食欲魔人日記 10年5月 第5週
5月31日 月曜日
バクテーバクテー♪(香菜買い忘れちゃった……)
うどん(ひやひや)
麦茶

ちょっとばかり肌寒い月曜日。
朝御飯はうどんだな!と、買い置きの常温保存可能の半生麺を茹でてみる。2玉で1パックだから、2玉でいいかなー4玉いっちゃおうかなーと悩みつつ、ここは上品に(?)2玉で。
 
少ないかな、と思ったけれど、結果的には2玉で良かったらしい。うどん準備できたよー、の声に起きてきただんな、なんだかえらく調子が悪そう。
「風邪……?かなぁ、なんか昨日寝てから頭が痛くなっちゃって……」
明け方もずっとつらくて、なんて話をして、「今日はお休みする……」と、ようよううどんを啜った後はベッドに逆戻りしてしまったのだった。あらららら。
 
ちなみに茹でたのは、「松岡のさぬきうどん」(これ)なるもの。だしの味はあんまりいりこっぽくないし、「松岡のうどんだよ」と言われても「そうかなぁ?」という感じではあるけれど、でも、香川の「そよ風」くらいは感じることができるありがたい品。松岡ならやっぱり「ひやひや」じゃない?と、冷やした麺に冷やしただしをかけていただいたのだった。
 
今日は野菜が届く日。先週はなかなか優秀で、キャベツが1/4個分ほど残った以外は綺麗に食べきった。今週もキャベツが来たらかなり怖いなと思っていたのだけれど、そのあたりはちゃんと考えてくれていたようで、
 
ニラ1束・ほうれんそう1把・おかひじき1パック・ミニ大根1本・スナックえんどう1袋・ブロッコリー1株・きゅうり2本
 
というのが今週の内容。葉つきの大根は通常サイズの半分ほどのもの。この季節だと「ぶり大根」という感じでもないし、ましてや「ふろふき大根」というのも違う気がするし、あっさりとサラダとかで良いかな……とあれこれ考える。「とり大根」だったら、それほど「煮物!」という感じがしなくてお弁当にも入れられるかな。
 
あと、「おかひじき」。これ……初めて手にした気がする。多分外食で口にしたことくらいはあると思うけれど、調理するのは多分初めて。名前のとおり、ひじきと同じような感じで食べれば良いらしい。「お噂は、かねがね」と思いつつ、まじまじ観察してしまった。

バーニャカウダ風サラダ
肉骨茶
羽釜御飯
アイスウーロン茶

週末のスーパー、アメリカンポークの1本ずつカットされたタイプのスペアリブがお手頃価格だった。この形状のスペアリブを見ると、条件反射のように「……バクテー?」と思ってしまう。今回も「バクテー?」「バクテーいいねぇ」と買ってきたのだった。
 
でも、だんなは昼御飯も食べずに一日中「ベッドは友達」状態だし、そんな時にスペアリブの煮物というのもどうよ、と、
「……他のメニューにしようか?具合悪いのにバクテーって、なんかあんまりじゃない?」
と聞いてみるも、「バクテーなら食べられる」と心強い返事。じゃあ遠慮なく、と、夕方になってバクテーの仕込みを始めた。
 
日本ではなかなか売っていないからと、海外旅行の時にスーパー行って見つけるといくつかまとめて買い込んでくるバクテー用のスパイスミックス、先日横浜中華街に行った時に、YOUKIのバクテーセットなるものをみつけた。なんだ日本でも買えるじゃん!と、試しに1つお買いあげ。
 
通常、バクテー用のスパイスは、ティーバッグのような袋が1個あるだけで、「それを、肉とにんにくと一緒に煮込んでね」というだけのものが多いのだけれど、このYOUKIのは「最初に入れて煮る用」と「仕上げに入れる用」の袋に別れている。更に専用の醤油まで入っていて、「食べる時に好みでつけて食べてね」と。
 
表示を見ると、煮込み用の方はポークストック、ニンニク、食塩、醤油、砂糖、白胡麻、丁字、シナモン、八角、当帰の葉、しいたけエキス、センキョウの葉、といったものが入っていて、仕上げ用(バクテープレミックス)の方は胡椒、当帰の葉、センキョウの葉が入っているということだ。「当帰」「センキョウ」はどちらもセリ科の植物らしい。鎮痛剤、鎮静剤の効果がある漢方薬で、薬湯の材料になったりもする……らしい。風邪に効くかなぁ。効くといいなぁ。
 
丁字(=クローブ)、シナモン、八角(=スターアニス)あたりはともかく、トウキだのセンキョウだのを常備していることはまずないから、家でゼロからバクテーを仕込んであの独特な風味を作り出すのはやっぱりなかなか難しそう。
 
作り方も、これまた丁寧に指示されていて、最初に湯通ししたスペアリブを下煮して、スパイス1を入れて数十分煮込んで途中でにんにくを取り出して、最後にスパイス2を入れて軽く煮たら表面に浮いた油をすくって……と、かなり細かい感じ。塩気もついているから、書いてあるその通りに作れば、実にそれらしいバクテーができあがるようになっていた。
 
いつも調子に乗って煮すぎてしまう感があるから、今日はあえて短めに、煮込み時間は1時間ちょっとというところで表示通りに終わりにした。骨から肉がズルリと外れてしまうこともなく、でもかぶりつくとちゃんと骨から剥がれてくれる良い感じの煮え具合。本当は食べ際に香菜の葉を散らすと素晴らしく良い感じになるのに、うっかり買ってくるのを忘れてしまった。
 
今日届いた野菜から、スナックえんどう、ブロッコリーを少し出してさっと火を通し、スティックに切った人参と共にサラダにして添え、あとはバクテー+白い御飯の夕食。夜になってもなかなか具合が良くならなかっただんなは、多くは食べられなかったけれど、それでも肉とスープと御飯を食べてまたベッドへ戻っていった。
 
私の方は、
 
肉ほぐす
→御飯に乗せる
→専用醤油をちらっとかける
→肉と御飯を一緒に頬張る
→なにこれめちゃめちゃ美味しい!
→更に残った御飯をスープに浸して雑炊風に
→これもたまらんほど美味しい!
 
と、一人でキャッキャキャッキャしていたのだった。
このバクテーの素、ちょっと胡椒が強いのか、息子曰く「ちょっと辛い……前に作ってくれた味の方が美味しい」だそうで。私はかなり良い感じだと思ったんだけどなぁ。また中華街行ったら探して買って来なきゃと思うくらいには。