食欲魔人日記 00年7月 第4週
7/17 (月)
シェラトンラグーンヌサドゥア内 CAFE LAGOONにて
 朝食ブッフェ

午前7時50分起床。今日も抜けるような良い天気♪

今日は朝食後早々にプールで泳ごうと、水着の上にワンピースを羽織った格好で朝御飯。だんなは水着にTシャツを羽織っただけ、息子も同じ。

牛乳とグアバジュースをテーブルに置き、
「今日はサンドイッチにしよう」
とパンコーナーに行く。食パン2枚をトースターにセットし、皿に乗せた周囲にハムやチーズ、ベーコンなどを盛りつける。最後に卵コーナーに行き、
「目玉焼きくださーい、卵1個ね♪」(←たどたどしい英語で)
と伝え、焼きあがったそれをパンの上に乗せてもらう。自分の席でトーストにバターを塗り、目玉焼きと一緒にハムやチーズ、ベーコンなども挟み込んで豪華トーストサンド。こういうことが自分の好みで色々とできるのでバイキングは楽しい。
だんなはというと、たっぷりのNASI GORENG(ナシ・ゴレン=炒め御飯)に卵2個の目玉焼きを乗せ、黄身を崩しながら食べているのであった。それもそれでとても美味しそうだ。

で、トーストサンドを片付けた後は第2ラウンド。すっかりお気に入りのBUBUR AYAM(ブブル・アヤム=鶏のお粥)に今日もたっぷりの揚げ玉ねぎや卵、葱を散らして持ってくる。そして昨日はなかったSATE SAPI(サテ・サピ=牛肉のサテ)も2本、サンバルソースをたっぷりかけて横に置く。ついでに少々のナシゴレンも。何だか皿は一面バリ色になっているのであった。バリ飯の大好きなわたくし。

食後はそのまま海岸の方へほてほてと向かい、途中のガボゼに席を取る。3畳くらいはある広々足を伸ばせるガボゼでごろごろしたりプールに浮いているバスケットボールで遊んだり、ラグーンを探検したり。今日も暑くなりそうだ。

シェラトン ヌサ インダ ホテル内 IKANにて
 バリ・ハイ
 SOTO AYAM (ソト・アヤム=鶏スープ)
 サラミとマッシュルーム、ハムとアーティチョークのピザ
 自家製フェットチーネ きのことレバーとドライトマト
 ココナッツアイス

隣接するシェラトンホテルにイタリア料理店があるらしい、昼でも食えるらしい、とホテル案内で読み行ってみることに。ロビー横の通路をてくてくと進み、屋外の小道を抜け、同じシェラトンながら雰囲気がやや大人っぽいようなヌサ インダホテルに到着。プールサイドにある吹き抜けのレストラン、IKANでランチターイム。

バリ・ハイビールをもらい、今回バリに来て初めて食すソト・アヤム。好物なのになかなか今日までお目にかかれなかったのだ。それにピザとパスタを1品ずつ。

緑色の陶器のボールがやってきた。中身は空だ。ほどなく土鍋のようなものがロウソクで温めながらやってきた。中にはたっぷりのソトアヤム〜♪スプーンで土鍋からボールに中身を移しつついただく。
ターメリックがたっぷり入ったようなチキンスープであるソトアヤム。中にはモヤシや春雨、ゆで卵などがどちゃどちゃと入っている。怪しい蛍光イエローのスープ。これだこれだ。やっぱりバリに来たからにはソトアヤムを食べなければ。ホテルらしい、上品な味のソトアヤムは旨みも充分、卵もうずらの卵であったりと凝っている。65,000Rp(=約700円)もするだけあってさすがに美味しい。街中では40円くらいで食べられるらしいけど。

石釜で焼くらしいピザは、4種類の具がそれぞれ区分けされて4通りの味で楽しめるようになっているものだった。パリパリの薄い生地に、生地より厚いモッツァレラチーズが溶けていてそれが嬉しい。ハムにサラミにマッシュルームにアーティチョーク、それぞれ90度ずつになんとなく分かれているものの、ピザの切れ目はそれと全く関係ないようにざくざくと適当に筋が入っている。いいかげんだなぁ、と笑いながらマッシュルームとアーティチョークの両方が乗った部位やらアーティチョークをサラミの乗った部位やらをばくばくと食べる。

もう1品は自家製フェットチーネ。ごろごろとでっかいマッシュルームと、マッシュルームよりでかいレバーと、レバーよりもでかいドライトマトの丸々としたやつが絡んだパスタだ。こってりしていてなかなか美味♪
どちらもイタリア料理であることはあるんだけど、どことなーくアジアンチックな匂いが漂っている。そこがまた良いのだ。

数々食べて、すっかり満腹。すばらしいタイミングで、スタッフが、
「Dessert?」
とメニューを差し出した。「homemade icecreme」なんて文字が目に入って、思わず注文。だんなはバニラアイス、私はココナッツアイス。

背の高いグラスにころりとアイスクリーム、苺が飾られ、お店のキャラクターとなっている魚の尻尾を模したクッキーが飾られている。15000Rpなり。まったりとミルク分も濃厚なココナッツアイスは半屋外で汗をかきつつピザやパスタを平らげた胃袋にはありがたかった。汗がすーっと引いていく。
お店の周囲は花だらけ。草も木も、わしわしと育っていて表現は悪いけど「熱帯の植物は無駄に大きく育つよなぁ」と見ていて思う。だんなに言ったら笑っていた。

部屋のベランダにもピンクや黄色の花が下に垂れ下がるようにして数個の鉢が並んでいる。自分のベランダも綺麗だが、上の部屋から垂れ下がってくる花もまた綺麗だ。泳いでいると次々花びらが散ってちてプールは花びらだらけになってしまう。それでもわしわしと続々花は咲き乱れているようで、何だかすごい。

ホテル内ロビーにて
 アフタヌーンティ

ホテルのロビーでは午後3時から4時の間にアフタヌーンティーサービスが催されているらしい。紅茶やコーヒー、そしてPastry Chefによるお菓子が供されているとか。
毎日部屋に来るインフォメーションペーパーには、"明日のデザートは○○です"と記されている。今日のデザートは"Lemon Meringue Tartlet"、レモンメレンゲタルト、ときた。お、美味しそう。
部屋の前での水泳を早めに切り上げ、一家でロビーへ向かってみる。

かなり広いロビーには、既に10組以上の滞在客がそこここでお茶を楽しんでいる。紅茶を3ついただき、小さな丸いタルトがやってきた。タルト生地にチョコレートコーティングがされ、酸味と甘味の両方が強いレモンクリームがたっぷりと乗っている。上にはふわふわのほの甘いメレンゲ。甘いけれどもさっぱりとした菓子で、クリームは冷たくツルンとしていてすこぶる旨い。

私たちの座ったソファの横では揚げ鍋が置かれていてPISANG GORENG(ピサン・ゴレン=揚げバナナ)が次々と用意されている。こちらもいただく。
親指サイズの小さめのフライの中には酸味のあるバナナ。甘くないサラリとした甘味のないカスタードクリームに苺のソースもかかっている。ふわっとした柔らかい衣とバナナはいかにも南の国のデザートだ。
そうそう、ハネムーンで来たときに、こいつを朝御飯に頼んだらこれでもかという大量のフライが盛られていてとても焦ったんだっけ。

ホテル内 Mayang Sari Restaurantにて
 フランスパン入り海老のクリームスープ
 "US Prime Rib of Beef"
 バニラアイスクリーム
 エスプレッソ

午後5時、息子は遅まきながら午睡に突入してしまった。その間私は日記の作成、だんなはつらつらガイドブックを 眺めていた。
そして現在午後9時半。私は食欲魔人日記始まって以来の大ピンチを迎えているのであった。

日記が書けない。
書きたくない。
書いたら吐く。あの皿はもう、思い出したくない。いや、美味しかったんだけど。

事の始まりはホテルからの今日付けのインフォメーションペーパーだ。
「Mayang Sari Restaurant Monday Nights Featuring US Prime Rib of Beef
Succulent US Prime rib of Beef oven roasted to perfection carved tablesede accompanied by baked poteto, market fresh Fegetables, Yorkshire Pudding, Beef jus and a selection of Mustards and Horseradish, onry Rp 160,000,-.」
というそれに惹かれて今日の夕飯はこれ!となっていたのだった。

夕方に寝こけた息子が目を覚ましたのは午後7時40分、それから一家でそのレストランへ向かってみることにしたのであった。私はテレテレワンピース姿、だんなに至ってはTシャツに短パンスタイルだ。シェラスコみたいな、気軽な雰囲気で食べられるレストランだろうと踏んでいたのであった。
ところがところが。

入り口は重厚そうな木製扉、すぐ脇のガラス窓から覗ける店内は豪奢なシャンデリアがかかり、赤みがかったライトに照らされた店内はワイングラスもキラキラ光る瀟洒な雰囲気だ。げ。なんだかメインダイニングのような重厚さ。
そ、そういえば最初に見たホテルの案内で「コロニアル風」とかあったようななかったような。"コロニアル風"ってぇとシンガポールはラッフルズホテル、香港はペニンシュラホテルに代表されるような格調高い系のスタイルだ。植民地風、というやつで。
こりゃいかん、出直しましょう、ととりあえず一旦部屋で着替えなおしてお店に向かう。そもそも2歳児が同席するのもまずいかも、と思いながらダメならお店で断られればそれで良いし、と思いながら。

お店の雰囲気は、やはり2歳児を拒んでいる。チャイルドメニューは一切なく、それでもお店のスタッフは子供大歓迎だ。
「ヨクキタネー」
と握手をしてくるし、
「チャイルドメニューは無いけれど横のカフェから色々お持ちできますよ。」
とか言ってくれる。他の客席もかなりガラガラだったのを良いことに子供同伴でコロニアルスタイルのダイニングで豪華夕食。

見れば見るほどすごい部屋なのである。薄い薄い砕けそうなワイングラスが並び、高い天井からは輝くシャンデリア、レースの天蓋状のものがついたソファの席に椅子やテーブルの丁度も洒落ている。

で、メインはその"US Prime Rib of Beef"に決定し、あとは前菜代わりにスープを飲もうということに。
だんなは椎茸と海老のクリームスープ、私は海老のスープ。それにシャンパンをグラスでつけてもらう。

白いスープ皿に、具が乗っただけのものが出てきた。私の皿には海老や野菜の一口大のものが盛られてフランスパンが2枚、だんなには薄切りの椎茸たっぷりの中に大きな海老の塊が2つ。
「??」
と思っていると、その後から恭しく銀のスープボールに入ったスープを給仕が目の前の皿によそってくれる。私は茶褐色のクリームスープ、だんなには乳白色のクリームスープ。
そのフレンチ然としたスープを、
「まぁ専門外のバリ島だし……」
とほとんど期待しないで口に入れてみると、これが旨い旨い旨い。手間をかけてスープを取り、裏ごししたようなスープは濃厚でクリーミー。素材の味もしっかりとしている。海老のワタの旨みが凝縮されたような私のスープ。フランスパンを浸しながら美味しくいただく。

次にはグラニテとしてレモンシャーベットが。甘さは強いけれどもさっぱりとしたソルベに苺が飾られている。その凝りようにメイン料理が待ち遠しい。

……で、メイン料理だ。
これが……辛かった。人生最大のピンチ料理だった。
大きな大きな白皿に、2枚のボリュームある厚いローストビーフのようなもの。上にはグレービーソースもたっぷりだ。左前方にはたっっっっっっっぷりのマッシュポテト、ニンジンやブロッコリーも添えられている。前方中央に見えるのは赤ん坊の拳大のヨークシャープディング。そして左前方には大きなじゃがいもが丸々1個。クリームソースとベーコンビッツと刻み葱を上からこれまた恭しくかけてもらった。

見事な一皿だ。すばらしい。大きさが1/2程度であったらもっと言うことないのだが。
そして皿に取りかかる私たち。肉は推定220gはあったであろうか。元は大きな大きな塊肉をオーブン焼きにしたらしいそれは、中央から周囲に渡ってジューシーで味のある美味しいものだった。そう、せめて150gくらいであったならばもっと美味しいものだったに違いない。

マッシュポテトもこれまたこってりクリーミーで美味しいものだった。そう、せめて1/3量くらいであったならばもっと美味しいものだったに違いない。

ヨークシャープディングはモチモチネチネチした歯ごたえのマフィン、のようなもの。これはまぁ、余裕で食べられる大きさだ。フカフカで味らしい味というものはなくグレービーソースを吸い込ませつつ食べるようなものだ。

そして最終兵器は右側に鎮座まします巨大じゃがいもだ。濃厚なクリームソースもたっぷりかかったそれは、無い方が全体のバランスとしては良かったに違いない。

巨大な巨大な皿である。ベイクドポテトがやや苦手なだんなに対し、私はじゃがいもが大好きなのだ。負けてはならない。負けてなるものか。
しかし、皿に上の料理はぜんぜん減らないのである。肉を噛みしめても噛みしめても、じゃがいもを切り崩しても切り崩してもその量はほとんど減ってくれないのだ。美味しいけど辛い。辛すぎる。

気の遠くなるような十数分の格闘の後、だんなが敗北宣言をした。
「ごめん。じゃがいも……食えそうにない。」
彼の皿には1/4ほどのベイクドポテトと2口分ほどのマッシュポテトが残っていた。
そしてまもなく私も敗北宣言。
「私も……食えないわ……。」
私の皿にも1/4ほどのベイクドポテト。マッシュポテトは何とか食べきることができた。

両者共、肉だけはきっちり全部食べたというのがらしいといえばらしいけど、悔しいことこの上ない。
「あうあう、息子の分を食べるとかいうのは別にして、自分の皿を食べきれないことがあるなんて……」
「俺もだ……」
「ましてや、ポテトは私の大好物なのに……」
「ああ、痛恨だ……」
「ああ、悔しい……」

そしてデザート。
とてもじゃないけどケーキやらトライフルやらの粉もの系は食べられる気もせず、
「あ、アイスクリームは食べたい……」
「俺もだ……」
とバニラアイスクリームを2ついただくことにする。
1スクープくらいのアイスクリームはとても食べたい気分だった。

……しかしやってきたのは。

私たちの背後に、ジャイアンの登場シーンで流れるような
「デンデンデンデンデンデン♪」
という音が確かに聞こえた……ような気がした。
大きなデザートグラスには、たっぷり3スクープもあるバニラアイスクリームが、そして巨大な薄いクッキーが添えられていた。想像の3倍量のアイスクリームだ。
私たち、絶句。これをあのメインの次に食べろというの!?

それでも私は「甘いものは別腹」の人種なので割とサクサク食べることができた。だんなは半分ほどを食べてからは泣きそうな顔になっている。
「アイスクリームにまで敗北するわけにはいかん!」
と悲壮な形相でアイスクリームと対峙している。このときの彼ほど真剣な面持ちでアイスクリームを食べる人を私は知らない。

私のだんなも泣きそうになりながら夕食を終えた。グリッシーニを齧り、アップルジュースを飲み、少しばかりのスパゲッティボロネーゼを食べただけの息子はとても元気だ。
よろよろの夫婦と一人元気な息子はそのまま部屋へ。半分以上も残ってしまった息子用のスパゲッティは、
「部屋で続きを食べてもよい?」
と聞いてみたら、
「もちろんOK!」
という返事をいただき、私たちの背後からウェイター氏が肩に皿の乗ったトレイを乗せて部屋まで持ってきてくれた。
ははは、持ってきてもらったは良いけど、いつになったら食べられることやら……。

……そして今、だんなはベッドに倒れ付したまま動かない。
私も口元押さえながら打っているこの日記を終えたら速攻寝るつもりだ。
とほほほほ。コロニアルスタイル料理に負けた本日の夕食。

7/18 (火)
シェラトンラグーンヌサドゥア内 CAFE LAGOONにて
 朝食ブッフェ

3日目の朝食ブッフェ。主食もおかずも色々あるので、まだまだ飽きないらしい。
昨日の偉大なる夕食のおかげで、まだまだ膨満感が胃袋ないし身体全体を覆っているという感じ。
「お粥でいーやー。」
「うん、ヨーグルト程度でいいやー。」
とか言いながらカフェに向かい、結局たっぷりのワッフルなどを食ってる自分である。

いや、ついつい卵コーナーの前を通りかかって甘いバターの匂いを嗅いでしまったら、ついついワッフルが恋しくなりまして。というわけで胃袋大復活。昨日の大食に懲りず、今日も大きなワッフルにバターを少々、メイプルシロップをかけたりなぞして食ってるのであった。ワッフルの横にはチーズとカリカリベーコン、お供には牛乳とパパイヤジュース。ちょっと青臭いけれども深紅の色したパパイヤジュースは新鮮な果物そのものの味がする。

食後に軽くヨーグルトを一杯。
フルーツコーナーの片隅に置いてあったプレーンヨーグルトを盛りつけてパイナップルジャムを上に乗せて食べてみる。
す……すっぱい……。なんて酸っぱいんだこのヨーグルトは!口に入れた途端に、口が"*"マークになってしまうそのヨーグルトは、日本で食べるどんなメーカーのものより強烈に酸っぱかった。ジャムなど混ぜても全く効果なし。とても食べられないので食卓の砂糖までぶっかけて、ようようなんとか食べることができたくらいだ。

「……やっぱり暑いからさぁ」
「……そうそう、醗酵が進んじゃうのよね」
……いや、そういうことはないと思うけど。多分。

レギャン Aromas Cafeにて
 PINK ROCKET 9,500Rp
 TEMPEH BURGER 15,000Rp
 ICED TEA 6,000Rp

本日は気合を入れてお買い物ツアー。ホテルからタクシーに乗り、"SEMINYAK"(スミニャック)というエリアを目指す。このエリアにあるお店には、私の大好きなマンゴスチンを模した石製の容器を売っているらしいのだ。これを買いに行くために一路SEMINYAKへ。目当てのものを購入した後は、バティックの問屋が並ぶところにも足を踏み入れて11枚ものバティックを安く買って袋をパンパンにし、そのまま南下して一大ショッピングエリア、KUTA(クタ)LEGIAN(レギャン)方面まで足を伸ばしてみた。

気がつくと12時、2回ミネラルウォーターを購入して喉を潤わせつつ動いてきたものの喉はカラカラお腹も空いた。吹き抜けのソファ席が気持ちよさそうな"Aromas Cafe"というところで昼食を取ることにする。
手持ちのガイドブックには「オーガニックが売りのカフェ&レストラン」とのこと。NASI GORENG(ナシ・ゴレン)がメニューに載っていたのでだんなはこれを、私は"TEMPEH BURGER"なるハンバーガー。"TEMPE"とは納豆を揚げたような豆料理だとどこかで読んだが果たしてどんなものなのか。
そして"WATERMELON AND COCONUTS JUICE"と説明のあったPINK ROCKETなるジュースを頼んだ。息子にはバナナパンケーキにバニラミルクシェーキ。暑い中、つきあってくれた御褒美に。

ドリンクがずらりとやってきた。"ホームメードアイスクリームがたっぷり♪"というようなことを書いてあったミルクシェーキは牛乳たっぷりで濃厚に甘い。ローズマリーの花やパイナップルが飾られていて、息子が目を輝かしつつ飾りを除けながら一気飲み体制に突入した。だんなの頼んだアイスコーヒーはノンシュガーノンミルクのきわめて苦々しいもの。私のはというと怪しい赤いジュースなのである。飲んでみるとモロにスイカの味、そしてその奥にヤングココナッツのあの透明な青臭いジュースの味もほのかに漂う。ココナッツミルクではない透明なジュースは後味さっぱりでなかなか好みだったりする。それにしても初めて飲む怪しいジュースだ。

で、いきなりバナナパンケーキが2つやってきた。1つと言ったのにどうやら注文を間違えたようで、でも旨そうなので何も言わずに2つ食べちゃう。薄めのホットケーキの中にバナナが練りこまれたもので、メープルシロップか蜂蜜かをつけてくれる。火の通ったバナナは甘くなるものだが、こちらのバナナはただでさえ甘い。砂糖もシロップもいらないような甘い甘いパンケーキだ。こちらも息子が両手に持って一気食い体制に突入している。

値段はというと18,500Rpなのである。1皿200円程度。1皿でも2皿でもいいですよ別に、という感覚になってきてしまう。

ほどなく私のハンバーガーとだんなのナシ・ゴレンがやってきた。
「ハンバーガーじゃまぁお腹も膨れないだろうしな」
と頼んだ自分が甘かった。
平らな木製のお皿(というよりお盆)の上には両手の親指と中指で作る円よりも大きなパンがどてっと鎮座ましましている。たっぷりのレタスにきゅうり、トマトの下には巨大な"TEMPEH"。さつま揚げにも似た、野菜入りの豆腐揚げ、といた風情のものだ。そして辛味の少ないたっぷりのトマトソース。
巨大である。物足りない、と感じているフレッシュネスバーガーの大サイズよりは確実に5倍は大きいものだ。胡麻の入ったパンは若干ポソポソとした歯ざわりだったが揚げものの割には淡白な風味のTEMPEHと合ってけっこうイケる。

だんなのナシ・ゴレンも随分と変わっていた。今まで食べてきたものを色からして随分違う。真っ赤だ。まるで"バリ風チキンライス"といった味であり匂いである。そのケチャップベースの味は悪くはないけど、「これがナシ・ゴレンだよ」と言われてしまうと戸惑ってしまうものだ。

食後、やたらと喉の乾く私はもう一杯ドリンクを所望。
「Would you like to give me a iced tea?」
と言っただけで持ってきてくれた紅茶は甘い甘いものだった。うう、だんなのコーヒーはノンシュガーができるけど紅茶は元々甘いやつなんですね、と改めて実感。甘い紅茶は体力が奪われていく赤道直下の日差しに対抗するには良いかもしれないけど、後で喉がまた乾いてしまうのだ。

料理2つにパンケーキ2つ、ドリンク4つでお会計は97,000Rp。1200円、といったところ。何だか笑ってしまうようなお値段だ。

ホテル内ロビーにて
 アフタヌーンティ

昨日に引き続き、本日もホテル主催のアフタヌーンティサービスにお出かけする。
今日のおやつは干し葡萄入りのスコーン♪小さめのスコーンが横に両断されていてイチゴジャムが挟まっている。生クリームつき。それに、昨日バナナの揚げ菓子を作っていたコーナーでは今日もフライパンが活躍している。
「また、バナナ?」
と思って見ていると、それに気づいたスタッフがテーブルまで持ってきてくれた。なんじゃこりゃ。どこから見ても鮭のような。
「What's is this?」
「……Salmon.」
うおぉぉぉ、やっぱりサーモンだぁぁぁ。目の前でオリーブ油にまみれて、バジルの葉に飾られてツヤツヤ光っている切り身はやっぱり鮭以外の何物でもなかったらしい。しかしアフタヌーンティに鮭!?スモークサーモンのサンドイッチなら食べたことがあるけれども。

……美味しい。
元々脂の乗っている鮭がそのまま炒められてオリーブ油をかけたままの鮭は柔らかく味のあるやつだ。紅茶に合うかどうかはともかく、午後3時のお茶の時間に食べるものかどうかはともかくこれはこれとしてとても美味しい。スコーンに似合わなくても美味しいぞ。ナイス鮭。
紅茶とスコーン、鮭を堪能する私たち。ちょっと変だけど楽しいおやつタイムである。

ホテル内 POOLSIDE TERRACEにて
 ソトアヤムもどき
 "SATAY CAMPUR"
 バリ・ハイ

ルームサービスの
 紅茶
 バニラアイスクリーム

「帰国前にソトアヤムを是非食べた〜い」
「でもめんどくさいので遠くに行くのはイヤ〜」
ということでホテル内のメインプール横にあるオープンテラスのレストランでお食事。なんでも"Choose your seafood and meals grilled to perfefction in Balinese style by our Chefs." といったスタイルのレストランらしい。きっとソトアヤムもあるだろう、あるに違いない、と徒歩2分ほどのそこへ出かけていく。

青い陶器の器が基調であるらしいレストラン、木製のテーブルと椅子がプールを見渡せるところに並んでいる。プールの上には蓮の花を模した飾りがロウソクを灯されてぷかぷかと浮かんでいる。テーブルには青い三日月型のパン皿と並べられたフォークやナイフ、ロウソクの灯り。うーん、ム〜ディ〜(笑)

前菜代わりに件のソトアヤム。名前はちょっと違うけど、"chicken noodle soup なんちゃら"とかあったからきっとこれだと合点してこれを2つ。メインは私は"SATAY CAMPUR"(サテ・チャンプル=サテ盛り合わせ)、だんなは"GIANT SEAFOOD SWORD"なるお勧め料理を。ジャイアントなシーフードのソードだそうで、でっかい串焼きでも来るのかしらね、と話し合う。

切れ味すっきりの地元ビール、バリハイを飲みつつスープが来るのを待つ。大きなボールに箸が添えられてきたのは茶褐色のスープ。箸を差し込んでみると、たっぷりのラーメンもどきが浮上してきた。ソトアヤムじゃ、ないみたい……。
青菜やモヤシもたっぷり入るこの前菜は、まんまラーメンのようだ。海老も入るしチャーシューも入る豪華ラーメン。ソトアヤムとは違ったけど鶏肉ベースのスープはそれでも美味しくてぺろりと食べる。

続いて私のサテチャンプル。炭火が下に入っている焼き網の上にたっぷり8本のサテ。チキンとビーフが半分ずつ。甘辛い醤油味系統のサンバルソースとピーナッツソース、真っ赤でピリ辛の唐辛子ソースの3つが小皿に入って添えられる。エビせんべいにフライドオニオンを乗せたタイ米つき。野菜の酢漬けも小皿でついてきて豪華盛り合わせになっている。炭火で温められ続けるサテというのがまた嬉しい。ただでさえ串焼きとか串揚げといったシチュエーションにはグッときてしまうものなのに。

だんなはだんなで、ものすごいものを目前にしていた。彼の前には腕の長さほどの長い長いSWORD……というよりレイピア(フェンシングソード)のような細い剣が掲げられている。ずらりと刺さった野菜や魚介がこんがり良い具合に焦げ目を見せている。うおぉぉぉ、ほんとにジャイアントシーフードソードだ。
恭しく持って来たウェイターが、そのソードの具を綺麗に皿に盛りつけてくれた。スィートチリソースがついてきて、元々スパイシーに味つけはされているその具をお好みで漬けてください、という感じらしい。竹の籠に入ったタイ米も添えられている。蓋を開けるとバナナの葉の上に盛られた御飯、すくうのはココナッツのしゃもじだ。ああ、なんだかすばらしい。こういうしつらえでくると、アジア雑貨狂いの私はドキドキしてしまう。

で、ジャイアントシーフードソードとサテチャンプルをだんなと分けあいつつ食べる。息子には彼用のソーセージプレートがやってきて、沢山盛られたポテトフライと目下格闘中だ。

やはり鶏肉のサテにはピーナッツソース、牛肉のサテにはサンバルソースが良く似合う。そしてどちらもタイ米にすこぶる良く似合う。甘酸っぱい酢漬けもつまみながら香ばしい串焼きをじゃかじゃかいただいた。だんなのピリピリと辛さが染みてくるグリルものも香ばしく美味しい。

メインを食べ終わったところで息子が食事に飽き始めてご機嫌が傾きはじめたので早々に部屋に戻る。
このホテル、なんでも「バトラーサービス」なるものがあるとのことで、お茶やコーヒーはいつでも望めば無料で持ってきてくれるのだ。で、お部屋でお茶会。
紅茶を2つ、コーヒーを1つ頼むとポットで持ってきてくれる。息子には砂糖入り牛乳たっぷりのぬるいミルクティーを、私はブラックティー、だんなはブラックコーヒー。

そしてついでにルームサービスでバニラアイスクリームを1つ所望して持ってきてもらう。36,000Rpなり。300円以上するその値段を見て、昨日たっぷり学習させていただいた私たちは緊急会議を執り行う。
「300円ってことは、きっとまた3スクープくらい入ってるんだ。」
「そうそう、そうに違いない。2つ取ったらまた泣く羽目になる。」
「む。息子用と称して1つ取って、皆で分けよう。」
「そうしようそうしよう。」

かくして本当に3スクープがたっぷり入ったバニラアイスクリームがやってきたのであった。ミントの飾りもイチゴの飾りも昨日と同じで昨日の悪夢がよみがえる。今日のは更に、イチゴの下にホイップクリームがついていた。ここのホームメイドアイスクリームはさっぱりとしていて満腹でなければいくらでも食べられそうな軽い食感のものだ。バニラビーンズたっぷりでとても美味しい。

そしてポットでやってきた紅茶もコーヒーもまだまだあるのだ。お風呂に入ったら続きを飲もう。そうしよう。

7/19 (水)
シェラトンラグーンヌサドゥア内 CAFE LAGOONにて
 朝食ブッフェ

バリ島5日目の朝。いよいよ最後の朝御飯だ。
4日続けての同じ場所でのブッフェ朝食、最後のテーマは当然「バリ飯」。

大きな白皿にたっぷりのナシ・ゴレンとミー・ゴレン。魚のフライや炒めマッシュルームも飾り、ナシ・ゴレンの上に目玉焼きを1つ焼いてもらって乗せてもらう。牛乳とアップルジュースをコップに1杯ずつ。
少しばかり上品な味付けのナシ・ゴレンはやや薄味でいくらでも食べられそうな感じがする。甘辛いインドネシアのこの炒め飯はやっぱり美味しい。

そして第2ラウンドはブブル・アヤム。鶏肉のお粥に今日もたっぷり赤玉ねぎのフライや茹で卵、葱を乗せてきてわしわしと食べる。バリ風一色にしようと思った今日の朝食だったけれども、ついついブッフェコーナー入り口にあった日替わりデザートコーナーのドーナッツが美味しそうで1ついただいてきてしまった。砂糖をまぶした、素朴な感じの揚げドーナツだ。美味♪

ホテル内 SAPPHERI CAFEにて
 SOTO AYAM
 FRESH MANGO JUICE

「今日は"焼き"に入るぞ」
と決意して、午前中からホテルのプールで遊びながら日光浴。午後も遊びつづけるつもりでプール近くのカフェにソト・アヤムがあったらそれで済ませようということで尋ねてみたところ見事にビンゴ!

水着のまま木製のテーブルに腰掛けて夫婦してソト・アヤムを注文する。飲み物はマンゴージュースにグレープフルーツジュースにジンジャーエール。
やたらと濃厚な、若干の青臭さが香る見事にオレンジ色したアップルマンゴーのジュースはこってりと甘い南国の味だ。

そして今回2回目のソト・アヤム。鶏肉ベースの黄色いスープに春雨やもやしや肉が沈んださっぱり塩味のスープは上品ながらも典型的な味がした。海老せんべいとサンバルソースとライムがついている。ライムを絞るとまた一段とさっぱりして美味しくなった。両手で抱えるほどの大きな蓋つきのポットに入ったソトアヤムは春雨もたっぷりで1皿で充分1回の食事として成り立つくらいの量がある。
この味日本でも是非再現したいものだけれど、なかなか手に入らないようなスパイスが必要らしい。せめてインスタントの「ソト・アヤム・ミックス」なんてのがあればサイコーなんだけど、それもどうやら売っていなかった。ショックだ。

午後も引き続き"焼き"に入る。
息子と遊びつつ、子供用のプールにごろごろと足を伸ばして寝そべっていたら、だんなが、
「息子、お母さんは今"ママ・グリン"になっているよ。」
(注:バビ・グリンは子豚の丸焼き、の意味)
と言っている。失礼な。したら君は"パパ・グリン"ではないか。
息子は既に、見事なまでに茶褐色の肉体にこんがりと焼けている。まさにバビ・グリンだ。

ホテル内ロビーにて
 アフタヌーンティ

いくら焼きたいからと言って、日焼け止めも塗らないで午後の太陽の下にいたのはまずかったらしい。
「おゆきさん!背中も肩も真っ赤だよ!」
とだんなに指摘されて初めて身体中がヒリヒリしているのに気がつき、慌てて部屋に戻ることに。
時刻は丁度2時半を過ぎたところ。シャワーを浴びてアフタヌーンティに行くにはぴったりの時間だ。

3時数分過ぎたところ、他の客もほとんどいないサービス直後の時間にロビーのソファに腰掛ける。砂糖と牛乳を入れた甘い紅茶と、お菓子は今日も2種類ある。
1つはフカフカの空気をいっぱい含んだチョコレートケーキ、もう1つはピサン・ゴレン。バナナの揚げ菓子だ。でも……おととい食べたピサン・ゴレンと随分違う味がする。上にかかっているのはカスタードクリームではなくオレンジソースだ。それに衣もついていない。

見ると、ロビーの片隅の鍋ではオレンジソースが満たされていて、そこへ皮を剥いたバナナをナイフで切ってはどかどか入れているようなのであった。バナナのフライ、というよりはオレンジ煮込みという感じ。ナッツが上にぱらりと散らされていて、ちょっと酸味のあるバナナはこれはこれでとてもイケる。

「アフタヌーンティって言っても、3段重ねのやつが来ちゃうようなやつは畏まっちゃうけどこれはいいなぁ〜。」
だんな、このサービスをいたく気に入ってる様子。3日連続で来ちゃうくらいだから相当気に入ってるのだと思う。

シェラトンラグーナホテル内 Temple Gardenにて
 Gegog Cultural Show

例によって、毎日配達されるホテル情報ペーパーに気になるものが載っているのである。
「Jegog Cultural Show - Every Wednesday night at Temple Garden, with International BBQ Buffet dinner offering freshly grilled meats and seafood cooked to perfection with soup, salads and dessert buffet, only at Rp 230,000-.」
ジェゴグ!それはとても嬉しい!というわけで昼前に予約をして行ってみることに。
本当はウブドゥという地域に行ってきちんとしたものを見る方がずっと楽しいのはわかっちゃいるけど、2歳時同伴の今回の旅行は、ひたすら"楽をする"に重点を置いているのであった。ホテルの洗練されたブッフェ料理を食べながら、ついでに子供がいても歓迎してくれるスタッフに囲まれながらショーを見られるのだから多くは言うまい。

午後7時からのディナー開始、時間ちょっと前に会場に到着。前回のケチャショーに引き続き、今回も一番前のステキな席だ。
前座のバンド演奏を聞きつつ、今日も料理を堪能。ガドガドや牛肉のサラダ、ポテトサラダなど十数種類の前菜に引き続き、メイン料理は今回もバビ・グリン〜〜〜♪

「I love babi-guring, very very much!」
などとバビ・グリン付きのおっちゃんに伝えたら笑いながら豚肉も皮もてんこ盛りにして下さった。緑色のスパイシーなソースつき。相変わらず皮はパリパリ、肉はふくふくのジューシーなばっちり加減だ。ああ、美味しい……。
周囲には魚介のステーキやサテもたっぷり用意されている。これがバリ島最後の食事とサテもステーキもたっぷりいただく。ターメリックで炊いたちょっと甘い御飯、ナシ・クミンもたっぷりと。

そして会場の一角ではフライパン隊が待機している。彼らの前には山積みになった皿と各種の野菜が盛られたボール。このコーナーでは野菜を自由に皿に盛りつけ、魚介や肉をチョイスしてナシ・ゴレンとミー・ゴレンを作ってもらうことができる。具となる野菜を自分で盛りつけてフライパン隊に渡すと、その具を使って調理してくれるのだ。面白く楽しい仕掛け。

もやしと玉ねぎたっぷりのナシ・ゴレンを作ってもらった。メインの具はたっぷりの海老♪
目の前で海老を炒め、すりおろしにんにくと一緒に野菜を炒め合わせ、あらかじめ赤っぽくソースで炊いてあるような御飯を混ぜて炒め合わせる。最後に揚げにんにくをぱらりと。作りたてのナシ・ゴレンをブッフェディナーで味わえるというのはとても嬉しいことだ。

そしてデザート、イチゴのタルトやチーズケーキ、カスタードプリンや沢山の果物がたっぷりと用意されている。
デザートグラスに入って並べられたものはバナナとタピオカにココナッツミルクをかけたようなもの。

眺めていると、横に立つ日本人親子が会話をしているのが耳に入った。
「この粒粒はイクラじゃないのかなぁ。随分変なものを使うなぁ。」
という父親の声。おーーーい、それはタピオカだって!とツッコミを入れたくなる自分をぐっと堪えて彼らの話を聞く。
父親はそばに立つスタッフに英語で聞いている。
「これは植物なのかい?」
スタッフ、
「それはSEAFOOD EGGだ。」
……がーーーーん。本当に魚卵だったとは。し、信じられない。

彼らが去った後、同じスタッフに思わず歩み寄ってしまう私。
「Isn't this "タピオカ"?」
「Yes,This is "サグ". Seafood eggs.」
おおおおー。本当に"魚卵"と言っているーーー!
良くみると、その"サグ"なるものはタピオカよりお互いがみちみちとくっついて集合体となっていてほんのりピンク色なのではあった。確かにタピオカとは違うみたいだけど……。
一口食ってみる。やっぱりタピオカな味がする。大変謎なデザートなのであった。

デザート食って困惑している間に、ショーは始まっているのである。9台のジェゴグが鳴り響く中、踊りも4種類ばかり、次々と衣装も変えて目の前で披露されていく。あまり期待していなかったショーは、期待していなかったのが申し訳ないほどとても堪能できるものだった。ジェゴグ奏者の腕も大したものだったと思うし。

そして現在午後9時半。荷物まとめていよいよ帰国。
ホテルを午後11時に出て、飛行機の離陸予定は日付が変わった後の午前1時40分というハードスケジュールだ。
明日、無事に日本から日記更新ができますように。
バリ島、さよーならー。またきます。多分また数年中に遠からず。

7/20 (木)
JAL機内にて
 クロワッサン、バナナカップケーキ
 マッシュルーム入りオムレツ、マッシュポテト、ベイクドトマト、青菜のソテー
 バナナココナッツ入りヨーグルト
 パイナップル、西瓜、パパイヤ
 アップルジュース、紅茶

午前1時40分発、デンパサール発関西空港行きのJAL1714便はほぼ定刻通りに出発。
機内でジュースと小さな小さな卵入りのサンドイッチが供された後は、機内は全面的に就寝モードに投入した。窓のフードを下ろし、息子もだんなも私も速攻爆睡。
機内アナウンスがあってたたき起こされたのはそれから3時間少し後のことだ。
「あと2時間ほどで当機は関西空港に着陸します……」
だったらその2時間後で起こしてくれ〜!と心中悪態つきつつも、供される朝御飯はそれでもしっかりいただいてしまう。

おかずを選ぶなどの選択肢はなく、パンにオムレツの絵に描いたような洋風朝食。睡眠時間3時間ちょいで叩き起こされて食べるにはヘビィな内容だ。もそもそとクロワッサンと食し、オムレツをつまむ。ココナッツの繊維たっぷりのバナナ入りのヨーグルトはとても有り難かったので全部食べたけど。

息子には、ちゃんと"チャイルドミール"をリクエストしておいた。
んが、息子はず〜〜〜〜っと爆睡中。機内アナウンスがあろうと、周囲がざわめき始めようと一向におかまいなし。そのまま着陸直前まで寝てしまったので、結局チャイルドミールは見ることもできなかった、とさ。一番がっかりしているのは実は私だ。見てみたかったのに。子供用の朝食……。

食事を終える頃、窓の外には沖縄が見えた。いよいよ帰国だ。はぁ〜。

関西空港内 SKY SUNTORYにて
 焼き肉ピラフ ミニドリア&スープセット
 アイスティー

関空にて国内線にトランジット、最終目的地は羽田である。乗り換え時間は3時間もあり、その間関空の中をうろうろと歩き回る。本屋を見たり、ゲーセンでメダルゲームをしてみたり。
「でもさ、おゆきさん。1時間半くらいあればぎりぎり難波を往復できるよ。蓬莱に行けるねぇ……。」
ってだんなは言うのだが……そこまでするか君は。
往復大人料金5000円近くかけて数十分しかない時間で何をしようと言うのか。
結局、蓬莱のぶたまんは無事に空港内のショップにて購入することができた。8個のぶたまんの入った紙袋をぶら下げつつ、更に空港内を歩く。

目が覚めてくるにつれてお腹もすいてきた。それも強烈に空いてきた。
「しっかり食べたい。相当しっかり食べたい。」
と私の主張により、サントリーが経営しているらしい洋食レストランに入ることに。私は焼き肉ピラフのミニドリアとスープのセット。ヘビィ極まりないハイカロリー昼食だ。寝不足でぐらぐらする今、この上腹まで空いていては本気で動くことができなくなる。

だんなはビーフカレーのサラダ&スープセットにホットコーヒー、息子にはプリンアラモードにアイスココア。厳しいスケジュールに病気も怪我もさずについてきてくれた御褒美だ。

ベーコン入りのピラフの上に乗るのは3切れの薄い牛肉、市販のタレのような甘ったるい焼き肉のタレで炒められている。甘いだけのコーンスープ(←実は結構好きだったりする、こういうの)に海老の乗った小さなドリア。よくありすぎるような変哲のないファミレスの食事、という感じ。だけれどちょっとしみじみする。ああ、日本に帰ってきたんだーーー……。

てんやものの
 かつ丼
ざるそば
冷茶

夕方、やっと我が家に到着。
バリ島より大阪が暑く、大阪より東京が暑かったという笑ってしまうようなこの事実。今日の東京のなんと暑いことか。

スーツケース2つ、総量60kg超過という信じられないような大荷物を解体することから帰宅後の作業は始まる。義妹へのお土産、ガルーダのお面、"痩せるジャムゥ"なる怪しい飲み薬。ソト・アヤムの素7袋に缶ビール12缶。バティック10枚。マンゴプリンの箱3つにマンゴプリンミックス1つ。出てくる出てくる、よくもまぁこんなものまで、という大荷物。大阪蓬莱のショップで貰った紙ナプキンまで出てくるというのはどうしたことか。

夕飯はもう当然作る気力もなくて、
「出発前夜に食べた、"水信"の天丼をもう一度〜♪」
とまるで儀式でもあるかのように同じ店に同じ料理を注文しようとする。んが、かの店は休日休業。泣く泣く他の店をあたって天丼とカツ丼を持ってきてもらう。蕎麦も食べたかったので、こいつは自宅で茹でる。たっぷりの氷でキンキンに冷やした冷茶も作って準備万端。

少々甘い割り下のカツ丼は、想像以上には充分美味しかった。カツだ卵だ醤油だ味醂だ、ああ、日本のメシだぁ……。たった4泊日本を出ていただけで、やっぱり日本のメシが懐かしくなっている自分に少々びっくりする。バリ島にも御飯はあるというのに、それでも懐かしくなってしまうものらしい。
さっぱり冷たいつゆに漬けつつ、キリリと冷えたそばをすする。冷茶に麦茶。コンビニでお風呂後食すかき氷も買ってきた。
ああ、やっぱり日本が一番ステキ……(おいおい)

7/21 (金)
蓬莱の
 ぶたまん
麦茶

昨日関空で買ってきた蓬莱のぶたまんで朝御飯、あさごはん〜〜〜♪
4個入りのパックを冷凍庫から出して蒸し器でほこほこと蒸す。冷たい麦茶にたっぷりの氷。今日もがんばらなくては。

で……蓬莱のぶたまん、なんかちょっと味が違う。皮はあんまりふくふくしてないし、あの独特の甘さもない。豚脂たっぷりのようなあの具の旨味や甘味が全然ない!不味くはないけど全然ちがーう!

箱を見る。確かにあの字体で「蓬莱」って書いてある。でも「551」の文字はない。代わりにあるのは小さな小さな「本店」の文字。「蓬莱本店」。それって「551蓬莱」とは別物なのかーーーー!?!?!?がーーーーん。
旅行翌日、今日は一日労働だというのにハニワ顔でもって固まってしまう我ら家族。あうあう、こんなことなら冷たいやつをとこだわらずにちゃんとエアロプラザの551のお店まで行くべきだったー。ショック。

銀座 la Divaにて
 サラダ
 カルツォーネ(アーティチョーク、トマト、卵、サラミ)
 レモンスカッシュ

何だかファーストフード的なものが食べたくなり会社を抜ける。んが、午後1時も間近だったその時間、フレッシュネスバーガーはほぼ満席、マクドナルドもたっぷりの人、サブウェイにも何故かかなりの行列が。ああ、蓬莱に引き続きファーストフード店にもそっぽ向かれた今日の私。朝の「今日の占いカウントダウーン♪」では確か悪くなかったと思ったのに。しくしくしく。

で、銀座2丁目サブウェイの前にあるDIVAに入ることにする。
イタリア料理のカフェであるこの店、味は悪くないけど値段も悪くなく、いつ行っても結構空いている。ケーキやティラミスも結構いけるのに人気ないらしい。いつ行っても座れてしかも長居できるこの店を私は結構気に入っている。

「本日のカルツォーネ」はアーティチョークにトマトに卵にサラミ。注文してからやってくるまで15分くらい、焼きたてのやつがやってくる。バリで食べた、生地より厚いチーズなんてことはなかったけどパリパリの生地にのびるチーズは本格風だ。なかなか美味。

パルミジャーノレッジャーノをがりがりかけてオリーブ油で和えたグリーンサラダも手抜きな味もせず、香ばしくてフォークが進む。暑い日ざしから逃げてきたところで飲むレモンスカッシュ。サイコーだ。

今日の御飯のお供はトマス・ハリスの『ハンニバル』下巻。『羊たちの沈黙』の続編というやつだ。
我が愛しの殺人鬼レクター博士がわしわしと人殺ししているシーンなぞ読みながら、カルツォーネ喰ってる私はもしかして相当悪趣味なのかもしれないけれど。

醤油かけうどん
麦茶

長期休み明けということで、だんなは激ジョブ。
息子と二人の夕御飯は、旅の暴飲暴食を戒めるべく、醤油かけただけのうどん。ただし葱はたっぷり刻む。ついでに胡麻などふってみる。

茹でたてのうどんを水できゅっと締め、ついでに氷をじゃらじゃら絡めてキリリと冷やす。つめったくなったところで急いで器に盛って、だし醤油をじゃっとかける。さぁ急いで喰え喰え。
1週間ぶり以上のうどんはしみじみ旨かった。本当だったら卵を割り入れたいところだったけどそういえばまだ卵を買っていなかったのだった。ナマモノの少ない空っぽ冷蔵庫。中は買ってきたマンゴプリンだらけ。とほほほほ。

7/22 (土)
鶴見 翠華樓にて
 飲茶セット \1,000×2
 ・クラゲとチャーシューの前菜
 ・フカヒレスープ
 ・海老蒸し餃子
 ・春巻
 ・ニラ蒸し餃子
 ・黒豚肉焼売
 ・ライスペーパー巻き
 ・フカヒレ蒸し餃子
 ・チャーシューまん
 ・杏仁豆腐
自家製チャーシュー \400
大根餅 \225
蒸しカステラ \200
咸水角 \300
小龍包 \250
炒飯 \300
ザージャー麺 \300
マンゴープリン \250×2
ビール 無料

「翠華樓が飲茶5周年記念で飲茶半額セールをやってますよー」
とこのお店を教えてくださった人からメールをありがたくもメールを頂戴し、旅行明けの週末だろうが何だろうか顧みずにとっととお出掛けしてみた。10時半起床で速攻準備して空腹抱えていざいざ、と。

12時半入店、店はこの上なく混んでいる。……といっても席の7割が埋まっているくらいなんだけれども。いつも心配になってしまうくらい空席のあるこのお店、でもファンはいっぱいいるらしい。安いし旨いし、私たちが地元民だったら週に1度は来てしまうだろう。

さて、店では本当に飲茶半額セールを開催中だった。専用メニューを見ると、点心は250円やら300円やらと驚きの値段が並んでいる。一度も食べたことのなかった「飲茶セット」にチャレンジ。点心全て1人1つずつ、人数分を蒸籠に入れて蒸して持ってきてくれるらしい。初回に来たときにいただいたビール無料券も出し、ビール飲みつつセットの点心をいただく。我らには当然これだけでは足りないので他にも色々注文。半額だ半額だ半額だ♪

クラゲと千切りチャーシューが胡麻ドレッシングで和えられた前菜、その細いチャーシューはいつもながら味が染みた真っ赤なやつでジューシーだ。千切りチャーシューを物足りなく思い、ついつい単品で追加注文。ずらりと10個ほどの切り身が並ぶ皿をつつきつつビールを喰らう。

フカヒレスープはやや濃いめのとろみがついた、椎茸や筍の入るもの。やや茶色のスープは"洗練"や"上品"とはちょっと遠いところにあるけれども力のある濃厚なスープだ。息子に相当量奪われる。とほほ。
そして蒸し物蒸籠がずらりと並ぶ。海老蒸し餃子とニラ蒸し餃子がセットで。焼売とフカヒレ蒸し餃子がセットで。そして手のひらにちんまり収まる可愛らしいチャーシューまんも。ああ、天国のよう……♪

点心は半額セールだろうと微塵の手抜きもなく、海老はぷりぷりだし皮も手作りのモチモチ感がしっかりとある。香菜の香るニラ蒸し餃子に潮の香りがするフカヒレ餃子。焼売も噛むと肉汁が滴ってくるようなものだ。すばらしい。すばらしいっすよ翠華樓!

息子は息子で、彼用に取ってあげた茶褐色のふわふわ蒸しカステラをお気に召しているようだ。大根餅とカステラを両手に持ちつつわしわしと食べている。ここの大根餅はちょっと厚めで大判だ。皿に3枚、溢れんばかりに盛ってくる。腸詰めの切り身がたっぷりと入った、でも軽い食感の大根餅だ。

揚げたてのアツアツがきたスタンダードな春巻に、海老あんがたっぷり入っている小ぶりのライスペーパー巻き。どちらもサクサク。
さぁ……喰ったな。セットは全部食べた。テーブルもほとんど綺麗になってしまった。次のラウンド〜。

忘れちゃいけない絶品の小龍包と咸水角。これが1皿250円なんて笑っちゃうほどのお値段だ。
小龍包は4つ、キャベツの上に乗ったほこほこのやつがやってきた。レンゲですくい、その皮を破らないように細心の注意でもって持ち上げて、甘酢のたれと生姜と乗せてぺろりと食べる。たっっっぷりのスープともちもちした皮と肉たっぷりの中心のあん。ちょっとポテッとした外観のそれは相変わらず素朴な感じがするけれども手作りのしみじみとした美味しさがある。

3つやってきた咸水角は私が有り難く2つ頂戴する。私は無類の咸水角好きなのだ。
五目のあんを餅でくるんで油でこんがり揚げたそれは、いつにも増して揚げたてのやつがやってきた。歯に当たると痛いほどの熱い表面はカリカリサクサクで、中の餅はふくふくと柔らかく、ついでに具も柔らかだ。ここの咸水角は五香粉が強く香る個性的なもの。それがまたすこぶる美味しい。

これだけ喰えば……大抵の客はお腹一杯になるらしい。
横のテーブルの家族は飲茶セットのみを取り、
「おあと、デザートですがよろしいですか?」
の問いかけにうんうん、と頷いている。
それを尻目に炒飯とかザージャー麺(←ジャージャー麺のこと、らしい)とか取ってる私たち。まだまだいけるもんね。うんうん。

海老が入った炒飯は卵とグリンピースの入るごくごく普通のもの。だけどパラリとしていて塩加減もばっちり、だんなは一口食べて「うめえぇぇぇ〜」と流し込むように食べている。たっぷりあって300円。嬉しすぎる。
茹でた麺にトロンとした肉味噌がかかりキュウリが添えられたザージャー麺もすこぶるイケるものだった。やや平たい麺に濃いとろみの肉味噌が良く絡む。キュウリを食べつつ後味がピリピリするその麺を啜りこむ。ああ、やっぱりシアワセだ……。
しかし、さすがに食欲魔人は満腹になってきた。
「炒飯ならエンドレスでいくらでも喰えます」
とか言ってるだんなに炒飯の残りを押しつけて私はデザートに心飛んでいる。

セットについてくる杏仁豆腐は2つ。
そして忘れてはいけないマンゴープリン。ここのプリンはかなりの絶品だ。しかも今日は500円するものが250円!バケツごと持ってこーい!という感じだ。

椀にたっぷり溢れんばかりよそった杏仁豆腐は杏仁霜を使って作ったらしい本格派。菱形に切られたそれは良い具合に柔らかく、甘さの薄い豆腐にシロップの甘さのバランスが良い感じ。

そして、今日のマンゴープリンは神がかっていた。
マンゴーの旬まっさかりにやって来たためもあったと思うけど、ふるふるプルプルの固まり具合と良い、たっっっぷりの混ざる果肉と良い、本当にバケツ一杯欲しかった。欲しかったんだけど……さすがに超満腹だ。腹つつかれたら破裂する、という感じ。

よろよろと4000円強のお会計を済ませて鶴見の西友をゾンビのように歩き回る。近場の薬局で、以前友人に教えてもらった「ガロール」なる消化薬を手に入れる為に。残念ながら販売ルートがとても狭い薬だということで、全く同じ成分だという「ガロニン錠」なるものを購入。牛の胆汁が原料だというその苦い苦い薬を4粒腹に流し込む。
お、お、お、胃が楽になってきたぞ。ということは、これを飲みつつ食べればあとマンゴプリン5個くらいはいけるんじゃ……(やめときなさいって……)

枝豆
中トロ刺身
バター醤油御飯
サンミゲール

午後4時半、よろよろしながら帰宅。刺身や肉を買ってきたはいいけどまだまだまだまだ満腹だ。
それでも御飯を炊いて、枝豆を茹でるだけはしておいて、午後8時。

茹で枝豆に、100gちょいの小さな中トロのサクを切り身にする。ビールを開けてつまみを前に、乾杯。
「天狗豆」なる枝豆は味の濃い旨いやつだった。硬めに茹でたそれをぽいぽい食べつつ、こってりした中トロをゆっくりつまむ……横から息子が「おいしいねおいしいね」とばかりに中トロを両手に握ってばくばく喰いよる。やめぇぇぇぇ!そんなにバクバク中トロ喰うな!!

御飯のおかずにもなるね、と買ってきた中トロは息子に半分方喰われてしまった。彼の食欲を考えるのを忘れていたのだ。

そのまま泣きつつ、枝豆とビールで終わらせるには物足りなくはあったのでバター醤油御飯。
炊きたて御飯にカルピス特撰バターを落とし、うりゃうりゃとかき混ぜた後醤油ひとたらしして、喰う。バターはあんまり多くすると胃にもたれちゃうので要注意だ。でもバターの溶けきらないカケラを御飯と一緒に口に入れるのもまた美味しかったりするのよね〜。

7/23 (日)
吉野家の
 牛丼(並)
 味噌汁
 ポテトサラダ
麦茶

昨日も尋常ならざる暑さだったけれども今日もまたひときわ暑いのである。
御飯もうどんも、いまいち朝御飯に食べたいという感じではなかった。
そういう時に言うのだ、我が家のだんなは。

「吉野家……喰えそう。いや、喰いたいなぁ……」
と。
午前9時半、すでに猛暑となり始めていた日差しの中、彼は自転車に乗ってすっとんでいってしまった。やる気あるなぁ。だんな……。

かくして彼は牛丼(並)に牛丼(特盛)、味噌汁2個にポテトサラダを買って帰ってきた。皆で発泡スチロールの容器を抱えてがつがつと食べる。ああ、久しぶりだ吉牛。相変わらず旨い。粉っぽいような味噌汁も、何やら怪しく甘ったるいポテトサラダも相変わらずだ。
吉牛の味噌汁を見ると、いつも思い出してしまうフレーズがある。

「あさりの風味が死んでます」

元は吉野家のお店の壁にかかっていたポスターなのだという。
「あさりの風味が生きてます」
というキャッチフレーズのその味噌汁の案内を見て、学生時代のだんなは
「うっそでー。"あさりの風味が死んでます"の間違いじゃねーの?」
と思ったのだそうだ。そう、それ!とい感じ。以来、親愛の情を込めて(?)私たちは"あさりの風味が死んでます"味噌汁と呼び慣わしているのだ。

茹で枝豆
にんにく芽と豚肉のうま煮丼
サンミゲール、冷茶

一日家でのんびりの日曜日。
だんながやっているのをずっと眺めているだけだったファイナルファンタジー9、午後からちょっと始めてみたらこれが面白くてたまらない。
4枚組のかのゲーム、居間ではだんながDISK2をやり、寝室では私がDISK1をやりまくる。なに、プレーステーションはPS2、PSoneを含めて我が家に3台あるのだ。問題ない。(←ただれてますな、うち……)

気が付くと6時、だんながちょっと呆れた風に
「おゆきさん、冷蔵庫からにんにくの芽が発掘されたのでこれでうま煮丼でも作りましょうか?」
と寝室に顔を出した。
あ、ごめんなさいごめんなさい。どうもすみません。
ぺこぺこしながら、結局だんなに夕飯を作っていただくことに。

余りもののにんにくの芽と豚肉、たっぷりの長ねぎを八宝菜に似たたれで閉じてあんかけにした中華丼。
冷蔵庫の余りものでちゃっちゃと簡単な丼もの御飯を作ることにかけては、だんなは相変わらず天下一品だ。刻み生姜たっぷりのあんかけ御飯はいくらでも食べられそうな味になっている。にんにくの芽の香りと相まって旨い旨い旨い。

ビールに枝豆、どんぶり御飯に冷茶。平和な日曜日だー。