食欲魔人日記 05年10月 第2週
10月10日 月曜日
自家製スプラウトときのこのサラダ
「551蓬莱」の豚まん
プーアル茶

一週間ほど前に、無事にサナギになったアゲハの幼虫。ベランダの山椒の葉も全部刈り取り終わってしまって「明日こそスーパーで木の芽のパック買ってこなきゃ」と思っていたところで幼虫の食欲が落ち、ケースの上蓋に貼り付く形でサナギになった。部屋の中に置いておくとそのまま羽化してしまうだろうから外気に当てておきましょうと外に出してある。緑色だったサナギは、今は完全に茶色になった。

……で、そのアゲハの幼虫の変化とともに、2ヶ月近く玄関先で元気に動いていたメスのカブトムシたちが次々に昇天。1週間前に1匹が亡くなり、最後の1匹が一昨日の夜に動かなくなっていた。埋めてやろうねと息子と話しているのだけれど、昨日も雨、今日も雨だ。一昨日のバス旅行が雨模様じゃなかったのは幸運な事だったのかしらと思えるほどにずーっと雨。なかなかカブトムシのお墓が作れないでいる。

そんなアンニュイな気分漂う体育の日。朝起きて、
「今日も豚まんだな」
「んだな」
と、起きるなり蒸し鍋に蒸籠をどかどか積み上げて豚まん4個をアツアツに蒸かす。

結婚直後に築地の調理器具屋さんで買った蒸籠が2つ、数年前に台湾旅行に行った時に買ってきたのが3つ、そして直径10cmくらいしかないミニサイズの蒸籠が3つ(←1つ100円だかで、通りかかったフリーマーケットで買った。烏龍茶のCMでモー娘と競演した蒸籠らしい……ほんとかな)、我が家の鍋置き場に重ねられてそびえ立っている。ミニサイズの蒸籠は実のところ全く出番がなかったりするのだけれど、直径18cmくらいの蒸籠の方は何かと活躍してくれていて、購入当初と比べて、綺麗な飴色になってきた。

濃いめに淹れた真っ黒なプーアル茶啜りつつ、やっぱり美味しいわ超美味しいわとニヤけながら551の豚まんにかぶりつく。

じゃこ御飯
冷やし茶碗蒸し
ほうれん草の胡麻和え
麦茶

だんなは筋肉イベントにお出かけしてしまったので、息子と2人、どこかに出かけることもなくのんびりした休日を、漫画読んだり少しばかり仕事したり。息子はこのところ「1年の科学」などを読み返すのに夢中で、付録が目当てで買った「科学のタマゴ」に載っていた「ビッグバンについて」なんていう漫画を一生懸命読んでいる。理解できたのかな?と気にしていたところ、
「お母さん、うちゅうって、でっかいんだよね。……10mくらい?……100mくらい?」
と聞いてきた。うーん……もうちょっとでっかいかなー……。

お昼御飯は、先日お義母さんから大量にお裾分けしてもらっていたちりめんじゃこを御飯に乗せて。中サイズのジップロックにみちみちに詰められたちりめんじゃこをいただいたので、こりゃ短期間には食べきれないなと冷凍保存してある。適当な量解凍して、息子にはじゃこのまま、私の分はおろし醤油でざっくりあえたものを用意して、御飯の上にこんもり乗せた。昨夜作った茶碗蒸しを冷たくしたものも出し、あとは小鉢にほうれん草の胡麻和えを。

蟹肉ときのこと百合根入りの昨夜の茶碗蒸しは、卵液の濃度もちょうど良かったのか、とっても良い出来だった。中火で5分、蓋をずらして弱火で5分蒸した茶碗蒸しは、"す"も入っていなくて適度に柔らかくぷるんぷるん。百合根、倍量入ってても嬉しかったわ……と思いながら、蟹がこれでもかと混ぜられた冷たい茶碗蒸しを味わった。

2日目のロールキャベツ
ジャーマンポテト
自家製スプラウトときのこのサラダ
羽釜御飯
麦茶

大鍋の中にはロールキャベツがまだまだまだまだ、どっさり。20個以上できたロールキャベツはまだ1/3くらいしか減ってなくて、今日の夜も引き続きロールキャベツ。それでやっと半分になるだろうから、明日にクリームシチューの素でも溶かして味を変えてみようかなーと思っている。

冷蔵庫の中にしまっておいた大量のきのこも調理しなきゃということで、スパゲティの具にしようかどうしようか悩んだ挙げ句、マリネに。オリーブ油を中華鍋に熱して薄切りにんにくを炒め、そこにきのこを加えてよーく炒め、白ワインふって飛ばして、醤油とレモン汁と塩胡椒で調味した。大量にできたきのこ炒めの一部は自家製のスプラウトと一緒にサラダにして、残りは瓶に詰めてオリーブ油を垂らしておいた。

そしてそろそろ食べ切らなきゃと思っていたベーコンは、玉ねぎ、じゃがいもを小さな角切りにしたものと一緒に塩胡椒で炒め合わせて、小さなおかずに。
「お母さん、コナンのうた、変わったねぇ……」
「あー、そういえば変わったわねぇー」
なんて言いつつ、ブラックジャックと名探偵コナン見ながら2人で夕御飯を食べた。

10月11日 火曜日
角煮大根。でも大根がメインなのよ。
コーンフレーク

息子の秋休み最終日。だんなは仕事だけれど息子と2人でどっか行くかなー……と思いつつ、溜まってしまった仕事の前に撃沈。曇り空で一日肌寒く、午前中ふらりと駅前に買い物に行くだけにすることにした。

息子と2人の朝御飯は、コーンフレーク。「お高いわ、やっぱりフルーツグラノーラはお高いわー」と最近フルーツグラノーラと少しばかり距離を置いている我が家は、スーパーブランドのお安いコーンフレークが買い置きされている。
「……おかあさん、ぼくのいえ、フルーツグラノーラは、なくなっちゃったんだねぇ」
と本日息子からツッコミが入り、そろそろ買ってこようかなと思ったのだった。

「R1/F」の
 秋のクリームコロッケ
 コーンと野菜のサラダ
「アンデルセン」の長期熟成食パン
自家製ヨーグルトのラッシー

午前中、用事を済ませがてら息子と一緒にお買い物に。
「お昼御飯、何か買ってこようかと思うけど、一緒行ってお店見てくるー?」
と言ったら、「行く行くー」とついてきた息子。本屋覗いて、夕飯用のシチューのルー買って、ついでに50%OFFだった豆腐とセモリナ粉買って、安かった鮭の切り身も買って、ひととおり買い物が終わったところで「さて、それじゃあお昼御飯どうしましょう」とお総菜屋さんを眺める。

なんでも良いよと伝えておいたら、息子はうきうきとあれこれお店を眺め歩き、
「コロッケがいいなー、クリームコロッケがいいなー」
と呟きながら歩いていたかと思うと「R1/F」の前で足を止めて「これ」と言った。1個200円ちょっとする「秋のクリームコロッケ」。栗とサーモンときのこ入り。

コロッケだったらあっちのお店のポテトコロッケが80円だよ……と言いたくなったのだけれど、「なんでも良いよ」と言った手前「それじゃダメ」と言うのも何だか悲しいなぁと、リクエストどおりにその秋のクリームコロッケを2個買うことにした。ついでにコーンと水菜、その他諸々の野菜が入ったサラダも同じ店で買って帰宅。
そろそろホットサンドの美味しい季節だわぁとサンドイッチ用のパンを10枚買ってきたので、そこから2枚昼御飯にいただくことにした。

冷蔵庫の中には、まだまだ鋭意培養中の我が家のカスピ海ヨーグルト。飲み物にこれでラッシーを作っちゃおうと、水でのばしてレモン汁と蜂蜜と砂糖を加えて混ぜ合わせた。酸味がまろやかなヨーグルトなので、あまり大量の糖分を必要とすることなく、さっぱり薄味のラッシーをコップに2杯分。
「そうか……このラッシーは、おかわりはないのか……」
「うん、ないのよー。一杯だけなのよー」
なんて話しながら、適当に作った割に美味しくできたラッシーを飲みながら、パンとコロッケとサラダのお昼御飯。

200円以上もしただけあって、秋のクリームコロッケは美味しかった。きのこたっぷり、鮭たっぷり、「栗は……入ってたのかな?どこにあった?」という感じだったけれども。

3日目のロールキャベツ(クリーム味)
角煮大根
大根とベーコンのサラダ
あんかけ豆腐
羽釜御飯
ビール(モルツ)

萩の月
マルセイバターサンド
抹茶入り玄米茶

「キャベツと大根を一生懸命消費しましょう」キャンペーンの一環で、昨日の午後から角煮大根作りに取り組んでいた。昨日は豚バラのブロックを生姜と葱を入れた湯で3時間ほどかけて下茹でし、それを一晩スープに浸したまま放置。表面にびっちり脂が固まったので、今朝になってからそれを取り除き、その茹で汁を使って醤油と酒と砂糖と味醂で煮込んでいく。

太い部分の直径が20cmくらいある大根は輪切りにしたのを4等分の銀杏切りにして、綺麗に面取りして米のとぎ汁で下茹でして、その後肉と一緒にことこと煮込んだ。大根、1本は使いきらなかったのに(2/3本くらい使った)、角煮7切れに対して大根20切れという感じに。明らかに大根がメインの煮物になった。

やっと半量以下になったロールキャベツにはクリームシチューのルーを溶いて味の方向を変え、
「わーいわーい、今日はだんなが帰ってくるー」
と、あと2品追加。

そろそろ冷や奴より湯豆腐が似合う季節になってきたので、豆腐は茹でて中までしっかり温めたところに、固めにとろみをつけた生姜味のあんをかけた。煮込まなかった残りの大根の一部は刻んで、炒めベーコンと合わせ、マヨネーズベースのドレッシングで和えたサラダに。今日は温かい料理ばかりで、「あと3分くらいで全部が綺麗にアツアツに準備できるわー」という状態になったところでタイミングよくだんなが帰ってきた。

本日、仙台に出張してきただんな。お土産に仙台銘菓「萩の月」。
「んじゃ、食後のデザートは萩の月だ。あと、マルセイバターサンド」
「うわー、なんかすごいね」
「仙台銘菓と北海道銘菓夢の競演ってことで」
と、食後の甘いものに思いを馳せつつ、じっくり味が染みこんだ飴色の大根と豚肉をつつく。

安かった豚バラを買ってきたところ、どうも「煮込めば煮込むほど美味しい」類のものじゃなかったようで肉の歯触りや味はいまいちだったのだけれど(黒豚のバラ肉とか使うとほんっとーに美味しい角煮ができたりする……今度はもう少し良い肉を買ってこよう……)、見事に色と味が染みた大根の味はなかなかのもの。大根をおかわりしながら、ハフハフとたっぷり食べた。

10月12日 水曜日
久々に宅配ピザ
「アンデルセン」のチーズパン
4日目のロールキャベツ(ファイナル)
カフェオレ

ロールキャベツ、残り5個。毎回、ロールキャベツを作るときにはキャベツ1個を丸々使う(←丸々キャベツ茹でちゃうし、どうせ……)のが常なのだけれど、ここまで大量にできたのは初めてだった。20個を超えるロールキャベツができて、なおかつ中心部の葉がけっこう余ってしまってポン酢かけて食べた始末。いつもは中心の小さな葉も、肉と一緒に大きな葉でくるんでしまって使い切ることが多いのに、それもできなかった。はとバスツアーで収穫してきたキャベツは本当に大きなものだったということらしい。

息子はそろそろ「ロールキャベツは飽き飽き」という感じ。
「ぼくねぇ、ロールキャベツはいらないからね……」
と呟いていたのだけれど、
「ごめん!1個だけ、ちーっちゃいの、1個だけ!これで鍋が空になるのよぅ……1個だけ残ってても困っちゃうし……」
と、鍋に残った一番小さなサイズのロールキャベツを無理矢理押しつけた。私とだんなは2個ずついただいて、そしてやっと鍋は空になった。

ロールキャベツに似合うかなと考えて昨日買ってきたのはチーズパン。チーズが軽く溶けるように温めて、あったかいロールキャベツとあったかいパン、あったかいコーヒーという組み合わせの朝御飯。

キャベツ料理で私が一番好きなのは、多分「水炊き」。鶏ガラをごとごと何時間も煮込んで豚骨スープのようなコラーゲンたっぷりの白濁スープを作って、それで食べる水炊きだ。鶏の味が凝縮したあのスープでキャベツを煮ると甘くて旨味があって肉の味と一緒にキャベツの味も濃く感じられるような美味しさで、1/2玉くらいぺろっといっちゃえそうな美味しさなのだった。
……週末あたり、水炊きのスープ作るかな……でもまだそこまでは寒くないのよね。

「ドミノピザ」の
 ロイヤルミルフィーユ
コカコーラ

今日から息子は「2学期」ならぬ「後期」が始まる。始業式と共にさっそく授業も始まるそうで、何冊かの教科書とノートを持っての登校だ。さすがに給食はまだ始まらず(でも明日から始まる)、午前中で帰宅。

昼前に
「ただいまーん♪」
元気に機嫌良く帰ってきた息子、手にはポストに入っていたらしいピザ屋のチラシをピラピラさせていて、
「お昼、お昼はピザ?ピザにする?ピザがいいなー」
と、ピザ屋の販売員ごっこをしている。いや、"ごっこ"じゃなくて本気で勧誘している。顔は笑っているけれど、目がかなり本気だ。

「ピザがいいなー、いいなー、いいなー」
何度か言われて、「んじゃ、ピザにするか」と私もそのチラシを眺める。
「ぼくねぇ、この、卵が乗っているのがいいなー」
販売員さん、もう注文内容まで決めているらしい。

「コークはねぇ、ふつうのじゃなくてダイエットのがいいなー」
飲み物まで指定されそうになって、
「……いや、私ダイエットコーク嫌いだよ、ベタベタした変な甘さじゃん……普通のでいいよ、普通ので」
とそこは反対させてもらって、その"卵が乗ったピザ"がセットになったロイヤルミルフィーユを注文。イタリアン・アンチョビ・カマンベール・ふわふわたまごの4種類のピザが十字に並んだクワトロピザだ。バジルとチーズとトマトのスタンダードな組み合わせあり、アンチョビ入りのしょっぱいのあり、ベーコントッピングのものありと、なかなか楽しい1枚だった。Mサイズのピザを息子ときっちり半分こして食べる。

Mサイズのピザ1/2枚だったらぺろっと食べられる分量なのだけれど、でもこのピザは薄いピザ生地2枚の間にチーズが挟まった大変に食べ応えのあるもの。食べ終わる頃にはすっかり腹一杯になってしまった。息子リクエストの「ふわふわたまご」のピザが優しい味で、確かに旨かった。息子、お目が高い。

2日目の角煮大根 角煮抜き
鮭ハラスの塩焼き・ちりめんじゃこ・焼き海苔
ほうれん草と人参の白和え
羽釜御飯
麦茶

昼御飯がちょっと遅めで、夜になってもあまりお腹が空かない私と息子。
「……私、あんまりお腹、空かないんだけどー……」
「ぼくもねぇ、なんか、あんまり、おなかすかない……」
「だよねぇ」

だんなの帰りも遅いだろうしなぁ……と少し悩んで、昨日作った角煮大根の角煮抜き(つまり大根だけ)をつつくことにして、あとは御飯と、御飯の供に鮭ハラスの塩焼きとじゃこと海苔。ほうれん草と人参をささっと甘辛く炒め煮して、1/3丁ほど残っていた豆腐と和えた白和えを小鉢に作って、ごくごく簡単な夕飯にしてしまった。

"豚バラの鮭版"という感じの鮭ハラスが、密かに好物。脂を溶かすようにちりりと焼いてほぐして御飯に乗せるのが美味しくて、子供の頃良く母が焼いてくれたものだった。いよいよ秋鮭も大量にお安く出回り始めたので、鮭ハラスも新鮮そうで旨そうなものを魚屋さんで多くみかける。おにぎりにしても美味しいのよねー……と買ってきた小さな1切れを、息子と半分こしてさらさらっと食べた。

明日からいつも通りの静かな平日。仕事がはかどるぞぉ!と思いつつ、ちょっと寂しい。

10月13日 木曜日
秋鮭の美味しい季節でございます
ホットサンド こんたまちー
バナナ入りヨーグルト
カフェオレ

そろそろホットサンドが恋しいぞということで、サンドイッチ用のパンを買ってきた。「アンデルセン」で買ってきたサンドイッチ用のパンは10枚切り。

買いに行くタイミングが悪いと
「パンが冷めてないので薄切りはできないんですー」
と断られてしまったりするのだけれど、今回は無事にスライスしてもらえた。
「耳は、どうします?」
と言われて、「あー、切らないでください、切っちゃダメ〜」と慌てて答える。ホットサンドは耳つきのパンじゃないとうまくいかないのよねー……よく行くスーパーでは耳のないサンドイッチ用のパンしかないので、ちょっとつらい。

久しぶりのホットサンドはだんなが愛してやまない「こんたまちー」。コンビーフと卵とチーズを挟んだボリュームたっぷりホットサンドで、今日は"マヨネーズ和えゆで卵"じゃなく"スクランブルエッグ"にしてみた。あのマヨネーズのこってりした味がコンビーフと合わさって、大変に旨いながらも大変にカロリーも高そうないつもの「こんたまちー」であるのだけれど、今日はほんのりさっぱり味。コンビーフの味が濃厚に感じられて、これもなかなか美味しかった。

チーズ(アネペツ)
3日目の角煮大根
秋鮭のムニエル
ルッコラと玉ねぎのサラダ
粉ふき芋・きのこのマリネ
冬瓜の中華スープ
羽釜御飯
ビール(モルツ)

今日は一日仕事していて、昼御飯を華麗にスルーしてしまった。朝のホットサンドがけっこうなボリュームだったからまぁいいか……と、夕方までお茶やコーヒー飲み飲みせっせとお仕事。「今日は帰る」とだんなが言っていたので、4切れ398円だった秋鮭をメインディッシュにあれこれ料理した。

脂の乗った美味しそうな鮭、そのまま塩焼きにしても最高に美味しそうだったけれど、昨日鮭ハラスの塩焼きを食べてしまったばかりなので今日は趣向を変えてムニエルに。塩胡椒して小麦粉はたいてバターでこんがり焼きつけ、最後にバターと醤油と少量のおろしにんにくを合わせて熱したソースを添えた。ムニエルの下にルッコラのサラダを敷き、ささっと作った粉ふき芋と共に、先日どっさり作ったきのこのマリネを皿に盛る。

あとはいよいよ味が染みて全体が渋茶色に染まりまくった角煮大根と、冬瓜とにんじんを煮込んだ胡麻風味の中華澄まし汁、炊きたての御飯。ビールの肴に先日「北海道物産展」で買ってきたハードタイプのチーズを少量切って、そうこうしているうちにだんなが帰ってきた。

試食した時に「こりゃおいしー好みな味〜」と思っていたチーズだったけれど、「アネペツ」という不思議な名のついたチーズはやっぱり美味しかった。乳臭さもしっかり残り、でも干し草のような秋の草原のような匂いが漂ってくる。ほのかに甘くてちょっとした渋さもあって、でも食べやすい美味しいチーズだった。息子のツボにもはまっちゃったようで、細長くスティック状に9切れほど用意したものをひょいひょいとえらい勢いで口に入れていってしまう。私もだんなも1切れずつしか口にしてないというのに、気がつくと皿はほとんど空になっていた。

「こら、こらこら、一人でそんなに喰うな」
「あのさー、こういう風にお皿1つしか出てないときはね、みんなで食べるんだから、"3人で食べたら1人何個食べられるかなー"とか思いながら食べるわけよ。わかる?わかれ」

お菓子の時は敏感に
「おとーさん1個、おかーさん1個、ぼく1個ね。のこったのは1個だからー、3人で、わけっこね?」
とすごく綿密に分配してくれる息子。

秋休み直前、先生が「がんばりましたで賞お菓子セット」を配ってくれたのだけれど、2個入っていた一口ゼリーを
「ぶどうと、ピーチがあるよ?お母さん、ぶどうが好きなの?じゃあぶどうのゼリーあげるからね」
と分けてくれ、
「ゼリーは2個しかないから、お父さんにはチョコレートをあげよう」
とチョコをお父さん用にと残していたりした。なんて優しい奴なんだと感激したのだけれど、どうも相手がチーズだとその気遣いがどこかに行っちゃうらしい。

お菓子よりチーズの方が優先順位が上なんでしょうか私の息子。しかも明らかに、フツーのプロセスチーズよりも、「こりゃ旨い」と買ってくる本格的なチーズ(カチョカヴァロとか、ミモレットとかモッツァレラとか今回のアネペツとか……)を気に入っているフシがある。
今回のアネペツも、大事にちまちま食べようと思っていたのだけれど、どうやらあっという間に消え去ってしまいそうな運命らしい。

10月14日 金曜日
この季節はやっぱり栗のお菓子よねー♪ということで
コーンフレーク バナナ入り

先日クレープ作り用に買ってきた、そのときはまだ固かったバナナはそろそろ完熟状態。柔らかく熟れたのでヨーグルトに混ぜて食べたりしていたのだけれど、今朝はコーンフレークにトッピングして牛乳だばだばかけていただいた。

息子、この世で一番好きな食べ物は「マッケンチーズ」なのだそうだけれど、私の目から見るとコーンフレークも負けず劣らず好物なように見える。
「朝御飯何食べたい?」
と聞けば、高速の速さで「カリカリがいいなー」という返事が来るし、ホテルに宿泊して朝食がバイキングだと知ると
「カリカリはあるかなー」
とうっとりしている。ちょっと良いめのホテルに宿泊して、コーンフレークの品揃えが5種類以上あったりするともう大変。レーズン入りとかチョコ味とかトッピングのドライフルーツとかナッツとか、全てを少しずつ盛ったりしながら何度もそのコーナーと席を往復することになるのだった。

4日目の角煮大根
おろし和えじゃこ
味噌汁(インスタント)
御飯
麦茶

ここ数日真面目に仕事していたので、気晴らしも兼ねて今日は午前中にふらりとスポーツジムに。あれこれ動いて、帰宅してから遅めの昼御飯にありついた。

まだ角煮大根が残ってるしなー……とそれを温めておかずにしながら、おろし醤油を絡めたちりめんじゃこを温めた御飯にこんもり乗っけて。青菜のおひたしか煮茄子でも作ろうかなとも思ったのだけれど、筋トレのせいで腕がだる〜くなっていたので省略。味噌汁もインスタントで省略。

密かにビールが恋しくなっていたのだけれど(運動した後だし……)、そこはぐっとこらえて麦茶を飲みつつ、けだるい気分で一人昼飯をのんびり楽しんだ。角煮1切れ、大根1切れをつまみ、追加で大根をもう1切れ。……こってり濃いめに煮含めた角煮大根が良いなぁと思ったのだけれど、実際作ってみたら「もっと薄い味の方が美味しいわ」ということになっている。今度はもう少しだけ薄味にして、でもじっくり煮込んだ角煮大根にチャレンジだー(でもその前にまだ5〜6切れ残っている鍋の中身を空にしなきゃね……)。

鶏肉とベーコン、ブロッコリーのクリームパスタ
サニーレタスとトマトのサラダ
アイスティー

「バニーユ」のモンブラン
アイスティー

夕方は息子の音楽教室。終わってから、息子と一緒に駅ビルで買い物した。地下食料品売り場リニューアルオープン1周年記念だそうで、ちょうどあちこちで諸々のものがセール中。キャベツが60円くらいだったりステーキ肉が2枚1000円だったりと、各店のレジは盛大に混雑していて、私もなんだかちょっとわくわく。

「今日の夕飯、どうしようかー……お父さんもきっと遅いしねぇ……」
「マッケンチーズ!」
「だよねぇ、君はそう言うよねぇ……」

チェダーチーズがたっぷりあるからマッケンチーズでも良いのだけれど、でも今日は使いさしの生クリームを使ってクリームのパスタはどうだろう?と相談しながら売り場をぷらぷら。クリームのスパゲッティだったら、具は何がいいかなー?と八百屋の前で立ち止まって息子の大好物のブロッコリーを1個購入。

「あと、何入れたら良いと思う?」
肉屋に向かいながら息子に聞いてみたところ、即答で
「ベーコン!」
と答えた後、しばし考えて
「……あとね、煮て、やわらかくなる肉」
と続けてきた。

……煮て、柔らかくなる肉??スペアリブとか?
ちょっと困りながら「でも、鶏肉とベーコン両方入れるのは美味しいかもしれない」と冷蔵ケースを眺めていたら、
「おかあさぁん!これ、きっと、煮たらやわらかいよ」
と100g800円の霜降りすき焼き用国産牛を指さす息子。

それはね、きっとすーっごく柔らかくて、すーっごく美味しいだろうけどね、お高いからちょっとダメなの。それにね、多分クリームのスパゲティにはあんまり似合わないと思うよ……と教育的指導をした後、国産若鶏のももを買って帰ってきた。そのままデパ地下脱出ルートを歩いていたら、洋菓子屋さんで通常価格より100円くらい安く売られていた(←1周年記念の一環)和栗のモンブランと目が合っちゃって、それも。

で、あれこれ覗いて帰ってきたらすっかり食事時という時間帯になってしまっていたので、急ぎ夕飯の準備。オリーブ油で薄切り玉ねぎとベーコンを炒め、そこに一口大に切った鶏肉を加えて更に炒める。なんとなく炒まったら、牛乳と生クリームを加えて沸騰させ、適当な濃度になるまで煮込みつつ塩胡椒で調味。パスタを茹でる鍋には、茹であがり1分前にブロッコリーを入れて一緒に火を通した。あとは茹であがったものをクリームのソースで和えればできあがり。
スープを準備する余裕はなくて、パスタの世話をしながらレタスと刻みトマトのサラダだけを添えた。

こってりしすぎず、さらさらしすぎずの、なかなか絶妙な具合にできあがったクリームのソースは塩加減もばっちりで私としてはとっても満足のできる味だった。ベーコン・鶏肉・ブロッコリーという「ぼくの好きなものだらけ!」な組み合わせの具も、息子にはツボだったらしい。

「お母さんお母さん、今日の、夕ごはんのお名前は?」
と聞いてくるから
「……えーと、鶏肉とベーコンとブロッコリーのクリームパスタ……」
特に名前もない料理だったからして、ありのままを答えたところ、
「じゃあ、長くて大変だから"お気に入りスパゲティ"でどう?」
と命名されてしまった。このスパゲティは"お気に入りスパゲティ"なのだそうで。多分、ブロッコリーがキャベツに代わったり、ベーコンがウィンナーになったりしても"お気に入りスパゲティ"という名前に変更はないだろう。

食後に秋のデザート、和栗のモンブラン。「バニーユ」という、千葉でそこそこ人気の洋菓子屋さんのそのモンブランは、モンブランが名物の有名店「アンジェリーナ」にものすごくインスパイアされちゃってるようなモンブランだった。土台にメレンゲ、中央に固く泡立てた生クリーム、そしてスポンジはなくてマロンペーストがみっちりと絞られている。トッピングに葉の形のチョコ菓子と、てっぺん近くに渋皮つきの栗の甘露煮。アンジェリーナのほど甘くはなく(砂糖の分量1/3という感じ……)、ちょっと渋い和栗の味がそのまま残るような、どこか和菓子のような風味のモンブランだった。「アンジェリーナのまねっこだわー……」と思ってしまったのだけれど、でもちゃんと美味しかったので満足。

10月15日 土曜日
ステーキ屋さんで、ボリュームたっぷり前菜
稲毛 「太閤園」にて
 酢豚定食
 焼き餃子

今週は激ジョブ続きで、毎日大変そうだっただんな。昨日もたいそう遅く帰ってきて、そして一家全員朝寝坊だった。私が起きたのが9時半、息子が起きたのがその20分後、だんなが起きたのがそれから10分後。
「……寝ましたねぇ……」
「……寝ました……」
と、半日損した気分で苦笑いな私たち。

「美味しそうなハム買ってきたからハムエッグとトーストにでもしようか?」
「ん〜」
「いっそ、そろそろ開店するから"虎汁"飲みに行くとか」(虎汁=近所のラーメン屋"虎の穴"のスープ)
「ん〜……それより、たいこーえん……?」
「太閤園?それでもいいし」
「ぼくねぇ、ぼくねぇ、たいこーえん!チャーハンと、ラーメン!」

途中で息子も加わってやいやい相談した結果、近所の中華定食屋さん「太閤園」に行くことになった。どうも息子はこってりこてこてした入魂の豚骨スープなどよりも、あっさりシンプルな醤油ラーメンが好きらしい。メンマと刻み葱、そして1枚ずつのチャーシューと海苔がぺろっと添えられたようなラーメンが好みなのらしかった。「ぼくはチャーハンを食べるよー」と言っていたはずなのに、注文するときには「ラーメンにするー」とか言っている息子。餃子やチャーハンも分けてもらいつつ、ラーメンを一人で食べきった。

私は酢豚定食、だんなは大盛チャーハン。揚げたての豚肉に甘み少なめの甘酢あんが絡み、野菜は玉ねぎとピーマンとにんじんと、なぜかきゅうり。パイナップルは入っておらず、なぜかきゅうりが入っている酢豚で、そのきゅうりの存在感は存外悪くない。今日はいつもよりちょっと酢の味を強く感じたけれど、でも相変わらず美味しい酢豚だった。共にトレイに乗せられてきたご飯と卵のスープと柴漬けを、今日も全部綺麗に平らげた。だんなのチャーハンちょっともらったお返しに、私は肉1切れ分けてあげたりしながらお昼ご飯をもぐもぐもぐ。

幕張 「OUTBACK」にて
 オージー・チーズフライ \940
 ザ・オリジナル・プライムリブ 225g \2190
 ビール(Corona) \700
 フローズンカクテル(ストロベリーマルガリータ) \850

やっと秋らしい気候になってきて、長袖シャツが欲しい気分。
「幕張のアウトレットモールあたりに行く〜?」
という話になって、昼御飯食べ終わってそのまま幕張に足を伸ばす。

アウトレットモールで50%OFFのシャツを買ったり、雑貨を眺めたり。小さな買い物袋が1個2個と増えていって、ユニクロとカルフールに寄り終わった後には大変な大荷物になってしまっていた。

気がつけば4時間以上も幕張を散策していたらしく、日も暮れてきたのでステーキ屋さん「OUTBACK」で夕御飯。

ボリュームたっぷりの昼御飯だったし、まだそれほど「すごく空腹」というわけじゃないしねと、前菜1つとって、あとはサイズ小さめのステーキでいいかなとお店に入った。木目調のカントリーチックな薄暗い店内は、今日は何だかキラキラピカピカとオレンジや黒の飾りがあちこちに。何かと思えばジャック・オ・ランタンや蜘蛛の巣の飾りで、店はハロウィーン装飾一色に染まっていた。各テーブルのライトにまで蜘蛛やお化けの飾りがついている。

すごいねぇハロウィンだねぇとメニューを開き、ハワイ旅行が当たるキャンペーン中のコロナを注文。名物の玉ねぎフライ(ブルーミン・オニオン)を毎回頼むのも芸がないねと、チーズとベーコンがトッピングされたフライドポテトを注文することにした。値段も良いだけあって、すごいボリュームのすごいフライドポテトがテーブルにやってきた。チーズ2種類が隙間なくどっぷりとトッピングされたポテトの上にはカリカリベーコンがこれまたどっさりと。とどめを刺すように、にんにく風味のチーズディップも添えられて、大変に危険な前菜の皿だった。

「あはは……これ、玉ねぎフライよりもヤバイ料理じゃん……何が危険って、このチーズの量が……」
「いやぁ、このチーズディップでしょ、やばいのは……止まらんようになる……」
やばいねぇやばいねぇ言いながら、皿に出す手が止まらなくなる私とだんな、そして息子。

「ぼくねぇ、マッケンチーズだけでおなかいっぱいになっちゃうと思うからー」
とか言っていたのに、ポテトの皿を一目見た途端に
「ぼくねぇ、これなら食べる」
とえらい勢いでポテトを食べ始めた。いやぁ、大変に危険な前菜だ。思った以上にデンジャラスだ。

そして私は久しぶりのプライムリブを。サイドディッシュに何も考えず「ベイクドポテト」を選択してしまい、
「しまった……芋が重なった……」
と、皿の上に鎮座ましましている巨大な芋を見て呟くと、だんなが
「そうだよおゆきさん、前菜も芋なのに"こいつ何を注文してるんだ"と思ったね俺は」
と。だったら指摘してよー。なんにも考えてなかったんだよー。「芋が食べたい」の一心だったんだよー。

ともあれ、芋を食った後に肉と芋を食う。「厚切りローストビーフ」という感じのプライムリブは表面にステーキのような焼き目がなく、ステーキよりも「肉」っぽくて、自分が肉食獣になった気分が味わえてとても好き。醤油ベースのソースをだばだばつけつつ、「そうそう、こんなのが食べたかったのよねー」とむしゃぶりついた。

明日の夕飯用に鶏ガラ4羽分と骨つき鶏肉、野菜あれこれも買って、大荷物でよろよろと帰宅。
明日は気合い入れて半日かけてスープをとって、水炊きをするのだ。甘く煮えたキャベツを山盛り食べるのだ。楽しみ〜。

10月16日 日曜日
冬の味なのだけれど、一足先に「水炊き」
いなり寿司 釜揚げ・高菜わさび
抹茶入り玄米茶
信玄餅

昨日はステーキを堪能した後、帰り際に鶏ガラ4羽分と骨つき鶏もも肉のぶつ切りを買って帰ってきた。寄ったのは閉店間際の駅ビル食料品売り場だったものだから、あちこちでお弁当やおにぎりを割引販売している。いなり寿司屋さんでは「全品100円」セール中になっていて、200円近い釜揚げいなりも100円になっていた。
「……あさごはん?」
「うん、あさごはんにしよっか」
と、いくつかいなり寿司を購入。釜揚げいなり3個に、五目1個、高菜わさび1個を買って、「……荷物いっぱいだから、君が持ってくれる?」と息子に小さな包みを持ってもらって、帰宅したのだった。

で、今日もぐーぐーと盛大に寝てしまって、目覚めると10時。
「……雨、降ってきたねぇ……」
と、昨日に引き続きすっきりしない空を眺めて、熱いお茶淹れていなり寿司をつまむ。これもそろそろ食べきらなきゃと信玄餅もテーブルに出して、遅めの静かな朝食を。じわーっと辛さがにじんでくるような味の、「高菜わさびいなり」がここしばらくのマイブームが継続しているところ。成人する頃まで大嫌いだったわさびの味が、反動のように今は美味しくてたまらない〜。

ポップコーン
カフェオレ

いよいよ寒くなってきたので、今日は冬用の羽毛布団を引きずり出し、布団カバーのつけ替えをすした。青と白のストライプの夏っぽい綿のカバーから、ベージュの起毛のもこもこカバーにつけ替えて、その洗濯やらベッドルームの掃除やらをしながら、今日は半日かけて水炊きの準備。

我が家の水炊きは、それはそれは手間がかかる。多分あまり一般的じゃない、白濁したスープの水炊きは何年も前の『dancyu』に作り方(こんな感じ)が載っていたものだ。鶏ガラ2kgを強火でゴンゴン炊いて骨を崩して漉したスープで骨つきの鶏肉を食べ、キャベツや根菜をそのスープで煮て食べる。丁寧にアクをすくわないとスープに臭みが出るし、鶏ガラをたっぷり使わないとこってりトロンとしたスープにならないしで、色々とめんどくさいのだった。それでもその美味しさは代え難いものがあって、我が家の鍋料理において外せない1つとなっている。

今回の鶏ガラは4羽。本当は5羽分欲しかったのだけれど、お肉屋の在庫が4羽しかなかったそうで、それを使うことにした。一度沸かした湯で下茹でした鶏ガラを我が家最大級の寸胴鍋(多分容量20リットルくらい)に入れて水をたっぷり注ぎ、強火でゴトゴト煮込んでいく。煮込んで煮込んで2時間ほど経って、水分が半分くらいに減ったところでおもむろに木べらを使って鶏ガラをガシガシ叩くと骨も骨のまわりの肉もボロボロと崩れて細かくなり、と同時にスープが綺麗に白濁してくる。あとは煮詰めすぎないように様子を見ながら適宜湯を足しつつも引き続き煮込み、適当な頃合いでスープを漉せば水炊きスープのできあがり。途中、食べるための肉も火を通して、その肉の煮汁もスープに足す。

なにしろめんどくさいのがアクをすくう作業で、最初の30分くらいはげんなりするほどに大量のアクが沸き出てくる。溶けた脂と共に浮かび上がってくるアクをせっせと取り除き、骨を砕いてからまたもうもうと沸き上がるアクも丁寧に取り除く。前半1時間くらいは鍋から離れられないし、その後も10分に一度くらい鍋を覗いてはアクすくったりお湯を足したり骨を更に砕いてみたりと、色々と大変なのだった。

そんな水炊きのお世話をしつつ、気がつけば2時を回っている。
「今更お昼ご飯って感じじゃないねー……」
「軽く何か食べようか」
と、先日コストコで山のように買ってきたポップコーンを。レンジをポンポンいわせて作ったバター風味(←でもバターを忌避するアメリカ製だから、バターはきっと入っていないのよ)のポップコーンを適当にもしゃもしゃと食べつつ、今日は一日水炊きスープと格闘していた。

水炊き
 (鶏肉・キャベツ・春菊・大根・人参・長ねぎ・豆腐・餅・中華麺)
イカのお刺身
ン日目の角煮大根
ビール(長期熟成エビス)
日本酒(笹一 原酒)
焙じ茶

そして夕方にはすっかりお腹ぺこぺこに。早めに入浴を済ませ、スープも仕上がったのでかなり早い時間の夕御飯になった。まずはスープに鶏肉だけを入れて温め、スープを飲みつつ肉を囓る。野菜を入れると野菜の水分でスープの味が薄くなってしまうので、適当に肉を食べてからキャベツに春菊に根菜類をどかどかと。

今日のスープは丹念にアクをすくっただけあって臭みのないすっきりとした味。でも少々濃厚さが足りなくて、やっぱり鶏ガラは6羽分必要かしらとか、もうちょっと煮詰めた方が良かったかしら……といくつか次回への課題ができた。スープにごりごり黒胡椒や岩塩を挽いてかけていただきながら、ビール飲んだり日本酒飲んだり。

ちょうど今日、お義母さんが「昨日釣ったばかりのイカをもらったからー」とお裾分けしてくれたイカもある。もうワタも抜かれて皮も取られて、あとはお刺身として食べるだけのイカだったので、こりゃまた良い酒の肴だわぁと、細かく細切りにしてイカそうめんにした。あとはいよいよ鍋に数個残るだけだった角煮大根も温めて、全体的にお酒の似合う夕御飯。

白濁スープの水炊きは、「美味しく鶏肉を食べる鍋」というよりも「美味しいスープとキャベツを楽しむ鍋」という感じだ。私もだんなも(息子まで)肉そっちのけで、
「キャベツうまー」
「にんじんもうまー」
と、ひたすら温野菜をもりもり食べた。濃厚な鶏のスープで煮た野菜は、野菜の持つ甘さがこれでもかと引き出され、甘味と旨味が凝縮したような味になる。スープの味のまま食べたり、ポン酢を添えたり、大根おろしや人参のすりおろしを少量添えたりして、好き勝手に味をつけてあれこれ食べた。

そして本日のヒットは「餅」。火が通りやすいようにとしゃぶしゃぶ用の「3秒茹でたら食べられます」という薄切りのお餅を買ってきたのだけれど、これがやけに美味しくて、シメに投入した中華鍋よりも人気の品だった。

まだやっぱり鍋にはちょっと早めの気候だったようで、食卓近辺はかなりの熱気。
「もうちょっと涼しくないと、鍋って感じじゃないよねぇ」
と、近くの窓を全開にして冷風を感じながら、額に汗して水炊きをたらふく食べた。

たっぷりできたスープはまだ残ってるし、ついでに肉も野菜も余っているから、明日の朝はこれで鶏雑炊。