食欲魔人日記 07年02月 第3週
2月12日 月曜日
美味しそうなあん肝が安かったので
鶏おじや
麦茶

昨日の水炊き、スープがまだちょっと土鍋に残っている。昨日は餅やうどんを入れて食べたのだけれど、今日は満を持して「おじや」にする。あんまり美味しくできたスープだったので
「卵入れるって感じじゃないなぁ……七味唐辛子とか黒胡椒も何だか違う……」
と、加えたのは御飯のみのシンプルな真っ白なおじや。鍋に残されていた骨つき肉は、骨を除いて細かくほぐしておじやに混ぜた。

火を入れる前は、見事なまでの「煮こごり」状態。スープの上から下まで、見事にプルプルとゼリー状に固まっていて、
「だんなー、見事な煮こごりー!」
と、思わず火を入れる前にだんなに声をかける。おおー、煮こごりだねープルプルだねーと2人でうっとりと鍋の中を見つめてから、いざ点火。スープの旨味も甘味も全て吸いこんだ美味しいおじやができた。

水炊き、やっぱりいいなぁ。今シーズン中にもう1回くらい作りたいけれど、そう思うのが厳しく感じるほどに今日も暖かい。

「どん亭」にて
 牛しゃぶお替わり自由定食 \1,680
 生ビール \520

どうもこの連休、我が家は「肉の呪い」に苛まれていたらしい。一昨日はステーキ、昨日は水炊き。で、今日。

「ホームセンターにね、行きたいんだよ。板買いたいの。そこの棚用の」
「ホームセンター行くなら……しゃぶしゃぶ?」
「しゃぶしゃぶ食べ放題?」
「そう……」

肉続きだよ、なんでそうなる?と顔を見合わせて苦笑いして、でも誰も止める者もおらず、どん亭で「牛しゃぶお替わり自由定食」1680円。牛しゃぶと豚しゃぶ、野菜盛り、御飯、うどん、中華麺が食べ放題。家族全員その定食ねと頼んだら、最初に牛肉の皿が3枚(3人分)と野菜3人分、御飯3人分、うどん(ふっっといのが1人2本)3人分が目の前にやってきて、大変なことになった。野菜多いー肉多いーとヒーヒー言いつつ、しっかり豚皿も追加で持ってきてもらいつつ、結局牛肉4皿、豚肉1.5皿を平らげた。「あと半皿分だけください」とリクエストするとその通りに持ってきてもらえるのが嬉しいところ。

食べ放題で1680円という価格に見合った、牛肉はしっかり赤身たっぷりのものなのだけれど、これが逆にするするといくらでも口に入れられて危険な感じ。ポン酢と胡麻だれの味もけっこう好みなので、今日も肉と野菜を盛大に堪能してしまった。最後には中華麺を1玉だけもらってみたのだけれど、茹で汁でちょっと薄めた胡麻だれにつけて食べるのがまた良い具合。

すっかり腹一杯になったところで、予定どおり板やら何やらを買って帰ってきた。あと、昨秋に金魚がバタバタと死に絶えてしまって(←多分伝染性の病気で……)以来、ずっと空だった水槽に入れるための金魚も買ってきた。今度は「コメット」という、シュッと長い体型の「飼いやすいです」マークがついていた金魚。同じ水槽からもらってきた金魚ということもあってか、3匹の金魚は、身体を寄せ合うようにして水槽内をあっちにうろうろこっちにうろうろしている。早く慣れて、餌の度に水面に上がってくるようにならないかなー。

卵豆腐
あんきもポン酢
まぐろのお刺身
しじみの味噌汁
羽釜御飯
ビール(DraftOne)

肉の呪いは終わったね、もう魚にしようねと、安売りされていたマグロのサクを買ってきた。お手頃価格だったあんきもも。
さすがに昼に食べ過ぎの感があるので、夜は少々遅めに、お風呂を入ってから、軽くビール飲んで軽くつまむ程度にとどめてみた。御飯も軽く軽く。

あんきもは、アルミホイルでびっちりくるんでから、蒸すこと5分ほど。一口大に切って刻み万能葱とポン酢をかけるだけ。あと1分ほど長く蒸せば良かったかな?という火の通り具合だったけれど、蒸しなおしが必要なほどの生状態でもなく、プルプルと口に入れた途端にとろけそうなほどに柔らかい。臭みもなく美味しいあんきもだった。

2月13日 火曜日
ねぎ豚。ねぎも豚も同じ色に煮えました。
「ヤマザキ」のナイススティック
カフェオレ

「ほらほら、頭脳パン売ってるよ」
昨日パン屋で頭脳パンを見つけた私が、ほらほらとだんなを手招きすると、
「俺は別に、頭脳パンが好きというわけじゃあないんだよ」
と返された。

先日「牛乳パン」を買ってきた時に「なにそれ、頭脳パンみたいなやつ?」と言われたので、このヒトは頭脳パンがお好きなのかしらと思ったのだけれど、そういうわけではなかったらしい。いろんな菓子パンあるねぇと特売ワゴンを眺めていたら、やたらと細長い袋入りコッペパン状のパンと目が合った。「ナイススティック」と書いてある。

「……ナイス、スティック?なんじゃこりゃ」
「ああ、これ旨いよねぇ。昔けっこう食べてたよ」
……だんなは色々と良く知っている。クリーム入りって書いてあるよ、要するに"ソフトフランス"みたいな……?とだんなに聞けば、そんな感じだよと。面白いので3つ買ってきてみた。私はナイススティック初体験。公式ページによると、確かに
「ヤマザキを代表する、ロングセラーの菓子パンです」
とあって、けっこう昔から売られていた菓子パンみたいだ。

マーガリンとグラニュー糖で出来たような、いかにもな甘いクリームが端から端まで詰まったパン。
「……長いね」
「うん、長い」
「……甘いね」
「うん、甘い」
だんなは今日も元気に朝ジムに出かけて行ったので、息子と2人、長いパンをもしゃもしゃと食べる。

「シェ・ケン」の
 ビーフシチュー弁当
アイスティー

明日はバレンタインデー。直前にチョコを求めて混雑した都心に出るのも嫌だなぁと、今年は既に通販で明日の午前中に届くように申し込みを済ませてある。
「……でも、チョコだらけになってるだろうデパートもちょっと見たい……」
と、午前中にふらりと千葉そごうにお出かけ。折しも「北九州物産展」開催中で、それと館内のビーズショップに寄るのが主な目的だったりした。

息子が先日外出中に見つけて「これ!これ作って!食べてみたい!」と騒いでいた、苺入りのホワイトチョコ作成キットをLOFTで見つけ、欲しかったビーズのパーツもいくつか購入し、そして物産展会場で想定以上のお買い物を色々と。一斗がめ量り売りをしていた、芋焼酎の原酒「古甕造り」を試飲して、とても好みな味だったので4合瓶を購入。お酒のブースに他のお客さんがいなかったせいもあると思うけど、
「これ!この米焼酎がまた美味しいんですよぅ、お味見だけでいいから、ね?」
と、ふくよかでこれまた美味しかった(でもお高くて手が出せなかった……)米焼酎も紙コップに注いでいただき、他にも何種類か「これもどうぞ」「それもどうぞ」と注いでもらってしまって、すっかり良い気分に。御機嫌なまま、財布の紐もゆるませつつ、美味しそうなさつま揚げとか鯖寿司を買ってきてしまった。

昼御飯には、デパ地下で買ってきたシェ・ケンのお弁当。洋風のお弁当が良いなといくつかのお総菜屋さんを見て、ボリュームは少なめではあったのだけれど一番美味しそうなお弁当を買ってみた。母体がフランス料理のお店だけあって、とてもしっかりした味の手の込んだお弁当。サフランライスに紫キャベツのマリネ、ブロッコリー、にんじんのグラッセ、ポテトのグラタンにビーフシチューという内容で600円ちょっとだったと思う。「……御飯の盛りが、ちょっと物足りない……」と思いつつ買ってきたのだけれど、食べてみるとこれがちょうど良い分量だったりした。私も年なんだから、「盛りが少ない」とかいうことをお弁当選択の基準にするのはそろそろ辞めたいと思う。

ポテトグラタンのベシャメルソースはきちんと自家製らしき味がするし、にんじんのグラッセも良い味。そして何と言っても、ビーフシチューの柔らかく火の通った肉のホロホロ加減と、濃厚なドミグラスソースの味が良かった。手頃な価格のオードブルセットも売られているし、密かに気に入っているお店だ。千葉県内にいくつかお店を構えているフレンチレストラン、またお店に食べに行きたいわぁ。

九州物産展で買ってきた
 さつま揚げ色々
 鯖寿司
ねぎ豚 茹でもやし添え
豆腐とじゃがいもの味噌汁
焼酎(古甕造り/吹上焼酎)
カステラ

せっかく美味しい焼酎と、焼酎のおつまみになりそうなものを買ってきたので、夕飯はそれらを出すことに。さつま揚げは「人参入り」「きくらげ入り」「ごぼう入り」と色々具の違った7種類ほどの詰め合わせで、鯖寿司は棒状の大きな1本。メインのおかずがさつま揚げだけだというのは少々寂しいので、「ねぎ豚」なるものを作ってみた。ケンタロウさんのレシピで、煮えた後は御飯に上にかけて食べると良いらしい。今日は酒のアテということで、御飯に添えずにつまみとしてつついてみることに。

鍋底に、鍋の直径に合わせて切った葱を数本分並べ、豚バラ肉は一口大に。醤油と紹興酒を1/2カップずつと水を1カップ加えたら、あとは弱火でことこと1時間半ほど煮ていくだけだという。最初は「葱のざぶとん」の上に肉が乗っている状態なので、あまり調味料に浸っていないのだけれど、煮ているうちに葱が柔らかくなり、肉にも良い具合に火が通っていく。最後は葱も肉も同じ色に煮上がって、できあがり。もやしが恋しいところだったので、ねぎ豚の下に茹でたもやしをどっさり敷いておいた。

そしてだんなと一緒に吹上焼酎 「古甕造り」をちびちびロックで飲みながらの夕御飯。息子にはマグロのお刺身の残りと玉子焼きを出してあげたところ、鯖寿司よりこちらが良いと、白い御飯に盛りつけてあれこれ楽しんで食べている。さつま揚げも興味深そうに
「これは、何入り?こっちは辛くない?」
とか言いながら何種類かつついていた。

原酒の芋焼酎は、芋独特のまろ〜んとした甘さのある美味しいお酒。とても良い香りの美味しいお酒で、ついつい2杯ほどペースを早めて飲んでしまった。肉厚の美味しい鯖寿司も堪能して、今日はすっかり酔っぱらい。

2月14日 水曜日
今日はバレンタインデーだったのでした
「蜂の家」のカレーパン
カフェオレ
ヨーグルト

昨日九州物産展で買ってきたカレーパン。カレーのお店の名物カレーパンで、「蜂の家」というお店のものだ。
「自慢のカレーですよぅ!このカレーを使ったカレーパンも人気ですよぅ!」
と、エレベーター降りてすぐのところでいかにも美味しそうなそれが売られていて、思わず買ってきてしまったのだった。

キーマカレーのようなものではなく、粘度高めのねっとりとした濃厚なカレーが詰まった優しい味のカレーパン。パン生地がふわふわで表面のごく薄い層だけがカリッとしていて香ばしい。後から少しだけじわりとした辛さが感じられるカレーで、いかにも「カレー屋さんのカレーパン」という感じのものだった。

カレーパンとカフェオレとヨーグルトで、なんとなく統一感がありそうな朝御飯。

ジャムバターサンド
アスパラのアンチョビマヨネーズ添え
紅茶

今日のお昼過ぎまでは、すごくすごく平和だった。急ぎの仕事もなく、のんびり本読んでみたり音楽流してみたり、家の片づけをしてみたり。

昼御飯は、無性に「ジャムバターサンド」が恋しくなってしまったので、買い置きのサンドイッチ用のパン1枚の左半分にバターを塗り、右半分に苺ジャムを塗ってパタンと閉じてジャムバターサンドにして食べてみたり。青いものが欲しいなと、アスパラを茹でて叩いたアンチョビを混ぜたマヨネーズを添えてみた。カップに大量に淹れたアッサムティーなど飲みつつ、お昼ものんびりと。

これがのんびりじゃなくなったのが午後3時を回った頃で、
「明後日から、お宅、工事でしたよね」
と工事会社のおっちゃんが概要を説明に来た時。

我が家が入居している、古い集合住宅の天井に補修の必要があるという話で、我が家の工事は今週末の3日間ということになっていた。「天井が3cmほど下がります」ということと「床の上、棚の上などに荷物がないよう、片づけてください」という程度の話だったので、それなら家具の移動はほとんど必要なさそうだしさほど難しい準備じゃないわねと思っていたのだけれど、これが実際はものすごく大変で。

天井はなんと7cmも下がるそうで、家具の移動も「どうしても動かせないもの」以外はその部屋から出す必要があるらしい。ベッドは壁に立てるように移動させ、思った以上に大変な準備をしなければならないようだった。何より困ったのは、天井突っ張り式の本棚の棚板を組み替える必要があるということ。棚板を組み替えるには本を一度出さなければいけないので、夕方から「これは大変」とその作業にかかったのだった。一度本を出してしまうと「あ、これもう要らない」というのも出てきてしまうので、棚板組み替えと平行して本の整理も始まってしまう。その他にも色々たくさん、工事までに準備が必要な様子だった。金曜日の工事開始に向けて、多分明日は修羅場な予感。

マッケンチーズ
だんなが買ってきてくれた
 手羽先・鶏から
 ハム入りグリーンサラダ
ビール(サッポロ一番絞り)

カフェオレ
チョコレート菓子いろいろ

今日の夜はマッケンチーズにするよ、と息子と約束をしていたので、それだけは約束を守って準備。でも他の料理は結局全然できなかった。本棚のまわりも家の中も大変なことになっている。だんなに現状を説明して、おかずをあれこれ買ってきてもらった。甘辛味の手羽先と鶏の唐揚げ、ハム入りのグリーンサラダ。

今日は食後に当然ながらチョコレートもあるしね、ということで茹でるマカロニは少なめにしようかと思ったのだけれど、息子が羨望の眼差しでチーズとマカロニを見比べていたので、結局いつも通りの300g強のマカロニを茹でた。バターと薄力粉と牛乳でホワイトソースを作って削ったチェダーチーズを溶かし、茹でたマカロニと和えるだけ……だけど、息子は相変わらずこの料理が大好物。どうやら300gでは全員微妙に物足らないらしい、ということを学びつつ、息子の分はとにかくたっぷりのマッケンチーズをよそってやった。

食後は、チョコレートを色々と。
だんなは職場の関係者などから数箱のチョコレートをいただいたそうで、ゴディバにテオブロマにと、テーブルの上はなかなか賑やか。今年は友人のT先生も「せりあさん宅の男性陣に」とオレンジ風味のケーキとチョコクッキーをくださって、ますます豪華なことになっている。

私が選んだのは、気合いを入れてピエール・マルコリーニ(Pierre Marcolini)。美味しいですよ、という話をどこかで聞いて(その分お値段も大変に気合いが入っている……)、一度は買ってみようと思っていたお店だった。6種類ほどの詰め合わせの箱とトリュフのセットの2種類を買ってみたのだけれど、リキュールの香りなどがしっかり香る、濃厚に甘いチョコレート。上品な味で確かにとても美味しかった。

2月15日 木曜日
疲れた身体にテールスープ
ホットサンド(卵&チーズ)
カフェオレ

ハムとかコンビーフなしのホットサンドがなんだか恋しくて、朝御飯は卵(マヨネーズ和え)とチーズのホットサンド。卵は1人1個ずつの分量でたっぷりめに用意した。チーズもたっぷり詰めたので、全体的にボリュームのあるホットサンドが完成。今日は一日あちこち片づけをする予定なので、ちゃんと食べておかなければ。

親子丼(インスタント)
麦茶

息子の本日の給食は
麦御飯・親子煮・鰺の胡麻みりん干し・漬物・いよかん・牛乳
という、なかなか渋い組み合わせ。
「いいな、親子煮いいな」
「ああ、要するに親子丼なのね。いいないいな」
いいないいなとだんなと私で盛り上がり、だから私も親子丼。

明日は台所の工事があるので食卓のテーブルや椅子、一部の棚を動かさなければならないので、料理をするのは難しそうだなと、100円ショップに整理用の小物を買いがてら、マルハのレトルト親子丼の具を買ってきてみた。冷凍御飯をチンして、湯煎で温めたレトルトパックをかけるだけ。

よく考えたら、親子丼だったら小鍋ひとつあれば、あとは鶏肉と卵(と酒と味醂と醤油)でできるものなので、何もレトルトパックを買ってこなくても良かったのかも、と思った時には既に遅し。
「……そうだよ、久しぶりに食べたけど、こういう味だったよ」
としみじみ思い出してしまいながら丼飯をわしわしと食べた。独特の化学調味料味がするのよね……。

「牛角」にて
 やみつき塩キャベツ \290
 キムチ盛り \590
 牛角サラダ \680
 韓国のり 2×\190
 ネギ三味盛り(塩ダレ) \1980
 大盛りソーセージ \980
 ニンニクホイル焼き \390
 ごはん(中) \240
 ごはん(小) ¥190
 コク旨テールスープ \790
 生ビール 4×\490
 りんごジュース \290
肉はあまり食べず。

夜になって、ますます台所は大変なことに。台所そのものはすっかり綺麗になったけれど、テーブルは居間に移動し、その上下は台所用品が小山になっている。家で食べるのは無理そうです、とだんなに告げれば「焼き肉な気分です」という、ちょっと飛躍した返事が返ってきた。焼き肉焼き肉、久しく「牛角」行ってないねぇと夕食は久しぶりの「牛角」ということになったのだけれどメニューがずいぶん変わっていた。以前はそれほど無かった「盛り合わせ」メニューが増えて、細かく色々と変化がある。聞けば、母体の企業が変わったのであるらしい。

盛り合わせが多いのは手軽で良いかもねと「ネギ三味盛り」と「大盛りソーセージ」なるものを注文してみたのだけれど、どちらも、なんだか今ひとつ。「ネギ〜」は豚2種類に牛1種類という組み合わせ、大盛りソーセージは骨つきソーセージ1本にロングソーセージ2本、そしてベーコンという内容で、以前気に入って来ていた頃の「安っぽいけど好みな感じのジャンクっぽさ」が「ただ安っぽいだけ」という感じに。最後に頼んだ「コク旨テールスープ」のスープそのものは美味しかったのに肉部分が固くて食べられたものではなかったのも大変に悲しかった。

も、もう牛角行かないかも……。しくしくしく。

2月16日 金曜日
名物オムライスはとろふわでした
「ミスタードーナツ」の
 焼きいもセサミパイ
 チョコファッション
カフェオレ

今日は工事の日。「金曜は台所と廊下の工事をします、土日で残りの部屋を」という話だったので、台所の荷物は全て他の部屋に移動させてある。皿は出せるけど、コーヒーメーカーは居間にあって、コーヒー缶も定位置になく適当に寄せられている。引っ越し前夜のような、なかなか大変な眺めになっていた。
それでも根性でだんながコーヒーを淹れてくれたので、ありがたくそれを飲みつつ昨夜買ってきたドーナツを囓る。

私は温めた焼きいもセサミパイと、チョコファッション。オーブンも使えるので、パイ類はちゃんと温めてからいただいた。スイートポテトパイは、ミスドに限らずパン屋さんでも時々恋しくなる味。さつまいもはさほど好物でもないのだけれど、「スイートポテト」は別格で、とりわけ「スイートポテトパイ」は大好物。でもパンプキンパイやミートパイも同様に大好きなので、つまり私は「パイ」が好きというだけじゃないかと。

船橋「ビストロ ヒロ」にて
 ヒロ特製オムライス(サラダ付) \800
 スープ(セット) \150

朝8時半きっかりに「おはようございまーす!工事はじめさせていただきまーす!」と工事のおっちゃんらがやってきた。家人は工事終了の夕方まで、家を空けなければいけないことになっている。早々に家を追い出されて、向かったのは事前に「かくかくしかじかで家を追い出されるので遊びに行ってもいいでしょうか」とお願いしてあった、友人宅だ。

美味しい茉莉花茶などいただきつつ、午前中はひたすらおしゃべり。お昼になってから
「洋食屋さん行ってみる?オムライスが名物で美味しいんだよ〜」
と教えてもらったお店に向かってみた。「ビストロ ヒロ」という、大きな洋食屋さんで、1階は普通の洋食屋さんの内装ながら、2階にはなぜか障子つきの和室の宴会場があるお店。よくここで友人一族が集まって会食したりするのだそうだ。

オムライスは、
「大人気のヒロ特製オムライス!ふんわり卵と特製ソースとのハーモニーがなんとも言えません。是非お試し下さいませ。 」
などと紹介されているもので、写真のようなちょっと独特な外見のもの。円形にまとめられたチキンライスの上にふわっと丸く大きく半熟卵がかぶせられ、上からはドミグラスソースと少しばかり酸味のある淡いオレンジ色のソースの2種類がかけられている。飾りにパセリ、そしてきのこもたっぷり入っていた。平たく盛られているので、見た目よりは分量が軽め。

150円のスープをセットにしてもらったところ、このスープがまためちゃめちゃ良い感じ。「スープの中に具」というよりは「具の隙間にスープ」というほどの具沢山なスープで、キャベツがたっぷり、玉ねぎたっぷりの甘く優しい味のミルクスープ。全体的に懐かしさが漂うような味だった。オムライスの他にも、日替わりのパスタやハンバーグなどなどのいかにもな美味しそうな洋食屋さんのメニューが並んでいて、それも気になっちゃうのだった。

「こないだの宴会の時はねぇ、すごかったんだよ。まだ出るか、まだ出るかってくらい色々なものが出た最後に、山盛りのパスタ!」
あのときはほんっとーにお腹が一杯になっちゃってねぇ、と友人は笑っていたけど、このお店のそんな大御馳走なら食べてみたいかも。

「オリジン弁当」の
 鶏肉の竜田揚げ弁当
 春雨サラダ
ビール

ありがとうねありがとうねと午後に友人宅を辞して、自宅前で息子を拾って音楽教室へ。それが終わって帰宅する頃には、とりあえず今日の工事は終了していた。当初の話では
「土曜日は晴れそうなので、このあたりを工事する予定です。日曜は雨だということで、それでは工事できませんのであちらの工事は延期に」
ということだったのだけれど、今日の夕方になってみたら
「週末に家を空けられるなら、そのつもりで工程を調整してしまいますので、土日かけて残りの全部を予定通りやっちゃいます」
ということに。その話を聞いてから明日の朝の出発まで12時間弱。全ての部屋の片づけをしなければならなくなってしまった。

一応嫌な予感がしていたので昨日のうちに全体的に色々片づけはしていたのだけれど、それにしても「台所のものを他の部屋に移動させた」という現状から「台所以外の全ての部屋のものを台所に移動させる」というところに持っていくのは……想像するだけでめまいがしそう。こりゃダメだ、と、早々に片づけを始め、料理するのも外に出るのも無理そうな状況だったのでだんなには夕御飯を買ってきてもらった。ああ、家の中は、引っ越しをするよりも半端に悪い状況になっているような気がする。もう、ぐっちゃぐちゃだ。

だんなが買ってきてくれたのは、チーズソース添えのハンバーグ弁当、回鍋肉弁当、チキン竜田揚げ弁当。
「息子はどれが食べたい?」
と、息子に最初に選ばせてやり(そしてほぼ想定どおりハンバーグ弁当を彼は選択)、あとはだんなの想定どおりに私がチキン、だんなが回鍋肉ということになった。ご丁寧に春雨サラダとビールまで買ってきてくれている。ブラボー、素晴らしい、君最高、と、今日もだんなの偉業を褒め称えつつありがたく夕飯をいただいた。チキン竜田揚げ弁当は、「のり弁」だったらしい。御飯の上には醤油和えのおかかが盛られ、その上に海苔が数枚乗せられていた。

だんなも息子も手伝ってくれた結果、日付が変わる頃にやっと作業が終了した。週明けには地獄の復旧作業が待っている。

2月17日 土曜日
スキー場で食べるラーメンはなぜかおいしいのよね
東京駅構内「ほんのり屋」
 たらこおにぎり
 天むす
 鶏の唐揚げ
お茶

今日は早起きして、スキーに出発。
「ねむい〜」
「体痛い〜」
「……え?体痛いの?」
「ここ数日の肉体労働で、体中筋肉痛……」
「あらまぁ……」
という状況で、疲労と寝不足のピークだけれど、スキーは別よねと元気にお出かけした。

朝御飯は、東京駅のいつものおにぎり屋さんで購入。乗り換え時間があまりないのでだんなが一人ダッシュして買ってきてくれたおにぎりは、たらこと天むすという素敵な選択だった。鶏の唐揚げを数個つまみつつ、山形新幹線に揺られておにぎりを食べる。天つゆを絡めた海老天のおにぎりは、天つゆの甘さと油の旨味が御飯に染みてとっても美味しい。ここで朝御飯を買う時は、この天むすがはずせない。名古屋名物のそれより大ぶりの、「普通のおにぎりのサイズの中に大きな天ぷら」というのがとても幸せだ。

スキー場のロッジにて
 バターコーンラーメン(味噌味)
 玉こんにゃく
 ビール
 アーモンドチョコ

スキーといえば我が家は何かと湯沢に向かうことが多かった(何しろ近い……)のだけれど、今回目指したのは蔵王。山形県はさすがに遠く、新幹線からバスに乗り換え40分、スキー靴を履けたのはお昼も間近という頃合いだった。
本当に良い天気!

でも、今日は素晴らしく良い天気。しかも風もさほどなく暖かく、
「……今、2月の半ばだよねぇ……」
「雰囲気としては、"4月の春スキーです、今年もシーズン終わりですね"って感じだよねぇ」
という状況の中、楽しくスキー。気温は高めながら雪もさほどシャーベット状にもなっておらず、上の方はさすがのパウダースノー。ゲレンデの混雑もあまりなく、次はこのリフトね、今度はあのゴンドラねと昼食前に数本滑る。

お昼は、息子のたっての希望で「醤油ラーメン」が食べられるお店に。ゲレンデ中腹あたりの軽食レストランに醤油ラーメンがありそうだということで向かったところ、メニューはラーメンとカレーと牛丼のみ。息子はシンプルな醤油ラーメン、だんなはチャーシュー麺(醤油味)、そして私は味噌味のバターコーンラーメン。山形名物の「玉こんにゃく」も買ってビールのおつまみにした。

醤油の甘辛味が中まで染みた、丸いこんにゃくは4個串に刺さり、練り辛子をつけて食べる。1本買ってだんなと分けっこしていたのだけれど、あまりにビールに合うのでもう1本買ってまた半分こ。唐辛子が効いた、ちょっとピリ辛の味噌ラーメンには炒めたキャベツや玉ねぎがトッピングされていた。

あー、もう、スキー場で食べるラーメンってなんでこんなに美味しいんだろうね、カツ丼やカツカレーあたりもすごく美味しいんだけどね、と笑いつつ、午後も全力で滑走。それにしても本当に良い天気。

蔵王「堺屋旅館」にて
 山形牛しゃぶ食べ放題(牛肉・白菜・水菜・えのき・しめじ・白滝・豆腐)
 前菜(海老・あわび・枝豆のお餅)
 お刺身(マグロのたたき・スズキ・赤貝)
 煮物(根菜と鶏肉の炊き合わせ)
 酢の物(タコ・ワカメ・かまぼこ・蓮根)
 御飯・吸い物
 メロン・いちご

ほんのり風邪気味だった息子。今朝はずいぶんだるそうにしていて「どうする?スキー行くの止める?」という話にまでなっていた。「でも行く!行きたい!」との息子のたっての希望もあったことから風邪薬を服用させつつ電車に乗ったはずなのに、ゲレンデに立ってみると誰よりも息子が一番元気。
午後に訪れた山頂の樹氷風景

頂上の樹氷もしっかり見に行き、
「そ……そろそろ、お母さんは体力の限界なんですが……もう4時だし……」
「えー、もっと滑りたい、もっともっと滑るよ!」
と、元気な息子(及びだんな)に引きずられる感じで、購入した「5時間券」の期限が切れるまで滑りまくった。夕焼けを見ながらスキーするなんて、もう十何年ぶりかという感じだ。

息子はまた上達して、ボーゲンだったらどんな坂でもツルツルと転ばずに滑るようになってきた。私とだんなが凹凸の激しいアイスバーンの坂で立ち往生している間に、息子が一人ツイーッと転びもせずに下まで滑走していたりして。再来年くらいになったら、「まったくもう、お母さんは遅いんだから」とか言われるようになってしまうのかも。それもそれで悔しい。
さすがに空が茜色に染まりきった頃にはずいぶん気温も低くなってきたので、急ぎ宿に向かった。

宿泊したのは、「ここ、結構安いよ、夕飯は山形牛のしゃぶしゃぶ食べ放題だって!」とだんなが見つけてくれた、堺屋旅館というところ。広い和室に、白濁したとろりとした源泉かけ流し風呂、ボリュームたっぷりの食事。周囲は大学生や私たちと同世代くらいまでのスキー客がほとんどで、食堂で摂る夕食もとても賑やかだった。しゃぶしゃぶプランの他にジンギスカンプランなどもあるようで、後ろの席からは羊肉が焼ける良い匂いが漂ってくる。

しゃぶしゃぶの他にも前菜の皿、酢の物の皿、お刺身に煮物と色々なお皿が並んでいて、ビール飲みつつあれこれ箸を伸ばしつつ、しゃぶしゃぶもしっかり堪能。ちょっと厚めの牛肉が1皿に5〜6枚盛られていたのだけれど、「あ、おかわりください」「もひとつください」と、結局家族で7皿ほど平らげた。盛られた野菜もたっぷりだったのだけれど、これも綺麗に完食。

疲労と酔いで、食後はもう「もう1回お風呂!」という元気もないまま、だんなが速やかに撃沈。息子も眠そうにしていて、もちろん私も疲労のピーク。まだ8時を過ぎたばかりだというのに、早々に部屋に明かりを消して布団にもぐったのだった。明日も良い天気だといいね。

2月18日 日曜日
帰り際に食べたくるみ餅。美味しかった〜。
蔵王「堺屋旅館」にて
 温泉卵
 焼き鮭・昆布の佃煮
 切り干し大根の煮物
 サラダ
 青菜のおひたし
 納豆・漬物
 海苔と豆腐の味噌汁
 御飯
 お茶

昨夜は8時過ぎに就寝し、でも私が目覚めたのは6時。
「うっわー、10時間も寝ちゃった……」
と呆然としてしまったけれど、息子もだんなもまだまだぐーぐーと高いびき。一人こっそり、「源泉風呂」で朝風呂を楽しんできた……というか、修行してきた。
源泉風呂は熱い。熱すぎる。「水で薄めていません、そのまんまです」というこの温泉、湯口の温度は53℃くらいあるらしい。大浴場の他に宿についている「源泉風呂」は、わざわざ小さめの湯船が設えられていて、そこにだばだば源泉が注がれるものだから大変に熱かった。
「……薄めたら……やっぱりいけないんだよね……」
と足先を入れるだけで体中の毛が逆立つ感じがするお風呂で、それでもかけ湯をしながら少しだけ浸かってきた。硫黄臭の強い久しぶりのいかにもな「温泉」だ。いいなあ蔵王。

朝御飯は、いかにもな和朝食。ちょっと洋風なサラダもついていたけれど、あとは切り干し大根の煮物とか、焼き鮭とか、納豆とか。だんなの分の納豆をいただきつつ、朝から御飯をお代わりして食べちゃう。

スキー場にて
 コスモポリタンライス
 豚汁
 焼き鳥(ぼんぢり)
 フライドポテト
 ビール

当初の予報では「午前中は曇、午後から雪」だった本日の蔵王の天気。実際は「朝から雪、お昼から曇、午後から晴れ」という感じだった。粉雪が舞う程度の雪だったのであまりストレスなく、朝9時から思い切り滑る。「この看板の、100から1まで滑ってみたい」と息子が言うものだから、その看板を追いながら樹氷原コース全長8kmを一気に滑り降りたりもした。うっとりするほどのパウダースノー、しかも気温はさほど低くない。

好天候ということもあって、午前中は結局3時間休憩なしでスキーを楽しみ、
「もう休みましょう、ここで休みましょう」
とだんなが宣言するまで頑張ってしまった。お昼は大森ゲレンデの下の方にあった大きなフードコートで。

息子はカルボナーラスパゲティ、だんなはカツカレー(しかも大盛り)、そして私は「コスモポリタンライス」なる、ピリ辛味のチキンライスに鶏肉と野菜のクリーム煮のようなものをかけたもの。150円足して豚汁もつけてもらった。地ビールも買い、地ビールのお供にねとフライドポテトや"ぼんぢり"も買ってきてしまい、なんだか大変なボリュームに。

豚汁は大変な具沢山ぶりが嬉しかったし、ぼんぢりも変な調味料臭さのないシンプルな塩味の香ばしいもの。息子のスパゲティも案外とまともなもので、
「……最近の"ゲレ食"って、美味しいよねぇ」
「うん、大昔は何食べたら良いか迷っちゃうほど……美味しくなかったよね」
「このカツカレーなんか、高校生の頃の自分に食べさせてやりたいよ」
「……しかし、すっごい大盛りっぷりだね……」
だんなのカツカレー大盛りの大盛りっぷりときたら大変にすごいもので、でもいつのまにか皿は空になっていた。今日のだんなも家長の誇りを見せつけ中。

蔵王「山口餅屋」にて
 あずき餅・くるみ餅・海苔餅
を家族で分けつつ

2日間、大変に楽しいスキー旅行だったのだけれど、最後の最後に息子が負傷。中級コースの真ん中で転んでしまい、手のつきどころが悪かったようで右手を痛めてしまったらしい。骨には異常がない様子で、指を軽く捻挫した程度だったようだけれど、息子もそこですっかりしょげてしまったためにそのまま終わりにすることにした。予定より1時間ほど早めに宿に戻り、着替えを済ませてお風呂も使わせてもらい、全体的に硫黄臭くなって蔵王を後にする。

「昨日散歩したときにね、旨そうな餅屋を見つけたよ」
と、昨夜一人で外湯に行ってきただんなが、お餅屋さんに連れて行ってくれた。つきたてお餅を店内で食べさせてくれる(お土産もある)お店で、店名は「山口餅屋」。くるみにきなこにずんだ、あずきに海苔に大根おろし、納豆……と、色々な味がある。1皿500〜600円ほどするけれど、1皿に6切れほどの餅が乗っているのでけっこうな食べ応えがあった。バスの時間まで、ここでしばらく餅休憩。

3皿取って適当に分けっこして食べたのだけれど、美味しかったのが「くるみ」。擂ったくるみ入りのさらりとした汁粉のようなソースが絡んでいて、優しい甘さがとても良い感じ。素朴な感じの粒あんのあずき餅も、ほのかに甘さのある醤油だれに浸った海苔も、どれもとても美味しかった。

山形新幹線車内でお弁当
 駅弁(山形特選牛めし・牛肉どまん中)
 玉こんにゃく
 ビール(キリンラガー)

山形を6時頃に発つ新幹線は、東京駅着が9時頃。新幹線の中で夕御飯を食べるようだねと、山形駅で「山形特選牛めし」を買い込み、車内で更に「牛肉どまん中」を買い込み、全体的に山形牛たっぷりなお弁当を「どっちが好き?」などと話しつつだんなと半分こして食べた。息子はサンドイッチ。そしてホームの売店で売られていた「玉こんにゃく」ももらい、これもおつまみになった。

「山形特選牛めし」は、すき焼き風。御飯の上に牛肉たっぷりと、糸こんにゃくときのこのすき焼き風煮が乗せられていて、あとは錦糸卵とお漬物のシンプルな添え物。御飯は「はえぬき」100%。対して、有名な「牛肉どまん中」の方は「どまんなか」使用の御飯で、若干豪華な内容になっていた。牛肉煮と共に牛そぼろがトッピングされた御飯に、煮物、かまぼこ、玉子焼き、漬物が添えられている。どちらもお弁当としてとても好みな感じだったけれど、私は牛肉の形がしっかり残っている「牛めし」の方が好み。だんなは「やっぱり"どまんなか"だな」とのことだった。ビール飲みつつ、玉こんつまみつつ、弁当を食べてあとは眠って起きたら東京に到着。

今回のスキーは本当に天候に恵まれて、青空の下の雪景色が最高に綺麗だった。雪も素晴らしくゲレンデも広々、素敵な温泉、「蔵王ってやっぱり素晴らしい!」と感激しての帰宅になった。「蔵王で年越しスキー」とかやりたいけど……やっぱり素晴らしくお高いのだろうなぁ。だんなも息子もお疲れさまでした。