食欲魔人日記 04年12月 第3週
12月13日 月曜日
厚切りパンでカヤトースト
アイスコーヒー 練乳入り

シンガポールで買ってきたカヤジャム(ココナッツを使った、卵入りの甘いジャム)が何瓶もあって、さっそくこれで「おうちでカヤトースト」を堪能しようと、起きるなり考える。んが、昨日、昼と夜とビールを飲んでいただんなは
「んー……もうちょっと、さっぱりした、フツーのトーストがいい……」
だそうで。ちぇー、これ、美味しいんだよ、絶対美味しいんだよ……と呟きながら、今日は私一人でカヤトースト。こんがりこんがりじっくり火を通した食パンにカヤジャムをこてこてと塗り、上に薄く削ったバターをぴらぴらとトッピング。適度に塩気のあるバターがこのジャムに妙によく似合う。カリッサクッと焼けたトーストもまた、このジャムによく似合う。

一見、マロンペーストのようにも見える黄色いもったりとしたジャム、今日はカヤトーストの名物店 「Ya Kun Kaya Toast」のものを使ったのだけれど、ラッフルズホテルで買ってきたものとどう味が違うのかもちょっと楽しみ。

母が買ってきてくれたミニカツ丼
リンゴ
麦茶

今日は一日お仕事お仕事。旅行中、バタバタと仕事の依頼の連絡が入っていて、ある人には
「いやー、連絡つかないから(←メールの返事が2日ほど遅れただけなんだけど)、またアメリカにでも行っちゃったのかと思ってました」
なんて言われてしまった。すみません……。

で、朝から端末向かってペケペケと。ああもうすぐクリスマスなんだなぁ、でも今年はケーキとか全然予約してないや……とぼんやりしてしまいつつ、でもほんと、今年のケーキはどうしましょう。バイトさん雇って流れ作業で作るようなクリスマスケーキ、そういうタイミングで"憧れの有名店"みたいなところで買うのも何だかあほらしいわとも思ってしまうし、でも不二家もちょっと飽きてきたし。……あ、マキシム・ド・パリのナポレオンパイがいいなー。いいなー、それ、いいなーすごくいいなー(←激しく私信)。

だんなに電波を送ってみたところで、買い物に出かけていた母がお昼御飯買って帰ってきてくれた。
「ここ数日食べ続けだったしね、こんなのでいいでしょ」
とテーブルに出したのは、小さいサイズながら「カツ丼」。お母様、ここ数日の食べ続けへの対処がカツ丼というのは一体どういうことなのでしょう。60を過ぎて、この母も「カツ丼は別腹」の人なのかしらと思ってしまいつつ、「カツ丼は別腹」のわたくしはありがたーくミニカツ丼をいただいた。ちょっとパサパサした肉が使われたカツ丼だったけれど、この醤油と味醂のこってりしたような味がさりげなく懐かしく思えてしまって、満足満足。

母と一緒に豚味噌鍋
ビール

「不二家」のレアチーズケーキ
フルーツ(ライチ・マンゴスチン)
紅茶

先週休んでしまったので、その振り替えにと、息子は本日スポーツジム。いつものスケジュールだと明後日もジムに行くことになっていて、旅行のしわ寄せをくらっている息子だった。今日は跳び箱と平均台をやったそうで。

だんなは仕事が忙しいとのことで、母と息子と3人で食べた夕飯は、母にとっては初めての「豚味噌鍋」。
「味噌なの?」
「うん、味噌味だけどー、酒粕や練り胡麻がいっぱい入ってるよ。あんまり味噌味噌してない」
「ふーん……まぁー、そんなにお肉入れるの?」
「……え?いつもはもっと用意するよ?」
「ふーん……」

母が秋田で同居している叔母は、「肉は敵、油も敵」てな感じの人なのだとか。
「……豚バラ肉なんて、絶対ダメですか……」
「……そうねぇ、"今日はすきやきだよ"って準備してきたの、牛肉じゃなくて冷凍の豚コマだったのよねぇ……しかもたったの、2人で200gくらいで。ショックだったわぁ……」
基本的に"肉喰い"の母は、秋田で少なからずストレスを抱えて暮らしているらしい。だからこそ、こっちで腹一杯「肉」を喰わせてやろうと、豚肉いーっぱい買ってきたら、「多すぎる」と却下された。しょぼん。

こっくり濃いめに練り味噌をお湯に溶き、今日は白菜と大根と長ねぎを加える。火の通りにくそうなものから加えて、15分ほど煮込んでから白菜の葉の部分と肉を加えて蓋して数分。味噌スープごと具を器によそって、刻んだ万能葱をこれでもかと散らし、七味をパッパとふって食べる。肉は、"もも"みたいな脂少なめのところよりも圧倒的にバラとか肩ロースが美味しい。

「どですか?美味しいですか?」
「うん、美味しいけど、やっぱり肉が多いわよ」
用意した肉は、実は1kgあって(←だんなが帰ってくるのを見越して大人3人分と思ったんだけど、だんな、帰ってこられなくなっちゃって……)、テーブルに出したのはその半分くらいにしたのだけれど、それでもすこーし多かった。息子ももりもりと
「おにくー、おにくー、はくさいー」
とテーブルにスープをだらだら落としてしまいながらも果敢に鍋から自分の皿に具をよそって食べていた。グダグダになっちゃったから、ほんとは嫌いなはずの長ねぎまで自らよそって食べている。いいぞいいぞ。

んで、だんなが帰ってくるのを待ってから、食後に熱帯の果物。"某所"で買ってきたライチとマンゴスチンを皿に盛りつけようとしていたら、
「今、不二家の前だけどー。ケーキ買ってったら、食べる?」
という嬉しい電話をいただいた。夜の9時過ぎに、だんなが買ってきてくれたレアチーズケーキ(昼間の電波が変な風に受信されてしまったのだろうか……←クリスマスケーキは不二家は避けよう、とか思っていた)をつつきつつ、ちょっと甘さの少ないマンゴスチンとライチを囓る。おいし。

12月14日 火曜日
夕飯はラーメン!ボリュームたっぷりー
バタートースト
ミルクティー

だんな、5時半起きで朝ジムに向かうべくがさがさと準備している。私のために目覚まし時計をピピッと音たててセットしている音で目が覚め、
「起きる、起きるよ私ー、起きるよー」
と、起床。起きて、ドラクエをぺけぺけやりはじめた。ぱぱっとクリアしちゃった1周目に続き、2周目を着実に進行中。モンスターどかどか倒して、アイテムしっかり集めて宝箱回収しまくって緻密にがんばるのよー……。

朝食は、息子を幼稚園に送りだしてから母と食べた。「アンデルセン」の厚切りパンをトーストにしてうすくバターを塗り、お供にミルクティー。煮出し紅茶は美味しいけれど胃にもどっしり溜まるので、今日は濃いめに淹れた紅茶にその1/3量ほどの牛乳をだばだばだ〜と加えていただく。母、もう日に10回くらいは
「あぁ、いいわね。こういうの、いいわねー。あっちにはないのよねー」
と呟いていて、「だったらこっちで暮らせばいいのにー」とも思うし口にしてもいるのだけれど、そうもいかないようで。

紅茶の葉っぱやスコーンや焼き菓子はともかくとして、食パンなんて、宅急便で送るのアリかしら?(つぶれそう……)

駅ビルの総菜屋さんの焼きそば
麦茶
りんご

先日、私の旅行中に自治会の餅つき大会があったらしく、数日前からテーブルの上に丸い餅が置かれている。そろそろ食べないとカピカピになってしまうしと、
「今日のお昼はあべかわ餅にしましょう」
と言っていたのに、午前中にふらりと出かけた母は総菜屋さんの焼きそばを買って帰ってきた。
「えー?餅はどうするの?焼いたら食べる?」
「いらなーい。あんたの分も焼きそばあるから、これ食べなさいよ」
マ……ママン……。

血縁者で、しかも私を育ててくれた母だからして、当然お互いの好みや性格はある程度知り尽くしているのだけれど、それでもやっぱり相容れないところは山ほどある。今日は、昨日誤って母が割ってしまったガラス製のピッチャーの代わりだといって、プラスチック製の、「横にしても置ける」とかいうタイプのバボーンとした大きなサイズのポットを買ってきてくれた。プラスチックは嫌いなのよー、とか、こんなに大きいのはどっちみち冷蔵庫に入れられないからいいのよー、とか言っても、ダメ。
「あら、こっちのが割れなくていいじゃない。それに横にしても冷蔵庫に入るなんて、便利でしょ」
と譲らないのだ(ああ、でも、このへん、お義母さんもそうかも……おかあさんって、こういうものなのかしら……)。

「だーからもう、お餅食べようって言ってたのにー」
と言いつつ、ありがたーく上海焼きそばとあんかけ焼きそばをレンジでチンしていただいた。度々通りかかるけど、ほとんど買ったことのない中華料理系総菜屋さんの焼きそばだ。いつも、「いまいーち美味しそうじゃないのよねぇ……」なんて密かに思っていたのだけれど、焼きそばもやっぱりいまいーち美味しくなかった……。ちゃんと温めたんだけど、あんかけ焼きそば、そのままゲル状になって麺もあんも一体化して容器からガパッと外れてしまう感じ……。

長沼ワンズモール ラーメン劇場 「泰斗」にて
 味噌らあめん 全部乗せ \1,050
 餃子 \350
 中瓶ビール \500

「月曜はジムなの?え?水曜も?じゃあ火曜日に行きましょう、火曜日に」
孫にクリスマスプレゼントを買ってやろうと、数日前から鼻息の荒い私の母。今日は息子が幼稚園から帰ってくるのを待ちかねたように、夕方いそいそとトイザラスに向かったのだった。我が家の最寄りのトイザラスは、バスに乗っていくワンズモール。中にはラーメン劇場なる6店ほどのラーメン店街があったりするので、帰りはそこで夕飯を食べてこようねと。

「おばあちゃーん、これ、欲しいな」
「ええ、どうぞどうぞ」
「これもね、これも買うと、2個つなげて遊べるんだよ」
「いいわよー、どうぞどうぞ」
プラレールの車両を3つ、踏切やストップレールなどの線路パーツをいくつか、そしてポケモンのおもちゃ(実物大モンスターボールとかなんとかマシーンのセット)と「へぇボタン」。大きなビニール袋に入れてもらったおもちゃは、それを担げばそのままサンタクロースのコスプレができそうな勢いだ。……重い(しかもそれを担ぐのは、私……)。

100円ショップを眺め、ペットショップを覗き、ぷらぷらと夕方5時過ぎに「ラーメン劇場」に。平日のこんな時間帯ということもあって、どの店もお客の姿はほとんどなく、ガランガランな状態だった。こんなにガラガラな状態のここに足を踏み入れたのは初めてで、ちょっとびっくり。ここはタイ風ラーメンのお店だよ、こっちは豚骨ラーメン……とあれこれ歩き、
「どの味でもかまわないから、餃子のあるお店に入りましょう」
と母にリクエストされて、店頭メニューを眺めながらぐるりと一周。結果、味噌も塩も醤油もある泰斗という店に入ることにした。豚骨・鶏ガラベースのスープに魚介系も加えた、旭川ラーメンなのだとか。

私は味噌ラーメン、母は塩ラーメン(塩らあめん全部乗せ \950)、息子は醤油味のキッズラーメン(\500)。餃子2皿に中瓶ビール1本。けっこうな量の注文になって、そしてけっこうな量のラーメンが出てきて、全員おののく。

こっくり味噌味じわ辛スープに、ちょっと固めの細め黄色みの強い麺。その麺が見えないほどに、炒めたモヤシや肉がトッピングされ、更にそれを隠すように大量に刻み葱。そして煮卵とメンマとコーンとチャーシューが添えられていた。ひゃー、すごいボリュームだなー……と向かいを見ると、母のどんぶりも同じような感じ。息子のキッズラーメンはいくぶん小ぶりだったけれど、それでもメンマや葱やコーンが豪華にトッピングされていた。

ほのかに甘さもあり、でもじわっと辛く、磯臭さも漂うスープはけっこう好みな味。母の塩ラーメンもこっくりとした味でなかなか美味しかった。ただ、全体的にちょっと塩気が強いかなという感じも。5つ乗って350円の餃子は、それぞれがピターッとくっついてしまっていて、香ばしいというよりも焦げ臭いという感じでいまいちだった。でも、歩いて疲れた後のビールと餃子とラーメンって、その存在だけで脱力してしまいそうになるほど嬉しい存在。炒めたもやしのボリュームに圧倒されながら、それでも自分の分はしっかりと食べた。
「あー、お腹一杯。由紀ちゃん、これ食べて」
とスススとこちらに押されてきた餃子の存在さえなければ、いーい感じの満腹だったのだけれど、数個の餃子が余分に胃に詰まってきて、もうお腹ぽんぽんの状態に……。
ママンが近くにいる限り、私はなんだかいつもちょっと食べ過ぎ状態……(そしてそんなママンは私に痩せろと言う……)。

12月15日 水曜日
豚しゃぶしゃぶになめこを添えて
「アンデルセン」のアップルパイ
ミルクティー
りんご

少々胃がお疲れ気味な自覚があるのだけれど、昨日、母につきあってパン屋さんで菓子パンを買ってきた。お疲れなので、私はアップルパイ1個、だんなにはミートパイを1個。紙袋には更にメロンパンとクリームパンが入っていて、さてどちらが息子のだったかなー?と、朝に悩む。母はまだ寝ているようだし、
「ねーねー、君が選んで買ってきたのって、メロンパンだった?クリームパンだった?」
と、息子本人に聞いてみる。「クリームパンだよ」と即答。息子を信じて、息子の皿にクリームパンを乗せて出した。

アンデルセンのアップルパイ、いや、アップルに限らずパイ類、どれもサクサクでなかなか美味しい。"近所で手軽に買える"パンの中では、やはりここが手頃だなぁと。しっかり温めたアップルパイは中のりんごのフィリングが火傷しそうにアツアツになっていた。うん、いい感じいい感じ〜。

……で、数十分後、
「あらぁ、私のクリームパンがないわぁ〜」
と、母の悲鳴が聞こえてきたのだった。……息子よ、君が選んだパンはメロンパンだったようだ……。

磯辺焼き
だんな特製 豚の角煮(もうン日目)
麦茶

あと数日で秋田に帰る予定であるらしい母、今日は
「上野の展覧会、行ってくるわねー♪」
と出かけていった。目当ては大兵馬俑展フィレンツェ−芸術都市の誕生展なのだとか。一人でぷらぷらするのもよろしかろうと、玄関先で見送った。

早いもので、今日から息子は弁当なしの午前保育。9時に幼稚園に行き11時半に帰宅するという、一体何しに幼稚園に行くのかわからないほどの短時間で帰ってくる。
「おばあちゃんは?」
「お出かけしたよ」
「おとうさんは?」
「いつも通りお仕事だってば」
「ふーん……」

1人少なくなるものとそれだけでも寂しくなるもので、「そっか、おかーさんと、2人か」なんて言われてしまう。数日前の餅つき大会の餅がテーブルの放置されっぱなしだったので、「これ、食べなきゃカビるだろうよ……」と焼いて食べることにした。丸く可愛い餅はテフロンフライパンにころころと乗せ、上下を返しながらじっくり香ばしく火を通す。焼けたら醤油を垂らした皿にとぷんと餅を浸し、大きな海苔でガバッとくるんでできあがり〜。
だんなが作ってくれた角煮、あと数切れだけ半端に残っていたのでこれも温めてちょこちょこつつくことにする。

「うぉっ」
焼きたての餅を前にした息子、何やら叫んでいる。
「これっ!チーズじゃないのにピヨーンって伸びるよー」
驚いている。……餅、別にこれが初めてってわけじゃないのだけれど、この餅は確かに妙に伸びが良かった。市販の切り餅などとは違い、細く長くピヨーンと伸びる。
「……チーズの、せいぶんが、はいってるのかな?おしょうゆつけると、のびるのかな?」
モニョモニョとあれこれ呟きながら、「このおもち、2個しかないのかな?」とも付け加え、えらい勢いで息子は餅2切れを平らげた。シンプルだけど磯辺焼きは旨いよね。

「FLO」の根菜サラダ・きのこのキッシュ
豚しゃぶのなめこおろし和え
だんな特製 豚の角煮(ラスト)
ビール、麦茶
マンゴスチン・ライチ

夕方に帰ってきた母、途中の総菜屋さんでサラダとキッシュを買ってきた。
「はぁー、面白かった。楽しかったわよ。ほら、これ使いなさいよ」
と、華やかなマーブル模様を背景に女性の横向き絵画が印刷された(フィレンツェ展の展示品らしい)クリアファイルをくれた。楽しかったようで何より何より。

夕飯は、こないだの鍋用の豚肉が余っているから、それを適当に生姜焼きにでもしてあとは御飯を炊こうかなー、なんて思っていたのだけれど、思いっきり洋風のキッシュが登場してしまったので、急遽あれこれ考える。洋風の豚薄切り肉料理ってないかなぁとあれこれ考え、でもさっぱりしたのが恋しかったので、結局「豚しゃぶのなめこおろし和え」という、どっから見ても和風っぽいおかずになってしまった。こうなったらこれも出しちゃえと角煮も出したら、テーブルの上はなんともいえないカオスな状態に。

にんにくが大の苦手な母は、ちゃんと買う前に「これってにんにく入ってます?」とお店の人に尋ねることを覚えたようで、今日買ってきた根菜のサラダはほのかにビネガーの効いた優しい味のオイルマリネ。キッシュは卵と生クリームの味がしっかりと漂って、かなり濃厚な味わいだった。

母がそんな洋風のものを揃えている脇で、私は角煮を温め、豚しゃぶの用意。ぴらぴらと湯にくぐらせたしゃぶしゃぶ用の豚肉を器に盛りつけ、たっぷりの大根おろしを添え、母が秋田から持ってきてくれたなめこの缶詰をキコキコと開けて添える。黄色いラベルのなめこの缶詰は、母がしょっちゅう送ってくれる馴染みのもの。だけれど、我が家の近所や東京では全然見かけることがない。ブリッと大粒で粘りが強くて、美味しいなめこだ。皿にどばーどばーっとなめこを盛りつけ、肉と大根を添えてもりもりと食べる。

「でもねー、まったくねぇ、あんたんところは肉食べ過ぎよう」
と、母。秋田じゃ肉喰えなーい魚ばっかー、なんて、こちらに来るなりグチグチ言っていたから、せっせと肉を(しかもパサパサしてない脂身のあるやつを)買ってきているというのに、そんな娘の気遣いをいまいちわかってくれない母だった。ママンが帰ったら、せっせと魚も買って食べるわよーだ。

12月16日 木曜日
お昼はラザーニア
薄切りパンでピザトースト
カフェオレ
アップルマンゴー

昨夜日付が変わってから、職場の忘年会を終えて帰ってきただんなは、すごく御機嫌だった。
「ただいまーただいまーただいまー。あのねぇ、これは、おゆきさんへのクリスマスプレゼントー!」
雪だるまの模様の、大きな包み紙を伊東屋の袋から取り出した。ご丁寧にリボンがかけられ、小さなリースの飾りまでついている。
「はい、これ、ここに置いておこうね」
んしょんしょと、ツリーの下に雪だるま包みをしまうだんな。アメリカで暮らしてからこっち、クリスマスプレゼントはアメリカ人を真似して「プレゼントはツリーの下に積んでおいて、クリスマスになったら皆で一緒に開封する」ということになった。必死になってプレゼントを隠しておく必要もないのでらくちんだし、「わー、なんか、でっかい箱だなぁ」なんて数日前からうきうき眺める楽しみもあるし、このやり方はけっこう気に入っている。

「包み、きれいでしょー。すごいでしょ。自分で選んで、包んだんだよ」
ほー。
「職場の休み時間に包んでいたら、まわりに"お子さんのプレゼントですか?って聞かれたよー」
ほー。
「違うよ、奥ちゃんにだよって答えたら、すごいねすごいねーって」
ほー。
「すてきでしょー」
ほー。

言ってる事がループし始めたので、こりゃダメだととっとと寝ることに。よって、今朝はだんなも私も微量に寝不足で、昨夜さんざん飲んできただろうだんなは軽めの朝御飯の方が嬉しいかなー……と思ったのだけれど、
「薄切りのイギリスパンがあるんだよねー……イギリスパンだからホットサンドはできないし。……ピザトースト?」
「うん、ぴざとーすと」
即答された。飲みに飲んだ翌朝にピザトーストが食べられるとは、だんなもまだまだ若いらしい(私はちょっと……無理かも)。

サンドイッチ用の薄切りパンなので、トーストするとクラッカーのようにカリカリサクサクになる。薄くピザ用チーズ塗って、玉ねぎとピーマンを散らし、ベーコンがないので代わりにスライスしたウィンナーを散らして、最後にチーズをこんもりかけてオーブンに。厚切りパンを使うと、焼き上がるまでに15分以上かかってしまうのだけれど、今日はものの5分ほどで美味しいピザトーストができあがった。厚ぼったい、モチモチした食感のパンを使ったピザトーストも最高に美味しいけれど、薄切りパンのそれも悪くない。

稲毛 「トラットリア ヴィーノ」にて
 ピッツァ(ビスマルク)
 ピッツァ(プロシュート)
 ラザーニア
 パンナコッタ
 一口ビール・アイスティー

予定では、母は今日昔馴染みの友人の家に遊びに行くことにしていたらしいのだけれど、どうも風邪気味だということで一日家でおとなしくしていることに。でも、「おとなしくすることにするわー」と言ったその数十分後には
「あ、こっち、マツキヨとかあったわね。向こうにはないから、安い薬とかまとめ買いしてくるわー」
とマツキヨに消え、
「そうそう、秋田の人にお土産も買っておかなくちゃ」
と千葉駅前のデパートにも出かけてしまった。具合悪いんじゃなかったんかい。

で、
「お昼、駅の近くの、あのスパゲティとピザのお店に行かなーい?まだこっち来てからピザ食べてなかったわ」
とお誘いいただいた。母は出かけてしまうものだと思っていたから、今日のお昼はサンドイッチ用のパンの消費も兼ねてサンドイッチを作ろうと思っていたのだけれど、母の誘いを優先することに。

息子を幼稚園に迎えに行き、その事を伝えながら帰宅。
「お昼御飯、サンドイッチにしようかって言ってたじゃない?でもね、おばあちゃんが"一緒にスパゲティ食べに行きましょう〜"って言うから、お出かけすることにしたよ。いい?」
「うん、いいよー。じゃあ、マンゴージュースは?」
「マンゴージュースも、明日にしようね」
朝御飯に切ったアップルマンゴー。すんごく濃厚な香りですんごく甘く、でもちょっとだけ繊維質多め。種の周りに残った果肉がもったいないので、手でぎゅうぎゅう絞って果肉とジュースを絞り出し、色止めにほんの少しのレモン汁を加えて残してある。それを牛乳で割ったら旨いかなー、と思っていたのだった。まぁ、サンドイッチもマンゴージュースも明日でいいや。

母の言うそのお店は、最寄り駅の駅前近くにある「トラットリア・ヴィーノ」というお店。店名通り、イタリアンのちょっと気軽めなレストランで、ワインの品揃えにも自信があるみたい。夜には一品料理も豊富でいかにもトラットリアという感じだけれど、昼はスパゲティとピザが中心になる。私はそこのパンナコッタが美味しくてお気に入りだった。以前母を連れて行ったら、すんごく喜ばれて、覚えていたらしい。

「ぼく、ぼくねー、ピッツァ食べるよー」
「私もね、ピッザにするわ」
「おばあちゃん、ちがう。ピッツァ、だよ」
「ピッザ」
「ちがう」

目の前で漫才してい母と息子は置いておいて、全員が美味しく食べられそうなピザを2枚選択。チーズと生ハムがトッピングされた「プロシュート」と、サラミと生卵がトッピングされた「ビスマルク」を1枚ずつにした。それじゃ私はパスタにしよう……と、この店では初めて食べる「ラザーニア」を。板状のパスタを重ね、その間にミートソースを挟んでオーブン焼きにし、上からはクリームソースをかけるという、なかなかボリュームのあるパスタ料理「ラザーニア」(ラザニアとかラザーニェとも言うけれど、このお店ではラザーニアだった)、好きな料理だけれど、パスタ料理全般の中では「すごく好き」というほどではない料理だった。ちょっと違った目でラザーニアを見るようになったのは、浦沢直樹さんの漫画『MASTERキートン』で、"ラザーニェ"が嫌いだという女の子の、ちょっと素敵な話を読んでから。浦沢直樹といえば今は『20世紀少年』なのだろうけど(あ、あと『PLUTO』とか?)、一番好きな彼の漫画は『MASTERキートン』かもしれない。

これまで何度か食べたラザーニアは、グラタン皿に押し込まれるように入っている感じのものが多かったので、白い大皿に美しくミルフィーユのように置かれた今日のラザーニアはとても新鮮だった。挽き肉たっぷり、でも優しい味のミートソースと、適度にこってりと絡むホワイトソースのバランスもちょうどいい。
で、このラザーニアとピザ2枚を適当に皆でわけあってもぐもぐと。このお店のピザ、薄くパリッと焼けていてどれも美味しい。

食後、本当は"ミニデザート"がついてくるセットにしていたのだけれど、ショーケースの中のデザートあれこれが美味しそうで、
「あのー、追加料金になってもいいので、ミニデザートをあっちの、巨大デザートに替えられませんか?」
とお願いして、1人1個のでかサイズデザート。私はお気に入りのパンナコッタ、母はモンブラン、息子は小さなサイズのブッシュドノエル。生クリームを主な材料とするパンナコッタは、レシピを見るとそう難しい材料でも作り方でもないのだけれど、なかなか家で作る気にならないデザートのひとつ(生クリームをどれだけ買ってくれば良いのかと思うだけでも、なんだかおそろしく……)。どこで食べてもあんまり外れのない味のデザートではあるのだけれど、このお店のプルプル感とかもちもち感や甘さの加減がすごく好みだったりする。上にはカラメルの飴の飾りと苺とホイップクリーム、ミントの葉とほんの少しのカラメルソースがトッピング。今日のパンナコッタもいつも通り美味しかった。

和風ロコモコ
コーンスープ(インスタント)
ミックスサラダ
ビール(モルツ)

「松蔵」のスィートポテト
中国茶(黄金桂)

母は明日、帰るのだそうだ。口を開けばあちらの暮らしでの愚痴が出てくるので、「だったらこっちにいればいいのにー」と思うのだけれど、なかなかそうもいかないようで、段ボールに"戦利品"をせっせと詰めて発送の準備をしはじめた。
「ハンバーグなんて、あっちじゃ食べないわねー。ほら、おばちゃんが肉嫌いだから」
なんて言ってたので、今日の夕飯はハンバーグ。ちょっとひねって"ロコモコ"にしちゃうことにした。ドミグラスソース系は確か苦手だったから、おろし玉ねぎをベースにした"和風ロコモコ"なるもの(ケンタロウさんのハワイ料理のレシピ本で見たのよ、確か)にすることに。

肉は、合い挽き。おろし玉ねぎと塩胡椒とナツメグ、少しのチリパウダーを加え、にっちゃねっちゃにっちゃとせっせとこねたらスキレットでこんがりと。ハンバーグの形が分厚くても丸くてもちゃんと焼けるので、形はあんまり気にしない。これもケンタロウさんの本に載っていたのだけれど、「ハンバーグを焼くときは、水を入れて蒸し焼きにすると絶対大丈夫」というのを見てから、自信を持って焼けるようになった。餃子を焼くときみたいな要領で、片面焼いて焦げ目をつけたらひっくり返し、そこにもちょっと焦げ目がついたかなくらいのタイミングでハンバーグの高さ1/3ほどのところまで水をジャーッと注いで蓋して強火にかける。水分飛んだ頃には中までしっかりふんわりと火が通り、しかも恐れていたほどハンバーグの表面がベシャついたりということもない。スキレットの蓋はかなり密閉度が高いから(やたらと重い蓋なので、圧力鍋状態になってしまって、あんまり水分が飛ばない)、水分は「ハンバーグの高さ1/3」くらいにしているけれど、本には1/2とあったような気も。

そして、「孫が好きだっていうからー」と母と息子が2人で買い物に行って買ってきた、パック入りのコーンスープを鍋に入れて温め、母の好きなミックス野菜のサラダも用意。私がよく食卓に出すようになってから母のお気に入りになったルッコラが多めに入ったミックスリーフのサラダに、母のお気に入りのピエトロのドレッシング。ハンバーグが焼けたら御飯の上にそれをドカンと乗せ、半熟に茹でたゆで卵も乗せ、最後に、ハンバーグを焼いたスキレットにおろし玉ねぎ(2人で1個分)と醤油と味醂とバターを落として軽く煮詰めたソースをハンバーグの上からダバダバダ〜とかける。
「あらぁ、まぁ、おっきいハンバーグねぇ」
と母は圧倒されていたけど(でも、4人分のハンバーグで700gしか買ってないよ……)、嬉しそうに食べていたので、まぁ、目論見はおおむね成功かな、と。

デザートに、「松蔵」のスィートポテトを2口3口。「まったくあんたたちは良く食べて、もう」という母その人が、なぜか甘いものを切らさずにせっせと買ってくるので、私はここ数日常に腹一杯状態よ、ママン。でもスィートポテトは美味しかったわ、ママン……。

12月17日 金曜日
マッケンチーズを作ろうと思ったんだけどね……
ミニメロンパン
アイスカフェオレ
マンゴー

昨日、母が外出ついでに買ってきてくれたミニミニサイズの可愛いメロンパン。
「メロンの味がするメロンパンなんですってよ。いいと思わない?」
こういうところ、血が繋がっているのに私と母の好みは何かと食い違う(私とだんなは2人して「メロンの味のするメロンパンは邪道だ!」と思っている)。でも、自分じゃ買わないだろうこういうものを食べられるのは、それはそれで嬉しいことで、小さな袋に8個もぎゅうぎゅうに詰まっていたそのパンを1人2個、ありがたく朝食にいただいた。大福餅より小さいくらいの大きさなので、それ2個じゃ物足りないかと薄切りパンも焼いてみる。シンガポールで買ってきた"カヤジャム"を薄く塗り、1枚のパンを適当に等分して皆で食べた。

皮(?)の部分、ビスケットみたいにサクサクした部分のところが確かにメロン味になっているメロンパンだ。
「うわー、なんか、基本はカスタードクリームみたいな味なのにメロンの味と匂いがするよー」
という風で、確かにそれは悪くはなかったのだけれど、「邪道」かなーとも、やっぱり思う。

早いもので、今日で母は秋田に帰ってしまうのだそうで、朝から母はせっせと荷造りして家中に掃除機をかけて動き回り、私は私で慌てて旅行の時のデジタルカメラの画像をブラウザで見られるアルバム形式に加工してCD-ROMに焼きつけたりして。ついでに、同メーカー同士のメールしか送受信できなかった母の携帯電話をE-Mail対応に設定変更してあげて、息子とメールのやりとりもできるように。更に、
「ねぇ、この家で見せてもらった、あの、日記?秋田からでも見られるかなぁ……図書館にね、そういう端末があるにはあるんだけど」
と息子のWeb日記を指して言っているので、アドレスをメモして……って、もしかして携帯電話でもこの手のブログって見られるんじゃ?と携帯からアクセスしてみたら、はてなダイアリーはちゃんと携帯電話で表示されることがわかって、それは一件落着。

でもママン、この私の日記は「見たい」なんて一度も言ったことがないのに(書いてることは知ってるし、旅行中に書いたりしているときには後ろから時々覗いて見ていたりする)、孫の日記は見たいのね……。
ブログのコメントの書き方も一応覚えたみたいだし、そのうち息子の日記に「おばあちゃんです」なんて書き込みが登場したりするのかしら……こわいわ……。

コンビニの
 たらこおにぎり
 卵とツナのサンドイッチ
麦茶

「じゃあ、昼過ぎの新幹線だから」
と、母は11時過ぎに東京駅に向かって出発していった。「命の洗濯したわー」とか言いながら、やっぱり一度も振り返らないでつったかつったか改札に繋がるアーケード街を消えていった。
「イタリア行くことがあったら、ぜーったいぜーったい教えてね。ついてくからね」
って言ってたけど……にんにく嫌いの母がイタリア行きって、それはドラキュラがにんにく風呂に漬かるような拷問に匹敵するんじゃないかと思うんですが、ママン。行くだけ行ってパンとコーヒーしか食べない気かなぁ……。

母の見送りの後は急いで幼稚園に息子のお迎え。「もう!?」という感じなのだけれど、もう息子の幼稚園は終業式で、明日から20日を超える長い長い冬休み。11時半にクラスの部屋に集合して、それから園長先生からの放送でのお話だとか、クラスの先生のお話だとか、その他諸々やっているうちに、解散は12時を軽く回ってしまった。家でサンドイッチでも作って食べようと思っていたのだけれど、終わる頃には私も息子もぺこぺこきゅー。

「あーもー、コンビニで何か買って帰っちゃおうか?家帰って準備するとまた遅くなるし」
「うん!コンビニでねー、何かおうか、いっしょに考えよっかー」
息子と2人、コンビニに寄ったら、同じことを考えていたらしい同級生のお母さんと子供たちでコンビニが溢れていた。
「おにぎり、たべてもいーい?」
「うん、おにぎりいいねぇ。私、生たらこにしよ」
「ぼくねぇ、いくら!あとね、サンドイッチもー!」
「あー、ツナと卵のサンドイッチ?……おにぎりとサンドイッチっていう組み合わせもどうかと思うけど、まぁ、いっか」
ある意味コンビニでの正しいお買い物といった風に、息子はいくらおにぎりと卵とツナのサンド、私は生たらこおにぎりと卵とツナのサンド。帰ってきてから2人でこたつで食べた。

「おばあちゃん、いなくなっちゃったのね」
「うん、秋田に帰っちゃったよ」
「雪がふったらー、あそびに行くって、言ったんだよ」
「そうねー、おばあちゃん家のそばに小さな山があってね、そり遊びできるんだよ。……でも、今年はあったかいから全然まだ駄目だって」
年末年始に毎年訪れていた、母の実家である秋田の角館。私が子供の頃は、何度か"1階が全部埋まる"くらいの大雪も何度かあったけれど、ここ15年くらいはもう全然そんな事はなくなってしまった。積もってるなぁと思う時でもせいぜい1mくらいの積雪で、最近はもっと少なくなったのだとか。

そのうち行ければ良いなと思うのだけれど、
「来月に秋田行こうと思うんだけどー」
なんて言ったら、また
「あら、だったら海外行きましょうよ、秋田に今きてもなーんにもないわよ」
とか、また言われちゃう気がするのよね。

生たらこおにぎりは、生のほぐしたらこがたっぷり。なんてことない味の卵とツナのサンドイッチも平らげ、息子は午後、ずーっと外で友達と遊びまくっていた。
「これが、ぼくのおうちのクリスマスのおかざりだよぅ!」
「じゃあ、次は○○ちゃんちにレッツゴー!」
なんて声が外から聞こえてきて、どうやら「各家庭玄関先のクリスマス飾り巡りツアー」でもやっていた模様。

マッケンチーズもどきのチーズパスタ
鶏のオーブン焼き
レタスのサラダ(昨日の残り)
アイスティー

今日は久しぶりに静か静かな私と息子2人だけの夕御飯。だんなは仕事で遅くなるらしい。
「んじゃ、ひっさしぶりにマッケンチーズ作ってあげようか?」
「やったー!」
息子の愛してやまない、"マカロニのチーズソース和え"を久しぶりに作る約束をした。マカロニなんて、しょっちゅう500gや1kgの袋を買ってきてるし、チェダーチーズもでっかいかたまりがまだ冷蔵庫に……と思っていたのだけれど、気がつけばマカロニの買い置きが全くなくなってるし、チェダーチーズも今回やっと使えるかどうかの分量しか残っていない。ああそうだ、前回にもマカロニなくて、少しずつ半端に残っていたマカロニをミックスして使っちゃったんだっけ……と思い出したのは、もうお湯も沸いて「あとはパスタを茹でるだけ」の状態になってしまってから。

ああごめん息子、マカロニないしチーズもちょっと足りないから、今日は別のトマトのスパゲッティとかはどうだろう……と息子を探すと、息子は食卓の椅子に座ってこちらを見ながら頬杖をつき、丘の上の王子様を見るキャンディキャンディのような目つきでこちらを眺めているのだった。ここで「マッケンチーズ、やめー」とか言ったら、私の立場はイライザかそれ以下だ。こりゃ裏切れないなぁ……と、
「あのね……マカロニ、全部使っちゃって、もう少しもなかったの。だからー、チーズのクリームにするけど、マカロニじゃなくてスパゲティにしてもいいですか?」
と丁重にお伺いを立ててみた。「うん、いいよー」と、キャンディキャンディの快諾を得られたので、今日はチーズパスタ。

バターで小麦粉炒めて、牛乳を200ccほどダバダバ加えてまずは、ちょっとゆるめのホワイトソース作り。そこにチェダーチーズを皮むき器で薄く削りながらそのソースに加えていき、チェダーが今ひとつ少なかった分はピザ用チーズをちょっと加えてカバーして、あとは塩胡椒で味を調整。こういうソースにはやっぱりショートパスタが似合うのよねと思いつつ、太めのロングパスタで和えてみた。オーブンで焼いた、塩胡椒しただけの鶏肉を添え、昨夜のサラダの残りもテーブルに出して、ちゃちゃっと簡単な夕御飯。こってり濃厚なチーズベースのクリームはスパゲティにもそこそこ似合っていたけれど、やっぱりマカロニの方が美味しかったかな。

「じゃあ!おばあちゃんもいないことだし、誰も怒る人がいないので私はドラクエを!」
母の前でもちょこちょことやっていたのだけれど、本腰入れて長時間触ったりはしていなかったドラクエを、夕食後に再び本格的にやり始める私。この日記を書くのも翌日に持ち越しよ……。

12月18日 土曜日
初めて行ったインド料理屋さんにて
薄切りパンのトースト
アイスカフェオレ
ライチ・マンゴスチン

朝6時。静か〜に起き出してドラクエぴこぴこやっていた。母が帰ってから、タガが外れたようにゲームしてるなー、私。せめて昼間は電源を切ることにしよう(でも、そうするとだんなが買ったばかりのMETAL GEAR SOLID 3をやるんだなー……)。

「俺は今日、ヨドバシカメラでLANケーブルとか買ってこようと思います。おゆきさんは家でドラクエしてますか?」
「んー……んー、どうしよう……(ここで真剣に悩んでるし) 。……いや、一緒に行くよ」
そんな会話の後、「じゃあお昼は千葉駅近辺で食べることにしようか」と、朝は軽めにサンドイッチ用にスライスされた薄切り食パンをトーストにして、アイスカフェオレと共に。デザートにトロピカルフルーツ、ライチとマンゴスチン。ライチもマンゴスチンも、花のような独特の芳香があって爽やかな甘さがあり、どちらも私の大好きなフルーツだ。マンゴスチンはここ数年になってから、ライチもその何年か前に日本に生のものが輸入されるようになった。

マンゴスチンは、ナイフで高さ半分のところにぐるーりと刃を入れてコキリとひねると綺麗に外皮が取れるけど(そういう切り方はお客さんに出す用)、そんなことしなくても、ヘタの部分を上からぎゅうと押せば、外皮に縦に亀裂が入る。そこに指入れてメキメキ外皮を剥がせば、中からは缶詰のミカンを真っ白にしたような形状の実がぐるりと8粒くらい出てくるのだ。食べられる部分に対して、種のサイズもけっこう大きいけれど、あの甘さとか高貴な香りは他のフルーツじゃなかなか味わえないんだな。マンゴスチン、大好き〜。

千葉 「Vicky」にて
 インド料理食べ放題 900円
 シークカバブ 200円
 マンゴーラッシー (無料)

「千葉って言ったら、いっつも銚子丸じゃん。別に、どっかいいとこないかなぁ……」
だんなは、昨日私がもらってきた千葉エリア版のHot Pepper(レストランのクーポンブック)をぺらぺらとめくり、
「よっしゃ、この店はどうだ!」
と、千葉パルコ近くのインド料理屋さんに目星をつけた。900円でカレーとナンとライスとサラダとデザートが食べ放題なのだとか。ドリンク無料のクーポンがついていて、そして小学生未満の子供は無料らしい。
「そりゃ、けっこうお得かもね」
「息子タダだしね」
「ジュースついてくるしね」
と、お出かけ。

飲食店やら美容院やらが入っている、古くさいビルの3階にあるこのお店、いかにも「元は居酒屋でした」という風に、掘り炬燵のある座敷席なんかがあったりする。そこにエスニックな布をテーブルクロスにしたりしてなんとなくインド料理屋さんのようにしてはいるのだけれど、でもやっぱり内装はいかにもな居酒屋のよう。入り口近くの小さな台の上に3種類のカレーと、炊飯器の中にたっぷりのサフランライス……じゃなくて、「イエローライス」と書かれている御飯(サフランじゃなくて、ターメリックで色つけてるのかな……)、千切りキャベツがメインのサラダと、缶詰のフルーツをヨーグルトと混ぜたデザートが。カレーは、マイルドな野菜カレーと、中辛の挽き肉カレー、そして「辛いです!」と札のついたチキンカレーの3つがあった。

サービスの飲み物もたっぷりとした分量で、しかも子供の分もちゃんとくれた。息子と私はマンゴーラッシー、だんなはプレーンのラッシー。食べ放題には、カレー以外の肉っ気はなかったので、1本200円のシシカバブを別注文してみた。

カレーは、「辛さはしっかりあるけれど、でもスパイシーさにはちと欠ける」という印象があったのだけれど、でも辛口のチキンカレーがなかなか美味しい。辛さの中にもほのかな甘さがあり、旨味もたっぷり。
何より嬉しいのが、お客が入ってから焼いてくれるナンで、カレーを皿に盛りつけて席についたところで焼きたてほわほわのがまず2枚。
「いつでもお代わり言ってくださいねぇ」
と言われ、その後にまた1枚貰ってもぐもぐと食べた。インド料理の食べ放題で何が悲しいって、ナンが作り置きのベシャッとしたものが悲しいのだけれど、このサービスはありがたい。手作りのもちもちふわふわとしたナンは、変哲のないものではあったのだけれど、でも焼きたてのがすぐやってくるのがとにかく嬉しかった。息子も調子に乗ってナンを食べすぎ、最初に取ってきたイエローライスに「……こんなにいらなかった……」という顔をしている。

全体的に「インド料理屋さんとして、味は……普通?」という感じもあったのだけれど、でもなんだかとっても得した気分。
「チキンカレー、うまー」
「焼きたてナン、うまうまー」
と言いながら店を出て、「ややや、サンマルクカフェ発見!」とチョコクロワッサンを購入して、その後2時間近くお買い物ぷらぷら。今日の何よりの収穫物は、「うわ、何年ぶりの新刊だよ!」なガラスの仮面42巻。果たしてこの漫画は完結するのでしょうか。どきどきどき。

稲毛 「牛角」にて
 やみつき塩キャベツ \290
 温玉キムチ \190
 にんにくホイル焼き \390
 ねぎタン塩 \630
 タン塩 \590
 ハラミ塩 \490
 ねぎ味噌カルビ (無料)
 牛ハツ焼き \390
 黒豚の生姜焼き (無料)
 にんにくさがり \550
 デジカルビ \490
 冷麺(ハーフサイズ) \390
 牛角クッパ \630
 お子様クッパセット \530
 温玉キムチ \190
 白玉きなこアイス \180
 ミニクリスマスケーキ (無料)
 デカレンジャーアイス \180
 コカコーラ \290
 生ビール 3×\490
 シークワーサーサワー 2×\390
 焼酎(伝蔵ロック) \490
を、家族3人で。いっぱい食べたなぁ……。

だんなから「牛角行かない?」とお誘いを受け、夜は"12月分"の牛角にあれこれ割引券持ってお出かけ。月に2度まで1回1000円引きになるカードがあり、"連続○ヶ月来店"に応じて記念品がもらえるスタンプ帳があり、あとはファックス会員限定の1品サービス券があり……と、色々。とうとう今月で連続12ヶ月来店が達成されちゃったということで(そんなに来ていたのね……)、特典のロゴ入りベンチコートを貰ってしまった。ボリュームたっぷり、裏地に起毛の布がもこもことついている、ごっついコート。背中にはでっかく「牛角」。……カッコイー……。

で、今日もせっせと肉を食べた。コリプリッとしたハツを食べ、こってり味噌味の"ねぎ味噌カルビ"を食べ、おろしにんにくがごってりまぶされている"にんにくさがり"を食べ。牛タンで温玉キムチを巻いてレモンふって食べると美味しいわー、とか、にんにくさがりとにんにくホイル焼きを続けて食べるとこれまた旨いわーとか、今日もあれこれイロモノ焼き肉を堪能してしまった。この店、ジャンクな味の怪しいメニューも数多いんだけれど、それが妙に試したくなるものが多かったりして、毎回微妙に面白そうなものを注文してしまう。"黒豚の生姜焼き"は、まんま生姜焼きの味kそのもので、それを炭火で焼いて食べるというのもまた面白かったりして。

デザートには、無料サービスでいただいた、ミニクリスマスケーキ。チョコとプレーン2色のロールケーキが重ねられ、上にホイップクリームと共にフローズンフルーツ(ラズベリーとブルーベリーと、あと確かバナナ)がトッピング。ココアの粉がパラパラと散らされていて、思ったよりも豪華なケーキがやってきたのだった。
もうクリスマスも間近なんだねぇ……。

12月19日 日曜日
だんなが焼いた餃子は、いつもこ〜んがり
「サンマルクカフェ」の  チョコクロ
 やみつきドッグ
アイスカフェオレ

昨日、外出して昼食を摂ったとき、近くにあったサンマルクカフェでチョコクロ(チョコクロワッサン)を買ってきた。

「……8個?」
「8個!?……そんなにいらないよ……せいぜい6個くらい?」
「そっか……」
とか言いながら店に入ったのだけれど、
「お客様、申し訳ございません。ただいまご用意できるのは4個なんです……」
と言われてしまった。オーブンの中では、ちょうどクロワッサンが焼かれつつあったところのようで、店頭に並んでいるのは4個だけ。とりあえず4個全部いただいて、他にソーセージ入りのクロワッサンとか、"やみつきドッグ"なる長〜いパンを買ってきた。今日の朝御飯は、それ。

この店のチョコクロはけっこう有名らしいけれど、確かになかなか美味しい。チョコがしっかりバボーンと入っているのが嬉しくて、しかも変に甘ったるさの強いチョコじゃないのがまた嬉しい。私の選んだ"やみつきドッグ"はフランスパン風の生地で長い長いソーセージをくるんだもので、白胡椒のピリ辛さが効いていて、これまた素敵に美味しかった。

朝食後、だんなはスポーツジムに。私もこの週末は行く気満々だったのだけれど諸事情あって行けなくなってしまい、しょぼーんとだんなをお見送り。ジムに行って2時間後、「このままパンプにも出てきまーす」という不穏なメールが届いた。けっこうきつめなプログラムを2つ連チャンで出てくるつもりらしい。……きっと帰る頃にはヨレヨレになっているのだろうなぁ。ああ、私もそろそろヨレヨレになるまで運動したいぞー……(最近ジムにすっかりご無沙汰だぞー……)。

「ケンタッキーフライドチキン」の
 フライドチキン2ピース
 カーネルクリスピー1コ
 コーンサラダ
コカコーラC2

案の定ヨレヨレになったらしいだんなから、
「昼御飯、何か買って帰ろうかー?ケンタとか、炙りチャーシュー丼とか」
と連絡がきた。ああ、吉野家の新メニューか、それもいいけど……久しぶりにケンタが恋しいなぁ……と答えると、
「やっぱり?やっぱりケンタ、なんか食べたいよねぇ?」
と、嬉しそうな声が返ってきた。だんなもどうやらケンタッキーフライドチキンが恋しくなっていた模様。私は昨日、サンタになったカーネルサンダースが千葉のショップの店頭に立っているのを見て、「ああ、カーネルおじさん、そういや久しく見てなかったなぁ」と恋しくなってしまったのだった。髭のおっさんが「私を食べて♪」と言っていた。いや、おっさんを食べるわけじゃないんだけど。

内容はお任せするよと言って電話を切ったら、十数分後にチキンを抱えただんなが帰ってきた。普通のチキンが2ピースずつに、私は更にカーネルクリスピー1個、だんなは魚のフライ1個。お供に「コカコーラC2」。これまでのダイエットコークは、普通のコークとはっきり違うとわかるほどに甘さの感じが違っていて、それがどうにも苦手だったのだけれど、C2は味の違いがほとんどわからない。コカコーラを好んで頻繁に飲んでいるわけじゃないので、今日がもしかしたらC2初体験だったのかもしれないけれど、ああこれなら美味しいなと思える味だった。フライドチキンみたいなものにはコカコーラがやっぱりよく似合う。

昼過ぎの、ちょっと遅めな時間にあの独特な味の鶏肉をむしゃむしゃと食べる。1回食べると、あと3ヶ月はもう食べなくていいわと思えてしまうのだけれど、時々無性に恋しくなってしまうケンタのチキン。

水餃子(冷凍もの)
焼き餃子(冷凍もの)
羽釜御飯
ビール(モルツ)・麦茶

さて今日の夕飯はどうしましょ……と思っていた今日の午後、ドカッと100個弱の冷凍餃子が今月もやってきた。千趣会の月代わりで色々な店のものが届く餃子の会の、我が家はモニターになっている。1年間、せっせとレポート書く代わりに餃子がドカドカ届くのよー……。

あっというまに我が家の窮屈な冷凍庫は満杯になってしまい、なすすべない状態になってしまったので早速夕飯にいただくことにした。今回は、福岡の「秀蘭」というお店の水餃子と、東京「ひごもんず」の焼き餃子。元々我が家でもそこそこ頻繁に餃子は作って食べていたけれど、でも冷蔵の生地で生肉を包んで焼くのと、成形されて冷凍になった餃子を焼くのとは勝手が違う。毎回試行錯誤しながら、「あちゃー、中がちょっと生だったよ」とか、「今度は焦げすぎちゃった」なんて微量な失敗を繰り返しながら(だんなが)焼いているのだけれど、ここ数ヶ月食べ続けていたら冷凍餃子の"焼き"もすっかり上達してしまった。今日のは見事な焦げ色の、カリパリッとした皮にむっちりとした具に焼き上がっていて、うまうまー。

で、冷凍餃子は案外と水餃子の方が美味しくできる。今回の水餃子は皮がぶりっと分厚くて、皮と具が同じくらいの柔らかさにモチモチネチネチと仕上がった。酢醤油にちょっと端っこを浸して、ツルリと食べると焼き餃子とはまた違ったくにゅくにゅした食感が気持ちいい。数年前までは「水餃子なんて、そんな味気ないものー」とか思う部分もあったのだけれど、ここ最近はすっかり水餃子のファンだ。

「……で、ビールがまた似合うわけですよ」
「ビール止まらんね、ヤバイね」
「もうさー、餃子と一緒に飲むビール!風呂上がりのビール!って最高じゃない。それが今日は両方だから〜」
うふふ、ふへへ、と、食事前に入浴を済ませた私たちはビールがうまいうまい最高だとクッピクッピ飲んでは餃子を(だんなが)焼いて食べた。息子も負けじと
「この、すいぎょうざ、おいしいね、おいしいね」
と自分の皿にがばがばよそって、水餃子を結局半分くらい食べちゃってるし……(そんなに好きか水餃子……)。