食欲魔人日記 01年09月 第4週
9/24 (月)
手打ちパスタのアマトリチャーナ (夕御飯)
イングリッシュマフィンのベーコンエッグサンド
カフェオレ

今日のお昼は味噌ラーメンと決定している。で、
「朝は軽くていいよねー」
とマフィンをこんがり焼いてベーコンサンドにすることに。

フライパンでベーコン敷き半熟目玉焼きを作り、バターを塗ってオーブンで温めたマフィンの間に挟むだけ。昨日一昨日は隨分と寒かったけど、今日は案外と温かい。でもホットコーヒーを美味しく感じてしまうのだから、もう季節はすっかり秋なのかもしれなかった。

味噌バターコーンラーメン
麦茶

今日は1日家の片付け。溢れ始めた本や雑誌の整理やごちゃごちゃの棚の中身を片付けたり。だんなはオークションで落札したノートパソコンを前に「うぉー、CD-ROMを認識しないぃぃ」などと嬉しそうに戦っている。

で、昼御飯は味噌ラーメン。昨日永楽製麺所製の濃縮醤油味スープつきラーメンを買ってきた。「味噌ラーメンが食べたいから、スープはいらないね……」と店頭でだんなと話していたところ、「当社製のスープで良ければお取り替え致しますよぅ」と売り場のおばちゃんが醤油スープと味噌スープをとっかえてくれた。ありがたいことだ。

味噌ラーメン作成はだんなの担当(我が家では"その料理をより愛する人がその料理を作るべし"の掟がある)だ。豚肉やキャベツ、もやしを炒めてそこに濃縮スープと湯を投入してちょっとばかり煮込んだやつを麺と共にどんぶりに入れる。旨味濃厚でなかなか美味しい味噌ラーメンだ。そこに私はコーンの缶詰を開けてトッピングしたやつが大好物。1缶のコーン全部トッピングすると、なお大好物。

かくして、どんぶりの表面がコーンで覆われたすごいラーメンが目の前に置かれることになる。コーンの下にはもやしや豚肉の具。なかなか麺が出てこない豪華ラーメンだ。ちょっと辛めの味噌スープを啜り麺を啜り、具も1/3程食べたところでおもむろにバターを投入。バターが溶けきるか溶けきらないかのタイミングでその小さなかけらをコーンと一緒に口に放り込むのが実は大好きだ。

昼飯を作って片付けまでしてくれただんなに感謝して、午後は私が手打ちパスタに取り組んだ。

手打ちパスタのアマトリチャーナ
ポーターエール、アイスカフェオレ

先日、我が家にパスタマシーンがやってきたのだ。『パスタマシンで麺道楽』(大森大和/著 文化出版局)という本を買ってしまったのがいけなかった。更にパスタマシーンと言えば「インペリア」の1万円以上するブツがここで安く買えたのもいけなかった。かくしてピカピカのマシンを前に「うわー♪」とか言いながらハンドルをギュルギュルさせる怪しい夫婦が誕生することになる。

パスタを打つには2時間ほど時間が必要らしい。茹でる段階に至るまで、数時間あるいは1晩、こねた生地を寝かせなければならないのだ。参考にしようと開いた『パスタマシンで麺道楽』には、いきなりうどん生地作成過程のように「踏む」なんて工程があり、それは「基本のパスタ生地」とはちょっと違うだろう、と今回は止めることにした(だってイタリアンレストランの厨房でパスタ生地を踏んでるとはとても思えないし……)。

初めてのパスタ生地を作るにあたって参考にしたのは『「アロマフレスカ」のパスタブック』(原田慎次/著 講談社)。パスタマシーンで作る基本生地の作り方や、パスタマシーンがなくても作れる卵生地の作り方が乗っている。6人分で卵を5個も使う美味しそうな分量に、思わず「パスタマシーンがなくても作れる卵生地」をパスタマシーン用に作ることにした。卵と粉と塩とオリーブ油を混ぜ合わせ、こねてこねてこねて寝かす。またこねて寝かす。またこねて寝かす。30分寝かしてはこね、を繰り返して夕方にやっと黄色い生地ができあがった。

初めてパスタマシーンを使う時には、生地に金属片などがついてしまうらしい。で、小麦粉と水を練り合わせたダミー生地を最初に作ってマシンに通す。ハンドルをぎゅるぎゅると回すと、生地がだんだんとノヘ〜ッと薄く伸びていくのが面白い。更にハンドルをつけかえてカット用にすると伸ばした生地が麺状に裁断される。機械と自分の腕が慣れたところで、いよいよ本番の黄色い生地を伸ばしていく。何回も伸ばすと透けるほど薄くなる生地が面白くて、伸ばしまくっていたら、やたらと薄く細いパスタになった。とほほほほ。

私が生地と格闘している間、だんながトマトソースを作ってくれた。ホールトマトを2缶使って炒めた玉ねぎと合わせて煮詰め、更に炒めたパンチェッタとおろしチーズと共にパスタを合わせて、「アマトリチャーナ」。だんなは「セージ、セージィ〜」と材料を探しながら堺巨匠のレシピで作っていた。

イタリア版ベーコンとも言える、塩漬け豚肉がパンチェッタ。昨日、イタリアフェアをやっていた横浜そごうで塊のパンチェッタを買ってきたのだった。100g600円。気合いの入った価格のそれを「お、美味しそうだね」「使ってみたいね」と400gほど切ってもらってきたのだ。
ベーコンよりも塩気の強い、ギュッと詰まった感じのそのベーコンの仲間は炒めてじくじくと脂が出たところがなんとも美味しかった。「本日の特選素材でございます」とか言って、爪楊枝を刺した小さなカケラを食べてみたりなんかして。

初めて作った手打ちパスタは、ちょっとばかり(いや、本当は、かなり)オーバーボイル気味で、しかも麺のところどころはお団子になっちゃっていたりして、それでもものすごく美味しかった。太めのしっかりした麺作ってミートソースなんか絡めたら、涙ちょちょぎれるほど美味しいに違いない。
というわけで、しばらく遊べそうなパスタマシーン。

9/25 (火)
いまひとつだったチキンカツ弁当 (昼御飯)
冷凍エビピラフ
コーンスープ
アイスカフェオレ

今日はお仕事。時間もないので朝御飯は冷凍エビピラフだ。小指の先ほどの海老がころんころんと入る、コーンやにんじんのかけらも満載のいかにもな味のエビピラフは嫌いじゃない。どころか時折「ああ、あの冷凍のエビピラフが食べたい」などと思ってしまうのだから、もしかして自分は案外悪食なのかもしれないと思う。

そろそろ冷たいカフェオレは寒く感じるようになり、インスタントのコーンスープも出すことにした。いかにもな味の冷凍ピラフと、いかにもな味のカップスープ。「たまには良いよなぁ」と、思ってしまうのだ。

田町「いろは屋」の
 チキンカツ弁当
ASAHI 麦水

今日はお仕事。なんとなく弁当を食べたい気分だったので、お気に入りの弁当屋(いや、本当は蕎麦屋で、ランチ時のみ店頭で弁当を売っている)の前で買ってから仕事場に行こうとすると、
「すみませんねぇ、まだ準備できていないんですよ〜」
と悲しい返事。未だ10時半前なのだから仕方がない。

それでも弁当気分は冷めやらず、結局「いろは屋」とかいう名前の弁当専門店で買っていくことにした。ランチタイムは近隣のサラリーマンが買っていくのを良く見かける店だ。店頭のメニューを眺め、
「チキン照り焼き丼ください」
と言うと、「あ、それ、ないよ」とのレジのおっちゃんのつれない言葉。
「……じゃあチキンカツ弁当ください」
と告げると、「はいはい、こっちでお金払ってね」とこれまた無愛想な口調が戻ってきた。感じわるーい。

ペットボトルのお茶1本とお弁当で約650円。ビニール袋をカシャカシャ言わせて研究室に向かい、昼になってパックを開けると、何だかとてもつまらない弁当風景が広がった。白い御飯がのぺっと入り、申し訳程度のキャベツの千切りの上にざく切りしたチキンカツ。表面には黄色いペーストがなすりつけられていて、「……卵?」と思ったらそれはカラシだった。ウスターソースがついてきている。あとは柴漬けと春雨以外の具がほとんど入っていない春雨率95%の春雨サラダ、そして塩で炒めただけの具も何もないスパゲッティー。あからさまに手抜き&コスト削減心がけすぎ、という感じ。店員もそっけないが、弁当はもっとそっけない。

「もう二度と買わないぞ」と心に誓いつつ、弁当をもさもさと食べる。
油が表面に染みてきてペショッとなったカツもいまひとつだし(しかもカラシたっぷりで辛いし)、かと言って副菜はもっと不味いしで、ちょっとトホホな昼食だった。

西麻布ACQUAPAZZAにて
 Aコース+α
 冷たい前菜の盛り合わせ
 青唐辛子を打ち込んだ手打ちパスタ タコのソース
 秋刀魚とういきょうの自家製マカロニ
 黒ムツのアクアパッツァ
 うさぎの柔らか煮リゾット添え
 緑豆とフルーツのコンポート 生姜のアイスクリーム
 小菓子
 エスプレッソ
 白ワイン・赤ワイン(名前失念)
 アーモンドのリキュール

今日は、お仕事先の教授と2人で夕御飯なのである。
「このお店のホームページを作ってて〜」
と雑談で話してからというもの、教授は「ほほぅ」などと言いながら度々ページを覗き、ワインリストをプリントアウトしてみたりして楽しそうに眺めていた。ワインが相当お好きらしい。
大学を出る前には
「やっぱりネクタイはしていくべきですかねぇ……ちょっと着替えますかねぇ……」
とごそごそ着替え始めた。気合いも入っている。

午後6時、最初のお客として西麻布交差点にほど近いお店に入った。入るなり「ワイン、ワイン……」と教授はワインのセレクションに余念がない。ハーフボトルの白を1本とフルボトルの赤を1本いただくことにした。料理でウサギを頼んだから、というわけじゃないけど赤ワインのラベルにはウサギの絵がついているやつだ。
前菜とパスタが2種、魚か肉のメインと、ドルチェ・コーヒーのAコースを取ることにし、ついでにうさぎの柔らか煮もくっつけて貰った。

豪華な前菜の盛り合わせにはいつも溜息が出てしまうけど、今日のはまたすごかった。11種類が大きな皿にちょこちょこと美しく盛りつけられている。秋刀魚をグリルしたのをマリネしたもの、シンプルな生ハムとモッツァレラ、比内鶏のさっぱりしたサラダ風のもの、ねっとりと甘い里芋のペースト状のもの、などなど。見た感じ似たものもあるのに、どれもがきっちり違う味がする。オリーブ油の香りがぷんぷんと漂ってくるものや、バルサミコ酢の酸味が強めに感じられるものもあったりするけど、くどかったり味が強すぎたりするものがなく、1つ1つがしっかりと美味しいのが幸せだ。

パスタ自体がほんのり辛味のある、小さなタコがころころと入ったパスタと、続いてこんがり焼かれた秋刀魚の切り身が混ぜ込まれた自家製のマカロニもやってくる。もちもちとした自家製パスタがソースとしっかり絡んでいて、香ばしい秋刀魚の磯臭さが妙に和風チックな味だ。

そして、「やっぱりここに来たら食べなきゃいけません、教授」と私がすすめたアクアパッツァ。今日は三崎でとれた黒ムツらしい。2人で食べて丁度良い大きさの魚を2人分の皿にせっせかせっせか取り分けて貰い、頬の肉から目玉まで両分された皿が目の前に並べられた。脂の多い魚のようで、ものすごく身が柔らかくトロンとしている。潮の味とかドライトマトの甘みや酸み、オリーブやらケッパーやらアサリの味がごちゃ混ぜになった、あまり上品とは言えない料理だ。事実、家で作る時はフライパンごとウォーッと御飯を片手に食べるのが好ましいような漁師の料理で、今日も「ああ、御飯が欲しい……」と密かに思いながら魚をつつく。

ハーフボトルの白ワインはすっかり無くなっていて、底が膨らんだ大きなグラスに入る赤ワインを飲みまくる。ちょっと軽い感じの、フルーツっぽい香りがするウサギの絵のラベルの赤ワインはなかなか飲みやすい。ウサギの赤ワインを前にして、ウサギの煮込みを食べる。ウサギや野鳥や鹿だのといったジビエ料理が私は大好きだ。

ジビエの中でも臭みがないと聞いていたけど、やっぱりそれほどケダモノ臭さはない肉だった。ほろろんと柔らかに煮込まれた肉がリゾットと共に皿に乗り、甘辛い褐色のソースが少量飾るようにかかっている。鶏に似て、でもちょっとばかり野生の香りもする肉が甘辛いソースと良く似合っていた。

このへんで、私はすっかり酔っぱらい。
「ドルチェです〜」
と出されたものは緑豆を甘く煮て角切りフルーツと一緒にグラスの底に詰め、上から生姜のアイスクリームを乗せたもの。豊潤なバニラアイスクリームの風味なのに、味はしっかり生姜味だ。ちょっとびっくりするけど、これがどうしてなかなか美味しい。イタリアに生姜のジェラートがあるかどうかはものすごく謎だけど、とても美味しい。へらへら笑いながらいただく。
更に日高良実さんもやってきた。やっぱりへらへらしながら御挨拶。
更に第二のドルチェとして、ガラスのコップに入ったモンブランもいただいた。「アンジェリーナ」のモンブランにも似ている、メレンゲ生地が下に敷かれてこってりした渋い色のマロンペーストがこんもりと絞られたものだ。上にこれまた美味しいホイップクリームが乗っているのがまた嬉しい。酔いも回って、私はずっとヘラヘラしっぱなしだ。

更にトドメの一撃、
「こちら、めしあがりませんか?」
といただいてしまったアーモンドのリキュールがこれまた甘くて美味しくて(でもリキュールだからとても強い……)、教授と二人でへらへらしながら飲んでしまった。甘い酒を飲みながら甘いドルチェを喰う。ドルチェがなくなったところで
「ビスコッティでもつまみますか?」
と勧められ、これまた食べる。アルコールを飲むために菓子を追加し、菓子を食べるためにアルコールを追加し、みたいな具合になってしまって、何だかすっかり周囲がピンク色に染まってしまったような夕食だった。

教授と2人、
「満足ですね」
「満足ですぅ〜」
とフラフラしながら店を後にした。
六本木から私はなんとか帰れたけれど、はて、教授は無事に帰れただろうか。

9/26 (水)
舞茸炊き込み御飯 (夕御飯)
モスバーガーの
 ロースカツバーガー
 モスチキン
 オニオンフレンチドレッシングのサラダ
 山ぶどうスカッシュ

昨夜、うっかり目覚まし時計をセットしないで寝てしまった。酔っぱらったまま寝てしまった私に、午前3時に帰宅しただんな、お互い目覚まし時計の存在を考えていなかったらしい。

奇跡的に7時半に目を覚ました私が皆を起こし、慌ててバタバタと活動し出す。食卓の上にいただきもんの最中が余っていたので、息子にはそれと牛乳を食べさせて「さぁ保育園行ってこーい」状態。寝不足のだんなに最中はあまりにも可哀想な感じだったので、それだったら外で何か食べていただいた方がましだろう、と送り出した。

いつもより1時間遅く洗濯機を回し、ちょっと遅めに息子を保育園に送り、そういえば私の御飯のことは考えていなかったよなとふらふらと自転車をこいでモスバーガーに向かってしまう。ちょっと前から、無性に「ロースカツバーガー」が食べたくて食べたくて仕方なかったのだ。「10月よりキャンペーンで○円引き!」なんて広告をお店で見てしまったからだと思うけど、とても10月の値引きを待ってられる気分じゃない。「今!今!ロースカツバーガーが食べたいのじゃ〜〜」とチャリこいで最寄りのモスへ。

「てりやきチキンバーガー」と「モスチキン」を一緒に頼むとチキンとチキンが重なっていまひとつだけど、「ロースカツバーガー」と「モスチキン」なら文句ない組合せだ。今日はポテトは止めてモスチキンを頼み、サラダもつけてもらった。自宅で食べるからドリンクはいらないかも……と思ったけど、「山ぶどうスカッシュ」と目があったのでついつい頼んでしまう。かくしてファーストフード1人前の食事であるはずなのに1000円をわずかに超えた金額になってしまい、豪華紙袋を抱えて家に戻ることに。

ソースが全面に染みた柔らかいカツの挟まる、キャベツ山盛りのサンドは今日も旨かった。レタスとピーマンとコーンとトマトが盛り合わされたシンプルなサラダをつつきつつ、生姜醤油の揚げ鶏をもしゃもしゃと食べる。一人自宅でモス飯の朝御飯(いや、もはや昼御飯)はのんびりしていてちょっと楽しい。

いんげんの胡麻和え
サンマの塩焼きと大根おろし
豚汁風ベーコン入り味噌汁
舞茸炊き込み御飯
麦茶

昨日あたりからどうも鼻水が出てきてはいたのだけど、今日の午後になっていきなり体調が悪くなってきた。ヤバイ感じの寒気がする。喉も痛いし、くしゃみが止まらない。……風邪?

「体調悪いなー」
と言いつつ、それでも夕方スーパーでお買い物。食欲は全く衰えないらしく、「あ、サンマ美味しそ」だとか「炊き込み御飯もしたいよねぇ」などと様々お買い物。本当は油揚げやらこんにゃくやらを買っていって自分で炊き込み御飯を作りたい気持ちもあったのだけど、どうにも体調が悪いので"研いだお米に混ぜるだけ"タイプの炊き込み御飯パックの前で思案する。「松茸御飯」「鶏御飯」「ごぼう御飯」どれも美味しそうだ。結局「舞茸御飯」なるものを買ってみることにした。

研いだ米にいつも通りの水を入れ、レトルトパックの中身をぶちまけて炊くだけ。炊いている間に、「精をつけよう」と、ごぼうと大根とにんじん入りの味噌汁を作る。豚肉を入れて豚汁にしたいところだったけど、豚肉はないのでベーコンを放り込んでみた。仕上げに胡麻油をひとたらしすると、いかにもカロリーのありそうな豪華味噌汁になった。

ついでにいんげんの胡麻和えも作り、サンマをグリルでじくじく焼き始めたところに今日は8時帰宅のだんなが帰宅。平日の夜にしては久しぶりに家族全員で食卓に向かうことができた。
脂の乗ってるサンマはいかにもな秋の味で、どこかチープな味のする炊き込み御飯も良い感じ。具沢山の味噌汁もたっぷり食べながら香ばしく焦げ目のついたサンマを1人1匹平らげた。

……でも、肝心の良い香りが、鼻がバカになってて全然わからなかったりして。
食欲はあっても、食べ物があまり美味しく感じられないのはこの上ない不幸だ。今日はとっとと寝ることにしよう……。

9/27 (木)
ツナチーズホットサンド (夕御飯)
ハムコーンロール
スイートポテトパイ
牛乳

昨夜から氷枕と仲良しの私。すっかりこれは風邪である。
とりあえず起きて、昨日買っておいたパンで全員揃って朝御飯を取り、再びもそもそと布団にもぐりこむ。今日はお仕事お休みだ。

ハムとコーンが練りこまれたふわふわのパンと、さつまいもの甘いパイ。喉が痛いので温かい飲み物はパスして冷たい牛乳。
鼻がバカになってるから味もいまひとつわからない。……悲しい。

豚汁風ベーコン入り味噌汁 揚げ玉入り
舞茸炊き込み御飯
麦茶

ひたすら寝て寝て、お腹が空いて目が覚めた。どんなに体調が悪くても食欲がなくならないものだから、「病気して3kg痩せました」なんてことにはならないのが我が身の悲しさだ。

「炊き込み御飯があるぞー」
「味噌汁も残ってるぞー」
と一人でごそごそと準備して、お代わりしてまで御飯を食べてしまった。舞茸の匂いのする茶色い炊き込み御飯と、ごぼうやにんじんが入る味噌汁には揚げ玉をちょっと放り込んで食べる。パリパリの揚げ玉を入れる味噌汁は、だんなが「こーすると、旨いんだよー」と教えてくれたものだ。確かにコクが出て美味しかった。

夕方、私の代わりに保育園に息子を迎えに行ってくれたお義母さんが息子を連れてきてくれた。
「ほほほほほ、具合は大丈夫?」
とバナナやらパンやらハムやらソーセージやらを持ってきて、ついでに
「これがあったら子供用の夕飯おかずになるでしょ?」
と鶏の唐揚げも置いていった。ありがたやありがたや。

ツナチーズホットサンド
鶏の唐揚げ
ヨーグルト
アイスカフェオレ

ちょっと熱が出てきてしまったのだけど、今日はだんなの帰りが遅いらしい。自分がやらなきゃ息子の夕御飯も自分の夕御飯もないわけで、熱冷ましを一気飲みして夕飯を作ることにした。

マヨネーズ味のパンが食べたくて、今シーズン初のホットサンドを作成。ツナと刻み玉ねぎをマヨネーズで和え、とろけるチーズと一緒にホットサンドメーカーにセットする。熱い鉄板に触る側のパンの面にマーガリンをまんべんなくたっぷりめに塗るのがコツだ。そうすればパンがパイのようにサクサクした食感になる。

お義母さんが買ってきてくれた鶏唐揚げを私もつまみつつ、こんがり焼けたホットサンドの夕御飯。火が通って柔らかくなった玉ねぎだとか溶けたチーズが肌寒い夜には心地良かった。

「ヨーグルト、喰うかいー?」
「たべゆー」
と、豪華デザート(いや、豪華じゃないな……)ヨーグルトつき。さささとお風呂に入り、氷枕を作り直し(我が家の氷枕は昔ながらのゴム製の、金属の止め金がついているやつだ)、9時半にごそごそと布団にもぐった。明日までには根性で治しちゃるぞ。

9/28 (金)
和牛ステーキランチ (昼御飯)
ハムエッグ
Johanのコーンパン
コーンスープ
牛乳

今日は夕方、友人Tさんに会う予定がある。息子を保育園に迎えに行く余裕はなさそうなので、だったら休ませて平日昼間の博物館でも堪能しようじゃないか!と1日遊ぶ予定にする。ここんとこ深夜までの仕事が続いていただんなもまた、「もう疲れたから休んじゃうんだもんね」と1日遊びに付き合うこととなった。

昨日お義母さんが差し入れしてくれたJohan名物コーンパンで朝御飯。ロールパンほどの大きさのモチモチとした食感のパンの中にはコーンがどっちゃりと詰まっている。オーブンでさっと焼いて、ハムエッグと共にお皿にどかどかと盛りつけて食べる。昼近くまでのんびり準備して、12時を過ぎたところで遊びに出かけることにした。

秋葉原 万世3Fにて
 和牛ステーキランチ(とん汁・ライス付) \1280
 

今日のとりあえずの目的地は秋葉原にある「交通博物館」だ。電車が大好きな子供や大人の魅惑のスポットとなっている。電車の絵本が一番のお気に入りの息子にはきっと楽しい場所だろうと、今日初めて連れていくことになった。

「交通博物館」の向かいには、秋葉原では老舗の肉屋「万世(まんせい)」がある。そこで売られるカツサンド「万かつサンド」はだんなが幼い頃から食べていたという思い出の味だ。ちょっと野暮ったさが漂う中の料理店で食べるステーキやハンバーグも、どこかちょっと懐かしい味がするような気がして、嫌いじゃない。まず腹ごしらえしてから博物館に行くことに。

だんなはハンバーグとチキンステーキが盛り合わせになった日替わりランチ、私はそれより500円ほどお高い和牛のステーキ、どちらもとん汁とライスがついてくる。息子には当然「お子さまランチ」。「万世クラブ」に入会のお子さま(中学校未満のお子さまが登録できる無料の会)には来店時にもれなくオレンジジュースかアイスクリームがついてくる。お土産にラムネとキャンディーのお菓子セットも貰えたりする。息子は早速オレンジジュースをもらって御満悦だった。秋葉原は独特の人種が集まるところではあるけれど、万世の中は日本橋高島屋デパート食堂と同じような客層が詰まっている。おじいちゃんやおばあちゃん、幼い子供を連れた家族連れやおばちゃんのグループ、あとはサラリーマンの人々などだ。

脂身たっぷりの薄い豚肉がヒラヒラと浮くとん汁には豆腐やこんにゃくも入っている。その豚肉感がとてもステキだ。平皿にこんもりと盛られたライスと、鉄皿にジュージューとやってきたやや薄くはあるけど巨大な牛肉。上には柔らかく炒めた玉ねぎに醤油味のソースが添えられる。コーンとフライドポテトといんげんを炒めたやつが盛られていて、「とりあえず精をつけるぞ」という光景になっている。
1280円のステーキはやっぱりそれなりそこそこの味でしかなかったけど、肉がガツンと食べられるのは嬉しいことだ。

そして、息子のお子さまランチもまた旨そうだった。
卵のふりかけがかかる御飯。その上には牛のマークの小さな旗までついている。ドミグラスソースがかかった柔らかめのハンバーグと、フライドポテト、ケチャップのかかった炒めソーセージが1本と、ぶどうのゼリーの上にはホイップクリームの飾りつき。これで値段は480円。かなりステキだ。いいなぁ、お子さまランチ。

銀座 与志万(よしまん)にて
 サービスコース \1800
 ・砂肝
 ・正肉
 ・レバー
 ・つくね
 ・うずら卵
 ・銀杏
 ・ピーマン
 ・手羽先
 ・鳥スープ
 皮
 ねぎま
 穴子釜めし
 生ビール

「交通博物館」は楽しかった。息子も楽しそうだったけど、実はだんなもものすごく楽しそうなのであった。そういう私も「うひょー」とか言いながらあれこれボタンを触って喜んでいたクチだけど。
夕方5時を過ぎて結婚式二次会用の招待ハガキを都内の印刷所に取りに行き、それを結婚式当事者のTさんに渡しに向かう。

結局、今日の本当の予定を終わらせたのは夜7時を過ぎていて、「どっかで食べて帰ろーかー」「……焼き鳥とか食べたい感じだよなー」と一家で電車に乗り、ぷらぷらと銀座に向かうに至った。銀座の裏通りには「与志万」という名前に、愛してやまない焼き鳥屋さんがある。結婚直後くらいに発掘したお店で、それから5度6度と足を運んできた。だんなが来るのは数ヶ月ぶりだけど、私は4年ぶりくらいかもしれない。

銀座3丁目の、表通り(銀座通り)から一本有楽町寄りに入ったところにその店はある。ビルの1階だけど、階段を数歩下った奥に位置しているのでいまひとつわかりにくい。ちょっと古くさくいかにも焼き鳥屋風情の入口が、初めて入るにはちょっと勇気を必要とさせるところだ。それほど高くなく、店員さんも親切で、でも20人も入れば超満席という小さな店は、だから大概は混んでいる。昼は釜めしだけ注文できる。でも焼き鳥は焼いてくれない。夜は、釜めしのみのお客さんはお断り。釜めしを食べたければ焼き鳥や肴の類も別途頼まなければならない。釜めしも焼き鳥どちらも外せない味なので、結局夜に出向いて焼き鳥と釜めしを食すことになる。で、だいたい食べ過ぎてしまうのだ。

午後7時半目前という金曜の夜に、引き戸をおそるおそる開けて「3人ですけど大丈夫ですかぁ〜?」と首を突っ込むと、「テーブル席にどうぞっ!」と8人がけテーブル(←でもこれがまた小さい)に案内された。ベンチ席となった奥側に3人並んで腰掛けて、とりあえずビール。
そして、串8種類と鳥スープがセットで1800円のサービスコースも速攻注文。ついでに皮とかねぎまとか、好物のいくつかも追加で注文。串を10本も食べた後にやってくるのは1人1つの釜めしだったりするので、ついついいつも食べ過ぎてしまう。勿論2人で1つの釜めしを注文しても文句は言われないけれど、最後にやってくる釜めしは1人1つじっくり味わいたいのだ。

最初にやってきたのはコリコリとした砂肝。炭火と粗塩で焼かれた焼き鳥はどれも香ばしい。レバーのねっとりとした柔らかい食感も、引き締まった正肉の味も数年前から変わらない美味だ。皮だけをぎっしりと串に刺して焦げ目がつくまでカリッと焼いた「皮」だとか、焦げた葱が香ばしい「ねぎま」、そして私もだんなも大好物なのがここの「つくね」だ。軟骨も一緒に叩いたようなつくねはコリコリとした歯触りも感じられて、ハンバーグのようにギュッと固められている。適度な塩と鶏のエキスが詰め込まれたようなつくねは本当に美味しい。

常連さんたちでいつも賑わっているようなお店だけど、店員さんの対応が温かくて気持が良いのもまた嬉しい。「七味、お好きですか?レバーにかけるとこれ、ちょっと美味しいんですよ」と出されたのは京都の「黒七味」なるもの。黒胡椒に似た香りがする、本当に真っ黒の七味だ。タレの絡んだレバーには確かに良く似合っていた。

野菜類もひととおり食べ終わり、最後は串の皿を片付けて釜めしと漬物、スープが一緒にやってくる。1人分サイズの羽釜で炊かれた焦げ目もサイコーに綺麗についているナイス釜めしだ。「とりそぼろ」780円がやはり外せない。そぼろも入る「五目」もまた美味しい。そして何気に塩と鮭だけの味がする「鮭」なんてのもとてもとてもとてもとても美味しいのだ。今日はだんなが「とりそぼろ」、私が「穴子」。御飯の深さ半分くらいまで穴子のあの甘いタレの味が染みたような、こっくりと甘い味の釜めしだった。ふっくら蒸された穴子がこれまた美味しい。溶き卵がふわふわと漂う鶏肉のエキスたっぷりのスープもまた「鶏喰った後に更に鶏飲んでます」と感じさせてくれるもので良い感じだ。

3膳分ほどもある釜めしを家族でしっかり食べ尽くして、8時半過ぎに店を出た。
ちなみに釜めしを食べきれない時は「すみません、包んでくれますか?」というと一見気むずかしそうなおっちゃんがアルミホイルで綺麗にくるんで渡してくれる。でも、やっぱりその場で食べるのが美味しいのよねぇ〜。
「な、なんだかものすごくお腹一杯になっちゃったね」
とふらふらしながら東京駅へ。

彩 バニラブリュレ

「与志万」はものすごく美味しい。ものすごく美味しいけど、いつ行ってもものすごく喉が渇くのだ。アルコールと強い塩分摂取の相乗効果で、今日もたまらない喉の渇きを抱えて帰宅。「なんだかアイスが食べたい感じ〜♪」と途中のコンビニでアイスクリームを買ってきた。100円アイスが並ぶ冷凍ケースではなく、奥まったタワー型のケースから買ってきた豪華250円もののアイス群だ。私は「彩」のバニラブリュレ、息子は同じくチョコレート、だんなはハーゲンダッツのクッキー&クリーム。

家についてとっとと風呂に入り、麦茶を飲みながらデザート代わりのアイスクリームをぺろぺろと舐める。ああ、焼き鳥美味しかったわぁ。

9/29 (土)
ねぎとろ丼 (夕御飯)
マクドナルドにて
 月見チーズバーガー
 フライドポテトM  オレンジジュースM

昨日さんざん飲み食いして帰ってきたけれど、実は風邪が治ったわけでもなかったらしい。
朝8時半ころ咳が止まらず「げーほげーほ」と起き出していきなり咳止めを飲み(←本当は食後に飲むべきものだ)、そのまま「げーほげーほ」と再び布団にもぐりこんだ。宅急便が届いて一同目を覚ましたのは……11時半。

「ま、ここんとこ仕事で遅かったしなー」
と、だんな。
「ま、咳が止まらなくてつらい夜だったしなー」
と、私。昨日散々遊び歩いてただただ御機嫌な息子。

せっかくの土曜日を半分ほど無駄に消費してしまった気持ちのまま、「食料買いに行かんとな」と外に出ることにした。「月見バーガーだ月見バーガーだ」と目指したのはマクドナルド。

期間限定ものを絶え間なくやっているようなマクドナルドだけど、ここ数年の秋のおきまりは「月見バーガー」だ。私はマクドナルドの全商品の中でこれが一番好きと言っても過言じゃない。ちなみに一番が月見チーズバーガーで二番が月見バーガーだ。
当然のごとく、「月見チーズバーガーMMセット」。「風邪だからビタミンCの補給をな」とオレンジジュース。だんなの頼んだナゲットと私のポテトとトレードしつつ、ハンバーガーを左手にジュースやポテトを随時つかみながら朝御飯のような昼御飯のようなものを食す。

旨味があるんだかないんだかわからない薄っぺらい相変わらずなハンバーグと、ベーコンと目玉焼きとケチャップとマヨネーズをあわせたようなソース。パンの匂いも変わらないし、チェダーチーズっぽいけどちょっと独特の匂いのあるチーズも相変わらず。どこを喰ってもマクドナルドの味で、決して「美味しいぃぃぃぃ〜!」などと大騒ぎしてしまうシロモノじゃないんだけど、でもやっぱり好きなのだ、月見バーガー。

バナナ
カルピス

皆して全体に疲れていて風邪の症状を抱えた今日、本を読んだりパソコンをいじくったりしてだらだらと過ごす。
午後4時を過ぎて「ほのかにお腹がすいてきた……」と思っていたところ、だんなが「バナナ、食べる?」と言って持ってきた。一家三人でバナナを食べる。何だかちょっと間抜けな図。

厚揚げの網焼き
ねぎとろ丼 いくら付
しじみの味噌汁
モルツ、抹茶入り玄米茶
梨(豊水)

「ねぎとろ丼、作ろうかー?」
と、昼にマーケットでまぐろのサクを買ってきた。小さなサク1つと、中落ち切り落としのパックを1つ。それを小さく切り、更に包丁2本を両手に持ってトタタタタと叩き、万能葱の刻みとあわせて自家製ねぎとろを作成。魚がおかずの晩御飯にはやっぱりこれだよねと、しじみの味噌汁。
ついでに安売りしていたので厚揚げを1枚買ってきて、網焼きにすることにした。

厚揚げは2つに切り分けて、厚さを等分にするように白い断面に切り込みを入れる。袋状になった厚揚げに、刻んだ長ねぎとおかかを醤油少々で和えたやつをぎゅうぎゅうと詰め込んで、それを網でこんがりとあぶる。表面が渇いてカリッと焼けたやつは、ビールや日本酒とたまらない似合って良い感じになるのだ。

厚揚げをふーふー言ってつつきながらビールで乾杯。コップに1杯のビールを飲み干したところでおもむろに御飯を椀によそい、自作ねぎとろを山盛りに乗せる。ついでにお義母さん手製の瓶詰めいくらも冷蔵庫にあったのでそれもこんもりと盛りつける。「いくら」ってやつは、私は「いくら」を買って来なきゃいけないものだと思っていたけど、だんなの実家では買うものじゃなくて「作る」ものらしい。すじこを買ってきてほぐし、醤油と酒で和えると「いくら」になるのだそうだ。確かに味は「いくら」そのものだ。

葱の香りたっぷりのねぎとろ丼はとても美味しかった。1000円分のまぐろもあっというまに御飯と共に腹の中に消えて行った。
デザートは、今日買ってきた梨。「梨は豊水がやっぱり美味しいよねぇ」が私とだんなの共通見解だ。3個で398円のやつ、3個で498円のやつ、4個で398円のやつなどをじっくり見比べて、4個入りのを買ってきた。お得感溢れたお買い得の梨は、ちょっとばかり渋かった。しくしくしく。

9/30 (日)
手打ちパスタのカルボナーラ (夕御飯)
カサゴの干物
イクラ
納豆
いぶりがっこ
しじみの味噌汁
御飯
抹茶入り玄米茶

10時に目覚めた日曜の朝。
昨夜炊いた御飯もあるし味噌汁もあるし、「干物を焼こう〜♪」と冷凍保存してあるカサゴの干物を1人1枚、グリルでこんがりと両面焼いておかずにする。納豆を出し、いぶりがっこも並べ、ついでにイクラの瓶詰もテーブルに置き、今日は和風の朝御飯。

じっくりあぶったカサゴは塩気がほんのり強めで御飯がガンガン進む。納豆でも進むしたくあんでも進む。「御飯もう一杯……」「俺ももう一杯……」と朝からたっぷりと御飯を食べてしまった。もぐもぐ。

だんな特製チャンポン麺
麦茶

先日、横浜で永楽製麺所のチャンポン麺をだんなが嬉々として買ってきた。昨日にはシーフードミックスなども買い込んで、昼は魚介ともやしの具でだんなが特製チャンポンを作ってくれた。具を炒めた中華鍋に湯と濃縮スープを放り込んでちょっと煮詰めたチャンポンは、白く濁ったスープのコクもばっちりでとても美味しい。

とんこつの白濁スープは博多ラーメンなどともちょっと似ているけど、隨分あっさりとした淡泊な味。とんこつラーメンの表面にギラギラと浮かぶ脂の味に慣れていると、なんとなく物足りなく思うスープだ。でもそのあっさり加減が魚介の味やもやしと良く似合うのよね。美味しいんだわぁ。

手打ちパスタのカルボナーラ
モルツ、アイスカフェオレ
リコッタチーズのムース
コーヒー

先週末にも挑戦していた手打ちパスタ。今日も午後3時を過ぎてえっさえっさと粉と格闘しているのである。今日の「こね担当」はだんな。最後にパスタマシーンが登場する段になってからは私も参加してえっさえっさと「生地伸ばし→刻み」の作業を行った。
今回は強力粉を使わず、「デュラム・セモリナ粉」オンリー。卵は3個と前回よりは少なめで、あとは塩とオリーブ油が適当に。最初水分が固くてまとめにくそうだった生地はこねてもこねてもやっぱり固く、オリーブ油を途中でちらちらと加えながらなんとか麺状にしていった。今回は太くて厚めのぽってりとしたパスタ。イタリアのベーコン"パンチェッタ"を使って、カルボナーラにすることにした。

パンチェッタを炒めてパスタの茹で汁と生クリームを投入してちょっと煮詰め、そこに茹でたてのパスタを放り込む。ざざっと混ぜて火を止めて、卵黄とパルメザンチーズをあわせたものをぶっかけた後は急いでうりゃーっとかきまぜて盛りつける。食べる直前に黒胡椒をガーリガーリガーリとかければ、完成。

・幅広のパスタは生地を薄めにしても大丈夫。厚いとまるで「すいとん」のようだ……。
・パンチェッタは塩気がかなり強いので、いじきたなく大量に使うとパスタが塩辛くなりすぎる。
などの反省点があったものの、ちょっと塩辛くてちょっと厚めのパスタはそれでもとても美味しかった。乾麺とは違う、もちもちとした食感が生パスタならではで心地よい。粉と卵くらいの材料を混ぜてこねるだけで「麺」になる過程もものすごく楽しい。近所で買ってくるベーコンの2倍くらいも塩辛さが強いパンチェッタの大切りを噛みしめながら食す幅広パスタは、「大変だけどまたやろう」と今日も思わせてくれるのだった。基本のパスタでこんなに試行錯誤している現在、応用編になる中華麺やうどんはいつになったら打てるのだろう。

食後にはリコッタチーズのムース。マスカルポーネチーズに似た食感の、純白の柔らかいイタリアのチーズはお菓子にしても美味しいし、パスタ料理や肉料理にも使われることがあるらしい。脂肪分は高いけど食べやすい口当たりで、見つけるとついつい買ってきてしまう。今日はしょっちゅう作っているムースにすることにした。サワークリームが売り切れだったので水切りしたヨーグルトを使うという暴挙に出たけど、これがなかなか悪くない。

【リコッタチーズのムースのつくりかた】

材料
リコッタチーズ1カップ
サワークリーム50g
生クリーム50cc
グラニュー糖30g

  1. リコッタチーズはザルにあけて水気を切り、裏ごししてなめらかな状態にする。
  2. ボールに生クリームと砂糖を泡立て、サワークリームと合わせ混ぜる。
  3. 2を1に加えて全体を合わせ混ぜ、器に盛る。ハチミツ、好みのナッツ類をかけて仕上げる。
参考:『素材を生かしたイタリア料理 アクアパッツァのメニューから』(日高良実/著 柴田書店 1995.11)
(ただし、かなり省略した作り方です。本当はメレンゲが入ったりソースも作ったりするんですが、これだけでも充分旨い!)

リコッタチーズとサワークリームはちょっとばかり入手しにくいけど、材料さえ揃ったらあとは混ぜるだけの嬉しいドルチェだ。サワークリームの代わりにヨーグルトを使ったらちょっと柔らかめになってしまうけど、ふわんとしていてこれもまた良い感じだった。

そのままばくばくと食べても美味しいし、メープルシロップやはちみつ、あるいは両方をブレンドしたやつをかけても美味しい。ローストしたナッツ類を散らしても美味しい。今日はココットケースにムースをふわんと山盛りにしてはちみつを垂らし(←本当はメープルシロップにしようと思ったんだけど久しぶりに蓋を開けたらカビにやられてた……)、電子レンジで数十秒チンして水分を飛ばしてカリッとさせたクルミも散らした。

私としてはこちらの方がイタリアのチーズデザートとしてはティラミスより美味しいと思う。何でも南イタリアのドルチェのベースとしてよく使われるのがこのリコッタチーズなんだとか。