食欲魔人日記 06年8月 第2週
8月7日 月曜日
お子さま映画の後にはオムライス
「ミスタードーナツ」の
 D−ポップ
 ポン・デ・あずきホイップ
カフェオレ

8月末までのミスドのキャンペーンは「Happy!みんなの夏休み第2弾」だそうで、ライス型つきのカレー皿などやサラダ皿などを貰えるらしい。
「うぉっ、この皿可愛いよ」
ポン・デ・ライオンカレー、作りたい〜〜!」
最近ミスドで買い物してなかったねと昨日ちょっとお店を覗いたら全品100円セールのうえにそんなキャンペーンをやっていて、浮き足立つ私たち。朝御飯にとあれこれ買ってきたけれど、何しろ全品100円セールなものだからポイントカードは2枚しか貰えないのだった。……カード8枚集めるのって(カレー皿3枚欲しかったら24枚……)、けっこう無理かもしれない。

私の取り分は大好きなD−ポップとあずきホイップをサンドしたポン・デ・リング。数年前に存在していたメニュー「きなこボール」がそれはそれは大好きだった私は、同じ系統にモハモハした食感がするポン・デものが大好き。小豆とか抹茶とか、和風の味が似合うのよね。

海浜幕張 「ロムレット」にて
 きのこミートオムライス
 マンゴーティー

昨日も今日も外出していたけれど、今日もお出かけ。息子を映画に連れて行く約束をしている。でもまずは仕事をすることにしようと、午前中は必死にお仕事。目処がついたところで海浜幕張のシネコンにお出かけした。

「えーと……多分、次の回にぎりぎり間に合うと思うのね。ちょっと急ぐけど、それ見てからお昼御飯にするか、お昼食べてからその後の回を見るか……どっちがいい?」
バスに揺られながら息子に相談すると
「すぐ見る。行ってすぐ見る。急いで見る」
だそうで。それほど待ちきれないかと苦笑いしつつ、バス降りて急いで映画館に向かい、諸々の予告編が流れつつあった暗い劇場に飛び込んだのだった。公開してもう何週間も経つけれど、ポケモン映画はなかなかの混雑だった。

毎回良い役で出てくる山ちゃん(=山寺宏一)は今回も格好良い役で、更には悪役の声が藤岡弘だったりして、なかなか楽しかったポケモン映画。パンフレットも買って「すっかりお昼過ぎちゃったけど、どうしようか?」と、周囲をぷらぷらした。今日も嫌になっちゃうほどの猛暑で、あまり外を歩きたくはない気分。とりあえずカルフールでお買い物して帰るから……と、ビル内を歩き始めたら、息子がぴたりと足を止めて
「あ、オムライス」
と呟いた。目の前にはオムレツ専門店。黄色いふわふわとした外見のサンプルがショーケースにずらりと並んでいる。ミニサイズのオムライスがポテトやサラダと共に盛られたお子さまセットもある。

「……オムライス食べたいの?」
「ん〜……なんかねぇ、美味しそうだなぁと思った」
「いいよ?オムライスにする?」
「する!」
と、息子の意向でそのオムレツ屋さんに。私は、ランチタイムにはサービスでサラダがついてくるという、きのこ入りミートソースがけのオムライスにした。息子のセットにオレンジジュースがついてきていたので、私はマンゴーティー(マンゴージュースのアイスティー割り、みたいな)を。

しめじ入りのミートソースがどっさりかかったオムライスはなかなかのボリューム。息子の皿のそれは大人サイズの6割くらいのサイズだったけれど、その分ポテトやサラダや海老フライがついてきてなんだか豪華。
マナフィ強かったねぇ、サトシ格好良かったねぇ、ロケット団は相変わらずアレだったねぇ……なんて話をしながら、オムライスもぐもぐ。中のチキンライスがかなり薄味で、せっせとミートソースを添えつつ食べた。

茹で枝豆
サーモンのお刺身
夏野菜とベーコン炒め
冷や汁
麦茶

それにしても暑くて暑くて、なのに近所で売ってないビールをカルフールで見つけちゃったものだからそれを何缶も買い込んで、ヒイヒイと帰宅。安売りしていたラム肉も買い、あとは美味しそうなサーモンのお刺身を。映画の後に昼御飯は午後2時を過ぎていたので、夕飯は軽くにすることにした。

冷や汁の準備して、サーモン切って枝豆茹でて、あとはいんげんやかぼちゃ、きのこなどをベーコンと一緒に炒めて塩胡椒で味をつけ、ほんの1ふりカレー粉をふって風味づけした炒めものを1品。ビールが飲みたいなぁ……と少しだけ思ったけれど、最近少々飲み続けだったので今日は休肝日ということに。

冷や汁、「つめたい味噌汁はあんまり好きじゃない……かな……」と息子は以前言っていたのだけれど、何度か口にしていたらけっこう好きになってきたらしい。
「つめたいお豆腐、美味しいよね?」
と言いながら御飯も汁もお代わりしていた。でも息子の分は茗荷もしそも抜きで。

8月8日 火曜日
今日は自家製ピッツァ
じゃことなめこのおろし和え
水菜と豆腐のサラダ
わかめの味噌汁
羽釜御飯
麦茶

本日息子、大寝坊。昨日家族皆で夜更かししてしまい、しょうがないので寝かせておいてやるかと放置していたら、9時になっても10時になっても起きてこない。飯でも炊いて待っているかと羽釜をコンロにセットしたところでやっと起きてきた。今日1回目の食事はブランチではなく、もはや昼御飯だ。

あっさりすっきりした和風の昼御飯にしようということで、炊きたて御飯とわかめの味噌汁。手で軽く崩した豆腐を散らして胡麻ドレッシングをかけた水菜(と玉ねぎと茹でいんげんとパプリカ)のサラダと、あと1品欲しいなということでじゃことなめこのおろし和え。
「お母さん……大根おろしって、からいよ?」
「大根おろし、旨いよ?ちょびっとかけて食べてみなよー」
などと話しつつ、私は大根おろしを大盛にしてなめことじゃこをざざっと和えて御飯に乗せていただいた。

自家製ピザ
 (マルゲリータ・4種のチーズ・息子スペシャル・マルゲリータ・鶏照り焼き)
ビール(キリン樽生ブラウマイスター)

そういえば以前買ったモッツァレラチーズが冷蔵庫に入りっぱなしで、それをずっと「食べてしまわなきゃ」と思っていた私。モッツァレラチーズならやっぱりピザだよなぁ、いつ焼こうかなぁ、どうせだったらだんなが一緒に食べられる日じゃないとなぁ、とタイミングをうかがい続けて、やっと今日決行。夕方は息子の習い事で外出していたのだけれど、いっそいで帰ってきた後に生地作りを始めた。強力粉とドライイーストと塩と水とオリーブ油をこねこね。最後の成形をしているところでだんなも帰ってきて、皆でわしわしと焼きたてピザを堪能した。

ピザ生地作りは数年前からやってはいたけれど、ここ数ヶ月前からパンも焼くようになったので、以前より粉の扱いが楽になってきたような気がする。夏場のイーストもの料理は、冬場と違って温かい場所を探したりしなくて良いのでとてもらくちん。我が家で一番蒸し暑い場所……ということで、お風呂場にピザ生地を置いておいて、発酵を待つ間にトマトソース作りと具の準備。ソースはトマトの水煮缶にオリーブ油と塩とバジルとローリエを加えて水分を飛ばすように十数分煮込んで作る。あとは野菜類とゆで卵や燻製鴨肉、ついでに鶏もも肉を照り焼きにしておいた。

500gの強力粉で、1人前のサイズのピザ生地が4枚できるということになっているけれど、今日は4等分すべきその生地を6等分にして小ぶりのピザ生地を6枚用意することにした。その分色々な味が楽しめて、結局5枚のピザを3枚で完食。最初は定番中の定番のマルゲリータにした。

1枚目:マルゲリータ(トマトソース・モッツァレラ・バジル)
2枚目:4種のチーズ(モッツァレラ・タレッジオ・ゴルゴンゾーラ・パルミジャーノ)
3枚目:息子スペシャル(燻製鴨肉・ゆで卵・タレッジオ・ピザ用チーズ)
4枚目:カプリチョーザ(トマトソース・トマト・エリンギ・玉ねぎ・ピーマン・パプリカ・ゆで卵・モッツァレラ)
5枚目:テリヤキチキン(テリヤキチキン・ゆで卵・玉ねぎ・ルッコラ・ピザ用チーズ)

ぼくも、ぼくも盛りつけてぼくのピザを作る〜!……と息子も燃えていたので、1枚は息子の好みのトッピングをお願いしてみた。
「お肉お肉♪たまごたまご♪」と嬉しそうに好みの具を盛りつけてオーブンに入れた息子のピザは、チーズたっぷりのいかにも息子好みなもの。……コーンとかも用意すれば良かったかしら。

スキレットで焼いてみたり魚焼き用のグリルを使ってみたりとかつて色々試行錯誤していたけれど、デロンギのピザストーンが目下最強。オーブンを最高温度(うちのは250度が限界……)に設定して、焼き網を最上段に置き、その上にピザストーンをセット。ピザストーンがちゃんとアツアツになるまで余熱した後にピザ生地を置けば、良い具合に裏側もパリッとなるピザが焼けてくれちゃうのだった。ちなみに、ピザストーンに生地をスルッと滑り落とすのにはペナペナのまな板(こんなの)に小麦粉をはたいて使っている。

そうして作ったピザはやっぱり美味しくて、6等分に切り分けたピザを皆して食べる食べる食べる。結局5枚30切れのピザは11切れがだんな、10切れが私、9切れが息子の腹に吸い込まれたのだった。

8月9日 水曜日
北京ダック、丸ごと1羽♪(しかも2羽)
バタートースト
アイスカフェオレ

「夕飯はピザ!」などがさすがに少々胃にもたれるお年頃。朝御飯は軽くがいいなと思いつつ
「冷や汁できるよー。あと、食パンもあるし、パンケーキも焼ける。……何が食べたい?」
とだんなと息子に話しかける。俺、なんでもいいー息子に聞いてー……というだんなと、ならばと目をキラキラさせて
「じゃあね、チーズトースト!」
と叫ぶ息子。……チーズはちょっとやめませんか……?

ともあれ、トーストが良いという結論になったのでこんがりとバタートースト。バター少なめ。他にあまり食べたい気分にもならなくて、トーストとカフェオレだけの簡単な朝御飯にした。今日の夜はまた宴会があるしね。

冷や汁
焼き茄子 おかかまぶし
麦茶
葡萄

今日の夜は友人たちと六本木で北京ダック。ちょっと早めに出てポケモンサマートライアルに寄ってみる?と、朝のうちに息子に話しかけたら大変なことになった。ひととおり仕事を終えてから夕方に出るつもりだったのに、

「もう10時だよ?まだ行かないのかな?」
「あと15分で11時になっちゃうよ?ぼくねぇ、時計もけっこうわかるようになっちゃったんだよ?」
「あと5分で45分だからー、あと20分で12時になるということなんだよ?」

仕事をしている私の背後でうるさいうるさい。そんなに早く出発してもやることなくなってバテるだけだよと言うのだけれど、お出かけしたくてたまらない息子にそんなアドバイスは効果なしなのだった。

で、昼御飯にさらさらっと冷や汁を食べるだけにして、午後早々に出発することに。いつも通り、刻みきゅうりと豆腐をどっさり入れた冷や汁の準備をして、それを冷やしている間に茄子を網で炙った。丸ごとの茄子を2本焼いて、表面に焦げ目もできて全体的にクタクタになったところでおかかと醤油をまぶして食べる。あとは冷たい麦茶と冷たい葡萄。飲むように冷や汁を平らげた息子が、もう座ってもいられないという風に
「じゃあ!行こうか!」
と自分のバッグを振り回している中、急いで準備してお出かけ。台風が千葉すれすれを通過した今朝だったけれど、もう雨も止みはじめていた。

六本木 「中国茶房8」にて
 北京ダック 2×\3680
 東北水餃子(ほうれん草・ニラ・筍・白菜・葱・帆立) 各\105
 醤猪手(豚足の醤油味) \210
 大汁鶏翼(手羽先しょうゆ風味) \210
 自家香腸(自家製腸詰め) \210
 酢辣白菜(白菜の甘酢漬け) \210
 春巻 \400
 蒜茸空心菜(空心菜のにんにく炒め) \995
 炒飯
 生中 5×\580
 白ワイン(ボトル) 2×\2605
などなど、総勢7人で

六本木 「COLD STONE CREAMERY」にて
 

で、午後は有楽町の国際フォーラムで開催中のポケモンイベントに。山手線のいくつかの駅に端末があり、Suicaにポケモンを記録することができるらしい。で、ポケモンを記録したSuica持って国際フォーラムに行くと、つかまえたポケモンをシールにしてくれたうえに秋に出る新しいポケモンゲームの体験版もプレイできる、と。

ポケモンほどメディアミックスが上手くいっているものもそうそうないもので、「ピカチュウ、かわいいね」から入った息子はゲームにアニメに映画にカードゲームにと思うまま戦略に踊らされている。今の季節、JRでポケモンスタンプラリーも開催ということで、都心には専用スタンプ帳を持った子供たちとそのお父さんお母さんが溢れていて、視界のどこかには常にピカチュウの黄色い色が見えているような感じだ。

で、秋葉原駅に一度寄ってポケモンをSuicaにゲットしつつ、東京駅からてくてく歩いて国際フォーラムへ。昼頃まで大雨だったこともあってか、今日はまだまだ体験ブースはガラガラで待ち時間は全くなかった。「8月12日13日は混雑が予想されます」とパンフレットに明記してあり、また並ぶための空間がそれなりに取ってあることから今週末はけっこうすごいことになりそう。首尾良く体験版に触り、その新ゲームのピカピカシールも貰い、折良く夕方になってきたので今日の宴会場の六本木ヒルズ方面に向かった。お店を軽く見て歩き、一度お茶飲んで休憩して、皆で待ち合わせてヒルズに隣接したお店にわいわいと。

お店は、以前同じ系列の恵比寿店に行ってたらふく北京ダックを食べてきた、中国茶房8というお店。あの時は家族で北京ダック1羽食べて、それでお腹いっぱいになってしまって他の料理はほとんど食べられなかったけれど、今度は大人が5人。北京ダック1羽取って、他の料理をあれこれつつこう!……という趣向だったのだけれど、結局北京ダックは2羽消え失せることになったのだった。……あれ?

1羽買いの北京ダックは、できあがったところで料理人さんが「焼けましたよー」という風に丸ごとのものを見せにきてくれ、そしてテーブルのすぐ脇でざくざくとカットしてくれるのだ。適度に肉のついたツヤツヤの皮と12枚のクレープ状の生地、刻み葱と刻みきゅうりと、揚げたワンタンの皮、そして添えるソースは3種類。更にはそのダックの肉と野菜(もやしやピーマンなどなど)のピリ辛炒めと、ダックの骨から取ったスープもやってくる。それで1羽3680円。

今日は大勢いるから色々食べられるねぇと、各自気になるものを注文して、北京ダックがやってくる前にそれらの料理がずら〜りと並べられた。ほのかにカレー粉の味がする春巻や冷たくひやされた醤油味の豚足の煮物、五香粉が大量にまぶされたかなり辛めの手羽先の揚げ物、箸休めに辣白菜などなど。もちもちと食べ応えがあるのに3個でたったの105円の水餃子も、2種類取ってあっという間に消えたので追加で更に4種類。そうこうしているうちに北京ダックがやってきた。ざくざく切られた山盛りの肉(皮)に野菜や包み生地。四方八方から手が伸びて
「肉より、こっちのクレープの皮の方が少ないよね」
「足りなかったら皮だけ追加で買えるんじゃない?」
などと言いつつ、せっせと包んではせっせと食べていく。

皮を買いたそう!とメニューを開いたら、「1枚105円」とのこと。
「……高い……」
「皮、10枚買い足して1000円だったら、いっそ北京ダックもう1羽取った方が良いよねぇ」
「だよねぇ」
「ま、皮抜きで残った肉は肉だけで食べよう」
と、そっとメニューを閉じて、あれよあれよと「北京ダックもう1羽」という話がまとまった。

単品メニューは化学調味料味がやたらと強かったりでちょっといまいちな味のものもあったけれど、でもやっぱり北京ダックは絶品。甘めの甘酢だれを添えて食べる肉だけというのも旨いし、スタンダードに野菜と一緒に巻いて海鮮醤を添えて食べるのも最高。一同すっかり腹一杯になって店を後にした。

食後は、
「食後に食べたいと思っていたんだぁ〜」
との友人の宣言により、コールド・ストーン・クリーマリーへ。-9℃の石板の上でアイスクリームと各種の具を混ぜ合わせて作ってくれるお店で、私も一度食べてみたいと思っていた。まだ国内には5店舗ほどしかないようで、午後8時半過ぎという時間帯で店頭は大行列。30分ほど並んでようやくアイスにありつけた。

あれほど夕飯を平らげた(しかもけっこう飲んだ)にも関わらず、やっぱりラージサイズかなぁとか、チョコ良いよねチョコ、などとこれまたわいわいと相談しあって、全員別の種類のアイスを1人1つ。私が選んだのは「フレンチバニラアイスクリーム・グラハムクラッカーパイクラスト・ココナッツ・ホイップクリーム」を混ぜ合わせた、その名も「ココナッツクリームパイ」というオリジナルメニュー。ワッフル生地のカップ型のコーンに盛りつけてもらい、ホイップクリームがねっとりと舌にまとわりつく濃厚なアイスクリームを堪能してきた。しっかりと甘く、しっかりと濃厚で良い感じ〜。加える材料に「キットカット」とか「m&m」なんて文字もあって、今度は組み合わせが既に決まったオリジナルメニューではなくて、アイス生地から選択して好みのものを入れてもらう方を試してみようと思う。

で……そんな感じで、今日はお腹いっぱいいっぱい……。

8月10日 木曜日
ラムチョップを塩焼きで
「L'ATELIER de Joel Robuchon」の
 ブリオッシュ エキゾチック
 ブリオッシュ クレーム
 フォカッチャ トマト
アイスカフェオレ

せっかく六本木ヒルズまで来たのだから何かお土産を買おう……と、昨日、「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」で朝ごパンを買ってきた。歩き疲れた息子には店の外のベンチに座って待っていてもらい、
「どんなパンがいいの?チーズ乗ってるようなやつ?それともクリーム乗ってるようなやつ?」
と聞けば「クリーム!」と。で、適当に見繕っていろいろ買ってきた。いろいろ買ったらあっという間に1500円になってしまって、びっくり。フォカッチャが230円、パウンドケーキのようなこんもり山形のブリオッシュが525円、さすがロブション、お値段にも気合いが入っていたのだった。

朝御飯は、買ってきた3種類のパンを適当にざくざく切って大鉢に盛って「好きなもの食べて〜」と食卓に。カスタードクリームがちょこちょこと乗った小ぶりのブリオッシュと、ドライトマトとローズマリーがトッピングされたフォカッチャ、そしてこんもり山形エキゾチックブリオッシュ。なんでもマンゴーとパッションフルーツの味なのだとか。

さすが、という感じに素材の質の良さが感じられるパンの数々で、特にエキゾチックブリオッシュが確かに美味しかった。パッションフルーツの爽やかな甘さと酸味も感じられて、マンゴーの甘い香りもぷんぷん漂ってくる。柔らかなふわふわとしたブリオッシュ生地はバターたっぷりという感じで、薄くスライスしたそれを1枚ずつ平らげた。

美味しいけど、すごく美味しかったけれど、でも値段相応か、また頻繁に買いたいかと言ったら悩んでしまう。その気合いの入りっぷりが我が家の日常にはあまりそぐわなくて、食べる度に緊張してしまいそう。

ざるそば
蒸しかぼちゃと蒸しおくら 葱油とポン酢添え
麦茶

今日、私は仕事するからね、君もお勉強してついでに宿題の観察日記もやって、ピアノの練習もしておくと良いよ、と息子と話し、今日は家で一日静かに過ごしていた。

去年は朝顔を育てていた息子、今年の課題はプチトマトらしい。日当たりもそこそこ良い場所で水やりもしっかりしているようだけれど、残念ながらまだ花も咲かなくて、どうしたものかと。「でっかくでっかくなりました。でも花はまだです。」と、息子は緑色一色の観察日記をつけていた。その後ピアノもちゃんと1人で練習していたのだけれど、1曲弾くたびに
「どう!?お母さん、どう!?ぼくってパーフェクト?」
とか言いながらピアノの部屋からどたばたやってくるので、これまたどうしたものやらと。やっぱり夏休み中ってなかなか仕事に集中できないものなのね……。

昼御飯は、冷っったい、ざるそば。つけ汁に氷を入れてキーンとするほど冷たくし、麺もこれでもかと氷水にさらした。
本当は野菜の天ぷらを添えたい気分だったのだけれど、揚げ物をするのもめんどくさいなと蒸籠で蒸したかぼちゃとおくらを用意。刻み葱に胡麻油と塩を加えたものと、ポン酢を添えて、今日もあっついねー言いながらひと休み。おくらは息子にいまいち不評だった。あの独特の粘りがダメらしい。

枝つき干し葡萄
ルッコラのサラダ
アクアコッタ
ラムチョップの塩焼き ローズマリー風味
「L'ATELIER de Joel Robuchon」の
 リュスティック マイス
 プチバゲット
ビール(キリン樽生 ブラウマイスター)

先日、カルフールで軒並み安かったラムチョップを買ってきた。近場のスーパーでは3本で800円くらいしたりするラムチョップが、たったの230円ほど。1人3本かな、4本かな〜……と考え、結局9本ほどになるようにいくつかのパックを組み合わせて買った。月曜に買ったものだったので氷温室に突っ込んでおいてある。夕方早めに取り出して室温に戻してから焼くことにした。

やはりラムチョップと言えば香草パン粉焼きにするべき?と思いつつ、今日はシンプルに塩焼きに。多分この本に載っていたと思われる、スキレットで蒸し焼きにする方法を試してみた。塩胡椒したラムをまずは強火にかけたスキレットで焼きつけ、薄皮つきのにんにくとハーブ類を上にかぶせてから蓋をして中火で5分、火を止めて10分。しっとりと柔らかく焼き上がるらしい。本当はタイムとローズマリーを散らすレシピだったと思うけれど、タイムがないのでローズマリーだけで。

先日のピザのために刻んでいた野菜が半端に残っていたので、それはサラダやアクアコッタに使うことにした。「アクアコッタ」は、「アクア=水」「コッタ=煮る」という意味の、「パン入りのトマトスープ」といった感じの料理。卵を割り落とすことも多いと思う。スープは豆入りだったり、ラタトゥイユをスープにしたようなものだったり、これもまた色々アレンジがあるらしい。今日は玉ねぎとエリンギとピーマンとパプリカとトマトを使って、濃いめの味の水分少なめのスープにして、スープカップによそって卵割り落としてチーズひとかけ乗せてからオーブンで7分ほど焼いてみた。サラダはルッコラとピーマンとパプリカを。あとはロブションの、とうもろこし入りのフランスパンと、長さ10cmほどの可愛い「プチバゲット」も1人1本。割と美しい感じに洋風の食卓になったのだけれど、一応にと御飯も炊いておいたら息子とだんなが米もわしわし食べていた。

夏野菜を料理しようと思うと、ついラタトュイユのような「トマト味の煮物」にしてしまう。茄子もズッキーニもパプリカもトマトと相性が良いし、そのへんの野菜は煮ると柔らかくなっていくらでも食べられる感じがするしで、ついそっちの方向になっちゃうのだった。そろそろガンボスープとかあっちの方向のものも作ろうかしら。

8月11日 金曜日
厚切りトンカツ♪厚切り♪厚切り♪ブラボー厚切り♪
バタートースト
アイスカフェオレ

だんなは今日、お仕事お休み。
特に予定もなく家でだらだらしていようかとも話していたのだけれど、

「プールでも行こうか?」
「プール!プール行くよ、ぼくプール行く!」
「そうだねぇ、みんなで泳ごうかねぇ……」
「プール!行きます!みんなでプール!」
「行くとしてどこのプールがいいかねぇ?」
「流れるプール!いっぱい流れるプール!!!」
「息子さん、ちょっと黙っててください……」

……と、「プールに行こうか」という話が少し出ただけで、息子大はりきり。結局皆でプールに行くことになった。夕方には音楽教室もあるし、行くなら午前中かな、と。

朝御飯は、皆さん半分寝ぼけながらトーストとカフェオレ。今日も暑くて卵料理という感じにもならず、ジャムなども塗らずにトーストさくさく。

「天狗」にて
 鶏の唐揚げ ミニうどんセット \819
 生ビール \441

で、電車とバスを乗り継いで、流れるプールのある温水プールに行ってきた。この週末はお盆だし、そうそう混雑していないのでは……というのは甘すぎた予想だったようで、絵に描いたような「芋を洗うような」光景が流れるプールで展開されていた。大人の体格じゃまず泳げない(隙間がない)。子供たちはようようなんとか人の合間を縫うように数メートル浮かぶ事はできるかなーという感じだ。途中交代しながら私とだんなは25mプールに移動して軽く泳いだりもしつつ(←さすがに大人用プールの混雑はさほどじゃなかった)、2時間せっせと水遊び。2時間でへろんへろんに疲れて、バスに揺られて帰ってきた。

「昼御飯……もうダメ、腹ぺこ……」
「ビール飲めるところが良くないっすか、生ビール」
「だよねぇ……生ビール〜〜〜〜」
生ビール生ビール言いながら向かったのは、結局地元の駅前にある居酒屋チェーン「天狗」。ランチ定食はそこそこのお手軽価格だし、何より生ビールが飲めるしで、「定食定食」「ビールビール」「冷たいうどんとかもあるしね」といそいそと足を向けた。

私は唐揚げの甘酢あんかけの定食。味噌汁の代わりにミニうどんがついてくる。息子は冷やしうどんとミニ丼のセット、だんなは「旬彩御膳」なる、天ぷらや刺身、唐揚げや温泉卵などのセット。冷たいうどんはミニ丼とのセットメニューしかなくて、
「ミニ丼、いらないんだけどね」
「ま、あったらあったで私とだんなが食べちゃうからよろしんじゃないでしょうか」
なんて言いつつねぎとろ丼のセットで注文したのだけれど、息子が今日も食べた食べた食べた。びっくりするくらい食べた。

私とだんなの料理のトレイが先に来てしまって、息子の前だけ寂しい状態になってしまったので、
「お腹ぺこぺこでしょ?私のうどん食べてていいよ」
後で君のうどんちょっと分けてね……と私のうどんを渡したら、速攻ぺろりと平らげられてしまった。その後やってきた息子用のトレイを前にして
「わ!まぐろのご飯までついてきてる!うれしいなぁ〜」
と、ミニ丼も抱え込む。うどんももちろん食べていく。結局、うどん2啜り、ミニ丼1口くらいを息子からお味見程度にわけてもらっただけで、大人1人分のそのセットを息子は綺麗に平らげちゃったのだった。

すごいね息子、良く食べるねぇ……と言ってる私の目の前でだんなは御飯と味噌汁をお代わりしていて、なんだか対比として私がすごく少食に見えなくもなかったお昼御飯。揚げたての鶏唐揚げが5個も6個もごろごろお皿の上に乗っていて幸せでございました……。

千葉 「みくに」にて
 特撰ロース厚切りカツ定食 \1480
 生ビール

プール行ってビール飲んで、そしてだる〜い気分の夕方。息子の音楽教室を終え、だんなと合流し、更に友人親子とも合流し、一緒に夕御飯を食べることにした。この界隈で、どこか美味しいところー……行ったことのないところがいいなー……と、友人に教えてもらって向かったのは、千葉ポートスクエアにほど近い場所にある「みくに」というお店。

古めかしい佇まいの、良い感じのこぢんまりとしたとんかつ屋さんだった。
とんかつメニューの他は、サラダなどの一品料理が10種類くらいと、カツカレー、ポークソテー、生姜焼き、そしてビフテキとビーフカツレツ、といった感じ。御飯と味噌汁、漬物、小鉢がついた定食はだいたい1400円くらい。テーブル席が8席の他はカウンターだけの、本当に小さなお店だった。今時珍しく感じるほどの、白くパリッとしたコックコートとコック帽姿のおやじさんがカウンターの向こうでせっせと仕事をしている。

「……うう、"厚切り"だって、"厚切り"……これにしようかなぁ……」
「うん、俺はそれの味噌ソースがけのにするよ」
「夫婦で厚切りですか……」
ごにょごにょと相談して、私は「特撰ロース厚切りカツ」、だんなは「味噌特撰ロース厚切りカツ」。メニューにはハンバーグもメンチカツ(「ミンチカツ」、とメニューにはあった)も載っていたのだけれど、残念ながら今日はもう売り切れということで、息子は普通のロースカツ定食を。

わいわいと、食べ物の話やロボットアニメの話、ゲームの話などしつつ、皆で豚肉料理をもりもりと。厚切りのカツは本当に厚切りで、うっとりするほどだった。全体的に脂は少なめのあっさりした口当たりのお肉だったけれど、端の方の脂身がうっとりするほどトロンと甘い。あっさりながらパサパサということはなく、しっとりジューシーな良い感じのとんかつだった。小鉢は唐辛子入りのちょっとピリ辛な切り干し大根や油揚げの煮物。自家製らしき蕪ときゅうりと野沢菜(?)の漬物と、味噌汁は豚汁〜♪♪♪チェーン店ではないとんかつ屋さんというのはそういえば久しぶりで、こういうお店が我が家の近くにあったら幸せなのになぁ……と思いながら帰宅した。

そして息子はロースカツ定食を、千切りキャベツに至るまで綺麗に完食。料理が来るまでうるさいほどに楽しそうにおしゃべりしまくっていた息子が、とんかつ来た途端にピタッと静かになったのが面白かった。今度はこのお店で、豪華にビフカツあたりに挑戦してみたいかも。

8月12日 土曜日
見事な「すたみな」感でした……
卵御飯
きゅうりと茹でアスパラ with マヨネーズ
ミニマンゴー
麦茶

今日は東京湾大華火祭。とても規模が大きな花火大会で、毎年見に行くのを楽しみにしている。明日も都内に用事があるということで、都内に宿を取ってのんびり花火見物を楽しもうということに。よりにもよって夕方に雨が降るらしいという天気予報が出ているけれど、夕立が降っても決行するのはだいたいいつものことで、強風での中止以外はあまり考えなくても良いだろうなと思いつつ準備をする。

朝御飯は簡単に卵御飯と麦茶。昨日も外食でいかにも野菜不足だという感があって、せめてもと茹でアスパラとスティックきゅうりを食卓に出してみた。あとは沖縄産のミニマンゴー。

品川 「品達どんぶり五人衆」内「すた丼屋」にて
 すた丼 \600
 生ビール \500

昨夜、日付が変わった頃からえんえん1時間くらい「今日の昼御飯に何を食べるか」について語っていた私とだんな。深夜になんとも油っこい会話。

「東京駅に出るでしょ、だから丸ビルのクアアイナ……いや、ハンバーガーって感じじゃないよね」
「旨いスパゲティとか食べたい気分ではあるんだけど」
「いや、どっちかというと和風の定食みたいな。魚がメインの」
「それじゃこないだ行った三州屋になっちゃうじゃん」
「いっそ鰻?」
「いや、ひょうたん屋は多分お盆休み」

ああでもないこうでもない、と、2人で必死に案を出し合うものの「これだ!」という"食べたいもの"が見つからず。最後の最後で
「すた丼を食べに行くというのはどうだろうか」
という方向に決まった。

なんでも品川、JR線路のガード下に品達なるフードパークがあるらしい。ラーメン屋が7店舗、どんぶり屋が5店舗軒を連ね、だんなが気になって仕方がなかったらしいお店が「伝説のすた丼屋」というお店。「すた丼」とはすなわち「すたみな丼」であり、にんにく生姜風味の豚丼、という感じのものらしい。生卵が1個、上にぱかりと割り落とした写真は確かにいかにも美味しそう。そういうわけで、曇り空ながらしっかり蒸し暑い空気の中、
「すた丼♪すた丼♪」
「すたみな丼♪」
と、荷物抱えて品川に立ち寄ったのだった。「品達」なるそのエリア、ラーメン屋はたいそうな行列ができているお店が多かったけれど、目指す店の行列は数組。数分待って食券買って、すぐに大テーブルの並び席に案内された。

私はスタンダードな「すた丼」、だんなは「肉飯増しすた丼」(プラス250円)、息子はチャーハンの方が良いなということで、「チャーハン」(600円)。店は全体的に炒めた豚肉の香ばしい匂いが充満していて、クーラーはすごい勢いで動いているのにじわりと汗が染み出てくる。で、トレイに乗せられた「すた丼」がどどんと目の前にやってきた。通常サイズの丼のはずなのに、かなりなボリュームの飯、その上に肉、脇に添えられたのはたくわん2切れ、そして別小皿に割り落とされた卵が1個。「肉飯増し」版のだんなのトレイは、丼もひとまわり大きいサイズで飯も肉も大変なことになっていた。

「……けっこう多いな……」
「……すっごい多いよ……」
見れば息子のチャーハンもかなりな分量で、3人してヒーヒー言いながら昼御飯を食べ始めた。ほとんどの丼メニューにミニサイズが存在している事に改めて納得しつつも、せっせと肉を喰い、飯を喰う。スタミナ補給。

やっぱり外見どおりに「にんにく生姜風味の豚丼」といった類の「すた丼」、しかしその丼は

複数の合わせ醤油に厳選されたニンニクを溶かし3日ねかせて熟成させる。達人本人の手でしか作られないこの秘伝タレと相性抜群の豚バラ肉を強力な火力により一瞬で通して仕上げる。他に類を見ない味とボリュームで“伝説”を名乗る一杯。

という、なかなか大変なものだったらしい。こってり濃厚な、その脂の乗りっぷりも味の濃さも濃いめのたれは御飯の下にも敷かれていたようで、上から下までスタミナ色に溢れた丼だった。崩した卵の黄身と甘じょっぱいにんにく味のタレが染みた御飯は、言ってしまえば「下卑た味」なのだけれど、それがたまらなく好みな感じ。旨いね旨いね、でも多いね……とヒーヒー言いながら平らげた。息子はさすがに平らげられなくて、お弁当用のプラスチック製どんぶりに残りを詰めてもらってお持ち帰り。

ホテルの部屋にて
 「福臨門魚翅海鮮酒家」のチャーシュー、焼き鴨など
 パーティ用チーズセット
 サラダ、チーズクラッカー
 おにぎり
 ビール(風の谷のビール)
などなど、小さな宴会

わーいわーい花火だよ……と、昼食後は東京駅に移動して丸ビルでビールと肴のお買い物。
「お持ち歩きのお時間はどのくらいでしょうか?」
福臨門のチャーシューなどのパックを買って、「えっと……今日食べますが、花火会場に持っていくので……」と答えたところ、
「あら?あらあら?確か今日、花火大会は中止になったんですよ」
と、お店のおばちゃん。ええええええ〜〜〜???

なんでも、花火大会前後に雷の予報が出ていたため、中止が決定されたのだとか。
多少の雨でも決行するし、これまでの中止は「強風」が主な理由だったので「これなら大丈夫!」とばっかり思っていた。雷も中止原因になるのね……と、チャーシューの袋を手にしてがっかりがっかり。

ホテルを当日キャンセルというのも何だし、今日はもうホテルでのんびり飲んだくれますかねと、気持ちを切り替えて他のおつまみも色々買い込み、瓶ビールも買い込み、ホテルに向かうことにした。地上に出ると、まだ3時になっていないのに日が暮れたように真っ暗。建物の中から空模様を眺めているうちに、文字通りに「バケツをひっくり返したような」雨が降ってきた。同時に稲光はビカビカ、音の方も「ゴロゴロ」なんて生やさしいものじゃなくて「バリバリ」とか「バシャーン」とか、大変なことになっている。これはもう絶対近くに落ちたなというすごい音がした後に、「山手線は運転を見合わせております」の放送が流れ始めた。……あいやー……こりゃ確かにダメかもー……。

で、ホテルに早々にチェックインして、皆して部屋でごろごろ。夕方には雨も止んで、午後6時頃には青空まで見え始めたけれど、やっぱり花火大会延期に変わりはないようで、ホテルのまわりを皆でお散歩してからお部屋で小さな宴会をした。福臨門のチャーシューをはじめ、チーズクラッカーとかチーズの盛り合わせとか、ミニうどんとか、おにぎりとか。丸ビル内の明治屋で売られていた風の谷のビールなる地ビールを3種類買ってきたので、それを味見しいしいいろいろつまんだ。くだらないテレビ番組を見て皆で大笑いしたり、飲み足りない〜!と近所のコンビニに走ってチューハイ買ってきてしまったり、そういう夜も案外悪くないねぇと、なんだかんだで皆御機嫌。

8月13日 日曜日
うどん。トッピングは半熟卵天♪
ホテルの朝食ブッフェ
 温泉卵・冷や奴
 焼き鯖・れんこんのきんぴら・高野豆腐の煮物・卵焼き
 サラダ・焼き海苔
 御飯・わかめの味噌汁
 お茶

今日の朝御飯はホテルのブッフェ。
「ここ数年になってさ、ホテルの朝食ブッフェというものに柔軟に対応できるようになったですよ」
「?どういうこと?」
「前はね、問答無用で"パンがあれば絶対パン"だったのね、朝食ブッフェ。それが、最近はブッフェ台を全部見渡して、明らかに和食寄りなおかずの時は冷静に白い御飯と味噌汁を持ってくるようになったのよー」
「それは何より」
だんなは「何を今更?」という顔で頷いていたけれど、「朝に白い御飯」をかつて好ましいと思っていなかった自分にとってはなかなか大きな変化だったりする。

そして、今日のブッフェ台は明らかに和食寄りだった。納豆に焼き海苔、きんぴらに煮物。洋風っぽいものはオムレツやベーコン、ソーセージなどがあったけれど、きんぴらや冷や奴の方が良いなぁと、和朝食。いまいちパサパサで美味しくなかった焼き鯖なども1切れ持ってきつつ、サラダもしっかり深皿に盛りつけた。

池袋サンシャインシティ内「伊勢ろく」にて
 元祖地鶏親子丼(お吸物付) \714

昨夜花火見物ができていれば今朝はたっぷりぐーぐー寝ているはずだったのだけれど、昨夜はホテルの部屋でだらだらするに終始してしまったので、今日は午前中から動くことに。サンシャイン劇場で公演中の「雨と夢のあとに」を昼過ぎの回で見ることになっているのだけれど、前回息子が夢中だったわんタッチ広場にまた行ってみることにした。

数週間前息子と一緒にこの犬とのふれあいコーナーにやってきたのだけれど、以後しょっちゅうしょっちゅう
「犬かいたいなー……」
「また犬、なでなでしたいなー……」
と呟いている息子。私もあの幸せ空間にはまた行ってみたいと思い、今度はだんなもムツゴロウさん体験をすることになった。

相変わらず、犬かわいい。超可愛い。その広場の7割以上は前回も会った犬たちで、今日も「お客さんよ、お客さんだわ」「おもてなししなきゃ」と、柵に囲まれた広場に入るなりうじゃうじゃとチワワやポメラニアンやテリアやビーグル、パグなどが寄ってくる。中にはさほど人なつこくない犬もいるものの、相変わらず膝に乗ってくる犬や手を舐めてくる犬がたくさんいて、だんなと息子と3人で「うーしゃしゃしゃしゃしゃ」「うーしゃしゃしゃしゃ」とすっかりムツゴロウさんになってきた。午前中早々から体中が犬臭くなったけれど、後悔はしない。

なんだかんだで2時間近くもこの広場で遊びまくり、慌ただしくサンシャインシティ内でお昼御飯。スパゲティという気分じゃないし、ハンバーグとかも、なんか違う、中華でもなし……とレストランフロアを歩き回って、親子丼はどうだろう?ということに。「伊勢ろく」というそのお店、夜には地鶏の串焼きコースなどもあるお店だということだけれど、お盆で大混雑の今日のランチタイムのメニューは丼ものだけとのこと。デザートやおもちゃがついてくる子供向けのミニサイズのそぼろ丼もあったので息子にはそれを注文し、私とだんなは地鶏親子丼を。歯ごたえのある肉はやや少なめで卵はたっぷり、汁は多めの「つゆだく」、いや、「つゆだくだく」くらいの状態の親子丼だった。吸い物と漬物つき。ちょっと甘めの割り下が疲れた体に(犬臭い体に……)染み渡る。あー、おいし。

新宿 「東京麺通団」にて
 豚の角煮 \200
 出汁巻きたまご \100
 なすの揚げびたし \200
 天ぷら(かしわ・豚天)
 おでん(すじ) \100
 ひやかけ(小) 半熟卵天乗せ \390
 生ビール(銀河高原)

そして見てきたキャラメルボックスの2006年サマーツアー。子役の福田麻由子さんが主役、原作は柳美里さん。いつもと毛色の違う舞台で、でもいつもどおりの笑いもあって(でも後半はひたすらに泣けるシーンばかりで……)面白かったけれど悲しい話だった。私はやっぱり軽めのお笑い活劇の方が楽しいかなー……という。

観劇後は池袋をぷらぷら、新宿をぷらぷらなどした後に、もうすっかり日も暮れたのでうどんを食べて帰ることにした。昨日見られなかった花火を見に……とも思ったのだけれど、花火を見てしまったら帰宅はきっと10時を回る。さらっとうどん食べてさらっと帰ろうねと、おなじみの麺通団に向かった。

俺、まず息子の麺もらってくるよ、じゃあ私は適当につまみ貰ってくるねー……と、だんなと2人いそいそとセルフサービス式のカウンターに向かう。息子には冷たいうどんに油揚げを添えて冷やしきつねうどん、私とだんなはまずはビール。適当に適当に……と選んだおつまみは、玉子焼きとか角煮とか揚げびたしの茄子とか、あとは「豚天」なる豚薄切り肉の天ぷらとか。1品1品は小皿に盛られた分量ちょびっとのもので、その代わり150円とか200円とか、お手軽価格。

小皿をあれこれ乗せたトレイをテーブルに持っていくと
「おゆきさん、素晴らしいチョイスだ!素晴らしい組み合わせ!」
神がかっている!と、その選択をおおいに褒められた。角煮1人何切れよ?玉子焼きにだしかけて食べたら美味しくない?なんて言いつつぽいぽいとあれこれつまんで
「よっしゃー、私、ビールもう1杯!」
「俺は日本酒かなぁ」
と酒と肴をお代わり。俺が買ってくるよと席を立っただんなは、「おつまみ追加〜♪」と、おでん鍋からすじを持ってきてくれた。

シメのうどんは冷たいかけ(冷たいうどんに冷たいだし)に、半熟ゆで卵の天ぷらを添えて。刻み葱乗せて、キーンと冷えたうどんを「そうそう、これよこれ」などと言いながらつるつるつる。だらだらーんと飲めて、美味しくて安い肴があれこれあって、シメにはすんごく美味しいうどんが待っていて、適度に酔いを冷ましながら「次は何食べようかな〜」と席を立つのも楽しくて、やっぱり私たちはこのお店が大好きなのだった。