食欲魔人日記 01年08月 第4週
8/20 (月)
アクアパッツァ(西麻布)にて、前菜の盛り合わせ (昼御飯)
お茶漬け
麦茶

何だか無性に茶漬けが食べたくなる。そういう時もあるもので、どうも私は一昨日あたりから
「茶漬け……茶漬け……茶漬けが食いたい……しかも"永谷園"のごくごく普通のあの茶漬け……」
と茶漬け信奉者と化していた。そういうわけで、今日は一家全員茶漬け。

永谷園の、あのノーマルな「お茶漬け海苔」を御飯にぶっかけ、熱湯もぶっかけ、さらさらと食べる。息子にも容赦なく熱い茶漬け。だんなにも、茶漬け。
あの永谷園独特の茶漬けの味が、何とも久しぶりで美味しかった。湯を吸ってしなびていく細長いせんべいもまた、懐かしい味だ。あのフニャフニャ感がたまらない。

茶漬けを食べると、義妹の逸話を思い出す。彼女が茶漬けを初めて食べたのは小学生も高学年になろうとする頃だったらしい。別に禁止されていたとかいうわけじゃないけど、茶漬けを食べる機会がず〜〜〜〜っと無かったのだそうだ。あるとき、茶漬けを食べて
「この世の中にこんなに美味しいものがあったなんて!!!」
と感動に打ち震えたとか震えなかったとか。確かに、茶漬けは妙に美味しい。ゴージャスに焼いた鮭が乗ってたりするのもまた格別。

西麻布 アクアパッツァにてBコース
 冷前菜盛り合わせ
 温かい前菜
 本日のパスタ
 本日の魚料理又は肉料理
 ドルチェ
 エスプレッソ

西麻布のアクアパッツァが、10月頃、広尾に移転してしまうらしい。何でも地下地上数フロアある巨大店になるのだとか。こぢんまりとした西麻布店が好きだった私たちは、「移転する前に行っておかなきゃねぇ〜」と言っていたのだ。折良く、だんなは今日、午後から六本木で会議であるらしい。ついでに私も都心に用事がある。こりゃ良い機会、と一緒に平日ランチを堪能することにした。

このお店のランチコースは、何しろ最初に出てくる生野菜と、続いて出てくる前菜の盛り合わせが嬉しい。パスタと肉か魚料理も食べられるBコースを取ることにした。最初に出てくるのが、小皿に盛られた生野菜各種。にんじんやイタリアンパセリ、イタリアの種を使ったというパプリカやシャキッとしたキュウリなどなど。オリーブ油に塩胡椒を添えたものと、トマト味、バジル味のマヨネーズソースの皿もついてくる。ウサギのようにポリポリと土の匂いのする有機野菜を囓る。

そして、豪華11種類も盛り合わせられた冷前菜。大葉のソースの魚のソテー、ルッコラと比内鶏の砂肝のマリネ、緑と赤のししとうと一緒に炒められた短角牛肉。どれもこれもしっかり仕事がしてあって、同じマリネタイプのものでも味の方向が全て違うようになっている。中にはごぼうをマルサラワインに漬けて甘くマリネしたものなど、「……これ、イタリア料理……?」とハニワ顔になってしまうものもあるけれど、それでも美味しく、面白い。だんなも私も仕事を控えているのでアルコールは避け、アイスティーを飲みながらひょいひょいと前菜をつつく。

温かい前菜は、さつまいものスープ。中には細かく刻まれたセロリなどの夏野菜が入っている。出始めのさつまいもは、まだ淡い甘さのねっとりとしたものだった。
パスタは、するめイカをワタと一緒に和えたオイルスパ、自家製ソーセージのアラビアータなど3種類から選ぶ。私がイカのオイルスパ、だんながアラビアータ。イカ墨パスタにも似た、濃厚な磯の香りがするイカのパスタにはルッコラがしんなりとたっぷり入っていた。

私のメインディッシュは、金目鯛の切り身をカリカリに焼き、トマトのソースをかけたもの。最後は夕張メロンのジェラートとティラミス、チョコレートケーキまでしっかりいただいて、1時間ちょっとのランチが楽しく満腹に過ぎて行った。うぐぐ、満腹だ。

ほうれん草の胡麻和え
和豚の角煮
かきたま汁
御飯
麦茶

だんな激ジョブ、私もこれから数日間はちょっと忙しくなる予定。しばらく平日に充実した夕御飯作成はできないだろう、と予測して、昨日1.2kgの黒豚バラ肉で角煮を仕込んでみた。もう5時間ほども煮ていて、すっかりトロントロンになっている。しかも大量にある。これからしばらく食事のおかずは角煮になりそうな予感だ。嬉しいけど、4日もしたら飽きるような気もしなくもない。

とりあえず本日は、ごくごく普通にできたての角煮を皿に盛る。練り辛子を添え、ついでにほうれん草を胡麻和えにして副菜に。昨日の残りのかきたま汁と、白い御飯。準備は簡単だけど、なかなか旨そうな食卓になった。息子と二人で、いただきます。

「50円が100円になっても、そんなに食材の味って変わらんのじゃないか」と以前は思っていたけど、「良い豚肉を使うと角煮が(←別に角煮に限ったことじゃないけれど)格段に美味しい」ということを学んでからは、財布を気にしながらもついつい黒豚などを買いたくなってしまう。100g50円ほどの安売り豚肉で角煮をすると、どうしても脂身が固くなる一方で、しかもどうも美味しくないのだ。良い豚肉は、煮込めば煮込むほど脂がさっぱりとしてホロホロになっていく。

今回の豚肉も、なかなか美味しい角煮になってくれた。まだ味の染みが「も、もうちょい?」という感じではあったけど、お玉で鍋からすくおうとするだけでモロモロと崩れそうになるのがなんとも嬉しい。
「とうちゃん、食べる前に無くなっちゃうかもねー」
「ねー」
と息子とニヤニヤしながら、ついついガツガツ食べちゃうのであった。

8/21 (火)
自家製角煮の花巻サンド (夕御飯)
カチョカヴァロチーズトースト
角煮2切れ
アイスカフェオレ

現在、日本列島の上をのったらのったらと巨大台風が上陸中だ。今日の午後には関東も雨になり、明日の朝に暴風域に入るとか入らないとか。
ここんとこ、可哀想なほど忙しいだんなが昨夜帰ってきたのは午前1時も回った頃。だらだらと無駄話などしていたら、すっかり寝不足になってしまった。眠いしだるいし、家でやらなきゃいけない仕事はあるし、何しろ台風だし、本当は出勤の日ではあったけどボスに連絡して
「すんませんすんません。おうちで作業してもよろしーでしょうか。」
と出勤を取り止めた。もうめんどくさいので息子も保育園休み。親子でだらだらと台風を待ち受けることにする。

で、眠い目をこすりつつ、だんなと一緒に朝御飯。食パンを買ってきて、ここはかっちょよくチーズトースト!……と準備していたその脇で、
「角煮、角煮が美味しそう……♪」
とだんなは片口の器に角煮をよそっているのであった。カフェオレとチーズトーストと、角煮。角煮が全てをぶちこわしにしているような気がしないでもないけど、角煮が一番美味しく思えてしまうのだから困ってしまう。

素な食パン
牛乳

出勤はしなくて良くなったものの、ここ数日はやることが山積みで、ずっとパソコンの前に座り続けなければならない。背後で息子がおもちゃを広げて一大スペクタクルを築いてようと、居間に洗濯物がどっさりぶら下がっているところにお義母さんが突如モロヘイヤを持ってやってこようとも、とりあえずは今日は仕事が最優先。

すっかり興が乗ってしまい、息子にはお義母さんが持ってきてくれたプリンパン(←何の疑いもなく食べさせてしまったけれど、果たしてどんなパンだったのだろう……)を食べさせたは良いけど、私の昼飯はすっかり忘却の彼方だった。午後2時、腹は空いたけど作業も中断したくないということで、おもむろに台所から食パン1枚をむんずと掴んでパソコン前に戻り、何もつけない素のままの食パンをもぎゅもぎゅ食べながら仕事する。1分でパンを食べ、パン屑を払いに台所に行ったついでに、今度は冷蔵庫から飲みかけの牛乳パックを出して、口つけて一気飲み。

「な、なんか一人暮らしの男子学生よりこれって酷い状況かもしんない……」
と、ちょっと自分に唖然としつつ、ま、たまにはこういうこともあるのである。

茹で枝豆
豆腐と皮蛋の胡麻ドレッシングサラダ
自家製角煮の花巻サンド
角煮
モルツ、麦茶

ものすごく久しぶりに、だんなが早めに帰ってきた。日曜に仕込んだ角煮を、今晩はとことん味わい尽くす予定。
デパート内の「永楽製麺所」ショップで、5個入り花巻(←あんまんの皮だけをくるくると巻いたような感じの蒸しパンというか饅頭というか)も買ってきた。蒸籠でふかして、アツアツになったところに角煮と茹でたほうれん草を挟んで食べる。角煮の花巻サンドを片手に持ち、小皿に盛った角煮をおかずにしつつサンドを食べる。おかずも主食も角煮のようでわけがわからないけど、美味しいので深く考えないことにする。

ついでに、同じ店で買ってきたピータンをざくざくと乱切りにして豆腐と一緒にサラダ菜の上に積み上げる。胡麻味のドレッシングをだばだばかけて、ピータンサラダ。サラダと角煮とビール。ああ、なんてシアワセ……。

8/22 (水)
焼きカチョカヴァロと目玉焼き乗せトースト (朝御飯)
焼きカチョカヴァロと目玉焼き乗せトースト
アイスカフェオレ

大型台風がじわりじわりと名古屋から関東に向かいつつある今朝、だんなは2日間の九州出張だ。
「飛行機、飛ばないよ、きっと〜」
「いや……飛ばないって言ってないよ」
「新幹線だって、止まってるよ〜」
「いや、とりあえず動いてるらしいよ」
だんなは、行く気だ。外はこれ以上ない大雨で、私は「中止になればいいのになぁ」と切に思っていたが、出張先の関係者から「飛行機、飛びそうですねっ!」なんてメールが届いたようで、出張出発はますます確定。心配だけど、仕方がない。

朝御飯は、チーズ乗せて焼いたトーストに、更に目玉焼きを乗せたもの。塩胡椒もせずそのまま囓ると、チーズの淡い塩気が美味しく感じられて良い感じだ。半熟の黄身を崩さないようにはふはふ言いながら食べ、アイスカフェオレを流し込み、大雨の中出発するだんなをお見送り。

「揺れたり危なかったりしたら、飛行機途中下車してもどっておいで〜」
「……できねーよっ!」
とお見送りの挨拶もばっちりだ。あうあう、ちょっと心配……。

冷凍海老ピラフ
カルピス

息子の保育園への送迎も憚られるほどの大雨で、保育園はお休み。私も仕事があるのでたいして遊んでやることもできないけれど、息子は息子でまぁまぁ楽しそうに遊んでいた。

昼は、ごくごく簡単に冷凍ピラフ。ちょっと寂しいのでカルピスも出しちゃう。
ちょっとばかりバターを加えて炒めた海老ピラフを見て、息子が「おにぎり?おにぎり?」と暗に「おにぎりにしてくれ」と要求してきた。
「え?でも、ピラフだからパラパラだし油っぽいよ……」
と説明を試みるも、幼児は強情だ。
「おにぎり!おにぎり!」
と更に10回ほど連呼され、泣く泣くピラフをおにぎりに。丸いピラフおにぎり3個を前にして、妙に息子は御機嫌だった。

鶏のソテーとルッコラのサラダ 焼きカチョカヴァロ乗せ
モロヘイヤのにんにくスープ
御飯
モルツ、冷茶

今日は一歩も家から出なかったので、ありあわせの食材で夕食を。冷蔵庫の中の鶏肉を眺め、「なんかサラダみたいなの食べたいぞー」と、とりあえず細切りにしてオリーブ油少々で焼いてしまうことにした。
オリーブ油とワインビネガー、塩胡椒で軽く和えたルッコラとパプリカ、玉ねぎのサラダを大皿に敷き、その上に塩胡椒で焼いた鶏肉を盛りつける。更に上からフライパンで焼いたチーズ、カチョカヴァロをとろんとかけて、できあがり。更に食べる寸前に黒胡椒をガリガリガリガリとかけてみた。フランスパンでもあったら格好つくのかもしれないけれど、パンは無いので御飯で我慢。

ついでに、昨日お義母さんから貰ったモロヘイヤをスープにしてみた。鍋でにんにくみじん切りをたっぷりめに炒め、そこに水と適当に千切ったモロヘイヤを投入し、くたくたに煮えたところでおもむろにバーミックスでギャギャギャギャギャと細かく砕いてポタージュ状になったら出来上がり。モロヘイヤのネバネバする食感はいまいち好きになれないけど、ピューレにしてしまえばそれほど気にならない。独特の臭みもにんにくでちょっと紛れるので、モロヘイヤはこうして食べる以外の調理法を滅多にしない私だった。栄養はあるらしいけど、そして「キライ」というほど嫌いじゃないけど、モロヘイヤはちょっと難しい。

旨そうに焼けた鶏肉とチーズのサラダを前に、「やっぱこりゃ、ビールだよなぁ……」と1缶出してビールを堪能。
明日の夜は魚でも買ってきたいなぁと思いつつ。

8/23 (木)
牛肉と茄子のしゃぶしゃぶ 胡麻ドレッシング (夕御飯)
稲毛 太閤園にて
 チャーハン大盛り
 焼き餃子

昨日、今日の2日間、だんなが九州出張に行ってしまったのでだんな不在の木曜日。
昨夜についつい夜中まで本を読んでしまい、ついでに息子も横でキャッキャと眠らず遊んでいたりなんかして、目覚まし時計もかけずそのまま爆睡してしまったところ、目覚めたら10時を回っていた。あいやー。

今から息子を保育園に連れてってもなぁ……と寝ぼけ頭で考えて、結局電話口でぺこぺこしながら保育園を休む旨の電話をする。更に寝ぼけ頭のまま洗濯機なぞ回していたところ、義妹から電話があった。
「あのね、あのね、今日、ヒマ〜?おかーさんが、一緒に昼御飯食べてボーリングでもしないかって。」
ほどよくお腹も空いていたし、そりゃもう喜んで喜んで、と二つ返事で承諾する。

というわけで、お義母さんと義妹、私、息子の3世代4人組で、近所の旨い中華定食屋さんに赴くのであった。私はチャーハン。息子と分け合う事を考えて、ここは大盛を注文。タンメンや五目そばをお義母さんたちは頼んだ後、付け加えるように、「あ、餃子2皿ね」と餃子も加わった。
ここのチャーハンは、何のてらいもない具であり外見であるけれど、妙に美味しい。油の膜が米の1粒1粒に張られたような、テラテラとしたチャーハンははっきり言って油っこい。油っこいけど、あまりくどさは感じない。アツアツでパラパラで、自家製らしきチャーシューがコロコロと混ざり、あとは卵と葱となると(←何故かなると。でも美味しい……)が入っているくらいのものだ。普通盛りも結構な量だけど、「大盛り」にすると圧倒されるほどの量になる。米1合分以上あるかもしれない。

並盛りと大盛りの差分くらいはもりもり食べてしまう息子にチャーハンを分けつつ、いかにも「ラーメン屋の餃子」チックな餃子をつまむ。
食べておしゃべりして、そのままボーリング場へ。「昔とった杵柄」状態のお義母さんと、「ボーリング好きだけど、5ゲームくらいやらないと調子が出ないのよね」という義妹と、「スペアの後の1投目が超苦手」の私は、何だかとても良い勝負だった。3ゲーム投げに投げまくって、最後は晩ご飯の買い物して終わり。
「今度はカラオケ行こうねぇ〜」
とすっかり充実した午後を過ごしてしまったのであった。

牛肉と茄子のしゃぶしゃぶ 赤玉ねぎと胡麻ドレッシング
豚バラ肉の角煮
御飯
冷茶

福岡 「銀のすぷーん」の
 しゅうくりぃむ屋さんのシューサクくん
アイスカフェオレ

帰りがかなり遅いと思われていただんなが、9時過ぎ頃に出張から戻ってこられるらしい。
「簡単に刺身でもつまんで……」
と思っていた夕食を急遽、ちょっと凝ったものにすることにした。明日あたり食べようと思って買ってきた牛肉がある。茄子やピーマンの類もある。そういえば田舎の親戚が栽培した赤玉ねぎも籠の中に残っている。それだけあると、「牛肉と茄子のしゃぶしゃぶ 赤玉ねぎと胡麻ドレッシング」が作れるなぁ、とやってみることにした。仕事で作ったホームページのレシピ群のうちのひとつだ。

茄子と牛肉をしゃぶしゃぶにして皿に盛り、上に赤玉ねぎとパプリカのサラダをこんもりと盛る。赤玉ねぎと胡麻の入ったうっすらとした酸味のドレッシングをかけ、オリーブ油を糸のように垂らしてできあがり。しかし、できあがったものの見た目はお手本と隨分違うものなのであった。
肉は安っぽそうだし(いや、実際やっすい肉だったから……)、上に添えるサラダも1片が巨大すぎる。トロリと美味しそうだったドレッシングは、どうもぽてぽてと固い感じで(多分油が少なかったものと思われる……)、玉ねぎは「すりおろして」と書いてあったところ、手抜きしてフードプロセッサーでやってしまったのでどうもザラリとした感じになってしまった。やはり手抜きはいかん。

最後に残った角煮数切れも食べてしまうことにし、あとは炊きたて御飯を準備。私と息子が8時に食事を済ませた後、9時半頃にやっとだんなが帰ってきた。大量のお土産も付属している。空港に売っていたというチョコレート味の餅菓子と、以前にも買ってきたことのある福岡のシュークリーム。インスタントの博多ラーメンセットや明太子。全部食べ物だというのも何とも彼らしい。
で、福岡でラーメンを食べまくってきたらしい。
「最初の日に"元祖長浜屋"に行って、その後"秀ちゃん"に行ってぇ〜」
「今日は帰る寸前に"一蘭"に寄って来ちゃった〜」
と、楽しそうな報告を聞く。

出張の成果を聞きつつ、土産の大きなシュークリームを皆で食べる。持ち歩きの時間がちょっと長くて皮がしっとりしていたけど、ふわんとした柔らかなカスタードクリームがなかなか良い感じ。

8/24 (金)
づけ丼 (夕御飯)
チョコデニッシュ
カスタードロール
アイスカフェオレ

朝食用にパン屋で菓子パン類を買ってくる時は、なるべく「甘いもの1個と甘くないもの1個」にしようとしている。だけれど、昨日入ったパン屋のチョコデニッシュは美味しそうで、ついでにカスタードクリームを巻いたパンもこれまた美味しそうで、ついつい甘いものダブルの朝御飯。だんなにはソーセージロールとチョコデニッシュ。息子にもチョコを練り混んだパン。

ここしばらくはそれほどの暑さではなかったけれど、昨日に続いて今日も暑くなりそうだ。今日は久しぶりの出勤。あぢ〜。

田町 がんぎ の
 560円弁当
おーいお茶

今日の私は寝不足だった。昨晩どうも眠れなくて、だんなが寝てからこっそり居間に戻り、漫画を読み始めて(←短いのにしときゃいいのに『MONSTER』とか読み始めるし)気が付くと午前3時半。それからうつらうつらと居間のソファベッドで寝始めたはいいけど何故か息子もやってきて、セミシングルほどの幅しかない細いベッドで親子ぎっちりとくっついて寝ていたのだった。暑いし眠いし、そんな状態で電車内ずっと本読んできたので吐き気はするし、絶好調とは言えない気分の出勤だった。

「あ、こりゃきっと昼休み外に出るなんてできないぞ……」
と、途中で弁当を買っていく。立ち食い蕎麦屋であるらしい店の店頭では、いつも昼間近になると560円の弁当が売られている。弁当には足立区かどこかの別の社名の入ったシールが貼られているので、別にこの蕎麦屋で作ってるというわけではないらしい。でも、なかなか安いうえに結構美味しかった。前回は「おまけですよぅ〜」と小さな野菜ジュースまでついてきたりして、しかも弁当の中にはうどんまで入っていたりして、なかなか楽しい弁当だったのだ。

昼休み。呆れるほど人気がない大学の研究室で、一人弁当。
蓋を開けてみて、びっくりだ。それは見事なまでの洋風弁当だった。白いご飯が入っていると思っていた発砲スチロールの四角いケースにはケチャップ味のチキンライスが詰まっており、おかずの容器には茄子のミートソースグラタン、濃度の強いマカロニ入りのシチューもどき、鮭の南蛮漬け、キッシュに似た卵焼きに刻みキャベツなどなどが詰まっていた。煮物だの魚の塩焼きだの、せいぜい鶏の唐揚げあたりが入っているだろうことを想像していたのでちょっと驚くやらちょっと嬉しいやら。半分閉じそうになっていた目も覚めた。

どこか安っぽい、学校給食で食べたような感じの、コーンやにんじんが入ったグラタンにも似たシチュー。揚げ茄子がくたくたになって入った、ひき肉入りのミートソースグラタン。酸味がちょっと尖っていたけど南蛮漬けも大きな鮭がごろりと香ばしく揚がっていた。またこの弁当屋(じゃなくて蕎麦屋だ、本当は)が好きになってしまったりして。

カキヤスダイニングの
 茄子漬け
 じゃがいもとコーンのサラダ
づけ丼
冷茶

眠くて眠くて、帰りに降りるべき駅を思い切り寝過ごしてしまった。「なんか折り返すのも勿体ない気分……」と、千葉そごうに立ち寄ってサラダをいくつか買って帰る。揚げ茄子の甘酢漬けと、薄切りじゃがいもが入るコーン入りサラダ。家には「大トロ」と本当か嘘かいまいち不明なシールが貼られたまぐろのぶつ切りパックが買い置きしてある。まぐろは"づけ"にして丼にして、サラダと一緒にさささと食べることにする。

ざくざくまぐろのパックに、おもむろに醤油と煮切った味醂をだばだばと注ぐ。10分ほど漬け込んでいるその間に、甘酢を作って御飯を混ぜ合わせて寿司飯に。御飯に炒り胡麻もたっぷり混ぜ込んで適当に冷まし、まぐろを盛って胡麻と海苔を飾ってできあがり。準備時間15分程度にしては上々の御飯になった。冷茶もたっぷりダバダ〜とグラスにつくって、息子と一緒にいただきます。だんなは今日もお仕事だ。だんなが帰ってきたら、シュークリームを皆で食べよう……。

8/25 (土)
高野フルーツパーラー(千葉)にて「黄金桃のパフェ」 (おやつ)
アンデルセンの
 クリームチーズデニッシュ
 くるみのパン
アイスカフェオレ

昨夜買ってきたパンにて朝御飯。アンデルセンの「クリームチーズデニッシュ」は私の大好物だ。長方形の、クロワッサンのようなサクサクの生地の上に太く一本、甘く練られたクリームチーズのクリームがたっぷりと絞られている。ほんのり酸っぱくてほんのり甘いチーズの味がとても好みだ。それに巨大な円形のをちぎったくるみのパンと、カフェオレ。平和だ。

数日前から私は、妙に担々麺が食べたくて仕方がなかった。担々麺と言えば、恵比寿にあるウェスティンホテルの中の中華料理店のがものすごく美味しい。
「恵比寿行こうよ、恵比寿恵比寿〜」
とだんなにねだるが、ここしばらくの多忙続きでお疲れなだんなに「……千葉あたりにしとかない?」とあえなく却下された。食材買ったりしなきゃいけない用事もあるし、では千葉に行くことにしよう。

千葉 東天紅にて
 オイスターソースのチャーハン
 胡麻風味の辛味汁麺
 焼き餃子
 翡翠餃子
 野菜の焼餅
 焼き鶏の焼餅
 マンゴープリン
 青島ビール

千葉の駅前には、「センシティタワー」なる建物がある。「千葉市」だから「センシティー」。笑ってしまうようなネーミングのビルだ。上には中華料理店チェーン東天紅が経営する和食や洋食、中華のレストランがある。ここなら担々麺があるかもね、と行ってみることにした。

23Fのその店は、さすがに眺めは良い。1時過ぎて客はあまりおらず、ちらほらと数組の中年女性や夫婦連れが遅い昼御飯を食べているところだった。
「ただいまフェアで、前菜をお出ししております〜」
と揚げ茄子の前菜がテーブルに出てき、更に
「お子さまには大きなサイズのドリンクをサービスしております〜」
と巨大なビアジョッキに入った烏龍茶が出された。キャンペーンだらけの東天紅。

「担々麺はありますか?」
と聞いたところ、残念ながらないとのこと。代わりに「胡麻風味の辛味汁麺」とかいう名前のものがそれに近いものなのだという。私はそれを、だんなはオイスターソース味のチャーハンを。あとは適当に息子も食べられるようにと餃子類や焼餅などの点心類を頼んでみた。嬉しいことにデザートにはマンゴープリンもメニューにある。当然これも注文。

オイスターソースでテラテラと光った、しかし見かけよりはさっぱりとしたチャーハンが最初にやってきた。「点心と飯や麺を頼んだときは、点心が普通、最初に来るんじゃないかなぁ……」と首をひねりながら、それでも空腹だったので目の前のチャーハンをがつがつと食べる。シャキッとした青梗菜が混ぜ込まれていて良い感じだ。
期待の担々麺もどきは、胡麻とラー油の味のスープにチャーシューや卵、椎茸、筍などが飾られたものだった。ひき肉は乗ってないけれど、確かにスープは担々麺と良く似ている。太めの縮れ麺がこってりした胡麻味のスープを絡ませて、確かに担々麺チックな味。担々麺のようで、しかし担々麺でない麺をすすっていると、微妙に欲求が満たされるけど微妙に欲求が不満してしまいそうだ。

麺と炒飯を皆で適当につつきながら食べていると、やっと点心類が並び始めた。焼き方がちょっとペショッとなってしまっている、サイズだけは巨大な焼き餃子には酢醤油とXO醤がついてくる。まんまるのお団子のような翡翠餃子。平べったい、北京ダックの皮のような生地が厚く焼かれた焼餅は、妙に素朴な味がした。

とりたてて不味くはないけれど、「美味しいぃぃ〜」と悶えるほど美味しくもなく、「ん、まぁ、こんなもんかもね……」と呟いて店を出た。
あああ、やっぱり美味しい担々麺が食べたい。熱烈に。

千葉 高野フルーツパーラーにて
 黄金桃のパフェ

食後デパート内をぷらぷらし、本屋や電気機器店に寄ったりしていたところ、すっかり疲れてしまった。もうすっかり夕方だ。
「身体が果糖を欲しがってる感じ。パフェ食べよう!パヘパヘパヘ!」
とパフェを連呼してだんなと息子を高野フルーツパーラーに引きずって行った。フルーツ屋さんのパフェはフルーツ盛りだくさんでとても美味しい。

メニューを眺め、今が季節の「黄金桃のパフェ」なるものを食べることにした。だんなはプリンアラモード。
オレンジのような気がしないでもないけど、多分桃が原料であろうシャーベットがグラスに入り、生クリームやヨーグルト風味のムースなどと共に"黄金桃"がこれでもかと盛りつけられている。ラズベリーやブルーベリーの飾りも添えられ、中央には白桃のアイスクリーム。パフェはその味と共に見かけも、なんとも疲れをいやしてくれる。

ちょっと甘さは少なめだけれど、桃独特の芳香がふわふわと漂うパフェはシアワセに美味しかった。
空腹は人をイライラさせるけど、糖分は人を幸福に誘ってくれる(でも同時にお腹の肉も大量に誘ってくれる……)。

「明日は"汁なしチャーシュー麺を作ろう!」と豚バラ肉を買い、「カレーもしよう!」とカレー用の豚肉も買った。麺も買った。今晩用の刺身も買った。いざ、帰還。

刺身盛り合わせ(はまち、ぶり、中トロ、甘海老)
しじみ汁
御飯
モルツ、冷茶

今日は平和な、ごくごくありふれた週末だった。家族で楽しく買い物、美味しいパフェ、夜はビールで刺身。幸福な状態のまま明日の日曜日を控えるだけであったのに、夜7時を前に我が家は大変な騒ぎとなってしまったのであった。
炊こうとした米の中に、虫がウヨウヨと蠢いている。
1匹や2匹じゃない。研ごうとした2合の米の中にだけでも、さらってみると10匹近い小さな白い虫が動いているのであった。いや〜ん。

こういう時、他の御家庭ではどうするのだろう。虫が湧いたらその米はむせび泣きつつポイしてしまうのだろうか。私たちは、それはどうしてもできなかった。
「キモチワルイ……気持ち悪すぎる……」
「いや、でも米を捨てるのはあまりにも勿体ないし、悔しい」
「大体、ウチの米喰おうなんていい度胸してんじゃないかよ〜、オラオラオラ」
虫相手に威嚇しても仕方ないのである。結局、泣きそうになりながら米櫃の米を全部ビニール袋に移し、そこから1合くらいずつ汲み上げてはザルで虫をふるい落としつつつまみ出し、別の袋に移す、という過酷な作業をし始める羽目になったのであった。

流し台に長さ8mmほどの虫がポタポタと落ちていっては蠢いていたりして、気分はかなり最悪だ。足がない芋虫だから、生理的にギリギリ耐えられる範囲だけれど、これが足がうじゃうじゃ生えていたり毛虫だったりした日には、その米と永遠の別れを告げなければならなかっただろう。ああ、しかし気持悪い。

で、結局8時前に食べるはずだった夕飯は8時半に延長を余儀なくされた。
デパートで買ってきた大きな甘海老やトロンと柔らかな中トロや、良い具合に脂の乗ったブリだのハマチだのはとてもとても美味しく、ついでに具だくさんのしじみ汁もなんとも美味しかったんだけど……でもちょっぴり悲しい土曜の夜だったのだった。

※その後調べたところ、湧いた虫は「コクゾウ虫」だとばっかり思っていたところ、「ノシメコクガ」(←蛾だ……ひぃ……)なるものだったことが判明。コクゾウ虫は、黒胡麻に似た小さな昆虫っぽい虫。ノシメコクガは、成長すると黒い羽のある細長い虫になる。なんでも菓子などにも湧いたりするそうな。……夏場のお米は冷蔵庫に入れて素早く食べよう。そう誓った今回の事件であった。

8/26 (日)
汁なしチャーシュー麺 (昼御飯)
カチョカヴァロのチーズトースト
くるみのパン
アイスカフェオレ
葡萄

昨夜から、我が家のコンロでは豚バラ肉が茶色く煮込まれているのである。私が朝食のパンを用意している傍ら、だんなは卵を茹で、チャーシューの鍋に放り込んだりなどしているのである。朝から妙に甘辛い香りの漂う、日曜の朝だった。

もう残り僅かとなったチーズ"カチョカヴァロ"をスライスして小さなサイズの胚芽入り食パンの上に乗せ、トーストに。ついでにくるみのパンもざくざくと切り、シーズン最初の紫色の大きな葡萄も食卓に出す。美しい食卓の光景なのに、しかしやっぱり甘辛い香りが漂っているのであった。今日のお昼は自家製チャーシューで「汁なしチャーシュー麺」。みんなの大好物なのだ。

汁なしチャーシュー麺
冷茶

汁なしチャーシュー麺は、確か本来、ケンタロウさんのレシピ本に載っていた料理だ。何だかとにかく美味しそうで、作ってみてそれにハマり、更に改良などを続けた結果、我が家の"まぁ旨いから喰ってみ"料理になりつつある。我が家版レシピはこちら。スープが多少入るけど、基本的にスープは全くどんぶりに残らない感じになる。この料理のためにわざわざ600gの豚バラ肉の塊肉を買い、昨晩から下ゆでして煮込み、朝にはわざわざゆで卵まで作り、そうまでして準備するだけ美味しいラーメンだ。
黒豚でチャーシューを作り、麺は永楽製麺所。調味料には香港で買ってきた豪華XO醤入り。いつも以上に豪華絢爛な汁なしチャーシュー麺となった。

麺はチャーシューの煮汁とオイスターソース、胡麻油などで和えられて甘辛くテラテラと光り、刻み葱と刻みチャーシューがたっぷり混ぜ込まれている。更に上から、あまり薄くない薄切りチャーシューと、茹でて殻を剥いてからチャーシューの煮汁に1時間ほど浸しておいた卵の半割を飾る。刻み葱を最後にかけて、できあがり。

今日はまた、すばらしく良い出来の汁なしチャーシュー麺となった。肉が良かったのかタレが良かったのか麺が良かったのか、とにかく全体の調和がすんばらしいラーメンだった。XO醤のピリ辛加減も良い感じで、半分ほど食べてから酢とラー油を軽くかけて風味を変えて食べるのもまた旨かった。"油そば"にも似ているけどちょっと違う汁なしチャーシュー麺は、今日も我が家で高い支持率を得たのであった。

カレーライス
モルツ、烏龍茶

昨日、肉屋のそばで「明日はカレーが食べたいぞ……」と買ってきた"庄内豚"なる種類のカレー用豚肉。それを使って今晩はポークカレー。

ごくごく普通の、カレールーを使ったもっさりしたカレーが食べたくて、今日は「こくまろ・中辛」を使用。
まずは玉ねぎ2個を櫛切りにし、サラダ油とバターでじっくり炒める。全体がくったくたに柔らかくなった頃に肉とにんじんを投入。これまたしっかり炒めてから、昨夜チャーシューを下茹でしたときにできた豚のスープと水を投入。ヒタヒタの状態で鍋に蓋をして1時間ほど煮込んでいく。

とろけた玉ねぎも美味しいけど、全てが溶け去ってしまっては悲しいので、途中で更に櫛切りにした玉ねぎを追加投入。一緒に乱切りにしたじゃがいもも放り込み、20分ほど火を通したらおもむろにルーを割り入れる。あとは食べるまで火を消して、休ませる。
どこかで読んだわけでもなく、特に根拠らしい根拠はないけど、私は大抵こんな感じにカレーを作る。

昼の汁なしチャーシュー麺に続き、夕飯のカレーもまた素敵な出来映えになった。煮汁を少なくして作ったのでどろりと濃厚にできあがり、肉もホロホロ、玉ねぎもホロホロのものと形の残るものが混在し、そして、豚スープを入れたのが良かったのか妙にコクがあった。
当初、
「ほうれん草のサラダ作って、スープとか作って〜」
と思っていたものの、途中から
「なんか、"ビール!そしてカレー!ひたすらカレー!"って感じにしたくなってきた……」
と路線変更。

早めに風呂に入り、風呂上がり早々にビールを1杯、そしてカレーを食べ始める。風呂上がりのビールも旨いけど、カレーもやっぱり旨かった。
「これは、危険だ!危険なカレーだ!」
「いかん!食べてしまう!これは止まらないぃぃぃぃ」
と、だんなも私もお代わりをし、息子もたっぷり1人前のカレーをぺろりと食べてしまった。
後には、3合炊いたはずなのにほとんど残らなかった炊飯器のお釜だけが……。