食欲魔人日記 01年01月 第3週
1/15 (月)
ジョナサンにて「牡蠣フライとチキンの照り焼き」 (夕御飯)
ミスタードーナツの
 エビグラタンパイ
 チョコファッション
 コーンスープ
牛乳

新居で迎える初めての朝。なんとか最初に整えた寝室以外はどこもかしこも段ボールだらけだ。
呆然としながらもできるところから片づけ始めた私を見守りつつ、だんなが近くのミスタードーナツに行って来てくれた。今までの家はお台場までチャリで行けるという好ロケーションの代償かどうかは知らないけれど近所にろくな店はなかった。ファーストフード店には自転車でも10分以上かかるところばかりだった。スーパーもないし。
今度の家は、その点すばらしく良い。徒歩10分圏内に巨大スーパーやコンビニ、ファーストフードがごろごろしている。いいなぁ。

食卓のテーブルと椅子すら使えない状況であったので、居間の床に空間を作り座り込んで食べるドーナツ。

和幸の
 ミックスフライ弁当
紅茶

お義母さんが、「お昼御飯持ってきたわよ〜」と和幸のとんかつ弁当を買ってきて下さった。「熱い飲み物は?」の申し出に「紅茶をほんのり甘くして」とだんながリクエストを返し、でかいポットにたっぷり紅茶も持ってきてくれる。ああありがたやありがたや。

ヒレカツと海老フライ、メンチカツが入った、まだ温かいおかずを傍らに、昆布の佃煮の添えられた御飯をわしわしと食べる。食べたら眠くなるし、腰と足に根が生えるけど、ここはもうひとつ頑張って片づけをしなければならない。午後には段ボールの山の空間にピアノが入って、NTTの電話工事が入って、エアコン取り付け工事が入るのだ。つかない蛍光灯の工事業者と、回らない換気扇の工事業者と、水漏れする蛇口の工事業者も来るのだ(←欠陥だらけの新居、さすが築ン十年……)

ジョナサンにて
 鶏の唐揚げ
 ポークソーセージ
 牡蠣フライとチキンの照焼きセット
 生ビール

何故、引越の当日と翌日にかつてない寒波なんてものがやってくるのか。寒くてたまらない私たちは日没後からほとんど動けなくなる。おまけに台所もまだほとんど昨日の状況から一進一退してるかどうかという感じ。
夕食作成はとっくに昔に諦めて、のんびり外に夕食を摂りに行く。眠そうな息子が不機嫌に大騒ぎしていたので、予定していた旨いカレー屋とか旨い鰻屋は諦めてファミリーレストラン、ジョナサンへ。

まずはビールを一杯。家族の検討を讃えつつ、酒の肴に唐揚げとソーセージを取ってもしゃもしゃ食べる。いつもならビール1杯程度じゃ顔にも出ない酔い具合であるはずなのに、疲れが溜まってるのか今日に限って早々にフラフラに。ほろ酔い気分になりながらタルタルソースのぶわっとかかった牡蠣フライと、きのこのソースのかかった照焼きチキンをもりもり食べる。

ああ、明日こそは料理が出来るといいなぁ(でもきっとムリ……)。

1/16 (火)
常夜鍋 (夕御飯)
チーズトースト
牛乳

未だ燦々たる状況の新居2日の朝御飯。ガスコンロはまだ設置していないから使えない。ゆえに卵も焼けないしお湯も沸かせない。困ったことだ。

お義母さんが昨日買ってきてくれたパンにて朝御飯。オーブンレンジは動かせるので、チーズトーストにしてみた。パンに1枚とろけるチーズをぺろっと乗せて焼いただけ。それと、冷たい牛乳。

今日はせめてガスレンジを使えるようにしよう。ブリタの浄水器も使えるようにしよう。そうすればお湯も沸かせるし美味しいお茶も飲める。ああ、普通に料理できる環境というのは実はとても貴重な環境なのだ。今の私は冷凍ピラフも炒められない。とほほほほ。

作業しながらチョココロネ
作業しながらクランベリージュース

我が家の引越荷物、段ボールはおよそ70個だった。それを1個1個バラして中身を整理するのは、大変に大変なことだ。泣けてくる。
夕御飯はせめて少しはまともに食べられるようにと、午前から休まずたゆまず作業続行。買い置きのチョココロネを囓りながら、クランベリージュースを飲みながら山のような食材をえっさえっさと片づける。何故トマトの水煮缶がダース単位でありますか。

常夜鍋
御飯
インディア・ペール・エール、San Miguel DARK

昼の努力が実り、居間の惨状はそのままに食堂だけはなんとか片づいた。ガスコンロも使えるようになった。調理器具はまだ発掘しなければ使える状況にないけれど、御飯も炊けるし紅茶も飲める。調味料のいくつかも発掘の必要があるけれど、醤油と味醂と酒と砂糖は簡単に出せるようにした。いかんせん、新居で使うために注文した収納家具類がまだ届かないのだから多少の不便は仕方がない。

てなわけで、新居初めての自炊料理は「常夜鍋」と相成った。土鍋に昆布入れて水入れて、煮立ったところにざくざく切ったほうれん草と薄切り豚肉を適当に入れつつ茹だったところで胡麻だれにつけるだけ。食器も材料も下ごしらえも調味料も極端に少なくて済む大変有り難い料理だ。だんなの意見によると、常夜鍋に最も適するタレは"ミツカンごましゃぶ"であるらしい。だが、賞味期限が少々過ぎた別の何やら高級そうな胡麻だれが発掘されたので本日はこれを用いる。"ミツカンごましゃぶ"より胡麻の風味が濃厚なねっとりとした甘味の薄いタレは、料亭チックな味がした。うーん、やっぱり常夜鍋には"ミツカンごましゃぶ"がやはり良いのかもしれない。

1/17 (水)
ねぎとろ丼 (夕御飯)
目玉焼き
御飯 with 塩鮭さまさま
和風たらこのスープ(レトルトもん)
麦茶

新居の朝3日目。本日は初めてガスの火を用いて調理、妙な感慨を覚える。火を使う調理にこんなに心ときめいちゃうなんて初めてのことだ。とはいえ、ただの目玉焼き。換気扇が壊れていて修理待ちの今、魚焼いたり焼き肉したりは当分望めそうにない。おとなしく卵を焼いて醤油で食べる。黄身が半熟のやわやわとしているやつを御飯に乗せて、醤油垂らしてわしわし食す。寒い朝にあったかい御飯とレトルトだけどあったかいスープ。簡単なことなのに幸せなことなのだ。

テイクアウト天丼
麦茶

本日は午前中、転入届けを提出しにお義母さんに案内してもらいつつ区役所へ。んが、書類不備で徒労に終わる。転入届けを出すには転出届け証明書が必要だったのねー。知らなかったのねー。とほほほほ。

失意のままお義母さんと駅方面に戻り、一緒に買い物。もう12時になりそうだったということもあって天丼屋でテイクアウト天丼を購入して帰ることにした。海老2匹、かぼちゃと茄子とししとうの乗る大盛り丼。息子と分け合って、まだ散乱物がそこかしこに山になっている食堂のテーブルで食す。甘ったるいタレの天丼は、タレ別添。未だサクサクの衣の天ぷらに、食べる間際にタレをぶっかける。

しかし、何故市販の天ぷらってこんなに衣がでかいのかなぁ。具の体積に比して、天ぷら自体の大きさは2.5倍ほどもあるのだ。

ねぎとろ丼
舞茸の吸い物(レトルトもん)
ウィンターエール、麦茶

夕刻、待ちに待ってた荷物がやってきた。Gatewayの新しいパソコンだ。万歳万歳。これまで使用のCOMPAQ機から中身を色々コピーせんと、居間は複数台のパソコンに占拠される。何しろISDNでアイナンバーで普通紙ファックスでダイヤルアップルーターなのだ。やってる本人も言ってる内容が良くわからない状況になっていた。

これまでのマシンを床に降ろし、代わりに新しいマシンを上に据えて……と一人すったもんだしている間にだんな帰宅。すみません、飯しか炊いていないです。味噌汁もありません。すみませんすみません、とひとしきり謝って夕食を出す。至って簡単、葱刻んで混ぜるだけのねぎとろ丼だ。

昨日買ってきたトロの叩きに刻み万能葱をたっぷり放り込む。適当にかき混ぜて炊きたての御飯の上に乗せ、醤油垂らしてできあがり。簡単簡単。ビールを1缶飲みつつ御飯をかきこむ。

やはりこのエリア、食料が安い。これまでの家は近隣にろくなスーパーがなくて"銀座のデパートで買った方が安くて美味しい"という酷い有様だった。今度は新鮮で安価なものがいくらでも買えるスーパーがえらい数存在し、日々安売り合戦を繰り広げている。
「ここは水曜日が良いのよ。で明日はあっちのあの店が安売りするのよ。」
とお義母さんは教えてくれた。嗚呼、主婦への道は果てしなく遠く大変だ。

1/18 (木)
香菜と葱の和え蕎麦 (夕御飯)
クリームコロネ
クリームチーズデニッシュ
カフェオレ

やっとこさ、人として生活できるかできないかという状況にまで向上してきた新居生活である。まだ換気扇はぶっ壊れたままだしトイレのノブは壊れてちゃんと閉まらないし食堂の入り口の扉のガラスは崩壊寸前だし、で色々と不都合は満載だ。しかも私の設定が悪いのかファックス専用電話番号を取ったのにその設定が上手くできない。ファックスが受信できない。色々問題山積みの転居後日常なのであった。

今朝は菓子パン。昨日お義母さんと一緒に入ったパン屋さんでわさわさと大量のパンをトレイに乗せたのだが、それを「いいわよいいわよ買ったげる」と金を払ってもらってしまったブツである。ちょっと嬉しい。いや、かなり嬉しい。

ねとっとした濃厚なクリームが詰まったクリームコロネと、角切りチーズがどかんと中央に乗ったチーズデニッシュ。苦めのコーヒーに牛乳を同量加えてぬるいカフェオレにしてそれを飲む。さぁ問題山積みのファックス回線の設定をしなければならぬ。

食パン
牛乳

ファックスおよび電話線及びアイナンバー対応ダイヤルアップルーター及び新品パソコンと大格闘して2時間半。途中洗濯機が動かなくなったりノートパソコンを足で踏みつけたりとアクシデントを挟みながらなんとかファックスの設定だけは終了した。パソコンの設定などはまだまだまだまだこれからだ。そして今はもう12時半だ。あと1時間で息子の保育園入園のための面接が始まるというのに、なんということだ。片手に牛乳のコップ、片手にバターをなすりつけたパンを持ったまま右往左往して準備する。味気ない。がっかり。

香菜と葱の和え蕎麦
中華風豆腐のスープ
ウィンターエール

だんな、飲み会だか何だかで遅いらしいので息子と2人で夕御飯。ここぞとばかりに彼が嫌いで私が大好物である"香菜料理"を試みる。徒歩5分のマーケットにいつでも香菜が売られている環境というものに心から感謝して、ざくざく切って香菜料理。

香菜は「こうさい」であり「シャンツァイ」であり「パクチー」であり「コリアンダー」である。パクチーと言うとタイ料理ばかりを思い出してしまうけど、実際には中華にもイタリア料理にも使われる独特の芳香を持つハーブだ。私はこのカメムシ臭さをいたく気に入っているけど、だんなはどうもお好きでないらしい。息子もお好きでないらしい。すまん息子。

本当は冷たく締めて食べるべき麺料理のようだったけど、いかんせん1月なので今日は温麺に。香菜をざくざく切ってボウルに入れて、白髪葱と赤ピーマンも加える。茹でた麺の湯を切ってそこに加え、上から煙が出るまで熱したオリーブ油をジャッと。タレは酢と砂糖と醤油とごま油とナンプラーを適当に混ぜたやつを、麺と具に絡ませる。絡めたところで皿に盛り、熱いところをわしわし食べる。醤油とごま油の味の簡単な豆腐スープも作って、一人ビール缶を開けて香菜麺を堪能する。

これでもかこれでもかこれでもかと加えた香菜の和え蕎麦は想像通り旨かった。酢を少なめに、砂糖はほんの少し多めにしたタレも自分好みにできあがった。やっぱり我が家でちゃんと食べる飯が一番旨い。
やっとシンク下の扉にひっかける包丁ホルダーも買ってきたし調理器具フックも取り付けたし、換気扇の取り替え工事も終わったしで台所がそれっぽくなってきた。明日からはもうちっとまともなものが作れるのではないかと思う。良かった良かった。

1/19 (金)
海鮮ちらし (夕御飯)
目玉焼き
バターぬりぬりパン
牛乳

寒さというのはツライものだ。起きるのもイヤになるしご飯作りの気分も盛り上がらない。屋外の洗濯機を回すのはより一層鬱になる。明日は雪ですってよ、いやぁねぇ、奥さまぁ(←奥様の井戸端会議練習中)。

とりあえず、いまいち整頓しきってない調理器具からフライパンを出して半熟目玉焼きを焼く。だんなはご飯に目玉焼き、私はパンに目玉焼き。昨日買ってきたばかりの食パンはトーストにせずにバターぺたくた塗って食べる。

なし

午前中遅くに、通販で購入したスチールワゴンがどかすか届いた。押入の下段にみっちり並べて食材を並べるのだ。パスタに缶詰、ワインにビールと山ほどある食い物を片づけるために、居間の押入下段に犠牲になって貰おうという寸法だ。4本の柱と金具を組み立て、棚板を取り付ける。数分で終わるだろうと思って始めたところ、これがなかなか難しかった。「片づけたら食事」「組み立てたら食事」「せ、せめてめどがついてから……」と食事時間は予定行程を繰り上げていくにも関わらず延期しまくり。結局息子には食事を取らせたものの自分は何一つ口にせずに時間ばかりが過ぎていく。

結局4時過ぎにカルピス1杯飲んだだけ。濃いめにしてたっぷり入れて、ぐびぐび飲み干した。ふー。

だんなが買ってきてくれた海鮮ちらし
マグヌードル
SanMiguelDARK、お茶

3つのスチールワゴンと2つの整理棚を組み立てて山のような段ボールも整理したらすっかり私は燃えカスになってしまった。引越って、かえすがえすも大変だ。箱に詰めて箱から出すだけじゃ終わらないのがまたツライ。

燃えカスの私に、
「今から帰るよー」とだんなからTEL。「何か買っていくものある?」といつものように聞いてくれる。ついつい口をついて出てしまったのが
「……ごはん……」
の一言だった。

呆れたような気配が受話器の向こうから漂ってきたが、それでもだんなはお弁当を買ってきてくれた。イクラとカニとウニがたっぷり乗った海鮮ちらし。スープ代わりにマグヌードル。お湯を入れて2分でOKのカップラーメンもどきだ。

あと段ボールは7箱。この週末で何とかなれば良いけどなぁ。

1/20 (土)
豆腐のあんかけ (夕御飯)
チーズトースト
チャイ

朝からいきなり雪である。そしてだんなは早朝5時、スキーバッグとスキー板を持ってそそくさと出かけて行った。今日明日と泊まりがけで仕事仲間とスキーに行くのであるらしい。何も引っ越し後最初の週末に行くこたないじゃあないか。まだ食卓の上にかけるライトも取り付けてないしベランダの掃除は手つかずだし仕事は山ほどあるのに〜。……私は不機嫌であった。

だんなが出ていってからそのままダラダラと二度寝をし、次に目覚めたのは9時を回っていた。牛乳含有量80%の濃ゆい濃ゆいミルクティーを入れて朝ご飯。少量の湯で紅茶の葉を開かせて、そこへ牛乳を「美味しそうな色になるまで」注ぎ、チャイ用スパイスふりかけてちょびっと砂糖を入れて飲む。あとはバターを塗ってチーズを乗せたトーストと。

しかし寒いね。家の中に段ボールが転がっているとまた一段と寒々しいのだ。

マクドナルドにて
 ダブルチーズバーガーMMセット
 (フライドポテト・スプライト)

雪の合間を縫って、息子と一緒に最寄り駅前に出かけていく。足りない金具や収納用品を買わなければ整理整頓もままらなない。
最寄り駅前は充実したマーケットがたくさんで私は嬉しい。100円ショップが3つもあってこれまた嬉しい。レンタルビデオ屋もある。本屋もある。なんと幸せなことだろう。今まで”お台場までチャリ15分”というステキなロケーションの地に居た割にはレンタルビデオ屋にも本屋にもCDショップにも恵まれていなかった我が家なのであった。充実した住環境に悦びを感じつつ、でもまだここは自分の居場所という感じはしない。親戚の家に泊まり込んでいるような中途半端な感覚があるだけだ。

満ちたりた買い物を済ませ、マクドナルドで一休みすることにする。季節限定のサーモンのムニエルバーガーだかにはいまいち興味がわかなかったので(私は肉が好き……)好物のダブルチーズバーガーのセットを。ナゲットも1箱取り、息子と二人腰掛けてもりもり食べる。パン、チーズ、肉、チーズ、肉、パンと豪華な積み重ねのダブルチーズバーガーはやはり旨い。「これだ」という感じがする。高校受験の時の塾帰りに飽きるほど食べていたバーガーだけど、味が全く変わってないというのがまた何というかしみじみしちゃう。しかもナゲットはちょうど揚がりあがったところのが出てきた。ちょっとシアワセ。

鶏肉と青菜の煮物
豆腐のあんかけ
おあげとワカメのみそ汁
ご飯
麦茶

500色色鉛筆なんて、一体どこへしまえというのでしょう。あるいは絵柄が気に入って保存してある去年一昨年の卓上カレンダーとか、受講したは良いけど途中で放り出したペン習字の教則本とか。残り7箱の段ボールの中はカタルシスと化している。「もうどこに片づけて良いのか検討もつきません」という品々ばかりが己を主張しているのであった。あああ、どうすれば良いのだ。

家の中は一向に減らなくなった段ボール。家の外は雪がもさもさ。食環境を充実させなければ寒々しくてとてもやってられなかった。午後6時、すべての作業を中断して飯作りに励む。
まずは行平鍋で鶏肉をじくじくと焼くことから。皮が鍋肌にくっつくのをパリパリと剥がしながらこんがり焼き、そこへおもむろに水を投入。中火で軽く煮込んでから青菜を放り込み、最後に薄口醤油を回しかけるだけ。ただそれだけの簡単な煮物。

そして「豆製品も取らんとな」と買ってきた豆腐にて冷や奴……はあまりに寒々しいのであんかけを。湯通しして温めた豆腐に醤油と味醂、そして多めの生姜で味つけたとろみの強いあんをぶっかける。ちゃんとだしを取って作った味噌汁に炊きたての御飯。かなりまっとうな食卓になった。

醤油だけの味付けの鶏肉、手本は割烹「青柳」御主人の小山裕久さんの著作だった。「醤油だけ」の本の中の氏の声を信じてやってみたら、案外柔らかく旨味たっぷりで良い感じ。本当はかぶらを使うと良いらしいけど、かぶらよりはほうれん草が食いたい気分だったのでほうれん草をどかどか入れて作ったのだ。

1/21 (日)
富山名物「ますの寿し」 (夕御飯)
鶏肉と青菜の煮物
卵御飯
おあげとワカメのみそ汁
お茶

午前9時、私起床。午前11時、息子起床。そしてだんなは”かぐら・みつまた”でスキーである。「何故に私は寒い新居で一人片づけしなきゃなんないのよぅ」と昨日に引き続き私は不機嫌であった。それでも外は、既に溶けかかってはいるものの見事な銀世界。息子と一緒にちろっと外に出て雪を触ってみた後におもむろに朝御飯兼昼御飯。

昨日の煮物に昨日の味噌汁。それを温めて、御飯には生卵ぶっかけて喰う。

苺1パック
牛乳

やっと苺の価格が安くなってきた。苺は大好きだけど、1パック700円800円するのを買う気にはさすがになれない。やっと1パック398円などというステキな価格の苺が流通し始めた。ちなみに私は小粒なやつが好みである。一粒を一口で喰えないような苺は、苺ではなく「大苺」なる別の品種なんじゃなかろうか、と密かに店頭で危ぶんでいる私なのであった。ちっこいミカンくらいの大きさがありそうな苺だなんて、どうも納得いかない勝手な私。やはり苺は苺として、ショートケーキに似つかわしいくらいの大きさが良いなぁと思うのであった。

しかし、今日目の前にある苺は巨大苺だ。半分にぶった切ってもまだでかい。1/3、1/4と苺をサクサク切ってでかい皿に盛りつけて、息子と二人おやつにがつがつ食べることにした。でかい苺には砂糖もコンデンスミルクもいらぬ、とばかり何もつけずにモリモリ食べる。「でかい苺は大味だ」と勝手な偏見を私は持っていたのだけど、でかい苺もなかなかに美味しかった。もっともっと安くなって4パック800円なんて頃になったらたっぷり買ってきてジャムやジュースにしたいなぁ。

富山名物「ますの寿し」
豆腐と油揚げの味噌汁
インディア・ペール・エール、日本茶

午後6時過ぎ、だんなが帰ってきた。なんでも今日は大吹雪でスキーどころじゃなくなって、温泉に入ってきたのだとか。
いいなーいいなー温泉いいなー。昨日からの不機嫌は最高潮になる私である。だんなに背を向けて新パソコンの設定などをしちゃったり。しかも「買ってきてね」とお願いしたミルクケーキは見つからなかったと、土産は「ますのすし」になってしまっていた。悲しい。私が希望していたのはコンデンスミルク味の物体であって、酸ゆい魚御飯ではないのだ。

でも、まぁ、「ますの寿し」は大好物なのである。丸い木枠にギュッと押されて堅く締まった御飯と鱒の酸味はなんともたまらない。今はスーパーやデパートでも売られている「ますの寿し」だけど、今日現地で買ったものとあっては、なんとなく有り難みも増すってもんだ。

で、本当はパスタ料理とシーザーズサラダの計画だった夕食を急遽お土産対応に。ますの寿しと一緒に食べるべく、豆腐がざらざら入った味噌汁を用意した。ビールも冷えたグラスに入れて、木枠を取り外した寿司をさくさくと切る。綺麗なピンクの鱒寿司はやはり旨い。少しだけ鱒の泥臭さのようなものが感じられるけど、それがまたならではなのだ。