食欲魔人日記 01年05月 第2週
5/7 (月)
油淋鶏もどき (夕御飯)
海苔の佃煮
御飯
さつまいもの味噌汁
緑茶

あああ、ゴールデンウィークが終わってしまった。今日からまたお仕事及びジム通いに励まねばならない。
朝御飯は、昨夜炊いた御飯。昨夜作った味噌汁。
「目玉焼き、食べる?」
とだんなに聞いたらいらぬと言う。昨日の朝に目玉焼きを食ってしまったそうで、「……海苔の佃煮でいいや」と彼は冷蔵庫から小さな容器を取り出した。椎茸入りの佃煮は、お義母さんの手作りだ。淡い味が美味しくて、どかんと貰ってきてしまった。んが、いただいたのはもう数週間前だったような気がしないでもない。もしかしてちょっとヤバめ?

二人でふんふんと容器に鼻を近づけて
「……大丈夫、みたい。」
と御飯に盛る。賞味期限がついてるものならば「賞味期間の2割増しくらいまではオッケー」とか適当に判断できるけど、手作りものは自分の鼻と舌が頼りだ。たっぷり乗せて、御飯と一緒に口の中へ。広がる海苔の香り……と少々の酸味。佃煮に酢は入れない。普通入れない。
「……何だかちょっとだけ酸っぱいね。」
「やっぱ?酸っぱいよね。」
「……ヤバい?」
「……ヤバくない、とは言えないよねぇ。」
と、お義母さんに向かって心中頭を下げながら海苔の佃煮は退場いただいた。ううう、美味しい佃煮だったのに……。
遊び呆けた期間の後の冷蔵庫は、ちょっと危険地帯なのであった。赤ピーマンが野菜庫の底で怪しいピューレ状になっていたりして。

ハラミ丼
アイスウーロン茶

本日、久しぶりのジム。踊って鍛えて泳いで帰り、さて昼御飯はと冷蔵庫を覗くと、焼き肉をした時の余り肉と目があった。私の大好物のハラミ。

ハラミは牛の横隔膜だ。どこか内臓系の香りもする、柔らかな肉だ。カルビとはまたちょっと違う乳臭さのようなものがあって、一度どこかで食べてから病みつきになった。ハラミを舐めてはいけない。「ハラミ友の会」なんてホームページがあったりするくらいなのだから。

で、そのハラミをカンカンに熱したフライパンでジャッと焼いて、「赤と黒」を焼き上がりにまぶす。どんぶりに盛った御飯の上に肉乗せて、白髪葱乗せて、胡麻ふって、七味唐辛子かけて、喰う。手抜きだけど、いかにもな焼き肉のタレ味御飯が食べたい気分だったので良し。

どことなくチープな味の、肉たっぷりの豪華な丼は旨かった。ごめんよだんな、一人で旨いもん喰って。

茹で枝豆
たらの芽の胡麻和え
油淋鶏もどき
キャベツの和風スープ
御飯
モルツ

買い置きの鶏肉があったので、夕飯は「油淋鶏もどき」。揚げ鶏に葱だれをかける油淋鶏は確かに絶品だけど、いかんせん揚げ物なのでいろいろとめんどくさい。肉を揚げずに焼き、他は油淋鶏と同じように作ってもなかなか美味しいものになると知ってからは、もっぱら「もどき」を作っている。

鶏はフライパンで焼いて、一口大に切ってから皿へ。上から山盛りの刻み万能葱をふり、醤油と酢と砂糖がベースの甘辛いタレをかける。
そろそろ季節到来の枝豆を茹で、いただきものの「たらの芽」は天ぷらにしようかと思案して胡麻和えにすることに。強い苦みのある山菜に、胡麻を大量に絡めて砂糖もちょっと多めに和える。昆布だしの生姜入りキャベツのスープも揃えて、今日も比較的さっぱりめの夕御飯。

夜9時、遅めに帰ってきただんなと一緒にちょいと遅めの夕御飯。
皮目をカリッと焼いた鶏肉に葱ぶっかけて、甘酢醤油をかけて食べる。サラダ菜も敷いて、鶏を巻きつつもりもり喰ったら旨かった。鶏もも肉2枚は300gくらいあるはずなのに、こうして食べるとあっという間だ。

5/8 (火)
デニーズ(池袋)にて「キーマカレーオムライス」 (夕御飯)
葱入り卵焼き
キャベツの和風スープ
御飯
緑茶

「卵焼くけど、何がいい〜?スクランブル?目玉?卵焼き?」
と起き抜けのだんなに尋ねたところ
「……たまごやき。」
という返事が返ってきた。ぬぅ、一番難しいものを要求してきたな。

卵焼きは難しい。難しい上にめんどくさい。卵3つをシャカシャカ溶いて、だしと醤油と塩と砂糖を適当に入れ、フライパンで焼く。四角い卵焼き用フライパンも欲しいけど、これ以上鍋を増やしたくないので小ぶりのフライパンでぐっと我慢。薄く卵液を入れては刻んだ万能葱をふり、パタンパタンと折っては鍋底に胡麻油を敷いて以下繰り返し。4〜5回繰り返せば、何となくそれっぽい卵焼きができる。

今朝の卵焼きは、ちょっと塩気が多かった。しょっぱい卵焼きは、御飯のおかずとしては良いかもしれないけど、ちょっと不本意な出来だった。ありゃぁ……。

大学研究室にて
 しゃけマヨネーズおむすび
 たらこおむすび
 ウーロン茶

今日はお仕事。今にも降り出しそうな空模様の中、「こりゃお昼には雨だな」と途中のコンビニでおむすびを買っていった。昼休みは一歩も外に出ず、案の定降り出した空を窓から眺めつつ御飯。

「ツナマヨネーズ」は良く聞くけど、「しゃけマヨネーズ」はあまりメジャーじゃないのではなかろうか。「しゃけマヨネーズ」「牛肉カルビ」「ビビンバ」など、頭がくらくらしそうな具が詰まったおむすびが最近のコンビニ棚には並んでいる。しかもどれも美味しそうなんだ。困ったことだ。

「やっぱ、ツナの方がマヨネーズには合うかも……」と塩気のある鮭がマヨネーズにまみれたものが入るおむすびを食す。たらこはシンプルな焼きたらこ。500mlのペットボトル入りウーロン茶を飲みながら昼飯終了。

私が務めている研究室の教授は、「象牙の塔の住人」という表現がお似合いの、のほーっとした人だ。だが、和洋入り乱れた学術書が並ぶ本棚の隅には『いまどき真っ当な料理店』だとか『ザガット・サーヴェイ』などの料理本が10冊近くひっそりと置かれている。
「先生、良くレストランに行かれるんですか?」
と尋ねると、楽しそうにフランス料理とワインの話をし始めた。
「以前、ソーテルヌワインが好きでしょっちゅう買ってました」(※ソーテルヌはデザートワインとして用いられることが多い甘口ワインの良産地)と話すと、
「ほぅ。1本をどのくらいの期間で飲むのですか?」
とおっしゃる。はぁ、飲む時は3日とか1日で空けますねぇ、と答えると、
「あの甘いワインを!……貴女、早死にしますよー。」
と言われた。は、早死にですか……。

池袋サンシャインシティ内 デニーズにて
 キーマカレーオムライス
 マンゴープリンパルフェ
 アイスティー

今日は、観劇。抽選予約で運良く取れた、キャラメルボックス「風を継ぐ者」の東京千秋楽を見に行くのだ。5時に仕事を終えて、うきうきと池袋サンシャインシティに向かう。1時間ほど余裕があるので、池袋で何か食べられそうだ。本当だったらパスタか中華か鰻でも食べたいところだったけど、サンシャインにはデニーズがあるのであった。そして今の期間、デニーズにはマンゴプリンパフェがあるのだ。普段なら池袋まで来てデニーズには入らない自分も、マンゴプリンの魅力には今日も逆らえないのだった。

メニューを眺め、「キーマカレーオムライス」を注文。デザートには「マンゴープリンパルフェ」。
「開演まであと1時間と15分くらい〜」
とのんびりしながら料理を待つ。そういえばちゃんとチケットを見てなかったなと鞄からチケットを取り出すと、てっきり7時半開演と思っていたところに「7時開演」の文字がある。うげ。ありゃ。なんてこった。
慌ててまだ職場にいるだんなに電話。こちらもこちらであと30分くらいでお店を出なきゃいけないので焦り出す。ああ、デザートも頼んじゃったよこんな時に。キャンセルしようかでも食べたい。悶々と考えながらテーブルについていた私は、きっと鬼気迫る顔をしていたことだろう。

5分ほどでやってきたオムライスを怒濤の勢いで食べる。
ドライカレーにひき肉カレーがかかり、横にふわんと柔らかなオムレツがかかっているものだ。じわっと辛い。キーマカレーに椎茸が入っていたりするのがなんとなくファミレスだなぁと思いながらばくばく食べる。卵の柔らかさがなんとなく幸せ。でも時間はない。

食後、また5分ほど待たされてやってきた「マンゴープリンパルフェ」を前にした時は開演20分前だった。パフェ早食いコンテストに出場しているかのような勢いで、パフェを喰らう。バニラアイスにバニラプリンにマンゴーソースにマンゴの果肉。バナナもたっぷり、ホイップクリームも乗っている。パフェは大好物なのだ。しかもこれ、けっこう美味しかったのだ。でも時間はない。

結局、胃もたれしそうな勢いで夕飯を終えた私だった。
開演時間5分前に滑り込んだだんなも、怒濤の勢いで吉野家の牛丼(しかも大盛)を喰ってきたということだ。何だか胃袋わやくちゃな千秋楽。

5/9 (水)
アマトリチャーナ (夕御飯)
卵丼
葱と油揚げの味噌汁
冷茶

昨夜の帰宅はぎりぎり日付が変わる前だった。風呂もシャワーだけにして、倒れ伏すように寝る。今朝も目覚まし時計を叩き止めて、だんなの出勤時間ぎりぎりまで家族全員倒れ伏していた。だんなを送り出し、まだまだ眠り続ける息子はそのまま寝かせてやってしばし一人ボーっとする。折良くお仕事が入ってきたのでパソコンと大格闘。
「おはよー」
という息子の声に気がついてみたら、11時半だった。息子よ、もう朝ではない。「おはよー」はまずいのではなかろうか。ていうか、私達の朝飯はどこへ行った。

結局保育園を休むことになった息子と一緒に朝御飯とも昼御飯ともつかぬものを食べる。困った時の卵丼。
だしと醤油と味醂を合わせた割り下に溶き卵を流し入れて半熟状態に固めたものを御飯の上にぶっかける。生卵のぶっかけ飯も美味しいけど、3分の手間で3割は美味しくなるので余裕があるときは卵丼を作りたくなる。

お供の味噌汁は椀に直接作る究極インスタント。味噌と顆粒だしを椀に入れ、刻み葱と冷凍庫にて保存してある千切り油揚げも放り込み、そこへ湯を注いでかき混ぜるだけ。インスタントだけど、市販のインスタントよりは何となく美味しい気がする。

アマトリチャーナ
ペールエール、アイスカフェオレ

ゴールデンウィーク最終日、私が友人とでかけていた時に、だんなはアマトリチャーナを作ったらしい。トマト味のパスタ料理だ。
誘因はその前日に放映された「チューボーですよ!」。だんながうずうずしていたのだから、当然私もうずうずしていたのだった。「作ったけど、美味しくできたよー」なんて言われたら、ますます私も食べたくなる。てなわけで、今夜は私が作るアマトリチャーナ。

アマトリチャーナの名前は、地名から来ている。ジェノバ風がジェノベーゼであるように、ボローニャ風がボロネーゼであるように、アマトリチャーナは「アマトリーチェ風」。ローマの北部にある山間の村アマトリーチェがその料理の発祥だったのでその名がついたのだとか。
材料は簡単だ。トマト缶とベーコン、玉ねぎとパルメザンチーズがあればできる。本格を目指すならベーコンじゃなくイタリア版ベーコンとも言うべき「パンチェッタ」などを用意しなきゃいけないらしいけど、今日は無視。

玉ねぎをオリーブ油で炒め、ベランダで栽培中のセージと一緒にホールトマトを入れて少々煮込む。そうしてできたトマトソースを炒めたベーコン、チーズと共にパスタに絡める。仕上げにもチーズ。肉っ気はないけれどチーズたっぷりの濃厚なパスタ料理だ。番組では、マカロニを長くしたような、中央に穴の空いた「ブカティーニ」という種類のパスタを使っていた。

今日のアマトリチャーナは極太パスタ。400g超の大量のスパゲッティを茹でて、しっかりとトマトソースと絡めてテーブルへ。ソースの中にも入っているけど上から更にチーズをガリガリとたっぷりかける。
山盛りのパスタは何だか幸せ。

5/10 (木)
シアワセの山盛りドーナツ (朝御飯)
ミスタードーナツの
 アップルパイ
 エンゼルフレンチ
カフェオレ

ミスタードーナツという店は、大概いつでも、期限つきのポイントカードを配布しているのである。10点揃えると、お皿とかグッズ類が色々もらえちゃうのだ。300円で1枚貰えるスクラッチカードは、大抵1回行くと3〜4点集まることになり、「あと1回くらい買えば何か貰えるのよねー」とか思いながら近いうちにもう一度店に行ってしまう羽目になる。

昨夜までは4点揃っていた我が家の状況において
「明日の朝用にドーナツ買ってきてねー」
と帰宅途中のだんなに連絡した私の判断は誤ってないはずだった。もうもう、ミスタードーナツの思う壺って感じである。いいの、ドーナツ好きなの。

買ってきてくれたドーナツ類は6つ。エンゼルクリームとエンゼルフレンチ、チョコリング、パンプキンマフィン、アップルパイ、フランクロール。積み上げるとちょっと壮観だ。ツインピークスな気分(←ネタとしてこれは古すぎないか、しかし)。
パイ生地ぽいふかふかの生地にクリームが挟まり、チョココーティングが施されたエンゼルフレンチとアップパイを私はいただく。我が家においてはエンゼルクリームは家長の食べ物と定められている。ミスドにおけるだんなの好物は、何をおいてもエンゼルクリームなのだった。
「エンゼルクリーム、残り1個だったんだよ!」
と昨夜箱を差し出しながら言っただんなの眼はキラキラと輝いていた。そんなに好きか、エンゼルクリーム。

もっきゅもっきゅとドーナツ喰いながら話す。
「私がエンゼルクリーム食べたいな、て言ったらどうする?」
「……ダメ。あげない。」
「……じゃあ、息子がちょうだいって言ったらどうする?」
「ん〜〜〜〜〜〜。……半分だけ、分けてあげる。」
だんなのエンゼルクリームへの愛は果てしなく深いようだった。好物のいくらの寿司を息子にあげることはできても、エンゼルクリームは「半分」なのだそうだ。

……さて、目の前のカードは全部で12点分あることになった。昨夜のドーナツについてきたカードで大当たりの5点が1枚出てしまって一挙に8点獲得してしまったのだ。合わせて12点になっちゃったのだ。……うーん、ドーナツもう1回だろうか。

ラ王 背脂チャッチャ系醤油
冷茶

今日は色々、調べ者。昼飯作る気力までもが全てネットサーフィンに費やされて、気がつくと1時。腹がすいたのですぐに食べられるものを……と台所を徘徊してだんな秘蔵のラ王を発見した。ここ最近私とだんなの間でブームとなっている「背脂チャッチャ系」だ。ラーメン屋で、仕上げに背脂を網に乗せてチャッチャと水切りしてから盛りつけるスタイルのものをチャッチャ系と呼ぶんだとか。最後にチャーシューの入る袋をスープの上から入れると、かなりそれっぽいふわふわした背脂じみたものがたっぷりと浮かぶ。こってり濃厚で意外と本格な味がして、もはやこれはカップラーメンじゃないんじゃないかという感じ。

カップラーメンを食べたいときってのは、カップラーメンが食べたいのである。肉とも犬の餌ともつかない浮き実の怪しい茶色の物体を囓ったり、スープを飲み干す最後の妙な粉っぽさとか、そういうのがなんとなくカップラーメンの味、という感じが私にはする。だから、ラ王はいまいち「カップラーメン」とは認められないのであった。ラ王はラ王。カップラーメンじゃなくてラ王を食べたいと思い、ラ王を食べる、という感じ。
背脂チャッチャ系は、とんこつもあるらしい。それもめっちゃめちゃ気になるではないか。

ねぎと香菜の和えそば
サラダ菜と卵のサラダ
アイスウーロン茶

だんな、帰り遅し。
遅いことが昨日から告げられていたので、今日は楽しく香菜料理。先日買ってきた香菜をざくざく使ってお気に入りの麺料理をする。

味付けは醤油とスープと胡麻油と少々の酢と少々の砂糖。具は香菜と赤ピーマンと長ねぎだけ。作り方はこんな感じ。最後にアツアツにした胡麻油(レシピにはオリーブ油とあったけど、どうも私は胡麻油が好き)をジャーッとかけるのが楽しいし、実際美味しい。香菜独特のあのカメムシ臭さのただよう麺料理だ。鼻の奥がむが〜としてくるようなあの臭さがたまらなくステキ。

今日の料理は、ちょっとばかり油っぽくなってしまった。少なければ少ないで逆に麺の表面がネカネカしてくるし、多けりゃ多いでギットギトになるので案外と難しい。それでも、麺にたっぷり絡む香菜の青っぽい味やらトッピングに更に盛大にぶっかけた香菜の香りがとっても心地よかったりして。

で、で、「さば味噌VSレバニラ」な対決の「どっちの料理ショー」。正直、レバーはあまり好きでなく、サバも味噌煮以外の調理法が好きだったりする。私にとってはどちらにも愛を感じられない料理なのだった。ああ、でもどっちも御飯に合うねぇ。ビールにも。
「興味ないわぁー……」と見つつも、3000頭に1頭しか現れないという「白レバー」と絶品のサバにくらくらくら。
……で、一番食べたかったのは試食タイムに出てきた「白レバーの塩焼き」だったりして。

5/11 (金)
大学学食にて「みそかつ丼」 (昼御飯)
だんな特製チャーシュー炒飯
プーアル茶

中華街で買ってきたチャーシューを食すのをすっかり忘れていた。味の強いものなので、まぁ簡単に腐ったりはしないはずである。朝御飯、チャーシュー炒飯が食べたいぞということで、こいつをザクザク刻み始める。具はチャーシューと卵と葱。作るのはだんな。
「その料理をより愛するものがその料理を作るべし」
の我が家の掟にのっとり、鍋をふるうだんな。実のところは私も炒飯が大好物だったりするけれど"炒飯を作るのは僕の役目"と思ってくれているだんなの邪魔はしないことにしている。

表面真っ赤な甘辛いチャーシューがざくざく入る炒飯ができた。醤油が少々、程良い塩味。これを熱いプーアル茶をぐびりぐびり流し込みながらがふがふと食す。やはり買ってきたチャーシューはならではの美味しさがある。

大学学食にて
 みそかつ丼

お仕事の日。気合い入れて仕事していたら、すっかり12時を過ぎていた。たくさんの学生の話し声が窓から入ってきて「こりゃ、学食は凄い人だわねー」と昼休みの食事を諦める。午後1時半、人がいなくなった頃を見計らって研究室を抜け出して学食へ。

12時10分から13時までの昼休みは、学生の天下だ。自分たちもさんざん騒ぎながらごった返しの食堂で食べていた。大体友達とかゼミ員とかと一緒につるんで食べていたから、一人の客というのは何とも入りにくかったりする。
午後1時半の学食は、若干アダルト層になっていた。一人で喰ってるおっちゃんとか、院生らしき一人客とか数人のグループ客とか。席も8割方空いている。

今日の定食はチキンカツ。それと並んで「みそかつ丼」なんて文字を見たので、ついつい頼んでしまう私なのだった。名古屋の味がまだ身体から抜けていないらしい。「みそ」と見てドキドキしてしまう自分は何とかならないものか。
たっぷりの御飯ににんじん入りの千切りキャベツ。その上に薄っぺらいとんかつが乗り、味噌だれがとろんとかかっている。胡麻と刻み葱のトッピング。
味噌の味はあるにはあるけど、「味噌ソース」という感じのタレだった。とんかつソースの味がかなり強いというか。
「だめだよぅ〜、もっとドロンとしてて味噌味噌してないと。」
と心中ぼやきながら食べる学食のみそかつ丼。今度は手羽先とかひつまぶしを期待したい。それは無理か。

プロセスチーズ
茹で枝豆
お義母さんが作ってくれたサンドイッチ
豚肉の生姜焼き with 千切りキャベツ
大根の味噌汁
御飯
ペールエール・冷茶

仕事を終えてダッシュで帰宅。だんなの実家に息子を迎えに駆け込むと、息子はバナナを食っていた。クッキーも食っている。
「サンドイッチも作ったのよー」
……って、お義母さん、それは多すぎやしないでしょうか。
で、サンドイッチは貰って帰る。コンビーフサンドとツナサンド。

御飯日記を3年続けているというのに情けないことだけど、私は「パッと考えてパッと作る」のが苦手だ。レシピを見ないで作れるものの数もたかが知れているのであった。いつも色々眺めては「これ作りたいなー、作ろうかなー」と考え考えレシピを見ながら準備する。だから、何も考えてない日のましてや時間がない時なんてのは……困っちゃう。困っちゃうと、もう「生姜焼き」とか「オーブン焼き」などに逃げることになる。更に逃げると外食になる。だが今日は、ちょっと貧乏だったのでその逃げ口も塞がっているのであった。仕方がないので、目に付いた生姜焼き用の豚肉を買ってきた。

豚肉をガーッと炒めて刻み生姜をたっぷり混ぜて、醤油と味醂と酒をふりかけて絡ませる。豚肉の生姜焼きには千切りキャベツが必須アイテムだ。ざくざく刻んで肉の横に盛りつける。あとは冷蔵庫に入っていた茹で枝豆とチーズをテーブルに出して、労働のあとのビ〜〜〜〜ル♪

学生の頃は、まだ格好つけて飲んでいるだけのビールだった。苦いし腹はふくれるし、美味しいものとは思えなかった。ワインの方がよっぽどましだった。でも、今はビールが大好きだ。あの苦みも喉越しも「神様ありがとう」と口の周りを泡泡にしてひれ伏したくなる。
「学校出て、働くようになってからビールって美味しく思うようになったよねー」
とは、だんなと私の共通見解。

5/12 (土)
自家製ビビンバ (夕御飯)
サンジェルマンの
 チョコデニッシュ
 クリームパン
カフェオレ

10時過ぎまで家族揃って爆睡。最初に起きたのが3歳児の息子だというのが何とも言えない、堕落した土曜日。

もそもそ起きて、昨日買ってきたパンを並べて朝御飯。
だんなはミートパイとチョコデニッシュ、私はチョコデニッシュとクリームパン、息子には3色パン。サンジェルマンは、もう20年ほど前の幼少だった頃に住んでいた家のそばにあって、良く母が買ってきてくれていたパン屋さんチェーンだ。ここ数年は近くで見かけなかったので買ったことが無かった。私はあそこのツナパンだかコーンパンだかが大好物だったのだ。
今回はあいにくその思い出の品は見つけられなかったけど、なんとなくそれを思い出しつつチョコデニッシュとクリームパンを囓る。

ところで、息子の3色パンの中身はチョコとジャムとあんこだった。私にとってはいまいちなセレクションだ。
3色パンたるもの、やはり「チョコ・クリーム・ジャム」が最高峰じゃなかろうか。チョコもクリームも欠かしてはならぬ。ぎりぎりで「チョコ・クリーム・あんこ」も納得いくものではあるけれど、「チョコ・ジャム・あんこ」の組み合わせは、私にとってはがっかりなものだった。いや、私が食べたんじゃないから別に良いんだけど。色的にも「チョコ・クリーム・ジャム」が一番バランスが取れてて良いと思うんだけどなぁ。

バーミヤンにて
 若鶏の甘酢しょうゆセット
 生ビール(小)
 フレッシュマンゴープリン

昼御飯、マンゴープリンのみを目当てに最寄りのバーミヤンに出かけてみた。去年も販売されたマンゴープリンだが、今年はまたグレードアップしたらしい。マンゴープリンを目当てにと言いつつ、しっかり食事をしてビールまで飲んでる私たちだった。だんな、天津丼。私は若鶏の甘酢しょうゆ。カラッと揚げられた鶏肉に甘酢のソースと葱がかかるおかず。セットにするとスープと御飯とザーサイと焼売2個がついてくる。
いかにもファミレスという感じの、どこかチープな味だけど案外と悪くないのだ。ケチャップの味がしない、スープと醤油の大人の味の天津丼もなかなか美味しかった。

で、マンゴープリン。果肉がこれでもかこれでもかと混ざったプリンにはレモンを絞って食べるようになっている。さっぱりしているのに濃厚に甘いプリンにはレモンの酸味が丁度良い。そのへんの中華料理店で出しても余裕で通用しそうな、美味なるマンゴープリンだった。うまうま。

自家製ビビンバ
わかめと牛肉の中華スープ
モルツ、冷茶
びわ

昼食後、マーケットでお買い物。
「……ビビンバが食べたいなぁ」と言っただんなに同調し、今日はビビンバ。

ビビンバはめんどくさい。「ビビンバの素」とか売られていて「材料混ぜるだけ〜」みたいに出来るものはあるけれど、あれを使っちゃ本物の美味なるビビンバにはならないような気がする。具が全部混ざったナムルセットも論外だ。どうせ買うなら、ナムル1種類ずつがちゃんと分けられてパック詰めになっているやつが何倍もましだ。……でも、自分で全部作るのが一番美味しい。めんどうだけど。

まず、もやしを茹でる。サッと茹でて、刻み葱とおろしにんにくと塩と炒り胡麻と胡麻油を混ぜて揉みこむ。にんにくはこれにしか入らないので少々強めに。で、ほうれん草も茹でる。これまた葱と塩と炒り胡麻と胡麻油を混ぜて揉みこむ。にんじんは細切りにして胡麻油で炒めて塩で味付け。水煮のぜんまいはサラダ油で炒めて醤油と砂糖で味付けて、葱ふって胡麻油を最後に和える。ナムルは4種類くらいあるとやっぱり美味しい。余裕があったら大根のちょっと酸っぱいやつもあるともっと美味しい。

更に、焼き肉時の残りだったカルビ肉をサッと炒めて上に乗せる。うずらの卵を1個ぱかんと割り、最後に炒り胡麻ふって自家製ビビンバの完成。美しく盛りつけたビビンバを、これでもかこれでもかとかき混ぜてから食べる。使った胡麻製品を全部、お気に入りのへんこ山田製にしたら飛び上がるほど美味しくなった。

「……この味なら、金取れるかな。」
「……む、取れるだろうな。」
と言いつつ山盛りのビビンバを平らげる。山のような野菜を摂取できるビビンバは多分ヘルシーだ。胡麻油の量さえ考えなければ、だけど。

デザートは、今シーズン初めて買ってきたびわ。5個で298円なり。
びわはちょっと不思議な食べ物だ。林檎やみかんや梨なぞは品種も豊富で季節には山ほど店頭に並ぶけど、びわはどことなくひっそりと並んでいるような印象がある。いつのまにか出ているけど、気がつくともうシーズンが過ぎていたりするのだ。どこか桃系にも似てる食感は、でもかなり独特。味も他に類似するものがあまりない、やっぱり独特な果物だった。

「枇杷の食感って、不思議だよねー。似てるものって何か思いつく?」
とだんなに聞くと
「……う〜ん。煮大根、かな。」
という答えが。そ、そうきましたか。煮大根……。

5/13 (日)
山盛りポテトコロッケ (夕御飯)
モスバーガーで
 ピリマメチーズバーガー
 フライドポテト&オニオンリング
 レモンソーダ

日曜日。しかし9時開店のスーパーが200人様限定、お一人様2パックまでの卵セールを催しているのであった。1パック78円なり。
この地に越してくるまでは、安売りと言ってもたかが知れていたのであまり新聞の広告類も気にならなかった。だが、この地はすごい。これでもかとあるスーパーがこれでもかと安売り合戦を繰り広げている。遠くのスーパーまで行く気力はないものの、近所のスーパーなら狙った商品を目指して日曜の朝に行こうかなという気もしてくる。なにせ78円だ。

朝9時半、起きるなり何も食べずにマーケットに繰り出した。念願の卵をゲットし、野菜や肉類も購入。「そういえば腹が減ったね」とモスバーガーで朝御飯。家で食べていればモスバーガーの食事代はかからなかったわけで、その食事代ときたら卵の安売りで得られたお得感よりもたいそう高値であるわけで、どうもバランスの悪い行動を取っている私達なのであった。仕事で「消費者の最適行動」なんて論文をワープロ清書している割には、自分は最適行動していないのであった。現実なんてこんなものだ。

ともあれ、発売したばかりの「ピリマメチーズバーガー」にチャレンジ。キドニービーンズたっぷりのチリソースがこってりかかったハンバーガーだ。辛い辛いと宣伝されているだけあって、確かに飲み込んだ後口中がカーッと熱くなるものだった。程良い辛さで、悪くない。

ところで、モスバーガーホームページを見たところ、なんと紅茶とワッフルのお店「MOTHER LEAF」と中華そばの「ちりめん亭」、ついでにうどんの「なか卯」もモスバーガーグループであることが判明した。かなりびっくり。
そしてそして、神楽坂には「MOS's-C」(モスズ・シー)なる店舗型ハンバーガーレストランもあるそうだ。大学の某先輩が行ったらしいが旨かったらしい。き、気になる……。

天ぷらうどん
冷茶

「うどん、食べたいねぇ」と、朝のスーパーで天ぷらを買ってきた。かき揚げやさつまいも天などなど。冷凍うどんを茹でて、だしぶっかけて葱ぶっかけて天ぷら乗せて食べる。だんなは「あつあつ」、私と息子は「ひやひや」。

で、だしはやはりいりこ味のものが良い。ちゃんとした味の美味しいやつを作りたい。そういうわけで、初めてうどん用のいりこだしを取ってみた。
参考は、インパクの香川県パビリオン内。いりことサバ節、カツオ節がたっぷり入る濃厚なやつだ。「メンパク」なんて大きなコーナーがあり、香川県の本気が伺える。

いりこと昆布を水にしばらく漬けておき、火をつけて沸騰寸前にそれらは取り出してサバ節投入、十数分も煮込んでから今度はカツオ節を投入して数分煮込む。それを漉すと、何とも濃厚なだしになる。おお、確かにいりこの風味。讃岐の味だ。
塩多めの醤油少なめ、砂糖と味醂も少し混ぜたかけ汁を作り、それに茹でたてのうどんを入れる。ちょっとばかり苦味が出てしまっただしではあったけど、何となく香川の製麺所の空気が感じられなくもなかった。
あああ、また香川に行きたいなあぁぁ。

茹で空豆
卵豆腐
ポテトコロッケ with 千切りキャベツ
大根と油揚げの味噌汁
御飯
モルツ、麦茶

我が家におけるメニューの決め方は、大体誰かが「○○を食べたいなぁ」と呟いた段階で決定される。「じゃ、それは明日にしよう」となることも多々あるけど、大概それを呟いた時点で材料を揃えることになる。今回は、昨日マーケットで私が「ポテトコロッケ食べたいわぁ」と呟いたことで確定された。

ポテトコロッケというやつは、時々無性に食べたくなることがある。焼き肉なぞは「焼き肉が恋しいなぁ」「そろそろ食べたいなぁ」「今週末くらいに食べようかなぁ」などとじわじわとその欲求が底から盛り上がってくるものだったりするけれど、ポテトコロッケときたら「あ、食べたい。とても食べたい。今すぐ食べたい。」と爆発的にポテトコロッケが恋しくなってしまうのだ。昨日の私はポテトコロッケが恋しかった。で、じゃがいもと豚ひき肉を買ってきた。

じゃがいも料理において、ものの本によると「皮付きの丸ごとのまま茹でるべしor蒸すべし」という意見が多くを占める。その方が美味しくできると断じて止まないけれど、じゃがいも料理においてはやはり小林カツ代さんのレシピを師匠とするのが我が家らしくて好みだったりする。
カツ代さん曰く、「じゃがいもは皮を剥いて一口大に切って茹でてよし」なのだそうである。茹であがったら水を切り、更に火にかけて水分を飛ばすのがポイントらしい。しかもマッシャーで潰す時に練乳をちょっと入れるのもポイントであるらしい。炒めた肉と玉ねぎを混ぜ込んで、ぺたりぺたりと整形して揚げるだけ。他の作り方よりも簡単で、しかも旨そうなのだった。

ぺたりぺたりと私が整形する横で、だんなが衣をつけて次々揚げていってくれる。もくもくと揚げていったら、10個くらいのコロッケができた。さすがにちょっと多かっただろうか。壮観だ。
ぽくぽくとしたアツアツのコロッケは、「そうそうこれこれ」という感じにしみじみ美味しかった。刻みキャベツもたっぷりと。
いつものとんかつソースに加え、名古屋で買ってきた「胡麻みそソース"ゴマんぞく"」なるソースもテーブルへ。
「みそソース、とんかつソースよりも旨いよ!どうしよう!」
そう言いながらだんなは胡麻みそソースをつけまくって喰っていた。だんなはじわじわと名古屋人化中。