食欲魔人日記 01年05月 第1週
5/1 (火)
大涌谷の黒玉子(と山盛りの殻置き場……) (おやつ)
ホテル小涌園朝食バイキングにて
 バタートースト
 クロワッサン
 温泉卵・スクランブルエッグ
 フライドポテト・コーンサラダ・ポテトサラダ
 焼売
 オレンジ・ライチ・パイナップル
 苺ジャムかけヨーグルト
 牛乳・オレンジジュース・紅茶

ホテルの朝御飯。バイキング形式で1800円となかなかお高い。3歳以上は金を取るというので、1週間前に3歳になった息子の年を2歳を偽って入場。せこい私たちであった。すまん小涌園。

学生と思われる若いカップルやグループ客、おばちゃん集団、家族連れ、外国人などなど老若男女国籍を問わずレストランは混雑していた。洋食メニューもあるが和食もある。何故かシュウマイまである。一見盛りだくさんな割に、いまひとつ豪華さに欠けるブッフェ料理だ。

とりあえずパン類を皿に乗せ、スクランブルエッグを盛りつける。サラダ類も取ったところで、「小涌園名物黒玉子」と書かれた札つきの黒い玉子の籠が目に入った。どうやら黄身が固まり白身が柔らかい温泉玉子であるらしい。その場で殻を割り、そばにあるポットからだしを注いで食べる。……私は温泉玉子が大好きだ。当然1つ貰った。

料理は全体的に「これで1800円は暴利すぎる」と憤慨したくなるほどのトホホな品揃えで、それでもオレンジジュースを飲み飲み、パンを囓る。一番美味しかったのはやっぱり黒玉子。
「もう1つ取ってこよーっと」
と更に1つ食べ、
「息子も食べるかなー?え、食べないの?」
と更にもう1つ食べる。気が付いたら3つの温泉玉子が私の腹に消えていた。スクランブルエッグを考えると、通算4個ほどの卵を消費したことになろうか。さすがにちょっと卵取りすぎのような気がしてくる。

部屋に戻ってちょっと休んだ後は、彫刻の森美術館。
「ほらほらフジサンケイグルーープのCMで出てきたアレ!」
「あっあれはポンキッキで出てきたガラスのジャングルジム!」
と本来の筋とはちょっと別の方向で盛り上がっている今日の私たち。

箱根彫刻の森美術館そば 餃子センターにて
 スタミナ餃子定食
 手羽先餃子
 ビール

箱根登山鉄道を終点強羅に向けて上っていくと、途中で「餃子センター」なる怪しげな看板を見ることができる。もう10年以上前からその看板はあって、私はずっと気になっていたのだ。調べたところ、もう創業30年以上にもなる老舗の名物餃子屋であるらしい。彫刻の森美術館から歩いて行けるので、お昼はそこを目指してみることにした。

12時45分。昼の営業は15時までだそうだけど、店の前では15〜6人ほどが待っていた。レジ前の用紙に名前と人数を書き、そばの川などぽーっと眺めつつしばし待つ。「餃子センター」という名前の割に花いっぱいのどこかロマンチックな外装で、中は2階がお座敷だったりとどこかちぐはぐだ。餃子センターという名前にひょっとこや天狗の面はいまいち似合わないと思うが、そういうものが座敷にはあたりまえのように飾られている。芸能人のサインも山ほど。階段に「関根勤」の文字を見て、だんなと妙に盛り上がる。

餃子専門店を名乗るだけに、餃子の種類が妙にすごい。「コーン餃子」「キムチ餃子」「サラダで食べる水餃子」なんてのもある。ここは基本の「餃子定食」、それに「スタミナ餃子定食」、更に追加で「手羽先餃子」も頼んでみた。餃子には当然ビールだ。今日も昼から飲みまくる。

定食には、御飯と味噌汁がついてくる。餃子は全体的にもっちりねっとりとした柔らかさと弾力のあるもので、だけれど皮の焼けた面はパリッと良い具合に焼けている。ふわりと柔らかい餃子は白菜たっぷりで粘りはあるけど水っぽくない。柔らかい餃子は本来あまり好みじゃないけど、こういう餃子も美味しいものだと認識を新たにする。ノーマル餃子にこれでもかとニンニクを加えたようなスタミナ餃子も濃厚で美味しい。

手羽先餃子は、手羽肉の先に餃子のタネを巻いて揚げたものだ。パリッと揚がった手羽は醤油だれの味が染みていてこれまた美味しかった。ビールに合う合う。
店の前に、箱根特集の『YokohamaWalker』を握りしめた人々がうじゃっと並んでいるのを見て、「観光客目当ての店なのか、やっぱり……」と不安に思った気持ちが消えて、上機嫌のまま私たちは今来た道を戻らずに更に先に行くのだった。目的地は強羅駅。

箱根 大涌谷の
 黒玉子

強羅駅からケーブルカーに乗り早雲山駅へ。そこから更にロープーウェーで大涌谷へ。そこは硫黄の煙吹き出す地獄谷だ。標高1000mというそこは草木も枯れる硫黄の匂い立ちこめるところだ。ちょっと壮観。

ここに来たらば「黒玉子」を食べなければならない。6個で500円。ロープーウェーから降りた直後でも購入可能だけど、ここは遊歩道を15分ほどてくてく歩いて再奥の販売所を目指したい。そこでは、上ってきた人ほとんど全てが黒い卵の殻を剥いている、というなかなか壮観な光景が広がっている。すごい勢いで殻のゴミが出るため、ゴミ箱などは、ない。皆、店の前の机で剥いてそのまま殻を積み上げていく。そこで、店の周囲は黒い卵の殻だらけという状況になる。もう5年以上も前に来たときもこうだった。ここはいつでも卵の殻だらけ。
この卵、1個食べれば寿命が7年延びるんだってさー。

黒卵は温泉で茹でた卵ではあるけれど、「温泉卵」ではなくて普通の茹で卵だ。貰った袋はまだできあがったばかりのようにアツアツだった。
看板に書いてあった作り方はこんな感じ。

  1. 温泉池の中で玉子を10〜15分ゆでます。
  2. この時に温泉に含まれる硫化水素と鉄分が結合して硫化鉄となって自然に黒くなります。
  3. 温泉池から出してさらに5分ほど蒸してできあがりです。
  4. 尚、時間の経過により色があせますが品質に以上はございません。

6個の卵を、とりあえず家族全員で1個ずつ。いつもなら余裕で2〜3個いける筈だけど、私は朝に卵4個ほどを喰っているのであった。さすがになんかヤバイんじゃなかろうかと1個で止めておき、残りは袋のまま鞄に入れて下山する。ほかほかの卵を鞄に入れておいた所為で、すっかりデジカメまで温かくなってしまった。とほー。

箱根小涌谷 レストランRoiにて
 ミートパイセット
 ビール
 レアチーズケーキ
 アイスティー

「藤田観光にこれ以上儲けさせまい」
ホテル内のレストランがどれもこれも高く(しかもあまり美味しくなさそうで)、母体の藤田観光に「だからキライなのよー」と呪詛を吐きつつ、外に夕飯を食べに行く。徒歩15分ほどで普通の店が立ち並ぶところに出られ、夜10時までやっていたりする飲食店もあるらしい。

洋食屋らしい「Roi」(ロア)という店に入ってみることにした。クリームコロッケやビーフシチューなどの料理が並ぶ。ミートパイがおすすめらしいので、ミートパイセットを。サラダとスープと御飯がついて2000円。

これがこれが、手間のかかった良い感じの料理だった。サクサクのパイの中身は良く煮込んだ牛のすね肉らしき野生の味がする肉が詰まっていて、ドミグラスソースがかかっている。グリーンピースの煮込みとにんじんのグラッセ、炒めたスパゲッティが添えられる。だんなは生姜焼き定食(←洋食屋なのに、なぜこういうものが……)。ちょっと厚めの豚肉の生姜焼きに添えられていたのはジャガイモのマヨネーズソース焼きだ。どれも、ホテルで食べるような上っ面だけ綺麗な味じゃなく、どことなく温かい家庭的な味がする。観光地でこういうもの食べると、何となく安心してしまう。

「旨い!旨いよ!」
「んー、なんかシアワセねー」
と料理を平らげ、ついついデザートにまで手を出してしまった。こればっかりは期待ハズレで、アイスティーは紙パック入りのを出しただけのもの(まぁ不味くはなかったけれど)、ケーキは良くある冷凍ものを解凍しただけのもの、という感じ。でも、いいじゃないか。夕飯、めっちゃ美味しかったぞ。

5/2 (水)
【今日の一枚】
怪しい土産物を買った。「イノシシカレー」……。
ホテルの部屋にて
 大涌谷の黒玉子
 麦チョコ
 牛乳

「ホテル内のぼったくりレストランには行くまい」と心を決めた朝。
9時開園の温泉テーマパーク「ユネッサン」に入りさえすれば、フランクフルトなどのジャンクな食べ物が売られているらしい。朝御飯はそれ目当てとして、部屋で軽く腹ごしらえして温泉に向かう。

折しも冷蔵庫では昨日の温泉玉子が冷えていて、これを1人1つ塩ふって食べる。あとは麦チョコをもぐもぐと。

箱根小涌園ユネッサンにて
 アメリカンドック
 ジンジャーエール

宿泊者割引利用で1日\3100も取るだけあって「ユネッサン」はそれなりに面白い。小型ながらウォータースライダーもあり、酒風呂やコーヒー風呂、死海の塩風呂まである。一通り遊んだところで午前10時、2回目の朝御飯。

こういうところに来ると、ついついアメリカンドックを食べてしまう。ソーセージの表面にホットケーキの生地みたいなのが巻かれたやつだ。あの独特の匂いとか香ばしさが妙に美味しい。
温泉ですっかり茹であがった身体を室内着(←無料で貸してくれる)でくるんで赤い顔してジンジャーエール飲み飲みアメリカンドックをパクつく。うー、それじゃもうちょっと風呂めぐりしますか。

箱根小涌園ユネッサンにて
 トルコ風ピラフ
 フローズンイチゴ

昼間近、客はどんどん増えてくる。最初はほとんど人がいなかった「神々のエーゲ海」なる名の一番大きなスパも人の頭だらけになっていた。しかしこのネーミングは何とかならないものか。

「食べたら……部屋帰って昼寝しよう」と、園内のカフェテラスで簡単に昼飯。「トルコ風ピラフ」だの「フライフィッシュサンド」などを注文。
「トルコ風ピラフ」はカレー味のピラフにハンバーグが乗ってドミグラスソースもどきをかけたもの、フライフィッシュサンドは冷凍フライのような白身魚のフライがドッグパンにレタスやトマトと一緒に挟まったもの。どちらも何とも何ともチープな味だ。「ああ、マクドナルドって美味しかったのね」と思ってしまうようなチープな味、とでも言えるだろうか。……まぁ、観光地の食べ物なんてやっぱりこんなものである。

フローズンイチゴは美味しかった。冷たいシャリシャリのイチゴジュースを頭をキーンとしながら飲む。
さぁ、昼寝だ昼寝。

箱根小涌園ユネッサン内 アンティパスタにて
 ガーリックブレッド
 ゴルゴンゾーラのリングイネ
 広島ネギとアンチョビのパスタ
 フォーチーズピザ
 ニューヨークカットステーキ
 生ビール

午後4時、昼寝を終えて再び「ユネッサン」に再入場。人気も少なくなってきた園内で再びウォータースライダーで遊んだり温水プールでぐでぐでしたりする。
気が付いたら、外は雨だ。どしゃぶりだ。
「……イタ飯屋で喰ってく?」
「ビール飲んで?」
と、結局1日目の夜に喰ったのと同じイタ飯屋で夕飯を取ることにした。恵比寿が本店、何でも銀座にまで支店があるらしい。知らなかった。

ガーリックブレッドを食べながらビールをガーッと飲む。続いてきたゴルゴンゾーラチーズのリングイネと葱とアンチョビのパスタもつまみながら更にビールをガーッと飲む。ステーキとピザが出てきた段になって、ビールをお代わりして更にガーッと飲む。温泉の後のビールは最高だ。しかも料理はどれもなかなか美味しいし。

これでもかとゴルゴンゾーラの香るリングイネと、同じくゴルゴンゾーラの香るピザ。チーズ4種類がこってり乗ったピザは薄くパリパリでかなりいける。ニンニク山盛りのステーキに、ニンニクとアンチョビの塩味が強い万能葱山盛りのパスタも泣けるほどビールに合った。
すっかりご機嫌になって部屋に戻る。

ついつい、店の前の売店で「イノシシカレー」なる怪しげなブツを買ってしまったのであった。
裏を見たら、販売元は熱海の会社だ。……怪しい。

5/3 (木)
凰林(横浜中華街)にて「排骨飯」 (昼御飯)
ホテルの部屋で
 牛乳
 牛乳パン
 牛乳プリン

3泊4日の箱根旅行、最後の朝。昨日から降り続いている雨は一向に止む気配がなかった。
私は、物心ついた時から「私は雨女」という妙な自覚がある。入学式から卒業式から運動会まで、何かというと雨だった。成人式の日も雨だ。後のだんなとなる彼とつきあい始めた最初のバースデーも雨だ。結納の日まで雨だった。対してだんなは晴れを呼ぶ男だ。6月の梅雨まっただ中の結婚式が晴れだったことに始まり、以降旅行の時でも滅多に雨に遭遇しない。名古屋では仕事に向かった彼と別れた途端、私と息子が大雨に遭ったという笑い話まである。だから、雨に始まり雨に終わった今回の旅行はちょっと不遇だった。

「小田原城もちょっと行きたかったのに……」
「……ここにいるにも、藤田"ぼったくり"観光にお金を落とすのは極力避けたいところだ。」
と、早々に箱根を立ち去ることにする。朝御飯は、高いくせにちっとも美味しくない朝食バイキングを避けて、昨夜適当に買ってきたものとか今朝だんながコンビニで仕入れてきてくれたものとか。並べてみると「牛乳パン」「牛乳プリン」「牛乳」と、何やらミルク三昧なテーブルになっていたのであった。

高原やスキー場に行くと、何故か売っているのが「牛乳パン」だ。食べ応えがあるようなないような、巨大なふわふわとしたちょっと甘めのパンだ。私はこれが実は好物。見つけるとついつい買ってしまう。
巨大な牛乳パンをもっきゅもっきゅとやりながら、牛乳を飲む。デザートの「牛乳プリン」は、「名物!」とか書かれた札がついていた土産物の一種らしかったけど、"なめらかプリン、失敗"というような味がした。妙に甘さがくどくてべちゃっとした舌触りであまり美味しいもんじゃなかった。

10時過ぎ、3泊したホテルを後にする。
こ、今度は「冨士屋ホテル」に泊まってみたいな。……ちょっと無理か。

横浜中華街 凰林にて
 チャーシュー
 大根餅
 小龍包
 エビギョウザ
 フカヒレギョウザ
 焼き餃子
 五目焼きそば
 排骨飯
 マンゴープリン
 生ビール

雨の箱根を脱出し、バスで小田原へ。行きは小田急ロマンスカーを利用したが、帰りは東海道線に乗ることにした。東海道線は横浜を通る。
「横浜でいったん降りて、中華街で旨い飯?」
「ならば"凰林"で美味しい雲白肉(ウンパイロー)を!」
と話が合って、いざいざ横浜へ。忘れていたけど今はゴールデンウィークなのだった。しかも平日が終わった連休最初の日。当然のごとく、午後1時の中華街は殺気立つほどの混雑ぶりだ。それでも「凰林」は空席があった。

「凰林」は、私たちが愛してやまない鶴見の「翠華樓」の料理長が独立して開いた店なのだとか。飾り気のない、洗練しているとも言い難い、でもしみじみと安心して食える料理が安価な価格で並んでいる。お勧めマンゴープリンもミルクたっぷりのちょっと不思議な味わいだ。以前来て、ここの雲白肉がすっかり気に入ってしまった私たちである。

「最初に……ビールとね、あと雲白肉。」
ほぼ満席の奥の席に滑り込み、そうだんなが言うと
「あ、ごめんねー。雲白肉、今日はできないの。」
がーん。がががーん。これ、食べに来たのに。だんなと私、二人で顎が外れそうになる。大ショックだ。
何でも、仕込みに2時間かかるそうなのである。混雑する日はなかなか作れないそうなのである。予約しておけば、ちゃんと作って待っててくれるそうなのである。しまったなぁ……。薄切りにした豚バラ肉とキュウリに辛さのあるタレをかけた雲白肉は、安くて量が多くて、そりゃもう美味しいのだった。

気を取り直して、飲茶の品数種類と麺と御飯ものを注文。出てくる順からばくばく食べる。雲白肉が無いのは残念だけど、相変わらずどれもこれも美味しい。
チャーシューは1200円ほど。これでもかこれでもかと薄切りチャーシューが皿に積まれてきて、上からほの甘いタレがかかっている。脂の多い、パサつきのないチャーシューは八角の香りのしない素直な味だ。こんがり焼かれた大根餅は中がふかふかとしており、海老餃子も相変わらずプリプリ。良い感じだ。

で、メインディッシュは大好物の「排骨飯」。骨付き豚肉をほんのりカレー味で唐揚げにしたやつが御飯の上にかかり、青菜ととろみのついたあんがかかっているやつだ。カレー味がほとんどしなかったり妙に濃かったりオイスターソース味が強かったりと、お店によってなかなか違いのある料理だ。
ここの排骨飯はほんのり薄目のカレー味。ややしっとりめに揚げられた肉にさっぱりめのあんがさらっとかかっている。青菜たっぷりなのがまた嬉しい。パリパリの固焼きの焼きそばも貰いつつ、御飯を堪能。
店を出て、お気に入りの店で1本1800円のチャーシューを買い、永楽製麺所で冷やし中華用の麺を買い、ついでに蛋撻やマンゴープリンも買いつつ帰宅への道を急ぐ。旅行のシメに、しっかり横浜中華街を満喫してこられて、ちょっと幸せ。

宅配寿司
ビール、インスタント吸い物、お茶

中華街で買ってきた蛋撻(タンタ)2種
プーアル茶

午後5時、帰宅。最初にやることは大量の洗濯物を洗濯機にぶち込むこと。

ちょっと遅めの充実した昼食が後を引いていて、何か作ろうという感じでもなく、少々の宅配寿司を注文してだらだらと食べることにする。デザートには、蛋撻。

「蛋撻」(タンタ)は、エッグタルトとかプリンタルトとか卵パイなどと言われているやつだ。一時期ポルトガル発祥のお菓子として一大ブームになったけど、やっぱり私は中華菓子としての「蛋撻」が好きだ。パイ生地はどこか粉っぽくパサパサとしていて、プリン生地は卵と練乳を水で伸ばして焼いただけ、みたいなシンプルな味のもの。大きさも親指と人差し指で円を作った程度の小さなものが多い。

あんまん系が多く売られていた店にあったやつと、飲茶で有名な「大珍樓」の売店でそれぞれ3個ずつ買ってきた。
「こっちが大きくて焼き色が良い。」
「いやいや、小さい方がプリン生地のところが絶品である。」
などと言いながら2つの蛋撻の食べ比べ。やっぱり大珍樓のテイクアウトものは絶品だ。生地のポソポソ感も中華菓子ならではの快感。ポクンとしたプリン生地もまた絶妙の固まり具合だ。

で、ただいま「どっちの料理ショー」の放映中。
「五目いなりVSミックスサンド」とは、また「うわあぁぁぁぁ」と身もだえしてしまいそうな品々だ。でも、ミックスサンドはともかく、五目いなりは五目じゃなくてシンプルシンプルなごくごく普通の「おいなりさん」の方が好み……(あっ、でもヒジキ入りは美味しそう……穴子入りもめっちゃ美味しそう……)……。
パン好きの私は、ミックスサンドをイチオシしたい。……結末を直前にして風呂に入る私であった。

5/4 (金)
ティプレッツ(幕張)にて「ヴァヌテーズ」 (おやつ)
マクドナルドにて
 たまごダブルマック
 マックフルシェ パイナップル

ゴールデンウィークもあと3日。最終日は友人たちと食事会、明日は義妹と義弟が遊びに来るらしい。じゃあ今日はちょっくら外に行ってみるかね、と朝食も喰わずに外へ。駅近くのマクドナルドに寄ってまずは腹ごしらえだ。

CMに踊らされるまま無性に食べたくなっていた「たまごダブルマック」が今日の目当て。目玉焼きの乗るバーガーはもとより好みだ。しかもダブルバーガーだなんて、ちょっと嬉しい。当然その品と、ついでにやはりキャンペーンで発売中の「マックフルシェ」なるものも飲んでみることにした。バニラシェークにフルーツの果肉入りシャーベットがトッピングされているようなやつ。見るからに甘そうだ。
それほど混雑していない店内の一角に腰を落ち着けて、だんなと一緒にたまごダブルマック。息子には普通のハンバーガー。

これまで、マクドナルドの食べ物は一種の麻薬みたいなやつで、本当のところはあまり美味しくないのに習慣性が出てしまうものなのだと思っていた。味だけだったらモスバーガーやフレッシュネスバーガーなどの方がよっぽど美味しい。でも、どういうわけかマクドナルドのハンバーガー類が無性に恋しくなるときが、時々ある。別にすごく美味しいわけじゃないのに。
……と思っていたが、今日久しぶりに食べたら、しみじみと美味しかったのだ。箱根の温泉テーマパークで「そりゃないだろ」みたいな冷凍フライを乗せたようなフィッシュサンドを食べたからかもしれない。柔らかいパンもちょっとパサついてる肉も、レタスも卵も良い具合に美味しかった。単に私がエッグサンド系が大好きなだけかもしれないけれど。

……で、やっぱりマックフルシェは強烈に甘かった。甘いバニラシェークに甘い甘いパイナップルシャーベット。合わなくもないけど、私は普通のバニラシェークがやっぱり好きだ。

幕張カルフール内 ティプレッツの
 ヴァヌテーズ
メロンソーダ

幕張で「ペット博」なるものをやっているらしいので、それに向かう。ゴールデンウィークの混雑ぶりを、はっきり言って舐めていた。会場につくと、同じくメッセで開催中の巨大フリーマーケットの集客もあってかそれはそれはすごい人だった。動物関連のグッズを売るテナントも人だかり、「ふれあい広場」は動物ではなく人とふれあいまくってしまうという状態、檻に入っている世界の犬猫も絶え間なく覗き込む人の波にすっかりまいっているようだった。「絶対さわらないでください」と各檻にしっかり書いてあるのに、通りすがりの客の多くが檻の隙間に指や手を入れて無理矢理動物を撫でていく。私も動物は大好きだけど、そんな状態の動物をそんな風に触る趣味は持っていなくて、結局げんなりしながらものの1時間ほどで会場を後にした。

で、そのままカルフールでお買い物。どうもここ数日、焼き肉熱が猛烈に高まってきている。
「焼き肉焼き肉、ハラミに牛タン♪」
と売り場を歩くも、魚介売り場でお安い刺身用サクを発見。ついでに生のたらば蟹1980円も発見。「今日だったら生でも食べられますよー」の店員さんの声についつい蟹を籠に入れてしまい、焼き肉は明日に延期となったのだった。巨大マーケットの買い物はかなり楽しい。

休憩は、カルフール内のフードコートで。ジュースをファーストフード店で購入し、私は以前から気になっていたそば粉のクレープ屋のおやつを購入。
「ヴァヌテーズ」なる舌噛みそうな名前のクレープは、バニラアイスとバナナとホイップクリーム、そして「塩バターカラメル」なるものがトッピングされている。紙皿に乗せられ、プラスチックのフォークとナイフがついてきて\600。
戦々恐々としながら口にしたカラメルは、思ったほどの塩味などはなくて、ほろ苦い甘さが良い感じ。そば粉の淡泊な生地にバニラアイスやクリームの濃厚さが絡まっておやつにはもってこいだった。
はー、しかしすごい人だ。同じフードコート内のたこ焼き屋は20人ほどの列。トイレは10分待ちという有様だ。連休にこういうところに来るもんじゃなかったね。

ずわい蟹
刺身(まぐろ・鯛・甘海老)・いくら
海老の味噌汁
御飯
モルツ、抹茶入り玄米茶

へろへろになって午後5時帰宅。夕飯は、今日の戦果のずわい蟹。足を生のまま2本ほど食べ、残りは胴体と一緒に蒸して食べる。「蟹用ハサミ」なんてのは無いので、キッチンバサミでじゃかじゃか切りながら待望の蟹。やったら手間がかかるけど、蟹の美味しさは何にも代え難い。
生の、海の塩気が感じられるようなプリプリの透明な身も良いし、蒸してふっくらした真っ白な身もまた良い。箸や指でこそいでは口に放り込んでいく。手足にこんな旨いもんが詰まっているなんて、蟹はなんと素晴らしい生き物なのだ。

丸ごと蒸していた甲羅部分の蟹味噌も堪能。だんなは蟹味噌はお嫌いだというので、私一人で胴体を堪能させていただいた。食べ方は良くわからんので適当にバリバリと解剖していく。背側をばかっと取り外し、"がに"と言われるエラのようなヒラヒラしたところはポイ。薄い殻のような膜を剥がしていくと、足の付け根にあたる部分にまだ肉がぎっしり。そして中央に詰まるのは緑がかった茶色の蟹味噌だ。あまり美しい色じゃないけど、ウニにも似た甘さのあるトロンとした部分。殻をしゃぶるようにしてしっかり食べる。ああ……至福。

刺身が沢山、いくらもある。ビールで蟹を食った後は、お茶と御飯をお供に刺身をガツガツと。いくらは海苔と一緒にたっぷり御飯に乗せていくら丼に。
で、味噌汁は甘海老の頭入りのもの。
「職場の近くにある寿司屋が、よく出してくれるんだよねー」
とだんなが作ってくれた。甘海老の頭と刻み葱だけが具の、シンプルな味噌汁。海老から良いだしが出て、喰うところはないけれど旨味だらけの美味しい汁だった。上手く再現できたと、だんなも少々得意そう。
確か牛肉を腹一杯喰う予定だったのが、魚介を腹一杯喰うことになった夕食なのであった。私の手はまだ蟹臭い。それがまたちょっと快感だったりして。

5/5 (土)
焼けゆくラム肉、焼き肉の夕べ (夕御飯)
ミスタードーナツにて
 エビグラタンパイ
 バタークランチ
 ジャワティー

私、10時起床。だんなと息子は11時起床。寝過ぎで眼が溶けるぞ、という感じだ。

ぼへぼへと起き出して、「買い物行くかぁ〜」と家を出る。「ドーナツでも食べようか」とミスタードーナツへ。
だんなは、これ以外にはミスドの商品は無いのだと言わんばかりに、毎回かなりの確率で「エビグラタンパイ」と「エンゼルクリーム」ばかりを食べている。今日の注文もそれだ。
私は、チョコファッションが好き。マフィンもちょっと捨てがたい。カスタードクリームが入ってるやつも好きだし、ココナッツがまぶしてあるやつもまぁまぁ好みだ。バタークランチが実は一番好きかもしれない。ああ、でもチュロス系も悪くないのよねぇ〜とこんな感じなので、いつもショーケースの前でくねくねしてしまう。

「えーと、店内で食べます。エビグラタンとエンゼルクリーム」
って、こらこら、私の注文はまだ全然決まってない。だんな、注文が早いじゃないか。
結局、だんなの注文にちょっと引きずられてエビグラタンパイ。そして大好物のバタークランチ。息子にはハニーディップ。アイスコーヒーやらジャワティーやらも貰って、店の奥のベンチ席で遅めの朝御飯。

10点集めてプレゼントのスクラッチカードは、6点分溜まった。「あと4点だし」とか言いながら、きっと近々またドーナツ買っちゃうのよ。もうミスドの思う壺な私たち。

胡麻だれ冷やし中華
冷茶

午後1時、義妹と義弟が遊びにやってきた。「貰い物の、おすそわけー」と、義妹は両手いっぱいのチーズを持ってきた。カマンベールチーズ2つに6Pスライスチーズ系が2つ、ブルーチーズ入り一口チーズが一袋。一体どんな貰い物だったのだろう。だんなの実家は相変わらず謎に満ちている。

昼は、皆で一緒に冷やし中華。
横浜中華街の永楽製麺所で買ってきた冷やし中華用の麺を茹で、同じく永楽製麺所で買ってきた胡麻だれをかける。トッピングは錦糸卵と千切りキュウリ、そして赤くテラテラと光るチャーシューの千切り。
チャーシュー専門の老舗が中華街にあるけれど、そこはいかにもな値段の高さでまず買うことはできなかった。最近見つけて買うようになったのが、ほったて小屋みたいなところで作られて売られている、その名も「丸太小屋」とかいう名前のお店のもの。1本一律1800円。「あれが美味しそう」「いや、こっちが巨大だ」とあーだこーだ言って美味しそうなやつを1本包んで貰うのが最近の中華街でのお土産だった。けっこう美味しいんだ、これがまた。

袋を切ってかけるだけのタレも胡麻風味濃厚でちょっとだけ尖った酸味があって悪くない。チャーシューの千切りが程良く甘くて良い感じ。
「もう、夏なんだねぇ〜」
とラーメン好きの義妹が一気に平らげてそう言った。夏になると麺を水にさらしてもいまいち冷たくなってくれないのよねー。水が冷たい今のうちが、実は一番冷やし中華が美味しい季節だったりして。

昨夜の刺身の残り
焼き肉(牛タン、ハラミ、カルビ、上カルビ、骨付きラム)
茄子、ピーマン、玉ねぎ、長ねぎ、にんにくホイル焼き、サンチュ
御飯
モルツ、ほうじ茶

ここ数日来、「肉を食べたい、ガツンと肉を……」と何故か切望していた私たちだった。昨日通りかかったマーケット内の肉屋では、折しも「焼き肉用牛肉半額セール」なる嬉しい催しの真っ最中だった。480円のカルビが240円。980円なら490円。神は私達の味方だった。
「うう、嬉しすぎる……」
「いつもは300円クラスの肉ばっか買ってるけど、ここはちょっと嬉しく480円の肉を買おうではないか。」
「半額だから、清水ダイブで980円の肉すら購入可能だ。これを100g足そうではないか。」
と嬉々として肉を買ってきた。ハラミも買った。骨付きラムも買ってきた。

昨年秋まではホットプレートばかりを使っていた我が家だが、モニター商品だった炭火焼き器を一度使用してからはこの機器の魔力に取り憑かれた。返却する筈だったマシーンは格安価格で我が家に居座ることとなり、以来我が家の焼き肉は炭火一辺倒。すばらしきかな炭火。ブラボー炭火。ありがとう備長炭。

無煙焼き肉なんてものではないので、そりゃもうすごい有煙焼き肉になる。食堂に通じる扉は全て閉め、食堂の窓は全開。換気扇フル稼働。ついでに扇風機でテーブルの奥から窓に向けて煙を誘導するという物々しさだ。火災検知器つきの家だったら間違いなくベルが鳴り響く。そんな凄い状況の中でも、やっぱりこの美味しさには代え難い。

十数分温めた炭は下半分が赤々と燃えている。その状態でテーブルに置き、いざいざいざと肉を乗せる。タンを軽く両面あぶってサラダ油に浸しておいた刻み葱を乗せ、レモン汁に胡椒ガリガリ入れたタレにとぷんとつけて食べる。名古屋で買ってきた、「赤と黒」の八丁味噌味バージョンも用意。醤油に蜂蜜垂らしてニンニクと唐辛子を入れた醤油ダレも用意。野菜を焼いてはタレにつけ、タンはひたすら葱油で食べ、宴は進む。

きっと美味しいよ、と買ってきたラム肉は塩胡椒したやつを焼いて、そのまま囓り付く。表面がカリッと焼けてて中はふっくら。んもう、何をどうやっても身震いしちゃうほど美味しいのだ。脂の落ち具合とか、絶妙な火の通り具合とかで、ホットプレートでは出せない味が炭火焼きにはある。煙は台所から居間にまで進出中のようだけど、そんなこと気にしてはならない。
にんにくは、ホイルで作った小さな皿の中に詰めて、バターを落として隅っこで焼いていく。バターが染みて蒸し焼きのようになったニンニクは栗みたいでこれまたイケる。油っ気のあるほうが美味しい茄子だけはちょっとパサパサした感じではあったけれどもそれもまた網焼きの美味しさだ。

確か牛タンが200g、ハラミが200g、カルビが400gで上カルビが100gでラムが250g。良く考えたら1kg以上の肉が食卓にあったわけで、当然食べきれる量じゃなかった。ハラミとカルビが沢山余った。
「こりゃ……また近々焼き肉しなきゃなぁ。」
そういうだんな、君は何故そんなにも嬉しそうなのか。

5/6 (日)
香港ガーデン(広尾)にて「大当たりフカヒレの姿煮」 (昼御飯)
広尾 香港ガーデンにて飲茶食べ放題
 前菜盛り合わせ
 ザーサイと中国漬物
 春巻
 小龍包
 海老蒸し餃子
 フカヒレ餃子
 干し貝柱焼売
 蟹の卵入り焼売
 ピータン入りおかゆ
 北京ダック(海老煎餅付)
 肉饅頭
 チャーシュー饅頭
 ゆばのオイスターソース蒸し
 蒸しカステラ
 大根餅
 芝海老のチリソース
 豚肉とピーマンの細切り炒め
 季節野菜の炒め
 ゴマ団子
 タピオカ入りココナッツミルク
 黒タピオカ入りミルクティ
 マンゴプリン×5
 小豆のプリン
 プーアル茶・ジャスミン茶

 ……そして、「大当たり」のフカヒレの姿煮

今日は友人と食事会。9時前に起きて朝飯も食わずに家を出る。目指すは広尾の香港ガーデン。高校時代からの友人4人が揃っての食事会だ。NYに住む友人が戻ってくる時にせっかくだから、といつも皆でなんとか都合をつけて集まっているけど、実のところ私としては他の友人よりよっぽど多く会っているような気がする。メールでやりとりできるからちっとも遠く離れている気もしないのであった。

時間的に余裕のある私とSちゃんが最初に到着。開店11時半の店に11時10分前くらいに到着したところ、もう既に名簿には25組近い名が書き込まれていた。ゴールデンウィーク最後の今日も大盛況らしかった。
何しろ、食べ放題なのである。3000円なのである。喰うなというのが無理なのである。しかもマンゴプリンも美味しいし。10人以上じゃないと昼は予約できないので、ここはちょっと必死にならざるをえない。

11時半、まだ他の3人が来ないまま、とりあえずSちゃんと着席。
「食べちゃってもいいかなぁ?」
「いいんじゃない?」
と二人でおもむろにワゴンサービスの皿をどんどん貰っていく。前菜、小龍包、春巻、漬物。ふと見ると、春巻の皿の底に赤い文字がついていた。「大当たり」とある。「フロアスタッフをお呼び下さい」と書いてある。なんじゃこりゃぁ。うきうきと写真を撮っていると、ワゴンを押していた中国人お姉さんが
「写真も撮ったネ。良かったネ。お名前、何ですか?」
とメモ紙をよこした。名前とテーブルナンバーを書いた紙をひらひらさせて、皿は厨房へ消えていった。何なんだ。

ほらほら、大当たり しばし、「大当たり」の存在は忘れて飲茶を食す。どれもこれも、「ものすごく美味しい!」ってほどでもないけど3000円にしてはそれなりに満足できる品々がどんどんやってくる。北京ダックあり、酢豚や海老チリなどの料理類もあり、種類は豊富だ。

すると、奥からドラと鐘を持った一団が出現した。ジャンカジャンカチリンチリンと金属音をさせつつ、何やら皿を乗せたワゴンと共にフロアにやってくる。私たちからほど近いところでワゴンが止まったかと思うと、
「○○さまぁ〜!当たり!フォアグラのステーキ!おめでとぅございますうぅぅぅぅぅぅ〜!」
の大声。恭しく、一皿の茶色の物体がテーブルに置かれる。羨望の周囲。……って、もしかしてアレが私たちのテーブルに来るのだろうか。5人用のテーブルに、まだ3人分の空席を残して私とSちゃんの二人だけ。そこに「○○さまぁ!」なんて来たら……かなりこれは恥ずかしい。お願い、みんな早く来て。固まりながらその時をまって静かに食事。

結局、「○○さまぁ!」の前にNが到着。またもワゴンがしずしずジャンカジャンカとやってきたけど、他のテーブルで一度「○○さまぁ!」をやっただけで比較的静かに私たちのテーブルの前に「大当たり」の品が置かれたのであった。「大当たり」はフカヒレの姿煮。普通に食べると2800円の品らしい。周囲のテーブルから熱い眼差し。自分の手柄というわけでもないのに、どことなく漂ってしまう優越感。
まだ来ぬ2人の分も残してふかひれを食す。見事にヒレ1枚の形の残ったフカヒレだ。ちょっとばかりヒラヒラのその繊維が粗くて大味、という気がしないでもないけど豪華な味わい。黄金色のスープも悪くない。何しろタダだというのが嬉しかった。

時折ワゴンがぴったり来なくなったりもするけど、着々と食べ物がテーブルに並ぶ。
私ときたら、「新記録を樹立しなきゃ」とかわけわからない事を言いながらマンゴプリンを食べまくっていた。小豆プリンやココナッツミルクに浮気した所為で、今日は5個。すっかり満腹になって「最後の餃子が多かった……」とちょっとばかりの後悔を心中に秘めて午後2時半、店を後にしたのだった。3時間もいたのか私たち。

さんまの塩焼き with 大根おろし
冷や奴
さつまいもの味噌汁
御飯
ペールエール、冷茶

アンジェリーナのモンブラン
カフェオレ

久しぶりの銀座を歩いた後に、帰宅。銀座三越で初めて見かけたマンゴプリンを購入し、有楽町阪急で「アランジムービー」を軽く見て山のような買い物をし、最後にプランタン銀座でモンブランを買って帰ってきた。駅前で豆腐とサンマも購入。夕飯は純和食の醤油味の軽いものにしよう(←モンブランは和食なのか、果たして)。

サンマをこんがり焼いて、大根おろしに醤油ぶっかけたものを絡めて食す。冷や奴も鰹節と醤油だけのシンプルなやつ。味噌汁は具になるものがあまりなかったのでさつま芋を入れてみた。焼いただけの魚と、おかか醤油だけの豆腐。こういうものを食べるとき、日本人であることの嬉しさが染み渡る。焼き肉も飲茶も良いけど、こういう食べ物もやっぱり好きだ。

で、デザートにアンジェリーナのモンブラン。
別れ際、Sちゃんに「もう甘い物買っちゃだめですよー。」と言われたにも関わらず、買ってきてしまったアンジェリーナのモンブラン。だってほら、家でお留守番してくれていただんなにお土産買っていきたかったし。

アンジェリーナのモンブランは異色なモンブランだ。たまらなく美味しいけど、「モンブランの最高峰!」というのとはちょっと違う。本当に美味しいモンブランというのはこういうものじゃないような気がするけど、これはこれとしてたまらなく美味しいモンブランなのだ。たまに食べるとじわ〜んときちゃう美味しさだ。何しろ、甘い。

底には甘い甘いサクサクとしたメレンゲ生地。その上には妙にコクのある生クリームがたっぷりと詰まっていて、そして上から渋い色のマロンクリームがたっぷりと絞られている。うっすらと粉糖で化粧されていて、1個450円。フランスの本店「オリジナルサイズ」なる一回り大きいものは750円。オリジナルサイズを喰った日には、鼻血を吹き出してしまいそうな迫力だ。当然ミニサイズを買ってきた。

メレンゲは甘く、クリームも甘く、マロンクリームも極めて甘い。甘い甘いモンブランは、でも他にないこってり感と栗の旨味が感じられて魅了されてしまうのだった。久しぶりに食べたけど、やっぱりしみじみ旨かった。片手に苦めに入れたコーヒーは外せないけど。