食欲魔人日記 04年04月 第1週
4月1日 木曜日
息子の好物、クリームのスパゲティ
いちごサンド
ピーナッツバターサンド
カフェオレ

なーんにも予定がない、木曜日。今日も晴れて暖かいらしいのだけれど、風邪もまだ完璧に治っていたわけじゃないので、今日はおとなしくしていることに。

朝一で仕事があるというだんなはいつもよりも1時間以上早い出勤で、一人でそーっと起きて朝食を摂って出かけていった。食パンがあるからねピーナッツバター塗って食べるとうまいよ、と昨夜のうちに伝えておいたところ、それを食べたらしいだんなはコーヒーサーバーに私たちの分のコーヒーも作っておいてくれていた。ありがとうありがとう。寝ぼすけ妻ですんません。あと10日くらいしたら息子の弁当作成がまた始まるしー。そしたらまたがんばるしー。

私と息子はちょっとのんびり起きての、朝昼兼用のたっぷり飯。ここしばらく、美味しいフルーツサンドに恵まれなかったので、今日は自分で作ってみることにした。6枚切りの、ちょっと厚めのパンは根性で厚さ半分にスライス。3組の"12枚切り"のパンができたところで、1組はピーナッツバターサンドにした。ただただピーナッツバターを塗っただけのサンドイッチ。

そして残り2組は念願のフルーツサンドに加工。ナカザワ社の生クリームに砂糖を加えてシャカシャカ泡立て、かなり固めに泡だったところでたっぷりと食パンに塗り込む。苺とバナナを挟もうかなと思ったのだけれど、手持ちの苺がどっさり残っていたので、これでもかと苺だけを入れた苺サンドに。2組の苺サンドをごってり厚めに作成して、それぞれ4等分して盛りつければ計12切れのサンドイッチのできあがり。

「おいしいですか?」
「おいしい!いちごのサンド、おいしい!」
自分で生クリームを泡立てて作るサンドイッチは、さすがに美味しかった。作ってみると、もっと生クリームはたくさん入っていて良いんだなぁとか、フルーツの隙間にもきっちり生クリームを塗っておかないと仕上がりの断面がいまいちになっちゃうんだなぁとか、今後の改善点もいろいろ。フルーツ屋さんで食べるようなフルーツサンドに挟まっている生クリームの量は尋常な量じゃなかったんだと、改めて思い知らされた。

次回挟むものは、苺とバナナとパイナップル、あとできればパパイヤというところかな。調べてみると、レモン果汁を混ぜたバターを薄くパンに塗っておいたり、サワークリームやクリームチーズをホイップクリームに混ぜ込むという方法もあるらしい。あとは容赦なくホイップクリームを大量にパンに塗ることがポイント。
……ハニトーも実は懐かしい、今日この頃……(太るものばっかりじゃん……)。

食後、なんとなくテレビをつけてみれば嫁姑バトルの実話ドラマみたいなのをやっていて、それを見た息子、テレビの前に正座して、
「あ!……いじわるしちゃ、ダメでしょー。いたいでしょー。ダメよー」
とテレビに向かって説教しはじめた。「ご意見をお聞かせくださーい」と番組の電話番号が表示されると、おもちゃの電話を取り出してぽちぽちと番号を押し、
「もしもーし?あの、おばあちゃんいじめるのは、ダメとおもいます。なかなおりしなきゃ、ダメとおもいます」
何やら訴えている。いっそのこと本当に番組に電話かけて、「なかなおりしなきゃ、ダメとおもいます」と言わせてみるのも面白いかも……なんて思ったり(いや、しなかったけど)。

スパゲティ チキンアルフレッド
茄子とトマトのバルサミコ酢マリネ
新玉ねぎのスープ パルミジャーノのおせんべい添え
缶チューハイ(ライム)

「不二家」のロールケーキ
アイスカフェオレ

一食しか食べていないと、さすがに夕方空腹になる。
「とーちゃんは遅いかなぁー、遅そうだったら早めに夕飯にしちゃおうね」
とか言っていたら、「今日は帰れそうー」と連絡があった。

電話口で、だんなはいつも
「何か買ってくもん、ある?」
と聞いてくる。最近はそれに対して執拗に
「不二家のロールケーキ」
と答えている私だったりした。

「何か買ってくもん、ある?」
「不二家のロールケーキ」
「……いちご大福、買ったんだけど?」
「あー、じゃあね、いちご大福で、いい」
「"いちご大福でいい"なんて言う奴にはいちご大福あげない……」
「きゃー、いちご大福大好きですっ、いちご大福がいいですっ」
とか、

「あ、おとうさんだよ。今から帰るよ」
「おとーさん?はやくかえってきてね。あのね、すきなたべものはね、バナナなんだよ」(息子、携帯を奪い取り)
「おかあさんはロールケーキが好きなんだよ」(私、携帯を奪い返し)
「……誰もそんな事聞いてない……」
とか、

とにかくロールケーキロールケーキ言ってみていたのだった。そしたら今日、ロールケーキとだんなが帰ってきた。呪文成功。

ここしばらく、息子が「クリームのスパゲッティ」を熱烈にリクエストしていたので、今日はちょっと久しぶりにクリームのスパゲティ。息子が言うそれは、アメリカのパスタ料理として有名な「アルフレッド」というものに他ならなくて、それは日本でもイタリアでもいまいちマイナーな料理だ。鍋にバターと生クリームを入れてバターを溶かして生クリームを軽く煮詰め、そこにおろしたパルメザンチーズを加えてソースを作る。玉ねぎ入れたり鶏肉入れたり海老入れたり、あとはいろいろと。今日はパルメザンチーズの代わりにピザ用チーズを使ってしまい、茹でた鶏肉もそこに混ぜた。感じとしては、カルボナーラの卵抜きという感じ?

サラダ代わりに、茄子のマリネも作る。輪切りにした茄子をオリーブ油でジャジャッと炒め、オリーブ油とバルサミコ酢とビネガーとレモン汁(オリーブ油だけ倍量、あとは同量)でマリネする。で、プチトマトは二等分にしてから塩とおろしにんにくでチャチャッと和えておいてみた。最後に一緒に盛りつけてできあがり。

で、スープは新玉ねぎをどっさり使って。薄切りにした玉ねぎをたっぷりとコンソメで煮て、ぐだぐだになったところに更に具として角切りにした玉ねぎを加えて煮込み、最後にオリーブ油とパルメザンチーズのおせんべいを散らすというスープは、数週間前に買った『カフェデリそうざいアイデア集(1)』(日高良実/著 柴田書店)に載っていた料理だ。具沢山のスープがたくさん載っていて楽しい本だった。

パルメザンチーズのおせんべいは、クッキングペーパーの上に平らに広げたパルメザンチーズを電子レンジで数分チンすれば粒がつながるように溶け、それが冷えると固まるので、それをバラバラッと崩して作る。具体的に「○分」とレシピに書いていなかったので1分ごとに様子を見ながら電子レンジを動かしてみたのだけれど、4分くらいかけて微妙に半端な感じに火が通ってしまったところで「なんか……焦げそうかも?」と諦めてちょっとボロボロのそれを使うに至った。6分くらいかけても、もしかしたら余裕で大丈夫だったのかしらん……。

チーズを入れたスパゲッティは冷めるとガビガビに固まっていってしまうので、手早くせっせとチュルチュルと食べる。バターと生クリームとチーズを使った乳製品がっちょりのソースは、いかにもアメリカ人が好きそうなこってりした味で、それが妙に懐かしかったりもした。

スープもマリネもスパゲティもたっぷり食べた後は、念願のロールケーキ。
「案外、理想は自分の近くにあるものかもしれないなぁ」
と思ってしまうほど、不二家のロールケーキ(商品名は「スイートロール」)はなかなか好みな味であり、好みなスポンジとクリームのバランスだったりする。大量生産ものチックな味ではあるんだけど、それがまたロールケーキというものに似合っているし。かといって植物性油脂コテコテの味なんかはしないし。にょろっと巻かれた中央にたっぷりめのクリームが詰まっているのがまた好みで、今日も美味しくいただいた。明日も美味しくいただくのよ。

4月2日 金曜日
大好き大好きロールケーキ♪
「青葉」のつけ麺
お義母さんの煮豚
麦茶

4月に入り、まだまだ春休み。今日は明け方からものすごい雷と大雨で、ドンガラバリバリガシャーンってなすごい音で
「まぁまぁ、たいへんたいへん……」
と、幾度となく目を覚ましてしまった。眠い眠い。

のんびりと、息子と二人の昼御飯(兼用朝御飯)は、息子が発見したつけ麺を。10時過ぎた頃に
「お腹、すいたね」
「おなか、すいたねー」
「何、食べようか?一緒に食べるもの、探してみる?」
「うん、さがすー」
と、2人で台所を探し回って、

「おかあさん、チョコは、どうですか?」
「却下。チョコは食事になりませーん」
「……おかあさん、クッキーは、どうですか?」
「却下。チョコもクッキーも同じでーす、お菓子でーす」
「あ!おそばがありました!」
「……ああ、つけ麺ね。それはいいかもー」
「いいかもそれはー」

CMの文句が好きな息子がそう返して踊っている脇で、先日お義母さんからいただいた「青葉」のつけ麺を手にした。 乾麺のそれを数分茹でて水にさらし、スープは湯で溶いて、冷たい麺を熱いスープにつけて食べるようになっている。その乾麺と一緒に、お義母さんは自家製の煮豚もお裾分けしてくれていたので、それをスライスしてゆで卵と共に添えた。

「あめですねー」
「うん、雨降ってますねー」
「あめあめですねー」
「そうですねー」
そんなこと話しながら、つけ麺をチュルチュル。ちょっと化学調味料味が強くて舌がピリピリするスープだったけれど、煮豚と卵が美味しかったのでよし〜。

角切り野菜と薄切り肉のカレーライス
福神漬
茄子とトマトのバルサミコ酢マリネ
新玉ねぎのスープ パルミジャーノのおせんべい添え
冷茶(グレープフルーツ)

「不二家」のロールケーキ

天気もいまいちだし、仕事もあったので家でぽちぽちと仕事しながら家にこもっていた一日。だんなが激ジョブで帰れない本日の夕飯は、手持ちの食材を使ってカレーを作ることにした。手元にあるのは薄切り豚肉。
「薄切り肉でカレー作るなんて、滅多にしないからなぁ……」
と、以前雑誌で小林カツ代さんがやっていた"しゃぶしゃぶカレー"の手法でやってみることにした。

ちゃっちゃと作りたかったので、いつもはごろっと大きく切る野菜も小指の先ほどの角切りに揃えてカット。玉ねぎとにんじんとじゃがいもを一気に炒め、水を加えて10分ほど煮たら、フツフツ言っている水面にしゃぶしゃぶのように肉を広げてヒラヒラと投入。すかさずルーを溶いて、20分ほどで一気にカレーを作り上げた。

幸い、昨夜の玉ねぎのスープと茄子のマリネが残っている。そこそこ手をかけたサイドディッシュが残っていることをありがたーく思いつつ、手早く夕食の準備は整った。

お供にと淹れたお茶は、緑碧茶園L'EPICIERのアジア茶版)から今月届いたばかりの試供品、「グレープフルーツ」。グレープフルーツの皮が入った緑茶で、すごく爽やかな風味。エッセンスで匂いをつけたような甘ったるい風味のお茶はいまいち好きになれないけれど柑橘系のお茶はけっこう好みで、今回初めて飲んだそれもとても好きな味だった。キーンと冷やして飲んだのだけれど、たっぷり作ったはずなのに息子と2人で飲みきってしまった。

食後に、昨夜に続いて「不二家」のロールケーキ。
ロールケーキは、生地ではなくてクリームが「の」の字を描いているくらいにちゃんと巻かれているものが好きなのだけれど(生地が「の」の字だと、クリームは「へ」の字くらいにしかならないのよ)、不二家のそれはそのあたりもばっちり。中央の「クリーム溜まり」の分量も非常に好みな具合で、いいわいいわこのバランスが最高だわ、とニヘニヘ笑いながらいただいた。1本800円。これが500円くらいだったらもうもう最高なんだけれど、贅沢は言えぬ。

4月3日 土曜日
特に作った次の日の朝がうまい〜♪
2日目のカレーライス
アイスティー(クレイグモア)

カレーライス作るんだよ、と昨日メールで報告したら、めちゃめちゃ悔しそうだっただんな。ちゃんと残るような分量を作っておいたので、だんなの分もちゃんと残っているのである。しかもだんなが口にするのは「特に作った次の日の朝がうまい〜♪」と、歌にもなっちゃうほどにおいしい存在である、"2日目のカレー"だ。文句があるか、いや、あろうはずがない、と、朝起きるなり米を炊き始める私だった。

にんじんもじゃがいもも、玉ねぎも、ざくざく角切りにして作った昨夜のカレーは、具が沢山残っていてごろりざらりとちょっとすごい外見になってしまっていた。水分が少ない割には味がいまいち薄めだったので、塩を入れたりカレー粉を軽くふっていたりして、簡単に味を調えてみる。

米を炊く間に用意したアイスティーは、L'EPICIERからの今月の試供品「クレイグモア」というニルギリのお茶。しっかりした渋みのあるお茶で、濃いめの色合いがガラスのコップによく映えていた。しっかりした味の紅茶が好きなので、けっこう好み。

レピシエはあちらこちらのデパ地下にもあるけれど、通信販売を利用するとそこから1年、ペーパーと試供品のお茶(2種類)が届くようになるらしい。以前は、一度通販を利用すると何年でもペーパーと試供品がやってきていたのだけれど(しかもどういうわけか、だんなの分と私の分とで2通やってきていたりした)、最近はそのコストもばかにならないということで、「初めて通販を利用した方は、そこから1年お送りしますよー、もっと送って欲しかったら1年に最低1度は3000円以上のお買い物を通販でしてね♪」というシステムに変化した。それでもそのペーパーと試供品がありがたいので、せっせと通販を利用する私(うーん、近々期限が迫るから、夏のアイスティー用にペニンシュラ買って、ちょっと興味あるから抹茶も買って……)。

ホイップクリームどっさりホットケーキ
カフェオレ

特に外出の予定もなく、近所にさらりとお買い物に。
「んー……夜まで何も食べないと飢えるから……モスバーガー……いやいや、それだと食べ過ぎ……」
などと呟きながらお買い物に行き、安売り苺と目が合った。

「あ!……フルーツサンド?いや、いっそ、ホットケーキとか」
ごにょごにょ呟きつつ昼食の算段をしていると、息子が輝く瞳でもって
「ホットケーキ!ホットケーキが食べたいなぁ!」
と。ホットケーキという案に誰も異論がなかったので、久しぶりにホットケーキを焼いてみた。これまた本日安売り中だったホットケーキミックスを使用する。

ホイップクリームをしっかり固めに泡立てて冷蔵庫に入れておき、それからケーキミックスに卵と牛乳を混ぜて生地を作る。コンロにフライパンを2つ並べてじゃかじゃかホットケーキを焼いていきつつ、その合間にバナナと苺をざくざくとたっぷりカット。1人2枚ずつ、皿にどさっどさっと焼きあがったホットケーキを積み上げて、2枚重なったその間にバターを1かけ。一番上にはこれでもかとホイップクリームを積み上げて、そのクリームに刺しこむように苺とバナナをずらりと並べた。しかもハチミツを上からかけちゃったりして、とてもアメリカーンな装いのホットケーキ。

ホットケーキに添えるのは有塩バターじゃなくて無塩バターの方が良いのかもしれないけれど、私は有塩バターの軽い塩辛さが嫌いじゃない。ごく淡い塩気のあるバターが染みこんだふわふわのホットケーキに、もっさりとかたく泡だったホイップクリームをなすりつけ、トロンと甘いハチミツの甘さを感じながら食べる。苺の酸味もバナナの甘さも程良く似合って、想像以上に美味しかった。モスバーガーでハンバーガー食べるよりもハイカロリーな昼食になっちゃったような気がするけれど、そのへんはとりあえず気にしない。

ホットケーキを焼くのはそう珍しいことでもないのだけれど、私は毎回最初の4枚くらいを美しく焼きあげることができない。油を薄く薄くフライパンに塗って、それを割としっかり拭き取ってから焼くのがポイントだとわかっているのだけれど、微妙に円周に沿った焼き色がついてしまったり、微妙にムラのある焼き上がりになっちゃうのだった。焼いているうちにだんだん綺麗な滑らかな焼き色に焼けるようになっていくのが毎度のことで、今回もほんの少し残った生地で焼いた小さな2枚は、どら焼きの皮のような美しい仕上がりに。ホットプレートを使うと失敗がないと聞いたことがあるけれど、それもまためんどくさかったりして……。

だんな特製 麻婆茄子
だんな特製 油揚げのカリカリ焼き
羽釜御飯
ビール(モルツ)・麦茶

「今週は、平日一度もジムに行けなかったわけです。今日の夕方、ボディパンプあるから行ってきていい?」
だんなに相談したらば、「もちろんいいよー」とのこと。ただ、その時間帯が6時半から7時半と、非常に微妙な頃合なのだった。帰ってから御飯の支度となると、ちょっと遅くなっちゃうし。
「いいよいいよ、御飯作ったげるよ。お風呂沸かして待ってるから、行ってらっしゃい」
ありがたいだんなの声に見送られて、「ちょっくら行ってくらぁ!」とバーベル振り回しにスポーツジムに行ってきた。

土曜の夜、閉館間近の最後のプログラムということで、「もう、俺は(私は)ボディパンプやるためだけにここにいるんだもんね」てな風情の、体を鍛えまくっているような人々が案外と多く、私が普段行く平日午前とはかなり違う客層。曲の合間に「ヘェイ!ヘェイ!」と合いの手を入れたりするのだけど、その声も地を這う超低音。つい調子にのって、10日ぶりのそのプログラム参加だというのにちょっと重めの設定でバーベル持ち上げまくってきたので、終わる頃にはヨレヨレだった。ペットボトルを持ち上げると手がプルプル震えて中身がパシャパシャ揺れ動いてしまうほど、何だか怪しい人に。

で、もう中華鍋ふるうのなんて全然無理です、という状態で帰宅して、だんなが作ってくれたのは麻婆茄子。だんなが作ってくれる麻婆もの(麻婆豆腐、麻婆茄子……)は、私が作るそれよりも甜麪醤がたっぷり入っているようで、とても味噌味噌した味わい。かなりのこってり味なのだけれど、最後に表面にぶわっと散らす刻み長ねぎが全体を軽くしてくれて、いくらでも食べられそうな危険な味だったりした。今日はまた、茄子を炒めるのに使った油が大量だったようで、表面がキラキラネカネカニトニトと怪しく輝いていた。

「あはは、この麻婆茄子で、運動の成果、帳消しって感じ?」
とか言いながら、ビールをグビーッと飲み干し、つまみにと作ってくれた油揚げのカリカリ焼きにおかか醤油を添えたものをバリバリ食べ、更に麻婆茄子もたっぷりと。帳消しだわ、帳消しよ、と言いつつ、最後には白い御飯に麻婆茄子をどっちゃりかけ、茶色く染まるひき肉をタレと共に御飯に混ぜ込みつつわしわしと食べた。油たっぷりのうえにこってりどっしり味で、すっかり空になっていた胃袋も大満足。ごちそうさまでした。

4月4日 日曜日
誕生日のお祝いは、バボーンと巨大なステーキ。
ピーナッツバタートースト
紅茶(ロイヤルブレンド)

「……いったーい……」
昨日の私はスポーツジムで頑張りすぎた。前回から少々間を空けて行ってしまったというのに、ちょっと張り切りすぎてしまった。結果、腿全面、胸肩背中二の腕、鍛えたところ全てが筋肉痛になった。
「うう、座るのが痛い、ものを持つのも痛い、何をやっても痛い……」
んもう、最悪。何をやろうとしても背後に「びしぃっ」とか「ぎしぎしっ」とかいう効果音が出てきそう。

で、私が昨日参加してきたボディパンプに、だんなは今日の午前中行って来るつもりであるらしい。ジムに子供連れで入るわけにはいかないので(大人用のコーナーが利用できるようになるのは中学生だか高校生だかになってからだ)、どうしても「今日は俺が留守番してるから」「じゃあ明日は私が」という風になっちゃうのだった。

運動前のだんなと一緒に食べた朝御飯は、ピーナッツバターをぺたくた塗ったトースト。人形町のパン屋さんで買ってきた、その店手製のピーナッツバターはふわふわした軽い食感で、くどさがないのでついたっぷり塗って食べてしまっていた。皆でこれでもかとつけていたので、プラスチックのカップに入ったそれはあっというまに空になった。

……今度は市販品の無糖ピーナッツバターを買ってきて、アメリカ人みたいにジャムと一緒にサンドイッチにして食べてみようかしらん。生のセロリにもピーナッツバター(無糖のね)をつけ、生のリンゴにもピーナッツバター(これまた無糖の)をつけてバリバリ食べるアメリカ人たち。なぜかアメリカ人はピーナッツバターが大好きだ。私もピーナッツバターが好きだけれど、方向性は激しく違うのね……。

カレーうどん
麦茶

お昼を挟んで数時間、ジムでみっちり運動してきた我が夫。その間、私は
「うおぉー、体がピキピキ〜パキパキ〜」
などと嘆きながらパソコンいじくっていたりベッドに倒れ伏していたりした。ああ、誕生日イブなのに、なんでこんな悲惨なことに。

今から帰るよ冷凍うどん買って帰るよ、とだんなから連絡があったので、事前に打ち合わせておいた段取とおり、"3日目のカレー"を"カレーうどん"に仕立てるべく、あれこれ準備して待っていた。残ったルーに水を適当に加え、鰹だしの素をサラサラッと投入し(ホントはちゃんとだしを取った方が美味しいのよー……今日は手抜き)、塩と醤油と味醂を適当に加えてそれっぽい味にする。あとは冷凍うどんを放り込んで適当に煮ればできあがり。鍋底にちんまり残っただけのカレーでもそこそこまともな味になるし、1人分ほどのルーが残っていれば、それはそれでリッチな味になってすごく美味しい。毎回微妙に味が違うのも、「カレーの後のカレーうどん」のお楽しみ。

今回のカレーは野菜角切りざくざくの薄切り肉ひらひらなタイプだったので、カレーうどんにとてもよく似合っていた。ルーがたっぷりめに残っていて濃いめな味のこっくり味。

だんな特製ペッパーステーキ
マッシュルームのバター炒め、クレソン、フライドポテト
コーンスープ
羽釜御飯
ビール(コロナ)

「不二家」の誕生日ケーキ
カフェオレ

そういうわけで、明日は私の誕生日。明日は平日でおそらくだんなは激ジョブで、お祝いしている余裕はなさそうだということで、お祝いは本日執り行われることになった。先週頃に、聞かれていた。
「……誕生日、何が食べたい?週末だし、何か作るよ」
「んー……インド料理ってのも違うし……メキシコ料理もいいけど……」
「……できる範囲で作るよー」
「あ!あれだ!そう!ステーキ食べたい!でっかいの!ガツンと!」

ああステーキはいいねぇ、いいよねぇ、ずっと食べたかったんだよそういえば、と、盛り上がり、今日はステーキ。凝ったソースなんかはいらないから、ひたすらシンプルな塩と胡椒だけで焼いたみたいなアメリカーンなステーキ。ステーキは12オンス(360gくらい)からが基本よね、とか夫婦して思っているのでスーパーや肉屋で普通に売られているステーキ肉で事足りるはずはなく、
「これ、この肉、もっと厚く切ってもらえます?350gくらいに」
と、肉屋でオーダーカットしてもらった。塩と黒胡椒をこれでもかと擦り込んだ肉を、スキレット(分厚くて重い鋳鉄製のフライパン)でじゅうじゅう焼いていく。私は座して待つだけ。

「アメリカーンなステーキに添えるものは何がいいかなって考えた結果、こうなりました」
と、ステーキの添え物にはどっさりのクレソンと、マッシュルームのバター炒め、そして小山のフライドポテト、そしてコーンスープ。でも、パンじゃなくて白い御飯。直径35cmくらいはありそうな、我が家最大級の皿に乗せたのに端っこが溢れてしまいそうなサイズの肉だった。

「……久しぶりにこのサイズ見ると、迫力ね」
「アメリカじゃ不思議にも思わなかった分量なんだけどね」
「ていうか、これでも標準かちょっと小ぶりくらいのサイズだったよね」

どっしぇー、すごいなー、でっかいなー、と笑ってしまいながら巨大な肉を端から切ってもりもり食べた。ちゃんと好みな具合のミディアムレアに火が通っていて、コテッと脂の乗った肉の断面から肉汁がだばだば出てくる。アメリカで飲んだビールと言えばこれでしょと、コロナビールの口にくし切りにしたライムをギュウギュウ押し込んで、酸味のついた軽い口当たりのビールを、肉を切り食べる傍らぐいぐい飲んだ。あー、ステーキ、美味しいわ。焼き肉も相当満足感があるけれど、「牛肉をこれでもかと食べています」という気分はやっぱりステーキが一番かもしれない。

今日は午後ずっと雨の中、遠くに買い物もいけないしということでケーキは不二家の小型ホールのショートケーキ。ペコちゃんの「たんじょうびおめでとう」の飾り札に笑ってしまいながら、食後にたっぷりいただいた。だんなからの誕生日プレゼントは、四つ葉のクローバーの銀製チョーカーと星形の石が揺れるペンダント。息子からは、
「そっかー、おかあさん、たんじょうびなのかー。ハーゲンダッツのクリスピーサンド、プレゼントしてあげるね?」
と宣言され、今年の誕生日も幸せだった。「ああ私ももう20歳……」(10進数にあらず)と思い知るのはちとつらいけれど、でも"誕生日"というイベントには毎年わくわく。