食欲魔人日記 04年01月 第2週
1月5日 月曜日
サラダ屋さんの好物サラダを再現してみる
フルーツグラノーラ with 牛乳

だんなは今日から御出勤。息子の幼稚園の登園は今週の金曜日と、まだちょっと先の話だ。
その息子は昨年末あたりからずーっと
「どうぶつえんに行きたいなー、モノレール乗って、いきたいなー」
と言い続けていたものだから、では幼稚園が始まる前のこの時期に行ってみようかということに。今日1月5日は月曜日なので本来は休園なはずなのだけれど、年始特別期間ということで今日はオープンしているということだった。もしかして狙い目?と、早速今日、行ってみることに。

てきぱきと起きて身支度を整えていくだんなに
「……お餅でも焼きましょうかぁー?」
と布団に突っ伏しながら尋ねると、胃のあたりを軽く抑えてから
「……いや、いらない、かな」
とのこと。確かに昨夜の焼き肉が割とどっしりと下腹部に溜まっているという感じで、私もコーンフレークあたりで良いかなー、というところ。だんなを送り出してから、息子と2人、フルーツグラノーラをかさかさと食べた。牛乳はたっぷりと。

「万葉軒」の菜の花弁当
ほうじ茶

そして向かったのは千葉市動物公園。途中お弁当になる食べ物を買い求め、家からは熱いほうじ茶を小さな魔法瓶に詰めて持っていった。バスを乗り継ぐとかバスからモノレールに乗り換えて、とか色々ルートはあるのだけれど、息子はとにかくモノレールに乗りたいということだったので千葉駅まで出てモノレールに乗車。ちょっと遠回りしてモノレール満喫コースで往復することにした。

とにかく息子は今日の動物園が楽しみだったようで、数日前には私とだんなの友人であるMさんに
「いま2こねたら。どぶつえん。いくなんだよ」
なんてメールを出していたらしい(Mさんの日記で知って、お母さんとお父さんはびっくりさー)。昨日は昨日でおじいちゃんに
「あしたわ。どうぶつえん。いくなんだよ」
と予告メールも入れて、もうやる気もわくわく感も飽和状態といった様相だ。モノレールに乗って動物園に行くというシチュエーションがまたきっと楽しいのだろう。「どうぶつえんまであと3つー……あと2つー」とカウントダウンを始め、到着した途端に動物園の門に向かって猛ダッシュ。……ま、まってください……(既に息切れ)。

この動物園にはライオンだの虎だのといった肉食獣はおらず、目玉は象とキリンといった感じ。私の大好きなレッサーパンダとプレーリードッグとミーアキャットがいるので、そのあたりポイントが高い。
「おかーさん、つぎのどうぶつ、見にいこうよー」
「ちょっと待て、もうちょっとこのアシカ見てからっ」
「おかーさぁん、ぼくはそっちに行きたいなぁ〜」
「ちょっと、ちょっと待ってよー。カピバラが可愛いんだよぅー」
と、結局私も必死になって動物を見ていたりした。うん、動物園は楽しい。

お昼御飯は、息子にはパン屋さんで買ってきたミックスサンドとコーヒー牛乳。私は千葉駅の構内で買った「万葉軒」の菜の花弁当。「万葉軒」は千葉色溢れる駅弁を作っているお弁当屋さんなのだけれど、だんなは子供の頃からこの店の「菜の花弁当」が大好き。私も何度か食べているうちにすっかりお気に入りになってしまった。鶏そぼろと卵そぼろを御飯の上に乗せた、要するに二色弁当なのだけれど、地味な味でそれがまた良い感じ。中央に乗せられたアサリの佃煮串がワンポイントになっていて、あとは漬物が3種類ほど。

息子の
「キリンさんが見えるところで、おべんとう食べようよー」
のリクエストの応じて、残念ながらキリン真正面とはいかなかったけれどキリンが見えるベンチに腰かけてあったかいお茶啜りながら昼御飯を楽しんだ。ただ、私たちの正面にはカンガルーの柵があったのだけど、そのカンガルーたちが3匹並んでこちらをじーっと見つめる視線が……。「人間たちが何か食べてるわよ」「どれどれ」といった風に、ひたすらじーっとこちらを見ているものだから、何だか自分が檻の中の動物になった気分。食事風景を外からじーっと見られるのって、あんまり良い気分じゃないわよね。動物園のパンダも大変だなぁとこんなところで思ったり。

最後には「こども動物園」のふれあいコーナーでヤギや羊やウサギやテンジクネズミやハツカネズミも存分にいじくりたおし(手のひらサイズの動物は、ちゃんと飼育係さんが説明しながら手のひらに乗せてくれる)、付設の子供向け遊園地でもちょこっと遊んで午後3時を過ぎてから帰宅。帰宅するなり息子はMさんやおじいちゃんに
「いま。どうぶつえんみてきたよ。ぺんぎもみたよ。きりんもみたよ」
「どうぶつえんいっぱいみたよ。ぺんぎんすきなんだよ」
などという報告メールを、パソコンに向かってパチパチと打っていた。楽しかったようで何より。

おつまみ
 燻製鶏
 ガーリックオニオンチーズペースト添えクラッカー
 枝つき干し葡萄
海老とブロッコリーのタルタルサラダ
キャベツとアンチョビのスパゲティ
根菜のスープ
ビール(モルツ)

「そろそろ健康的な食生活に戻しましょうキャンペーン」ということで(そもそも昨年のいつ健康的な生活をしていたのかという問題はひとまず置いといて)、これからしばらくの自炊食事は品数多めの分量少なめ、野菜多めを目指すそうと小さく決意。今日は早速、キャベツをたっぷりパスタと一緒に茹で、アンチョビベースのソースで和えたスパゲティにすることにした。オリーブ油でにんにくと赤唐辛子を炒め、アンチョビを溶かすようにほぐしながら加え炒める。キャベツはパスタと一緒に茹であげて、そのソースと絡めたらできあがり。アンチョビの塩気を考えて茹で汁にほとんど塩を加えなかったらいまいちボケた味になってしまった。塩辛いソースを作っても、茹で汁にある程度の塩分は必要、ということらしい。

あとは半端に残っていたブロッコリーがあったので海老と一緒にサラダに。デパ地下のサラダ屋さん(R1/F)の人気サラダを真似っこして、刻み茹で卵とマヨネーズで和えてタルタルサラダを作成。お義母さんから年末に貰った冷凍海老は茹でてみたのだけどすっごく巨大で、ぶつ切りにしてもプリプリコリコリとした存在感。海老フライにでもした方が良かったようなすごく美味しい海老だった。

そして大根や玉ねぎ、にんじん、いんげんなどをざくざく入れた根菜のスープ、ちょっと食卓が物足りないかなと小皿にレーズンやクラッカー、数切れの燻製鶏を小さく盛り込んだものを調理の合間に準備。そういえば、こうした食事の支度はもしかしたらクリスマス以来じゃなかったかしらと思うほど、久しぶりな感覚だった。料理は面倒に思うこともあるけれど、あれしてこれして次はこれやっちゃおうかなーと動くことはやはり楽しい。もうちょっとしたらお弁当作りも始まることだし、そろそろ前傾姿勢で頑張ろうかなぁと思うのだった。

1月6日 火曜日
豚汁が煮えました♪
「ミスタードーナツ」のチリトマトパイ
カップスープ(ポタージュ)

昨日の夕方に
「……ドーナツ買って帰る?」
「うん、かってかえる!」
と息子と寄ってきたミスタードーナツ。甘いドーナツはあまり恋しくなかったので私は初めて購入したチリトマトパイ。だんなには好物のハムタマゴパイ、息子はチョココーティングしたチョコドーナツ(……重そう……)。「健康的な食生活に戻しましょう&家計は緊迫していますキャンペーン」ということで、1人あたり2個買っていたドーナツを1個ずつにした。

今日の朝は何やらめっちゃめちゃ寒い。台所脇の窓を開け、だんなは
「あーもーいかにもさー、"ほーしゃれーいきゃくーっ!"って感じだよね」
とやけに元気に腹式呼吸で声を発していた。……あ?ああ、「放射冷却」か。確かにそんな感じかも。
スポーツジム通いが楽しくて仕方ないらしいだんなは、ここ数週間妙にパキパキしているというかキビパキしているというか、筋肉痛に苦しんでいる割には妙に楽しそう。四六時中ランナーズハイ入ってるみたいだ。そのうち普段より1オクターブくらい低い声で
「サァ!今日も自分の為に鍛えましょーう。ハハハハハッ!」
とか言い出しそうで怖い。

だんなは元気だなぁ……と思いつつ、チリトマトパイをサクサク食べる。想像していたほど辛くないし、トマトソースも酸味がそれほど強くなく、美味しかった。なんでも玉ねぎとにんじんがたっぷり入っているとか。

野菜コロッケ
おばあちゃんのお赤飯
根菜のスープ(昨夜の残り)
麦茶

今日は10時開店の近所のスーパーで卵1パック88円のセール。あまり熱心にスーパーの広告を見たりはしないのだけど、よく行く近所のスーパーの広告にこういう文字を見てしまうと、うずうずとしてしまうのだった。まだ幼稚園が始まらない息子も一緒にお買い物へ。
「おかーさぁん、ぼくはね、バナナが欲しいなんだよー」
「あー……OK、バナナどうぞ。……いや、苺も安いよ198円……」
「いちごも買うと、いいと思うよー」
「……やっぱり?じゃあバナナと苺買っちゃおう」

卵は2パック買ってー、牛乳も2本買ってー、と籠の中身はどんどん大変なことに。苺の上にロメインレタス乗せて、その上に肉を乗せるのはいかんだろう、とわたわたしていたら、更に息子が
「……おかーさぁん、コロッケ、食べたいな。おひるご飯に、コロッケ食べたいな」
と総菜コーナーでぷるぷると上下運動しながら声をかけてくる。あー、コロッケ……あー、昼御飯ねそうね……と息子の欲求に従ってコロッケ2つ買ってきた。息子は海老クリームコロッケ、私は野菜コロッケ、どちらも60円。

「スープがのこってまーす」
「そういえばおばあちゃんから貰ったお赤飯も残ってたよ……」
と、あれこれ温めなおしてコロッケもちゃんと温めて、「……なんちゅうか、いっかにもな残り物構成の昼御飯だなこれ……」と苦笑いしながら昼御飯を楽しんだ。

テーブルの上には、小ぶりの花瓶にいけて飾ってしまった「七草粥セット」。水を張ったボウルでシャバシャバ洗って根の部分を束ねて花瓶に入れたら、綺麗な緑色の花束みたいになった。明日の七草粥は、ちょっと変わったものにする予定〜。

豚ヒレ肉のピカタ ロメインレタスのサラダ添え
海老とブロッコリーのタルタルサラダ(昨夜の残り)
おばあちゃんのきんぴらごぼう
ミニづけ丼
豚汁
いぶりがっこ
ビール(インディアンペールエール)

スーパーで買ってきたのは、半額セール中だった1サク300円ちょっと(でもサイズは小さめ)のマグロの赤みのサク。おかずにするにはちと物足りない分量で、しかもそのまま食べるよりも加工した方が良さそうな印象だったので煮切り酒と味醂、醤油を合わせて"づけ"にしておいた。昨年末に買って、しばらくこりゃ食べないなと塩漬けにしておいた豚ヒレ肉の塊があったので、何枚かスライスしてそれはピカタに。刻み万能葱をたっぷりと加えた溶き卵に絡めた豚肉をフライパンでこんがりと。ロメインレタスをざくざく刻んでドレッシングで軽く和えたサラダを脇にこんもりと添える。

あれこれ作ったけれども、今日の一番のメインディッシュは「豚汁」。冬には豚汁。寒い日には豚汁。正月明けから冷え込む一方の今日この頃、私は豚汁が無性に恋しかった。ちなみに私は「豚汁」を「ぶたじる」を発音している。だんなは「とんじる」だったかな。

私の豚汁作成は、豚肉を炒めることから始まる。湯に野菜と肉をぶっこんでいきなり煮始める手法もあるけれど、私はとにかく炒めることから。鍋にサラダ油を薄くひき、豚肉を炒め、火が通ったらごぼうと人参と大根を投入。こちらも表面にうっすら油の膜ができるような感じに炒め、そうしたら水を加えて鍋に蓋してぐつぐつと煮込んでいく。アクはしっかり取る(で、ここで最初に引いた油はほとんど全部すくわれてしまったりする……)。適当に火が通ったら田舎味噌を溶いて、できあがり。味噌を溶いてから火を止めて一度ちょっと冷ましておくと、その日の夕食に食べてもほんのり「2日目」的な味が感じられるような気がする。そうそう、肉はぜーったい脂身がしっかりついた切り落としあたり。間違ってもモモとかヒレは使っちゃいかん。……というのが私のこだわり。食べ際に長ねぎを刻んだやつを散らして食べる。

「今日はほんっっとに寒かったねぇ」
「いやー、まんず、寒かった」
とか言いながら熱い豚汁啜りながらミニづけ丼とピカタを堪能。炊きたてご飯が美味しくて、だんなも私も息子も1人2膳食べたあげく、息子は1人豚汁までお代わりしてもりもりと食べていた。寒い日の豚汁はサイコー。

1月7日 水曜日
今日は七草粥を食べなきゃね
七草粥 中華風

1月7日、今日は七草粥を食べる日。米と水でごくごく普通のお粥を作っても正直、今ひとつ物足りないのよねぇ……と思い、昨夜のうちに米と干し貝柱を水に漬けておき、中華風に仕立てることにしてしまった。七草はスーパーの398円だったパック入りのものを使用。

いつもより早く起きて(だんながちょっと早めに出勤しなければいけないということでますます早く)、土鍋を火にかける。吹きこぼれない程度の火加減にして30分ほど炊くと、いーい感じの7分粥になった。中華粥の時はもっともっと米を少なめ水を多めにしなければいけないのだけど、そのへんは和風のお粥をほんのりと意識して和中折衷というかフレキシブルというか、まぁ、適当に。

くたっとなった野菜よりはシャキシャキ感が残ってる方がいいかなと、炊きあがる間近にざっくり刻んだ七草を投入し、ほこほこのそれを小ぶりの陶器の器によそってテーブルへ。時間は朝6時半。かなり早めの朝御飯になった。

塩気はちょっと控えめにしたのだけど、ちょっと独特の青臭さがなかなか良い感じ。
「でもさ、"なずな"ってペンペン草だよねー」
「あー、うちのおかんはさ、毎年"なずなとはこべらは駐車場に生えてるし、すずなすずしろは蕪と大根でしょ?あるわよあるわよー"って適当に摘んできたりして作ってたよ」
だんなのお母さま、おそるべし。
「……いや、でもさ、"ほとけのざ"なんてそのへんの生えてるもんなの?」
「いや、そこはだからさ、"五草粥"とかで適当にやっちゃうわけよ」
……さすがお義母さん。

しっかし、土鍋にいっぱいできちゃったよ七草粥。どうしよう。

七草粥 より一層中華風
麦茶

私とだんなと、遅く起きてきた息子に七草粥を食べさせたのだけどまだまだまだまだ残っている。昼御飯もそのまま粥を食い続けることになった。でも、さすがに同じ味だと飽きるよね、と上にピータン刻んで散らして、居間で鋭意栽培中の(←ヘナヘナポットに植えられて八百屋で売られていた、"育てる用"ではなく"ちぎってすぐに食べる用"のひょろひょろした香菜を無理矢理育てている。根付いた♪)香菜の葉をちぎって山盛りにした。

そうなると、もはや何の粥だかさっぱりわからない。干し貝柱は入ってるし胡麻油も垂らしたし、ピータンと香菜が入ってるからもう完璧に中華粥だ。息子にちょっと怪訝な顔をされた。
「おかーさん、お昼も、おかゆなの?」
「……ごめんね。いーっぱいあるからさ、でも味、ちょっと変えたから」
「たまごが入ってる!くろくろのたまごだ!」
ピータンを特に嫌がらない息子は(嫌がってもいいのに……私が喜んで食べるから……)、中華粥と化した七草粥を綺麗に食べてくれた。
しっかし、お粥ってお腹膨れないのよね。夕方になるともうお腹空いちゃって。

燻製鶏・ローストビーフののこり
づけまぐろの残り
いぶりがっこ
2日目の豚汁
羽釜御飯
麦茶

今日、だんなは今年最初の英会話教室に出席だそうで、帰宅は遅くなる予定。息子も私も午後4時頃から猛烈に空腹になってしまい、午後5時過ぎにとっとと夕飯にすることにした。

昨日作った豚汁がある。いぶりがっこがある。もうそれだけで御飯3膳くらいは余裕で食べられちゃうほどの素敵な存在だ。あとは半端に残っているローストビーフがあるし、燻製鶏がまだまだあるし、昨夜の"づけ"もほんの数切れ残っているし、と適当に皿に盛りつけてつつくことにした。いや、でも、豚汁あるし!いぶりがっこあるし!(それだけで満悦)

昨年末に恵比寿の「ワインマーケットPARTY」でいぶりがっこが売られているのを発見してのけぞったけれど、先日またちょっと意外な場所でいぶりがっこを見つけた。今度は地酒を中心とした日本酒のお店、千葉の「シマヤ」。酒の肴も少々揃っていたのだけど、一緒に見慣れたいぶりがっこが積まれていて、なんだかすごく嬉しかった。

更にその「シマヤ」さんで見つけたのがその名も「がっこ」という名の秋田のお酒。ぬる燗が美味しいお酒だそうで、いぶりがっこにとっても似合うらしい。これまた面白くて、先日動物園に行った帰りにお店に寄った際、買ってきたしまったのだった。しかし、日本酒に「漬物」という名前をつけるのはアリなのだろうか。方言だけど、でも意味は「漬物」……。

一人で飲むのに一升瓶の封切るのもなぁ、と今日は開けなかったのだけど、週末にでも鍋つつきながらぬる燗つけてみるのも楽しいかもしれない。形から入るのが好きな私とだんなは
「……徳利はあるよ、一応」
「いや、でもさ、"ちろり"が欲しくなるよね」
「あー、錫製のね……色っぽいよね……」
「ていうか、でもうちそんなに燗つけて日本酒飲まないし。だいたい冷やだし」
「それもそうだ」
と"ちろり"購入に思い馳せつつ、でも思い踏みとどまったのだった。

いやー、しかし燻製の香ばしさ漂う甘じょっぱい漬物は相変わらず美味しいです。食べ始めると1/3本くらい食べきるペースで囓ってしまいます。パリポリパリポリ。

1月8日 木曜日
きのこと魚をもりもり食べたいなと
チョコ味コーンフレーク with バナナ&牛乳

昨日日付が変わってから帰ってきただんなはがさがさと色々なものをダイニングテーブルに置いて、今朝は6時半過ぎに出勤していった。睡眠時間が5時間切ろうが、今日は何が何でも早朝ジムに行くことにしたらしい。だんなが起きた気配は感じつつ、でも目が開けられない私。というか、だんなが帰ってきたところなのかと錯覚していた。

「……あー……おかえりー……」
「いや、違うから。今、朝だから。ジム行くからもう出るねー。テーブルの上に苺大福とパン、置いておくからね」
「……あー?あー、いちごだいふく……ありがと……」
「昨日の夜は食べなかったけどね、コジマに真鴨が入荷するらしいですよ」
「……あー?あー……かも……うれしーぃ……」
「……ま、いいや、寝てなさい君は。……じゃあねー」

行ってしまった。だんなは元気だなぁ(私がダラけすぎ?)。

「ま、ね。お弁当作るようになったら私が一番早起きするんだしね」
と自分で自分にいいわけしながら起きたのは9時半。思いっきりたっぷりと寝てしまった。えっとー、今日は図書館に行こうと息子と約束していたんだった。午前中遅めに行って、どっかで昼御飯食べて来ようかね、と朝御飯はごくごく軽くコーンフレーク。先日買ったバナナが食べ頃だったのでチョコ味コーンフレークの上に輪切りバナナをごろごろと乗せ、牛乳たっぷりかけて食べた。コーンフレークとバナナはすんごく良く似合うけれど、チョコ味コーンフレークにはことさら良く似合う。

さくさく食べて、さくさく掃除して、10時半頃息子と一緒に家を出た。今日はとんでもない強風が吹いていて、その風のせいもあってすごく寒く感じる。

稲毛 「Baden Baden」にて
 牡蠣のトマトチーズ焼き
 Cランチ(小海老のマカロニグラタン)
を息子と2人で。

図書館でおおいに本を借りる。大概私は
料理本コーナー→デザイン・写真関連本コーナー→おもむろに心霊ものコーナー
などを順繰りに見て、あとは適当に、建築の本が面白いなぁとか日本語の使い方本も楽しいなぁとか何気に「産業」コーナーが楽しいんだよなぁなどとあらゆるコーナーをぷらぷらと巡り、好きな作家のコーナーもチェックして、ようやっと貸し出しコーナーに辿りつくのだった。息子はというと「電車の本」一点集中。今日も特急の本だの地方の列車100選だの、喜んであれこれ借りていた。……鉄分、多め?ていうか過剰?

11時半も過ぎ、そろそろいろんな店が開店した頃だよねと強風の中、自転車こいで自宅に戻る途中にある気になっていたお店に入ることに。
Baden Baden」(バーデンバーデン)という店はドイツ料理のお店なのだそうで、このあたりではそこそこ有名であるらしい。私とだんなが愛してやまない「高円寺ナイルカレー」のすぐ横にそのドイツ料理屋さんはある。でも、煉瓦作りのごっつい建物とちょっと奥まった入り口が、ちょっと入りにくい雰囲気を醸しているのだった。高そうだなー、とか、格調高い?とか。

でもどうやらランチメニューは1000円くらいで食べられるようで、これも良い機会かもと息子と2人入ってみることにしたのだった。最初から最後まで、お客は私と息子だけ。入り口ドアに「我儘な店です。ご了承ください。」と書いてあって、それがちょっと心にひっかかったのだけれども(それって"ガンコなラーメン屋"と同じノリなのかしら……と……)、世話焼きの奥様と黙々と仕事する厨房の御主人と、なかなか良い雰囲気のお店だった。

私は季節のメニューから「牡蠣のトマトチーズ焼き」1000円を。それだけじゃ物足りないかなと息子用のグラタンをセットにしてもらうことにした。お昼のセットメニューは3種類。一番高い1500円のものが、本日のスープ、「本日の料理」(肉料理・魚料理・グラタン)から1品、パンまたはライス、デザート、ドリンクという構成になっている。デザートがどんなものなのかとっても気になったのでその一番高いセットをお願いし、アイスウーロン茶をいただきながら料理を待つ。

本日のスープは、トマトベースのクリームスープ。野菜がざくざく入って、トマトの酸味が若干強め。牡蠣のグリルもトマトの味がとても濃かったし、グラタンもまたうっすらピンク色がかっていて「……海老の色だけじゃなくて……トマト?」という印象があった。全体的に、「トマト食べたなぁ」という思いが残ったランチ。しっかりした味のものが多くて、思っていたよりずっと美味しかった。

牡蠣は、大ぶりの殻3つに身が2粒ずつ。ほうれん草などと共にトマトソースに和えられた牡蠣の身が殻に納められ、チーズがたっぷりかけられてオーブンで焼かれていた。かなりサイズの大きめな太いペンネがざっくり入ったマカロニグラタンもチーズたっぷり。
「おかーさんにグラタン、わけてあげるからね」
「あー、ありがと。じゃあこっちのスープも飲んでいいよ」
と皿とちまちま交換しながら食事終了。

デザートはラ・フランスのシャーベットとキウイのシャーベットを添えたさつまいものチーズケーキだった。カスタードクリームで和えられたリンゴのコンポートも添えられて、シャーベットの下にはキウとイチゴのソースがそれぞれ敷かれている。セットメニューのデザートとは思えない豪華さだ。
ドイツ料理ということで、アラカルトメニューにはソーセージやアイスバインなどが並び、それもなかなか美味しそう。ドイツワインの品揃えもすごいみたいだし、今度は夜に来てみようかなぁ……。

きのことカジキマグロのソテー
3日目の豚汁
「Cucina Tokionese Cozima」の胡麻パン・トマトパン
ビール(モルツ)

「翠江堂」の苺大福

無性に魚が食べたくて、ついでにきのこも恋しかったのであれこれ買ってきた。だんなは今日は仕事が山積みだそうなので、息子と2人の夕御飯。本日の主食はパンと決まっていたので、パンに似合う洋風のおかずを……と目指していたはずなのに、コッテコテに御飯に似合う醤油味のおかずを作ってしまった。

数週間前に購入した料理本が、ケンタロウさんの最近の本『「魚!」ムズカシイことぬき!』。多分魚が無性に食べたくなったのは、この本のせいかと思われた。
「確か、キノコと炒める料理があったよなぁ〜」
と思い出して探し、参考にしたのが「フライパン1つできのこ&たいソテー」という料理。品名のとおり、鯛を使う料理だったのだけど、買ってきたのはカジキマグロだ。気にせずカジキマグロでやっちゃうことにする。

まずは魚の切り身をこんがりと焼き、魚はいったん除けておいて同じフライパンで長ねぎとキノコを炒める。最後に絡めるタレは醤油と味醂と少しの砂糖。魚も戻し入れてそのタレを絡ませてきのこと共に皿に盛る。最後に黒胡椒をガリガリッと。……作ってみるまでもなく、レシピを見るだけで「こりゃ御飯のおかずだろう」という内容だったのだけれど、とにかくそういうのが食べたかったのでそれを作ってしまった。もう全然パンには似合わない〜……と思ったら、まぁ、案外と似合う。豚汁には文句なく似合う。

パンは、昨夜のだんなのおみやげ。相変わらず"青山で英会話学んだ後はCucina Tokionese Cozimaで夕飯軽く食べて帰宅"なんて優雅なことをやっているだんなで、遅めの入店でその日最後の方のお客さんなものだから「余ったパン、どうぞおみやげに」とその日焼いて余ったパンをいただいてきている。昨夜はおなじみの胡麻パンとトマトパン、手のひらに3個くらいは乗る可愛いサイズのころりとしたそれを合計6個持って帰ってきた。なので今晩の主食はそのパン。魚をつまみつつパンをぱくぱく、味噌汁啜りながらパンをぱくぱく。1人2個も食べれば充分かな、なんて言っていたのに息子と2人で3個ずつ平らげてしまった。うまー、パンうまー。醤油と味醂のおかずでもうまー。

食後は、昼過ぎにミスして卵数個にヒビ入れてしまったのでそれをカスタードプリンに仕立て、プリンを蒸している間にこれまただんなの昨日のお土産、苺大福をパクつく。昨日の午後、八丁堀で仕事だったそうで通りすがりに「翠江堂」で買ってきてくれたものらしい。巨大な苺入りふくふくの大福は、これまたうまー。
……明日からしっかり動いてこよ……(息子の幼稚園が始まるのでやっと私のジム通い解禁なのね)。

1月9日 金曜日
今年初のカレーライスにはチーズをパラリと
卵御飯
4日目の豚汁(まだまだウマー)
抹茶入り玄米茶

今日から息子は幼稚園。
「おとーさんは、お仕事してきます!」
「おかーさんは、プールで泳いでくるよー」
「ぼくはねぼくはね、ようちえんにいってきます!」
「いぇーい」
「いぇーい」
……朝から妙にテンションが高い私たち。

何やら久しぶりな気分がするけれども、だんなと一緒に朝御飯。まだ残ってる豚汁を温め、買ったばかりの生卵がこれでもかと冷蔵庫にあるので(2パック買ってきた直後にお義母さんから1パックいただいたのだけど、もらった後になって「うぉ!そういえば今日私も2パック買ってきたんじゃん!」と気がついた……)、有無を言わせず卵御飯。新鮮な卵はとにかく生で食べちゃうに限る。黄身ぷりぷりの生卵ぶっかけ御飯、万歳。

そろそろ野菜や肉がいーい感じに煮崩れつつある豚汁に刻み葱をぶわっと散らして啜りつつ、熱い味噌汁でもまだ物足りない寒さにお茶もずびずび。あー、さむさむ。

卵と燻製鶏とトマトのホットサンド
りんごジュース

息子は元気に幼稚園の門から園舎に走って消えていった。私も今日からスポーツジム通い復活ということで、息子を送ったその足でスポーツジムに。これまでの「プールしか使っちゃダメよ会員」から「どの施設もいつでも使えちゃうもんね会員」にグレードアップしたので、初回のオリエンテーションを予約してある。久しぶりに触るマシンジムの各種器械の説明を受け、最後に「Vo2Max」だか何だかを測定するエアロバイクを10分漕いだ。

ここ数年はジム通いもあまり熱心にしていなくてかなりな運動不足に陥っていたのだけど、10年くらい前は週に3〜4度、狂ったように通っていた数年間があった。その頃鍛えた筋肉とか鍛えた心肺機能の能力は少しは残っていたようで、「女性向け標準」にセットされたマシンはどれも楽々持ち上がる。なんといっても嬉しかったのは「Vo2Max」(最大酸素摂取量)の値がこの年代の女性にしては6段階中の評価6という最高の結果が出たことだった。えーと、つまり、「スタミナがある」という結果なわけだそうだけど、でも私、3階分くらいの階段上っただけで息切れしたりするから……多分この結果は幻想。幻想に違いない。

ありがたいことに血圧も別に高かったりはせず、「もー、じゃんじゃん運動しちゃってください」と太鼓判を押されたような感じ。来週には自分用のマシンジムのメニューを組んでもらって、しばらく真面目に通おうかなぁと思っている(なにしろ、"ボディパンプ"に真面目に出ているだんなのお腹、あっからさまに引き締まってきたもんだから……まけられぬ……)。

「……でも!……息子を迎えに行く体力くらいは、残して、おく、べき、だった……」
ぜーはーぜーは言いつつ11時半に息子をお迎えに。調子に乗ってマシンをあれこれ触りすぎた。ついでに調子に乗って泳ぎすぎた。もうヨレヨレに疲れた状態でよれよれと幼稚園に行き、学期始めの先生の挨拶を聞き、息子が目下大の仲良しな「ユウナちゃん」(仮名)のお母さんに挨拶。うちの息子も暇さえあれば「ユウナちゃんユウナちゃん」言っているのだけど、ユウナちゃんも冬休み中に「○○くんのお嫁さんになりたいなぁ」と我が息子を指名してくれちゃったらしい。そりゃ……うちは全然かまわないけど(ユウナちゃんはすっごく可愛い、我が息子ながら"お目が高い"と思う)、でもユウナちゃんのお父さんは気が気じゃないことだろう。

「ユウナちゃんと会ったんだよいっぱい遊んだんだよ」
「あー、はいはいおめでとう。よかったねぇ」
自転車をよろよろ左右にブレさせながらなんとか帰宅し、あまりの寒さにホットサンド。ちょっと厚めかなと思いつつ8枚切りのパンを使い、中には卵サラダ(ゆで卵をマヨネーズで和えただけ)と燻製鶏とトマトを挟んだ。ちょっと甘いものが恋しかったのでリンゴジュースを1杯。

具沢山のホットサンド、私にもけっこう食べ応えがあるサイズになってしまったのに、息子も私と同じサイズのをぺろりと1つ食べきった。マヨネーズ味の卵と鶏肉と、あったかくなったトマトの輪切りという組み合わせもすごくいけた。ホットサンドは、中身なんでもよし!という感じ。

にんにくたっぷりシーザーズサラダ
"黒毛和牛すね肉"のカレーライス
薬味いろいろ(刻みチーズ・福神漬・ラッキョ・キュウリのQちゃん)
4日目の豚汁
ビール(モルツ)

昔プリン

ここ2日ばかり帰宅が遅かっただんな、今日は何がなんでも帰ってくる!と鼻息荒く出勤したので、じゃあ美味しい夕御飯を……と考えつつ冷蔵庫を見ると数日前に購入した「黒毛和牛すね肉」が。あー、確かシチューとか中華風煮込みとかにして食べるつもりだったんだっけ……と思い出したのだけど、でも豚汁が残ってるのにシチュー作るのもなぁと。

「というわけで息子さん。牛肉があるんですが、シチュー食べたいですか?カレーがいいですか?」
「シチュー!白いシチューがおいしいです!」
「……んー、ビーフだから、シチュー作るなら黒いシチューになっちゃうと思う……ビーフシチューの素、前に買ってきたのあるし……」
「えー白くないのー。じゃあカレーがいいと思う」
わかりやすいというか、何というか。そうよねやっぱりカレーよね、と今日はカレーライスに決定。

「おせちに飽きたらカレー」というフレーズがあるけれど、今年は正月っぽい料理というものをあんまり食べていなかったのでカレーも恋しくならなかったのである。何だか毎年のように1月3日あたりにカレーを食べていた感があるのだけれど、今年はちょっと遅めな今年初のカレーライス。一口大に切った肉に塩胡椒、少しばかりのカレー粉をしっかりと揉みこみ擦りこみ、肉の量があまり多くはなかったのでダッチオーブンではなくサービングポットでじっくり炒めて野菜も投入。

魚介のカレーも美味しいと思うし、野菜だけがたっぷり入ったカレーというのも悪くないと思うのだけど、「カレーが食べたい!」と思う時は市販のルウを溶いた、小麦粉のもっさり感が感じられる牛肉豚肉鶏肉などの肉肉肉肉したカレーだったりする。スタンダードなものがやっぱり一番恋しくなるようで、魚介のカレーとか作るにはカレーへの欲望がそれほど高まらないうちに作らなければいけないんだなぁ……。

カレーライスと豚汁という組み合わせはきっと似合う。似合わないはずがない。もう4日目になる豚汁を温めなおし、サラダも1品。食パンににんにくをなすりつけこんがりバタートーストしてざくざく切ってものをざくざく刻んだロメインレタスと混ぜ、おろしたパルメザンチーズを混ぜたマヨネーズベースのドレッシングで和える。上からもチーズを皮剥き器でシャーコシャーコと削ってかけた。ドレッシングはほんのりにんにく風味。

さて、数日ぶりの家飯の夕飯がカレーライスでだんなはどう思うかしらん、と思いつつ準備しているとだんなが帰ってきた。
「お!カレーだ。いやー、今日さー、一日中"今日はカレーだぞ、カレーなんだぞ"って電波飛ばしてたんだけど、届いた?届いた?」
よくわからない電波を飛ばすよりも、ちゃんと繋がる電波(携帯とか、メールとか……)を飛ばせば良いのに、そんな事を言っているだんなだった。ともあれ、夫婦の思考(嗜好?)が一致するのは良いことだ。今日の夕飯がカレーライスで全員が喜ぶ展開になった。

にんにくたっぷりサラダをつつきつつ、我が家で買うカレーの定番となりつつある"こくまろ中辛"味のカレー。でもちょっと辛目なカレー粉を混ぜたので、ほんのりちょっぴり辛口風味。チーズを放り込んで「ほらほら、ピヨーンってなるよー」と喜んでみたり、ラッキョウを山盛り噛みしめてみたりしながらせっかく今日は運動してきたというのに運動効果が相殺されるというか明らかに消費カロリーより摂取カロリーが過剰に多いような状態で今日の食事は終わりとなった。

デザートには、昨晩作った「昔プリン」。何度も作っているのに未だに蒸し時間とか火加減とかが把握できなくて、毎回泣きたくなりながら様子を見ながら蒸して作るのだけれど(オーブンや電子レンジを使うテもあるのだけれど、なんだかこのプリンばっかりはちゃんと蒸し器で作れるようになりたいのだ)、今回のはかなり良い出来。"す"はたたず、ふんわりぷるるんと柔らかめにかなり良い感じの出来となった。でもカラメルはちょっと甘くなりすぎたかな。

1月10日 土曜日
こってりこてこてトンコツ醤油ラーメン
稲毛 「ラーメン虎ノ穴」にて
 ラーメン \600
 もやし 無料
 煮卵 無料

だんなの元同僚に、秋田出身の男がいたそうである。数年前の冬の日、
「まズ、さびな」
とだんなが話しかけたところ、
「んだ、まズ、さび」
と見事なネイティブの発音での返事が返ってきて2人でニヤニヤしてしまったのだそうだ(結婚するまで東北に踏み行ったことがなかった我が夫は、結婚してから私の親戚が話す濃厚な秋田弁の洗礼を何度か受け、多少は解するようになっている)。

でも、その秋田出身の男曰く、「でも東京の冬の方が、寒いよ」とのこと。確かにそうかもしれない。その人は
「なにしろ東京の冬は晴れてるからびっくりだ。なのに寒いし、風も強いし」
上京後最初の冬に、そのようにびっくりしたのだそうだ。確かに東京の冬は秋田のそれと異なり「服に隙間を作るなー、そこから風が入って体が冷えるぞー」てな感じの寒さがある。

で、ここ1週間ばかりは風は吹くわ気温も低いわで本当に寒かったんである。寒いとラーメンが恋しくなっちゃうんである。
「あー、去年から気になっていたお店があったよねぇ」
「そうそう"虎の穴"ね。行ってみますか」
と、朝食も摂らずに11時オープンの直後を狙って地元のラーメン屋さんに行ってみた。

何度か店の前を通ったことはあるけれど、通るたびにぶわっと豚骨のけだもの臭が押し寄せてきて、
「うっわー、すごい匂いで好きなんだけど……でも紙一重っぽい?いまいちかも?」
と二の足を踏んでいたお店だった。どうかなどうかなと思っていたところ、タイミングよく「トンコツがお好きでしたら"虎の穴"、良いですよー」というこの日記を読んでくださっていた方からのメールがあって、じゃあ行ってみるべということに。

店内入ったところで食券を買い、カウンターに。「ラーメン」と「肉ラーメン」(要するにチャーシュー麺)があり、それぞれ並と中と大だったか大盛だったか、とにかく3種類の盛りの量が選べる。私はラーメン、だんなは肉ラーメンの大盛り。ぬかりなくクーポンを印刷して持っていったので、煮卵が無料。
「もやし、おつけできますよぅ!」
とカウンター内のおっちゃんが声をかけてくれ、無料もやしのトッピングもお願いしてみた。

何でも「家系」(→かけい、ではなく、いえけい、と発音するらしい)のラーメンなのだとか。
えーと、「家系」とは、起源を横浜の「吉村家」にもつとんこつ醤油ラーメンの系譜、なのであるらしい。そいでもってこのお店は中野の「武蔵家」で修行を積んだ御主人が開店したお店。えーとえーと、つまり、さぬきうどんで言うところの「宮武ファミリー」と同じようなものと理解して、良いのかな?(なぜここでうどんに例えるか私)

かなり太めのごっつい麺。縮れているというより「ちょっとねじれている」といった風情のクニュンとした黄色い麺が、テラテラネトネトとした褐色のスープに沈んでいる。この麺がまた、「家系御用達の酒井製麺の中太の……」とかいうものらしい。ああ、もう、難しいねぇ……。

で、あと、トッピングはでっかい海苔が3枚。茹でたほうれん草。チャーシュー(というより"煮豚")が数切れ。そして無料追加トッピングのもやしがボボーンと。スープからは、もや〜んと豚骨特有のケダモノ臭が漂ってくるけれど、啜ってみると案外と静かな味。荒々しいトゲトゲしているスープじゃなくて、案外とまろやか。豚骨風味のスープに醤油ダレが程良く溶けて、良い感じだった。でも、好みの具合からするとちょっと味が薄めかなぁという印象が。もやしを入れてもらった分、ちょっと濃くしてもらった方が良かったのかもしれなかった。

コラーゲンがネトネトネカネカとあらゆるものに絡まる中、ふっとい麺をずるずると啜る。コラーゲンは麺のみならずレンゲにも指にも絡まっちゃうような感じで、口中も唇も指先までもネカネカさせてしまいつつ、ずるずると。ほうれん草やシャキッとしたもやしが案外と良い口直しになってくれて、そのコテコテネカネカの割にはつるつると食べられる。ふっくらしたバラ肉を使った煮豚も柔らかくて良い味だったし、一見した感じ色が薄くて「ホントに味が染みてるのかな?」と思った煮卵がすっごい良い具合に半熟状態で味も適度に染みてて御飯が恋しくなっちゃう味で、色々と一見して感じた印象が覆されちゃうお店だった。

「なんかこう、最後にテーブルの上でにんにく入れたりして味が決まる!ってスープだった……気がする」
「そうねー、今日は初めてだったし、最後までお店が出してくれたままの味で食べようと思って、俺はそうしたけどね。次はにんにくがっちょり入れて食べようかなぁ」
「そうそう、そいでもって、次は"麺固めの味濃いめ、脂少なめ!"とかって、コダワリの注文をするのだ」
ああ、でも、ラーメン道はまだまだ遙かな道であることよ(何しろラーメンのために遠出することはないだろうしね、我が家……)

2日目のカレーライス
インスタントコーンスープ
薬味いろいろ(刻みチーズ・福神漬・ラッキョ・キュウリのQちゃん)

ちょっとやる気のない土曜の夜。

今日の午後は息子の
「おかーさんがにっきかいてるみたいに、ぼくも、にっき、かいてみたいなんだよー」
というリクエストにお応えして、このサイト内に息子日記用の新しいcgiを組み込むのに必死になっていた私。どうも「紙にペンで書く日記」ではいけないみたいで、キーボードを打たなければいけないらしい。

「……そのパソコンの中でつけられるようなソフト入れてあげようか?」
と聞いたのだけど、
「このパソコンで書いてね、でもね、見るのは、おとーさんのパソコンからもおかーさんのパソコンからも見るの。見られるの」
などと言っているところを見ると、彼の言うのは「Web日記」のことみたいであり、そんな、5歳児が「さるさる日記」とか「エンピツ」とかレンタルするってのはどうよ……と思い悩んだあげく、このサイト内に設置しちゃうことにしたのだった。一体何を書くんだろう、と思っていたら昨日の分で「きょうは。ようちえん。いったなんだよ。」とか書いている。……まぁ……がんばれ……。

そういう次第であれこれやっていたら疲れてしまって、夕飯は昨夜のカレーライスが残っているのをこれ幸いと簡単に済ませることにした。「賞味期限2003年2月」なんてもののレトルトパックのコーンスープが発掘されたのでどきどきしながら温めてみる。あとは福神漬やチーズを入れた器をずらずらっと並べて、昨夜とほとんど変わりのない簡単夕御飯。ああ、でも、カレーがあるだけでなんでこんなに幸せなんだろう。うまーうまーうまー。とろけるようになった牛すね肉がもう、最高。

そうそう、届くのはまだ2週間くらい先の話だけれど、ロールケーキを通販で申し込んだ。今日夕方メールマガジンが届いて
「うっわー、美味しそう……。だんな!だんな!だんな!ちょっと!これ!たーべたいなー」
と全力でおねだりして買っていただいたのが「サンルイ島のロールケーキ」。このお店で生クリーム系のお菓子は買ったことはないのだけれど、以前買った「バスク」というお菓子や焼き菓子類がバターの香りが濃厚で歯触りも良く、本当に美味しかったのできっとこれは美味しいに違いない!……と思ってみた。

一刻も早く届けてもらいたい気分なのだけれど、だんなが冬の日本海方面に出張したりするらしいので、「絶対だんながいて、だんなが食べられる日を」ということで届けてもらうのは2週間後くらいにしてもらうことにした。えへーえへへー、バニラとチョコと抹茶味のロールケーキ3本セット(でもサイズは小さめ)。すっごく楽しみ。どうやら私のロールケーキ熱は全然冷めてないらしい。

1月11日 日曜日
1080円のパスタランチ。なかなかうまー。
「万世」の万かつサンド
カップスープ(きのこのポタージュ)
牛乳

だんなは「万世」のカツサンド、「万かつサンド」が大好物(どうしてかというのはこのへんに)。久しく食べていなかったのだけれど、昨日、どういうわけか近所のパン屋の店頭にこれが積まれていたのだった。

「うぉ!万かつサンド!」
「おやつにでも食べる?」
「……いやー、明日の朝御飯ってところかな」
うんうん、と満足そうにそれを速攻購入し、満足そうな我が夫。朝御飯にカツサンドというのもどうよ……と思いつつ、だんなと同様、ちょっとわくわくしている私だった。私だって万かつサンドは大好きだ。

「万かつサンドにはさー、やっぱり牛乳でしょ」
「寒いから、ホットミルクにしようか?」
「いや!やはりここは冷たい牛乳にしなければならない!……で、寒いからカップスープも入れる、と」
「うわー、どっちも飲むのかー」
朝からはしゃぎながら、カップスープの準備。万かつサンドを購入したとき、
「タイムサービスでぇす!」
とラスクを2枚いただいてしまったので、息子にはそれを。私とだんなは万かつサンドを半分こ。素焼きのカップにインスタントスープを1杯ずつと、あとは冷ったい牛乳。

久しぶりの万かつサンドはしみっじみと美味しかった。薄切り食パンの間にたっぷりのソースと共にトンカツが挟まり、それがざくざくと6等分。キャベツやレタスなどの添え物は一切なくて、レトロ感溢れるパッケージにストイックな風情で収まっている。1人3切れ、ぱくぱくっと食べて、今日はちらっとお出かけ。

千葉 「麦と葡萄」にて
 Dランチ(本日のパスタ・本日の前菜・焼き立てパン・ドリンク) \1080

「ご注文いただいていた延長ホース入荷しましたー」
とヨドバシカメラから連絡があったのである。年末にやってきた愛しい愛しい食器洗浄機(もう便利で便利で涙ちょちょぎれちゃう)、だが、予定していた場所に設置できずにちょっと離れたところに置くことになったところで「給水ホース」と「排水ホース」共に長さが足りないことが判明したのだった。で、いまいち不安定な斜めに置かれた状態(ぎりぎり扉が開き、両方のホースが届くという位置)で年越しを迎えてしまった我が食器洗浄機。やーっとその延長ホースが入荷したのだった。ああ、やれやれだわ。

で、うきうきとヨドバシカメラ千葉支店に向かう私たち。めでたくホースをいただいて、ぷらぷらっとお店を歩き、
「……お腹が空いたねぇ……」
ということに。なーんにも考えないで出てきたので、昼飯の当てもなーんにもない。
「スシ?スシ?」
「……いやー、寿司はやめようよ……そごうの地下で親子丼とか」
「んー親子丼ねぇ……」
「いっそアンミラとか!」
「アンミラねぇ……」

ヨドバシカメラから駅に向けてぽってぽってと歩きながら話していたところ、「麦と葡萄」なるパスタ屋さんの看板と目があった。いつも微妙に気になっていたお店だ。ちょこちょこと色々なところで見かけるので、どうやら千葉県内を中心に展開しているチェーン店であるらしい。パスタとドリンクのセットで900円ちょっと、それに前菜とパンをつけても1000円ちょっと、けっこう手軽な価格だった。「本日のパスタ」は「しめじ、モッツァレラチーズ、フレッシュトマトの塩味パスタ」、「本日の前菜」は「自家製ローストビーフ」。店頭のその看板を眺めて、
「……あ、けっこう良いんじゃない?」
「うん、パスタ、食べたかったかも」
と入ってみることにした。

細長い楕円の皿に、薄切りローストビーフが2枚とフォカチャが2切れ。ローストビーフには粒マスタードをマヨネーズで伸ばしたようなソースがたっぷりめにかかっていた。……もうちょっとソース、少なくてもいいかも……と苦笑いしながらローストビーフをつつく。……けっこう、美味しい。息子は、
「すみませーん。この、ト……トロ…ピ、カル、マンゴーのジュース、くださぁい」
とテーブル上のポップ札を見ながら注文したマンゴージュースを旨そうに飲んでいる。なんだか息子は、マンゴーものが大好きだ。親の(間違いなく私の)初期教育からそうなってしまったような気がしないでもない。

そしてスパゲティ。私は普通盛りで、だんなは息子と分け合うために100円増しの大盛りに。大盛りはパスタが150gということだったけれど、それ以上はあるんじゃないかという大盛りっぷりだった。器からして、もう全然違うし。だんなのそれは「洗面器」という感じ……。

トマトとベーコン、しめじを一緒に炒めたパスタに軽くジェノバペーストがかかり、上にはころころっとモッツァレラチーズのトッピング。チーズはちょっと溶かした方が美味しいわよねとパスタの中に埋めつつ、溶けてぴよーんと伸びるそれを楽しみながらツルツルと食べた。適度に赤唐辛子の辛さもあって、塩気なども丁度良く、なかなか美味しかった。1000円ちょっとでこのセットなら、大満足。

「アンナミラーズ」のチョコバナナパイ
カフェオレ

無性に生クリームどっさり系ケーキが恋しくて、千葉から帰るときに千葉そごう内のアンナミラーズでケーキを買ってきた。以前は地階の洋菓子コーナーにショップがあったのだけど、今は別館内のレストランまで行かなければテイクアウトケーキを購入できない。
「めんどくさー」
とか言いながら買いに行き、でもおねぇちゃんたちの制服姿が見られて実はちょっと嬉しかったりして。私はチョコバナナ、だんなはマロン、息子はフレッシュストロベリー。

あんまん肉まんの「井村屋」が経営しているケーキショップなのだけど、なかなかどうして美味しいと思う。あのごってりとクリームの乗った、野暮ったさも感じられるケーキは今時あんまり見かけないこともあって、時々無性に食べたくなる。この手のケーキ、その昔々に「ストロベリーファーム」というお店があったのだけど、あそこのバナナマロンパイがほんっとーのほんっとーに美味しかったんだなぁ……(でも潰れちゃったんだなぁ……)。

帰宅してから夕方、コーヒーの準備をしてアンミラのパイをつつく。薄焼きパイにバナナ入りのカスタードクリームがどっさり、その上に薄いチョコの層、たーっぷりのホイップクリームに、パラッと散らされたチョコスプレー。

「ああもう、一応ダイエットしてるんだよ俺ら。わかってる?わかってないでしょ、奥さん」
「いやー、でもさー、ここで"ケーキなんか食べちゃダメだダメだダメだ"とか思ってたらさ、1週間後くらいにプチンといっておもむろにドゥリエールのケーキ1ホール注文しちゃったりするよきっと?」
「奥さん……2週間後にはロールケーキ届くんだからさ……ホールはやめよう、ホールは」
でも悔いはないのよー。美味しかったんだから。制服おねぇちゃんも見られたし。

ぶりの照り焼き
ほうれん草のお浸し(山盛り)
しじみの味噌汁
羽釜御飯
いぶりがっこ
ビール(モルツ)

そういうわけで、健康を気にするお年頃の今日この頃、夕飯はちょっと地味めに。美味しそうなぶりの切り身を昨日買ってきたので、照り焼きにすることにした。小林カツ代さん&ケンタロウさん親子が料理本で言っているのを見てから、我が家の照り焼きは「下味をつけずに焼いた魚に、最後に醤油や味醂を絡める」というやり方になっている。わざわざ数時間前から魚をつけておかなくても、これで充分味が染みるし香ばしく美味しくできるので目下この方法がお気に入り。

「あとはねー、緑黄色野菜をガツンと食べたかったのよね」
と、あきれるほど大きな1束だった立派なほうれん草を全部茹でておひたしに。ほうれん草は茹でると縮まるものだけれど、縮まっても丼一杯くらいはありそうなほどの立派な束のほうれん草だった。これでもかと大量に鰹節かけて、わしわしと食べちゃう。

あとはしじみの味噌汁と羽釜で炊いた御飯、こういう時には絶対欠かせないいぶりがっこ。久しぶりな純和食な食卓で、油はほとんど使っていないはずなのにぶりの脂がジュクジュクしてけっこうな食べ応えがあって、何やら幸せだった。なんてことない連休だけど、地味に充実している連休だ。