食欲魔人日記 11年03月 第3週
3月14日 月曜日
今日のお昼は初めてのラーメン屋さんで。
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「サンジェルマン」のカルツォーネ
カフェオレ
苺 with 練乳・牛乳

なんとなく色々気になって、6時前に起床。
 
東京電力の電力需給のバランスがとれない(供給が圧倒的に少ない)ことから、今日から「輪番停電」なる、戦後以来初めての大規模停電が予定されている。
 
我が家は、昨夜時点での告知によると午前と夕方〜夜にかけての2回、各3時間ずつの停電があるらしい。5つのグループ別に時間帯は発表されているけれど、昨夜の段階では我が家がグループ1なのかグループ2なのか判然としない状況だった(住所別の表が発表されてはいるけれど、電線は地名毎の管理ではないので、同じ町内でも系統が別れてしまう)。
 
まぁ、なってみないとわからないし……とネットを確認すると、千葉市公式サイトで、今日1発目の停電は回避されました、とのこと。続く情報収集で、今日の小学校登校は午前中のみ授業となり、停電対応で首都圏の鉄道は山手線などのごく一部を除いて軒並運休だということもわかった。……これは、なかなか大変なことだわ……。
 
ともあれ息子は学校だしと、停電していないのをありがたく思いながらコーヒー淹れてカルツォーネを温める。冷蔵庫の中の苺も出しての朝御飯。「いつもの朝御飯」の感じになったのになんとなくほっとした。

稲毛 「北海道らーめん ひむろ」にて
 北海道みそラーメン \780
 コーントッピング \100
 バタートッピング \100
 ねぎチャーシュー丼 \200

結局交通手段が無いのでだんなは出勤を諦め、息子が帰ってくるまでは午前中家でのんびり。
 
テレビでは首都圏の鉄道の混乱ぶりが報道され続けていた。多くの電車が運休になり、またデパートが休みになったり営業時間を減らしたりといった効果が高かったようで、「このうえ停電する必要もなし」ということでか、幸いにも予定の時間になっても我が家への電気供給は止まらない。でもそれに対して、「無計画停電じゃん!」と怒る向きさえあるようで、「なんだかなぁ……」と悲しくなった。
 
「停電する」という予告をしたうえで停電を回避したのを怒るなら、では「停電はありません」とアナウンスしつつ大規模停電があった方がマシ……ということなのかな。私はそうは思わないけれど。地震の規模も津波の被害も、そんな状況下での原発の状態も全てが未曾有の事だらけなのだから、大都市を支えるインフラが不安定になるのも仕方のないこと。
 
……で、お昼は外に食べに行くことにした。
ちょっと前から気になっていた、新しめのラーメン屋さん「ひむろ」、北海道ラーメンのお店らしい。
 
看板メニューはやっぱり味噌ラーメン、他に塩や醤油もある。
カウンター席だけのお店で、店内隅っこには食券機があるのだけれど、どうやら節電目的らしくそれが動いていない。
 
口頭で「息子は醤油ラーメンハーフにコーン乗せて……」と注文したのだけど、今ひとつちゃんと伝わっていなくて1つ頼んだはずの「ねぎチャーシュー丼」が2つやってきてしまった。注文後に「合計○円です」と、お代先払いだったものだから、
「……え、チャーシュー丼は1つしか頼んでないけど……」
と言っても
「でもお代2つでもらっちゃいましたし」
と、なんだかつれない対応。そういうミスをするくらいならちゃんと食券機動かせばいいのにねぇ……。
 
稲毛「ひむろ」のねぎチャーシュー丼。塩味です。 というわけで、「いいよ、私、けっこう食べられると思う」と、私が貰ったねぎチャーシュー丼。
 
写真の見た目ほどにはサイズはなく、「小どんぶり」くらいのものだったけれど、御飯の上にしこたまチャーシューと刻み長ねぎが塩だれに揉まれてトッピングされていた。
 
ややしょっぱめだったけれど、柔らかで味のあるチャーシューはとても良い感じ。
 
大きなバターと、どっさりコーンがトッピングされた味噌ラーメンは、白っぽいクリーミーな味噌スープ。こちらも葱がたっぷりで、あとはワカメやもやし、メンマ、厚切りチャーシューが1枚トッピングされていた。黄色が強い、縮れのある太麺も美味しいもので、食べ応えのあるラーメンだった。この界隈、美味しい味噌ラーメンがいただけるお店ってあまりなかったからこれは嬉しい存在かも。
 
……でも次はちゃんと食券機動かしておいてくださいねー。
大変腹一杯になってしまった……。
 
こういう状況下での「外食」について、「生活基盤が崩れていない被災者は、"いつも通り"の生活をすることに意味がある」と私は思っている(経済活動を止めないためにも、自分の心に無理をかけないためにも)のだけれど、知り合いのレストランがtwitter
「今のところキャンセル多発の為、予約はゼロですが、いつでもお越しいただけるように、しっかり準備をしご来店をお待ちしております。今までよりもすばらしい日本の為に!」
と呟いていて胸が熱くなった。そう、そういうのが、きっと大切。

馬さん特製 皿うどん
カクテルチューハイ

夕方からの「予定されている2回目の停電」は来るのかなーと身構えていたら、結局こちらも我が家エリアは停電回避。それでも今日、静岡や茨城などの一部地域で停電は実施されたのだそうだ。3時間程度の停電だったら、冷凍庫冷蔵庫は(派手に扉を開け閉めしなければ)問題はないし、予定さえちゃんと教えてくれれば家事などをまとめて済ませておけるし、多分長期間続いてもなんとか対応できる……はず……。
 
今日の夕御飯は、「冷凍庫の中をなるべく少なくしていきましょう」という観点で、ミックスシーフードを使ってしまうことにした。地震翌日の土曜朝の段階で、
「これはこれから停電とかの可能性あるから、冷凍庫の中のものから食べる感じにしなきゃ」
と、皿うどん用の麺を買ってきてあった。シーフードミックスを豚肉、キャベツ、人参などと合わせて、夕御飯は皿うどん。
 
んだばこれは俺の役目だね、と、だんなが灼熱の中華料理人"馬(まー)さん"と化して、ざっかざかと皿うどん用のあんを作ってくれた。材料刻んでいるところで
「そう!うずら卵も買ってきたんだよー」
と思い出して、うずら卵茹でて殻剥いて、それも具に入れる。1パック10個全部茹でたので1人3個、だんなは4個。
 
麺に添付の濃縮調味料がついていたけれど、「俺が自分で味つけちゃうね♪」と作ってくれた皿うどんは、ばっちりな味つけ。パリパリな食感の麺を楽しみつつ、野菜たっぷり魚介たっぷりのあんもたくさん味わった。
 
……で、ビール冷やしそこねちゃったのでお供にカクテルチューハイ(アイスボックス1つをグラス2つに分けて、グレープフルーツ味500ml缶チューハイを半分こ、って感じで)。冷凍庫お掃除は着々と進行中。

3月15日 火曜日
生の白菜を使った白菜サラダ。シャキシャキしてほの甘くておいしー♪
※今日の写真はクリックすると大きくなります※
バタートースト
チーズ入りカレー
カフェオレ

ここ数日、起きると最初に都内県内のガイガーカウンターの値(確認できるサイトのまとめがこちらに)を確認することから始まる日々で、なんだか世紀末救世主伝説的な殺伐さを帯びつつある今日この頃。でも千葉に住む私は、「平常心、平常心」と心に唱えつつ、やっぱりいつも通りの生活をするしかないし、するのが一番だと思っている。
 
今日も昨日と同じく(そしてこの先きっとしばらく)計画停電の予定があるので、そのスケジュールを改めて確認しつつ、
「あ、今日は電車ちゃんと動いてるみたいよ……本数少ないけど」
と、だんなの出勤も決定。息子の学校は午前授業、給食なし(でも牛乳と、パン食の日はパンも学校に届くから、それだけ食べて帰宅という流れなのだそう)。
 
朝御飯は、そろそろ食べきりたい状況にあるカレーを温めてスープカップに注いでシュレッドチーズを散らし、「カレーシチュー」のような感じで。バタートースト添えて浸しながら食べると、「カレーライス」とはまた違った幸せが味わえる。チーズ入りカレーライスもたいそう美味しいけれど、パンにはより一層チーズ入りのカレーはよく似合う感じだ。
 
あと1回くらいお昼御飯でカレーを食べたら、カレーうどんに加工かな。……スーパーに冷凍うどんって、残ってるかしら……(あのスーパーの様子じゃあ簡単には買えないだろうなぁ……)。

稲毛 「串じまん」にて
 プレミアムモルツおつかれさまセット 2×\1100
 白菜サラダ \441
 串焼き(ねぎま) 2×\136
 串焼き(かわ) 2×\136
 串焼き(白レバー) 2×\189
 串焼き(チーズ焼き) 3×\189
 串(もも) 2×\136
 とりから(南蛮) \577
 お茶漬け \420
 焼おにぎり \136
 焼き鳥丼 \556
 ラムネ \252
 日本酒(醸し人九平次ポンヌフ) \609
 日本酒(黒龍純米吟醸) \892
家族3人で飲み食いー

今日の計画停電は、夕方から夕食時にかけての予定。
 
早めにスープ類の準備をしておくとか、冷蔵庫冷凍庫を使わないである程度仕込みしておいて……とか思ってはいたのだけれど、福島原発がまた何やら切羽詰まった状況になってしまってきていて、NHKニュースから剥がれられないでいるうちに停電予定の時間に。……でも、今日も停電は回避されたようで(東電さん本当にグッジョブ、節電に励む皆さんもグッジョブ)、あらあらどうしましょうと言っているうちに、だんなから「そろそろ帰るよー」の電話。
 
結局、今日の夕御飯は外に食べに行くことにした。何度も訪れている、地元駅近くのお気に入りの焼き鳥屋さん「串じまん」で夕御飯。
 
手頃な価格でちゃんと美味しく、お酒の品揃えも良い感じだから(そして店員さんもいつも元気よくて気持ちが良い感じ)、駅近くとはいえあまり目立つ感じではないビルの3階にあるお店なのにいつも混雑。直接行くと満席で断られる事も多々あるので、いつも一報入れて「1時間半後に3人で伺いたいんですがー」と聞いてから伺っている。今日はすんなり予約ができた。お客の入りも、7割くらい。
 
串5本(今日はハツ・ぼんじり・つくね・しそ巻き・にんにくの芽巻きの5本)とビールの、いつもの「おつかれさまセット」を頼んで、「白菜サラダ」なる面白いメニューも1つ注文。追加の串焼きと南蛮ソースの唐揚げと……と、いつもの感じでぽつぽつ注文してぽつぽつ食べた。
 
稲毛「串じまん」にて、ぼんじりと、しそ巻き。どちらも大好物♪ テラッと脂が染み出ているぼんじりにはレモンが添えられ、しそを巻いて焼いた鶏もも肉には梅味噌が添えられる。つくねにはねり辛子。
 
青じそも梅も、私はそれほど好物ではなくて、「無ければ無くていい、ていうか無いほうがいい」と長らく思っていたのだけれど、このしそ巻きはすごく美味しいし、梅味噌との相性も格別。
 
相変わらず「お寿司屋のいくら手巻きやウニ手巻きに青じそはやっぱり不要、イカそうめんにも青じそは不要」と思ってはいるけれど、このしそ巻きは単品メニューで自ら頼んでも良いなと思うほど、美味しかったりするのだった。
 
白菜サラダは、芯の部分を短冊に切って、やや醤油が強めのポン酢に和えておかかと葱をまぶした風なもの。
 
たっぷりなおかかの香りが良く、白菜はシャキシャキと素敵な食感でほのかに甘い。漬物でいただく生の白菜の食感ともまた違って、えぐみもなく美味しかった。
 
で、シメに焼きおにぎりと鶏スープもいただいて、帰りに駅前のコンビニ寄って今日発売予定だった「ガリガリ君バニラバニラチョコクッキー」を買って帰宅。
 
コンビニの棚はお弁当やパンの棚が尋常じゃない品薄光景だったけれど、カップ麺などの供給は滞りなくなってきたみたい。アイスをいくつかとカップ麺1個(だんなが職場に持っていく非常食用、だそうで)買って帰ってきた。

3月16日 水曜日
ほっとする味、空也のもなか。
ハムチーズエッグのドッグサンド
カフェオレ
ヨーグルト

朝起きて、都内のガイガーカウンター値をチェックして、今日の停電と交通の情報を仕入れて、で、朝御飯の準備をする。だんなは通勤、息子は午前授業で給食なし。
 
週末に買ってきた、大手メーカー製のフランスパン風のドッグパンを使うことにした。大手メーカー製のパンは、ちゃんとしたパン屋さんで買うのと比べてかなり味気なかったりする(まぁ、値段が全然違うしね)けれど、でもそれなりに長期保存が可能なのがこういう時にはありがたい。
 
縦に切り込み入れてシュレッドチーズを詰めてトースターで温めている間にスクランブルエッグを用意した。デパ地下で以前買ってきた美味しいハムも挟んで、ハムチーズエッグサンド。
 
今日は食後にヨーグルトも出して、その甘さにホッとして、今日のゴミ出しをまとめたりした。この状況下でたゆみなくゴミ収集が行われているのはありがたいことだ。
 
午前中は、牛乳とヨーグルトとチーズが(乳製品ばっかり……)切れそうになっていたので、地元のちょっと小さなスーパーに買い物に。念のためと開店時間と同時に到着するように向かってみたところ、開店が数分遅れていたらしいスーパーの前には見たことのない行列ができていた。入り口2つに、各100人ほどの行列が。
 
オープンするなり店内に駆け込んでいくお客さんたち。私は一直線に牛乳売り場に向かったのだけれど、そもそもの入荷が50本ほどだったようでみるみるうちになくなっていく。なんとか2本籠に入れた数十秒後、無調整牛乳の棚が空になった。隣の低脂肪牛乳の在庫はまだ若干、という感じ。
 
見切り品だった生クリームをみつけたのでそれを手にして、あとはシュレッドチーズやヨーグルトも籠に入れる。本当はプレーンヨーグルトを買おうと思っていたのだけれど、いつもは数十種類の選択肢があるヨーグルトの棚、こちらも残っているのは2〜3種類だけがぽつぽつと、という感じ。今朝食べたばかりのバニラヨーグルトのパックは残っていたので、それを1つ買うことにした。
 
肉や魚の在庫はそれなりに、野菜もそれなりに。でも豆腐や納豆の棚は空っぽで、「親子丼の具」などのレトルト系も全滅。カップラーメンは何故か棚にたくさんあって、近寄って見てみれば「お1人様1個まで」のポスターが貼られていた。
 
すごいなぁ、まだこんな状況なんだ……と唖然としながらスーパー内をうろうろ。意気揚揚とトイレットペーパーティッシュペーパーキッチンペーパーをいくつも抱えて(ご夫婦で来て「お1人様1個まで」を限界まで抱えました、みたいな)レジに並んでいる人たちをけっこうたくさん見かけた。1つ2つなら「ちょうど切れそうなところだったから」で納得だけど……そこまでの買い占めっぷりは、なんだか浅ましいなぁ、と。
 
紙類も今のところ切羽詰まってるわけではないし、と、当初の予定通り、乳製品多めの袋をぶら下げて帰宅した。牛乳だけは切らしてしまうと私もすごくストレスになるし息子も飲むので(我が家は旅行先でも宿の冷蔵庫に牛乳入れておくくらいだから)、また数日後にはがんばって買いにいかなくちゃ。

蔵王クリーミースプレッド(オレンジ)・クラッカー
蓮根のたらこマヨ和え
もやしと挽き肉、卵の炒め物
小松菜と豆腐の味噌汁
羽釜御飯
ビール(サッポロ黒ラベル)
 
「空也」の最中
抹茶入り玄米茶

息子が帰ってきて簡単なお昼御飯(カレーの残りを軽く)食べて、そして12時30分頃から予定通りに「計画停電」が始まった。
 
テレビ消える、電気消える、ガスストーブも消える。お風呂はつけられない、集合住宅なので水の供給も止まった。……水は出るかなと思っていたけど、これはなかなか大変だ。
 
「まぁ……なるようにしかならないし」
と、バッテリーで動くノートパソコンで昨日の日記をつらつらつけていたところで、3/11の本震以来の大きな揺れがあった。
「ちょっ……テレビもつけられないこのタイミングで地震!?」
私の携帯電話は「通話とメールやりとりだけできれば良し」という最低機能しかついていないもの(カメラすら無し!)なので、ワンセグなにそれ状態。
 
揺れ事態は家の小物何一つ倒れることもない程度のもので、でも本震以来の「ゆっさゆさ」という揺れだったので軽く恐怖を覚えた。
 
どうしよう、震源も震度もわからないなぁ……遠くですごい揺れていたならこれは心配だわ、と、とりあえず携帯でtwitter画面開いて「停電中に地震ってめちゃめちゃ怖いんですけどー」などと呟いたら、すぐに友人たちから「千葉はこのくらいの震度だったってよー」「だいじょぶー?」などと連絡があって、そのやりとりで落ち着くことができた。震源は千葉県東方沖、最大震度5弱の揺れだったそう。このあたりは震度4あたりって感じだったのだとわかった。
 
その後は「寒いし」と、布団にくるまって漫画読んでそのまま停電が終わるまで昼寝してしまっていたのだけれど、そういえば我が家、PSPとかDSとかでワンセグ見られるようにしてあったんだったわ、と気付いたのは夜になってからの事。停電中の地震は本当にヒヤリとするので、明日からはちゃんと用意しておかなくては。
 
そう、今回の震災はtwitterが大変に有効で、特に停電している時・外出している時の情報収集にはこれが一番早く手間がないなあと痛感している。
 
今、関東住人としては特に心配な原発の状態については
東大理学部物理学科長(放射線のプロ)の早野先生のtweet
東大病院放射線治療チーム、チーム中川のtweet
がとても有用、端的で冷静な解説に理解を助けられているところ。
地震速報は
@earthquake_jp
で。
 
そして千葉市民の私には
千葉市広報課のtweet
も便利な存在。
その他公的なアカウントが現状こんな感じで揃っているそうなので、この日記を御覧いただいている方でtwitterアカウントを取得していない方は一応持っておかれる(そして携帯等で必要な情報を見られる状態にしておく)のが吉かなと私は思っています。
 
で、今日の夕御飯。
 
余震も心配だけれど、食材が手元にあるしちゃんと御飯作って食べなきゃ、ということで、足が早いひき肉ともやしを使ってしまうことにした。
 
ひき肉を生姜、にんにくと共に中華鍋で炒めてもやしも加え、一度鍋の脇に寄せてから溶き卵を流し入れる。その場でこちゃこちゃっと混ぜて炒り卵状にしてから全体を炒め合わせ、味付けは塩胡椒、醤油と味醂。もうちょっと下卑た味にするつもりだったけれど、案外あっさり味に仕上がってしまった。
 
蓮根は薄切りにして酢水でさっと茹でてからたらこペースト、マヨネーズで和える。味噌汁は小松菜たっぷり、豆腐も入れる。ビールも冷やしておいた。……で、だんなが無事帰宅。
 
やっぱり心情としては「非常事態」という感じが続いているのではあるのだけれど、家族で囲む食事は本当に何より。
見た目がたいそう素朴なもやし肉炒めはちゃんと美味しかったし、具沢山味噌汁も嬉しい存在だったりした。
 
そして食後は「空也」のもなか。
 
ホワイトデー用にと、職場の人に配る分も含めてだんなが3/14受け取りで予約しておいてくれたもの。
予約当日は電車が動かなくて取りに行けず、翌日改めて受け取りに行ってくれたらしい。「すごいよ、あんなに空いてる空也初めて。予約しないでも余裕で当日にもなか購入できる感じだった」なのだそう。
 
そっかー、じゃあ、そんな状況にあるうちにあと何箱か買いに行くといいよ、あるだけ食べるよ、と話しながら、あったかいお茶淹れて食後にもぐもぐ。
 
小ぶりで素朴な外見のもなか、ねっとりとした粒あんの甘さや上品さがとっても良い感じ。買ってからしばらくの皮がパリパリした食感なのも素敵だけど、ちょっと経ってややしんなりしてきた頃のもまた美味しい。

3月17日 木曜日
今日は早起きしてお弁当作り
カレーうどん
麦茶

昨日学校から帰ってきた息子が、
「明日は弁当持参だからー」
とのこと。
 
ああもうさっき買い物行っちゃったよお昼過ぎにそれ言われても困っちゃうなぁ……と思いつつ、とりあえずありものでお弁当作ることにした。
 
元々だんなのお弁当用にと牛カルビ肉を200gばかり買ってきてあったので、それを使って焼き肉丼。肉を両面こんがり焼いて、ほどよく焼けたところでタレに絡めてそれをご飯に乗せていく。小松菜のおひたし添えて、卵焼きは中に海苔を巻いた醤油味で、そういえばこれも持ってました、と、冷凍食品のミニグラタンも詰めた。
 
どうせ支度するのならとだんなの分のお弁当も用意して、ついでにちょうど昼時に停電が予定されているので私の分もミニ丼を用意した。今日は家族3人、同じお昼ご飯なのねと思うとちょっと楽しい。
 
朝御飯は、いよいよラストのカレーをカレーうどんに。昨夜のうちにだし汁加えて醤油と味醂で調味しておいたカレースープに冷凍うどんを入れるだけ。仕上げに刻んだ長ねぎをパラッとかけた。
 
今回はまだルウがそこそこ残っている状態で加工したから、かなり濃厚なスープになって、そのこってりした味ととろみが寒さぶりかえしの今朝にはとりわけ嬉しく感じられる。
「これ……最後に御飯入れて食べたい感じだよね」
「僕も僕も!」
と我が家の男性陣は2人して、うどんを平らげた後に(3人分でうどん2玉だったから若干うどんは軽めの分量ではあったけれど)冷凍御飯をチンしてスープに入れて食べていた。
 
「これ!おいしい!」
「すごーくおいしい!」
だそうで、最後の1滴まで満喫していただけて、本当に何より。
 
で、予定通り午前中は計画停電。
昼間の停電は日が暮れてからよりもありがたいことだわ、なんて思っていたら、停電からの復帰後に見たテレビニュースで、「今日は寒さの影響で需要が高まっているため、第5、第1グループは2度目の停電も行われる見込み」との報道があった。
 
えええええ、今終わったばかりなのにまた5時間後に停電ですか……と驚きつつ、では今日の夕飯は暗闇の中食べる事になるのかなぁ(停電予定は16:50ー20:30)、御飯炊いて味噌汁温めるくらいはともかく、炒め物とかはしない方が良さそう……てかできないよね?と、初の夜間停電なのでここは慎重にお総菜でも買ってくることにしようかなと、駅ビルに行ってみることにした。
 
午前の停電もあったということで、オープンを正午からにしていたらしい駅ビル。また夕方に停電ということで殺伐とした空気を放ったお客さんで溢れていた。節電でビル内の照明も押さえ気味なこともあいまって、尋常じゃない雰囲気。考えることは皆同じ、焼き鳥屋さんなどは長蛇の列ができている。
 
これは大変……と、根性のない私は早々にお総菜を買うのはあきらめて、じゃあ調理の手間がないお刺身とかにしておこうかなと魚売場に行くことに。こちらはさほど混雑しておらず、めでたく手頃な値段のメバチマグロのサクを買え、「これでとりあえず夕飯はづけ丼とかできそうかなー」と帰宅した。

計画停電の暗闇の中で
 ちぢみほうれん草のおひたし
 マグロのづけ丼
 小松菜と豆腐の味噌汁
 ほうじ茶

で、いよいよ5時になった頃、本日2度目の停電開始。
 
今日は本当に寒くて、ゆえに予定されていたエリアの停電だけでは需要を賄えないかもしれないと、「予測不能な大規模停電」のおそれあり、と、それゆえに一層の節電を励むべしとのお達しのニュースが直前に流れ続けていた。
 
夕飯は明るいうちに米と水を羽釜に入れて「あとはコンロにかけるだけ」の状態にしておいた。マグロ用のづけ地も用意、おひたしで食べるつもりのほうれん草もゆでておいた。あとは小さな灯りの中でも準備できるだろうと判断して、停電が始まってから1時間後、薄闇迫る6時頃から炊飯した。
 
我が家では、停電に伴って水道は止まるけれどガスは生きている。いつもガスコンロに羽釜を乗せて御飯を炊いている(炊飯器はもう10年以上使ってない)ので御飯は普通に炊くことができる。ちょっとくらい暗くても平気……と思っていたけど、街灯の明かりも入らない屋内は想像以上に真っ暗だった。現状の我が家の照明を総動員したけれど、なかなか大変な状態。
 
なんとかひととおり夕食を準備して、
「くらいなー」
「何食べてるかわかんないねー」
と息子と2人ゲラゲラ笑いながら「わからん、全くわからん」言いながら夕御飯を食べた。食卓にも照明を置いていたから器の形は見てわかるけど、中に何がどのくらい入っているのか、全くと言って良いほどわからない。
 
食事をするにあたって、鼻が利かないのも相当にやっかいだけど、視覚が制限されるというのも食事の楽しみを相当奪うものなのだなぁと改めて思った。思い出したのはデスバレーでの暗い一夜。あの夜は一生忘れることはないだろう体験だった。そして楽しかった。今日のこれだって、ノリとしてはたいして変わらないじゃない?と思っている自分がいる。
 
温かな御飯と温かな味噌汁、温かなお茶の夕御飯はこの状況下ではものすごく贅沢なものに感じられた。鍋にたっぷりシチューなどの煮物作っておいて、あとはパンを袋から出すだけ、とかだったらこの暗さでもけっこういけるのかもしれないと、次回の夜間停電への指針もできた。……まぁ、停電を避けて事前事後に食事すればそれで良いことなんだけど。
 
食後、せっかくの機会だから(?)と、息子と2人懐中電灯持って暗い町内を一周してみた。歩く足元に影ができて、なんでだろ停電しているのに……と上を見ると、輝く月。薄曇りだけれど、星もたくさん見えた。不気味なほどに建物は暗いけれど、空は明るく、行き交う車のライトもあるから思っていたほどには悲壮感漂う光景ではなかった。むしろ「あぁ、月ってなんて綺麗なんだろ」とのんきな事を思いながら帰宅。
 
そんな感じで、午後8時半まで予定の計画停電は、8時頃に無事終了した。
 
何回かの昼間の停電と今回の夜間の停電を経験して、学んだことがいくつかある。

【停電中の冷蔵庫・冷凍庫】
冷凍庫と冷蔵庫は、それ自体が高性能の「クーラーボックス」なので、半日程度の停電なら開け閉めしなければ大丈夫。大切なのは「開け閉めしない」こと(特に冷凍庫)。日中、冷蔵庫に入れてある麦茶を飲む習慣があるなら、停電中に飲むだろう分量をあらかじめ保冷ポットなどに氷と共に詰めておく。停電中に食事の支度をするなら、事前にその分の材料を出しておき、必要ならクーラーボックスなどに入れておく。今日は寒かったので、停電前に水筒に熱いほうじ茶をたっぷり作っておいたりした。
 
【停電中の暖房】
「熱源がないよ、猫くらいしかないよ」と思っていたのだけれど、ふと思い出してこたつに湯たんぽ入れてみたら、これが良い感じのぬくもり。普通にちゃんと暖かくて、通常時もこたつのスイッチ入れなくても良いようになってしまった。今年の冬の湯たんぽの無双っぷりときたら、惚れ惚れするレベル。
 
【停電中の照明】
我が家に現在あるのは、懐中電灯と、充電式LEDキャンドルライト(これ)。充電式LEDは、計画停電の話が出た直後にネットで探して速攻買い求めた。キャンドルライトそっくりのサイズと光量だから心許ないけれど、無いよりはずっとありがたく、本物のキャンドルではないので火災の心配もゼロ。
懐中電灯の方の電池も充電式のエネループを使っているので、こちらも割と惜しみなく使える感じ。
 
そして今到着を待ちかねているのが明日明後日あたり届くはずの「ハンディ・ソーラー・キット」。この手の品を一つも持ってないなと、震災後にあれこれ調べて、在庫のあった関西の会社から買ってみた。ライト、明るいと嬉しいなぁ。
 
【停電中のトイレ】
我が家は集合住宅ゆえ、停電=断水。飲み水はあからじめ汲んでおく(まぁ、数時間だし)として、地味に困るのがトイレ。今回初めて「大」をもよおしてしまい(ビロウな話でスミマセン……)、真っ暗な中での水洗作業のめんどくささに呆然となった。
TOTOの「断水・給水制限・停電時のトイレ使用について」ページを参考にして、その内容を既に見て覚えてはいたのだけれど、実際に「浴槽から洗面器で残り湯汲んできてトイレに流す」のはなかなか大変。ただでさえめんどくさい作業なのに、暗闇の中でというのが本当に大変。でも流したいし。
 
我が家は背中側に四角いタンクがついているタイプのものなので、危機的状況ではない間にそのタンクに事前に水を溜めておけば良いのかも……と思ったりした。洗面器2杯分くらい入れておけば1回流すのに充分なくらい水が溜まるようだし、次からはそうして対処かな、と。
 
【停電中の情報収集】
我が家の携帯電話は一つもワンセグ視聴が可能なものがなく、昨日の昼間停電中に地震があった時に「これは困る」と思った。twitterにしても携帯で必要な情報をすぐに手に入れるのは難しいもので、だから今日急いでtwitterは震災関係のアカウントをまとめたリストを作り、そこにすぐアクセスできるように携帯のブックマークを設定。そして「そういえばPSPとDS用のワンセグチューナーうちにあったじゃない!」と思い出して引っ張り出した。
 
今日の暗い中での夕御飯は、でもDSでNHK見ながらのものとなって、「地震があってもとりあえず情報入るし怖くないね」という状況に。「自分以外の人と繋がっている状態を保つ」のはとても大事だなと痛感。

と、そんな感じで自分の装備を調えている次第。
 
連休中の停電スケジュールも発表になり、本格的に長丁場化しそうな計画停電。効率的に自分に無理のないように、ちょっと楽しんでしまったりしながらも乗り越えていきたいな、と。

3月18日 金曜日
夜は軽めに、でも野菜の摂れるサラダ風スパゲティで
「木村屋」のさくらあんぱん
ホットミルク

今日は息子の小学校卒業式。でも、このエリアは朝6時20分から計画停電の予定。
 
「朝御飯の支度、ほとんどできそうにないなぁ……」
お出かけの身支度するのも水が出ず洗面所の明かりも点かずというのは、それもけっこう大変だなぁ、と思いながら、でも特に早起きするとかいうことはなくいつも通りに起床。起きて10分後くらいにテレビが消えてガスストーブも消えてパソコンのモニターは暗くなり、いつもの停電が始まった。
 
こうなるのは想定のうえで、買ってきておいたのは「さくらあんぱん」。銀座木村屋と袋にロゴがついているけれど、こちらはスーパー等に流通するタイプのものだから、銀座のお店で買うのとは全く別もの。やっぱりなんだか味気なくて、でも「あんぱん+牛乳」の幸せな組み合わせはゆるぎなく、
「今日寒いからホットミルクにしてあげようか?」
と、ホーローの鍋で牛乳温めてマグカップに注いだ。
 
会場となる学校体育館もこれはたいそう寒くなるだろうなぁと、先に登校した息子を見送ってから1時間ほどして私とだんなも外出の支度。卒業式ということで、一応それなりの格好をしたのだけれど、ダウンのコートを脱げるとは思えない真冬並の肌寒さだ。実際、とうとう最後までコートを脱ぐことはできなかった。
 
君が代斉唱、卒業証書授与、校長先生の祝辞に来賓の紹介、在校生からの送る言葉と卒業生からの旅立ちの言葉。自分の遠い子供の頃を思い出したけれど、この時代、歌うのは「蛍の光」でも「仰げば尊し」でも「巣立ちの歌」でもなく、「旅立ちの日に」がメジャーなのであるらしい。今日子供達が歌っていたのもこの曲だ。
 
この状況下で無事に卒業式を挙げられたのは本当に何より。数日前に、給食が取り止めになって午前授業で帰宅した息子がしょんぼり
「卒業式もねぇ……状況によってはできないかもって先生が言ってた……」
と漏らしていた事を思うと、無事に催行できた影には先生や自治体の尽力が少なからずあったのだと思う。震災の追悼にと、1分間の黙祷ではじまった卒業式は、息子にとっては一生忘れられないものになったかもしれない。
 
我が家はたまたま、かなり早い段階で制服購入の手続きをしていたから、卒業式に着る服は中学の制服を間に合わせることができた(当初の制服配送到着予定が3/12、震災の翌日で、結局予定の翌日3/13には手元に届いた)けれど、おそらく間に合わなかった人たちがたくさんいたのだろう。毎年ほとんど全員が中学の制服を着て卒業式に臨んでいると聞いていたけれど、今日は制服着用組は5割以下という感じだった。

スパイシー挽き肉乗せサラダスパゲッティ
麦茶

卒業式後、だんなは一日休むわけにはいかないからと職場に向かい、私と息子は家に帰ってお昼御飯。停電はとうに終わっていたけれど、もうお昼時だしこれから料理するよりはとコンビニで適当にサンドイッチなどを買って帰宅した。うっかりデザートのチーズケーキなども買ってしまったので思った以上に満腹に(しかもそのチーズケーキが今ひとつ美味しくなかったりして……)。
 
そんなこんなで、だんなは激ジョブだし夕飯は軽くて良いかなと、ありものの挽き肉とか野菜とかを使っちゃおうという趣向で、サラダスパゲッティにすることにした。品薄気味のお米に使わずに済むし、我が家、なぜかパスタ類なら軽く5kgくらいの備蓄があったりして……(←ディチェコの安売りとかを見つけると3kg単位で買ってきたりするから)。
 
挽き肉は、ARISCO(にんにく、玉ねぎ、唐辛子などが入っているブラジルの調味料)でしっかりめの味に炒めておく。皿にレタスをちぎって敷いて、その上に水で締めたパスタを盛りつける。あとはパスタと一緒の鍋で軽く茹でておいた人参とブロッコリー、半割にしたプチトマトなどをトッピング。挽き肉乗せたら香菜添えて、あとは手持ちのドレッシング(本当はピエトロが美味しいと思うけど、手元に生協の野菜ドレッシングがたっぷりあったので今日はこれを)を麺と野菜にかけてできあがり。適当に混ぜながら食べる。
 
レタスとトマトはあった方がそれっぽいかなと思うけど、あとはありものの野菜、それとゆで卵とかツナとかコーンとか、おおよそサラダのトッピングに使われそうなものなら(それこそイカリングとか鶏の唐揚げとかも←CoCo壱番屋みたいに)たいてい似合うのが嬉しいサラダスパゲッティ。今日のほんのりエスニック風なスパイシーミートと香菜という組み合わせも悪くなかった。
 
明日から息子は割と長い春休み。
本当だったら週末の予定は目白押しで、抽選に当たるかどうかわくわくしていたワークショップの申込もあったりした。それが続々と白紙になっているところで、かといって遠出する心情でも状況でも懐具合でもなく、さてどうしましょ、という感じ。
 
「この機会にさぁ……文字綺麗に書く練習しない?お母さんも字が綺麗とは言い難いから、同じ練習帳2つ買ってさ、一緒にやろうよ」
と息子に提案してみたら、イヤーな顔をしていた。だってさ、文集に乗った君の作文の文字、なんだか凄かったんですもの……(言い訳すれば、作文提出がインフルエンザ罹患中の期間で、治った後にダッシュで書かなきゃいけなくて余裕が全然なかったから、とかあるのだけれども、それにしてもねぇ)。

3月19日 土曜日
「銚子丸」でブランチ。うに!うに!
※今日の写真はクリックすると大きくなります※
「銚子丸」にて
 背黒いわしから揚げ
 白子の揚げだし
 マグロのトロぶつ
 劇団セット 魚々彩々
 金目鯛 握り
 白子軍艦
 炙りうにのり包み
 あら汁(2杯)
 生ビール

私はうっかり6時半頃起床、息子もほどなく起床、でもだんなが起きない土曜日の朝。
 
パンはあるし簡単な朝御飯でも……と思っているうちに10時を過ぎて、こりゃ朝御飯というよりブランチだなーと思い始めたところでだんなが起きてきた。もうこの時間だしと、
「11時に銚子丸オープンするから、それに合わせて行っちゃいませんか!?」
ついでにホームセンターにも寄って来ようよ、と提案して、自転車こいで稲毛海岸近くの「銚子丸」を目指した。
 
このお店のあたりは液状化の影響が強かったところ。
震災直後はこんな感じで、道路沿いの電柱が軒並み斜めになっているような状況だった。道路も砂泥びたしという感じで大変だったよう。
 
それでも、道路1本隔てた銚子丸あたりの被害は少なかったようで、営業も普通にしているらしいと知って、行ってみた。営業時間になっているはずなのに外から見ると店内の明かりがなく、閉店しているような光景だったけれど、おそるおそる扉を開けてみると「いらっしゃいませー」の声。
 
いつもより若干板前さんやフロアの店員さんの数も少ないように感じられたけど、でもいつもの
「ようこそ、銚子丸へぇ〜!」
「銚子丸へぇ〜!」
「おいしい舞台へ!いらっしゃいませぇ〜!」
「いらっしゃいませぇ〜!」
のかけ声も聞けて、なんとなくホッとした。
 
なんでもご注文くださいね、ただいまヒラメおろしたてです、キンメありますよキンメ〜!と、薄暗い中、いつも以上に元気な店内。「今日のおすすめ」のホワイトボードには、マグロ・イカポン・甘えびの3貫皿「不屈の日本」、サーモン・エンガワ・ブリの3貫皿「がんばろう3貫」、マダイ・サーモン・イカの3貫皿「おもいやり3貫」が、全て262円のキャンペーン価格での案内があった。
 
さすがに11時の開店直後はお客さんの入りもまばらだったけれど、12時過ぎるといつも通りにほぼ満席の光景。お客さんがある程度入ってから回り始めたレーンも(それまでは全部直接注文して握ってもらっていた)、続々と美味しそうなものを乗せてくる。
 
私とだんなは、生ビールを注文しつつまずは「劇団セット 魚々彩々」を。まぐろ・真鯛・赤貝・かつお・ほたるいか・すじこ・さより(入荷がないということで鯵に変更)、赤海老という春らしい組み合わせ。
 
「銚子丸」にて、白子の揚げだしと背黒いわしの唐揚げ。お寿司屋さんなのに気分は居酒屋。 おつまみメニューも充実しているこの回転寿司屋さん、今日は白子の揚げだしと背黒いわしの唐揚げという魅惑的なものもあったので、それも頼んでみた。
 
背黒いわしは、「大きめの煮干し」という感じのもの。香川で買ってきたいりこが、まさにこんなサイズで、それがこんがりと揚げられてパラッと適度な塩加減。
 
白子の揚げだしは、おおぶりの白子の塊がごろんごろんと4個くらい入っていて、その揚げだしだけに飽きたらず
「白子の軍艦もできますか?じゃあそれも1つ〜」
と、お願いして握ってもらった私……。
 
「銚子丸」にて、白子軍艦。白子ってなんでこんなに美味しいかなぁ…… 更に、レーンを回ってきた「マグロのトロぶつ」も1皿もらい、金目鯛握りももらい、最後は初めて注文してみた「炙りうにのり包み」。
 
今日は「あら汁無料」(ランチタイムのみ)の日で、いつも通りにキャベツたっぷり長ねぎたっぷりの汁の中には骨つきのサーモンがごろごろと入っていた。
 
魚がたんまり入っているのに生臭くない、美味しいあら汁、だんなと一緒に私もお代わりをもらってしまって、もっともっとお寿司を食べるつもりだったのに思ったよりも早く満腹に。
 
好きな店が変わらず元気でいてくれて何よりだったねと、食後は近くのホームセンターとスーパーを覗いて帰ることに。
 
ホームセンターでは店頭に大きなコンテナを出して、「買い占められるならしてみるといい」くらいの勢いで大量の電池を販売していて、トイレットペーパーもティッシュペーパーも売られていた。目的だった花の苗やキャットフード、その他諸々の品を購入。
 
液状化激しい道路沿いのショッピングモール内にあるスーパーの方は、さすがに通常営業はしておらず、でも店頭の広場でパンや常温保存可能なレトルト食品の類がたんまり売られていた。店頭に「牛乳・ヨーグルトあります」と書いてあって、お願いすると暗い店内の冷蔵庫からそれを出してきてくれるようになっていた。でもさすがに肉や魚、野菜などの生鮮品販売はなし。
 
このエリアに来る時にはよく寄っていたこのスーパー、早くいつもの日常が戻ってくると良いなと思う。

チーズ(ベルキューブ/ビストロ)
回鍋肉
いかなごのくぎ煮
牛肉とわかめの韓国風スープ
羽釜御飯
ビール(サッポロ黒ラベル)

帰宅してから、改めて地元駅前のスーパーにお買い物に。こちらのスーパーは牛乳卵、豆腐や油揚げなどの大豆加工品は既に売り切れ、それでもパンやその他乳製品の供給は安定してきている感じ。鮮魚すくなめ、でも肉はたっぷり。
 
「キャベツが1玉まんまあるからさぁ……回鍋肉しようか」
「いいねぇ」
と、豚バラブロックとピーマンを買ってきた。あとスープ用に薄切り牛肉も。
 
まだまだ余震が続いていて、若干の「非常事態」下ではあるのだけれど、それでも回鍋肉は手抜きせずに豚バラ肉を茹でてスライスして……の工程を外す気にはなれない。バラ肉は長ねぎの青いとこと生姜の薄切りと共に数十分茹でてスライス。キャベツとピーマンはざく切りにしてから一度湯通し(中華鍋に2カップほどの水、塩小さじ1とサラダ油大さじ1を合わせて熱し、グラグラ煮立ったところで野菜を入れて油と湯と塩を全体に絡めるようにして、ざるにあける)。
 
あとは簡単で、刻み生姜、刻みにんにくと共にスライスした豚バラ肉を炒めて野菜と合わせ、調味料回しかけてざざっと数回あおったら水溶き片栗粉でとろみをつければできあがり。いつもの、周富徳さんの味付けで仕上げて、でも今日は若干香辣脆を多めに入れて辛さを感じる味付けにした。
 
卓上にはビールのおつまみ用にと、買い置きのベルキューブ「ビストロ」を出し、それと、御飯のお供に「いかなごのくぎ煮」。神戸に住む友人が、春の味ですよーと、送ってくれた。
 
今年の"シンコ"(イカナゴの稚魚のこと)は若干小ぶりなんですが、とのこと。しらすより一回りくらい小さな魚がたっぷり、生姜の効いた醤油ベースのあまじょっぱい味でこっくりと炊かれている。関東でも見かけないことはないけれど、でも地元の漬物&佃煮屋さんで「珍しいだけじゃなく美味しいです!いかなごの釘煮入荷しました!」なんて張り紙がされていたくらい、私たちには遠い存在。垂水の方ではこの時期、町中がこのくぎ煮の匂いでいっぱいになるそうで、スーパーにはざらめ・生姜・醤油・鍋・タッパーの特設コーナーができたりもするらしい。
 
我が家あたりで言うと、季節になるとスーパー店頭に梅酒作り用の瓶や氷砂糖が積まれるような感じなのかなと思うけれど、でもそれ以上に生活に根ざした一大イベントなのだろうなぁ……と思う。美味しいがゆえに、御飯が進んで困ってしまう危険な食べ物だ。
 
今日はそんな感じで、御飯が美味しくてたまらない感じの献立に(回鍋肉も御飯が進むんだ、これ……)。
 
御飯炊いて回鍋肉の準備している間に、なかなか大きな地震(震度4くらい)があった。
でも棚がガタピシ言う揺れくらいでは「あーもー今揺れないでよーいいとこなんだからー」などとしか思わない、自分の「地震への慣れ」の方にびっくりする。鈍感になってはいけないよね……もうしばらく、ある程度の緊張は持っていなければ。

3月20日 日曜日
ピッツァ焼きました〜
ミートオムレツ
バタートースト
カフェオレ
苺 with 練乳・牛乳

「震災から全然買えてないし、卵の残りがあんまりないな〜」
今日買えると良いけど、と思いながら卵を2個冷蔵庫から出して、ミートオムレツの準備をする日曜の朝。
 
先日のサラダスパゲティ用にと作ったスパイシーミートがまだ残っているので、オムレツに入れたら美味しいかしらと、溶いた卵に牛乳入れて卵液の増量を図りつつ、肉たっぷりめ入りのオムレツ作りを試みた。……ただでさえオムレツは苦手なのに難易度が上がってしまって、なかなかな外見のシロモノに。ケチャップかけていただくと味の方は幸せな感じで、バタートーストと共にもりもり食べた。
 
せっかくの連休だけど遠出する予定もなく、家でのんびり。でも買い物には行かなくちゃ。

「むすびのいちばん」の
 焼きたらこおにぎり
 鶏の唐揚げ
  ほうじ茶

午前中は開店時間ちょっと前につくつもりで駅ビルへ向かう。とりあえず目指すは卵!と、ビル内のスーパーを最初に訪れると、幸いそこそこの入荷があってめでたく購入。豆腐もあったら買って行こうと冷蔵ケースを目指すと、そこには大変な人混みで、何かと思えば「納豆に殺到する」人たちの塊なのだった。いくつかの悲鳴が挙がるほどの混雑の中、納豆と並べて置かれた厚揚げなどが床にたたき落とされたりする始末。
 
なぜ納豆が?これほどまでに人気??とわけがわからず("毎朝1パック食べないと1日が始まらない"という人には確かに困った状況なのかもしれないけども……)、その隣に普通に積まれていた豆腐は無事に買うことができた。
 
パン屋さん、アンデルセンのパンも買い、お昼用には「今日は軽くでいいかなー」と、おにぎり屋さんのおにぎりを1人1個買って帰ってきた。
 
コンビニのおにぎりの1.5倍、いや、2倍くらいのサイズがある大きなおにぎり屋さんを売っているのは「むすびのいちばん」という駅前のお店。種類も豊富で定番の鮭やおかか、たらこやいくらに加えて「焼肉」とか「ベーコン」とか「ツナマヨ」「オクラコーン」といったようなものまである。チャレンジャーのだんなは「ベーコン」を、息子には「いくら」、私は「焼きたらこ」。
 
ちょうど揚げたての鶏の唐揚げも売られていて、それも1パック買ってきた。いかにも「お弁当の唐揚げ」みたいな、おにぎりに似合うしっかりめの味付けの唐揚げは、噛むと染み出てくるような生姜醤油味。
 
大きなおにぎりの中には具もたっぷり入っていて、そこそこお値段は高いおにぎりだけれど(1個200円前後だけど、いくらやたらこは270円)2個食べればかなり満腹になりそうだし、唐揚げも美味しいし、お昼御飯にはちょうど良いかも。また買いに行こう。

シーザーサラダ
自家製ピッツァ
 マルゲリータ・照り焼きチキン・ビスマルク風・ハムチーズ
ビール(銀河高原ペールエール)

昨日、とても美味しそうなロメインレタスとルッコラを買ってきた。
 
初めて行ったそのお店は「gris souris」(グリスーリ)というお店。ネットで知ったのだけど、「手仕事のもの・くらしの日用品」のお店だそうで、日によって野菜やパンの販売もあるらしい。ちょっと面白そうなお店だなと、行く機会を伺っていた。
 
一軒家を改造したような、いわゆる「ほっこり系」のお店で、入り口近くに葉野菜が籠に入れられ並んでいる。でも値札がついていない。リネン類やショールなどの布ものと、蜂蜜やジンジャーシロップ柚子シロップなどなど、色々なものがゆとりをもって並べられていた。
 
これ、気になるなと生姜シロップを手にとって、野菜はおいくらなんでしょう……とお店の方(おそらくはオーナーさん)に聞いてみようとするも、その方は常連さんらしき方とおしゃべり中。レジから離れて「そうなの、ショールのこの色がね素敵でしょう?」と熱心に接客中で、じゃあレジで聞ければいいやとロメインレタスとルッコラと生姜シロップ持ってレジに行った。
 
で、レジを打っている間も、「こっちの○○はぁ〜?」と数メートル先から声をかけたお客さんに「うん、それはねー」とタメ口で答えつつ……という状況だったので、結局何がいくらだったのかは聞けず仕舞い。でも「○円です」と言われた金額は、野菜2つで500円というところだったので、それなら良いかなと結局それらを買って帰ってきたのだった。
 
なんというか、良くも悪くも「おままごとのような店」。ぱっと見は「雰囲気の良いお店」かもしれないけれど、私自身が「感じの良いお店」と思えるようになるには、通ってオーナーさんに顔を覚えてもらわなければ(それはもう"公園デビュー"するような情熱をもって!)いけないのかしら……なんて思ってしまった。"レジのおばちゃんがいっつも不機嫌なスーパー"なんてものに行くよりも、ある意味居心地の悪い店だなと。
 
それでも、買ってきた野菜は本当に素晴らしいもので、ルッコラは鼻を近づけなくても良い香りが漂ってくる。大きな玉のロメインレタスも青々としていて本当に瑞々しく、良い感じ。
これはもう、「野菜とパンが買えさえすればいいや」と割り切って行けばいいのかなー。
 
美味しいルッコラ、どうやって食べようかなぁと考えて、今日の夕御飯は久しぶりにピッツァを焼くことに。
 
ちょうど美味しいハム類もあるし、ロメインレタスでシーザーサラダを作って添えればぴったりだし、プチトマトもあるし……と、手元にないモッツァレラチーズなどを午前中の買い物で買ってきた。夕方になってから強力粉と塩とぬるま湯、イーストなどを用意して真面目にこねこね、発酵してから4等分してぺたぺた伸ばしてオーブンへ。
 
週末は電力の需要も低く計画停電もなしということで、このタイミングならオーブン使っても良いかなぁと、でもいつもはデロンギのピザストーン(うちのはこれ)を30分ほど余熱をしてしっかり温めてから使っているところ、今日は庫内の余熱の十数分で生地の焼きに入ってしまった。……が、やっぱりちゃんとストーンを熱しておいた方が良かったかも。
 
オーブンも、いつもは大型の年代ものの電気オーブン(結婚時にだんなが実家から持ってきたもの)を使っていたけれど、熱効率が良いのは小型のオーブンレンジの方かなとこちらを使用。庫内が狭い分、扉の開け閉めで熱が逃げていってしまうようで、これまたなかなか焼きが難しい状況だった。
 
「そっかー……これだと生地はもっと薄くしなきゃいけないから、1単位の生地を4等分じゃなくて6等分くらいにしないといけないんだなー」
「あと下焼きももうちょっと長くしておかないと」
と、このオーブンで自家製ピッツァを焼くにあたっての次回への課題もたくさんできたけど、美味しい材料をあれこれ用意したこともあって味の方は上々。次々焼きますよー、と、具材を変えつつ4種類のピッツァを出した。自家製ドレッシングで和えてから出したシーザーサラダも、レタスの美味しさのおかげでとても美味しいものに、サラダに散らしたクルトンは無印良品のもの
 
1枚目はシンプルなマルゲリータ(トマトソース、モッツァレラチーズ、バジル)、2枚目は照り焼きチキン(醤油と味醂で炒め煮したチキン、ゆで卵、あさつき、プチトマト)、3枚目はビスマルク風(トマトソース、スパイシーミート、ピザ用シュレッドチーズ、バジル、仕上げにルッコラ)、4枚目はハムチーズ(トマトソース、ハム、ピザ用シュレッドチーズ、モッツァレラチーズ)。
 
次々焼いて食べるには焼き色がなかなかつかなくてやきもきしながらのピッツァ作りだったけれど、だんなも息子も旨い旨いと喜んで食べてくれて何より。冷凍庫内には震災の前日あたりに買ってきたパイシートが入っている(スイートポテトパイでも作ろうかと……)から、これも停電の様子みながら調理して食べてしまわなければ。