カクテルフルーツ
 ヨーグルト
 牛乳・オレンジジュース・紅茶

幕張のホテルに宿泊しての朝。
いつも通りきっちり6時半には目が覚めたけれど、夜中に起きることもなく(猫に起こされることもなく)しっかり熟睡。

このホテルのバスルームは素晴らしく良いなぁ……と、松葉杖使用でもほとんど困ることのない広々としたバスルームにうっとりしながら身支度を整えた。洗面台の向かい側には化粧用の鏡と小物を置ける絶妙な奥行きの棚、ちょうど良い高さのスツールが用意されていて、それが素晴らしく使いやすい。バスタブやシャワールーム、トイレの配置も広すぎず狭すぎずの動きやすい感じで、「こういう形の洗面所だと下に猫トイレも置けるしなぁ……そこに棚があれば収納にも困らないし」と、現実的な事まで想像を広げてしまった。

朝食はバイキング形式。
松葉杖ではお皿持って歩けないしと躊躇していたのだけれど、幸いブッフェ台の手前に皿を置けるだけのスペースがあり、料理をよそっては皿をブッフェ台に置き、松葉杖使って2歩ほど歩いてから再び皿を取って次の料理をよそって……と、さほど混雑していなかったことも幸いして、けっこううまいこと一人で盛りつけることはできた。盛りつけた終わった皿をテーブルに運んだり、スープやジュースを運んだりというのだけはどうしようもなく、そこは母や息子、目線を飛ばすとすぐに「お皿お運びしましょうか?」と近寄ってきてくれるホテルのスタッフさんたちに手伝ってもらった。「何かを持ちながら移動する」のが出来ないということはなかなかやっかいなことで、いっそ首で支える駅弁売りの箱的なものが欲しくなってきてしまう。まだまだ「片松葉杖」は先のことで、片松葉杖になったとしても、料理を盛った皿を持ちつつ移動するというのは多分とても難しいことだろうなと思う。うーん、はがゆい。

ともあれ、料理の皿とパン皿、オムレツコーナーで焼いてもらったオムレツ皿などを並べての朝御飯。
選べる具はハムとチーズだけだったけれど見事な焼き具合のオムレツと、フルーツトマトやアスパラガス、刻み人参などを添えた葉野菜のサラダ。薄切りのハムとサラミを1枚ずつ、パンはミニサイズのチョコデニッシュとクロワッサン。
千葉県産のピーナッツを使ったソースを添えたポンテケージョがあるのが面白かった。独特の粘りを感じるような弾力のミニパンで、チーズの香りはほとんどしない、揚げドーナツといった風のポンテケージョ。

昨夜もかなりしっかり食べたはずなのに、なんだかお腹が空いてしまったので、あれこれ口に運んでしまった。

幕張 「ピエトロコルテ」にて
   サラダスパゲティ
 ドリンクバー

今日はあいにくの天気。夕方までには晴れるらしいけれど日中は小雨が降り続き、「無理せず近場でのんびりしましょう」と、隣接するアウトレットモールやカルフール方面にお買い物に行ってきた。カルフールの入るビルには大型ペットショップもあったので、猫たち用にお土産のおもちゃを見繕ったりしながら、ユニクロ見たり、カルフールでセール中の輸入食材眺めたり。

昼御飯は息子の希望もあって、カルフールのビル内にあるピエトロでパスタ料理を。「絶対これ、家でも簡単に作れるわー」と思いつつ、以前から気になっていたこともあって「サラダスパゲティ」を頼んでみた。ランチメニューには、食べ放題のサラダバーやブレッドバーがセットになったお得なものもあるけれど、またブッフェ形式では色々めんどくさいということで、単品メニューで、つけたのはドリンクバーのみ。母に紅茶などを持ってきてもらった。

「サラダスパゲティ」は、茹でて水で締めたパスタの横に、ピエトロドレッシングをかけたサラダを添えたもの。全体を和えて食べ、味付けはピエトロドレッシングの他は少々の塩程度という感じ。パスタの上にはスライスゆで卵、サラダはレタスをベースにブロッコリーやフルーツトマト、キュウリにアスパラにコーン、茹でた山菜といった具合だった。人気メニューの一つらしく、どんな具が使われているのか確認して、美味しかったら家でも作ってみようと思って注文したのだけれど、「これはいい、家でも作ってみよう」という感想に。

レタスとトマトと冷たいパスタにピエトロドレッシングという組み合わせは似合うだろうなと想像できたけれど、コーンや山菜も良いアクセント。そしてパスタの上のゆで卵が思った以上に良いアクセントになっていた。茹でで冷ました鶏肉とか乗せても良い感じかも。息子が夏休みの時のお昼御飯とかに作ろう、と心中決意して、さらっと完食。

ホテルのペストリーショップで買ってきた
 クレームブリュレとチョコムースのケーキ
アッサムティー

午後は一旦ホテルの部屋に。ホテル1階のペストリーショップ「サント・ノーレ」のケーキが美味しそうだったので、おやつにと買ってきた。部屋で紅茶淹れて(湯沸かし器はあったけれどアメニティにティーバッグがなかったので、カルフールで買ってきた)、皿とフォークはホテルに借りて、大きなソファとテーブルでお茶の時間。鬱陶しいほどの曇り空は、3時になる頃には青空が見えるほどの良い天気になってきた。

私が選んだのは、チョコレートムースにクレームブリュレの生地を挟んだふわふわした外見のもの。私にしては珍しくもチョコレートケーキを選んだのだけれど、ほど良い上品な甘さで美味しかった。このショップの名物らしいモンブランを選んだ母、かなり大人っぽい味付けだったようで、隣に座る私のところまでラム酒の香りが漂ってくるよう。息子が選んだのは小ぶりながら濃厚な風のベイクドチーズケーキだった。

食後は、私と息子は部屋でのんびり。母は「アウトレットモール覗いてくるわねー」と再び外出していった。母、元気だ。雑貨屋さんであれこれ半額セールになっていたらしく、綺麗な布やらガラスの器やらを買い込んで数時間後に帰ってきた。

「いいわー、このホテルやっぱりいいわー。設備もいいし、買い物にも便利だし」
私、こっちに来るたびにここで1泊はしたいわぁ、と母は言うけれど、なにも我が家至近エリアのホテルにしなくても、六本木とか横浜とかのホテルでも設備が良いだろうし買い物も楽しいと思う……。

幕張「ホテル ザ・マンハッタン」内「Bella Rusa」にて
 アーリーディナー ミニロッシーニコース \5,250
     スパークリングワイン
     蕪のポタージュ
     富士功刀マスのマリネをサラダ仕立てにして
     軽く燻製にしたブーケ海老のポアレ
     ミニ・ロッシーニ ‘07 ニュースタイル
     グレープフルーツのソルベ
     デザートの盛り合わせ
     紅茶
 赤ワイン(グラス)

宿泊ホテルのメインダイニングは「Bella Rusa(ベラ・ルーサ)」という名前のフレンチレストラン。ドレスコードあり(男性の短パンサンダルはダメ、程度ではあるけれど)、8歳未満のお子様お断りの、それなりにかしこまった雰囲気のお店だ。15年ほど前に母と2人でこのホテルに泊まった時に夕飯をいただいたことがあり、そこで私は初めて「貴腐ワイン」の存在を知った。ワインの事を知ってる知らない以前に、お酒を飲んで許される年齢かそうでないかの年齢だったから、その甘くとろけるような美味しさのワインに心底びっくりした記憶がある。あとでお値段を知ってまたまたびっくりしたわけだけれども。

幸いにして、今回は息子も入店できる年齢。案内を見ると、「アーリーディナー」なるお得なコース料理もあるらしい。夕方5時半からラストオーダー6時半までの早い時間のみに提供されているそのコースは、前菜2品に魚料理肉料理、デザートの盛り合わせまでついてきて5250円というお得な内容だった。息子を連れていっても良いものか、アラカルトや品数の少ないコースはあるのかないのか、午前中のうちにロビーであれこれ相談させてもらって、大丈夫そうだなと3人で伺ってみることに。

私と母は、予定通りにアーリーディナーのそのコースを。息子はメニューを見比べた結果、アーリーディナーとは関係ないディナーコースにしてもらうことにした。私たちより1品、魚料理分が少ない内容で、前菜とメインディッシュ、デザートを数種類の中から選ぶプリフィクススタイルになっている。前菜に和牛カルパッチョがあったし、メインディッシュにはやんばる豚のグリルがあったので、これならきっと息子も美味しく食べられるはず……と助言しつつ、そんな感じで。

私たちのコースにはドリンクも1杯ついていたので、スパークリングワインにした。それを舐め舐め、前菜から魚料理まで。このお店の名物料理の肉料理には、それに合わせて重めの赤ワインをグラスでいただいた。肉料理直後に口直しのソルベが出てきて、盛り合わせのデザートを平らげる頃にはお腹いっぱい。

「本日のこころ温まるポタージュ 」とメニューにあったポタージュは、葉の部分も使った蕪のポタージュ。歯ごたえを残す蕪の葉も入った薄緑色の濃厚なスープの上には、軽く揚げた米(?)とマスタード風味のオイルがかけられている。グリッシーニに似た外見のスティック型のパイ生地が添えられ、それをポリポリ囓りながら蕪の甘さを感じるポタージュをいただいた。

続く前菜は、オリーブ油ベースのドレッシングで和えた葉野菜のサラダが添えられたマスのマリネ。薄切りにされたマスには酸味のあるソースを飾るようにかけてあって、カルパッチョのような感じ。次に続く皿も魚介で、軽く燻製にした海老のポアレのブーケ仕立て。グレープフルーツとアボカドのフルーティーなソースが添えられ、海老を花瓶のようにして揚げたえのきやルッコラがブーケのように飾られている。家では絶対に食べられないような美しい皿を前に、すごい勢いでフォークが進んでしまった。

で、肉料理はこのお店の看板料理の「ロッシーニ」。
イタリアオペラの大作曲家の名を冠した牛フィレステーキのこの料理は、かの作曲家が愛した料理なのだとか。ステーキの下にフォアグラのソテー、上からは黒トリュフたっぷりのワインのソースという、「牛フィレ・フォアグラ・トリュフのアンサンブル」なる、一歩間違えると下品なほどにリッチな料理だ。このコースではややミニサイズでの提供ということで、肉もフォアグラも3口分ほどずつ。量が少なくてむしろちょうどよいくらいで、美味しくいただけた。

重厚なメインディッシュの後は、グレープフルーツのソルベが全員分出て、私と母にはミニデザート4種の盛り合わせ、息子は数種から選んだデザートで「もぎたてのたっぷりフルーツにアイスクリームとフレッシュハーブの氷を香らせて」というものを。私の前には桜色のプリン、抹茶とチョコレートのケーキ、アプリコットのソルベ、桜のロールケーキという春らしい色合いのものが横長の角皿に盛られてやってきて、最後まで目も舌も楽しい手抜きのない料理だった。この内容で5250円は本当にお得。

驚いたのは、息子が見事に大人サイズのコース料理を平らげたこと。やんばる豚のグリルを「これ美味しい、この肉美味しい、超美味しい」と、かなり器用にフォークとナイフを操りつつ添え物の野菜も綺麗に食べていた。ポタージュもカルパッチョの前菜もちゃんと食べ、「好き嫌いはあまりないけど、見たことのない料理には及び腰」気味なところがあるしなと、私は「何品かは残すかなー」と想像していたのに、次々空になっていく皿が気持ちよかった。今日は一日、私の乗った車椅子を押して歩いてくれていた息子。濡れた歩道や横断歩道の段差などもけっこうあって、かなり疲れたんじゃないかなと思う。

「おばあちゃん、こういうお店では、ワイングラスをぶつけて乾杯しちゃいけないんだよ、マナー違反だよ」
「紅茶はね、音たてないで静かに飲まなきゃいけないんだよ。飲んだ後に"ハァ〜ッ"とかって、ビール飲んだ後みたいな声出しちゃいけないんだよ、鼻からそっと息吐けばいいよ?」
なんて語るようにもなっていて、いつのまにそんなに外食慣れしてるんだお前はと、これまで散々あちこち連れ回してきておきながら、お母さんはびっくりしてしまった。「お母さんのスパークリングワインとお揃いみたいだ!」とか言いながらアップルタイザーを美味しそうに飲んでいたけど、お酒飲める年齢になるのもきっとあっという間なんだろうなぁ。

3月26日 木曜日
ホテル滞在の最後、懲りずにブッフェランチ
ホテルのブッフェ朝食
 コーンとツナのサラダ
 葉野菜のサラダ
 グリルドポテト
 ハムとチーズのオムレツ
 サラミ・ハム
 千葉県産ピーナッツバターを添えたポンテケージョ
 レーズンパン
 オレンジ・パイナップル・メロン・ドライアプリコット・プルーン
 ヨーグルト
 牛乳・オレンジジュース・紅茶

広いベッドとふかふかの枕が心地よい、ホテルの朝。今日もしっかり熟睡して、起床は6時。息子も早々に起きてきたので、早めの朝御飯に向かった。すっかり春休みに突入ということで、昨日よりも断然子供連れのお客が増えていた朝食用のブッフェレストランには、ディズニーのキャラクターの髪飾りをつけた小さな女の子の姿などもちらほら。舞浜まで電車で数十分の距離だし、オフィシャルホテル群よりは予約も取りやすく安価ということで、幕張のホテルはディズニーランド需要も少なくないらしかった。

昨日の朝とさほど変わり映えのしない内容ながら、今朝もオムレツやサラダ、フルーツなどをまんべんなく色々と。
今朝もピーナッツバター添えのポンテケージョが温菜コーナーに並べられていたので、昨日より多めの分量盛りつけてきてもりもり食べた。モチモチとしたあの独特の食感ではあるけれど、表面はかなりしっかりとカリカリで、外見はむしろ「小ぶりのサーターアンダギー」という感じ。お菓子みたいで美味しいわぁと、パン控えめにしてこちらをたっぷりいただいた。

幕張「ホテル ザ・マンハッタン」にて
 ウィークデーランチブッフェ \2200

せっかくこのホテルに来たことだし、手頃な価格で美味しくて幸せな「ウィークデーランチブッフェ」を堪能してから帰ろうということに。朝食ブッフェでもあれこれ苦労していたのにまたブッフェ……と思いつつ、息子も手伝ってあげるよと言っていることだしと予約を入れた。午前中は部屋でのんびりして、チェックアウトしてから荷物を預けて会場の2階の大広間へ。

大人は2200円、小学生は1300円というこのブッフェ、以前より少々値段が高くなったようで、対して料理のクオリティは残念ながらけっこう下がってしまった感があった。いかにもなホテルメイドといった風の、(材料はそう高級なものではないながらも)手のこんだテリーヌや煌びやかな前菜や肉料理が並んでいた記憶があったのだけれど、そういったものは姿を消して、大量に炒めて大皿でババーン!的な大味な盛りつけのものが大半を占めていたのがとても残念。

味の方は変わらず、安心して食べられるものがほとんどだったけれど、前にも増して客層が悲しい感じになり、スタッフの方たちも険しい表情で慌ただしく「とにかく無くならないうちに"餌"を運ばなきゃ」みたいな感じで動いてらして、「あれぇ?こんなだったっけ?」という印象だった。たとえばスモークサーモン入りのサラダは、スモークサーモンだけが綺麗にさらわれて、ただの野菜サラダみたいになってしまっていたりして。そしてその野菜サラダ状態の皿が長らく交換されずにブッフェ台に残り続けていたりして……。

ホテル滞在中のフロントやレストランの方たちの対応が素晴らしいものだっただけに、ランチブッフェの空気の落差を強く感じてしまったというのもあるけれど……ブッフェは宿泊時じゃなく、家からふらりと出かけて食べに行く方がきっと相応しかったんだな。「2000円でこの料理」と思えば、決して悪いものではなかったし。

前菜はイカのジェノベーゼマリネ、春野菜のロールキャベツ、スモークサーモンのサラダ仕立て、などなど。月代わりのスペシャルメニューは「道産帆立貝と野菜のスープカレー」(サフランライスにかけて食べる。"野菜"はじゃがいもしか見あたらず……)、シェフが目の前でフランベして仕上げてくれるデザートは「オレンジピールのフランベ」だった。マーマレード状に甘く煮たオレンジピールをフランベし、ヨーグルト風味のアイスにかけてくれる。

写真の肉料理の皿は、和牛のステーキおろしソースとフライドポテト、ベリーのソースのポークローストとマッシュポテトと栗の甘煮、カポナータ風のソースを添えた真鯛のポワレ、牛バラ肉の煮込み、など。ドリンクはホットのコーヒー紅茶、アイスのウーロン茶が飲み放題。

朝食ブッフェと同じく、ブッフェ台の手前に皿を置いておけるだけの空間があったので、松葉杖ついてえっちらおっちら少しずつ盛りつけして歩いた。案外ちゃんと綺麗に盛ることができたし、食べたいものを食べることもできた。一番美味しかったのは和牛のステーキ。「ごめん、あと4切ればかり持ってきてくれる?」と、息子にお代わりを持ってきてもらって食べた。あと、地味にポークローストの添え物のマッシュポテトと栗が美味しかった。

デザートコーナーは、7種類ほどのプチデザートが盛られた大皿が入れ替わるたびに、大勢の人がそれをめがけて集まってくる人気のスポット。そこでもめげずに並んだばかりのデザートを目指して並び、プチサイズのショートケーキやチーズケーキ、苺のムース、葡萄のゼリーなどをしっかりいただいてきた。オレンジピールのフランベもお代わりして2個。

で、この3日間のうちで一番お腹いっぱいになりました……という状態になって、猫たちの待つ我が家へ帰宅。
帰りの車の中で、息子は「また、あのレストラン行きたいなー……あの、昨日の夜食べた、フランス料理のお店」と言っていた。フレンチのコース料理、息子はいたくお気に召したらしい。

酢油キャベツとプチトマト、茹でアスパラ
お刺身(まぐろ・いくら)
羽釜御飯
抹茶入り玄米茶

文字通りの「骨休め」ができ、入院中の粗食に対する反動の「美味しいもの食べたい欲」もすっかり満たされた3日間。
「……今日の夜は軽くていい、すっごく軽くていい……」
「やっぱり?そんな感じだわよねぇ」
と、帰宅後に買い物に出てくれた母が小さめのまぐろのサクとイクラを買ってきてくれた。冷蔵庫に酢油キャベツが残っていたのでそれを出して、御飯と一緒に軽めの夕御飯。

猫たちには「留守にしていてすまん!」と、ちょっと良いめの猫缶とまぐろスティックを出してやった。
ペットショップで買ってきた特売品だった外国製のおもちゃに、りゃんりゃんが大喜び。キャットニップの匂いがついているおもちゃだったらしい。

3月27日 金曜日
病院行って、お昼は太閤園
スコーン(カラント・ドライチェリー)
クロテッドクリーム・苺ジャム・アプリコットジャム
ミルクティー
苺・マンゴー

楽しかったホテルの数日、心残りは最上階のバーでティータイムに供されている「アフタヌーンティーセット」。2日目のフレンチの夕食の前にそんなおやつを楽しむわけにはいかず、3日目最終日はランチブッフェで大変に満腹になってしまい、結局案内だけ見て「いいなぁ、次はこれだなぁ」と思いながら帰ってきた。せめてもと帰り際にホテル内のケーキショップで買ってきたスコーン2種類。プレーンは用意されておらず、2種類のスコーンはカラントとドライチェリーだというのがちょっと面白い。

「スコーンだったら、クロテッドクリームが要るわよねぇ?」
と、昨日帰宅してから母がクロテッドクリームを買いに行ってくれた。ちょっと前まではデパ地下あたりまで探しに行かないと買えなかったクロテッドクリームも、今は最寄りのスーパーで普通に扱われていて、こういう時は本当にありがたいこと。

牛乳で煮出す濃厚なミルクティーを用意して、クロテッドクリームとジャムをたっぷり添えたアツアツのスコーン。食後に苺とマンゴー。ジャムや果物で今日の朝食の食卓はとても華やかな感じになった。

スコーンはいわゆる「オオカミの口」のあいていない、ころりと丸いお上品な形のもの。ポソポソと崩れるような食感はちゃんとスコーンならではのもので、久しぶりのクロテッドクリームと共に幸せな味がした。
今日は退院1週間目の病院の日。

稲毛 「太閤園」にて
 餃子
 酢豚定食

左足の具合は順調で、でもギプスの巻き具合が今ひとつしっくりきていない感じだったので巻き直してもらった。
「マイペースで、でもけっこう外に出てガツガツ歩いてますが」
「ええ、いいでしょう、このままガツガツいっちゃってください」
などという会話の後、次回は次週、ギプスカットしましょうねという話で診療は終わった。ギプスの巻き直しのタイミングで足を拭くこともできたので、気分はすっきり。縫われた跡はまだちょっと直視できない感じではあるけれども。

午前中に予約していた診療が終わって地元に帰るともうお昼御飯時。留守番をお願いしていた息子に連絡して、駅近くの中華定食屋さん「太閤園」でお昼を食べることにした。

息子はラーメン、母はチャーハン、私は酢豚定食、それぞれ好きなものを注文して、餃子も2皿。

茄子野菜炒めと相当揺れつつも酢豚にしてしまったのだけれど、このところ私がこのお店で頼むのは酢豚ばかりなような気がする。キュウリが入っている酢豚は、シャキシャキした食感を残す野菜への火の通り具合も相変わらず絶妙で、甘酢の味付けもいつも通りの美味しさ。野菜たっぷりの餃子もいくつか食べて、午前中に松葉杖でガツガツ歩いた疲れもすっかり取れた。

ミックスサラダ
ベーコンエピ・レーズンパン
カルボナーラスパゲティ
かぼちゃのスープ
麦茶

昼御飯が重めだったので、夕飯はちょっと軽めに。

母にサラダとスープを用意してもらって、私はカルボナーラスパゲティを用意した。大皿に3人分盛りつける形にして、各自小皿に好みの量取り分けるようにしたのだけれど、茹でた200g弱のスパゲティが余るほど。案外全員、昼の中華が胃に残ってたらしかった。

生クリームに全卵3個、おろしたパルメザンチーズと、半端に残っていたカチョカヴァロも少々。カチョカヴァロを使ったせいか、熱で溶けたチーズでソースが適度にとろりとなって、簡単に作った割には美味しくできた。でもまだ「これ!」という味ではないんだなぁ……材料が簡単なだけに、作り方もけっこうシンプルなだけに、どうにも難しい。今回は更に塩気も控えめにできてしまったので、できあがってから塩をふったり、胡椒を多めにかけてみたり。

3月28日 土曜日
がんばって、ちょっと遠出してきました
コーンブレッド
鴨肉パテのデニッシュ
カフェオレ
ヨーグルト・苺

「甘いパンばっかりじゃなくてしょっぱいパンも食べたいです」
と母にお願いしたら、今日はしょっぱい系のパンばかりが食卓に並んだ。……いや、ハーフ&ハーフくらいで良いんです、お母様……甘いものがあっても良いんですお母様……甘いものばっかりじゃなければ良いんです……。

コーンを生地に混ぜ込んだコーンブレッドと、ミートパイのミートが鴨肉になった風のデニッシュ、あとはカフェオレと苺、ヨーグルト。週末の今日も起床は7時頃で、朝食は7時半頃といつも通りな感じで、食後は母が毎日見ていたというNHKの連続テレビ小説の最終回を一緒に見た。

「……この夫婦が主人公?」
「そうじゃなくて、こっちの奥さんと、双児のお姉さんだか妹だかの2人が主人公」
「……生き別れってやつ?」
「そうそう」
「あらまぁ……なんてベタな……」
ベタの一言でうっかり片づけてしまいつつ、そんな連続ドラマを見ることもすっかりご無沙汰だったわぁと身支度開始。今日は一人でお出かけ。

新宿「ルミネエスト」内「OCEANS TABLE」にて
 海南飯 \980

今日は演劇集団キャラメルボックスのハーフタイムシアター「光の帝国」と「すべての風景の中にあなたがいます」の観劇。

本当はだんなと見に行くつもりでチケットを取ったのだけれど、出張からのだんなの帰宅は今日の午後になってしまうということで、代わりにと友人に声をかけて一緒に行くことにした。

……が、約束した後になって私の左足がこんな状態になってしまい、私も見に行けないかも、チケットそっくり友人に譲るべきかもと、かなり悩んだ。退院して1週間後はどのくらい歩けるか自分でも予想がつかず、でも階段での移動さえなければ電車とタクシー乗り継いで劇場まではなんとか行けそうだと判断した。あとは劇団に事の次第を連絡して、「劇場ビルに到着できたとして、劇場への移動及び席への移動の階段の有無はどんな感じでしょうか」と問い合わせてみたのが入院中のこと。すごく丁寧な返事をいただき、席も移動しやすいところに変更してくれるという。段差も危惧していた量ではないとわかり、行ってみることにした。幸い、ここ数日の外出で、距離を歩くことも段差の上り下りもだいぶ危なげないところまできていたので、タクシーを使うまでもない……という感じに。

劇場は新宿歌舞伎町のど真ん中。移動距離は少ない方がありがたいということで、友人と新宿駅東口で待ち合わせて、そのまま駅ビルの「ルミネエスト」でお昼御飯にすることにした。何度か訪れたことのあるレストランフロアは、またいくつか店の入れ替わりがあって、コカレストランなどもあった。目を付けていたお店のランチメニューをいくつか眺め歩き、結局980円の海南飯が美味しそうだった「OCEANS TABLE」というお店にすることに。

こんがり焼かれた鶏もも肉数切れと、添えられたタイ米。小さな器には中国醤油、御飯の上にチリソースと揚げにんにくが乗っている。それらを肉にまぶしつつ、御飯にもまぶしつつ、もぐもぐ。あとは薄切りのトマトとキュウリ、ドレッシングで和えられた葉野菜、と、ちょっと変則的な風の海南飯だった。ソフトドリンクもついていたので、ジンジャーエールを。

しっかり強めに下味のついた鶏肉が香ばしく良い感じで、見た目以上に分量もたっぷりめに感じられる皿だった。
あれこれ近況話しつつ食事を終えたら、まだ開場まで時間もあるしねとてくてく歩いて劇場に移動。

スモークサーモンのサラダ・ミックスサラダ
豚ロース肉の味噌漬け
じゃがいもとわかめ、油揚げの味噌汁
羽釜御飯
ビール

60分演劇が2本立ての今回の演目、『光の帝国』は恩田陸さん原作のもの、『すべての風景〜』は梶尾真治さん原作のもの、と、どちらも原作つきの劇だった。それぞれ特殊能力やタイムトラベルなどの要素が出てきて、雰囲気はとても「いつものキャラメルボックス」な感じ。適度にお笑いもあり、配役も中堅ベテラン勢がしっかり固めてとても安心して見ていられるお芝居だった。

2本の劇の間には45分ほどの入れ替え時間があったのだけれど、ここで「"23年間を23分間で"のダイジェストビデオ」が流されて、これがすごく面白かった。そういえば、初めてキャラメルボックスを見に行った時に一緒だった友人こそ、今日一緒に観劇しているSちゃんだ。

「これ、これだよね」
「うん、これ、一緒に見たよね」
と、画面を指さしたのは、1993年あたりの公演のムービーだった。時々見なくなったりもしたけれど、もう16年くらい見続けてるんだなぁ……。ちなみに"演劇嫌い"のだんなを初めて連れていったのは1998年の「さよならノーチラス号」。

ダイジェストビデオではおばあちゃんが飛んだりおばあちゃんが飛んだりおばあちゃんが飛んだり(←再演を繰り返す「広くてすてきな宇宙じゃないか」のクライマックスシーンが何度も何度も……)。破天荒な無理矢理な展開だったりもするけれど、「スケッチブックボイジャー」とか「サンタクロースが歌ってくれた」とか「嵐になるまで待って」とか「風を継ぐ者」とか「ブラック・フラッグ・ブルース」あたりの演目は好きな作品だなぁと改めて思った。テーマ曲が流れると鳥肌が立ったり、演目によってはセリフのけっこうな部分を覚えていたり。

移動しやすい席に変更してくれた事に加えて色々劇団のスタッフの方々にあれこれお気遣いいただいて、無事に観劇を終えて新宿駅に戻って来られた。さすがに右足や腕などは疲れたけれど、左足が痛くなったり腫れたりすることもなく、電車に揺られて何事もなく帰宅。帰ると出張から帰ってきていただんなが出迎えてくれた。

これは機内で買ったマニキュアね、こっちは現地で買った化粧品とチョコレートねとあれこれお土産を貰いつつ、母がほとんど用意してくれた夕飯を皆で堪能。メインのおかずは、友人が退院祝いに送ってくれた味噌漬けの豚ロース肉。これは私が焼いたのだけれど、炙っても固くならずにしっとりと柔らかい美味しい肉で、1切れがせっかく大きなそれを切ってしまうよりはと、送られてきたそのままの状態で焼いて、そのままの状態で盛りつけた。適度に厚めな肉は、がぶーっとかぶりついて噛みちぎるのにちょうど良いような感じ。がぶがぶと肉を食べつつ、だんなにとっても、そして案外私たちにとっても久しぶりな感のある「白い御飯と味噌汁」を堪能した。

3月29日 日曜日
銚子丸に行きました。これは「なめろう」。
バタートースト
カフェオレ
グレープフルーツ

今日は朝7時半、りゃんりゃんの「いい加減に起きろー」的な、不機嫌っぽい鳴き声で目が覚めた。私じゃなくても、母も息子もだんなも気がつけば餌をあげてくれているのに、なぜ私を起こすのか、りゃんりゃん。
母もほどなく起きてきて、私がボーッとしている間にコーヒーを淹れてくれて、半分くらい寝ぼけながらの朝御飯。

お昼には早めに時間にお寿司を食べに行こうという話になっていたので、朝御飯はちょっと軽めに、1/2切れのトーストとグレープフルーツで終わりにしてみた。

「銚子丸」にて
 マグロぶつ
 カンパチ握り
 クジラ握り
 オーロラサーモン握り
 大トロ握り
 中トロ握り
 いくら軍艦
 なめろう軍艦
 銚子丸巻き
 ホウボウ握り
 穴子てんぷら握り
 大トロ岩塩炙り握り
 シマアジ手巻き
 あんこう汁
 生ビール
などなど。分け合いつつ、ずいぶん色々食べました……

遠方への出張から帰ってきたなら、やっぱりここはお寿司でしょう!ということで、お昼に皆で連れ立って「銚子丸」へ。春休み中の週末ということで混雑するのは目に見えているため、早めにお店を目指してみた。お店へは1フロア分階段を上らなければいけないのだけれど、そこは気合いで。私も骨折以来初めてのお寿司だったので、すごくわくわくしていたのだった。

お昼時までまだ間があるタイミングだったので、めでたくボックスシートに座ることが出来て、ビール飲み飲み色々なものをつまんできた。1皿2貫盛られた皿を、だんなと分け合ったり母と分け合ったりして、ほとんど1貫ずつ口に運んでいたと思う。おかげでずいぶんな種類のものを食べることができた。

中トロが2貫で399円のところ299円のキャンペーン中。中トロももちろんいただいたし、
「中トロより、大トロ頼みなさいよ。美味しいところたくさん頼みなさいよ」
とスポンサーの母に勧められて、大トロもつまんだり、最後に大トロ炙りも注文したり。おつまみにマグロのブツもレーンから取り、今日はずいぶんマグロを食べたなぁという印象が残った。

あとはクジラベーコンも上にトッピングされクジラの握りや、旬のカンパチ、ホウボウなど。カンパチやシマアジは見事な脂の乗り具合でうっとりしてしまった。回転寿司ならではの「穴子の天ぷら握り」などのイロモノメニューもしっかり注文して、ボリュームたっぷりだったこれはだんなと半分こ。ちゃんと揚げたての天ぷらが出てきて、衣がサクサク、良い感じだった。

今日は本当に皆よく食べて、このところ、家族3人で行くと会計時の皿の数が20枚を下回ることがほとんどだったのに、今日は30枚越え。巨大な椀のあんこう汁まで飲んでおいて、すっかりお腹いっぱいだというのに
「しまったなー、茶碗蒸しに手が出せなかったなー」
とか
「しまった、最後にねぎとろ手巻きも頼むべきだった」
などと思ってしまいながら店を後にした。

帰り道、ホームセンターで花の苗をあれこれ買って、猫餌もあれこれ買って、大荷物で帰宅。
この秋冬はすっかりやる気がなくて殺風景になっていたベランダの花鉢に、母がこれでもかと花を植え始めてくれた。初夏から秋にかけて、ベランダは大変に華やかなことになりそう。ギプスが取れたら、またアサガオの種でも撒いておこうかしら。

モンドール with レーズンパン
ミックスサラダ
だんな特製ミートソーススパゲティ
ビール(プレミアムモルツ)

夕飯は、だんながミートソーススパゲティを作ってくれた。
母がミックスリーフや玉ねぎ、パプリカなどが入ったサラダを用意してくれて、今日の私は座して御飯ができるのを待っていただけ。
「お風呂沸いたよ、入っておいでー」
などと言われて、のんびりシャワー浴びたりしていた(ギプス中はお湯には浸かれないのね……)。

だんなが料理をすることは母もよく知っていたはずなのだけれど、
「ミートソース作るの?玉ねぎ刻みましょうか?……え?大丈夫なの、誰が切るの、あなたが切るの?」
と、なにやらびっくりしていた様子。料理するんだから、玉ねぎだって刻みますよー……もやしのヒゲ根も取ったりしますよー……。

料理の種類によっては私よりもよっぽど器用にあれこれ動く我が夫なのに、「男の人なのに?料理するの?野菜刻むの?あらまぁー」とばかりに、母世代前後の人からはそうやって驚かれることがある。

今日の食材の買い物をするのも、
「じゃ、ミートソース作るならホットドッグの材料も買ってくるね、んで明日はチリドッグ♪」
とうきうきと買い物の支度をし始めただんなに
「あら、スーパーくらいなら私が行くわよ?」
と母に止められ、

「いや、俺が行きますよ」
「いいわよ、私が行くわよ」
「いいんですー!俺がー!お買い物に行きたいんですー!」
と、最後はだんなが苦笑しながら押し切っていた。「男の人なのにスーパーでの買い物を嫌がらない」というのも、これまた理解しがたいシチュエーションなのであるらしい。……うん、夫は前向きにスーパーでのお買い物が好きな人なんだ……。

で、ほとんど全く私が動くことのなかった今日の夕御飯。
いよいよ季節も終わりかけのチーズ、"モンドール"も食卓に出して、レーズンパン添えておつまみにした。チーズがあるならとビールも軽くコップに1杯。

そういえば、「痛い時だけ飲んでください」と処方された痛み止めも退院後ほとんど全く飲んでない。痛み止め飲む時くらいはお酒は控えていようと思っていたのだけれど、お医者に「アルコールはダメです」と厳命されてないのを良いことに(もちろん「飲んでいいです」と言われているわけでもない)、けっこう堂々と飲んでしまっている今日この頃……。

久しぶりの、だんなお手製のミートソースはいつも通りの肉肉しいもの。挽き肉と玉ねぎ、水煮缶のトマトと赤ワイン、塩だけで作ったミートソースに、母は「あらー、お店じゃなくてもこういう美味しいものが作れるのねぇ」と驚いていた。ついでに、息子やだんなの食べっぷりにも驚いていた。

3月30日 月曜日
「美味しい中華を買ってきましょう」ということで
だんな特製チリドッグ
カフェオレ
グレープフルーツ

昨日、「夕飯はミートソースにしよう!」と決めたところで、だんなが
「じゃあドッグパン買ってきて、ホットドッグしよう。チリドッグチリドッグ!」
と提案して、材料を買ってきてくれた。その後だんなが作ってくれたミートソースも、翌朝に残せるような多めの量。

だんなはいつも通りの通勤の朝、息子は春休みなので少しだけ遅く起きて、で、私は座している間に朝御飯ができあがっていた。チリパウダーをミートソースの上からパラッとかけた、チーズもトッピングしたチリドッグ風のホットドッグ。ピリリとほんのり辛いミートソースがたっぷりかかっていて、朝からゴージャスなものを食べてしまった。全くかけらもおさんどんをしなくて良いというのは、らくちんで本当にありがたくもあるのだけれど、でも何もしていない自分が歯がゆいし申し訳ない気分。

せめてもと動き出したら、変な具合に「お片づけスイッチ」が入ってしまったようで、朝食後は居間のお片づけを色々と。入院来、気になっていた棚の上などがずいぶんすっきり片づいた。溜まっていた雑誌も資源ゴミ用にまとめてみたり。

サンドイッチいろいろ
ミルクティー

まだまだギプス生活継続中の私、なのに母は
「ねぇ?お昼御飯にタクシー乗って、幕張のホテルあたりにお昼食べに行かない?」
などとおっしゃる。

いやいやいや、今日は仕事も溜まっちゃってるし、何より私、火曜から木曜はホテルお泊まりで金曜は病院で土曜はお出かけで日曜も外食で、連日家から出ているんですけれども……と苦笑い。ギプスの中の足は痛くないけれど、そこをかばって歩くから右足が筋肉痛だし、何より体重が一番かかってしまっているだろう両手のひらがけっこう痛い。今日はちょっと家でおとなしくさせてください、なんだかちょっと風邪気味だし……と、お昼御飯は買ってきてもらった。

「じゃあ、パン屋さんでも見てこようかしら?」
という母に
「そうねぇ、お昼だったらサンドイッチとかも売ってると思うよ」
と言ったら「あらサンドイッチ!それ良いわね、サンドイッチが良いわね」と、パン屋さんのサンドイッチを何種類か買ってきてくれた。

カツサンドとフルーツサンド、トマトとレタスの野菜サンドなどなど、数切れずつパックになったのがいくつか。さっそく息子はカツサンドからかぶりついていて、私はフルーツサンドから。キウイと苺、シロップ煮の洋梨が挟まっているもののようで、ホイップクリームに加えてカスタードクリームまで挟んであるものだった。カツサンドのカツもかなり厚めで食べ応えがあり、それぞれ1切れずつと野菜サンドを2切れ、食後に苺を数粒つまんだらおなかいっぱい。

食後に飲んだ風邪薬が効きすぎてしまったのか、午後は仕事もあるのに寝こけてしまった。
ベッドに横になるとすぐにりゃんりゃんが真横にぴたーっとくっついてくるので、それが大変に危険。ぽっかぽっかとあったかい毛玉がくっついているものだから、すぐに眠くなってしまうんだ……。

ミックスサラダ
「聘珍樓」の
 焼売・小龍包
 青椒肉絲
羽釜御飯
ビール(プレミアムモルツ)

お昼にホテルの中華のオーダーバイキングに行かない?と誘っていた母は、美味しい中華料理が恋しかったらしい。
「んー……でも、駅ビルに入ってる中華総菜屋は、それほどには美味しくないんだよねぇ……」
「じゃあ、買ってくるならどこが美味しいのよ?」
「このへんなら、千葉のデパートかなぁ……いやでも千葉そごうのお店も普通な感じだし……」
いっそ自分で何か作ろうかと思ったところで、
「そうだ、千葉三越だったら聘珍樓のお店があるじゃない」
と思い至った。

聘珍樓ならお総菜もそう外さず美味しいでしょう……ということで、「じゃあそれ買ってくる!」と午後はお買い物に出かけていた母、朝御飯用にと肉まんやら叉焼まんやら買い込んで大荷物で夕方帰ってきた。息子の大好物の焼売も入っていて、あとは小龍包とか青椒肉絲とか。

お総菜を蒸したり温めたりしつつ、昨日の残りのパプリカや玉ねぎ入りのサラダも出して、簡単ながら豪華な感じの夕御飯。
秋田ではなかなか見かけない(見かけてもすごくお高い)という色鮮やかなパプリカが母はすっかりお気に入りのようで、「あらー、この青椒肉絲にも入ってるわね、甘くて綺麗で美味しいわよねこれ」と。サラダに入れるのもお気に召したようで、ここしばらく、サラダがどんどん華やかになってきている。

あまりスープの入っていない小龍包ではあったけれど、「ちゃんとした中華料理」の味がする焼売や青椒肉絲は幸せだった。筍少なめ、なぜかシメジが入っている青椒肉絲は、でもピーマンたっぷり。魚介の入っていない焼売も息子好みの「基本の焼売」という感じで美味しかった。

母は「あんたのギプスが外れたら、そろそろ向こうに帰ろうかしらね」と言っているけれど、さて来週あたりの私はどれだけ動けるようになっているのだろう(今もうすでに、めんどくさくなっちゃって家の中は松葉杖無しで無理矢理歩いてしまったりしているけれども……)。家の中はともかく、「荷物持って歩くことはできるのか」「自転車乗って買い物に行けるのか」あたりになるとさすがに不安。生鮮品に加えてデパ地下の総菜やお菓子も届けてくれるということで、そう長期間の話でもないからと三越の宅配サービスを利用しちゃおうかなーと考えている私。

3月31日 火曜日
グラタンつくりました〜
バタートースト
カフェオレ
苺・文旦

昨日母が「聘珍樓」の肉まんを1個、海鮮まんを1個買ってきてくれたので、それはそれぞれ息子とだんなの朝御飯に。私と母は2枚残っていた食パンをトーストにして食べた。

今日は離任式とやらで、息子は登校日。
母は今日も「タクシー乗ってお昼御飯食べに行かない?」と言っていたけれど、息子が帰ってくるのが何時になるかはっきりわからないしねぇと答えつつ、私はお仕事。大量ではないけれど、毎日絶え間なくやらなくちゃいけないお仕事が出てきてるんだ……。

「モスバーガー」の
 とびきりハンバーグサンド トマト&レタス
 フレンチフライポテト
 フランクフルト
オニオンスープ
アイスカフェオレ

結局、息子の帰宅は11時過ぎ。お出かけできなくもない時間帯だったけれど、めんどくさいから家で何か食べましょうということになり、3人で話し合った結果モスバーガーの宅配を頼んでしまうことにした。1回につき200円の宅配代を払えば届けてくれるお店がある。

テリヤキチキンバーガーかな、サウザン野菜バーガーかなと思いつつwebサイトを確認したところ、「とびきりハンバーグサンド」なる新商品が出ていた。国産の合い挽き肉を使ったバーガーらしい。生醤油とぶどう酢の和風味というのも気になって、ちょっと割高なこのバーガーにしてみることにした。

「あら、これ、棒のついてるの何?」
「フランクフルトのこと?」
「あらー、私、これ、もう隨分食べてないわねー……」
「食べたいなら一緒に頼むよ?」
「あんたたちは食べないの?」
「んー……食べようかなぁ……」

と、1人1本フランクフルトもつけてもらうことにして、各自1個のバーガーとポテトを注文。朝のコーヒーが残っていたのでアイスカフェオレにして、買い置きのレトルトパックのオニオンスープをバーガーが届くまでに温めておいた。

シャバシャバした醤油味のソースが絡んだバーガーは、けっこうな食べ応え。「国産肉だから美味しい!」という感銘は特にはなかったけれど、分厚いトマトとたっぷりめなボリュームに満足な味だった。レタスとマヨネーズの存在がまた良い感じ。

すごく久しぶりな(というか、モスでこれを頼んだのは初めてじゃなかろうかという)フランクフルトも息子と私はしっかり堪能したのだけれど、肝心の母が
「あらぁ……ハンバーガーとスープ食べたらお腹いっぱいになっちゃったわ……」
とフランクフルトを食べられなくなってしまっていたのがお気の毒。
夕飯に回そうよ、夕飯、洋食っぽいもの作ろうと思ってるからさ、と話したら
「そうね、夕飯にフランクフルトもいいし、ついでに美味しいソーセージ食べたいわね。買ってくるわね〜♪」
とお買い物に出かけてしまった。夕飯にも食卓にソーセージが出てくるらしい。先日からミートソースだハンバーガーだ焼売だと、挽き肉料理がやけに続いている気がする今日この頃。

薄切りパンいろいろ & モンドール
アスパラ入りミックスサラダ
チキンマカロニグラタン
茹でソーセージ
ビール(プレミアムモルツ)

夕飯は思いたってチキンマカロニグラタン。先日母と息子と3人で外食した折、母がドリアを注文して
「この、ミートソースみたいなのは要らないの……普通のグラタンっぽい味のものが食べたい……」
と呟いていたのを思い出し、そういうシンプルなグラタンだったら家で作りましょうということで。

牛乳や鶏肉は買ってきてもらって、夕方から台所に立ってベシャメルソース作りから。
隣のコンロでマカロニと鶏肉を同時に茹ではじめ、目の前のコンロの鍋にバターを溶かして薄力粉を振り入れる。大量に泡が出てきた後に粉っぽい感じになるまでしっかり炒めた後、火を消して冷たい牛乳を加えつつ泡立て器で混ぜてダマのないソースを作った。バターと粉と牛乳の分量比は1:1:10くらい。

余計な風味をつけないシンプルなベシャメルソースにしようと思っていたので、ナツメグもローリエも入れないでおいて、だんなの出張土産の海塩で味をつけたら、なかなか深みのある良い味のソースが完成。そこに茹でたマカロニと鶏肉を入れて和えたら耐熱容器に入れ、ピザ用チーズとパン粉をかけてオーブンで20分ほど焼いたらできあがり。

材料は簡単だし、そうそう失敗する手順もない料理だけれど、脇で見ていた母は
「……やっぱりめんどくさいわねぇ……缶詰使うと簡単なんでしょうけどねぇ……」
と呟いていた。まぁ、めんどくさいけど、でもこの十数分の手間で缶詰よりは断然美味しいソースが出来ると思えば。

母が買ってきてくれた鎌倉ハムのソーセージと、グラタン仕込んでいる間に母が用意してくれていたサラダ(茹でアスパラ入り、そして今日もパプリカ入り)、薄切りにしたパンあれこれと、クリームのようにパンに塗って食べられるほど柔らかく熟成しているチーズ「モンドール」も出して、今日は全体的にビールやワインが美味しく飲めそうな夕御飯。いつもは、飲むと言っても小さな缶を2人で半分こして2口3口分ほどのビールしか飲んでいなかったのだけれど、今日は「ごめん、もう1缶飲みたい」とお代わりを要求してしまった。ああー、ビールが美味しい!足も痛くない!

良い色に焼けたグラタンは息子にも母にも好評で、「しまった、1.3倍量くらいに作っておいて、だんなのお弁当にしてあげれば良かった」と思ったのはグラタン皿がすっかり空になった後。なかなか副菜まで手が回らないのでお弁当も作れずにいるのだけれど、ギプスが取れたらなんとか用意できるようにしたいなぁと思っている。ギプスとの蜜月期間もあと2日。