食欲魔人日記 06年8月 第1週
8月1日 火曜日
息子の好物と判明したクーブイリチー
チーズトースト
牛乳
葡萄

マンゴーのジャム塗ったパンと、チーズトーストと、どっちが嬉しいですか?と息子に聞いたら、即答で「チーズトースト!」と答えられてしまった。そんなに息子、チーズが好きか……と思いながら、チーズ(今日はとろけるタイプのごくごく普通のスライスチーズ)を乗せたパンをオーブンへ。冷蔵庫にはミニマンゴーもパッションフルーツもあるのだけれど、今日は種なし葡萄を食卓に出した。昨日お買い物に行って息子のリクエストで買ってきた葡萄だ。パッションフルーツは、ババロアか何かに加工するつもり。

牛テールのクッパ
水菜のサラダ
麦茶

昨日今日と過ごしやすい陽気(というか涼気?)が続いている。クーラーが要らない日中は快適だなぁと、今日も一日お仕事。明日は朝から夜まで遊ぶことになっているのでがんばらなきゃー……と思いつつ、朝食後早々に豚を煮始める私。

先日だんなと2人観劇に行った時、銀座でお昼御飯を食べたのがあかんかった。銀座についたとき、「お店が開くまであと15分」という状況だったのもあかんかった。目指したお店が銀座1丁目方面だったのもあかんかった。
「……時間、ちょびっとあるね」
「近くにわしたショップあるよ?ちょっと覗かない?」
と、これからミュージカル見に行くというのに沖縄アンテナショップを訪れてしまい、そして傷ありの見切り品1個120円のパッションフルーツとか、3個入って1パック980円のミニマンゴーとか、1kg入りお徳用沖縄そばとか、円筒形のかまぼことか、紙袋にいっぱいのお買い物をしちゃったのだった。沖縄そば持って観劇というのも、私たちらしいというか、何というか。

1kgもの麺は冷蔵庫に入れておいてもなかなかなくなりそうにないので冷凍庫に移しておいたのだけれど、沖縄料理熱がじわじわ高まっていたところだったので今日調理することにした。豚バラブロックを下ゆでし、鰹だしを大量に用意し、あとは泡盛出したり刻み昆布用意したり。そんなこんなで午前中はあまり仕事に集中できず、台所の鍋とパソコンの前をいったりきたりしていた。

1時間かけて下ゆでした豚の茹で汁はしっかり取っておき、一口大に切った豚は泡盛と鰹だしと砂糖、醤油と味醂で煮込んでいく。今回の砂糖は、食料庫の奥から出てきた、以前誰かから貰ったものと思われる「さとうきび一番糖」なる褐色のものを使ってみた。粒が大きくザラザラとしていて、良い具合の雑味のある砂糖で、肉などを煮込むのにちょうど良さそう。この砂糖の色もついて、今日はたいそう濃い色合いのラフテーが煮えた。

「お母さんは、何をやっているのかなー?」
台所を覗きに来た息子は、だし用の大量の鰹節を見て
「わ!ぼくの好物のかつおぶし!」
と叫び(ついでにちょいとつまみ)、続いて水で戻していた刻み昆布を見て
「わ!これもまたぼくの好物の昆布!」
とまたまた叫び(そして何の味もついてない昆布もつまみ)、なかなか渋い品に対して強い反応を示していた。……鍋にはでっかい肉が煮えているところなんですが、それよりも鰹節ですか。昆布ですか。

君、そんなに昆布好きだったっけー?と聞いたら、
「お茶漬け乗せて食べるのがね、好き。あの……つくだ、に?」
と。……ああ、串揚げ屋さんのお茶漬けバイキングに置かれている昆布の佃煮のことか!と思い至って、そういうところから昆布好きになるのも面白いなぁと。これまでクーブイリチーを作っても、それほどに「大好き!」という反応じゃなかっただけにちょっと驚いた。

台所には鍋いっぱい。
昼御飯は、小鍋に残っていたテールスープをクッパにして食べた。だんなの誕生日祝いの日に、だんなが作ってくれたテールスープ。焼肉しようと肉をどっさり買い込んだ日に、だんなが冷凍テールも一緒に籠に入れ、
「んじゃ、スープくらいは俺が作ろうかね」
と、焼肉の準備より何より大変なテールスープを作ってくれていたのだった。ダッチオーブンで時間をかけて煮込んだテールは、つつくだけで骨が取れてしまうほどホロンホロン。当日もたっぷり堪能したそのスープ、少量残っていたところに大根と人参を加えて軽く火を通しておいた。冷や御飯に具沢山の熱いスープをかけて雑炊仕立てにしてもぐもぐ。綺麗に白濁したスープが今日も実に実に美味しかった。……さ、豚の加工しよ。

枝豆
沖縄かまぼこ・生ハム・玉子焼き
豆腐よう
フーイリチー
クーブイリチー
ラフテーそば
ビール(樽生)
泡盛(瑞泉 翔 BLACK)

鰹だしと豚の茹で汁を合わせて調味して沖縄そばのスープができた、トッピングにするラフテー(豚の角煮)も美味しく煮えた。ラフテーの煮汁と肉を少量使ってクーブイリチー(昆布の炒め煮)も作った。そうなるとビールの他に泡盛も飲みたいよなぁと、以前買った秘蔵の豆腐よう(豆腐を麹と泡盛で発酵させたチーズみたいな珍味、中国の臭豆腐にちょっと似てる)も出して、枝豆とか、だんなのお弁当に詰めてあげた残りの玉子焼きとかもちらちらとテーブルに並べる。あとは、優しい味のおかずが1品欲しいなと、フーイリチー(お麩炒め)を、帰ってきただんなの顔を見てから炒め始める。

久しぶりに一通り作ってみると、沖縄料理は実に「塩」が大事だなぁと思い知った。シンプルな味付けのものが多く、オリーブ油やハーブなどで香りをつけたりということもあまりないだけに、塩がピシッと良い具合に決まらないと、なんとも味気ないことになってしまう。今日の沖縄そばのスープは塩加減もばっちりで本当に良く出来たのだけれど、そこで気が抜けてしまったのかフーイリチーはなんともボヤけたものになってしまった。……小さじ1/2以上、塩入れたと思うのだけど……まだ足りなかったらしい。

私の沖縄料理の教科書は、沖縄出身の友人が勧めてくれた『しあわせの沖縄料理』(岩谷雪美/パルコ出版局/2000)。ひととおり、都心の沖縄料理屋さんで見るようなメニューは作れるようになっているし、写真も綺麗。この本の作り方を基本にしているので、我が家のクーブイリチーには切り干し大根が欠かせない。……で、「昆布大好き!」と宣言した息子は、その言葉通りにもりもりと昆布の煮物を食べていた。……お麩と卵と人参とニラの炒めものであるところの「フーイリチー」の方が子供の味覚にはツボじゃないかと思うのだけれど、クーブイリチーの方がやっぱりお好きらしいのだった。

ビール飲んで泡盛もちょびっと飲んで、そして麺茹でてラフテーとかまぼこと茹でた小松菜をトッピングして、シメのラフテーそば。こっくり濃いめの鰹だしにしたら、ちゃんと磯の香りも漂うそばになって大満足。

8月2日 水曜日
フィッシュ&チップスつまんで、いざ球場へ
クーブイリチー
ラフテー
小松菜入り沖縄そばスープ
御飯
麦茶

「今日の夜は、東京ドームに野球を見に行きます」
「うん、知ってる」
「でー……、東京ドームの近くなので、今日は君が前から行きたがっていた昆虫展にも行こうと思います」
「うん!行く!行きたい」
「で、ですね。夜の野球に備えてのんびりめに出発するか、それとも朝から思い切り遊びに行くかー……」
「朝から!朝から全力で!遊びに!」
「……そうだよねーそう言うよねー……」

そんな事を話しつつ、では今日は一日お出かけしましょうということになった。朝御飯は、まだまだ残るラフテーとかクーブイリチーを食卓に。沖縄そばのスープが少々余っていたので小松菜を散らして汁もの代わりにし、いろいろつまんで朝御飯にした。

じゃあ10時オープンの会場に間に合うように行こうかねと、慌ただしく出発。黒くトロンと煮込まれたラフテーは今日もやっぱり美味しかった。

池袋サンシャインシティ内「AGIO」にて
 ワンプレートランチ \1260

かくして今日は、夕方まで池袋で遊びまくることになった。当初の予定では
「昆虫展行って、午後にはプラネタリウムに行こうかね」
くらいだったのだけれど、実際は昆虫展見て、プラネタリウム見て、更に水族館見て「わんタッチ広場」なる犬とのふれあいコーナーにも行って、と、大変なことになった。あちこち行ってあれこれ見過ぎて、息子は嬉しさの限界を超えた模様。

午前中は昆虫展を見て、午後のプラネタリウムのチケットを取るところで終了。夏休みということでか、プラネタリウムは子供向けのポケモン番組を放映中で、息子にはこれが良かろうとその番組が流れる回を購入した。その後、レストランフロアもオープンした時間だねと階下に降りて、息子リクエストの「クリームのスパゲティ」を食べられるお店を探す。

よく行くお店はAGIOっていうあのお店だけど……今日は別のお店に入ってみる?と、息子と一緒にスパゲティメニューのあるお店をあちこち見てみる。店頭のメニューやランチメニューの見本などをひととおり眺めたのだけれど、息子が言うには
「やっぱりねぇ、あの、アジオってお店が一番おいしそうだから、そこにしよ?」
だそうで。確かに、そのアジオって店のが一番美味しそうなんだけど、一番お値段もお高いっぽいよー……と苦笑いしながら、今日は息子へのサービスデイだということで仰せのとおりにすることにした。

平日ということか、ランチメニューには魅力的なワンプレートディッシュが。1260円でワンプレートのランチとドリンクがセットになっている。大きなプレートの上には鶏もも肉のグリルとシーザーサラダと日替わりのスパゲティ、冷製の温泉卵とガーリックトーストが盛られているそうで、私はそれを注文することにした。息子は大好物のカルボナーラスパゲティを。

見た目以上にボリュームのあるランチ、今日のスパゲティはトマトのクリームソース。パスタの分量は普通の一皿よりの8割くらいの盛りだったけれど、適度な量のシーザーサラダに大きなガーリックトースト、アンチョビの塩気が効いたソースが美味しい温泉卵(ガーリックトーストにつけながら食べるそうで)もひんやり冷えていて良い感じだった。このお店のシーザーサラダは、でっかいロメインレタスの葉がそのままのサイズで盛られ、たっぷりの薄切りパルメザンチーズが散らされる。葉1枚1枚にクリームベースのドレッシングが綺麗に絡められていて、地味な外見ながらとても好みなシーザーサラダだ。息子にも「サラダ食べな、肉も食べな」と料理を取り分けてやりつつ、しっかり食べてから午後の遊びに出かけていった。

久しぶりのプラネタリウム(誕生日プレゼントに星の図鑑を貰った息子、それを眺めては「星をいーっぱい見てみたいなー」と言ってたので連れていってみた)も楽しかったし、水族館もいつの間にか微妙にリニューアルしていて「Zoo-Zoo広場」なる動物コーナーができている。ガラス張りの部屋の中にアリクイやアルマジロ、フェネックやワオキツネザルがほぼ放し飼い状態になっていて、足下をアリクイがのそのそ歩いていき、手が届くところにワオキツネザルがやってくるという楽しいことになっていた。柵も檻もなしに至近20cmの距離でアルマジロの顔や爪を眺めたのはこれが初めて。

で、何より楽しかったのが、何の気なしに入ってみた「わんタッチ広場」。
15m四方くらいの2つの部屋に、犬がうじゃうじゃと、20匹ほど待ちかまえていて、「お客さんだ」「お客さんだわ」と人なつこく寄ってくる犬たちを触り放題、撫で放題。楽しそうに犬を撫でて歩いている息子を見ながら広場の隅に腰を下ろしていたら、「椅子よ」「椅子だわ」「ちょっと座らせてもらえるかしら」と、近寄ってきた犬が膝の上に乗ってくる。すっかりくつろいで初対面の人間の膝の上で寝始めたでっかい猟犬(ビーグルを胴長にして巨大にしたような、体重30kgありそうな犬…その場で最も巨大な犬だった)を前に「うわぁ……」と嬉しくて硬直していたら、「私もお邪魔するわよ」とばかりに毛の長いダックスフントまで足に乗ってきて、気分はムツゴロウさん状態。「うーっしゃしゃしゃしゃしゃ」とか言いながら犬たちを撫で回したくなってくる(いや、実際撫で回した)。犬……可愛いなああああああ。

パピヨンもスピッツもポメラニアンもテリアもパグも、どの子もこの子も可愛くて、結局「犬広場に30分、水族館で1時間半」の予定が「犬広場1時間半、水族館はダッシュで40分」という事になってしまった。服は毛だらけ、Tシャツの一部は犬の涎つき、手はおろか顔まで舐められてしまって体中なんだか犬臭い……という状況になったけれど後悔はしないのよー。ああ、でっかい犬といつか一緒に暮らしたいなぁ。猫の柔らかくてクネクネした体や気まぐれなそっけない感じも大好きなのだけれど、犬と一緒に暮らすのもとても楽しそう。

水道橋 「BUBBA GUMP」にて
 クラムチャウダー(ボウルサイズ) \700
 ミニサイズシーザーサラダ \380
 フィッシュ&チップス \1200
 オールアメリカンハンバーガー ・チーズトッピング \1480
 ビール(ハーフ&ハーフ) 3×\680
などなど、皆で

で、結局だんなとの待ち合わせ時間を少々遅らせてもらって、試合開始直前に東京ドームの近くで腹ごしらえ。スペアリブやハンバーガーなどのメニューが並んでいたアメリカ〜ンな感じのレストランに入ることにした。知らずに入ったけれど、何でも映画「フォレスト・ガンプ」をテーマにしたレストランなのだとか。観光地価格だなぁと思われる値段の高さではあったけれど、でもハンバーガーもフィッシュ&チップスもおっそろしいほどボリュームたっぷりで、結局ドギーバッグを貰って球場に残した料理を持ち込むことになった。

大量のフライドポテトに、厚めのサクサク衣の魚のフライがごろごろと5切れほど。レモンとタルタルソースが添えられて、コールスローサラダはいかにもなセロリ臭さ。だんなのハンバーガーも両手でがっしり支えないと持てないようなボリュームだった。
「ハンバーガーもフィッシュ&チップスもフライドポテトがついてきますので……ライスかマッシュポテトにお取り替えしましょうか?」
と店員さんに告げられて変更してみたマッシュポテトは、たっぷり500gはあるんじゃなかろうかという大量なもので、タバスコがピリッと後味に残る酸っぱ辛いソースが添えられていた。上には揚げ玉ねぎもたっぷり(今日の写真の奥の方にそびえているのがそのマッシュポテト)。

思った以上に腹一杯になってしまって、そして向かった東京ドーム、阪神×巨人。取ったり取られたりの接戦で応援にも熱が入った良い試合。ビール飲みつつ、レストランから盛ってきたポテトやフライをつまみつつ、メガホンをカンカン叩いて応援しまくった。残念ながら2対3で負けてしまって、しょぼーりとしながら帰宅の途に……。なんか、見に行くと勝てないねぇ……。

息子は大変に盛りだくさんな一日だったけれど、一番印象に残ったのが「犬」だったそうで。

8月3日 木曜日
「和風ラビゴットソース」、ですって
マンゴーベーグル with マンゴージャム
アイスカフェオレ
 

昨夜、野球観戦前に「明日の朝御飯買っておこうか」と、「成城石井」でベーグルを買ってきた。どこかのベーグル専門店のベーグルらしく、数種類のベーグルのひとつが「マンゴーベーグル」だった。
「これだ!」
「これだな!」
と、我が家のマンゴー愛好者2人(私と息子だ)がそれを選び、だんなはプレーンベーグルを。

いつも通りにベーグルを横に両断して軽くトースト。だんなはクリームチーズを塗り、私と息子はマンゴージャムを塗って食べた。ちょっと固めのしっかりした歯ごたえのベーグルで、マンゴーの他にクランベリーなども入っているみたい。それほどの量を塗っていないのにマンゴージャムの存在感が強すぎて、結局マンゴーベーグルがどのくらいマンゴー感に溢れたものだったのかいまひとつ認識できないまま、ベーグル1個を食べ終えてしまったのだった。……ダメじゃん。

素麺
いんげんとベーコンの醤油炒め
たたききゅうり
麦茶

昨日は文字通りに朝から夜まで遊んで歩いていたので、今日の私は真面目にお仕事、今日の息子は真面目に勉強。
「絵日記を4枚描いてくる」という宿題があるらしいので、盛りだくさんだった昨日の事を絵日記にすれば?と声をかけたら色鉛筆持ってがしがし日記を書き始めた。描いているのはたくさんの犬と、「お母さんと、ぼく」。昨日はとにかく何より犬と遊べたのが楽しかったらしい息子だった。ところで、でーっかい黒い犬がお母さんより巨大に描かれてるんですが……クリフォード??

昼御飯はさっぱりさっぱりしたものが食べたいなということで、素麺を茹でた。お湯を沸かしている間に、麺棒で軽く叩いて割り、塩揉みしたきゅうりと、醤油味でささっと炒めたいんげんとベーコンの炒めものも用意。

「……ほっそいおそばだねー?」
「ん、これ、素麺」
「……うどんじゃないねー?」
「だから素麺だってば」
そういえば我が家ではあまり素麺を茹でて食べることはなかったっけ、と思いながらつるつるつる。さっぱり淡泊な素麺を啜っていると「オクラ納豆」あたりが恋しくなってくる気分。居酒屋でよく見かける「ネバネバスタミナなんとか」系の、オクラと納豆と山芋あたりをネバネバ合わせて角切りにしたマグロのお刺身を添えたようなメニュー、あれが私はけっこう好き。

チャンジャ
枝豆・沖縄かまぼこ
ポテトサラダ
ラフテー
豚しゃぶの和風ラビゴットソース 水菜のサラダ添え
玉ねぎのスープ
羽釜御飯
ビール(キリン樽生・黒エビス)

ここ数日快適に涼しい日が多かったけれど、今日はしっかりくっきり夏の天気。外に出る気力もなく余裕もなく、一日家で過ごしていたのでありもので夕御飯にした。冷凍庫には、以前買った豚王なる美味しい豚肉のしゃぶしゃぶ用薄切りが。これを解凍しつつ、野菜庫の野菜を使って今日のメインのおかずを作ることにした。材料がちょうど揃っているという理由で作ってみたのが「豚しゃぶの和風ラビゴットソース」。

「ラビゴットソース」とは、野菜入り(香味野菜入り)のフレンチドレッシングの事なのだとか。ハーブ類やパセリや玉ねぎ、生姜、にんにくなどなど色々なものが使われ、肉にも魚にも添えられるソースなのだそうで。「和風ラビゴットソース」ということで、レシピのそれは茗荷としそが使われ、調味料に醤油などが使われているのだった。きゅうりとトマトを角切りにし、刻んだ茗荷としそを合わせ、少々のおろし生姜を加えてからサラダ油とリンゴ酢、醤油と砂糖で和えておく。1枚1枚茹でた豚肉を冷水に取って冷やしてから水菜のサラダと盛り合わせ、このソースを添えた。

あとは数切れ残っていたラフテーとか、枝豆とか、かまぼことか。当初味噌汁を用意する予定だったのだけれど、しゃぶしゃぶにした時の豚の茹で汁があまりにも美味しそうだったので(というか美味しかったので)、急遽塩と玉ねぎを加えてスープとして飲んでしまうことにした。3人分で1個分の薄切り玉ねぎをどっさり加えて柔らかくトロトロになるまで煮込み、塩で調味しただけのスープに黒胡椒をごりごり挽いて飲む。

テレビでは、阪神×巨人の3連戦目が放映中。今日はいーい感じに阪神が勝っていて、こりゃ良いなと今日は居間のテレビの前に夕餉の支度をしてだんなの帰りを待っていた。
「……いいですねぇ……」
「今日は、今日こそはビールが旨いですねぇ」
と言いつつ、つい1缶追加で空けてしまったのは御愛敬。

8月4日 金曜日
ちっこい小龍包はスープに浸して食べるそうで
アスパラガスのタルタルと生ハムのトーストサンド
アイスティー
梨・桃・葡萄

だんな、朝ジム。夏休みだけれど毎朝きちんと早起きしていた息子だったけれど、今日は私共々2人でたっぷり朝寝坊。9時頃起きてきて2人してボーッとしていたところ、お義母さんが
「おっはよー!これあげるわー!」
と今日も大荷物でやってきた。手にした袋の中にはマンゴーに桃に梨、きのこにアスパラ。

桃はちょっとまだ固めのが2個と食べ頃のが2個あって、台所が幸せな桃の匂いに包まれることになった。マンゴーは切った時の香りがすごいけれど、果実そのままの状態でここまで香る果物はあまりないように思う。パッションフルーツも強烈な芳香だけれどあれは好き嫌いが分かれそうだし(私は数年前まではパッションフルーツが苦手だった)、バナナの匂いは「芳香」という表現とはまたちょっと違うベクトルな気がする。苺の季節の果物屋さんの店頭もなかなか幸せだけれど、なんといっても桃の季節の果物屋さんの吸引力と来たらすごいものがある。そろそろそんな季節の到来らしい。

数十分おしゃべりして、お義母さんが再び「ほほほほほ」と帰っていった後は、早速太いプリプリのアスパラガスを使って食事の支度をすることにした。もうすっかり昼御飯という感じ。残っていた食パンをトーストにして、その間にアスパラガスをフライパンで焦げ目をつけるように焼き、生ハムと一緒にトーストサンドに。塩気を心もち強めにしたタルタルソースを作ってソース代わりに添えてみた。アスパラガスは、「かみ切れないよー」と言う人がいそうだったので薄切りにしてまんべんなくたっぷり挟む。

あとは、準備している間に急いで冷蔵庫で冷やしてみた梨と桃、買い置きの葡萄も並べて、なんとなく「レディースランチ」的な外見になった今日の一食め。トーストサンドは食べてみて「……生ハムより帆立とかの方が似合うかも?」と一瞬思ったのだけれど、味は上々だった。

千葉そごう内 「京鼎樓」にて
 皮蛋豆腐 \750
 小籠湯包 \1150
 肉絲炒飯 \1050
を息子と半分こ

数日前、姪が産まれた。週末に義弟のところにお祝いに行く予定なので、お祝いの品々を買いに息子とお出かけ。数ヶ月前にオープンしたばかりの千葉そごう内のLOFTでカードを選び、プレゼント用の包装紙も選んで、今日はだんなの帰りも遅いらしいよと夕飯食べて帰ることにした。どこに食べに行こうかしらねー……と話しつつ、上階の本屋にちらりと寄って新刊を眺めていると、息子がデパートの人と話をしている。

レストランフロアの案内のために立っていたらしい人で、
「ぼくねぇ、ラーメンが好きなんです。すっごく好きなんです」
「ラーメン屋さんは……ほら、ここにこういうお店がありますよ〜」
「あ、そこはねぇ、前にもう行きました。おいしかったけどー、今日は行かない」
「んー……じゃあねぇ、あとは、この中華料理屋さんと、あとこっちのお店にもラーメンありますよ?」
などと交流している息子。「この店はお饅頭の店なんですよー」と紹介されて、
「おまんじゅう!」
と目がきらきらしてしまっている。……こりゃ、夕飯はその饅頭屋さんに決定でしょうか。「おまんじゅう、美味しいですよー」と後ろから声援(?)を送られて、1つ上のレストランフロアに向かう私たちだった。

というわけで、初めて行ってみた「京鼎樓」。台湾が本店で、日本には恵比寿と千葉に支店があるらしい。台湾のお店は3年前の台湾旅行の時に行ったことがあって、上品めな小龍包だったなーという記憶が残っている。

普通の小龍包をはじめ、カニ肉入り小龍包とか海老蒸し餃子や焼売の類も揃っている。他にも前菜や一品料理のおかずたち、汁麺に炒飯なども。前菜代わりに皮蛋豆腐を注文して、あとはこの店名物のスープつき小龍包を1蒸籠(10個入りで1150円)、最後に息子と相談して細切り豚肉入りの炒飯も1皿。小龍包がけっこうお高かったので、皮蛋豆腐や炒飯も分量少なめなのかなと思いきや、これらはボリュームたっぷり。
「……でかっ」
「……多いねぇ……」
と、息子と目を白黒させながら炒飯に取り組むことになってしまった。皮蛋豆腐も豆腐1丁分くらい皿に乗ってたし。

小籠湯包は、普通の小龍包より一回りくらい小さめ。台湾の店のそれは普通の小龍包を逆さにひっくり返したような面白い形状をしていたのだけれど、今日食べたものは「小ぶりの小龍包」という感じ。大きな碗にいっぱいのスープ(錦糸卵と葱入り)がやってきて、そのスープにくぐらせながら食べるようになっている。小龍包はどれもスープがたぷたぷに入っていて、でもケダモノ臭さは少しもなくてとても上品。火傷するほどの熱さはなかったので、猫舌の親子も普通にハフハフ言いながら食べることができた。
デザートにマンゴープリンも杏仁豆腐もあって興味津々だったのだけれど、大量の炒飯を平らげるの精一杯でよれよれと帰宅。

8月5日 土曜日
うっかり写真撮り忘れました……これは数日前に激写したアリクイ。
フルーツいろいろ
 (桃・梨・葡萄・ミニマンゴー)
アイスウーロン茶

私は朝7時半に起きてお仕事、男衆2人は大寝坊の土曜日の朝。起きてすぐに洗濯機を回したのだけれど、外気のあまりの蒸し暑さにクラッとした。今日も蒸し暑い一日になりそう。

お寝坊さんたち2人と一緒に摂った朝御飯は、もう昼も間近ということでフルーツだけ。お義母さんが山盛りくれたフルーツがいろいろあるので、少しずつ色々盛り合わせてみた。甘い梨、輪をかけて甘い桃、ちょっと酸っぱい葡萄(これは私が近所で買った)、そして沖縄アンテナショップで買ってきたミニマンゴーも1個だけ切ってみる。

息子は梨より桃よりとにかくマンゴーに手を出したがる。「そこまでマンゴー好きか」とちょっと呆れつつ、ほどなく皿に盛った果物は全部綺麗になくなった。

「魚屋路」にて
 握り寿司各種
 (カリフォルニア巻き・アジ・ブリ・しめさば・うに軍艦・炙りまぐろ などなど)
 冷やしうどん
 麦茶

数日前に、義弟夫婦の間に赤ちゃんが誕生した。女の子だそうで、息子は初めての従姉妹の誕生に
「赤ちゃん?ぼくの妹?妹みたいな感じ?」
と大喜び。そろそろ少しは落ち着いた頃かなと、今日は病院に赤ちゃんの顔を見せてもらいにお出かけ〜。

義弟が運転してくれる車に乗って、お昼御飯は病院からほど近いところにある魚屋路(ととやみち)という回転寿司屋さん。週末の夜は行列するほどの人気のお店で、人気の秘密は驚くほどの値段の安さにあるらしい。1皿100円、高くてもたったの250円。大トロなどほんの数種類は250円の皿に1貫盛りだったりするけれど、それにしても安いお店だった。大人3人子供1人でたっぷり飲み食いして、5千円でお釣りがきた。

味の方はというと、「ああ、やっぱり銚子丸って美味しいんだな」と思う感じのものではあったのだけれど、でもウニが2貫で250円というのはやっぱりすごい。「ピリ辛炙りまぐろ」がまんま焼肉のタレ味の握りで笑っちゃったのと、けっこうなボリュームの冷やしうどんがたったの150円だったのが印象的だった。義弟夫婦の住む町に来たのはこれが初めてだったけれど、大型スーパーがいくつもあって緑もたくさん、暮らしやすそうな町だった。

そしてプレゼント持って赤ちゃんの待つ病院へ。昨日息子と一緒に選んだお祝いのカード(ぶらさげて飾れるようなペーパークラフトのカード)には息子が一生懸命お祝いのメッセージを書いていて、ご出産おめでとう〜とそれを渡す。病室には既に赤ちゃんがやってきていて、新生児のあまりの小ささに皆でひゃーひゃーとベビーベッドを取り囲んだ。息子が産まれた時とさほど体重は変わらない赤ちゃん、そうかーこんなに昔は小さかったんだなぁと、昔を思い出して「……でっかくなったんだなー、君」と、すっかり骨っぽく固くなりつつある息子を振り返ってみたりして。

あまり自分の事を多くは語らない印象のあった義弟が
「かわいいでしょ。かわいい。超かわいい」
とデレデレだったのが面白かった。娘を前にするとお父さんというのはどこもこんな風になっちゃうものらしい。

茹で枝豆
ほたるいかの沖漬け・チャンジャ
キャベツときゅうり の味噌添え
まぐろの山かけ
地鶏の炭火焼き
にんにくの芽と豚肉炒め
鹿児島ラーメン
ビール(キリン樽生)

外出自体はさほど疲れなかったのだけれど、今日のあまりの暑さに帰宅するなりダウン。やたらと眠くなってしまって、「ちょっとだけお昼寝……」とベッドに突っ伏したら、そのまま「夜寝」になっていた。
「……奥さん。もう7時半ですぜ?」
とだんなが起こしてくれて目を覚ますと、もうすっかり夕飯時を過ぎた頃。こりゃ大変大変と慌てて起きて、だんなと一緒に夕御飯の準備をした。幸い今日のメニューはあらかた決めてあったし、外出ついでに駅ビルであれこれ材料も買ってきた。

「じゃあ俺は息子用のラーメンの準備からしよう」
「コンロ1つ空けてくれる?枝豆茹でたい」
「オーブン、動かしてもいいよね?」
私はまだ半分寝ぼけていたのけれど、だんながてきぱきと食器洗浄機の中に残っていたお皿を片づけてくれたり、必要な鍋を出してくれていたりしてくれている。半分寝ぼけながらも枝豆を茹で、山芋をすり、野菜を切る。他の事をしている間にだんなが茹だった枝豆の水を切って塩して皿に盛り、とろろ用のだしを準備し、炒め物の準備も着々と進めておいてくれた。今日のテーマは「ビールを美味しく飲みましょう」で、そんな感じのものを少しずついろいろと。シメは、だんなが以前鹿児島出張行った時にお土産に買ってきてくれたとんこつラーメン。

適当に色々並べた夕御飯だったけれど、富山に赴任中の友人がくれたほたるいかの沖漬とか、宮崎旅行で買ってきた真空パックの地鶏の炭火焼きとか(もう火は通ってるのでオーブンで温めるだけ)、美味しいものがちょこちょことあって幸せな夕御飯。今日もビールが美味しくて(猛打戦で阪神がめでたく勝利し)、そして私とだんなはちょっぴり飲み過ぎた。
明日も飲み過ぎる予定……夏はいろいろと誘惑がいっぱい……。

8月6日 日曜日
鴨にアグー豚に耶馬渓豚を焼いて焼いて
とろろ御飯
麦茶

今日はCozimaで夏祭り。ファミリー向けの企画ということで、お子さま連れ大歓迎のお祭りが催されることになっている。案内を貰ってから「うわ、楽しそう!」と友人家族に声をかけ、一緒に行ってみることになった。準備の模様がブログに掲載されていて、数日前からわくわくしていた私たち(特に息子)。

朝は、「あと1時間で出発しなきゃいけないのに、もー」という頃までだんなと息子はぐーぐー寝ていて(例によって私は早起きしてお仕事よ……)、慌ただしく準備しながらの朝御飯はとろろ飯。昨夜たっぷり作って余ったとろろがあったので、それを御飯にかけてさらさらっとかっこんだ。さて、出発するわよー。

青山 「Cucina Tokionese Cozima」にて
 夏祭りブッフェ \5,250

さて、到着したCozimaはいつもとすっかり様相を変えて、すごいことになっていた。店頭には炭火のワゴンを置いて、何やら肉をジュージュー焼いているところだった。上の階には飲み放題のドリンク(白ワイン、赤ワイン、生ビール、オレンジジュースとウーロン茶)を供するカウンターと、わたあめ機、ポップコーン、わなげコーナー(景品は駄菓子)。階下の厨房前にずらりと料理が並び、ブッフェ形式になっている。でも席はいつも通りのテーブルクロスつきの着席スタイル。テラス席のテーブルは撤去され、その空間にヨーヨー釣りと金魚すくいのコーナーができていた。大人5250円、子供(3歳〜12歳)は2100円で、食べ放題飲み放題、諸々のアトラクションは全て無料。

近年、神社のお祭りの夜店などで見かける金魚すくいは1回300円だし(しかも今にも死にそうなヨレヨレの小さな和金とメダカがほとんどで)、ヨーヨー釣りは「スーパーボールすくい」などに押されて存在自体をあまり見かけない。
わたあめもポップコーンも食べられて、輪投げも金魚すくいもいくらでも楽しめて、しかもいつもスマートに給仕してくれるお店のスタッフさんたちが牛やハムスターの着ぐるみ着て一緒に遊んでくれるということで、子供たちは本当に大喜びだった。上階で子供たちがわいわいと輪投げなどを楽しんでいる間に、お父さんお母さんたちはワイン片手にのんびり食事。期待以上に楽しいお祭りだった。

カウンターに並んでいた食べ物は、最初は前菜たち。あれこれつついているうちにパスタ料理も何種類も仕上がってきて、大皿にたっぷり盛りつけたそれを持ったスタッフが各テーブルをまわって「召し上がりますか〜?」と盛りつけてくれる。肉も次々焼き上がり、ひととおりお腹いっぱいになったところで大きなバットにたっぷりのドルチェも出てきて、すっかり満足。

前菜は人参のサラダ、豆とオリーブのマリネ、生ハム、フリッタータ(野菜入りのオムレツ)、お米のコロッケ、茄子のライスサラダ詰めのオーブン焼き、テリーヌ、魚介のマリネのオクラソースがけ、カプレーゼ、などなどなどなど。息子は生ハムをたっぷり皿に盛って御満悦だったし、私たちはいつも「ああ、もう1口食べたいなぁ」と思っていた小さな前菜たちを思う存分口にできるのがとても嬉しかった。シンプルだけれどこのお店のカプレーゼが私は大好き。

スパゲティは自家製ツナとさやえんどうのオイルベースパスタ、トマトソースのパスタ、そして子供たち大人気のカルボナーラ。
「ぼくの大好きなクリームのスパゲティはありますか?」
と、前菜を盛りつけながら厨房に声をかけたところ
「あと数分で茹で上がるからねー、カルボナーラができるよ。待っててねー」
とお返事をもらったそうで、うきうきしながら待っていた息子。できたてホカホカの濃厚なカルボナーラがどっさりテーブルにやってきて、子供も大人もすごい勢いで食べていた。うちの息子のみならずカルボナーラは子供たちを魅了しまくったようで、その後も何度かできたてカルボナーラが店中を飛び回ることになった。私はラザニアがとにかく美味しくて、大きな塊を2個平らげた。

肉料理はアグー豚を野菜と一緒に串焼きにしたものと鴨もも肉のグリル、そして耶馬渓豚の塊肉のロースト。イタリア風に、脂を落とすように表面がちょっとパサパサするくらいにこんがり焼いたアグー豚をつつきながら赤ワインぐびぐび。「……ビール飲も」と上階に行ってビールを注いでもらいつつ、輪投げして景品のソースせんべいもらってそれをおつまみに。もう5年以上もこのお店に来ているけど、店内でソースせんべいとか食べることになるとは思わなかったなぁ……と思いながらわたあめもいただいちゃったりして。

で、デザートの「ミモザ」をつつく頃にはすっかり酔っぱらっていた。ティラミスのチーズっぽさを抜いたような、カスタードクリーム味のババロアのような生地にスポンジやチョコレート、ベリーを散らしたドルチェがこれまた優しい子供好みの味で、いつの間にか息子の手には輪投げの景品の駄菓子類が紙袋に入れられてどっさりとあったのだった。ヨーヨーもたくさん(さすがに持ち帰れないし夜の回の分がなくなっちゃうよと返してきた)。そして金魚すくいも、成績は11匹。これまた全部持ち帰るわけにはいかないと、5匹だけ貰って帰ってきた。

同行した友人一家も楽しんでくれたようで、何より。また来年も企画してくれると嬉しいなぁ〜。

枝豆
肉南蛮そば
ビール(キリン生樽)・麦茶

そしてほのかに酔っぱらったまま帰宅。まだまだお腹はいっぱいで、軽くで良いねとお蕎麦を茹でることにした。でもただのざる蕎麦というのも味気ないかなということで、だんなが肉南蛮に仕立ててくれた。豚薄切り肉とたっぷりの長ねぎが入る温かいだしに、キンキンに冷やした冷ったいお蕎麦をつけつつ食べる。あとは枝豆とコップ1杯のビール。

居間の水槽ではいただいてきた金魚が元気に泳ぎ(金魚すくいの景品とは思えないほど大きめな立派な金魚なんだ、これが)、テーブルに並べられた小さなカップ入りのヨーグルトとかラムネの駄菓子がいかにも「お祭り帰り」という感じ。良い一日でした。