食欲魔人日記 01年02月 第2週
2/5 (月)
ほうれん草と牡蠣のグラタン (夕御飯)
Johanの
 チョコレートナッツブレッド
 マイース
インスタントコーンスープ
牛乳

銀座三越内のJohanときたら、開店直後の10時及び昼過ぎの13時に発売されるチョコブレッドを買うのは至難の技だった。少なくとも焼き上がり時間の10分前くらいに並んで整理券を貰わなければ、なかなか買えないシロモノだったのだ。美味しいものは大好きだけど、並ぶのは嫌いな私である。なかなかチョコブレッドにお目にかかる機会はなかった。大好物なのに。

千葉在住歴ン十年のお義母さん曰く、
「あ〜ら、千葉三越だったらいっつも残ってるわよ。」
なのだそうである。の、残ってるんすか。恐るべし千葉。
はたして昨日、千葉三越に行ったところ、焼き上がりから数十分は余裕でたっているであろう筈なのに、チョコブレッドは冷めつつ棚に陳列されているのである。残り1本という非常に危険な状況ではあったものの、めでたくチョコブレッドを1本購入できた。よく見ると、チョコブレッドじゃないらしい。「チョコレートナッツブレッド」と商品札には書いてある。いつものチョコブレッドの表面にナッツがこれでもかこれでもかとまぶされたものなのであった。

買ってきた1本のチョコブレッドをさくさくと切り、あとは「マイース」なる名前のコーンマヨネーズパンをオーブンであっためる。
「チョコレートパンには牛乳だよね」
と冷たい牛乳を入れて、あとはインスタントコーンスープ。やはりJohanのパンは美味しい。

チョコブレッドは、ねちねちもちもちした弾力のあるパン生地に、チョコレートがマーブル状にたっぷり入っているやつだ。甘いけど甘すぎず、食べごたえがあるようで案外と軽い。薄切りにしたやつを牛乳と一緒にもちもち食べるのがなんとも旨い。

御飯
ふりかけ(野菜さまさま)
ごぼうと舞茸の吸い物

本日は自宅で1日お仕事の作業。がんばれPhotoshop、がんばれIllustrator、がんばれ自分。
昨夜の吸い物が鍋に残ってるのを「いいぞいいぞ」と覗きこみ、炊飯器の中に2膳ほどの御飯が残っているのを「いいぞいいぞ」と眺めやり、簡単な昼飯を昼過ぎにかっこむ。

御飯と汁だけじゃつまらんし、かと言っておかずを作るほどじゃない。こういう時にはやはり美味しいふりかけだろう。美味しいふりかけ1つあれば、御飯3膳は楽しめるもんね。
本日取り出したるは「野菜さまさま」。「卵さまさま」「鮭さまさま」などと並ぶ永谷園の新鋭ふりかけだ。さまさま系、最近かなりはまっている。

だがしかし、私の好みはやはり蛋白質系に偏っているらしい。色鮮やかで野菜のフレークがたっぷり入ってるのはわかるけど、やっぱり卵や鮭の方が美味しいんだなぁ。息子は関係ないらしく、がつがつと2膳の御飯を食っていた。私も1膳半。お手軽な親子だ。

ほうれん草と牡蠣のグラタン
ブロッコリーの柔らか煮
きのこのスープ
御飯
モルツ、アイスコーヒー

400gも入っている、巨大な牡蠣のむき身パックを買ってきた。
「牡蠣フライじゃ!」
「土手鍋じゃ!」
「牡蠣御飯とか!」
と夫婦おおいに盛り上がるも、調理人たる私の特権でグラタンにすることにした。どこぞで見かけた「KIHACHI」のレシピだ。きっと旨いことだろう。

まずは牡蠣を白ワイン少々で蒸し煮にする。ぷくっとなったら煮汁ごと取っておく。そしてホワイトソース作成。バターで小麦粉を炒め、牛乳をだばだばと入れて練り混ぜる。「ホワイトソースはダマになるから」などという不安は無用だ。片手に持った泡立て器で容赦なくかき混ぜる。ダマになる暇もなく滑らかなホワイトソースになる。牡蠣の煮汁と生クリームも入れて、淡い塩味のこってりホワイトソースにする。

グラタン皿にスライスしたバゲットを敷き詰め、牡蠣と茹でたほうれん草をホワイトソースに絡めたものを流し込む。とろけるチーズを乗せてパン粉ふって、パルメザンチーズもかけて焼いたら出来上がり。

更に、ホワイトソースを作りがてら「ブロッコリーの柔らか煮」を作る。こちらは昨月号の『dancyu』で見かけた日高良実さんのレシピだ。これもきっと旨いに違いない。
ブロッコリーを小房に分け、茎も皮を厚めに剥いて一緒に煮る。にんにく4片は臭みを取るために3度ほど牛乳で煮こぼして(でその牛乳をホワイトソースに使っちゃう)、柔らかくなったところを包丁で叩きつぶしてアンチョビのみじん切りと併せておく。
茹で上がったブロッコリーはその1/3ほどをフードプロセッサーで粉々にし、粉々にしたやつはオリーブ油でくたくたに炒める。そこに先のにんにくとアンチョビ投入。これがソースになる。鍋の中に残っている残り2/3のブロッコリーを器に盛りつけ、ソースをかけてできあがり。なんでも全体的に「くたくた」の状態にするのがポインツだとか。

あとは、各種きのこをバターで炒めただけの塩味スープを準備する。御飯も炊いたし、準備万端。仕事中のだんなの携帯に「グラタン作ったから早よ帰れ」とメールを送る。

午後8時半、帰宅しただんなと一緒に皆で夕御飯。計算してオーブンに入れておいたグラタンも焼き上がって良い感じ。しかし、時間を見誤ってちと焦げてしまった。それもまた良し。

ビールを入れて、ブロッコリーとグラタンを肴に飲む。ホワイトソースからしてワインのだし汁を入れて磯臭くしたグラタンは、どこを食べても牡蠣の風味が漂ってくる。ぷりぷりの牡蠣とこってりクリームが予想以上に旨かった。
にんにくの香り濃厚なブロッコリーの「くたくた煮」もそのくたくた加減が悪くなかったし、今日の御飯も旨かった。
……でも、やっぱり牡蠣は牡蠣フライが一番だろーか。

2/6 (火)
アクアパッツァ(青山)にて「菜の花と桜海老のブルスケッタ」 (昼御飯)
Johanの
 チョコレートナッツブレッド
卵サンド
きのこのスープ
牛乳

今日の私は朝から浮かれている。
イタリアンレストラン「アクアパッツァ」の公式ホームページをひょんな経緯で仕事として作るようになってもうすぐ1年。今回はレシピページを作ることになったのだった。
「料理の写真も撮ってね。ついでに厨房で作り方も撮ってね。」
と願ってもないリクエストをされ、いつも使っているデジカメ片手にお店に行くことに。何ヶ月も地道に練習がてら料理写真を撮りまくっていた甲斐があったというものである。我が人生に無駄なことなし。

さて、朝10時に青山のお店に着くためには、朝8時過ぎのラッシュの電車に乗らなければならない。ついでに息子をだんなの実家に預けてこなければならない。いつもより30分早く起きて、あらかじめ準備しておいたサンドイッチを棚から出す。チョコパンをスライスし、昨夜のスープはあっためて、5分で速攻用意して速攻朝御飯。

卵サンドは茹で卵を適当に刻んで適当にマヨネーズを混ぜ、それを適当にマーガリンを塗ったパンに挟んだだけという単純なものだ。余裕があったらホットサンドにしちゃうところだけど、余裕ないのよね。今日はね。

青山 アクアパッツァにて
 菜の花と卵のパルミジャーノ焼き
 白身魚と菜の花の蒸しもの 海苔の少し辛いクリームソース
 菜の花のカルボナーラ
 菜の花と桜海老のブルスケッタ

午前10時、お店到着。既にフロアスタッフは店内を整え始めていて、シャーコシャーコと掃除機をかけていたりする。緊張しつつ客席で打ち合わせして、いよいよ厨房に歩み入る。
調理するのが大好きな者たるもの、レストランの厨房に入るなどということは、興奮しないわけがないのである。毎週の「愛の貧乏脱出大作戦」を見ては「その修行、私にやらせろ〜!」とか吠えている私たち夫婦なのであった。

「きゃ〜、サラマンダ!」(←天火で焼けるオーブン)
「きゃ〜、業務用高火力コンロ!」
と内心キャーキャー言いながらお仕事。プロだからして、皆様当然手際が良い。ちゃっちゃとパスタを炒め、レシピ用補助調理をする傍らで本日の冷菜も着々と仕上がっていく。

材料一揃いを撮影し、行程も追って撮影し、仕上がりもテーブルに移動して撮影する。さて、それでは次の料理を、と腰を上げかけたらシェフKさんが
「せっかくだから味見してみてください。どうぞどうぞ。」
と小皿とフォークとナイフのセット、お水もテーブルに並べてくれた。一人春のレシピ、菜の花料理を食す私。デジカメのメディアを入れ替えたりメモを取ったりとあわただしくしながらも、しっかり各料理をつるつると食してしまった。
……って、そういえば料理雑誌の撮影用なんかの料理は、誰も食べないからと味つけを全くしないところもあると聞く。今、私の前にある料理は何度も味見をしながら作った完璧なものだ。嬉しいなぁ。プロたるもの、塩のふりかたも何だか格好良い。

最初に作った「菜の花と卵のパルミジャーノ焼き」は菜の花と卵とチーズを使っただけのシンプルなオーブン焼き。代わりにほうれん草ででも作れそうな本当に簡単なものだ。
お次の蒸しものが面白かった。茹でた菜の花の束を、白身魚の切り身でくるっと巻いて数分蒸す。皿に敷くのは海苔のソース。水で焼き海苔を溶かし、生クリームを加えて煮詰めてから柚胡椒を加えるのだ。敷いたソースに蒸した菜の花を乗せ、上からはトマトの刻みを飾りつける。柚胡椒と海苔の組合せも面白いし、それがトマトや魚と合うのも謎めいている。が、妙に美味しい。

更に、カルボナーラ。基本はシンプルなカルボナーラ、それに茹でた菜の花がたっぷり入る。
カルボナーラは材料はベーコンと卵、パルメザンチーズ、と簡単なものなのに、そして作り方も難しいものじゃないはずなのに、どうも上手に作るのは難しい。うかつに卵に火を入れるとすぐに炒り卵になってしまうし、かと言って生っぽいままというのもちょっとイヤだ。
「ベーコンを炒めてね、そこへ湯をちょっと加えてやると卵の濃度が落ちて固まりにくくなるんですよ。」
なんて秘訣を教わりつつ、だんだん仕事はほとんど趣味としての好奇心が丸出しになってくる。
「生クリーム、煮詰めても分離しないんですか?」 とか、
「これはパンツェッタ(←イタリア産のベーコン)があったらそれを使っても良いんですか?」
とか、仕事のためというよりは自分のために質問を繰り返す。もうもう、楽しすぎー。

そして最後は「ブルスケッタ」。ブルスケッタとは、薄切りパンやフォカッチャの上に色々飾り付けるカナッペのようなものだ。今回のは、揚げた桜海老とトマト、菜の花、バジルがたっぷりの赤くて緑色な綺麗な具。これでもかと盛りつけて、写真を撮る。カリカリと揚がった桜海老に、こってりと絡む上質のオリーブ油、適度な塩味、新鮮な野菜。実のところ、今日一番美味しかったのがこれだった。作る側としては、揚げたり混ぜたりと一番めんどくさいものかもしれない。

しかし、テーブル上に並ぶ料理はどれも2人前、ものによっては4人前はある。ううう、私が全部手をつけてしまっているから、私が食べなきゃ多分ゴミ箱行きだ。それは避けたい。避けなければならない。でも、どうしましょう。
パスタを食べきってしまおう、と撮影を全て終えてからチュルチュルとパスタを喰っていたところ、
「あ、ブルスケッタとか持ち帰られます?包みますよー」
とシェフがアルミホイル片手にやってきた。持ち帰りできないものだけその場で食い尽くし、あとはアルミホイルに包んで貰う。それを更に手提げ袋に入れてもらった。
「蒸しもので使った、海苔の袋です。」
と苦笑しながら手渡される。海苔の袋をぶらさげてイタリアンレストランからランチタイム開始直後に出ていった私は不審な人物であったかもしれない。

すっかりご機嫌に袋を抱えて帰路につく。もう、「一人料理教室」に参加したという感じ。真横で質問しまくりながら調理風景をずっと見ていられたなんて、贅沢なことこの上ない。しかも無料食事つき。
写真を私が撮るのは多分この初回だけで、「こんな感じ写真があれば」とコツを伝えられたら、次の更新からはお店で撮ってもらう予定。ここまでして貰ったからには、良い仕事しなければ。ファイトー。

青山 アクアパッツァにて
 白身魚と菜の花の蒸しもの 海苔の少し辛いクリームソース
 菜の花と桜海老のブルスケッタ
ほうれん草と牡蠣のグラタン(昨日の残り)
鶏肉の七味焼き丼
ウィンターエール、冷茶

夕刻、帰宅してから130枚以上あるデジカメデータと格闘し始める。やろうと思っていた別の仕事もポイ。食事の支度も、ポイ。幸い、昼のお土産があるのである。「そんな美味しい思いしてきたなんて、おゆきさん、ずるすぎー」と拗ねているだんなも許してくれることだろう。

昼のお土産2品を皿に盛り直し、これをつまみに夕飯。
メインは、つまみを喰ってる間に鶏もも肉1枚まるごとをじくじくと塩胡椒で焼き、焼き上がりを細く切って、焼き汁の油と一緒に御飯にぶっかけた焼き鳥丼。上からはたっぷり七味唐辛子をふりかける。余裕ないのでスープ類もなし。作業と言ったら御飯炊いて鶏焼いただけ、というズボラ加減だ。
今日見た、プロの機敏な動作に触発されたばかりだったんだけどなぁ。せめて機敏にパソコンを操ることにしよう。

2/7 (水)
そばめし (朝御飯)
そばめし
はちみつレモンカルピス ホット

だんなは昨夜、奇ッ怪な土産物を持ってきた。
「はちみつレモンカルピス」。
「はちみつレモン」なのか「カルピス」なのかはっきりせんかい!という感じの濃縮カルピスである。冬季限定、お湯で割ると良いらしい。カルピス一族はおしなべて好物な私は、早速開封して朝に飲む。

そして更に奇ッ怪なメインディッシュ。
「そばめし」。
例によってそういうものが大好きなだんなが、「冷凍食品40%OFF」の垂れ幕を見て購入してきたブツだ。

そばめし、何でも神戸が発祥なのであるらしい。普通にソース焼きそばを作り、それを2〜3cmぐらいの長さにざくざく切ったやつを御飯と一緒に炒め合わせたようなものだ。御飯に混ざる、妙に短い焼きそば。奇ッ怪な料理だ。だが、流行っているらしい。
当初、冷凍食品メーカーがそれを出そうとしたとき、考案の担当者は「そんなもの、売れるわけがない」とさんざん周囲からバカにされたのだとどこかで読んだ。蓋を開けてみたらヒット商品になってしまって、バカにした一同がハニワ顔になったのだという。私もきっとハニワ顔になった側であったことだろう。ヘンだってばさ。旨ければなんでも良いけどさ。

冷凍ピラフのように袋詰めされている冷凍そばめしをフライパンで炒め、ホットはちみつレモンカルピスを傍らにおく。奇ッ怪なもの同士、調和しているのかしていないのかいまいち良くわからない。

さて、初体験のそばめしは、やはり何というか妙に旨かった。焼きそばであり焼きめしである。混ざってるだけである。だけども、ミョーにその変な食感が病みつきになりそうな予感がした。
「半分焼きそばだから、これ似合うよ。ね、ね、」
と私は棚から青海苔を取り出してふりかけてみる。ますます焼きそばチックになった。うむ、悪くない。

して、はちみつレモンカルピスは、本当にはちみつレモンカルピスだった。缶ジュースのはちみつレモンとカルピスウォーターを買ってきて混ぜたような、そんな感じ。あったかいカルピスは、何となく口の中がニカニカしてしまうような感じで、私はやはり冷たいやつが好きだ。

カチョカヴァロとハムのホットサンド
アイスカフェオレ

今日は一日、雨模様である。せっかくホームセンターを覗きに行こうと思ったのに、やる気は急激に低下する。こういう日は家で何かしているに限る、と急ぎじゃなかったはずの仕事をせっせとする羽目になる。

あんまし寒いので、昼はホットサンドだ。卵でもツナでもなくと具を考え、結局「カチョカヴァロ」なるチーズを使ってハムサンド。普通の溶けるチーズは糸のように細くみょーんと伸びるけど、このチーズは「面」の状態でびよよよ〜んと伸びてくる。あっためて食べるにめちゃめちゃ美味しいチーズなのであった。

ホットサンドメーカーにバター塗ったパンをセットして、カチョカヴァロをスライス4枚。ハムも2枚挟んで、蓋をして待つこと3分。
こんがり焼けたホットサンドは、いかにもな冬の味だった。耳がまた、サクサクしてて美味しいのだ。

鴨と葱の焼き浸し
海苔の少し辛いソースのペンネ
かぼちゃのポタージュ
モルツ、冷茶

本日、先日購入した電気機器の数々が届いた。ブラウン社製のバーミックスもどき。ウォシュレット。布団乾燥機。
本家本元「バーミックス」(電動ミキサーみたいなもんですじゃ)は、結婚直後に購入したものを数年間使っていた。ポタージュを作るのに便利、ジュースも作れる、ついでに息子の離乳食も作れる、と隨分重宝していた。が、粗忽な私が本体を水につけてしまった途端、「ぶぶブブブ……」と不穏な音を発したきり動かなくなってしまったのだ。さよなら本家本元バーミックス。私は値段の安さにつられて、ついつい"もどき"を買ってしまったよ。

で、早速届いた布団乾燥機を2回も3回もかけて楽しみつつ、バーミックスもどきでスープを作成。南瓜をコンソメスープで煮て、ギャギャギャギャと潰して牛乳入れて混ぜるだけ。馬力のあることも、そして本家本元よりもちと使いにくいことも良くわかった。これから我が家の調理場でがんばっていただきたい。

そして、100g約100円という不気味な値段で売っていた合鴨スライス。フライパンでこんがり焼き付けて、醤油と味醂のたっぷり入っただしに浸す。焼き葱も浸す。そして汁を切って皿に盛りつけ、白髪葱をこんもりと盛る。ポタージュと組み合わせる料理じゃないような気もするけど、細かいことは気にしない。

更に昨日プロの技を見て覚えてきた「海苔の少し辛いソース」を自作してみる。
焼き海苔を水で溶きつつ火にかけて、生クリームをたっぷり投入。そして煮詰める。乳製品は火にかけすぎると分離するので気をつけつつ、ガーッと水分を飛ばしてねとっとした粘度の高い海苔ソースに。味付けは「柚胡椒」だ。あの、福岡人は焼き餃子にぺたぺたつけて喰っていた、あのペースト状の和風調味料を生クリームと海苔のソースに放り込む。ピリピリと良い具合の辛みになったらできあがり。茹でたてのペンネに絡める。
材料を見ただけではちょっと不安になる料理だけど、なに、国際大会でも出したというメニューなのだからきっと美味しいのだ。

さて。本日使うのはロングパスタではなくて、ショートパスタだ。ペンネだ。ロングパスタの分量は、親指と人差し指で輪を作って「いつもの量」は簡単に測れるけど、ショートパスタだとそうもいかない。わしっと一掴みして鍋に放り込み「一人分?」と首をひねり、そのままざばざばと2掴み3掴み鍋に放り入れる。「だいたい3人分?」と首を捻り、パスタの袋を見ると残り一掴みだ。結果、「全部入れちゃえ〜」とパスタ400g弱を全て鍋に湯に放り込むことになる。1人前見当80gとして計算したら5人分である。いくらなんでも多くはないか、自分。

やはりパスタは多かった。たっぷりの海苔ソースを絡めたそれは、やはり5人前くらいあった。我が家の単位を使っても軽く3人前以上はある。海苔ソースにまみれた山盛りのペンネはなかなか壮観だった。

和伊混合のパスタ料理に洋風のスープ。純和風のおかず。何やらしっちゃかめっちゃかな食卓になった。バランスは宜しくないけど、どれも旨い。殊に鴨と葱を焼き付けてからだし醤油に浸したやつは、日本酒と御飯が恋しくなる良いおかずだった。やはり鴨には葱!そんな感じ。

2/8 (木)
冬はやっぱり苺!(で、コンデンスミルクと牛乳をぶっかける!) (夕御飯)
コンビーフとチーズのホットサンド
かぼちゃのポタージュ
牛乳

だんなは大学時代の文化祭にて、仲間内で「ホットサンド屋」を開いたのだという。だんなの実家に1つだけあった1個焼きのホットサンドメーカーを持ち出して、卵やらツナやら、ホットサンドを作っては売り歩いていたらしい。1つ作るのに2〜3分は最低かかってしまうから、何とも非効率な商売である。

それでも人気は上々だったとか。とある研究室の入り口には「焼きそば」「ホットドッグ」などの一覧がホワイトボードに書かれており、需要のある品の横にはマグネットで印をつけられていたそうだが、一度営業に行ってからはその欄の下に「ホットサンド」の項目が書き加えられたのだという。
商売もんのホットサンドであるのに、当然店員たちも自らそれを作っては食べていたわけで、だんなはとりわけコンビーフとチーズのホットサンドが好きだったのだそうな。

長い前置きだったけれども、そういう次第でだんなはコンビーフのホットサンドが大好きだ。そんなホットサンドの存在を初めて聞かされた私は、当初たいそう不審な顔をしていたらしいが。
だんなの実家に1つだけあった1個焼きのホットサンドメーカーは、そうして今は我が家にある。しかもツインホットサンドメーカーもある。一気に3個焼くことが可能な我が家は、文化祭ホットサンド屋の3倍の生産性があるのであった。

サンドイッチ用パンの表面にマーガリンを塗り塗り。塗った面を具と反対側、熱い鉄板側にしてセットし、中にはほぐしたコンビーフととろけるチーズをたっぷり詰める。だが、はみ出してしまったら、具から溶けた油でホットサンドメーカーがげしょげしょになってしまうので、そこらへんは要注意だ。
パンがこんがり焼けて、チーズがとろっとなったところに囓りつく。チーズがぴよよーんと伸びて、コンビーフがやわやわと柔らかくなって良い感じだ。脂肪分たっぷりで、いかにも高校生大学生あたりが好きそうな味。

バター醤油飯
舞茸の吸い物(レトルトもん)
抹茶入り玄米茶

本日はプー説明会。失業保険を貰うためには書類を出しただけじゃダメなようで、2時間程度の説明会参加と、4週間おきのハローワーク出頭が必要なのであるらしい。ああめんどくさいめんどくさい。きっとビデオとか見せられるんだ(←大当たりでした)。

プー説明会は午後である。午前中は、CS放送を録画しまくってたまりまくったビデオテープのラベル作りをする。インターネットでその題材のロゴから写真から拾ってきては美しく加工レイアウトして1つ1つ作るものだから異様に時間がかかる。
「ふおー、"超獣機神ダンクーガ"のロゴはどこにあるのじゃー!」
「"音楽の正体"のサイトなんてあるのか今頃〜!?」
「新ユニット名が"!"(←エクスクラメーション、と読む)なんてレイアウトしづらいぞデーモン小暮!」
と一人大騒ぎ。アニメから音楽からエンターテイメント系からプロレスまで録画してあるものだから、もう大変なのであった。

して、気がつくと出かける30分前になっていた。やばい。昼飯も食ってないし、息子をだんなの実家に預けなければならないのに。

とりあえず、朝食はパンだったからと冷凍御飯をレンジでチン。レトルトの吸い物入れて、ついでに熱いお茶入れて、ふりかけは少々飽きたのでバター醤油ぶっかけ飯。巨大なバターを御飯に落とし、溶かしつつ醤油をひとたらしして食べる。バターが嫌いで脂っこいもの嫌いな人には気色悪い食べ物かもしれないけど、私もだんなもこれが大好きだ。そして息子も大好きだということが本日判明した。

ほっかほっか亭の
 親子丼
モルツ、冷茶

苺 with コンデンスミルクと牛乳

めでたく夕刻、プー説明会終了。だんなの実家に帰ると、お義母さんと息子が庭で高笑いしつつ遊んでいた。良き哉良き哉。

さて、今夜の夕飯がピンチだ。冷蔵庫に蛋白質はほとんどない。ついでに米も底をつきかけている。買い物に行こう、と思ったところで息子が遊び疲れて爆睡状態に入ってしまった。時間は6時、7時を過ぎていく。あらあらあら、どうしましょう〜、と途方に暮れつつ「今日はピザ?」「宅配お寿司?」と軟弱な思考が頭をよぎる。

で、結局だんなに「ほっかほっか亭」のお弁当を買ってきてもらった。
ちと風邪気味だったので揚げ物系は避けてもらって親子丼。山盛り飯にどかんと鶏肉と卵の甘辛煮、隅っこに紅生姜。「さぁ喰え!」という感じの弁当だ。あうあう、不味いというほど不味くはないけど、やっぱり自分が作るかだんなに作ってもらうかした方が絶対美味しい。明日はちゃんと夕飯を作ろう。

デザートは、今が旬の苺。
コンデンスミルクと牛乳をたっぷりかけて、苺スプーンで苺つぶす。ぐじゃぐじゃになった苺を食すのはもとより、赤く染まったほの甘い苺味牛乳を飲むのが何より楽しくてこうしてしまう。
苺の季節もいよいよ本番。明日は人形町で仕事の打ち合わせだ。翠江堂の絶品いちご大福を買って帰る予定。むふふふふ。

P.S. 今日は「鍋焼きうどんVSユッケジャンクッパ」な「どっちの料理ショー」。
「そりゃもう、鍋焼きうどんでしょー」
となどとほざいて相手を歯牙にもかけず、たまらなくすんばらしい土鍋にすっかり魅惑されていたのに、出演者と同様、ユッケジャンクッパのビジュアル効果にすっかりぐらついてしまいやした。どっちも旨そうでございます。特選もやしも。(でもやっぱり鍋焼きうどん)
でも、一番欲しいのは、あの土鍋なのよねぇぇぇぇぇぇぇ。(いくらするんだろ、どきどきどき)

2/9 (金)
翠江堂(茅場町)の「いちご大福」
コーンマヨパン
クリームパン
カフェオレ

千葉市近郊には、かつて都内に在住していた時は一度も見たことがなかったパン屋がチェーン展開していた。その名も「マロンド」。この駅にもあそこの駅にも、ここらへんにはぽこぽこと大量に、この店は存在していた。駅の東口と西口両方にあるなんてこともザラらしい。恐るべし「マロンド」。
で、遅まきながら買ってきてみた。だんな好物のカレーパン、私の好物コーンマヨネーズパン、クリームパンや栗ペーストの入ったモンブランパン。

普通のパンだった。不味くはないけど、ものすごく感動するほどのものでもないというか。クリームパンのクリームはどっしりしていて良い感じのカスタードクリームだけど、ちょっとばかり粉っぽくてちょっとばかり甘すぎた。うむ、でも普段喰う分には丁度良いかも。満足満足。

人形町 小春軒にて
 カキフライライス ¥1000
 しじみの味噌汁 ¥150

人形町 柳屋の
 たいやき

新川 翠江堂
 いちご大福

仕事の打ち合わせ、今日は人形町。人形町といったら「柳屋」のたいやきであり、駅は1〜2つ隣だけど「翠江堂」のいちご大福である。息子を預かってくれるお義母さんと義妹に、「世界一旨い!……と私が思っている、いちご大福買ってきます〜」と言い置いて出発。昼御飯も、せっかくだからそこらで堪能したいなぁ。

人形町到着、午後0時半。打ち合わせは午後1時15分。45分で全てを終わらせるには親子丼「玉ひで」の大行列に並ぶ勇気は私にはなかった。気分は洋食、チェックしていた「キラク」に行ってみるか「小春軒」に行ってみるか悩んだところで「小春軒」に決定。古い古い感じの店構え、扉を開けると4人席が4つにカウンターだけという小さな店だ。客はおしなべて相席。2人客1人客が広くはない4人テーブルにキュッと詰まって座っている。私も入り口近くに腰を下ろし、周囲を見渡す。お客の喰ってるものは、たいがいがフライものだ。海老フライやカツレツなどなど。カウンターの上にかかるこれまたふるびた品書きを眺め、「カキフライ」なる文字を見つけたのでこれを注文。御飯がついてきて1000円、しじみの味噌汁は別料金で150円だ。

ひっきりなしに客が出入りし、雰囲気は「喰ったら出ろ、すぐ出ろ」という感じ。ちょっと慌ただしい空気ではある。ぼけぼけしながら料理を待つ。隣に座った1人客のおばちゃんが「特製盛合せ定食ね」なんて言ってるのを聞いて「なにその魅力的な品は!」と内心驚いてみたり。

ほどなく、店のロゴ入り白い皿がやってきた。刻みキャベツとトマトときゅうりの上にはフレンチドレッシング。マカロニサラダが添えられて、そこまではどの皿も共通だ。上には7〜8個のカキフライがごろりごろりと。タルタルソースは無しで、卓上のウスターソースをだばだばとかけて食らいつく。

衣サクサク、あっつあつのカキフライは1個揚げ。ボリュームの多さや熱の通り具合を考えて牡蠣2個をくっつけてひとかたまりで揚げる「2個揚げ」というやり方もあったりして、私はこの「2個揚げ」が好物だ。それだと牡蠣の中央部が微妙にレアだったりして何ともプリプリ磯臭くて良い感じなのだった。
今のこれも、プリプリさくさくなんだけど……インパクトはいまひとつ。せめてタルタルソースが欲しいなあぁぁぁぁ。

満腹したけど、気持ちはいささか消化不良のまま打ち合わせに急ぐ。15分の余裕があったので「たいやき……」と「柳屋」を覗くも、15人ほどの行列に断念し、とりあえず仕事を先に済ませることにした。

で、打ち合わせの終わった45分後、再び「柳屋」の前に立つ。客は依然として15人ほどが絶えず並んでいた。元来、行列はとてもキライな自分だけど、でもでも美味しいたいやき食べたいのよねー。とってもとっても食べたいのよねー。で、並ぶ。どの客も「10個」とか「15個」とか買っていくものだから、行列は一向に縮まらない。ここで「1つ」と注文するのはとてももったいない気分になってしまい、ついつい7個注文。
「1個、歩きながら食べるから別にしてね」
と言うことも忘れない。持ち帰り用の袋6個入りをぶらさげ、1個は紙袋に入ったやつをもっきゅもっきゅと食べながら次なるお店へ急ぐ。

薄くさっくりした皮の中に、しっぽの先まで入るあんこ。甘すぎず淡泊すぎず、良い具合のあんこであり皮なのだ。1個1個型に入れて手作業で焼いていくたいやきは、ところどころ焦げていて、それがまた良いんだなぁ。
へろへろしながらお店のロゴ入り紙袋からたいやきの端を出しつつ囓り歩く。人形町から茅場町に向かって歩く途中、おばちゃん2人組が声をかけた。

「あの〜、そのお店、どちら?」
あ、この袋のたいやき屋さんっすか?ここまっすぐ言って甘酒横町を右手に入って……。
説明を終えて歩き出すと、その100mくらい先で、今度は
「あの〜、玉ひでって、どこですか?」
とうら若き女性が1人。玉ひでは、左っ側ですね。まっすぐ言って、左に折れて、すぐ行列が見えるからわかります。
今日は良く道を聞かれる日だ。またその直後、
「すみません、そのたいやき屋を探しているのですが……」
とまたおばちゃんズが。……何故、どいつもこいつも私に食べ物屋のありかを聞くのだ。そんなに私はそういうものに詳しそうに見えるのか、コラ。

さくさく美味しいたいやき1個を平らげて、そのまま10分歩き続けていちご大福「翠江堂」へ。
これまで「いちご大福なんて、奇妙な和菓子喰えるかーい」と密かに思っていた私の偏見を180度覆した、そりゃ見事ないちご大福がここにある。いちご大福にはちょっとうるさいよ、と言っていた義妹のためにもたっぷり買って帰らねばならぬ。なにせ絶品なのだから。

「15個ください。8個の包みと6個の包みと。」
「そいで1個、歩きながら食べるから別にしてね。」
と言うことも忘れない。さっきたいやき屋で同じセリフを言ったような気がするが、食したたいやきは 私の中では既に消化したことになっている。

たっぷりの大福抱えて、重々しい紙袋をぶらさげつつ、今シーズン初めてのいちご大福。フレッシュな食感なのに、表面がシロップで煮られたように甘くて巨大な苺の周りに、淡い色の薄い層になったあんこが入り、表面は豆入りの薄い薄い”ぎゅうひ”でくるまれている。甘くて柔らかくて苺のジュースたっぷりで、そりゃもう涙がちょちょぎれるほど美味しいいちご大福は、今シーズンも絶好調だった。
白い粉が飛び散って、コートやマフラーが真っ白になっちゃったけど、そんなこた気にしちゃいけないのだ。

だんなの実家にて
 翠江堂のいちご大福
緑茶

午後3時半、息子を迎えにだんなの実家へ。
買ってきた8個入りいちご大福箱を渡し、早速開けて遅めのおやつ。

いちご大福にちょっとうるさい義妹も絶賛のいちご大福だったらしい。
良かった良かった。

茄子とひき肉の味噌炒め
きのこのにんにくバター炒め
豆腐とにんじんの中華スープ
御飯
ウィンターエール、冷茶

翠江堂の
 いちご大福
抹茶入り玄米茶

かなりヤバめの豚挽肉が冷蔵庫内にあったので、これを用いて中華炒め。麻婆豆腐調にするか回鍋肉調にするかちと悩んだ挙げ句、茄子を使って「回鍋茄子」にすることに。
生姜とにんにくと葱を炒めて豚肉を投入し、そこへ素揚げしておいた茄子を投入。甜麪醤がたっぷりと入る豆板醤や醤油入りのタレで炒め煮して、とろみをつけて完成。最後にたらりとごま油とラー油を垂らす。ちと濃いめの味付けになった回鍋茄子は、ビールのお供というよりは御飯のお供になってしまった。
山盛りの各種キノコはバターとにんにくで炒めてパセリを散らしし、簡単にスープもつくって中華風夕御飯。

……で、またいちご大福喰ってるわけです。いやー、美味しいなぁ。

2/10 (土)
居酒屋・天狗にて「サイコロステーキ」 (夕御飯)
人形町 柳屋の
 たいやき 2つ
抹茶入り玄米茶

昨日買ってきた、人形町「柳屋」のたいやき。袋に入ったまま、6個が台所で保管されていた。温かいやつを包んだものだから、袋は湯気でしっとりと塗れていて、たいやき本体もなんとなくしっとりとしてしまっている。トースターでこんがり温めて、あつあつになったところを熱いお茶と一緒に朝御飯。

ちょっとばかり焦げ臭い香りのある薄い皮のたいやきは、今日もだんな及び息子に大好評だった。朝御飯がたいやきというのはいかがなものか、という議論は置いておいて。

夢庵にて
 づけ丼・天ぷら・冷やしうどん・茶碗蒸しのセット
 ドリンクバー

連休初日だというのに(連休初日だからかもしれないけど)、近隣のスーパーは色々と大安売りをしている。豚バラ肉が100g68円というのも恐ろしい価格だし、普段200円以上出して買っている漂白剤が98円というのも見逃せない。我が家改造計画にレンチが必要、蛇口のパーツが必要、と今日は買い物三昧になった。

ホームセンターで最後の買い物を済ませた後、力つきてそばの「夢庵」に入る。中華ファミレス「バーミヤン」と同じくすかいらーく経営の、こちらは和食ファミレスだ。うどんと寿司と天ぷらのセットなんて、まるで海外の和食レストランのような品揃えのセットが揃っている。疲れたのかロースカツセットを注文するだんなに対し、私は豪華セットを注文。づけ丼・うどん・天ぷらだなんて炭水化物と油の塊のような気がする。

……ま、ファミレスだぁね、と口にした食事は可もなく不可もなく。うどんは一応自家打ちだそうで、期待以上にコシがある。けどだしは醤油が勝ちすぎていまいち。づけの具合は丁度良いけど、御飯は酢飯じゃなくてただの御飯。天ぷらの揚げ具合は悪くないけど、さつまいもが薄くて切なくなっちゃう。そんな感じだ。

ところで、温かい店内、食べ物とは別に私の注目を惹くものがあった。隣席の家族連れだ。おばあちゃんとおじいちゃん、その娘か嫁か、恰幅の良い壮年の女性とその娘らしき女の子。皆揃ってずるずるとうどんを啜り、丼を食べ、デザートまでゆっくりと食べていた。が、全員コート着たまんまなのである。店内は、温かかった。幼い女の子など、ほっぺが真っ赤っかなのである。なのに、皆分厚いコートを羽織ったままだ。な、何だったんだろう。脱ぐとなんか悪いことでもあるのかしら。どきどきどき。

居酒屋・天狗にて
 大根と山芋のサラダ
 フライドポテト
 びっくりおでん
 刺身盛合せ
 ねぎとろ巻き
 つくね
 サイコロステーキ
 牛タンの塩焼き
 春巻き餃子
 温やっこ
 鴨せいろ蕎麦
 焼きおにぎり
 茶碗蒸し
……を、親子3人で喰らい尽くす。

 ブラウンビール・梅酒サワー

帰宅して2時過ぎ。だんなと息子は疲れたようで、それから3時間以上の冬眠に入ってしまった。私もうとうと眠りかけたり各種作業を行ってるうちにすっかり日が暮れていた。夕飯は、家族全員さっぱりやる気が無く、だんなに至っては冬眠から目覚めるなり
「……数日前に、焼き肉屋の広告が……」
と新聞紙の束をあさりだす始末だ。

で、徒歩5分の焼き肉屋が安売りしているらしいので、ほてほて歩いて向かう。時刻は7時半、案の定大行列だ。当然だわな。カルビ一皿290円なんてことやったら、人が集まらないわけないのである。
「……居酒屋?」
「……天狗?」
「天狗天狗天狗?」
とそこから居酒屋に路線変更。「天狗」は数ある居酒屋チェーン店の中で、私とだんなに妙に愛されている。私の通った大学の近くでは、一番まともなコンパ会場は「天狗」とされ、何かにつけて集まっていた。最後に「爆弾おむすび」食べるのが恒例だったのだ。あとオレンジシャーベットと。ちなみにだんなは「豚の柳川」と「サイコロステーキ」が必須アイテムであったらしい。お互いに思い出深い「天狗」なのであった。嗚呼、青春の天狗。

私は、思うと6年ぶりくらいの入店だった。さすがにメニューもあの頃とは様変わりしている。
「サイコロステーキがあるじゃん!」
「サラダも取ろうねっ!」
2歳児同伴で、妙に盛り上がっている我ら夫妻なのであった。

で、呆れるほど頼む頼む頼む。
4〜5種類の刺身が盛り合わせになったやつに、ケチャップが添えられたフライドポテト。しそが混ざって醤油味ドレッシングの大根と山芋のサラダ。脂身たっぷりだけど妙にビールが美味しく進むサイコロステーキ。甘ったるいタレのつくねは息子用で、「まだいけるよねえ」と春巻き餃子と牛タンも追加注文。ああ、居酒屋だ。なんちゅーか居酒屋だ。飲めば飲むほど食欲にエンジンがかかっちゃう私たちは、「軽く飲んでしっかり食べる?」「それとも、"飲み"メイン?」なんて最初は言っていたのに、いつのまにか「しっかり飲んでしっかり食べる」コースに突入していた。

当初、"いちごみるく"なんて甘ったるい名前の妙なカクテルを頼もうか、サングリアを頼もうか、なんて思案していたのに
「やっぱりこういう居酒屋に来たんだからサワー飲まなきゃ!」
などと梅酒サワーを飲んでいる私。だんなはだんなでグレープフルーツをぎゅうぎゅうと絞って生グレープフルーツサワーに突入していた。

かくして、しっかりシメに焼きおむすびだの鴨せいろだのも平らげて、1時間半ほどだらだらした挙げ句に帰宅。
1皿500円しないような居酒屋で、何故7000円も飲み食いしていますか、私たち。

2/11 (日)
Shiba(稲毛)にて「ムルギランチ」 (昼御飯)
Johanの
 コーンパン
牛乳

だんなの実家に行くと、いつも笑っちゃうほど食料をくれる。こないだは、いちご大福を持っていったらそれがJohanのコーンパンと醤油とオレンジジュースに化けて帰ることになった。しかも醤油とジュース合わせて6本もだ。

Johanのコーンパンは、焼き上がり時間を狙って行列して購入する人気商品の1つだ。ひとまわり大きなバターロールのサイズで、生地もバターたっぷりのバターロール系のもの。中にはコーンがごろごろと入っている。子供が好きそうなふわふわパンで、例によって息子と私はこういうものが大好きだ。

だんなが御飯とスープを喰ってる横で、私と息子はコーンパン。ほの甘くてちょっとばかり塩気のあるパンは、温めなくてもふかふかで旨かった。
連休中日、今日はどこでダラダラしようかなー(←行列や混雑が大嫌いなので、そういう場所へは寄りつかない)。

稲毛 Shibaにて
 ムルギランチ
 アイスマサラチャイ

ダラダラとため置きしてた録画ビデオを見た後、ぷらぷらと
「ボーリングでもしよっかー」
「カラオケにでも行こっかー」
と外出。
まずは、駅前にあるカレー屋「Shiba」に向かう。

インドカレー屋のこの店、都心からは隨分離れたところにあるというのに、何かというと雑誌に載りまくっている。この地に越してきて、何が嬉しかったって、この店の徒歩圏内に来たことだ。辛くない料理はそれほど辛くなく、でも存分にスパイスの香る旨いカレーがここにある。

午後2時にならんとしているのに、店の中はほぼ満席だった。
だんなは「組合せカレー」のチキンを。これはベジタブルカレーと、選択したビーフカレー、チキンカレーなどがセットになってやってくる。私は「ムルギランチ」を。本来は東銀座にある「ナイルレストラン」の料理名であったはずだけど、この店にも「ムルギランチ」が存在していた。煮出し紅茶「メチ」のアイスと、マサラチャイのアイスも注文。

大きな楕円の銀色の皿に盛られたムルギランチがやってきた。楕円に固められたサフランライスは、卵や野菜と一緒にチャーハンのように炒められており、その横に塊野菜がごろごろ入るベジタブルカレーがかかっている。更にその横に、広がるチキンカレーの海。残りの皿全面が、黒々と煮込まれたチキンカレーが広がっているのであった。中央には骨付き鶏のもも肉がどかんと据えられている。本家本元のそれとはまた違うムルギランチだ。これまた、美味しそう。全体をぐちゃぐちゃとかきまぜつつ、凄い色合いになったところをすくって食す。 ベジタブルカレーはトマトの酸味が感じられるさっぱりしたタイプで、チキンカレーは炒めた玉ねぎの甘味と肉の旨味がたっぷりの濃厚なタイプだ。混ぜて食べると、妙な調和がそこにある。
骨付き鶏肉も、骨がずるっと抜けて取れる良い感じの煮込み具合で、溶けそうになった皮がまた旨かった。

この地に移り住んだ幸福を噛みしめつつ(←でも、銀座やお台場は遠くなったんだわ、そういえば)、最後に冷たいお茶を飲む。
この店のマサラチャイはちょっと独特だ。ミルクたっぷり、砂糖たっぷりでとても甘く濃厚なのに、ピリピリと喉の奥に染みるような辛さがある。何でも、数種類のスパイスの他に、生の生姜をたっぷり入れてあるのだとか。そういえば、生姜湯にも似た香りがある。

旨いカレーとお茶を堪能し、「じゃあ、カラオケー!」とカラオケボックスへ。
んが、同じことを考える人は周囲中にいたようで、いつ空くともわからない満室状態だったとさ。とほほー。

リングイネのボンゴレ・ビアンコ
豆腐とにんじんのスープ
モルツ

午後は結局、ボーリングを2ゲームして帰宅。そのまま3時間昼寝。
気がつくと、午後7時を回っていた。ありゃりゃりゃりゃ〜。

夕飯は、昨日買ってきたアサリを使ってボンゴレ・ビアンコ。
オリーブ油でにんにくと赤唐辛子を炒め、そこへアサリを殻ごと入れて白ワインを投入。ついでにパスタのゆで汁も少々入れて蓋をして蒸し煮。アサリの口がパカッと開いたら、最後にバター1かけらを放り込んで、ドライパセリをうりゃ!と入れる。ゆでたてのパスタを絡めてできあがり。簡単簡単。

今日のは、パスタのゆで汁に入れた塩気とアサリの塩気と、少々ふった塩の合計がちーっと多かったようで、少しばかり塩っ辛いパスタになってしまった。うぬー、ちょっと失敗。