大根と人参の中華スープ
冷茶
週の始まりの月曜日だというのに、たらたらと7時半まで寝てしまった。
「冷凍庫にピラフがあったんじゃないかなー」
と冷凍庫を覗くと「そばめし」の袋が1つ。気分としては何となく「海老ピラフ」であり「鶏ごぼうピラフ」であったりしたのだけど、そばめしを喰うことにする。
ソース焼きそば味の、短いそばがポロポロと入る怪しい味の炒飯は今日も怪しい味がした。なにゆえに、御飯とそばを混ぜ合わせなければならんのか。不味くはないし、いや、逆に美味しいと思ってしまうのであるけれども「焼きそばパン」「焼きそばをおかずに御飯」「お好み焼きをおかずに御飯」などの文化をいまひとつ受け止めきれない私には、「そばめし」はやっぱりちょっと怪しい食べ物なのだった。美味しいんだけどね、美味しいんだけどなぁ。
自家製プリン
牛乳
今日は一日お仕事。興に乗ったら止まらなくタチなもので、気が付いたら2時過ぎて腹ぺこだった。
「リッツ、つまみながら作業しよう」
とリッツの小袋を棚から出してみたものの、手に油がついては作業できない。結局作業を中断して牛乳入れて、布の散らばる床に座り込んでリッツをつまんで牛乳を飲んだ。
で、昨日作った自家製プリンの残りの1つをデザートに。
作成直後に昨日食したプリンは、何とも柔らかでぐずぐずでくしゃくしゃでいまひとつな食感だったけど、冷蔵庫で1晩置いたら水分が抜けたのかそれっぽいプリンになっていた。プルンと柔らかでツルンと滑らかで、カラメルの苦さも大人っぽい味で、なかなかな出来映え。次に作るときにはもっと美味しいものができそうだ。
茄子とごぼうの澄まし汁
モルツ、冷茶
夕方、息子とニュークイックでお買い物。今晩は鶏肉料理をしようと思っていた。
が、牛肉が超安い。山形牛に150円なんて値がついている。理由は言わずもがなの「狂牛病」だ。
「狂牛病、危険か安全かちょっと気になる」
という若干のとまどいと、
「でもでも、150円の山形牛!切り落としは80円!」
という魅惑的な価格設定の間で5秒ほどゆらいだ挙げ句、
「山形牛、500gくださいな」
と買ってきた。やや厚めにスライスされた肉は、ンガーッと焼いて塩胡椒とか醤油で喰ったら旨そうだ。
「……ステーキ丼、だな。」
と牛肉価格破壊の現状をちょっとばかり嬉しく思いつつ、今夜はステーキ丼。
フライパンよりずっと厚くてずっと重い、「スキレット」という鍋(っちゅーか、フライパン)がある。結婚式の引き出物のカタログギフトでもらった小型のスキレットが1年ほど前から我が家にあったのだけど、最近になってようやく少しずつ使い始めている。この本を買ったのが1つのきっかけではあるけど、何しろ重い。洋食屋のオヤジがこのスキレットを揺すりつつハンバーグを焼くのをテレビで見たことがあるけど、そんなことした日には翌日筋肉痛でキーボードも叩けなくなってしまいそうだ。でも、保温力はフライパンの比ではなく、熱の当たりも良いような感じ。少しずつ慣らしつつ使っているところ。
で、牛肉をスキレットに1枚ずつ乗せてミディアムレアくらいに焼きまくっていくことにする。スキレットに醤油やバターを落とすと一瞬にして焦げてしまいそうなので、ボウルに溶かしバターと醤油とおろしにんにくを入れておいて、焼けた肉をちゃぽんと漬けては御飯の上に乗せていくことにする。スキレットの隅っこにしめじも置いて、こんがり焼いちゃう。御飯の上に肉としめじを盛りつけたところで最後にバターひとかけらを乗せたら完成。
バターと醤油、ほのかににんにくの味だけがするシンプルなステーキ丼は「肉喰ってますっ!」てな感じにしみじみ美味しかった。狂牛病の味は……多分しないと思う。しないといいなぁ。
サモサ
チョコデニッシュ
カフェオレ
出勤の日の朝は、御飯よりパンの方が準備や片付けが楽だったりするので、大抵パンやドーナツを買ってくる。今朝は菓子パン。
親子3人各1個のチョコデニッシュと、私は「サモサ」なる名の丸い揚げパンじみたもの、だんなには焼きそばパン。マッシュポテトを野菜と共にカレー味のひき肉と和えたようなモサモサした食感の具が詰まる「サモサ」はカレーパンにも似ている。
「そうか、モサモサした食感だから"サモサ"なんだなっ!」(←違います)
と真実とは全く違うことを考えつつ、あったかく温めたサモサを囓る。
せっかく気合いを入れてパンを食べ、あとは出勤するだけだというのに、残念ながら本日は自宅作業。息子の口の周囲及び手に赤いプツプツが出ているのが発覚し、「風疹?」「いやまさか麻疹?」「……手足口病とか?」と頭を抱えつつ保育園に連れて行ったところ、「手足口病かもしれないから自宅で待機してください」と強制送還されてしまったのだ。がーん。せっかく気合い入れてサモサ喰ったのに。
まいたけの中華スープ(インスタント)
冷茶
広がるかと思われた発疹は一向に広がらず、ただただ元気な息子と一緒に「あなた、全然元気じゃんよー」と昼御飯。
牛肉をざくざくと粗めの一口大に切ったやつを炒め、ほんのちょっとのXO醤を投入して強めに塩胡椒。御飯を入れてざざざと炒め、醤油をひとたらしして、最後に刻み万能葱を混ぜただけの簡単炒飯を作成。食料庫からインスタントの中華スープも発掘し、息子と一緒に熱い炒飯をわしわしとかっこむ昼飯になった。
人は(というか私は)、「ダメ」と言われると無性にその「ダメ」なものがやりたくなる。ここ数日は、牛肉がどうにも美味しくてたまらない。
「かたまりっすよ!厚いっすよ!旨いっすよー」
と妙に感動しながら肉ごろごろの炒飯を噛みしめる。本当のところは、牛肉と豚肉と鶏肉だったら「豚・鶏・牛」の順で好みなものだから、牛肉はそれほど大大大好物というほどでもないのだ。でも、ここ数日はしみじみと美味しい。価格がお安い所為かもしれないけれどー。
ほうれん草のサラダ
モルツ、冷茶
「今から帰るよーん」
と電話をくれただんなに、
「今日はスパゲッティにしようと思いますが、鶏肉の具で」
と伝えたところ、
「……ヨコイとか?」
と、ヨコイソース御所望と思われる返事が帰ってきた。
太い太いヨコイブランドの麺(普通のスパゲッティの太さは1.6mmくらいだけど、ヨコイの麺は2.2mmだ。もはやスパゲッティではなくうどんのようだ)をしっかり茹でてから一度冷水でキュッと締める。締めたやつを熱した中華鍋に放り込み、たっぷりのバターで炒め合わせる。本当のところはバターではなくサラダ油で炒めるのが正式らしいけど、我が家ではバター使用が慣例になってしまっている。
炒めた麺を皿に乗せ、レトルトパックのヨコイソースをぶっかける。本日の具はオーブンで焼いた鶏肉、ただそれだけだ。いつも乗せてる目玉焼きも今日はなし。玉ねぎやピーマンの具もなし。焼いた鶏肉だけをピリ辛ソースに絡めつつ、太麺をずるずると啜る。うまひ。
これだけでは野菜不足の感があったので、ざく切りしたほうれん草と玉ねぎを合わせただけのサラダも用意。"ピエトロ"ドレッシングやらキューピーの胡麻ドレッシングやらを適当にぶっかけつつ野菜もバリバリと。
明日の昼は人形町。そろそろ「柳屋」のたいやきが美味しく思えてくる季節。もちろん山盛りのたいやきを買ってくる予定。
冷茶
朝、壮大に盛大に寝坊。
「御飯も炊いてなかったりするし、まぁ適当に……」
と他人事のようにボーッとしていた ところ、だんなが「カップ焼きそば、食べよかな」とカップ麺置き場をあさりはじめた。
「あ、あ、あ、私は"ですかい"を喰うよ、多分息子も"ですかい"を喰うよ」
とお湯を多めに沸かしてもらう。すまん、だんな。
JAL製の、ミニカップヌードル「ですかい」シリーズは、だんなの超お気に入り。特に「うどんですかい」は、だんなをして
「世のインスタントうどんの中で、これが一番好き」
と言い切らせてしまう強者だ。カップ麺だからして、「うどん」と言っても平べったく縮れのある麺で、生麺のうどんとは全く違うシロモノだけど、これがなかなかどうして美味しいのであった。いつのまにか私まで好物になっている。
刻み油揚げがどかすか乗った、ちょっと甘めの和風だしの味のミニカップうどんをしみじみと啜る。
御弁当
人形町 かねまん下の喫茶店
キリマンジャロ
某飲食店オーナー氏に
「打ち合わせをどうです、お昼でもご一緒に」
と誘われて、今日は人形町に赴いた。何故かオーナー、人形町で全く別の仕事をやっている。オーナーが本業でそっちが副業なのか、あるいはその逆であるのか、未だに良くわからない。
12時半に副業の職場に到着すると、ベージュのスーツに身を包んだオーナーが「お待たせしましたね」とスラリと出てきた。大竹まことと久米宏を足して2で割ったような顔というか印象というかの人なんである。オヤジ好みの私に直球ヒットのステキなおじさまだ。
「2〜300m先にね、けっこう美味しい和食屋があるんですよ、そこで」
とすったすったと小雨の中を歩き始めた。大通りに面した、でもさりげない佇まいのその店の名は「かねまん」とあった。階段をすったすったと昇り、お店のおばちゃんに「あら先生、あいにく今日は椅子席いっぱいなんですよ」と言われて座敷に通され、「あぁ、いつものね」と注文。めっちゃ来慣れている風情。せ、"先生"ですか、オーナー……。
「ここね、本当はフグの店なんですけどね」
とオーナーはおっしゃったけど、私は全然知らなかったりした。後で調べたら、夜にフグなんぞ喰った日には御一人様3万円超えてしまう超高級店かつ有名店であったらしい。このときは、まだ知らない。「へー、そうなんですかぁ」と言いつつ、昼飯の到着を待つ。
突き出しに、自家製らしき小イカの塩辛。続いて塗りの器に入った御弁当がやってきた。赤だしのなめこの味噌汁に、おひつに入った御飯。緑茶に急須。
弁当箱の中には鯛やまぐろの刺身、海老やら野菜やらの天ぷら、魚の味噌焼きにれんこんの佃煮に煮茄子のあんかけ、梅で和えた香の物などが詰まっている。上品に盛りつけられた漬物皿も。
「まぁ♪豪華♪♪♪」
と心中悦びの舞を踊りつつ、顔と口調だけは比較的冷静に仕事の話しなぞしながらロマンスグレーのおじさまと一緒の昼御飯。
レストランを開店したのも、釣り好きの道楽が高じて始めちゃったような感のある人なんである。医院の本棚には医学の本以上に釣りと料理とリゾートの本が並んでいる感じだし、待合室にも「なんでこんなにあるんだよ」という位、釣りの雑誌が置かれていたりする。
「こないだ、鰹を初めてさばきました。鯵はけっこう上手くなってきたんですけど……鰹は難しいです」
などと雑談モードに突入すると、
「僕、お店の見習い料理人よりかは上手く魚さばけますよ。かじきまぐろとか」
と返された。か、かじきまぐろっすか……(巨大ですね……)。
で、お昼御飯は美味しかったのだった。
自分ちの白米がめちゃめちゃ美味しかったりするので、外食しても白い御飯の美味しさにあんまり感動することがなくなってしまった昨今、久しぶりに「あ、御飯美味しい……」と思える御飯だった。細かく刻んだ青ねぎがパッと散らされた香り豊かな味噌汁も良い感じ。料理それぞれ、風変わりなものはなかったけれど、1つ1つがきっちり仕事されているような「老舗の伝統でございます」的なものだった。「あ、旨い。あ、なんか高そうな味がする……」という感じ。
食後は階下にある喫茶店でコーヒーなど啜りつつ、仕事の話も雑談も存分にして1時間20分ほどの打ち合わせ(ていうか食事会)が終了。
来週あたりから、なんだか忙しくなりそうなのだった。ゴチになったし、精一杯がんばらせていただきやすです、はい。
パンチェッタとキャベツのスープ
モルツ、冷茶
梨
牛肉が、やっぱり安いのだ。
帰宅途中に船橋東武デパートに寄り道し、「今半」なるそれはそれはお高い牛肉屋の店頭で「300g1000円」の札のついた切り落とし肉が、それはそれはそれはそれは美味しそうだったのだ。霜降りたっぷり。「切り落とし」なんて書いてはあるけど、その中身は超旨そう。
「あ、あ、あ、美味しそう……」
と思わず1パック買ってきてしまい、「さっと火を通してストロガノフに致しましょう」と今晩のメニュー決定。季節柄、きのこも山盛り入れることにした。確か以前、ケンタロウさんの本で見た作り方だったと思う。
刻みにんにくをさっと炒めて肉投入、塩ぱっぱ胡椒もぱっぱ。ざっと炒めたらきのこ(今日はしめじとまいたけとブラウンマッシュルームを使用)も投入。大体火が通ったら白ワインをふって飛ばし、生クリーム1パックをだばだ〜と注ぎ、牛乳もその半量くらいだばだ〜と注ぎ、強火でガーッと煮ていく。汁分が半分くらいになって適当に煮詰まったら最後に粒マスタードをスプーン山盛り放り込んで、できあがり。御飯にぶっかけて、食べる。
御飯は、昨日届いたばかりの新米。秋田県は大潟村の「花咲農園」であきたこまちを買うようになってから他のお米が食べられなくなった。私の母と同窓の人が運営していて母のツテで私も自分で注文するようになってもう数年。ほっくり炊けた新米は何だかピチピチと光っていて、今年もやっぱり旨かった。一緒に届けてもらったにんにくも、ナイフを入れるとリンゴのようにシャリシャリと締まってるのに水っぽくて良い感じ。
同じ「牛」なのだから生クリームと牛肉は相性がいいと思う。全体的に乳臭さが漂って、「どこ喰っても牛の味です」という感じがする。霜降りの肉はやっぱり柔らかくて味があって、「安くてどうもありがとう」としみじみ思ってしまうのだった。こと食べ物に関しては、あんまり危機意識のない私……(ま、発症しちまったらそれはその時なのよ)。
パンチェッタとキャベツのスープ
御飯
抹茶入り玄米茶
朝から大変な光景を目にしてしまってうろたえる木曜の朝。
鯵の開きを焼こうと思ったのだ。コンロについているグリルをガラリと引き出すと、……そこには、黄色く濁って腐臭を放つ水(というか怪しい液体)がゆらり、と粘度を持ちつつ揺れていた。先週末に秋刀魚を焼いた時、洗うのをすっかり忘れていたらしい。何ということだ。
「オレイン酸もリノール酸も腐っています」(いや、腐るものかどうかはわからないけど)
てな感じに、どこもかしこも尋常じゃなくベタベタとしている。スポンジでぬぐったらスポンジが黄色く染まり、そのスポンジで別のものに触れると魚の匂いが伝染するという由々しき事態になってしまった。朝から半べそかいてグリルの清掃。何だか悲しい。
で、ようやっと焼くことができた鯵の開きと昨日のスープ、御飯でもって朝御飯。新米は美味しい。ボジョレヌーボーにはあまり愛がないけれど、新米は毎年ちょっとわくわくして待ってしまうのだ。
バンビランチ
本日、お仕事。
「肉、喰うぞ、肉、肉」
とハンバーグチェーン「BAMBI」に赴いてハンバーグをわしわしと食べることにした。ポテトや人参が添えられた、スープと御飯つきの一番シンプルなセットは600円くらい。お安いので嬉しい。
狂牛病もなんのその、牛肉がふんだんに使われているはずのハンバーグ屋さんは学生やサラリーマンで混んでいた。どこかファミレスチックな味もするけど、焼きたてのハンバーグがカウンターからすぐさま出てくるのが嬉しい。鉄板の上でじゅわじゅわ言っているのもこれまた嬉しい。御飯に軽く塩なぞかけてわしわしと噛みしめながら食す肉汁溢れるハンバーグは今日もなかなか美味しかった。
……でも、このお店の向かいにある「讃岐うどんの店」なる店がものすごく気になっていたりして。今度は讃岐うどんを食べに行こう。
海老の天ぷら・かき揚げ
ねぎとろ巻き
鶏肉と舞茸とごぼうの吸い物
神亀「生酒」
抹茶入り玄米茶
夕方、友人Kさんから手打ちの親蕎麦とうどんが届いた。
うどん打ちをこよなく趣味にしている人なのである。昨年頃から、何回も手打ちうどんを送っていただいたのだけど、素人にしておくには勿体ない見事なうどんなのだ。香川で食べた、あの本場の味がそよそよと感じられる強い腰のうどんで、それが届いた日にはパックをなでさすりながら涙したくなろうというものだ。
で、とうとう「All About Japan」のうどん担当にまでなってしまった。「食」を趣味にする同志ながら、毎度毎度「すっごいなぁ……」と思う。
今日は、親蕎麦と蕎麦つゆ、うどんが届いた。パッキングも手慣れたもので、まるでお店から届いたようなしつらえになっている。すごい。
さっそく、蕎麦を茹でた。
帰宅途中のだんなに「蕎麦を食うので天ぷらを買ってきてたもれ」と連絡。多く説明をせずとも、だんなはちゃんと海老天とかき揚げを買ってきてくれた。
「これもあると、いいかなーって」
とねぎとろ巻きまで袋に入っている。いつにも増してぬかりのないセレクションだ。
肉っけがないからと、鶏肉たっぷりの吸い物も作った。蕎麦は湯に投入して歳沸騰してから1分。すぐさま引き上げて氷水でキンキンに冷やしてからざるに乗せる。甘さ控えめ、だしの香りが強く香る蕎麦つゆを蕎麦猪口に注いで、刻み葱と刻み海苔も用意万端整えて、いざいざいただきます。
キュッキュと締まった生蕎麦は美味しかった。蕎麦粉の香りがふわんと漂って、私は蕎麦をそれほど食べ慣れているわけじゃないから「おお、新蕎麦の味じゃのぅ」なんて事まではわからなかったりするのだけれど、しっかりと味のある蕎麦だった。
まずは蕎麦つゆにつけつつもりもりと食べ、途中から天ぷらをつゆに浸しつつもりもりと食べる。天ぷらの油が染み出てほんのり甘く感じられる蕎麦つゆもまた美味しいのだ。
本日の食事の友はビールではなく日本酒。冷蔵庫に冷やしておいてあるべきビールがなかったりしたので
「の、飲んじゃう???」
「……飲んじゃう?」
と以前買って冷蔵庫に保存し続けていた「神亀 生酒」を取り出した。埼玉県の神亀酒造は、確か『dancyu』で「これが旨い!」と紹介されて知った酒であるけれど、ものすごく好みに合う。適度に辛く、すっきりとした飲み口で、特に「活性にごり酒」が好み。今日の「生酒」はにごりではなかったけれど、やっぱり神亀の味がした。スキッとしていて蕎麦と似合う。
「う、旨いっすー」
「蕎麦も酒も旨いっすー」
……で、酔っぱらってるのである。
カフェオレ
昨日、だんなの実家で
「明日食べるパン買って、帰ろっか」
と息子に話していたところ
「あらあら、じゃあ今日買ってきたのがあるから半分持ってお行きなさいな」
と半斤の食パンをもらってしまった。何事も、欲しいものは言ってみるものである。「朝飯、ゲットだぜ!」と金欠の我が身の幸運を嬉しく思いつつ、パンを焼く。
バタートーストにしたパンに、ハムエッグを乗せてカフェオレも横に。
今日は晴れててとっても良い感じ〜。
とんこつ醤油ポテト
アイスカフェラテ
明日は友人Tさんの結婚式なのである。でも急ぎの仕事もあるのである。午後には近所の美容院にカットの予約が入れてある。もう大変なことだ。
とりあえず午後2時の美容院予約時間ギリギリまで作業して、15分ほど前に家を出た。昼飯も食ってない。困ったことに財布の中身はすっからかんだ。
非常に焦りつつ銀行で金をおろし、まだ予約まで5分残っているのを確認してファーストキッチンに飛び込んだ。バーガーとドリンクで済ませるか、ずっと気になっていた「とんこつ醤油ポテト」とドリンクで済ませるか7秒ほど思案して、結局ポテトとアイスカフェラテを注文。粉末スパイスを和えるファーキチのポテトはなんだかすごい種類があるけど(たこ焼き味なんてのもなかったか、確か)、合成調味料バリバリの味がするそれらは、どれもなんとなく同じ味がする。しかもいつも微妙に味が濃すぎるし。
でも、「とんこつ醤油ポテト」は気になっていたのだった。折しも昨晩「どっちの料理ショー」で味噌ラーメンVSとんこつラーメン対決を見たばかりだというのもあり、「とんこつだ……とんこつ、とんこつ」とその4文字の平仮名に心奪われてしまい、ついつい注文。しょっぱいのがわかっているのに。
で、やっぱりしょっぱかったのだった。確かにとんこつと醤油風味の味がする。悪くはないけど、やっぱり粉っぽいしやっぱりしょっぱい。
「……ん、でも、とんこつだ」
と妙に納得して嬉しくなっちゃったりして。
生がき3個
ポテトフライ
バターコーン
サイコロステーキ
秋刀魚の刺身
シーザーサラダ
鶏の唐揚げ和風ソース
まぐろの漬け重
すき焼き鍋定食茶碗蒸しセット
ブラウンビール中ジョッキ×2
アプリコットジンジャー
グレープフルーツサワー
コーラ×2
なめらかプリン
……を、親子3人で食す。
うざったく伸びていた髪を耳の下でスパッと揃えてもらい、なんとか服もできあがった。それでは、と頼まれた仕事に取りかかり始めたら、今度は家事ができなくなった。
「今から帰るよーん」
のだんなからの電話に
「す、すみません、テンパッてます」
と報告し、「じゃあ何か買って帰……いや、どっか食べに行こうか」と嬉しい返事をいただいた。
だんなが帰るタイミングに合わせて、駅前の本屋で待ち合わせ。
「狂牛病ショックで、今日から牛角が安いらしいっすー」
と店に向かうと当然のような満席しかも予約みっしり状態で、
「じゃあ、"飲み"だー!」
とお気に入りのチェーン居酒屋「天狗」に向かう。
「天狗」は、チェーン居酒屋の中ではダントツに美味しいよね、がだんなと私の共通の見解だ。サイコロステーキは青春の味だ。
メニューには、「牡蠣」があった。生がきを食べるのは今シーズン初めてだ。
「牡蠣だ!生なまなまなま!」
と生がきを所望し、ありがたく食べる。レモンをしぼって、刻み葱と大根おろし入りポン酢醤油をつけて食べる。磯臭くてニュルンとしていて、ちょっと生臭さもあって、でもこのちゅるぬるんとした食感がなんとも良い感じ。生がきのシーズン到来はたまんなく嬉しい。
アルコールが入れば入っただけ食欲増進してしまうもんだから、テーブルの上の料理がどかすか増えていく。
ここに来たら必須のサイコロステーキは速攻注文し、息子用に頼んだバターコーンは結局皆で奪い合って食べることになり、いい加減皿も空になってきたところでおもむろに鶏の唐揚げなどを頼んでしまったりする。
「やっぱり居酒屋だからサワーとか怪しげなカクテルとか飲まなきゃね」
と全く良くわからない理屈で「アプリコットジンジャー」なる、杏露酒とジンジャーエールをミックスしたような甘い酒を舐めつつ、これだけ喰った後なのに最後、づけ丼などを食ったりしてしまうのである。だんなに至っては「すきやき鍋定食」だ。御飯と味噌汁、茶碗蒸しまでついてくる「定食」である。
「……だんな、良く食べるよね」
「……おゆきさんこそ」
とお互いの検討を讃え合いつつ、すっかり酔っぱらって帰宅したのだった。
……仕事は全然はかどらない。
牛乳
朝7時半起床。髪を整え、いつもの5倍量ほどの厚化粧を施し、着替えたらいざいざと本日は高校からの友人Tさんの結婚式に出撃なのである。
時間もないので、朝御飯はとりあえずバナナと牛乳。うぉー、急げ急げ。
朝9時などという土曜の朝、いつもだったら爆睡中のところだ。車窓から見えるマンションやアパートのベランダには沢山の布団が干されていて、それ以上の洗濯物がはためいていた。
イタリア風前菜盛り合わせ
旬の味覚入りスープ パイ包み焼き
的鯛ローストとズッキーニの組み合わせ
レモンシャーベット
牛フィレ肉ステーキ"スタール"
季節サラダ
森の果実のムース
季節のフルーツ
コーヒー
午前10時半、赤坂見附のホテルニューオータニ内チャペルにて、つつがなく結婚式が終了。大学卒業以来に会う久しぶりの友人たちとも顔を合わせ、つい数週間前に顔を合わせたばかりのNやSちゃんもやってきた。裾を何十センチも引きずるような、シンプルだけど豪奢なウェディングドレスのTさんは心なしか緊張した面もちだった。スレンダーで色白のTさんにウェディングドレスは良く映える。何度見ても、結婚式というものは良いものだ(披露宴は、正直言うとめんどくさいなー、とか長いなー、とか思ってしまうんだけど)。
そして、正午から同じフロアの宴会場で披露宴パーティー。参列者はすごい肩書きの人ばかりのようで、新郎新婦の上司関係が集まったテーブルではさながら「異業種交流会」のようになっている。
私はSちゃんNとテーブルを同じにして、フレンチとイタリアンが半々混ざったようなコース料理をばくばく食す。
前菜に魚料理、グラニテに続いてステーキとデザートが2種類。スタンダードな流れだけど、パイ包みのスープが出たり前菜は盛り合わせだったりと、ちょっと面白いものだった。
詳しくはこんな感じ。(Tさんや出席した皆のひとつの記念かと思って、「料理写真を残すのは私の使命?」と残してみました。)
ホテルの今日のイベント予定表には、みっしりと「披露宴」の文字。「結婚」イコール「披露宴」という図式は当然のものなのだろうけれど、私はどうにもそれが、苦手。「披露宴」そのものは良いのだけれど、なんかこう、「披露宴と言えばこういうもの」という各種イベントしきたりそれぞれがどうにも私の心にしっくりこない。
なぜ、来賓(尊敬すべき素敵な上司なら喜ばしいけど、世の中そんなものばかりでもない……)が新郎新婦の至近で、一番祝って欲しい両親兄弟は遠くの席なのか、とか、
なぜ、新郎新婦は途中長い間中座してわざわざ着替えてくるのか(新郎新婦を祝いに来てるのに中座することはないじゃないかと私は思ってしまう)、とか、
なぜ、キャンドルに火ぃつけて回らにゃいかんのか、とか、
なぜ、「おとーさんおかーさんありがとう」と手紙を読むのか(そんなこた各自それぞれひっそりと家でやってくればよろしい……って、今日は無かったけど)とか。
あれも嫌、これも嫌と、結局親族だけの食事会で結婚式を終えた私にとっては、ピンクのドレスにお色直しをし、高砂の壇上でニコニコとし続けているTさんを「大変そうだなぁ……」なんて思っちゃったりなんかして。
ゴーゴードリンク
午後2時半に終わった披露宴、次は午後6時受付開始の二次会の受付をしなければならない。そちらの会場はお台場だ。
きついのを死ぬ気で我慢していたパンプスをとっとと脱いで楽な靴に履き替え、同じく受付を頼まれているSちゃんと二人、とりあえずお台場へ急いだ。でも、時間は2時間ばかり余っている。
「……足、痛いし。」
「……お茶してゆっくりしてようか。」
と海に面した広い窓のカフェテリア「Positive Deli」に入ることにした。オーストラリアのオーガニックカフェらしい。ハーブやスパイス入りドリンクと銘打って「ゴーゴードリンク」なるものがメニューに載っていたので、それを。やってきたのはサイケな女性のイラストがばばーんと描かれた缶に入った怪しい色のドリンクだった。蛍光色の黄色のペンのような色だ。妙にハーブ臭い(というか漢方薬臭い)味がする。不味くはないけど……美味しくない。
「結婚式って、どんなのが一番自分も嬉しくみんなも嬉しいものなんだろうねぇ」
なんてことをSちゃんと語りつつ、5時半に近づき二次会会場へ。
二次会パーティー
クリームパン
牛乳
二次会は、ライブハウス貸切のライブパーティーなのである。エレキギターが趣味であると披露宴で紹介されていた新郎のたっての希望の二次会らしい。ライブ活動などはこれまで特にしたことのなかったはずのTさんも歌うらしいと聞いた。早めに会場に到着するとまさにリハーサルの真っ最中で、ドアの向こうからTさんの高い歌声が響いてきた。お、すごい。
7時半から2時間半のライブパーティー。1時間ほどコンサートっぽくライブが催され、合間にはビンゴゲームもあったりした。開演後30分ほど受付作業を続行し、交代で中に入って一休み。Sちゃんの妹Rちゃんもやってきたり、披露宴には来なかった懐かしい友人たちも続々とやってきて、楽しい会になった。
会に駆けつける人は、その友人を祝うこともさながら、「で、どんな人と結婚したの?」と知りたい気持も強いもんだと思う。楽しそうにギターをかき鳴らすTさんのだんなさんは「……ほほぅ」という感じだったが(←どんな感じだよ)、受付をしていたから私とSちゃんは多少会話を成すことができたものの、他の参加者はその人となりをほとんど知ることができなかったらしい(紹介ペーパーなどもなかったしねぇ……)。
久しぶりの友人と交わしたい会話もライブの大音量で盛大な叫び声をあげることでやっと通じる状態だったりして、ライブパーティーも楽しいものではあるけれども色々難しいもんだと勉強になった一夜だった。
……で、「お台場」の「ライブハウス」に料理の旨さを期待しちゃいけないのかもしれないけれど、食べ物も壊滅的な状態ではあったのだ。主食らしきものはハムサンドとマカロニ(にカレーのルーのようなものをぶっかけて食べるようになっている)。温かいものは他にドリアと唐揚げがあるくらいで、あとはローストビーフやスモークサーモン、はんぺんのような味と食感のテリーヌや、サラダなど。悲しくなるほどいまひとつだった。パーティー料理に期待というものはしちゃいけないのかもしれない。でも、安くはない会費取って催すのだから「いっぱい飲んで、美味しい料理たっくさん食べて帰ってよ」と主催者としては思いたくなるもので……むずかしいことだ。
帰宅は11時半。正装ならぬ盛装の15時間半は大層つらく、ついでにその頃にはすっかり空腹だったりして、コンビニでクリームパンを買ってきた。
だんなにねぎらわれながら深夜のクリームパン。皆さんお疲れさまでした。
牛乳
昨日寝たのは多分1時を回っていて、10時半に目覚めると寝室には誰もいなかった。だんなも息子もとっくに起きてしまったらしい。
もそもそと起きあがって、鼻をチーンと盛大にかんでいると、だんなが「おはよー」とやってきた。
「うどんもできるし、御飯も炊いてあるし、ホットドッグの材料もあるよ?」
と嬉しい朝の一言だ。私は未だかつて、起きてきただんなに「うどんも御飯もホットドッグもできるよ」などと言ったことがあるだろうか、いや、ない。そんなめんどくさいこと、まずやらない。「昨日は、牛乳と卵も買ってきました。ビールも冷やしてあります。」と、だんなの主婦技能は今日も輝いている。洗濯機脇に置いてあるハミング1/3も詰め替えパックの補充が完了していて更にびっくりだ。素晴らしすぎる。
「……で、では、ホットドッグをお願いします……」
とホットドッグを作ってもらった。いつもどーりの、炒めたカレー味キャベツを詰めたホットドッグ。ソーセージも炒めて、炒めたやつをパンに挟んでからチーズを散らして更にオーブンで焼く。朝からフライパン2個並べたりして作る、なかなか手間のかかるホットドッグだけれどもこれがめちゃめちゃ美味しい。午前11時をまわっての、遅い朝御飯はなんとも平和であった。
義妹が新しいパソコンを買うそうで、「だったら下見に千葉のヨドバシカメラでも行く?」と先日言っていた……ら、お義父さんの運転する車で、義妹もお義母さんもやってきた。我が家3人も加わって、総勢6人の豪華な下見ツアーになってしまった。
今シーズン出たばかりのダイナブックかメビウスでどうかという話にまとまり、デパートなどをぷらぷらして夕方帰宅。それから「カラオケに行こう!」と義妹と連れだって4人でカラオケボックスにも行ってきた。ローカル色溢れた日曜日だ。
……で、昼飯らしきものは結局食べなかった。千葉でミニクロワッサンを1つつまみ、カラオケボックスにバター味じゃがいもスナックと麦チョコ、ミニストップのチヂミ焼きなどを持ち込んでつまんでいたら、何だか妙な具合に腹一杯に。
モルツ
今日の夕食は、豪華自家製パエリア。
最近、食材やら調理器具やらを買いまくっているクック&ダインに、先日メールを出したついでに
「パエリア作れるセットとか、ブイヤベース作れるセットとか、あると嬉しいでっすー」
と言ってみたらば、本当に売りだしてくれた。ムール貝とか、そのへんではなかなか売ってないのですっごく嬉しい。で、買ってみた。他のお客さんにも好評なようで、何だか嬉しい。
セットに入ってきたのはホウボウ1尾と手長海老2尾、巨大な帆立が4個、ムール貝10個ほどとアサリが1すくい。これにイカと鶏肉も買ってきて、なんとも具沢山なパエリア作りに取りかかった。
まずは、殻ごとの海老を炒め、色が変わったところで輪切りにしたイカや足、輪切りにしたホウボウも放り込む。ざっと炒めたら一度ボウルにあけておく。同じフライパンで一口大の鶏肉を炒め、薄切り玉ねぎとみじんぎりにんにくも投入。1.5合の米も入れて、米が透明になるまで炒めたら中央にトマトペースト(……がなかったので、トマトケチャップを入れた。ちょっと乱暴なやり方だと思う、我ながら)を小さじ1ほど落とし、温めておいたチキンブイヨンを少々上から入れて溶き伸ばす。300ccのブイヨンも一気に加え、ついでに湯に浸しておいたサフランもどばっと加え、煮立つ間に速攻で炒めたイカやら魚やら海老やら、貝やらを並べていく。アルミホイルでびっちり蓋をして、30分ほど弱火で炊いていけば完成。パエリア用の鍋がなくても、フライパンでもなんとかできる……みたいだ、なんとか。
本来のパエリア鍋は薄く平たいものなので、表面積が大きい。フライパンは円周が小さくて深さがあるので、貝や海老を美しく飾るのはめちゃめちゃ難しかった。円周に沿ってムール貝をウツクシク並べるなんて、絶対不可能という感じ。中央に海老をどん!どん!と並べておき、隙間を埋めるようにぎっちり貝を埋めたら御飯がまったく見えなくなった。見た目はパエリアというよりブイヤベースだ。
で、パエリアに必須の「サフラン」、これがすごく高い食材なのだった。ひょろっとした糸のようなものが10本ほどしか入っていなくて800円ほどのお値段がしてしまうのだ。なんでも1kgで15万円もするとかしないとか。
で、バリ島でそのサフランが売られていたのだった。怪しい粉末だ。非常に怪しい。サフランは花の雌しべだから、粉末になっているのは「サフランの雌しべじゃありません」と言っているようなものだ。でも、買ってきた。匂いは確かにサフランチックではある。多分ニセモノなんだろうけど、まぁいいかと思った。
パエリアパンでなくフライパンで、サフランでなく「ニセサフラン」で作ったパエリアは、それでも上々の出来だった。
黄色く染まった御飯は魚介のエキスが存分に染みていて、これでもかと入った魚介がまたお互いに良い味を出してくれていた。卵を抱えたスカンピも、とってもいい感じ。
手をギトギトにしながら海老の殻を剥き貝の殻を剥ぎ、魚の骨を抜き、ビールをかたわらにひたすらパエリア1皿と格闘した夕御飯だった。
ボウル1杯の殻や骨の残骸を残して、フライパンはすっかり綺麗に美しく。
「……でもさ、お店のパエリアってもっとこう、御飯が見えてるよ。こんな"どこが御飯かわからない"なんて状態じゃなくて」
「それってつまり、お店はケチンボして魚介を少なくしているということじゃないでしょうか」
「……そうでしょうかね」
と、今の思いは「じゃあパエリア用鍋で作ったらもっと美味しいのかしらん」なのである。