食欲魔人日記 01年12月 第1週
12/1 (土)
厚岸の牡蠣〜♪生牡蠣〜♪山盛り〜♪ (夕御飯)
京成稲毛駅前 帆船(ジャンク)にて
 咸水角
 蝦餃
 小龍包
 叉焼飽
 馬拉[米羔]
 帆立入り大根餅
 筍椎茸春巻
 干貝柱入り焼売
 五目炒飯
 香港風焼きそば
 杏仁豆腐
 マンゴープリン
 コカコーラ
 ホットウーロン茶×2
……を親子3人で朝から喰って\5,932也

徒歩10分ほどの御近所に、中国人が経営する飲茶料理メインの中華料理店が先日オープンしたのである。
開店当日に、お義母さんと義妹に誘われて一度行った。混雑していた店内は厨房もフロアもいっぱいいっぱいという感じで、味もそれほど良くは思わなかったのだけど、だんなを誘って今一度、朝兼昼御飯にと行ってみることに。11時半、朝から何も食べてないので激烈に空腹だ。

正午前の店内はとてもガラガラで、ちょっとばかり日本語のたどたどしい店長さんがいそいそと席に案内してくれる。今日は好みの点心類をざくざくと。おなじみの小龍包や蝦餃を始め、私の好物咸水角(ハムスイコク:揚げ餅餃子)やら大根餅やら。これでもかと点心を取った挙げ句に炒飯と焼きそばまで頼んでしまった。当然デザートも。

どれもこれも、先日と比べて「んんん!?」と思えるほど変化していた。美味しくなってる。グズグズのやわやわだった大根餅はこんがりと焦げ目がついてプリプリの食感になっているし、焼きそばの炒め具合も完璧だ。小龍包にはスープがたっぷり詰まっていてちゃんと本格の味がした。相変わらず、東京ど真ん中でやるにはちょっとばかり心もとない印象はあったけれど、徒歩10分でこれが食べられるならかなりシアワセな事かもしれない。

周囲は粥を食っている人も多いというのに、朝から(まぁ時間的には昼かもしれないけど)揚げ物やら炒飯やらを食べるのは、いかがか。大人な私たちはともかく、息子までニコニコ笑いながら春巻き喰ってるのはどうか。
「……健康的に見て、どうよ?」
と言いながらも、しっかりどっしり食べてしまったのだった。げぷ。

厚岸の牡蠣(生牡蠣&焼き牡蠣)
羽釜御飯
神亀 ひこ孫 純米吟醸 にごり酒

ここ数週間ばかり、我が家では牡蠣ブームが起こっている。
「牡蠣〜、山盛りの生牡蠣〜」
「レモン、キューッと絞ってたっぷりの生牡蠣〜」
ということで、最近買い求めた『どっちの料理ショー特選素材取り寄せカタログ2002』(日本テレビ/2001年10月)を開いたのである。

牡蠣と言えば厚岸!ホームページから注文できて、しかも1個70円とお安い!ということで、その本に載っていた北海道は笹原水産から「お取り寄せ」してみた。中サイズ1個70円、特大100円。かなりお安いと思う。だんなの実家と合わせてサイズ取り混ぜて25個弱購入してみた。

しかし、しかし。
あまり悪口じみた事を書くのはどうかと思うけど、このサイト、ひどすぎる(牡蠣の味がどうとかじゃなくて、このホームページが、という話)。
まず、トップページから流れるのは、何か妙に人の心に不安をかきたてる音楽(※私は音楽を題材としているページ以外のサイトが音楽を鳴らすのはあまり好まない、ていうか大嫌い、せめて流すかどうか選択できれば気は楽だけど)。
サイト全体の調和を考えることなく、各ページの雰囲気はバラバラ。各ページの背景画像は、派手なものが入れ替わり立ち替わり全てくまなく違うものを見せつけられ、しかも文字の色も派手な事だけを意識した見にくさこの上ないものだ。
しかも、妙にページの読み込みが遅すぎると思ったら、どういうわけか「1536×1036」なんてサイズの画像をhtml上で縮小して掲載してあった(見た目が縮小されていても、サイズはでかいまま……)。
1ページのファイルサイズはなんと600kを越えるところも。そのへんのイラストサイトだってこんな馬鹿げたサイズにはしないはずだ。

で、これだけだったら「ああ、ホームページ作り始めたばかりで色々やりたいんだねー」と思う。実際「あーららぁ」と思いつつも注文をし、通信欄にちょっとだけ「音楽を鳴らすのは嫌がる人も多いと思います」とか「画像、元サイズが大きなものを載せていませんか?」的な事をやんわりとだんなが書いていた。
ら、逆ギレしてきた。ホームページ(と恐らくインターネット関連を一手に引き受けているだろう)担当さんが。

曰く、
「写真はあれが見せたい大きさです」(←1536×1036なんてサイズの家族写真が!?)。
「HPに使う音楽は"使わない方がいい"なら、ビルダーや音楽サイトで提供しないんじゃないでしょうか?」(それは一理あるかもしれないが、でもしかし)。
挙げ句、「600kをダウンロードするのはちょっと見る側としては時間がかかる」の返答に
「何かシステム的に異常があるのでは?」
とまで言われてしまった。もう、絶句(うちはISDN回線……一応……)。
指摘や苦情が腹立たしいのはわからんでもないけど、そこをぐっと堪えて「貴重な御意見ありがとうございました」とでも返してくれれば角は立たないものなのに、26行にも渡る喧嘩腰の返答が返ってくるとは思わなかった。自分の無知の棚上げさ加減に唖然とする。

そんなこんながあり、ともかくは山盛りの牡蠣が我が家に届いた。

とにかく大きい。中サイズでも手のひらから溢れるほど大きいけれど、「特大」に至っては長さ25cmはあるんじゃないかという大きさだ。牡蠣用ナイフも買ってみた。台所の流しの前にて、先端が尖る細いナイフ右手に構え、軍手をはめた手で牡蠣を押さえつつショリショリと殻を開けていく。中からプリプリの白い身がぷるんと顔を見せた。ううううう、美味しそう。インターネット担当者は気に入らないけど(←まだ言ってる)、牡蠣には罪はない。ていうかとてもとても美味しそうだ。

軍手をはめたままの手でだんなと顔を見合わせて、
「うう、美味しそうだよ……」
「今!今すぐに喰っちまおう、ひとつ!」
と言うや否や、テーブルに用意してあるレモンを取って流し台の前に戻り、キュッと絞ってそのまま喰った。冷たい身がふるんと喉の奥を滑っていって、そこには生臭さなんて少しもない。甘さと少しの塩気とレモンの酸味と共に牡蠣の芳香がふわわわわんと喉の奥から舌全体口全体に広がってきて、「あ、下手な店で喰ったりするものより全然美味しい……」としみじみ思ったのだった。これ!これ、美味しい!マジで!すごく!

あやうく台所の流しの前で軍手をはめたまま宴会を始めそうになってしまったのである。慌てて食卓へ一度戻って酒など酌み交わし、再び台所へ。目の色を変えた私たちは、我が家分14個の牡蠣をひたすらショリショリ開け始める。開けにくいものは炭火の網の上で焼き牡蠣に。
生のところにレモンをキュッと絞って万能葱の刻みを散らす。別のものにはカボスなんかも絞ってみる。醤油ひとたらしも悪くない。焼き牡蠣には刻みにんにくをたっぷり練り込んだバターを落とし、あるいは醤油とレモンと万能葱で和風に。どれをどうやって食べても、涙ちょちょぎれるほど美味しかった。そうだ、これが牡蠣だ。牡蠣の味だ。

最後には、
「あ、この殻に残った汁がきっと美味しい……」
と、焼き牡蠣の殻に溜まった牡蠣スープににんにくバターを溶かして御飯にかけるという暴挙に及んだ。牡蠣風味にんにくバターライス。外食じゃ絶対できないような所業だ。
「ああっ、これはダメだ美味しすぎる!」
「人間がダメになる!」
「この味は、罪だよ罪悪だよ〜」
と、最後にははちゃめちゃにわけわからない事を吠えながら御飯をかきこむことになったのだった。

あー、旨かったシアワセだった。1人あたま7個の牡蠣じゃ全然物足りなく感じてしまう。
「今度は1人あたま15個くらいで!」
と拳を握りつつ、「でも今度はファックスか電話で注文しようね……」と言い合ってしまう私たちだった。

12/2 (日)
半熟卵のオムライス (夕御飯)
ピザトースト
アイスカフェオレ

結婚して2年ばかり経った頃、ピザトーストを作ったらだんなに喜ばれたことがある。
「あ、俺、ピザトーストとても好きなんだー♪」
と言われてから、たまには作ろうと何となく心掛けてはいたものの、久しぶりのピザトースト。

4枚切りの分厚い食パンにバターをしっかり塗り、その上にたっぷりのピザソース。本当はベーコンを散らした方が美味しいけどと思いつつ残りものだったウィンナーを輪切りにして並べ、薄切りピーマンと玉ねぎもどっさりと。上にはピザ用チーズを山盛りに、「……もうちょっと?」と更に山盛りにしてオーブンへ。焼けて溶けていくチーズを眺めて、「ももも、もう少し?」と更にエクストラチーズをぶっかけて焼けゆくパンを眺めてみた。10分ほど焼いて、めでたくアツアツのピザトースト完成。パンはサクサク、チーズもとろーり、玉ねぎもピーマンも程良く火が通っていてばっちりの状態だ。

週末は寒くなると聞いていたけど案外と今日は温かくて、冷たいカフェオレなぞ飲みながらのピザトースト。
今日は近くのホームセンターにお買い物に行こう。

稲毛 回転寿司「銚子丸」にて
 ねぎとろ軍艦
 関アジ
 イクラ
 サーモン
 ねぎとろ巻き
 寒ブリ
 煮穴子
 うずらねぎとろ
 などなど、3人で4000円くらい也

つい先週に生涯二度目の回転寿司を体験してからというもの(←幼き頃にイクラが糸引く店に入ってからというもの、回転寿司とは無縁の人生だった)、すっかり回転寿司が面白くて仕方のなくなってしまった私。
「今日も行こうよ〜、ホームセンターの近くにあったじゃん〜」
と呆れるだんなを誘って今週も回転寿司。

今日入った「銚子丸」なる回転寿司屋は、千葉県内に10店ほど広がるチェーン店だ。人気があるらしい。
ファミレス然としたドアをくぐると50席ほどはあるカウンターが満席状態、待ち人も15人ほどいる中、マイクで「2名様でお越しの○○さまぁ〜」なんて案内がひっきりなしに流れるような、威勢の良い(というか騒がしいというか)な店だった。カウンター内のおっちゃんたちも「いらっしゃいませぇ!」「お待たせいたしましたぁ!」と声を揃えて大合唱。大変に礼儀正しい(というか騒がしい)というか……。

これでもかと山盛りにされているネギトロやらタタキの軍艦やら、子供連れも多いのかジュースやらゼリーやらメロンやら、いかにも「この皿は高いです」という感じの黒光りする皿に盛られた高そうな握りものやら、そんなものが続々と右から左へ流れていく。目の前の蛇口からティーバッグ入りの自分の湯飲みに熱湯を注いではお茶にして(←この仕掛けを知った時、ものすごく感動したのはヒミツ)、がぶがぶ飲みながら好みのものを取っていく。

軍艦ものはおしなべて大盛りすぎるほど大盛りで、にぎりのネタも案外と大きい。食べたいものは大体が1皿250円クラスで決して安いとは思えなかったけれどお腹一杯になってみると支払い金額は思いの外安かった。
トロンと脂の乗ってキラキラ光った関アジも旨かったし、目の前で解体したやつを「ただいま中落ちをタタキにしております〜」なんて案内されてたネギトロ巻きも勧められるままに1本貰い、「さらに寒ブリでございます〜」なんて営業されたカシラのにぎりもしっかり貰ってしまった。お店の狙い通りの消費行動をしてしまう私たち。情けない。

最後には「うずらねぎとろ」でシメ。これ、都内近郊に支店がある「玉寿司」の名物と同じものだ。店によって(銀座とか台場とか新宿とか千葉とか)は「男女ペアで7000円食べ放題」なんてやっていて、よく行ったものだった。行くと必ず「とろうずら」を2〜3回注文したもので。
軍艦にしたまぐろのたたきにうずらの卵を生のままころんと落としたものを、「懐かしいわぁ」と大口開けて食べ、すっかり満腹になって店を後にした。

回転寿司も、全然捨てたもんじゃないのである。今まで馬鹿にしていてごめん、と先週に続いて回転寿司への愛を深めてしまったのであった。
……でも、「うずらねぎとろ」はやっぱり「玉寿司」の方が美味しかったのである。今日のは白身も入っていた、玉寿司のは黄身だけを落としている、それくらいの小さな違いではあったりするんだけど。

半熟卵のオムライス
よなよなエール「ポーター」、アイスカフェオレ

「なんか、オムライスみたいなのが食べたい……」
とのだんなの言が端を発し、
「うん、そういえばケチャップ味のものが懐かしいような」
と私が続いた。というわけで、今晩はオムライス。卵は1人2個。

鶏肉と玉ねぎ入りのチキンライスをだんなが中華鍋でせっせか炒め、私は卵を焼く手伝いなぞを。
「卵、オムレツみたいに焼いたやつを御飯に上にふわっとかけたいの」
とリクエストしたらば、だんながオムレツにしてくれた。ケチャップにょろにょろ盛大にかけて、食べる。

お供には、最近12缶どかんと届いたエールビール、「ポーター」。
軽井沢「よなよなエール」の限定醸造ビールを今年も頼んでしまった。苦み強めの黒々とした"エール"はロースト臭のような香ばしさがあって良い感じ。

ちと早いかと思いつつクリスマスツリーなど出して家中に一応クリスマスじみた飾りなどちらちらと置いてみたりして、充実したようなのんびりしたような、良い週末でございました。

12/3 (月)
アサリのガーリックバター焼き (夕御飯)
チーズ山盛りトースト
アイスカフェオレ

週明け早々、寝坊した。ばたばたと8時半前にだんなを見送った後に洗濯物をだらだらと干し、今日は一日おうちでお仕事。明日原稿を渡さなきゃいけない仕事があったりするもんだから、今日は本当に真面目に仕事をしなければいけない。ワイドショーなど見ていてはいけないのである。

気合い入れて仕事しようと、朝御飯はとろけるチーズ山盛りの厚切りトースト。これでもかとピザ用チーズを山盛りにしたパンをじっくり焼いて、すっかり溶けたところをがふがふと食べた。さ、お仕事お仕事。

日清製粉 クールン(レアチーズケーキ)
アイスカフェオレ

あまり大きな声では言えないけれど、私は「クールン」が大好きなのだ。日清製粉から出ている、インスタントケーキ。ビスケット生地用の粉に牛乳を落として湿らせ、皿に貼り付けて台とし、チーズクリーム生地用の粉にも牛乳混ぜてかき混ぜて、台の上に流して冷蔵庫で冷やすだけ。恐ろしく簡単でジャンクなお菓子だ。でも、このモサモサした感じのビスケット生地だとか、ちゃんと溶かしてもどことなく粉っぽさが漂うようなチーズ生地にどういうわけか猛烈な懐かしさを覚えてしまう。で、ついつい買ってきては、コーヒーカップの受け皿に丁度のサイズにできあがるインスタントチーズケーキを一気食いしてしまうのだった。一気食いはいかんだろう、一気食いは。

今日は1日忙しい予定。昨日だんなが買ってきてくれた「クールン」が台所に置いてあるのを見て、ついついふらふらと朝食後に作ってしまった。昼はそれを抱えて一気食い(←やっぱり一気食いするんかい)。
皿を抱えてシアワセにフォークをかつかつと動かしつつ食べていたところ、電話があったり届け物が来たりと何やらバタバタ。半分食べたところで冷蔵庫にしまっておいたら、続きを食べるのを忘れていた。

で、夕方、息子が保育園から帰ってきたところで一緒に続きを喰う。
「おおお!けーきだ!」
と皿を見て喜んだ息子は、不自然に半分無くなっている皿の上を見て
「かーちゃん、これ、ここ、たべちゃったのぉ〜?」
と上目遣いに聞いてきた。はい、食べましたとも。文句ある?

アサリの深川煮
アサリのガーリックバター焼き
じゃがいもとキャベツのホットサラダ
ごぼうとシメジの吸い物
羽釜御飯
モルツ、アイスウーロン茶

ほうじ茶
柳屋(人形町)の鯛焼き
六花亭のバターサンド

先日買ったアサリが1kgも冷蔵庫に入っている。「これ、喰っちまわなきゃなぁ……」と、今日はアサリのおかずをいくつか。しかもデザートもたっぷりで嬉しい夕御飯。

アサリ、半量は「深川煮」なるものにしてみた。アサリを酒蒸しにして殻を剥き、蒸し汁に醤油を垂らして葱や生姜と共にサッと火を通す。塩気のあるものは醤油ひとたらしだけだったのに、塩辛い煮物になった。「深川丼」は味噌味らしいけど、これは醤油味。最後に焼き海苔の刻みをパッと散らす。
そして残りはガーリックバター焼きに。刻みにんにくを散らしてバターのかけらをぽいぽいとあちらこちらに落としてオーブン焼き。
吸い物も作った。ついでに余りじゃがいもとキャベツで塩味のホットサラダに。

ガーリックバターのアサリはビールとものすごく合ったけれど、深川煮は日本酒が恋しくなった。塩気が強いそれは御飯にぶっかけて丼にして食べちゃう。先日から牡蠣やら何やらを食べているので、最近ミネラル分が身体に漲っている感じ。

そして、デザートその一は、だんなが昼に行った人形町で買ってきてくれた「柳屋」の鯛焼き。そして、だんなの友人が北海道から送ってくださった「六花亭」のバターサンド。どっちも大好物なので両方食べちゃう。
食後にほうじ茶を入れて囓る鯛焼きはしみじみ美味しかった。トースターで中まで温めると、カリッとした皮が更にカリッとして、粒あんとこしあんの境目のようなねっとりとしたあんこがとっても良い感じ。軽い食感の薄い皮の鯛焼き、並んで買ってきてくれただんなに感謝。

で、
「第一のデザート、おわりぃ〜」
とか言いながら今度はバターサンド喰ってるんである。大きな包みだと思ったら、中には「マルセイバタ」(←"バター"ではなく"バタ"であるのがミソらしい)も2箱入っていた。バターサンドと同じレトロな模様がついた美味しそうなバター。これはおそらく近日中にタラコスパに化けそうな予感。

しっとりしたビスケットにレーズンたっぷりのバタークリームが挟まるバターサンドもまた、「そうそうこれこれ、バターサンドバターサンド」と小躍りしたくなる味だった。変わらない味が嬉しい。20個も入った箱を前に
「これ、ぼくのー」
と息子が言い、
「何言ってんだよ、かーちゃんのだよー」
と私が反論し、
「二人とも違うだろう!これは俺んだ!」
とだんなが吠えた。でもきっと私と息子がほとんど食べちゃうのである、まず間違いなく。

12/4 (火)
天狗(稲毛)にて「鰻重」 (夕御飯)
恐るべきさぬきうどん
アイスウーロン茶

先日、けったいなものをいただいてしまった。
恐るべきさぬきうどん」。
本ではない。うどんである。

製造販売が宮武讃岐製麺所という、これまた香川へうどん巡礼をした者ならば「んんんんん?」と眉を寄せてしまいたくなるネーミングの会社だ。6食入りの半生麺で、濃縮のだしつき。うどんは10分前後茹で、添付のだしを薄めてかけても良し、つけても良し、という怪しい一品だ。しかも「うどん巡礼中」なんて黄色地に黒字のステッカーまで入っている。シャレで作られたような怪しい讃岐うどんなのであった。

「うーん、怪しい」
「食べてみる?」
「うーーーーん、……怪しい」
と箱をつつきつつ2週間ばかり経ち、食べてみることにした。寒い日には「釜あげ」だろう、やはり。8分茹でたうどんを水切りして即座に丼に盛り、熱く溶いただしをぶっかける。少しはそれっぽくなるかしらと万能葱の刻みとか、すり胡麻などを用意してみた。いただきます。

た、確かにあの讃岐のうどん独特のいりこだしの味がしないではない。ぴよーんと伸びるコシが再現できてなくもない……ということもない(←どっちじゃ)。非常に微妙な味で、やっぱりそこは、そこはかとなくジャンクな味でもあり、香川への郷愁が収まるような高まるような、とにかく微妙なうどんだった。

「ほらほら、あれだよ、バリ島で喰った"和朝食"状態」
「あー、あの"これのどこが和食だよ、全然違うよ!"みたいな和朝食」
「それの讃岐うどん版ってことで、ひとつ」
唇で切れてしまうような、やわいうどんをツルツルと啜りつつ、そんな事を話す私たちだった。

バリ島の「和朝食」、大変怪しく楽しかったのだ。「鮭の塩焼き」は脂の乗りまくったコッテリした鮭のソテーで、「温泉玉子」はポーチドエッグ。ほうれん草のおひたしや、大根おろし、ひじきの煮付けまであったのに、全てが微妙に日本のものではない味がした。塩の味からして違うんだから仕方ないよね逆に日本食への憧憬が募っちゃうわぁ、なんて笑いながら食べた和朝食。
……香川に行きたくなってしまった。(いやでも、不味いか美味いかで言ったらまぁまぁ美味かったんだけど)

コンビニのツナ卵サンド
カルピスウォーター

今日はお仕事。朝から雨だ。寒いし濡れるしちょっと憂鬱。昼に外に出る気力もなさそうだと、今日はコンビニでサンドイッチを買って行ってしまった。

棚に並んでいる時はなんとなく美味しそうに見えるコンビニのサンドイッチだけど、一度食べると1ヶ月くらいは食べたくなくなってしまう。私の大好きなツナサンドが姑息なツナサンドだからだ。
なぁ〜ぜツナサンドにマカロニが入っているのだ。
全面的にツナかと思って囓ると、妙にぽよよんとした食感のシェルマカロニが入っていて、それがどうにもうざったい。卵サンドはちゃんと卵がみっちり入っているのに、何故ツナには混ぜもの入りなのか。おそらく原価の関係で、ツナたっぷりというわけにいかないのだろうけど、それにしてもどうにかなりませんかローソンさん。

「あー、そうだよ、ツナにはマカロニが入ってたんだ、バカバカ私のバカ」
すっかり忘れて買ってしまった己を悔やみつつ、暖房の効いた研究室で食べる昼飯はそれなりに平和だった。

稲毛 天狗にて
 シーザーサラダ
 サイコロステーキ
 白海老の唐揚げ
 ポテトフライ
 バターコーン
 さっぱり厚揚げ
 生ハムとチーズの薄焼きピザ
 鰻重
 すき焼き定食
 ブラウンビール中
 生中
 モスコミュール
 グレープフルーツサワー
 コカコーラ
……で、親子3人、宴会。

仕事を終えて、その後、別の打ち合わせ。帰ってきたのは7時過ぎで、しかもあんまりやる気もなく、夕飯は外食してしまうことにした。
最寄り駅の改札で、帰ってきただんなを息子と一緒にお出迎え。そのままほてほてとお気に入りのチェーン居酒屋「天狗」へ行くことに。

だんなも私も、学生時代から「天狗」が大好きだった。
「サイコロステーキは必須だよね!」
とか、
「昔は巨大な爆弾おむすびがあってねぇ……」
「オレンジシャーベットなんかが美味しくてねぇ……」
なんて、妙に天狗は思い出深い居酒屋なのだった。

最初は当然ビーーール。そしてサイコロステーキ。息子用にフライドポテトとバターコーン。ここまではもう決まり切った注文だ。
「あとあと、シーザーサラダ!」
「この、海老の唐揚げも、食べていーい?」
とぽいぽいと注文を重ね、テーブルの上は食べ物でいっぱいになった。たっぷりのビールと揚げ物おかず。身体には悪そうだけど、シアワセだ。

相変わらず大量の注文をしておきながら、最後に「定食」とか喰ってるだんななのである。そういう私も「鰻重」喰ってる場合じゃないと思わないでもない。
うー、食べて飲んで帰宅は10時。食事の支度も片付けもしなくていい日は、やっぱりちょっとだけ楽でいーなー、なんて思っちゃったりして。

12/5 (水)
たらこスパゲッティ (夕御飯)
マロンパン
エッグロール
カフェオレ

今日はだんな、計画年休なのである(先週休んだのは計画外年休なのである……って、そんなに休んで大丈夫なのか、だーりん……)。
水曜日お昼の回の「演劇集団キャラメルボックス 2001クリスマス公演 ブリザード・ミュージック」を一緒に見に行くのが今日の目的。ぽやぽやしていたらチケット取るのが遅れてしまって平日にしか取れなくなってしまったのだった。
学生時代、クラスメートがここの制作スタッフに入っていたことがきっかけで見始めた劇団だけど、結婚してからだんなも一緒にはまってしまって、何だかんだで毎回見に行ってしまい、早や数年。

で、昨日買ってきた菓子パンにて朝御飯。保育園に預けてしまったら迎えの時間に間に合わないので、息子も保育園お休み。劇団側のサービスの一環で、昼間の公演のいくつかでは4000円負担で上演中の子供の面倒を見てくれるのであった。だんなの実家に毎回見ていてもらうのも気を遣うので、このサービスを頼んでみることに。

熱いカフェオレに、半割卵が乗るマヨネーズ味のパン、マロンクリームが挟まるコッペパン。では、でかけましょう。

池袋 福來にて
 ランチバイキング\1,000也

「電車、乗るぅ〜?」
「のるよー」
「遊びに、行くぅ〜?」
「いくよー」
と、今ひとつわかっていない息子を連れだした事にちょっとばかり良心が痛み、
「お昼御飯、何食べたい?」
と聞いてみた。即座に
「ちゃーはん!」
という答えが。そうか、チャーハンか。劇場は池袋だ。池袋なら……久しぶりの「福來」(ふくらい)はどうだろう。

ボーリング場が入るビル、ビリヤード場とゲームセンターがあるフロアから階段を上がるという、大変怪しい場所にその店はある。1階には周富徳の似顔絵入りの「周富徳もおすすめ!」などという大変怪しい看板がかかっていて、「うわっ不味そうかもっ」と思ってしまう外観だ(いやだって、そういう店で美味しいとこってほとんどない……)。
「いや、でも美味しいかもしれないし」
「うーん、写真は美味しそうなんだけど」
と、数年前にふらっと入ってみたらこれが美味しかったのだった。夜も良いけど、昼の1000円バイキングも素晴らしい。1000円でボリュームたっぷり、満足できる品揃えなのだった。

久しぶりに入った店は相変わらず混んでいて、昼12時を過ぎると同時に満席になりそうな勢い。
給食用のトレイのような、いくつかの窪みがある皿兼用のトレイは御一人様1枚限り。上にこてこてとおかずや御飯を乗せてはテーブルに行き、それを持って再びお代わりに向かう。1000円なので文句は言えない。

豚の耳の前菜だとか、八角の香りのゆで卵、手羽の蒸し煮ににんにくの芽の炒め。大皿に素朴な料理がどかっと盛られ、それがビュッフェカウンターに重なるようにどかどかと置かれている。水餃子や春巻などの点心類は人気のようで、出たと思ったらすぐになくなってしまう。空いた皿の空間にはまた別の皿が出てくる。座っていると、「え、こんなのさっき無かったじゃん!」という美味そうな皿がどかどか出てくるので、全く油断のならない店なのだった。

ちょっとばかり塩気の強い炒め物は、それでもモヤシはシャキシャキと、貝柱もたっぷり入っていてとても良い感じだ。豆鼓の味のするビリビリ辛い麻婆豆腐も悪くない。デザートにはあんこの入った揚げ春巻とか胡麻団子まであるのだった。息子待望の炒飯も当然たっぷり。

「……これで満足ですか?」
と息子に尋ねたら
「おそば!おそばたべるよー」
と焼きそばに情熱を傾けているのであった。……チャーハン喰いたかったんじゃなかったんかい。

たらこスパゲッティ
よなよなエール、アイスウーロン茶

で、劇は楽しかったのである。息子も託児サービスを満喫したようなのである。にこにこと「これ、つくったのー」と紙皿にシールを貼って作ったクリスマスツリーを持ち帰ってきた。
おつかれさま、と、トイザラスなど歩き、ついでにUNIQLOなども覗き、仕事も一段落したのでPS2ソフト「トロと休日」「メタルギアソリッド2」など購入し、デパ地下でマンゴプリンなど買って帰ってきた。そしたら夜も8時を過ぎていて、さすがにちょっと疲れてしまった。

昼にバイキング飯を堪能したので、夜はさっぱりと。焼き海苔をバラッと散らしたたらこスパゲッティを作ってさくさく食べた。バターはいただきものの「六花亭 十勝マルセイバタ」(←"バター"ではなく"バタ")。マルセイバターサンドと同じ赤模様のパッケージがとてもキュートだ。美味しいバターサンドの原料のバターだから、不味いはずがない。ていうか、美味しい。

ふわっと漂う美味しいバターの風味はたらこスパゲッティには不可欠なものだったりして、今日のたらこスパはいつになく美味しかった。
「ちょっとだけでいーよねー」
とか言いながら、1人120gのパスタとか喰ってるんである。

12/6 (木)
サンルイ島(葉山)の「バスク」 (夜のおやつ)
ソーセージエッグマフィン
カフェオレ

あまり好物ではないけれど、たまーに「イングリッシュマフィン」が食べたくなる。細かい粉がまぶしてある丸くて平たい白いパンだ。ちょっとだけ塩気があって、ぽそっとした食感のそのパンはそれほど好きでもないけれど、時々無性に食べたくなる。で、買ってきた。

中に挟むのはソーセージと目玉焼き。バターを塗って焼いたマフィンにアツアツのソーセージと目玉焼きを挟んでがぶっといく。何だかマクドナルドの朝御飯みたいだ。
昨日の疲れが微量に残っていて、肩は凝ってるし眠いし背中まで凝ってるし、でちょっとダルめの木曜日。でもお仕事に行かなくちゃ〜。ふらふら〜。

麦チョコ
小岩井ミルクとコーヒー

仕事の合間につまもうと買っていった麦チョコと、コーヒー牛乳を持って出勤。ところが昼も忙しくて食事に出る余裕がなくなってしまった。
「今日は1/3くらいだけ食べるんだー、続きは来週食べるんだー」
と買ったはずの麦チョコをもきゅもきゅと半分ほど食べ、午後の仕事で更に続きをもきゅもきゅと食べ、結局仕事を終えるまでに1袋空にしてしまった。200gの麦チョコがパァ。

は、鼻血が出そうかも。

「さぼてん」の鳥唐ヒレカツ弁当
モルツ

葉山「サンルイ島」のバスク
セイロンティー

冷蔵庫に残っていた牛肉を食べよう、と買い物せずに帰宅してみたところ、その牛肉が見事に昇天してしまっていた。変色しているというか匂うというか臭いというか、とりあえず人間が食べてよい物体ではなくなってしまっていた。ご、ごめん牛肉。すまん牛肉。あああ、勿体ない。

「牛肉が死滅しました」
とだんなに電話して、結局お弁当を買ってきてもらった。鶏肉の唐揚げとヒレカツ入りのお弁当と、ねぎとろ巻きなどの寿司もいくつか。家族で適当によってたかったつまみまくる。

今日は全体的にやる気のない御飯が続いたけれど、夜のおやつはサイコーに美味しかった。

魚やら調理器具やら羽釜やらをいつも買っている「クック&ダイン」で、先日から取り扱いを始めたという「サンルイ島」の焼き菓子。
葉山が本店だというその店の、載る写真がどれも旨そうで良い感じでずーーーーっと気になっていたのをついに買ってしまったのだ。

マドレーヌなどの焼き菓子セットの小さいやつと、栗のケーキ「バスク」。渋皮つきの淡い甘さの栗がごろんごろんと大量に詰まったケーキはバターケーキとクッキーの合間のようなサクサクとした食感で、バターと洋酒の香りがふわふわと漂ってきた。周囲のエッジ部分のサックサクの部分と、内部のちょっとだけしっとりした感じのサクサク部分の歯触りがとても快感。そこら中をポロポロと散らかしながら食べるケーキは今日一番美味しかった。
「おいしいわぁ」
と思っていたら、今月の『dancyu』に「チョコレートケーキの名品」としてこの店の「ショコラ・フォー」が紹介されていた。あ、こ、これもオイシソ……。

12/7 (金)
鶏炊き込み御飯 (夕御飯)
「六花亭」のマルセイバターサンド
アイスカフェオレ

ここしばらく、寝るのは12時起きるのは7時という生活なのである。それほど寝不足というわけじゃないはずなのに、どうにも最近眠くて眠くてダレダレなのであった。いつも寝坊だ。早く寝れば良いのにと思いつつ、ついつい離せないコントローラー。現在私は(だんなもちょっと)「メタルギアソリッド2」(←PS2ソフト……)に夢中になっているのであった。テロリストうじゃうじゃの基地に単身潜入するアクションゲームだ。

このテのアクションゲームと言えば、「BIOHAZARD」系はザコ敵のゾンビ相手にあっさり体力をゼロにされ、スタイリッシュハードアクション「Devil May Cry」は一向にスタイリッシュにキメられず魔物の餌食となり、いや、それどころか「スーパーマリオブラザーズ」をクリアできたこともないのである(←いつの時代だそれは)。アクションものは、私にとって鬼門だ。
それでも、物陰にじーっと隠れて、敵が背を向けたのを見計らって「逃げろ逃げろ隠れろ〜」とわたわたするこのゲームは性に合っているらしかった。めちゃめちゃ楽しい。

そういうわけで、昨日あたりからおサルのようにやりまくっているのである(そう、日記の更新すら放棄してしまうくらい)。あっさり今朝も寝坊してしまい、朝御飯はバターサンドという「おやつじゃないんだから」みたいなものになってしまった。朝から食べるバターサンド。バターたっぷりレーズンたっぷりのこれは、1つ食べるだけでも案外と腹持ちが良くてシアワセなのだった。今日は予定なし、ゲームしまくるのだ。むふふふふん。

ほうれん草のおひたし
納豆
御飯
いぶりがっこ
抹茶入り玄米茶

「納豆食べたいぞ」
と、一人の昼は和風にしてみた。冷凍御飯をチンして納豆だして沢庵並べて、ついでに冷蔵庫に入っていたほうれん草はちゃっちゃと茹でておひたしにした。ちょっとでもまともなものを食べようと努力しないと、油断すると「ポテトチップ傍らにテレビの前にて連続9時間膠着状態」なんてことになりかねない。ああっ、楽しい。不穏なゲームなのに楽しい。

で、山盛り納豆をたっぷり堪能して口の中をニカニカにしながらゲーム続行。「単独潜入する人が納豆臭いのは、いかがだろうか」と良くわからない理由で歯を磨きにゲーム中断。コンティニュー回数は数えきれず、敵に見つかることも幾知れず、なんとか「EASY」モードをクリアできたのだった。

焼き鳥(つくね・ねぎま・にんにくま・皮)
キャベツの味噌汁
鶏炊き込み御飯
よなよなエール、アイスウーロン茶

そんなこんなで、今日は準備時間30分の夕御飯。真空パックになった具とスープがセットになった「炊き込み御飯の素」を使った炊き込み御飯。炊いている間にキャベツと油揚げを放り込んだ味噌汁を作り、酒の肴に買ってきた(いや、だんなに買ってきてもらった)焼き鳥が数本。ビールで乾杯して焼き鳥つまんでいる間に御飯も炊けて味噌汁も煮えて、メインディッシュらしいメインディッシュがいまひとつない夕食になった。
「ま、炊き込み御飯はそれだけでメインディッシュみたいなもんだしー」
と言い訳しながら。

一見すごく美味しそうで買ってきた「炊き込み御飯の素」は、今ひとつ旨味が足りない感じでちょっとばかり味気なかった。肉はなんとなくパサパサだし、筍やらにんじんやら椎茸やら、色々な具が入っている割にはあまりその味がしない。今度は自分で油揚げとか椎茸とか用意して自分で炊こうと心に決めたのだった。

12/8 (土)
海苔ソースのクリームパスタ (夕御飯)
温泉卵
鶏炊き込み御飯
キャベツの味噌汁

ここ数日、「メタルギアソリッド2」というテレビゲームにすっかりハマッているのである。昨日さんざん遊んだくせに(日記の更新をさぼるほど遊んだくせに)、今朝も一人8時半から起き出してピコピコと敵地に単独潜入しているのであった。ちょっと呆れた風のだんなが起きてきたのは10時過ぎ。

昨日の残り御飯に残り味噌汁の朝御飯。
「卵焼きでもする?」
と開けた冷蔵庫の中、買い置きの温泉卵と目があったのでそいつを食べることにする。

温泉卵を作るのは難しくないらしいけれど、どうもあの添付のタレの味が好きだったりして、タレつきの温泉卵のパックを買ってきてしまう。お菓子のようにねっとりぷりんとした口当たりの黄身も白身も、独特の食感で良い感じ。

モスバーガーの
 てりやきチキンバーガー
 オニオンリング&フライドポテト
 クラムチャウダー
コカコーラ

今年のクリスマス、モスバーガーではシフォンケーキだのモスチキンだのを販売するキャンペーンをやっているのである。クリスマスイブだとか当日だとかにファーストフードのものを食べるというのはどことなく切なさが漂ってしまいそうな気がするけれど、でもシフォンケーキ、妙に美味しそうなのである。クリスマスイブが嫌ならイブイブやイブイブイブに食べれば問題ないかもしれない。完全予約販売なので、とっとと予約しなければいけないのであった。

「というわけで、申し込みついでに今日のお昼はモスバーガー」
ということになった今日のお昼御飯。

冬のモスバーガーはスープ類が色々あるのがとても嬉しい。クラムチャウダーもコーンスープも、どれもしみじみ美味しいのだ。だんなも私もクラムチャウダー、そして、学生時代はトマトが嫌いでバーガー類のほとんどを食べることができずこればっか食べていた「てりやきチキンバーガー」。甘辛いタレも、挟まるモシャモシャのレタスも変わらない美味しさだ。

最近、「ファーストフード」に対抗するかのような「スローフード」というものがブームになっているらしい。イタリアが発祥の活動で、「伝統的な料理や食材を見直して、ゆったり作って喰うのも良いんじゃないかい?」というようなものだ。我が家で色々とはまっている「羽釜御飯」だの「パスタ打ち」だのも、「スローフード」の一種と言えるのかもしれない、もしかしたら。

切り身の魚じゃなくて、丸のままの魚を買ってさばくことは楽しい。炊飯器じゃなくて炎で炊く御飯というのもサイコーに美味しい。元は粉の状態だった自家製パスタを見るのは感動だ。でも、ファーストフードはファーストフードでやっぱり便利だし美味しいとも思う。悪名高きマクドナルドだって「くは〜!いつもの味!美味しくないけど、なんか美味しい〜」と私は思ってしまう。

で、今一番読みたい本は『ファストフードが世界を食いつくす』(シュローサーエリック/著 楡井浩一/訳 草思社)だったりして。それを読んでもきっと私はファーストフードに行ってしまうのだ。

海苔ソースのクリームパスタ
鶏肉のオーブン焼き
アイスウーロン茶

午後からだんなは出かけていった。友人Tさんの結婚式二次会幹事を引き受け、その打ち合わせに行った模様だ。
何となく海苔のクリームソースのパスタが恋しくなってきたので、作ることにした。

焼き海苔を適当な量の湯で煮立ててペースト状にほぐし、生クリームをダバダ〜と加えてちょっとばかり煮詰め、味付けは塩と柚子胡椒できめて茹でたパスタに絡める。ただそれだけのパスタだ。柚子胡椒が唐辛子の代わりでもあり、ちょっと心持ち多めに放り込むくらいで丁度美味しいような感じ。おそろしく簡単なレシピだけど、実際、お料理教室でもこんな感じだったらしいので良しとする。

息子も食べるので、今日はちょっとばかり柚子胡椒は少なめに。ついでに鶏肉を一口大にして岩塩ガリガリかけて黒胡椒もガリガリかけてオーブンへ。焼いた肉をもりもりと食べながら、油断すると歯が「おはぐろ」状態になってしまうリングイネをたっぷり食べた。青黒い海苔がどっさり絡まるパスタは、海苔と知らなければ何だかびっくりしてしまいそうな様相で、コクがあるのにさっぱりとしていていくらでも食べられそうだ。

早めの夕飯を済ませて、夜は引き続きゲーム。画面を横から眺めていた息子が
「かーちゃん、これ、なにしてるの?」
などと聞いてくるので
「今ねー、地雷除去してるのよー」
「んとねー、あそこの無人偵察機をランチャーで破壊するのー」
などと正直に答えていたところ、横でほふく前進の真似をし始めてしまった。じょ、情操教育にものすごく良くないですか、もしかして。
(ま、妊娠中も「胎教に良くなさそう」とか言いながら「BIOHAZARD」とかやっていたような気が)

12/9 (日)
今日は水炊き〜♪ (夕御飯)
Johanの
 ツナマヨパン
 タンタオ
 ミニチョコクロワッサン
カフェオレ

午前9時半起床、だんなが昨夜買ってきてくれたJohanのパンで朝御飯。チョコ大好き息子のためにチョコパンを探したらしいけど
「ミニクロワッサンのチョコ味しかなくてさー」
とざらざらとミニクロワッサンも買ってきた。甘く小さなクロワッサンはみんな大好き。ダイエットの神様には嫌われること間違いなしという気がしないでもないけれど。

「タンタオ」は香港デザート「蛋撻」("タンタ""ダーンタッ"などと発音する……らしい)、日本では「ポルトガルエッグタルト」という名で有名なアレだ。香港菓子としてのそれとはちょっと違う、パン生地っぽい皮に焼きプリンのような具が入っているもので、味も食感も少々独特でそれがまた美味しい。最近はブームが去ってあまり見かけなくなってしまったけど、やっぱり美味しいんだわ、これ。

稲毛「高円寺ナイルカレー」のポークカレー
アイスカフェオレ

午前中、だんなは「シマヤ」という千葉市内の地酒専門店へ酒を仕入れに行った。私は行ったことがないけれど、なんでも「地酒ならとりあえずここに来い」と遠方からも客が来るような店であるらしい。うきうきと秋田の酒と石川の酒を買ってきた。それに合わせて、「日本酒で一杯やろうね」と今晩は水炊き。私は肉屋に鶏ガラを買い求めに行き、5時間ほどかけてのスープ作りを開始する。

15リットルは入りそうな我が家最大の寸胴鍋で鶏ガラを強火でグラグラ茹でていく。ちょっとばかりケダモノの匂いがする蒸気が台所に溢れる中、昼御飯は少々手抜きをすることにしてしまった。羽釜で御飯を炊いている間、近所のカレー屋「高円寺ナイルカレー」にタッパー持参でルーをいただきに行く。テイクアウトの注文も喜んで受けてくれるその店は、通常は30円増しで発泡スチロールの容器を使用する。タッパーか鍋を持っていけば、容器代はタダだ。3人分のポークカレーのルーが1260円(税込)。はっきり言って4人前はあるんじゃないかというたっぷりな量で、それがまた嬉しいし美味しい。

普通のカレーを想像するとぎょっとしてしまいそうな黒々としたカレーは、今日も美味しかった。じっくり炒めた野菜の味が舌に広がって第一印象は甘く、後味はじんわりと辛い。後を引かない辛さだから、全体としては甘いカレーという感じもする。注文時に頼めば、辛くもしてくれるとか。いつも挑戦しようと思いつつ、ついついいつもの甘いカレーを食べちゃうのだ。

水炊き
(骨付き鶏肉・キャベツ・大根・人参・長ねぎ・豆腐・うどん)
日本酒 : 神亀 ひこ孫 純米吟醸にごり酒
日本酒 : 飛良泉 山廃純米

我が家の「水炊き」は一昨年の冬に「これだ!」というレシピに出会ってしまい、以後ずっとこればかり作っている。最低でも2時間はかかる。その気になったら半日ほど時間をかけてしまう。手間も時間もそれなりにかかるけど、「お店で食べるみたいに(いや、もしかしたらそれ以上に)美味しい……」と感涙にむせんでしまうのだ。冬は豚味噌鍋と水炊きが二大鍋料理という感じだ。そう度々はやる気になれないけれど。

【 水炊きのつくりかた 】

スープの材料(5人分)
鶏ガラ2kg(6羽分くらい)
1カップ
だし昆布10cm角
小さじ2
具の材料
水炊き用鶏肉
キャベツ
長ねぎ
かぶ
にんじん
豆腐
他に大根とか春菊とか椎茸とか餅とか適当に

  1. 大きな鍋に湯を沸かし、沸騰したら鶏ガラを放り込む。沸いたら鍋から上げ、血合いや汚れを水洗い。
  2. 5リットルの水にガラを入れ、ひたすら強火で炊いていく。アクは丁寧に取っていく。
  3. その間に具用の鶏肉を別鍋で一度茹でこぼし、ひたひたの水と酒と昆布、塩を加えて加熱。沸騰してから20分ほど炊き続け、その後、肉は取り出して冷ましておき、茹で汁は取っておく。
  4. 2時間ほど煮詰めた鶏ガラ入りのスープに3.の茹で汁も加えて更に炊く。この頃には金属製のお玉でつついたりすると骨がモロモロと崩れるはず。ガツガツ砕いていくと、スープがどんどん白濁していく。どんどん砕きまくる。
  5. 適度に煮詰まったところでスープを漉して、鍋の準備。
  6. 白濁したスープを楽しむもよし、ポン酢と大根おろしで肉や野菜を堪能するもよし。うどんや雑炊もまた旨い〜。
参考:『dancyu』1999年1月号(プレジデント社)←6ページに渡って記された作り方はもっと詳しくて良い感じです〜

たっぷりのガラを使って炊いて、砕いて砕いて砕きまくったスープは、まるでとんこつスープのように白く濁っている。このスープが涙ちょちょぎれるほど美味しいのだ。スープに岩塩と粒胡椒をガーリガーリ砕いて入れて啜るのも良いし、甘く煮えたキャベツをスープと一緒に噛み締めるのも良い。「もしかしてこれが世界一美味しいキャベツの食べ方なんじゃないだろうか」とさえ思っちゃったりなんかして。
「博多風本格白濁スープ」と、雑誌『dancyu』に紹介されていたこの作り方は、「シーホークホテル&リゾート」総料理長の中牟田さんという人のレシピだった。関東の水炊きは、あまり白濁しているものじゃないと思う。白く濁ったスープは、九州のとんこつラーメンそっくりだ。とても美味しい。

で、たっぷりたっぷり用意したスープも肉も、今日は食べきれなかったのだった。……で、明日の晩も水炊き決定。