食欲魔人日記 05年03月 第4週
3月21日 月曜日
皮から作った水餃子。最高でした。
「ミクニ」の
 チョコデニッシュ
 アーモンドなんとか 半分
カフェオレ
朝7時半過ぎに一人目覚めてしまった私は、今日も朝からお仕事ぽちぽち。だんなも息子も寝ていてくれたので仕事はこれ以上なくはかどりまくって、いーい感じに諸々の要件が終了した。「……おなか、すいたな……」と思い始めたところで息子が起きてきて、
「おなか、すいたね」
「お父さん、起こしちゃおうか」
と、だんなを起こしにかかった。

朝御飯は、昨日幕張の駅前で買ってきた、「ミクニ」のチョコデニッシュ。空気たっぷり含んでモハモハした食感のチョコデニッシュの底には板状のチョコが2本入っていて、甘すぎず苦すぎず良い感じ。カスタードクリームを練り込んだとかいうアーモンドなんとかという名前のブリオッシュ風のパンはだんなと半分こ。今日は特に予定がなかったのだけれど、
「……ファックスのインクリボンがなくなっちゃったよ」
「あー、俺、光学マウス用のマウスパッド欲しいんだよなぁ……」
なんて話になって、ちらっと近所にお買い物に行くことに。

日清の「ヨコイあんかけスパゲッティ」
麦茶
遅めの朝御飯、でも買い物前に何かお腹に入れていこうということで、数日前に買ってきたサンクスの名古屋フェアの商品のひとつ、「インスタント ヨコイのあんかけスパゲッティ」を食べてみることにした。私もだんなも名古屋出身なわけでも親戚が住んでいるわけでもないのだけれど、名古屋の食文化は妙に心にぐっとくる。万博のおかげで、名古屋食文化が関東平野にどどーんと流入してきているのは、密かにとっても嬉しい私たちだった。……怪しいものも多いけど……。

で、名古屋の不思議な食文化のひとつが「あんかけスパゲッティ」。トマトソースともミートソースともつかない、胡椒の効いたトロンととろみのあるソースはまさに「あんかけ」で、あまり他では見かけない極太のスパゲティに絡めて食べる。「ヨコイ」はそのあんかけスパ発祥のお店で、ヨコイブランドの極太麺(←これが、たらこスパゲッティなどにも素晴らしく似合う)や真空パック入りレトルトソースは既に市販されていて、それを使えばかなり本格な「あんかけスパ」が自宅で堪能できるのだった。そのヨコイがインスタント麺になるなんて、ちょっとばかり感慨深いものがある。作ったのは「スパ王」「ラ王」の「日清」だ。

「えー、まずこのソースのパックをあたためろ、と」
「麺はお湯入れてほぐして、湯を捨てるんだよね」
「袋多いな……もはやこれ、インスタントじゃないよなぁ……」
苦笑いしながらわちゃわちゃと袋を取り出して準備。仕上げに小袋入りの油を垂らし、更に別の小袋入り黒胡椒も散らしてから食べよとあった。

とろんとちゃんととろみのあるソースは確かにそれっぽいもので、中にしっかりソーセージまで入っていたのには感動したけれど、でも残念ながらかなり本来のそれとは違う味。麺はしっかり太かったし、フリーズドライの野菜もそれなりに入っていたけれど、でもソースの味は微量に欲求不満を感じるものだった。旨いか不味いかで言えば旨いんだけど……でも何か違うぞ、という。
「あはは、旨いけど、でも、これ初めて食べた人が"そうか、あんかけスパってこんなのか"って思ったらちょっと悲しいかも……」
「うん、そうかも」
そんな事言いながら、だんなともぐもぐ。息子は「赤いきつね」の油揚げを最後まで残しながら大切そうに食べていた。

ストロベリーシェイク
ふらーっとお出かけして、必要なものをちゃっちゃと買ってちゃっちゃと帰宅。「のどが、かわいたなぁ」と言い続けていた息子が、
「ねぇね、おかあさん、ストロベリーシェイク、つくろうよ」
と言ってきたので、じゃあ作ってあげようかと巨大なレディボーデンのバニラアイスパックを買って帰ってきた。

なんでも、昨日4パック1000円の苺を買って帰ってきた直後から、息子の中では
「これはもう、ぜったいぜったいストロベリーシェイクなんだもんね」
という欲望が高まっていたらしい。
「あのね、アイスいれるんだよ」
「はいはい」
「あのね、いちごはね、40個、いれるんだよ」
「はいはい……って、そんなに入れられないよ。コップから溢れちゃうよ……」
色々話しかけられながら、フードプロセッサーにヘタを取った苺をざくざく放り込んだ。

苺入れてガーッとスイッチ入れてピューレ状にし、そこに牛乳と少しの練乳を。もう一度まわして滑らかな状態にしてから、あとはバニラアイスを心ゆくまで加えて、再び粉砕。適度に混ざったところで大きなグラス3つに分け入れてストロー差して皆で飲んだ。すごく適当に作ったのだけれど、これがしっかりちゃんと、笑っちゃうくらいそれっぽいストロベリーシェイクで皆に大受け。

「おお!ちゃんとシェイクだ!」
「あははー、ものっすごい量のアイス入ってんだよ。すごいポイズンだよこれ……」
「おかーさーん!ストロベリーシェイクだ!」
そう、ストロベリーシェイクは、ストロベリーパフェとなんら変わらないカロリーと思われる、それはそれはおそろしい飲み物……。

自家製水餃子たっぷり
焼き餃子どっさり
茹でもやしの中華ドレッシングかけ
スープ餃子
羽釜御飯
ビール(モルツ)・麦茶
今晩のメインディッシュは、餃子。当初、市販の皮をいつも通り2パック買ってきていたのだけれど、今日は時間あるし皮も作ってみましょう!ということになった。作るだけ作って残ったら冷凍すれば良いよねと肉や白菜もたっぷり用意して、できあがったのは合計110個の大変な分量の餃子。さすがに食べきれなくて冷凍したけれど、88個が消え失せてしまい、食べた当の本人たちもちょっと(いや、かなり……)びっくりだった。

皮から作った餃子を食べたいなぁ……と思ったのは、大田垣晴子責任編集雑誌『O』(オー)の"ギョーザ"特集号を読んでから。大田垣晴子さんの本は大好きで大好きで(食べものの話とかミョ〜に美味しそうで、どことなく中央線沿線の匂いがするのもまたステキ)何かと買っているのだけれど、この雑誌も毎号楽しみに買っている。ホッピー特集とか名古屋飯特集とか、何かとツボな特集が多いのもまた、毎号楽しみな理由のひとつだったりする。ギョーザ特集がねぇ、これまた旨そうで……。

で、そこで紹介されていたのが、平松洋子さんの餃子レシピなのだった。皮の材料は強力粉2カップと水120〜130ccのみ。最初は菜箸使ってぐるぐる混ぜて、手でざっとまとめたら30分休ませて、それからせっせとこねていく。最後に「赤ちゃんの肌のように滑らかになったら」、小分けして伸ばして具を包んでいく。

「ほんとに、これが、赤ちゃんの肌に、なるってかー……?」
私が粉及び水と格闘している間に、だんなは米を研ぎ、餃子のタネを作り、スープを準備し、もやしを茹で、夕飯の他の準備一切をこなしてくれた。餃子の日はひたすらに餃子を食べるのが何よりも快感なので毎回副菜はほとんど用意しないのだけれど、今日は茹でたもやしに中華ドレッシングをかけたものを。

粉と水だけのものがそんなに滑らかになるものなのかと思っていたのだけれど、せっせせっせと15分近くもこねていたらだんだんツルリと美しい生地になっていった。生地を棒状に伸ばしたら大ぶりの飴玉サイズくらいにざくざく切っていき、表面が乾かないように粉をまぶしてからいざいざ伸ばし&包みに。なかなかうまいことまん丸にはならないけれど、なるべく縁を薄く伸ばすようにしながら大きめ大きめに広げていって、ニラと白菜入りのタネを包んでいく。

だんなと2人、台所でわちゃわちゃやっていたら息子も寄ってきて、
「わ!ぼくも、ぼくもやる!ぎょうざ作る!」
と、一緒に作業し始めた。小さな麺棒貸してあげたら、不器用ながらもなんとか伸ばしてなんとか一人で包んでいる。楕円になっちゃったりハート型になっちゃったり色々大変だったけれど、自家製餃子がたっぷり40個できあがった。買ってきた皮も全部使って包んでいったら、できあがりは合計110個。さすがに半分近くは冷凍することになるかしら……と思いながら茹でたり焼いたりしていったのだけれど、自家製餃子40個はすぐに消え、焼き餃子も半分以上が消え失せた。

息子は一体どれだけ食べるんだろう……と数えていたら、自家製餃子40個中18個を喰いきり(で、私が11個、だんなも11個)、焼き餃子はだんなが30、私が18、息子は0。笑っちゃうほど皆よく食べた。

ツルンとした食感の手作り皮の水餃子は、モチモチした食感でとても自然な味。皮も具もプリンプリンと弾力があって、味はもとより食感が心地よくて素晴らしかった。一度手作り皮のを口にしてしまうと、市販の皮に妙な臭みがあることに気付かされてしまったりして、こりゃ次回もその次ぎもずっとずっと手作り皮を用意しないといけない気分になってきそうな、ヤバイ予感。手作り皮は市販のものよりどうしたって厚くなるので焼き餃子のパリッとした感じには向かないかもしれないけれど、それにしたって美味しすぎた。息子はもう、手作り皮の水餃子しか口にしなかったし(生意気な奴め……)。

「おゆきさん、また餃子の皮作ってねー」
「おかーさん、ストロベリーシェイク、またつくってねー」
今日は「また作ってね」ものが連発した一日だった。うまうま。

3月22日 火曜日
かんたんねぎとろどん
卵御飯 with 納豆
葱入りスープ
麦茶
3連休明けの火曜日。今日から気合い入れて仕事するぞーってことで(なんか昨日も一昨日も仕事してた気もするんだけど……)、だんなをジムに送りだした後、朝6時半からお仕事開始。だんなの朝御飯が卵御飯だったので、いいないいなそれいいなと私と息子も真似することにした。生卵に、更に納豆(←だんなは大嫌い)までトッピングした豪華「スタミナ飯」。

昨夜スープ餃子にして食べた残りのスープに葱を散らして温め、大ぶりの碗に御飯をよそう。1人1個の生卵を溶いてかけ、1人1パックの納豆。
「わー!納豆だ!納豆乗せるの?ぼくねぇ、納豆が、大好きなんだぁ〜」
と息子はやけに楽しそうだった。長ねぎを刻む私を覗きこんで、
「でもね、ねぎはね、いらないのよ?」
とか言っている。

息子は葱抜き、私は葱入り。
「スタミナ丼、って感じだよね」
「え?どれ?どれがスタミナなの?」
「いや、スタミナは目に見えるもんじゃなくて……卵と納豆が、スタミナ。力が出そうだねーって食べ物のこと」
「じゃあ、牛乳もスタミナ?」
「うん、そうかも」
「じゃあ、マッケンチーズもスタミナ?」
「……うん、そうかな」
息子の好きな食べ物はスタミナだらけ。

冷蔵ピザトースト
牛乳 with ミルメーク(ココア味)

行きたい展覧会などもあったのだけれど、今日は天気も悪そうだということでひたすらに仕事。息子も
「お母さんしごとしてるんならー……ぼくはおべんきょうしよ……」
と、自分の勉強机に筆記用具並べて何やら勉強をしていた。「これかいた!」と持ってきた紙には、「ムシキング」とか「JAL」とか「ARANZI ARONZO」とか「ヨドバシカメラ」とか、そのへんの紙袋とか本とか眺めて書いたと思われる怪しいロゴがいっぱいならんでいた。

昼御飯は、昨日息子にせがまれて買ってきた冷蔵ピザトーストをオーブンで数分温めて。
お母さんが作る方がきっと旨いよー、と何度も言ったのだけれど、息子はスーパーの冷蔵棚に並んでいるピザトーストとかホットドッグもどきの類が気になってしょうがないらしい。安売りされていたので、試しに買ってきてみるかと1袋買ってみたのだった。

パンの上にトマトソースとチーズと玉ねぎ、ピーマン、そして1切れずつのサラミとベーコン。息子はきっとこのサラミとベーコンあたりに心を鷲掴みにされたんだろうなと思いつつオーブンに。その間、息子はミルメークの行商人になっていた。

「ミルメーク、ミルメークいかがですかー?」
「あ、ミルメークいただきます、ココア味で」
「100円でーす」
「金取るのかよ!」

行商人、1袋100円という暴利むさぼり価格でミルメークを売りつけた(いや、払わなかったけど)挙げ句、
「じゃあ、コップにお入れいたしまーす」
と言いながら、床に盛大にこぼしてしまって
「少しすくなくなっちゃいましたー」
とか言っている。行商人、だめじゃん……。

ピザトーストはいかにも〜な味だったけれど(やっぱり私が作る方が美味しい……)、息子は満足気だった。……こんど厚切りパン買ってきて自分で作ろう……。

ねぎとろ丼
白菜の味噌汁
ルッコラとロメインレタス、きゅうりとトマトのサラダ
春菊の胡麻和え
麦茶
午後も脇目もふらずお仕事お仕事。作業が軌道に乗っちゃったので5時を過ぎても6時を過ぎても続けてしまい、6時半を過ぎたところで慌てて夕食の準備をし始めた。だんな激ジョブとのことで、息子と2人の夕御飯。

週末買ってきたまぐろの叩きを食べちゃおうということで、酢飯を準備。レシピを検索していたら茹でて水で締めた冷たいパスタにねぎとろ絡めて卵黄落として醤油も混ぜて……という料理もあったのだけれど、それよりはシンプルきわまりない「ねぎとろ丼」の方が恋しかったので、和風の献立にした。酢飯とまぐろ、刻み葱と刻み海苔を用意して、息子と私各自自分の丼に盛りつける。

あとは野菜が恋しいなと、たっぷりの生野菜のサラダと春菊の甘さ控えめ胡麻和え、白菜の味噌汁。洋風のドレッシングでは、我が家は長らく「ピエトロ」を愛用しているけれど、和風(というか韓国風?)はここ数年「叙々苑」のがお気に入り。ルッコラにも妙に似合って旨かった。

「はぁ〜、まぐろのたたきのおかげで30分で用意できたよ……」
なんて思いながら、ちょっと遅くなってしまった夕飯をもぐもぐ。せめて明日の朝はもうちょっとまともなものを食べたいぞと、夕飯後にパン焼き機に材料をセットして、たんまりある苺を電子レンジでジャムに加工してみた。明日は焼きたてパンに手作りジャムの朝御飯予定。

3月23日 水曜日
肌寒かったので急遽クリームシチュー
焼きたてパンと手作りジャム
ポーク卵
カフェオレ

いちごがたーんとあるので、「いちごで色々作ってみましょうキャンペーン」の一環で、昨夜苺ジャムを作ってみた。"レンジで作る苺ジャム"なるものを試してみたくて、砂糖をまぶしてちょっと水分が染み出てきた苺にレモン汁ピャッピャとかけて電子レンジで3分。ジャムというよりは「苺ソース」の方が近い、ちょっとサラリとしたシロップにとろんと柔らかい果肉が浸ったものができた。

せっかくジャムも作ったならパンも……ということで、今朝は久しぶりにパン焼き機を動かしてみる。フランスパン用の"準強力粉"を使い、甘さのないシンプルなざっくりとしたパンの材料を昨夜のうちにセットして、今日はパンの焼ける匂いと共に目が覚めるというちょっと幸せな朝。だんなにコーヒーを淹れてもらい、半端に残っていたランチョンミートをこんがり焼いてあとは半熟の目玉焼きを1人1個。

焼きたてのパンは小麦粉のいーい香りが漂ってきて、香りも味も最高なのだけれど、食感はほわほわと頼りなかったりするので、危険なことにいくらでも食べられてしまう。パン屋で買ってくる食パンは1斤を2回〜3回の食事で食べることが多いというのに、自家製パンだと1.5斤が2回分くらいにしかならないのがおそろしくて、なんとなくパン焼き機から距離を置いてしまっている。

でも、ふわふわほわほわのパンに苺そのまんまの味のジャムつけて食べるのは最高に美味しかった。焼きたてだと食べ過ぎちゃうというのなら、前日に焼いておいたのを翌朝に食べたりすれば良いのかしら……それもどうも違う気がする。

ソーミンチャンプルー
麦茶
今日も朝から真面目にお仕事。明日はお出かけすることにしたので、気合いを入れてせっせと作業。
「おかーさん、おなかすいてきちゃったー」
の声に時計を見たら、ちょうど12時になろうというところだった。麺料理が食べたくて、思い立って「ソーミンチャンプルー」に。

「チャンプルー」の名のとおり、「ソーミンチャンプルー」は沖縄の料理。「ソーミン」は「素麺」のこと。茹でた素麺を野菜やツナなどと共に油で炒める料理だ。味付けも使われる材料もどうやら色々あるらしい。使う油も、サラダ油だったりラードだったり胡麻油だったり。以前どこかの店で食べたソーミンチャンプルーは胡麻油風味で、それがとても美味しかったので私も胡麻油で作ることにした。

中華鍋に胡麻油を熱し、そこに素麺を投入。素麺は表示より短めに茹でてから水にさらし、塩と少量の胡麻油をまぶしておく。で、油切ったツナも加えて炒め合わせ、最後にざく切りにした万能葱も加え混ぜてできあがり。万能葱じゃなくてニラにしてもいいみたいだし、もやしを入れる人もけっこう多い……らしい。

初めて作った割にはまぁまぁ旨そうにできあがり、
「わ!おそばだ!すごーいツルツルしてるねぇ〜」
と息子にも好評だった。何も考えずにありもの材料でやっちゃったけど、もやしと短冊切りのにんじんとかちょっと入れたかったような感じ。

チキンクリームシチュー
水菜と挽き肉のサラダ
いかなごのくぎ煮
羽釜御飯
ビール(San Miguel)

いちごシェーク

夕方息子をジムに連れていき、あれこれ買い物して帰ってきた。今日は冷たい雨のせいでかなり寒く感じて、本当は「白菜と挽き肉の重ね蒸しと具沢山の味噌汁」あたりを予定していたのだけれど、急遽クリームシチューに変更。あったかくてとろ〜んとしたものが食べたくなっちゃったのだった。青い葉っぱをバリバリ食べたい気分でもあったので、水菜をサラダっぽく食べることに。

クリームシチューはこれ以上なく普通な、鶏肉とじゃがいも、玉ねぎ、にんじん入りのもの。とにかく普通な感じのクリームシチューが食べたくて、加える水や牛乳も使ったルーの表示どおりにきっちり入れて作ってみた。缶詰のホールコーンとかコンビーフとか入れたくなってしまったけど、ぐっと我慢。

水菜はざくざく刻んで細切りにした赤いパプリカと共に平皿に盛り、その上からドレッシング代わりの炒め挽き肉をトッピング。生姜、にんにく多めに加えつつ少量の胡麻油で炒めた合い挽き肉は塩と胡椒、ナムプラー、砂糖で適当に調味。ポロポロになるまで炒めて、それを盛りつけた野菜の上にバラバラッとかけて和えつつ食べる。参考にしたレシピ(多分ケンタロウさんの本に載ってたんだった)では刻んだ春キャベツにこの炒め肉をかけて食べることになっていた記憶があるけれど、今日はバリバリとした葉っぱが食べたかったので水菜で。これが思ったよりも美味しくできて、平皿たっぷり1山分の水菜が綺麗になくなった。……上にカリカリニンニクとか散らしても美味しかったかもー。

シチューには似合わないけどと思いつつ、食卓には炊きたて御飯と共に「いかなごのくぎ煮」。
「やばい……やっぱりくぎ煮が旨い……」
「シチューたらふく食べたのに御飯が旨い……」
とか言いながら、もぐもぐもぐ。

デザートはやっぱり苺だろう……と用意しようとしていたら、だんなが口をパクパクと、
「シェ・イ・ク。シェ・イ・ク」
と呟いている。シェイクが飲みたいと。いちごシェイクが飲みたいのだと。

なんで食後にシェイクなんだよそれって変だよ……と反論しようとしたのだけれど、息子が
「シェイク!シェイク嬉しい!」
と狂喜乱舞しているしだんなもずーっとシェイクシェイク言ってるし、苺が大量にあるという事実は事実なので、フードプロセッサーひっぱりだしてシェイク作成。だんなが言うには、
「だって、練乳と苺だと、練乳の甘いところと苺の甘酸っぱいのがバラバラに口に入るじゃん。でもそれがシェイクなら!全てが一体に!旨い!」
なのだそうだ。旨い苺が旨いバニラアイスや旨い練乳と一体になった感じがいいのだそうな。

今日は苺多め、バニラアイスは心もち少なめで、苺苺したシェイクを目指す。「トリビアの泉」が始まった直後にできあがったので、
「こちらが確認のVTRです♪」
なんて言葉を聞きながら親子3人で苺シェイクをちゅるちゅるちゅーと飲み干した。……やっぱり、デザートにシェイクって微妙に変だよ……。

3月24日 木曜日
お昼御飯は人生2回目のトルコ料理。
2日目のシチュー
自家製パンのバタートースト
紅茶(キーマン)
苺withコンデンスミルク
今日は一日外出予定。夕飯は家で食べない予定なので、残ったシチューを減らしておかなきゃということで、昨夜のシチューを今朝も再び食卓に。昨日焼いた自家製パンは、「フライパンで焼いたバタートーストもまた格別」なんて話を『まいにちトースト』(たかはしみき 技術評論社 2004/12)で先日読んだので、「ほんじゃやってみるべかー」と、グリドル(平たく巨大なクレープパンのようなフライパン)にバター溶かして厚切りにしたパンを両面こんがり焼いてみた。

フライパンで焼いたパンは、フレンチトーストのような美しい焼き色がついて見た目もなかなか美味しそう。表面がカリッと焼けて食感も心地よかった。新じゃがごろごろ入れたクリームシチューもしっかり味が馴染んで一層美味しくなって、朝から幸せ。

今日は「お弁当欲しいなー」とのだんなのリクエストにより、だんなの分だけお弁当(本当は手間はあんまり変わらないから、親子3人分作っちゃいたい……)。豚肉の生姜焼きに玉ねぎどっさり混ぜて、あとは水菜のおかか醤油和えと、醤油味の卵焼き。醤油に浸した海苔を間に挟んだ御飯には、いぶりがっこと、心持ち多めのいかなごのくぎ煮を添えておいた。

渋谷 「ANATOLIA」にて
 Iskender Kebabi (Sランチ)
今日の主な予定は川崎の美術館に行くこと。そこから、
「この日都内に行こうと思うので、お渡ししたかったものをお渡ししに……」とTさんと会うことになり、
「夕飯、一緒に食べない?」と仕事後のだんなと待ち合わせて夕御飯を食べることになり、
「じゃあ、ついでにポケモンセンターも行ってみようか」と息子をポケモンセンターに連れて行くことにもなり、
大変に盛りだくさんになることが決まった。

まずはTさんとランチ。
「なんかこう……アジアっぽいの……いや、トルコ料理が食べたくて」
「良いですねぇ、トルコ料理」
ということで、以前友人に連れていってもらったトルコ料理屋さんでランチの営業をしていれば……と思ったのだけれど、残念ながらその店はディナータイムのみの営業ということで、ちょっと調べて行くことになったのが「ANATOLIA」(アナトリア)という渋谷宮益坂にあるトルコ料理屋さん。

ランチメニューは1000〜2000円あたりのものが中心に10種類くらい。主にはケバブのような”炒め肉""焼き肉"っぽいものが並んでいた。
「Sランチ」の「İskender Kebabı」(イスケンデル ケバブ)なるものが、

ぜひ一度はこれを食べなければトルコ通にはなれません。いためたエキメッキを敷き、上にドネルケバブをおき、特製トマトソースをかけ、仕上げは熱く溶けたバターをジュッとかける。

とメニューの説明にあってR> 「これを食べなきゃいけないらしいですよ……」
「じゃあこれにしてみましょうか」
と大人2人はこれを。息子には「Kıymalı Pide」(クイマル ピデ)というトルコのピッツァを。

テーブルには、セットでついてくるお米の入ったトマト味のスープ(塩気少なめの優しい味)とオレンジ色をした甘酸っぱいドレッシングがかかったサラダ、そして焼きたてアツアツのピタパンがやってきた。それをぽちぽちつついて待っていると、けっこうな大きさの角皿に収まった赤くボリュームのある一皿がやってきた。デザートとお茶もセットになっていて、それを平らげる頃にはすっかりお腹一杯に。

「ドネルケバブ」は、土管のような形状に仕立てた肉(羊肉)をぐーるぐーると回しながら焼いてこそいでピタパンに挟んで食べたりする、屋台料理でもよく見かける肉料理。それは知っていたのだけれど、「エキメッキ」ってなに……?と知らずに注文した私。

角皿の端にふわふわとおさまっているのは、サワークリーム。みっちりとたっぷりなボリュームの薄切り肉はしっかりと羊臭く、それがトマトソースにまみれている。そのソースと肉に和えられて混ざっているのが、ニョッキのような食感のモチモチとした物体。これが「エキメッキ」で、エキメッキとはつまりニョッキなのかと思ったら、後で調べたところによるとナンとパンを足して2で割ったようなパンのことなのだそうだ。もっちもっちくにゅくにゅとした面白い食感で、ほんのり酸味のあるソースによく似合っていた。美味しい……美味しいんだけど、量が多くて平らげるのがちょっと大変だった。

デザートは、甘い甘いプリン。カスタードプリンよりはミルクっぽさが少なく、水っぽい食感のプリンでタピオカに似た食感のものが下に入っている……と思ったら、それはお米だった。表面は砂糖が焦がしてあって、パリパリの食感に。甘さはとってもとっても濃厚で、ガラスの小さな器でいただいた紅茶の渋さがとても心地よかった。世の中にはまだまだ知らない味のものがたくさんあるなぁ……と色々と感動しながら、皆よく食べ、大きなピッツァはさすがに息子1人じゃ全部は食べきれなくて包んでもらってお店を出た。

亀戸 「Sizzler」にて
 LSサーロインステーキ200g春たまねぎのソースグリーンペッパー風味
 サラダバー付 \3,750
 ビール(Corona)
午後は息子と2人、Tさんと別れて一路武蔵小杉へ。川崎市民ミュージアムで開催中の「CLAMP 四」なる展覧会に行ってきた。

CLAMPは女性4人の漫画家集団。ここ数年、マガジンなどのメジャー誌で連載をしているし、「カードキャプターさくら」はアニメにもなって小さな女の子たちの支持を得たりしているので、漫画やアニメにあまり詳しくない人でもいくつかの作品名くらいは耳にしたことがあるだろう漫画家だ。10年くらい前までは、王道とはちょっと外れる感じの少女雑誌で連載をしていて、更にその前は10人以上のグループで同人誌活動をしていた。その「ちょっと外れる感じの〜」連載時代の絵柄がすごく好きだった私は、
「その頃の原画が見られるのかぁ……」
と、いそいそと行ってみることにしたのだった。

館内はゆったり見て回れるほどの混雑具合。小学生くらいの女の子は「さくらちゃんだー」と、さくらちゃんの原画を探し歩いては眺めていて、大学生くらいの男の子2人連れは「ちょびっツ」とか「さくら」がやっぱりお目当てな様子。私は他にあまり見る人もいなかった「東京BABYLON」とか「聖伝」時代の絵の前で長めに立ち止まりながら歩いてきた。

漫画家4人の集団と言うけれど、絵を描く(作画する)のは2人だけで、なのに作品によって見事なまでに絵柄を変え、カラーイラストは使う画材まで使い分けるテクニックがただただすごい。1990年代前半、まだ発売され始めたばかりで値段も高く使い勝手も悪かった(粘着力がやけに強かったり弱かったり……)な時代のカラートーンを盛大に使いまくったイラストボードにも色々な意味で「すごい……」と思ったり。
息子は
「あ!このまんが、おうちにあるね!」
「あ、これも、ぼく、知ってるよ」
とか言いながら会場を歩き回っていた。……すみません、こうして見るとえらい数の漫画を持ってますねお母さん……。

展覧会観賞後は、今度は息子サービスだということで日本橋のポケモンセンターに行ってみたり、デパートのおもちゃ売り場で「ムシキング」やってみたり。そうこうしているうちにすっかり夕方になってしまい、休憩がてら漫画喫茶でジュース飲みながら一休み。

で、夕食は10年ぶりくらいに行くんじゃないかという久しぶりの「Sizzler」。食べ応えのあるメインディッシュと共に、これでもかと種類のあるサラダバーが人気で、私が学生の頃は週末や夜には行列しちゃうようなお店だった。

先日ロイヤルホストに行って会員登録だか何だかをしたところ、「お誕生日おめでとうございます。グループ全店20%引き!」というクーポンが我が家に届き、
「へー、シズラーでも使えるんだ」
「久しぶりに行ってみるかー」
と行ってみることになったのだった。多分、だんなと一緒に来るのは初めてじゃないだろうか。息子も当然初めてだ。

私はステーキ、だんなはスペアリブ、息子はキッズメニューのチーズサンドイッチ。それに加えてサラダ食べ放題スープ飲み放題パン食べ放題ソフトドリンク飲み放題ソフトクリームやフルーツも食べ放題というおそろしいサイドメニューがついてくる。サラダコーナーにはカレーライスやタコス、焼きそばなんてものまであるので、このサラダバーだけでも充分すぎるほどお腹一杯になれる。

「あはは、昔は、"ここの鶏肉のグリル、すっごいボリューム!"なんて思っていたのに、今見ると普通かも……」
「スペアリブもハーフサイズで"かわいいなぁ"なんて思うしなぁ」
「おかーさん!ゼリーがあるよ!フルーツもあるよ!」
"食べ放題"にそんなにガツガツする年でもなくなったのだけれど、それでも並ぶ大量の食べ物を見るとわくわくしてしまう。

息子もコーンだフルーツだとサラダの棚をぐるぐると歩き回り、
「……やっぱり全種類食べるのは今回も無理か……」
と思いながら、好きなものを食べられるだけ盛りつけてちょこちょこといただいてきた。セロリ入りの卵のサラダ、シンプルなじゃがいものサラダ、葉野菜刻み野菜もレタスにロメインレタスにほうれん草にクレソンに刻みキャベツに、にんじん玉ねぎピーマンアスパラガスブロッコリー……とふんだんにあり、それも少しずつ。だんなは「御飯があるだろー、ここにタコミートやチーズもあるから……」と、「タコライス」を小皿に作って御満悦。

全体的に「すごーく美味しい」というものでもなく(スープの味がいまいちだったり……)、値段も高めなのだけれど、ソースやトッピングがこれでもかと用意されているソフトクリームマシンにも心ときめかせつつ、家族全員満腹になるまで久しぶりのシズラーを大堪能した。
……次は来るときは昼御飯抜きで来ようかな……。

3月25日 金曜日
外食して帰ってきて、おもむろに「家パフェ」。
「ドーナツプラント」の
 ドーナツ(バニラビーンズ)1/2
 ドーナツ(キャラメル)1/2
カフェオレ
ニューヨーク、チャイナタウンの近くの微妙に不便なところに「Doughnut Plant」というドーナツ屋さんがある。日本にも近年進出してきたDEAN&DELUCAなる高級食材屋さんのペストリーコーナーにもそこの店のドーナツは売られていて、以前ニューヨークに訪れた折、チャイナタウン近くのその店にてくてくてくてく歩いて1個のドーナツを食べに行ったことがあったのだった。あのときは揚げたてからさほど時間が経っていない風の、ほわっと温かいドーナツが食べられてそれはそれは旨かった。その数日前にDEAN&DELUCAで買ったプレーンなものも、それまた素朴な味で悪くなかった。

……で、その「Doughnut Plant」、現在日本でも着々と勢力を広げて販売されているらしい。以前は白金のお店だけの販売で、開店直前はかなりの行列、お一人様何個までという制限があって……なんて噂は色々聞いていたのだけれど、「ほえー、すごいねー……」と"そのうち、機会があれば"くらいの気分でいたら、簡単に買えるように状況は変わってしまっていた。昨日渋谷をぷらぷら歩いていたら、DEAN&DELUCAのテイクアウト専用コーナーでこんもりと積み上がる数種の巨大なドーナツを発見。「お、お、お、この大きさ、このボリュームはドーナツプラント……?」と近寄り、朝御飯用にと3つほど買ってみた。だんなと私用にキャラメル味とバニラビーンズ味、息子は自分で選んでラズベリー味。

「……というわけで、バニラとキャラメルがあるわけですが……どっちか食べてっていいよ」
金曜朝は早起きしてジムに行くことになっているだんなに昨日のうちに伝えると、
「半分食べて行けばいいよね?」
と。
「いや、2種類あるなら、どっちも食べてみたいでしょ?だからバニラとキャラメル半分ずつ切って食べてくよ」
だんなのありがたいお言葉に感謝しながら7時を過ぎて目覚めてみると、半分になったドーナツとコーヒーサーバーにたっぷり残ったコーヒーがちゃんと用意されていた。ううう、だんなどうもありがとう。

1時間後くらいに起きてきた息子と2人、2年半ぶりのドーナツプラントのドーナツを堪能……と言いたかったところだけれど、買った翌日のドーナツは激しく状態が悪かった。アメリカンなドーナツにありがちな、シャクシャクとした歯触りのシュガーコーティングがどのドーナツにもなされているのだけれど(で、そのコーティングの味が各フレーバーの違いを出している)、それがほとんど溶けちゃってグショグショに。それがドーナツの油と混ざり合ってドーナツ内部に浸透しつつあり、全体的にグショグショベトベト。非常にいまいちな口当たりになってしまっていた。

「……うん、ちゃんとキャラメル味とバニラ味なんだけど……」
果肉のツブツブが入っている分、ラズベリー味の方が若干まともな状態だったらしい。でも息子も、いつもの
「おいしいねー、これ、おいしいねー」
の言葉をあまり発さずに、しずか〜に一人もぐもぐ食べていた。……やっぱりいまいちですか……。
……今度は買いたてのをその場で食べることにしよう。

トルコピザの残り
アイスティー
午前中はお仕事お仕事……のはずだったのだけれど、ここのところ少し静かだった片づけ&掃除の神様がまた降臨あそばした。
「ここ触りたいけど……でも触るときっと4時間コースだよなぁ……せめてこのへん片づけよ……」
と、ちまちまちまちま小さな棚の中身を整理してみたり、いらないものを整理してみたり。ああ、いかん、またスイッチがはいった……あそこに小さな籠が欲しいなとか、この書類を入れるケースが欲しいなとか、欲望がわき上がるわき上がる。わき上がりついでにいきなり網戸を綺麗に拭いてまわったりして。

で、直径15cmは軽くありそうな巨大ドーナツを朝御飯に食べたのに11時頃にはお腹がすいちゃって、昨日のトルコ料理屋さんで包んでもらったピザの残りを軽くつまむ昼御飯。軽くクセのある香りが漂うぽそぽそっとしたチーズ(多分フェタチーズ)がトッピングされた、肉っけのないシンプルなピザは、"パンピザ"のようなもちもちとしたもの。周囲の縁の部分がかなり厚めで、そこの食感はピザというよりも限りなく「パン」に近いものだった。

オーブンで5分ほど焼くと、パンもふかふかになって香ばしく。素晴らしく異国の味が漂うピザで、2切れのピザを息子と1切れずつ分け合って囓った。トマトソースはなく、チーズとパセリだけがトッピングされたような感じ。

「物足りないでしょ、焼きそばかうどんでも作ろうか」
「ううん、ぼくね、お外で遊んでくるからね」
「……え……お腹すくよ。あとで、ぜったい」
「だいじょうぶから、だいじょうぶから遊んでくるね」
ピザ1切れで息子は「もう僕は外で遊びたいんだもんね」とばかりに友達の声がしている外に飛び出していった。

千葉 「今日和」にて
 カプレーゼ
 ピッツァ プロシュート
 鴨と長ねぎの山椒風味スパゲティ
 手作りジンジャーエール
 コーラ
……を、息子と2人で

自宅で、手作りチョコパフェ

夕方から、息子の音楽教室。教室に行く直前まで全力で息子は外で遊び、私は部屋の片づけをし、そして教室の頃には案の定めちゃめちゃ空腹になっている私と息子だった。
「おなかすいたー」
「うん、すいたね……でもとりあえず教室はちゃんと出ようね」
「はーい」
と、ヨレヨレ気分で教室に参加し、終了後は千葉パルコ内の無印良品で整理グッズのお買い物。そこで力尽きて、夕御飯を食べて帰っちゃうことにした。だんなは飲み会だというし。

「……さて、そこで御飯なわけですが……ラーメンでも食べに行きますか?」
「んとねー、ぼくはねー、スパゲティかピッツァがいいと思うよー」
「……じゃあ……家帰って作ろうか?」
「ううん、いま食べたいの。クリームのスパゲティかー、生ハムのピッツァ」
「そうですか……生ハムですか……」

生意気な内容をリクエストする息子に脱力しつつ、今いるパルコ内のレストラン案内を見れば、「今日和」(こんにちわ)という名前のイタ飯屋があるらしい。ピザも食べられるらしい。店頭のメニューを見に行ったら、「プロシュート」という名の生ハムのピザがちゃーんと載っていたのだった。もう息子大喜び。結局そのお店に入っちゃうことにした。

和風のパスタがウリのお店らしい。夕食には明らかに早い時間で、店内はお茶とケーキを楽しんでいるお客さんがちらちらといたのだけれど、そんな中、息子と2人がつがつとパスタとピザを平らげてきた。
「ぼくぼく、この、生ハムのピッツァ〜」
「うん、わかったわかった……私、この鴨と長ねぎのパスタにしてみよう。ピザも分けてね?パスタもあげるから」
「うん、いいよー」

パスタ1つピザ1つ、そしてとにかく腹が空いちゃったのですぐに出てくるといいなということでカプレーゼ(モッツァレラチーズとトマトとバジルのサラダ)も1皿。素早く出てきたカプレーゼをありがたーく息子とつつきあい、ピザにはやっぱりソーダ系よねと息子にコーラ、私には「手作りジンジャーエール」なるものを。

全体的に、使われているチーズの風味がいまいち薄くて(というか味気なくて)、どこか物足りなさが漂う味付けだった料理だったけれど、でも手作りジンジャーエールはとてもとても好みな味だった。生姜の辛さがガツンと効いていて、蜂蜜のこってりとした甘さが薄くついている。息子が一口味見して
「からい」
と断言したほど、はっきりくっきりと辛いジンジャーエールだった。美味しいなぁ〜。

美味しいなぁ美味しいなぁとジンジャーエールを飲んでいたら、その間息子はもくもくと料理を平らげているのだった。大体半分こくらいになるかなと思っていたけど、息子はもりもりとピザの2/3を食べ、パスタも半分以上食べ、挙げ句のはてにテーブル上のメニューをうきうき眺めて
「デザートはね、これ」
とか言っている。そこには「チョコレートパフェ」の文字があって、
「や、やめようよ……高いし……ほら、家にアイスクリームもあるしさ、家で作ろうよパフェ。苺も乗せちゃうよ。チョコのソースもちゃんとあるよ」
なだめてなだめて帰ってきた。ああ、とうとう息子がきっちり1人前食べるようになったか……と、感動半分将来への恐怖が半分。

帰宅してから数十分後、約束通り材料揃えて2人でパフェ作って食べた。苺シェイク用に買ってきてあったバニラアイスと、トッピング用にコーンフレーク、チョコフレークの一口菓子、ポッキー、チョコソース、そして苺。生クリームもちゃんと少量泡立てて、絞り出し袋に入れた。あとは材料テーブルに並べて、各々思いのままのパフェを作る。小さめなサイズの器がいいかなと、和風の小さなどんぶりに作ってみた。

「ほらほら、お店のに全然負けてないでしょ。美味しい上に楽しいでしょ」
「うん、うん、チョコソースいーっぱいかけて、いい?」
「……ほどほどにしときな……」

"家パフェ"は息子の心をほんとに鷲掴みにしているようで、毎回毎回そりゃもう嬉しそうにパフェ作りをするのだった。せっかく苺もあることだし、近いうちに苺パフェも作るかなー(やっぱりトッピングはいちごポッキーなのかしら)。

3月26日 土曜日
"まぐろのほほ肉づけにぎり"なるものを食べました。……おいしー。
肉うどん
麦茶
今日は息子の音楽教室の発表会。息子は通い初めて1年目の幼児教室なので、今回は他の教室の子供も含めて30人くらいで2曲歌を歌うだけの参加だ。それでも「白いくつした、ある?なかったら、買わなきゃねおかあさん」「このバッジをつけて、歌うんだよー」と、息子なりに楽しみにしていた模様。4時開演だというし、のんびり夕方に行けばいいのねと案内のペーパーをぺろっと見て勝手に思っていたのだけれど、2時過ぎには家を出なきゃいけないそうで半日がかりの大仕事となった。

朝御飯は、うどんを茹でて。そろそろ食べなきゃと思っていた牛の薄切り肉があったので、それを玉ねぎと共に酒と醤油と味醂と砂糖でコテッとした味に煮付けてトッピングすることにした。残しておいても半端な分量になりそうだった牛肉だったので、「多いなぁ」と思いつつ煮付けてしまい、「やっぱり多いなぁ」と思いつつ結局それを全部トッピング。

「おー、うまそうまそ。……生卵落として食べよ……」
と、だんながますます危険な思いつきを実行にうつし、朝から「スタミナ」を絵に描いたようながっしりしたうどん料理を食べてしまった。
崩した気味が肉に絡むと、すきやき食べているみたいな良い気分。

千葉 「銚子丸」にて
 なめろう
 季節の劇団セット
 黒ムツ(……多分)
 甘海老サラダ軍艦
 鰹
 いなだ
 本鮪 ほほ肉づけにぎり
 あら汁(ランチサービス)・お茶
……などなど。今日はお安くて、家族全員で3000円ほどでしたとさ。
うどんはたっぷり食べたはずなのに、「おなか、すいちゃったなー」とか言う息子。私とだんなは適当な格好だけれど、息子は黒ズボンに白シャツ、白ハイソックスに黒い靴という「正装」に近い出で立ちで、
「……この服汚さないで食べられるものっって、あるかな……」
と、早めに移動して出てきた千葉駅界隈でちょっと悩む。発表会の会場は、ここからバスに乗って行かなきゃいけない。

「ちょうしまるがいいなー」
「……あ、ここにNathans(←ホットドッグ屋さん)できたんだよね……ホットドッグもいいな」
「うん、いいかも」
「ちょうしまるがいいなー」
「でも銚子丸、行列だよ」
「うん、混んでるよ……」
「でも、ぼくはー、ちょうしまるがいいなー」

息子は一度「これがいいなー」と言い出すとそれを頑固なまでに曲げない人なので、「まぁいいか銚子丸で……」と、回転寿司「銚子丸」へ。今日は朝食たっぷり摂ったし、夕飯までお腹空かないように食べておこうねというくらいの意気込みだったので、ちゃちゃっと5皿分くらいつまんで店を出た。今日も「これ食べるー?」「この鰹、おゆきさんも食べるー?」と1皿2貫の寿司をだんなと1貫ずつ分け合ったりしたので、種類はたっぷり。

季節の5貫握り(商品名が「季節の劇団セット」に変わっていた……)は、今日はあおやぎとぼたん海老、真鯛と鰹とまぐろ。好物のなめろうももらい、"イロモノ系メニュー"の中から甘海老サラダ軍艦ももらい、そしてぐーるぐる目の前を移動していく皿から1つ取ったのは多分「黒ムツ」。皮が黒っぽくキラキラと光っていたこの魚、滅多に店で見かけない外見で、黒板の「今日のおすすめ」のところに「黒ムツ」の文字があったから、多分そうなのかなぁと。

とろ〜んととろけるような口当たりで脂が乗っていた「いなだ」(ぶりの若いの)や、定番の「なめろう」(青魚を香味野菜と一緒に味噌加えて叩いたやつ)が今日は幸せに美味しかった。最後にもらった「本鮪のほほ肉のづけ」の握りなるものも、歯応えはあるもののトロッとした口当たりで味も濃厚。見た目が牛肉のたたきにも似て、ちょっと不思議な寿司だった。

稲毛 「サイゼリヤ」にて
 ポークソーセージ(だんなと半分こ) \399
 マルゲリータピザ \399
 生ビール\399
で、息子の発表会。
「ここで体をゆらしてね、右からね」
「最後はシャラーンって、右手を上に上げるんだよ」
事前に何週にも渡ってあれこれ先生から指導を受けていたものの、初めて浴びるスポットライトと大きなホールでの観客の多さにすっかり呑まれて、直立不動の子供達。ぎくしゃくしちゃって笑顔どころじゃなかったけど、それでもちゃんとでっかい声を出して歌いまくってきた。

私もだんなも子供の頃、同じ音楽教室に通っていたことがある。そうそうグループレッスンってこういうことやって楽しかったんだよなぁ……と昔を思い出させるエレクトーンのグループ演奏がその後ずっと続く。20年前も今も変わらずエレクトーンだけれど、その性能はとんでもなく良くなったみたい。演奏者1人1人がフロッピーを持参して、それをカシャコンとセットするだけで各台の音設定が一瞬で終わる。打楽器やシンセサイザー系の効果音もこれでもかと出てきて、どこが背景の演奏でどこが実際に子供が弾いている部分なのかの区別もつきにくいような感じだった。

「夕飯……いかなごのくぎ煮で白い御飯食べたい……」
「じゃあ、豚汁しようか。でー、私はビールが恋しいからそれっぽいおかずを……」
「お、豚が安いよ」
「ポークソテーかなぁ……」

発表会は3時間ほども続くみたいで、全てを最後まで見るのは大変そうだったので(終わる頃にはきっと真っ暗だろうし)、夕方途中で抜けてきた。だんなと相談しながらあれこれお買い物してじゃあ家で御飯作ろうねと電車に乗って時計を見たらもう7時間近。まだまだ6時くらいのつもりであれこれ考えていたのだけれど、今から家帰って豚汁作って御飯炊いてじゃ夕飯は8時半近くになってしまう。それはなんだかイヤだなぁと、
「じゃあね、サイゼリヤがいいなー」
の息子の一言で夕飯は急遽サイゼリヤに。ビール飲んで炒め肉をガーッと食べたい気分ではあったのだけれどそれは明日に延期して、サイゼリヤでビールガーッと飲んでソーセージガーッとつまんで小型のピザ1枚をガーッと食べてきた。

あんまり「ガーッと」という分量の料理じゃないお店なのだけれど、でもなにしろ不気味なほどに色々安い。生ビールの中ジョッキが399円というのもかなり安いと思うけれど、だんなの頼んだ「半熟卵のミラノ風ドリア」が359円、息子の「キッズプレート」が199円(ミニハンバーグとソーセージ、クリームソース和えマカロニのミートソースがけに、バターコーン、フライドポテト、一口ゼリーが2つという内容で)というのは笑っちゃうの通り越して「……なぜ?」と顔がひきつってしまいそうなお値段だ。ちょっとどうかしていると思うこの価格設定。味は当然激しくジャンクだけれど、でも不味くないのよ。旨いのよ。自分で作ったピザ生地に水牛のモッツァレラチーズ乗せて……という方がそりゃもう絶対美味しいのだけれど、それとは別のベクトルで、こういう食べ物も大好きな私(とだんな、そして息子……)。

ちょっと遅めの昼御飯にお寿司も食べたしと、ビール片手にブリブリのソーセージとスパイシーな揚げ芋にケチャップこてこてつけながら囓り、うす〜くトマトソース塗ってチーズ散らしただけのピザにかぶりつく。息子は今日もきっちりと
「この、コーンスープと、キッズセットと、おこさまドリンクバーをください」
と自分で注文し、朝も昼もたいそう良く食べていたのに夜もしっかり完食した。小学校入学、給食人生スタートを目前に控え、息子の食欲はますます絶好調の模様……(残ったおかずや牛乳奪い合って飲むタイプだわ絶対……)。

3月27日 日曜日
バターたっぷり、テラテラのポークソテーをだんなが作ってくれました
「アンデルセン」の
 ストロベリーパイ
 チョコのなんとか
カフェオレ
日曜の今日、ゆっくり寝ていたいところだったけれどやたらと早く目が覚めてしまい、パソコンに向かう。休みの日は基本的に仕事はしない事にしているのだけれど、「RSS(←サイトの要約を配布するツール……というか書式。私が使いたいのはブログのタイトルと概要)を静的なホームページに表示させる」というものに先日から取りかかっていて、それがなかなかうまいこといってくれない。ここ数日それが解決しなくて暇さえあればそれを考えてしまうのだった。昨日布団の中で「そうか!ああいうことすればいいのか!」と何かが閃いて、今朝は起きるなりその作業に。めでたく問題は解決した。ばんざーいばんざーいばんざーい。

朝御飯は、昨日買ってきた「アンデルセン」の甘いパン。何故だか無性に甘いパンが食べたくて、いつもは「甘いの1個、甘くないの1個」と自分なりに考えて選んでいたのだけれど、昨日買ってきたのはカスタードクリームと苺が詰まった丸いパイと、ふわふわパンにカスタードクリーム挟んでパンの表面にバタークランチ散らしてチョココーティングもされているという、説明するだけでどっしり感に胃が重くなりそうな2品。私だけじゃなく、だんなと息子も甘いものだらけで「一体どうしちゃったんだ」というセレクションのパン袋となってしまった。

苦めのコーヒーをだんなに淹れてもらって、くぴくぴ飲みながらその甘いパンを。家族全員、カスタードクリーム分とかチョコクリーム分とかが足りなかった模様だ。そしてパン袋にはほとんど全てに「本日中にお召し上がりください」のシールが貼られていたけれど、それも軽やかに無視されてしまっていたのだった。

ざるそば
天ぷらいろいろ
麦茶
だんなはジムに。私は朝から入りっぱなしの「お仕事スイッチ」が相変わらず切れなくて、あれやったりこれやったり。仕事のみならず妙に活動的になっちゃって、整理整頓の神様まで降臨してきてしまった。仕事が一段落するやいなや、ずっと気になっていたベッドルームの洋服ハンガーと押入の大整理を決行。だんなが帰ってきた時はベッドの上が大量の服で溢れて大変な状態になっていた。

「おかあさんはね、お片づけしてるんだよ。ぼくもね、ハンガーのお手伝いしてるんだよ」
「あはは……そういうわけです……」

"今から帰るよ"電話にそのように答えたら、昼食のおかずにと天ぷらを買ってきてくれた。日本蕎麦を茹でて、お昼御飯は天ざるに。買ってきてくれたのはさつまいもにイカに海老に3種のかき揚げにとなかなかのボリュームで、
「おかあさん、おいもはんぶん、どうぞ?」
「じゃあ、皿の上にたこかき揚げ半分残しておくね」
「おゆきさん、俺の海老かき揚げ半分喰う?」
と、各種少しずつ皆でつつきあっていただいた。

お義母さんが折々にお裾分けしてくれるのを使っている我が家のお蕎麦は、信州の「小妻屋本店」の「名代手折りそば」。表面がザラッとした食感の素朴な味の蕎麦自体も美味しいけれど、添付の濃縮つゆが辛すぎず甘すぎずでとても好みな味だったりする。

だんな特製ポークソテー
千切りキャベツ
ほうれん草のおひたし
いかなごのくぎ煮
ねぎとろ
豚汁
羽釜御飯
ビール(モルツ)・ほうじ茶
「はぁ……早起きしたから眠いよ……。でも片づけ残ってるし、さっき届いた"のだめ"読みたいし……」
昼食後、口の中に残る蕎麦の匂いを楽しみながらもごもご言っていたら、
「とりあえず、片づけはうっちゃって寝たら?……したら夕飯俺が作るし」
私の前に、神がいた。神!千秋先輩!ぎゃぼー!

……先日、漫画喫茶でうっかり読み始めちゃってすっかりハマッた『のだめカンタービレ』。音大に通う「のだめ(野田恵)」なる女の子(ピアノは天才肌、でもド天然なズボラ人間)と、彼女が恋する「千秋先輩」(ピアノとバイオリンが上手い指揮者志望の努力型天才、几帳面で家事万能)の2人が中心となるオーケストラどたばた活劇……という感じの漫画で、だんなが漫画喫茶で読んで「これ、いいよ、面白いよ」とずっと言っていたのだった。……続きが読みたくて、結局ネット本屋で一気大人買い。今日それが全巻届いた。

だんなは「ほら、料理スイッチは、俺簡単に入るから」と言ってくれて、私が何かに夢中になると、とことんそれに夢中になるタチなのをよ〜く理解してくれている。そう、ここ2週間ばかり、私の優先順位は「掃除片づけ>仕事>>料理を含めた家事」(そして頻繁に仕事と片づけが入れ替わる)になってしまっているのをわかってくれているのだった。ありがたやありがたや〜……と、昼寝はしないでおいて片づけ続行。数ヶ月ぶりにベッドルームのハンガーラックがとても美しく片づいた。なんとかしなきゃと思いつつ堆積していた普段着の山が、きっちり収納されてめでたく消滅。

その間、だんなは洗濯物を畳み、「これ、まだちょっと湿ってるよ、おゆきさんの服」「あー……そのへん置いといて、ハンガーかけるから……」という会話の後、うっちゃったままにしていた私の服を「ヨレちゃうし、下が濡れちゃうでしょー、もー」とハンガー出してきて干してくれ、いつのまにかお風呂まで沸いていて、「じゃあ夕飯の準備しますかねー」と米研いでくれていたりして……いつも以上にだんなの背後に後光が見えた。ああステキステキ。私は背後で「ぎゃぼー」とか言っていることにするよ。(←「ぎゃぼー」は"のだめ"の口癖……)

で、結局、早めの入浴の後に私がした夕食の準備は、千切りキャベツを作ることとか、味噌汁用の長ねぎを刻むこととか、ねぎとろに混ぜる用の万能葱を刻むこととか、食器を出すこととか。いつのまにか豚汁が美味しく煮えていて、ジュージューいい音をたてるポークソテーができあがっていた。

我が家のポークソテーの味付けは、肉の塩胡椒の他は、ウィスキーとバターと醤油。両面焼き付けた肉にウィスキーをジャッと加えて火をつけ、フランベした後にバターと醤油を投入して軽く煮詰めてソースにする。今日はまた思い切った量のバターを入れたね……?という風のテリのあるポークソテーで、ちょい濃いめの味がビールと御飯にすさまじく良く似合っていた。このソースを吸った千切りキャベツがまた、それだけで御飯2膳はいけちゃうくらいに美味しい。

今日は、くぎ煮とかねぎとろなんかの御飯の友もたくさんあって、ちょっと困っちゃう夕御飯。