食欲魔人日記 05年01月 第3週
1月17日 月曜日
夕飯は、トマトの真っ赤なスパゲティでした
豚味噌鍋翌朝の、味噌おじや
ほうじ茶
昨夜は豚味噌鍋だったので、翌朝の今日はいつも通り定番の「味噌おじや」。残ったスープを温めて、御飯を1.5膳分ほど放り込み、ことこと煮込んでおじやにして食べる。卵割り落としても美味しいし、昨夜の鍋を「ちょっと具が残った状態」にしておくのも美味しいし、でも汁だけになってても充分美味しいし、幸せな朝御飯。けっこう濃いめのコッテリした味のおじやになるので、上からこれでもかと刻み万能葱と、風味づけに七味唐辛子をバラバラッとかけて食べる。

息子は今日、「タコ揚げ大会」……じゃなかった、「凧あげ大会」なのだとか。昨年末のクリスマス会に幼稚園にやってきてくれたサンタさんは年長組の子供達に「手作り凧」セットをくれ、1人1個のそのビニール製の凧に各自それぞれ好きな絵を描いたのだそうだ。確か息子の絵は、息子と仲良しの友達と、そしてサンタさんが描かれていたはず。で、それを広い公園であげましょうということで、リュックサックにお弁当詰めて水筒詰めてビニールシートも用意して、厚手の防寒着に手袋も着用の上、意気揚揚と幼稚園に向かっていった。

「お弁当は手で食べられるものを!」
とのお達しだったので、今日の息子の弁当はサンドイッチ(大人の分はなし)。息子用のサンドイッチはいつもバターロールを使っているのだけれど、今日はスタンダードな卵サンドを1つと、バタークリームを挟んだ上にスライスした苺をずらりと並べたストロベリーサンドを詰めてあげてみた。あとは茹でたブロッコリーとにんじんを少し。おやつには「ビスコ」。

「神戸屋スペシャル」のトースト
ゆで卵
ホットミルク
月曜日ということで、お仕事お仕事。でも大きな山はとりあえず去ったというところで、ちょこちょこまたーりとのんびりお仕事。

昼御飯は、非常にやる気なく厚切りトーストをぺろりと1枚。軽く焼いてバターちょっと乗せただけのところをかぶりつく。私はチーズトーストも大好きなのだけれど、神戸屋の食パンは甘さが強いのでチーズはちょっと似合わない。息子の弁当を作っていたら私もゆで卵が恋しくなっちゃたので、半熟ゆで卵を1個だけ作ってカリオストロ伯爵みたいに(誰よそれ)コココンと上を叩き割って塩ふってスプーンですくって食べた。お供にホットミルク。……おいしー。

午後、いつも通りに帰ってきた息子、残念ながら「凧あげ大会」は芝生のグラウンドが昨日一昨日の雨でグショグショだったため金曜に延期となってしまったらしい(また金曜に水筒やシートや"手で食べられる"お弁当を用意しなきゃいけないのね……)。今日は幼稚園内で「ピクニックごっこ」と称して園庭でお弁当を食べたのだそうだけれど、迎えに行くなり
「きょう!きょうのお弁当!すごかった!いちごが!おいしー!」
と大絶賛されまくってしまった。バタークリームと一緒に苺を挟んだサンドイッチは、それはそれは心を鷲掴みにした嬉しいお弁当だったらしい。
「あれ、また作ってね。お願いね。明日もね」
さすがに明日はやめようよ……なんて言いつつ、自転車こぎこぎ。バタークリーム、先日買ってきたは良いけど一体何に使おうかと悩んでいたのだけれど、身近にめちゃめちゃ喜んでいる人がいて、一安心。よーし、今度はバナナイチゴサンドかなー。バナナイチゴキウイなんてのもありかなー。

茄子とトマトのスパゲティ
角切り野菜のスープ
ミックスサラダ
ビール(よなよな)
昨日は豚味噌鍋で豚肉がっちょり食べちゃったし、その前は野菜料理を作ろうと思いつつ作れなかった餃子の晩御飯だったりしたので、激しく野菜が足りない気分。今日は野菜中心の夕御飯にしましょうと、野菜をざくざく刻んであれこれ用意した。

そろそろ食べなきゃと思っていた、瓶入りのスパゲティ用トマトソースの存在を思い出し、これを使ってパスタ料理。鍋にオリーブ油を薄くひいて角切りにしたベーコンを炒め、そこに輪切りにした茄子も加え、ザカザカ炒めてから半端に残っていた1/3個分ほどの生のトマトをみじん切りにして加え、そこに塩とにんにくの風味のついたトマトソースをだばだばだば、と。軽く煮込んで塩味適当につけて調整して、これを茹でたてのスパゲティに絡めた。トマトソース和えパスタに、最後に素揚げ茄子をトッピングした方が外見は美しくなったかも……と思いつつ、今日は何もかもがトマト色に染まった真っ赤なパスタ。

スープは顆粒コンソメを使った簡単なもので、インスタント臭さを消すために昆布なども入れつつ、玉ねぎと人参、パプリカとインゲンとミックスベジタブルをざらざら入れて具沢山に。サラダは、先日八百屋さんで買ってきたサラダ用ミックス野菜に薄切りきゅうりと玉ねぎを混ぜた。

最近はあちこちのスーパーや八百屋さんでサラダ用のベビーリーフのパックが買えて嬉しい限り。店によって内容やパッケージの仕方も様々なので、あれこれ買って試してみている。私の好物のルッコラがたくさん入っていると嬉しいし、葉っぱの種類があれこれ沢山入っているとなお嬉しい。ここしばらくのお気に入りは、ルッコラやリーフレタス、エンダイブなどが1株ずつ根つきで袋に詰められ、他にイタリアンパセリやバジル、ミントも茎1本ずつオマケのように入っているという200円くらいのサラダ野菜パックだった。根つきなので食べるのが翌々日あたりになっても萎びないし、量もたっぷり。

今回は、たまにしか寄らないスーパーに隣接した八百屋さんで売られていたものだったけれど、5〜6種類の小さな葉があれこれ詰まった大きなパックで160円。お安くて量がたっぷりで、あまり見かけない赤い茎のほうれん草みたいな野菜がワサワサと大量に入っていた。レストランではこの赤い茎の葉っぱ、何度か食べたことがあるけれど、ここいらのスーパーでは見かけない野菜だ。

テーブルに3種類のドレッシング、だんなが主に好きな叙々苑のドレッシング、私が主に好きなピエトロドレッシング、そして息子が熱烈に好きらしい、ピエトロの「黒ごまシーザー」ドレッシング。それぞれ思いのままにバシャバシャかけて生野菜をもりもり食べた。ピエトロも食べ飽きない味なのだけれど、さりげなく叙々苑ドレッシングがすごく旨いので(以前、たまたま試食販売していた時に「こりゃうまい!」と初めて買ってきたのだった)、また見かけたら買ってこよう。「黒ごまシーザー」も、市販のシーザーサラダ用ドレッシングにいまいち好みなものが見つからない中、これはすごく好みな味。酸っぱすぎず甘すぎず、ほのかに和風な味がするのもちょっと素敵だ。

便利なサラダ野菜と美味しいドレッシングのおかげで、ここ数年私が用意するサラダはどんどん手抜きになっていっているのは秘密……。

1月18日 火曜日
牛肉使って何しましょ、ということで……
「神戸屋スペシャル」でバタートースト
蜂蜜入りホットミルク
だんなは朝ジム。息子のお弁当だけ作ればいいやと、今日はちょっとのんびりぐーぐー寝ていることができた。

朝御飯は、残っている食パンをざくざくスライスしてこれが最後のバタートースト。ほのかに甘いパンはそのまま食べても甘いし焼いて食べたらなお甘いし、でも、その甘さがほんのり幸せ。蜂蜜少し垂らしたホットミルクとバタートースト。息子は
「ピーナッツバター、つけてもいーい?」
と、人形町のパン屋で買ってきたピーナッツクリームをコテコテ塗って食べていた。どうやらこのお店(「まつむら」)のピーナッツクリームもバタークリームも、息子のツボに入っちゃったらしい。良かったねぇ。

ピザトースト
アイスミルクティー
最近、左目の瞼がピクピクするのがちょっと激しくなってきた。自制できない瞼ピクピク、なんとかならないかと思うのだけれど、「疲れ目が原因」だとわかっているから(テレビやパソコンモニターから遠ざかる生活をすればすぐに治る……)なす術なし。パソコンに向かう仕事が現在山盛りだし、その気晴らしとストレス解消はこのところ「テレビゲーム」一辺倒になっちゃってるから、もうどうしようもない。しかもそのテレビゲームがいかにも目に負担をかけそうなものだったりして……。

「眼瞼痙攣にはカルシウムも効くらしいけど……どうだかなぁー」
と、昼御飯は「カルシウムを取りましょう」ということでチーズ山盛りのピザトーストにすることにした。ほのかに甘い「神戸屋」のパンは食べ切っちゃったので、冷凍庫に1枚だけ半端に残っていた「アンデルセン」の食パンを使う。解凍がてら軽くトーストしてからピザソースを塗り、玉ねぎとピーマンとベーコンを散らし、バボーンとピザ用チーズを山盛りにしてオーブンへ。パンがカリッサクッとなるようにしっかりと火を通してから、その間に淹れておいたアイスティーに牛乳だばだば注いで添えた。

ピザは薄めのパリパリのが好みだけれど、ピザトーストはなんといっても厚切りパン。「4枚切り」どころじゃない、パン屋さんで買ってきたカットされていない食パンを厚さ3cmぐらいにゴリゴリ切って使うのが一番美味しく感じるのだけれど、今日のは6枚切り厚さ。ほんのり物足りなかった。

牛肉とごぼうの炊き込み御飯
角切り野菜のスープ(昨夜の残り)
ミックスサラダ(昨夜の残り)
にんにく味噌きゅうり
麦茶
だんなの帰宅、今日は遅いらしい。
「スープあるし……サラダもあるなぁ……」
と昨夜の残りをあれこれ眺め、半端に残った牛肉を消費せんと、炊き込み御飯にすることにした。

数年前の初春に発売された号の『dancyu』に載っていたレシピだったと思うけれど、新ごぼうと新生姜を使った炊き込み御飯にすることに。細切りにした生姜と、同じく細切りにしたごぼうを研いだ米と一緒に釜にセットし、酒と味醂と薄口醤油でテラッと煮含めた牛肉の、その肉は除けておいて煮汁だけをだしと一緒に釜に注ぎ入れる。御飯を炊いたら最後にその牛肉を加えて混ぜ合わす。本当は更に山椒の実の佃煮を混ぜたり、仕上げに"木の芽"(山椒の葉)をぶわーっと混ぜて食べる春の料理なのだけれど、ベランダの山椒は綺麗に丸裸状態なので山椒は無視の方向で。代わりに刻み万能葱をたっぷり散らした。

昨夜の残りのサラダには「叙々苑」ドレッシングを最初に和えてしまい、刻みきゅうりににんにく味噌添えて。
「おかずの代わりに、お肉や野菜が入った御飯にしたからね、だからいーっぱい食べてくださいな」
「えー、これだけー?」と言われるのを少し覚悟でテーブルに出したのだけれど(今週末にがっちょり外食予定だから、ちょっとこういうタイミングで控えておこうかなー、と……)、
「わぁ!お肉のごはん!すっごい!」
と息子は大喜び。牛肉とごぼうの入った醤油と味醂の味の御飯はおおいに受けたけれど、でも
「……あ……でも、からくておいしくないのが、入ってたよ……」
と、ニョロリと針生姜を引っ張り出してきた。

息子には生姜はとんでもなく辛く感じられたようで、
「これ、いらない……こっちにも、ある……」
いちいち1本ずつ生姜を引っ張って除けはじめる。生姜はけっこうどっさり入れてしまったので、そのうち根負けするだろう……と見守っていたら、全ての生姜を綺麗に除けて、「おいしくなったー」と食べ始めた。「ねぎと、この、しょうがはね、辛いから、こどもは食べないの。食べられないの」とか言っている。……そうか、生姜はダメですか……美味しいんだけどなぁ……。

1月19日 水曜日
気になるパン屋さんで買ってきた昼御飯
磯辺巻き・きなこ餅
抹茶入り玄米茶
冷凍庫にまだ数枚のお餅が残っていて、それが密かに気になっていた私。秋田の親戚が家でついたお餅を切り餅にして年末に送ってくれたそれは、もちろん防腐剤などは入っていない。こりゃすぐにカビちゃうなぁと、ジップロックに詰めてピッチリ締めて冷凍庫に入れてあったのだけれど、それでも少しずつ乾いていってしまう感じ。そろそろ食べきらなきゃねぇと、今朝は5枚の餅を焼いた。

だんなは磯辺を2枚、息子はきなこを1枚、私は磯辺ときなこを1枚ずつ。砂糖少なめのあっさり味のきなこを用意して、焼いてから湯に軽く浸した餅にバフバフとまぶす。だんなはきなこ餅の"いがさっぽさ"があまり好きじゃないみたいなのだけれど、私は磯辺もきなこもどっちも好きなー。

「かのん」の
 BLTサンド
 テリヤキチキンサンド
りんごジュース
今日と明日は、幼稚園都合で午前保育。今日もお仕事依頼のファックスやメールがちらちら来ていて、1つずつ片づけて行ったらすぐに迎え時間が来てしまった。
「ん〜お昼御飯は、ホットサンドにするかな……」
パンを買って帰ろうと決め、自転車こぎこぎ幼稚園に。スーパーでサンドイッチ用のを買えば良いかなと思っていたのだけれど、途中、以前から気になっていたパン屋さんの前を通りかかり、「お、お、お……」と自転車を止めて寄ってみてしまった。

「かのん」という名の小さなパン屋さん。数ヶ月前にオープンしたのを見てからずっと気になっていたのだけれど、
「駅に近いというわけでなし、いまいち目立たない場所だし……ニキビより簡単に潰れちゃうかな……?」
などと失礼な事を思ってしまいつつ、なかなか寄る機会が見つからなかった。けど、予想に反してけっこう繁盛している様子。店頭にはいつも多くの種類のパンが並んでいるようで、一度は買ってみようかなと思っていたのだった。
ちょうど昼前ということで、カウンターの上には美味しそうなサンドイッチがあれこれ並んでいるのが見え、それがとても美味しそう。いざいざとドアをくぐった。

間口2間ほどの、小さなカウンターだけの本当に小さなパン屋さん。ケーキ用のショーケースが置かれており、並んだパンをお店の人に取ってもらうようになっている。カウンターの上には1つずつ綺麗にビニールにくるまれたサンドイッチ類も並んでいて、コロッケサンドが1個150円くらいと手頃な価格。明日の朝にも食べられるようにとあれこれ買ってきてみた。Johanのものによく似たチョコデニッシュもあって興味津々。

お昼にと買ったのは、BLTサンドとテリヤキチキンサンド、卵サラダサンド。BLTサンドにはブリオッシュ生地のようなバターたっぷり気泡たっぷりのパンが使われており、薄くバターが塗られたところにベーコンとレタスとトマトがサンドされている。パンの表面にはあらかじめ粉チーズをふりかけてから焼かれているようで、表面の焼けたチーズが美味しそう。卵サラダサンドはロールパンにレタスやキュウリと共に卵サラダが挟まれたもので、テリヤキチキンサンドは丸くころんとしたバンズが使われている。こちらもレタスとキュウリがたっぷり使われ、厚切りトマトも挟んであった。

「わぁ!ハムのサンドイッチだ!」
「うん、ハムじゃなくて"BLTサンド"ってお名前のベーコンのサンドイッチだけどね。半分食べるでしょ?」
「食べるー!」
「あと、卵のサンドイッチも一応君の分なんだけど」
「これも食べるよー!」

家に帰ってがさがさと袋を開き、買ってきたばかりのサンドイッチを適当に分け合いつつ食べた。私はBLTサンドを半分と、テリヤキチキンサンド。たっぷりとろみをつけた甘辛いタレがテランと絡む鶏肉はけっこうなボリュームがあって、なかなかの食べ応え。ブリオッシュ生地のBLTサンドはちょっと独特さが漂っていたけれど、これも表面にかけられたチーズが香ばしくて美味しくいただいた。全体的にパンへの愛が漂っているのが見えて、「あらー、もっと早く買ってみれば良かったわー」と思いながらむしゃむしゃ。店頭にはフランスパンとか「エピ」(二股にニョキニョキ別れた面白い形状のベーコン巻きフランスパン)なんかもあって、それも美味しそうだった。

明日の朝用にクリームパンなども買ってきたのだけれど、美味しいといいなー。

牡蠣のオイスターソースがけ ほうれん草添え
菜の花と帆立のサラダ
「辣味肉醤」
茄子の味噌汁
羽釜御飯
ホッピー
安売りされていた剥き牡蠣使って、今日はちょっと中華風な夕御飯。ホイル焼きにしようかな、土手鍋みたいなのもいいかもしれない……と思ったのだけれど、前から作ってみようと思っていた熱いオイルをかけた茹で牡蠣にしてみることにした。

牡蠣は酒を入れた湯でゆがいてさっと火を通す。白髪葱と刻み生姜を合わせたものを上に乗せ、サラダ油と胡麻油を大さじ1ずつ混ぜたものを煙が出るほどアツアツにしてから、牡蠣と葱の上からジュワワワワ〜っとぶっかける。最後にオイスターソースと醤油をスープ(顆粒鶏ガラスープを湯でのばした簡単なもの)で薄めたものをかけたらできあがり。このタレなら茹で野菜も美味しいかしらと、茹でたほうれん草を周囲にぐるりと飾ってみた。

あとは、出始めの菜の花を使って帆立入りのサラダに。茹でた菜の花と缶詰の帆立を缶の汁ごと和えて、マヨネーズと練り辛子とおろし生姜と醤油と胡麻油で味をつける。多分、ケンタロウさんのレシピ本に載っていたサラダで、一度作ってみたいなと思っていたものだった。マヨネーズは少なめに、ちょっと辛子を効かせて、醤油を強めにすると大人の味に。うろ覚えで「確かこんな感じ〜?」と作ってみたら、これが案外美味しくできた。後でレシピをちゃんと確認したけれど、大きくは外れていなかったみたいで。

久しぶりにホッピーも飲もうと、ホッピーを冷やし専用グラスも冷やして万全の態勢で仕事を終えて帰ってきただんなをお出迎え。……でも、おかずがちょっと物足りなかった(一応、牡蠣は2パック買ってきたんだけどなー……)。

焼酎(亀甲宮)を混ぜたホッピーをくっぴくっぴ飲みながら、牡蠣をつついてサラダもぱくぱく。酒のアテでほとんどおかずがなくなっちゃったので、「かきはね、あんまり好きじゃない……」という息子のためにもと、魯肉飯(ルーローハン)用の肉味噌缶詰を開けることにした。1年前の台湾旅行で買ってきたものだけれど、賞味期限はまだちょっと先。息子用には「児童用」とか書かれた子供用の優しい味の缶詰を開けてやり、私とだんなは「辣味肉醤」なる、いかにも辛そうなやつを開けてみた。甘辛味がしっかりとついた油キトキトの肉味噌は、いかにもな異国な感じのスパイスの匂いがぷんぷんして、しかも表記通りしっかりと辛かった。味が濃厚なので、つい御飯を山盛りに。

「わー、なんか、すごい匂いだね……」
「うん、まぁ、私は嫌いじゃないよこういう匂い」
テラテラ光る怪しい肉味噌を御飯に乗せ、「……だったら、味噌汁じゃなくて中華風のスープにでもすれば良かったかな?」と思いながら味噌汁もいただいた。
あ〜、また台湾も行きたいなぁ……(いや、その前に手元にある"麺線の素"を調理してみなくちゃ……)。

1月20日 木曜日
昨日の茹で牡蠣でお茶を濁してみる……
「かのん」の
 クリームパン
 コーンパン
ホットミルク
朝起きて、
「ほらー、息子ー、朝だよー」
布団の上からバホバホ息子を叩いて、赤い顔をしている息子に気がついた。額を触ると、ちと熱い。あれ?とパジャマたくしあげて脇の下に手を突っ込んでみたら、いつもより2度近く高そうな体温が感じられた。……発熱してるー。

そういえば昨日は妙にだるそうだった。ここのところやけに寒かったし、そろそろ風邪ひいてもおかしくないかなという感じでもある。
「まぁ……おとなしく寝てなさいね、今日はね……」
そのまま寝かせてやり、掃除したり洗濯したり。だんなは朝ジムで早くに家を出ていたので、息子が起きて何か口にするときに私も食事にすればいいや、と、何も食べずに仕事を始めた。

体調を崩した息子は、「寝て治す」を地でいくのが毎回のことで、今日もぐーぐーと良く寝ていた(普段かなり食べてるから、スタミナあるのね……←寝ているのも体力要るし)。もぞもぞ動いているから「起きたかなー?」と顔を見に行き、
「……つらいねぇ……」
と声をかけると、
「うん、つらいぃぃぃ……」
顔がクシャッとなって、涙目になって、でもまたそのまま寝てしまう。結局、昼まで寝続けた。

「あのねー。なおったみたいよ?」
あら、12時過ぎたわー、とつけたテレビからタモリの声がしてきたのに条件反射のように起き出した息子が、「おなかすいたー」と布団を抜け出てきた。「なおったみたいよー」とか言ってるくせに、まだ顔が赤い。
「いや、治ってない。君、絶対治ってないよ」
と答えて、それでも食欲はあるらしいので、「これ食べる?あれ食べる?」と食べられそうなものをリサーチしてみる。朝御飯用だったクリームパンをご所望で、カルピスもご所望とのことで、息子の前にクリームパンとカルピスを。私もまた朝御飯用だったクリームパンを皿に乗せ、コーンパンをオーブンで温めて用意した。カルピスもいいなと思ったけれど、私はホットミルク。

昨日買って食べたサンドイッチがすごく美味しかった、近所のパン屋さん。クリームパンには好みな具合のもっちりねっちりした濃厚なカスタードクリームが詰まっていて、コーンパンには溢れんばかりのコーンがトッピングされていた。バニラビーンズの粒がしっかり見えるカスタードクリームは、もうちょっとだけ甘さがしっかりついている方が好みかなと思えたけれど、でもとても好きな部類に入る素朴な味のクリームパン。やったやったクリームパンも「あたり」だったわ、とすごく嬉しかった。またこのお店行って、あれこれ買ってきてみよう。今まで何度も店頭をスルーしていたことをほんのり後悔。

鶏手羽元と根菜のスープ煮
羽釜御飯
アイスティー
素揚げにして食べると旨いよなぁ、醤油と味醂で根菜とテリテリに煮付けても……と思って買ってきた鶏手羽元があったのだけれど、息子が風邪ということで息子が好きそうな料理に加工してやることに。せっかくの骨つき鶏肉だからと、午後に時間をかけてことこと煮込んで柔らかく煮つつスープを取ってみた。このままポトフのようにしちゃっても良いのだけれど、でも息子が好きなのはやっぱり「コーン」。クリームコーンを使ってコーンスープっぽくしてやることにした。

せっかくとった美味しい鶏のスープを全てコーン味にしてしまうのはちょっと悲しかったので、スープの一部を取り分けてクリームコーンや牛乳と合わせることに。手持ちの野菜を入れてしまおうと、じゃがいもや玉ねぎ、にんじんやマッシュルーム、いんげんなどを加えて煮込んでみたら、「このままカレーのルーを入れたら美味しいカレーに早変わり」な様相になった。スープは鍋にたっぷりあるし、これは明日明後日にはカレーに化けるだろうなということでほぼ確定。

息子には、スープで煮た玉ねぎやじゃがいもやにんじんを細かく切ってやって、それをコーンベースのクリームスープで。私は2口分ほどもある大きなじゃがいもをごろんごろんとスープ皿によそい、コーンなしの鶏味スープを楽しんだ。「今日は遅くなりそう……」と言っていただんなも早めに帰ってきて、「なんか午後から突然具合が悪くなって」とのこと。そういえば、私も今日は午後からずっと頭が重くて(←一日ストーブしょって家に籠もってパソコンに向かってたからだと思うけど)何だか全体的にビミョ〜に嫌な感じ。ぼ〜っとしていて、まず忘れない料理写真の撮影まで忘れている私だった(しょうがないので、今日の写真は昨日の牡蠣で代用……とほほ……)。

「……息子……インフルエンザかなぁ……だったらどうしよ……」
「まぁ、とりあえず風邪薬飲んで寝かせて、明日になってから考えよう」
「俺はとりあえず明日の朝に医者に行ってくるからさ、状況によっては息子も連れてくから」
土曜日にはすごく楽しみにしている約束があって、なんとかそれに向けて頼むよ神様〜という心持ち。気合いだっ気合いだっ気合いだ〜。

1月21日 金曜日
体調が悪い時こそ!酢豚!
「かのん」のチョコブレッド
2日目の鶏根菜スープ コーンクリーム味
牛乳
昨日ずっと熱が下がらなかった息子。今朝になってもまだ熱があるようならインフルエンザを疑って医者に行くことにしよう……と思っていたのだけれど、7時に目覚ましが鳴ったと同時に起きた息子は、ほぼ完全に目に力が戻ってきている。熱も、かなり下がった。
「ねつ、おねつ、下がったよ。ほらほらほらほら」
早速、色々と(体力とかやる気とか情熱とかが)余っていたようで、家中をうごめき始める息子。でも、だんなの方は昨日に引き続き(というか輪をかけて)不調みたい。本当は今日、息子は遠足だったのだけれど、昨日の夜遅くまで低くはない熱があった人はさすがに行かせられないということで、息子お休み。だんなもお休みすることになった。私も"風邪のひき始め"みたいないまいちな体調だから、今日はおとなしくしていることにしよう。……でも私は仕事の山がまだ片づかないから、一日仕事しなきゃいけないのよー……。

朝御飯は、昨日に引き続き「かのん」という地元のお店のパン。1/2本分買ってきたチョコブレッドをざくざく薄切りにして、
「息子さんは食べられますかー?……って、君は大丈夫だよなぁ。だんなはー?どうするー?」
と声をかけつつ居間のこたつに出してみる。だんなも食欲はあるということで、1人2枚のチョコブレッドをしっかりと食べ、昨夜の鶏の手羽元肉のスープは少量小鍋に移してクリームコーンや牛乳を加え、コーンクリーム味にして出した。

いかにも「Johan」の真似っこです、といった風のチョコブレッドだったけれど、味はかなりそれっぽい。チョコ生地の混ざり具合とか甘さの感じがかなり"あれ"に近くって、「近所で買えて、"あれ"よりちょっと安くてこの味だったら……けっこう嬉しいかも」と思えるものだった。でもやっぱり"あれ"の方が美味しい……かな。

とりあえず、クリームパンが美味しかったので、また通りかかったら買ってくるのだ。

稲毛 「太閤園」にて
 酢豚定食
どうも体調が悪いと恋しくなるのが「太閤園」。「病人や体の弱い方には一撃です」といった風の、油ガッチョリ系中華炒め定食がメインのお店なのだけれど、体調が悪い時に限って特に行きたくなってしまう。

「やっぱり、行きますかー?」
「チャーハン、食べますかー?」
「でもさぁ、ほんと、体力落ちている時なんか一撃だよね……」
「いいじゃん、スタミナつくよー。"うまっすぎるっ"って感じだよー」
「"最高だぁー!"とかね」
「"もっと喰わせろぉ!"とかね」

ゲームの台詞を繰りだしつつ(すごく美味しいものを食べると主人公がそう叫ぶのよ……んで、スタミナが全回復するの)、やっぱり今回も行ってしまった。ランチタイムをちょっと外して行ったら、並ぶことなくちゃっちゃと入れた。だんなはいつもの「茄子野菜炒め」、私はこれが二度目の「酢豚定食」、息子は炒飯、そして3人で1枚の餃子。

何がすごいって、この店、使われている油の量がすごいんだけど、でも不思議とギトギトする嫌な油っこさを感じない。何を食べても灼熱の油の膜が材料の表面に張られていてめちゃめちゃ熱いということと、腹持ちがやたらとよろしくて「ああ、やっぱり相当な量の油が入ってるんだなぁ……」と思い知らされるのだけれど、でもくせになっちゃう美味しさの店だ。いつ行っても、開店している時はお客さんがほぼ満席状態で詰まっている。ここいらじゃ人気の中華定食屋さんなのだった。

特別な材料が使われている風じゃないのにパラッとしていてなんとも香ばしい絶品の炒飯と、「野菜炒め」「肉野菜炒め」「茄子野菜炒め(←これには肉も入ってる)」の三段活用で値段が高くなっていく醤油炒めシリーズと、回鍋肉、八宝菜あたりが特に美味しい。酢豚は数ヶ月前に初めて頼んでみたのだけれど、これまた衣がサクッと揚がったいーい感じの酢豚で、私の心を鷲掴みにした。ケチャップが使われていない、醤油と酢と砂糖で味をつけたちょっと大人っぽい味の酢豚で、なぜかキュウリやレモンが入っている。玉ねぎやにんじん、ピーマンはシャキシャキとしっかりとした食感が残った絶妙の火の通り具合で、今日も大変に美味しかった。

「チャーハンだ、チャーハンだ〜」
とお気に入りのこの店のチャーハンにがぶり寄った息子、でもやっぱりまだ本調子じゃなかったらしい。いつもは軽く2/3量か3/4量くらい食べてしまうのに、今日は半分も食べずに
「もうおなかいっぱいになっちゃった……」
とレンゲを置いてしまったのだった。好きなものが好きなだけ食べられないというのは不幸なことだ。早く治せよー。

ほうれん草とベーコンのサラダ
牛肉と玉ねぎの炒め物
卵豆腐
これがラストの鶏根菜スープ
羽釜御飯
ビール(サッポロ黒ラベル)・冷茶
昼食後は少しだけ買い物して帰宅し、その後は私はずっと真面目にお仕事。だんなと息子は一緒にベッドに横になって楽しそうに携帯ゲームに興じていた。動くはずのjavaスクリプトが動いてくれなくて大苦戦して、気がつけばもう6時半。
「げ!ヤバいじゃん、もう6時半じゃん!」
6時には夕飯の準備を始めようと思っていたのにうっかりそんな時間になってしまい、慌ててあれこれ用意した。御飯が炊ける間に用意できただけの、本当に簡単な夕御飯。

緑黄色野菜をバリバリ食べたい気分だったので、ほうれん草サラダ。ざく切りにしたほうれん草と薄切り玉ねぎを合わせ、そこにベーコンじくじく炒めて油を出し、そこに酢と醤油と砂糖を加えて作った熱いドレッシングをザラッとかける。あとは牛肉と玉ねぎを炒めて食べよう、と、手持ちの焼き肉用塩ダレでざざっと簡単に調味。買ってきたばかりの卵豆腐を出し、スープを温めたところでちょうど御飯が炊きあがった。一番あわただしいときに幼稚園の連絡網が回ってきてくれちゃったりして、何だかバタバタとした夕御飯。食事中も「ああ……そうか、まだアレを試してないじゃん……これもまだやってないじゃん……」なんて仕事の事がグルグルしちゃって、気もそぞろといった風の食事になってしまった。そんな事考えながら食べても美味しくいただけないし、いかんね。

炊きたて御飯に、焼き肉のタレで炒めた肉をごっそり乗せて食べるのはたいそう美味しうございました。ほんとはこのお店に行ってみようかなんて話もあったのだけど、それはまた次回ということでー(日曜に行こうか、なんて話も出ているのだけれど、さて……)。

1月22日 土曜日
イタリアンぽくないけど、白子のムニエル。絶品でした……。
「焼きたて工房」の
 ミニチョコパン
 ミニスィートポテトパイ
カフェオレ
今日はお昼にがっちょりランチのお約束。何も食べずに行くにはちょっと無理があるし(空腹のあまりに移動中に気持ち悪くなりそうで)、ごく軽くでいいんだけどなー……ということで、昨日、スーパーに併設されたパン屋さんでパンをいくつか買ってきた。5個で200円だった各種ミニパンはどれも2口分ほどのサイズで、小腹を満たすのにちょうど良さそう。三角形のチョコチップ入りクロワッサンを2個とカレーパン、あんドーナツ、スィートポテトパイを買ってきてみた。息子にはチョコパン1個。

仕事がなかなか終わらないのが気になっちゃったのか、私は今朝は7時に目覚めてしまったので、仕事しつつコーヒーメーカーをセットし、コーヒーの入る音を聞きながらだんなが起きるのを待つ。朝食を摂った9時過ぎにはすっかり空腹になってしまって、大福サイズのパン2つじゃ全然物足りない。2時間後には「おなかすいたー」とヒーヒー言いながら青山に移動することになった。

もっさりとしたさつまいもの甘いペーストがくるまれた、ほんのり塩気のあるスィートポテトパイと、表面にグラニュー糖がまぶされた三角形のクロワッサン生地のパン。色々な味が楽しめて、ミニパン5個200円はちょっとお得だ。いつも売られているといいのになー。

青山 「Cucina Tokionese Cozima」にて おまかせコース
 かぼちゃの一口スープ バニラ風味
 クロスティーニ 生ハムのパテ
 生ハム(クラッテッロ)
 九十九島の牡蠣(焼き牡蠣)
 白アスパラガスのカルボナーラソース こごみ、ふきのとうのフリット添え
 白子のムニエル アラビアータ風ソース 永田農法のキャベツ添え
 ズワイガニのリングイネ
 メダイのグリル バターのソース セミドライトマトとブロッコリー添え
 白金豚のグリル 生の青梗菜とポレンタ添え
 苺のミルフィーユ バニラジェラート
 プティフール
 デコポンのスプマンテ割り
 ハーブティー
今日は、かなり遅くなっちゃったけどTさんとの新年会。本当は昨年末に"我が家3人+Tさん"で会おう!と忘年会の予定を入れていたのだけれど、当日は大雪で中止。その次に立てた予定はTさんインフルエンザ罹患により中止。3度目の正直ということで、やっと今日、お会いすることができた。

Tさんはすごい雨女。そして私もかなりな雨女。これまで何度か食事だ何だとご一緒することがあったけれど、「店を出たら豪雨」とか「当日になって予報外の荒れ模様」なんてことがかなりあって、「私たちが楽しみにするとロクなことにならないから、あまり楽しみにしないようにしましょうね」という話になっていた。何しろ昨年末は、それまで暖冬暖冬と言われていたのに、その日に限って突然関東平野にモツモツ雪が降ってきたのだ。さほど積もりそうではなかったものの、万が一電車が止まったりしたら大事だというので延期になったのだった。

「だから、22日はあまり楽しみにしないようにして……」
「はい、それでは22日に。あまり楽しみにしないように……」
メールでしょっちゅう「楽しみにしないように」とお互い言い聞かせながら過ごしてきて(変な人たち……)、今日はめでたく晴れ!吹く風はやけに冷たかったけれど、今日は一日素晴らしい天候だった。

今日の新年会、食事の場所は、Tさんと私を引き合わせてくれたCucina Tokionese Cozima。数年前、「ホームページを作りたい」と思っていたTさんが、お仕事でつきあいのあったCozimaに「このお店のページは素敵ですね」なんて話をした結果、シェフが私をTさんに引き合わせてくれたのだった。そんなご縁のあるお店なのに、Tさんと一緒に訪れたのは、初対面時の1回目に続いて、今日が2度目だ。地階でのーんびり、2時間半かけてフルコース料理を楽しんできた。

突き出しに、ほんの一口分のほわんと甘いかぼちゃのスープ、そして一口サイズの薄切りパンに乗せられた生ハムのパテ。続いて、"幻の生ハム"と言われる(なんでも、ものすごーく限られた部位の肉が使われるのだとか)「クラッテッロ」という名のパルマ産生ハムがヒラリヒラリと数枚やってきた後、九十九島の焼き牡蠣にレモンを添えたものが。生ハムのパテもねっとりとした口当たりがなんとも濃厚で心地よかったけれど、適度に締まった感があるのに口に入れた途端にとろりと溶けていく感のある「クラッテッロ」がものすごく美味しかった。薄く削られた肉は濃いめの薔薇色をしていて、スライスしただけで絵になる。ペロペロッと食べちゃったけど、滅多に口にできるもんじゃないらしい……。続く牡蠣も、甘さが強くプリップリ。1個と言わず5〜6個山盛りで食べたいような感じだった。

そしてここから温かい前菜が2皿。カルボナーラのソースが添えられた白アスパラガスには、茹でた"こごみ"(ぜんまいみたいにクルクルとした山菜)、フリットにしたふきのとうが散らされてほんのり和風。卵と生クリームの味が濃厚なこってり味ソースが淡白で優しい味のアスパラガスによく似合う。ナイフで切る時には繊維を感じさせるアスパラガスが、口に入れるとなぜかほろんと溶けていった。

で、「イタリアン」と言うにはちょっと不思議な感じの、白子のムニエル。ほんのり辛いトマトのソースが上にかけられ、その上には刻み葱。周囲にはバルサミコ酢をベースにしたソースが添えられ、白子の下には甘い甘いキャベツが敷かれていた。キャベツも白子もはっきりと甘いのだけれど、その甘さがとても自然。表面がカリッと焼けた白子はスライスすると中がフルフルプルプルで、日本酒のアテにもなりそうな味だった。白い御飯にも似合いそう……。

あとは流れるようにパスタと魚料理と肉料理(しかし昼から良く食べるね……)。小ぶりのズワイガニを1人1匹使ったゴージャスなパスタは、太めのリングイネが使われている。トマトやイタリアンパセリを使ったソースに、まっぷたつにぶった切られたズワイガニが殻ごとゴロゴロと。食べやすいように各脚にちゃんとナイフが入っていて、蟹スプーンで身をほじりだして両手使ってわしわしと食べる。焼き牡蠣の時に出てきたフィンガーボールがここで再び登場して、
「なんかうち、フィンガーボールが好きな店なんですよね……多い時には1つのコースで3回くらいお出ししますよ」
と給仕のお兄ちゃんが笑っていた。

そうそう給仕と言えば、以前フロアに出ていてその後厨房でパティシエやっていたり手打ちパスタ作ったりしていたM木さんという人が、今回再びフロアでの接客に戻ってきていた。この人ものっすごく見目麗しく、「少女漫画に出てくるようなハンサム」を地でいく人。以前、この人に給仕されたY先輩(←この人もまた見目麗しい)が
「……あなた、モテるでしょ」
と言ったことが、私は忘れられないでいる。そういう貴方もモテモテなはずだ、Y先輩。ともあれ、見目麗しい人が厨房に引っ込んでいるんじゃなくてフロアに出てきているのは、お客としては嬉しいことだ。物腰も穏やかでギャルソンに向いていると思う。

両手ベタベタにして、フィンガーボール駆使してパスタを楽しんだ後は、分量軽めのお魚とお肉。脂の乗ったメダイはシンプルにグリルされ、でも添えられたソースはほのかにカレーの味(ターメリックとかクミンとかの風味)がして、Cozimaらしいお皿。ハーブを添えて焼いた自家製のセミドライトマトと、土の匂いがしてくるような濃い味のブロッコリーが添えられていた。肉料理は、白金豚(プラチナポーク)のバラ肉のグリル。表面はカリッと、中はふわっと火が通り、添えられているのは生で食べられる青梗菜と、菱形をした可愛らしいポレンタ。口に入れると甘い脂がとろける肉は、ほんの数口分の分量だったけれど胃にどっしりと来る、メインディッシュにふさわしい料理だった。

今日は品数多めに、その分一皿の分量は少なめに……といった感じのコースだったけれど、さすがにここまで食べるとお腹いっぱい。モチモチした食感の丸いパンが美味しくて、お代わりして食べていたこともあって、デザートを平らげる頃にはしっかり満腹になっていた。
デザートは、ころりと丸っこい厚みのあるパイを横両断にして、カスタードクリームと生クリームとたっぷりの苺を挟んだミルフィーユ。横にはバニラのジェラートも添えられて、ちょっと春っぽい感じの皿だった。最後にハーブティーいただきつつ、一口サイズのいちじく入りの卵たっぷり焼き菓子と、苺入りのホワイトチョコをぽりぽりと。料理の話したり旅行の話したりインターネットの話したりと、充実した数時間だった。
はぁ〜、ごちそうさまでした。豪遊しちゃった……。

「和幸」のロースカツ・ミニ海老フライ・刻みキャベツ
牛肉と玉ねぎの炒め(昨夜の残り)
ほうれん草サラダ(昨夜の残り)
味噌汁(インスタント)
羽釜御飯
ビール(よなよな)
食後、「カラオケ行きましょう!」とTさんをお誘いしてカラオケへ。基本的にカラオケが苦手(というか滅多に行かない?)Tさん、半年に一度くらい、歌いに行きたくなる発作が訪れるのであるらしい。年末に「忘年会したら、そのままカラオケ?って思ってたのにー」と言われていたのをしっかり覚えていて、「じゃあ今日行きましょう。ね、今日」と六本木にあるPaselaに移動。2時間くらいおおいに歌ってきた。初めて一緒にカラオケに行って、ブリトラ(ブリーフ&トランクス)の洗礼を受けさせる私とだんな。
「”コンビニ"歌いまーす」
「ぼくはねぼくはね"じゅうとっき(柔突起)"うたいまーす」
「んじゃ、引き続き"ひとりのうた"歌いまーす」
「鯛焼きの歌も歌っちゃいまーす」
と、
「な、なんですか、この歌。一体これは……?」
と笑うTさんの前で、親子3人、妙な歌を歌ってきてしまった(一応、真面目な歌も歌ったよ、中島みゆきとか……)。

帰宅はすっかり日も暮れてから。2時間あれこれ歌うと案外疲れるもので、あれだけ昼に食べたのに、地元駅に戻ってみたらちょっとばかり空腹感を感じるようになってしまっていた。
「……やきとり?」
「すし、とか?」
駅ビル内モールの総菜コーナーをぷらぷら歩き、
「……とんかつ?」
と。

「……いいねぇ、とんかつ……でも、"軽くしとこう"とかって言ってなかったっけ?」
「"和幸"と"さぼてん"、どっちがさっぱりしてるかなぁ」
「……いや、どっちもとんかつ屋だし。大差ないかと」
「じゃあ、和幸でいっかー」
結局、夕飯はとんかつになった。私とだんなはロースかつ。無料でつけてくれるキャベツもどっさり入れてもらって、家に帰ってからとっとと風呂に入って御飯を炊いて、味噌汁はインスタントでごまかして、ちゃちゃちゃっと夕飯を済ませた。「ロースかつ」じゃなくて「上ロースかつ」にしたのだけれど、厚切りでなかなか美味しい。

「このさ、とんかつ屋さんのキャベツっていいんだよね、何だかね」
「このキャベツとソースだけで、御飯いけるよね1膳くらい軽く」
「そうそう、キャベツと御飯と味噌汁はお代わり無料って店がけっこうあってさー」
「ああそうそう、とんかつを"見せ餌"にしてさ、とんかつは見るだけにしておいて、ソース味キャベツと御飯をもりもり食べるよね」
「そーなんだよ、学生の頃とかさ、カツ1切れで御飯1膳はいけるね、あとはキャベツおかずにして」
今はさすがに「カツ1切れで御飯1膳」なんて事はしないけれど、でもとんかつはちびちび食べながら、ソース味キャベツをわしわし食べて御飯もわしわし。うん、やっぱりとんかつ屋さんのソースかけたとんかつ屋さんのキャベツって何だか美味しいわ。

1月23日 日曜日
念願の「ニンニクオイル焼き」食べてきました
「ミスタードーナツ」の
 チョコファッション
 もちっとドーナツ 焼き栗あん
カフェオレ
「明日は午前中にジム行くぞー」
「私は午後に行ってくるぞー」
「じゃあ……朝御飯にドーナツでも買っておく?」
なんて会話があって、昨日の夕方、ドーナツ買って帰ってきた。現在のキャンペーンがスペイン風食器ということで、あっけらかんとした鮮やかな食器がなかなか可愛らしい。……でも、こういう興味深いキャンペーンやってる時に限って、あんまりミスドでお買い物しない我が家だった。ああ、ポイント5点も溜まらないうちにキャンペーン終了の月末があっさり訪れてしまいそう。

今朝はだんなの方が早く起きて、コーヒー淹れて待っていてくれた。コーヒーメーカーを動かす音で私も起きて、小さな仕事を片づけたところで息子も起床。あまりの寒さに親子3人こたつに足突っ込んで、居間で食事した。

今回買ってきたのは、昔から地道に好きな「チョコファッション」と、今回初めて買ってみた「もちっとドーナツ」の栗あん味。以前売られていた、きなこ味のバフバフッとしたドーナツ(きなこボール、とかいう名前だった……)がそれはそれは大好きだった私は、「これ、似たようなものかしらん〜」と密かに楽しみにしながら口にしたのだけれど、あれとはちょっと違った感じ。確かにもちもちクニクニした不思議な食感のドーナツだったけれど、中のあんこがいまいち掴みどころのない味であんまり印象に残らなかった。きなこボール、復活してくれると嬉しいなぁ。そしたら毎回あれをバフバフと食べるのに。

「キムチでやせる」の焼きそば
冷茶
だんながジムに行った午前中、真面目にお仕事。昨日依頼された小さな仕事を終わらせて、先日から鋭意頑張り中の大きな仕事に取りかかったところでだんなが帰ってきた。
「なんか、焼きそばとかラーメンみたいなのが食べたい感じだったんだよねぇ〜」
と豚肉を買ってきただんな、冷凍庫に残っていた「キムやせ」の焼きそばをグラグラ茹でてジャージャー炒めて独特味の甘辛焼きそばを作ってくれた。

この焼きそばを食べるのは久しぶりだけれど、やっぱりしみじみ美味しかった。ソースでもなく醤油でもなく、かといって味噌という感じでもない、じわっと辛くてじわっと甘い独特のタレ。これまた他ではあんまりみかけることがない、ふっとい独自の麺を絡めて炒めつけ、具は今回豚肉と少量余っていたほうれん草。息子はこのタレは辛くて苦手なので、だんなが塩とオイスターソースで上海焼きそば風のを取り分けて作ってあげていた。

これで我が家に保存されていた"キムやせ焼きそば"が無くなっちゃったので、途端にあせりだす私たち。冷凍庫でも冷蔵庫でもとりあえず保存されていれば安心してしまうのだけれど、時折猛烈に恋しくなる味なので、無くなっちゃうのは危険な事なのだった。
「ヤバいヤバい、無くなっちゃったよ」
「うん、久しぶりにあのキムチも食べたい……って、ながしま農園産の白菜をキムチにしてるし!」
「うわ、それは美味しい、絶対美味しい……」
いそいそと購入手続きをしている私とだんなだった。ながしま農園の野菜は何度か買ったことがあるけれど、ほんとのほんとに美味しいのだ。レストランなんかで、「うわ!この野菜なんでこんなに旨いんだ!?」と感動することがあるけれど、その感動が家で味わえちゃうという感じ。あの御立派な白菜をキムチにするなんてめちゃめちゃ贅沢だけれど、めちゃめちゃ美味しいんだろうなぁ……楽しみ。

津田沼 「しちりん」にて
 キムチ盛り合わせ \480
 牛ユッケ \580
 甘海老のフライ 2×\100
 ニンニクのオイル焼 \400
 豚タン \450
 牛タン \850
 ホルモン3点盛り(シロ・ハツ・カシラ・ポテトサラダ) \650
 ホルモン3点盛り(コブクロ・ハラミ・ピートロ・ポテトサラダ) \650
 長ネギ \270
 しちりんカルビ \630
 わかめスープ \200
 おにぎり(サケ) \300
 クッパ \500
 ホッピー 2×\367
 黒ホッピー 2×\367
 シークワーサーハイ \367
 ラムネ 2×\210
 バニラアイス \130
 プリン (女性と子供にサービス)
親子3人で。……いろいろ食べたなぁ……。
午後は予定通りスポーツジムへ。なんと2ヶ月ぶりくらいのボディコンバット60分に参加してきた。"格闘系エアロビクス"という感じの、パンチだキックだ回し蹴りだという動きがひたすら続くエアロビクスなのだけれど、私はやっぱりボディパンプがお似合いなのだなと自覚しつつ、みっちり動いてその後しっかり泳いで帰ってきた。話には聞いていたけど、BC22は全体的にバタバタガチャガチャした印象で、あんまり楽しくない内容。それでも、全部終わった帰った後には、携帯電話を持つ手がガクガク震えまくるほど疲れていた。あはは、こんなに手が震えたら、アル中かヤク中にでもなったみたいだよ……。

4時半頃までジムに行ってた後は、荷物を家に置いてすぐに外出。今日の夕飯はホルモン焼き(とニンニク!)ということになっている。

話の発端は数週間前。@niftyにデイリーポータルZなる楽しいコーナーがあるのだけれど、私はその存在を最近まで全然知らなかった(今は毎日チェック中)。
ある時、だんなが
「ラードごはん」
なんて自分のブログで呟き、全く同じ日に友人のY先輩までもが
「油は美味しい」
なんてメールを私に送ってくるし、一体何がと思ってみれば2人してこの記事に萌えていた……というのがその発端。なんだ、一体何なんだ大の男が2人してラードラードと(私は、あんまりラードには愛がないのね……バターには果てしなく萌えるけど……←いやでも、ラードごはんは食べてみたいとは思う)。

以来私もなんとなーくここを見るようになったのだけれど、先日の「臭くても食べたいの」は危険だった。私ら、にんにく大好きじゃけぇ。しかもここで言及された店は、千葉に展開するホルモン焼き屋さんだと言うじゃあないか。これはもう、行ってみるしか!と、夫婦してずっとずっと憧れていたのだった。で、我慢できずに今日とうとうお店に行ってみることに。昨日もカロリー過多な御飯を食べてきたような気がするけれど、気にしない。ニンニクはカロリー低いし!多分!

千葉県内に20店舗近く展開しているらしいその店の名はしちりん。その名のとおり七輪がテーブルにやってきて、そこで肉をジュージュー焼いて食べるのだ。豚の臓物メニューが充実し、あとは居酒屋らしく刺身や揚げ物などのメニューがとっても豊富。ドリンクメニューも充実していて、中には私たちが愛飲しているホッピーも!

「やっぱホッピーでしょー」
「ホルモンにはホッピーよねぇ」
「わーいわーいホッピーホッピー」
と、うきうきとホッピーを注文。いかにも居酒屋〜といった風の店内は、でも思ったほどに煙もくもくじゃなかった。店内にはざっくばらんな服装のカップルや夫婦連れみたいなのがいっぱい。確かにここはお洒落して来るところじゃないし、お洒落してもその服が台無しになるお店だし、私もしっかりユニクロシャツ着用だ。

で、ホルモンを食べた食べた。1皿450円で食べられるけれど、2種盛り合わせ、3種盛り合わせというのもやってくれて、それだと少しずつ色々なものを食べることができる。ハツ(心臓)、シロ(大腸)、カシラ(コメカミ)、ハラミ(横隔膜)、コブクロ(子宮だ……)あたりをもりもりと。最後は牛カルビも食べたいかな、とか、牛タンも外せないかなぁ……なんて少々浮気してしまったら、レバーや胃袋を食べる余裕がなくなってしまった。独特なコリコリ感のある腸とか、「いかにも滋養の塊です」という風な濃厚な味がするハツ、白くてモニョモニョした「見るからに内臓」という外見のコブクロ、どれもこれもあまり臭みはなくてとても美味しくいただけた。塩ふっただけで焼いて食べる牛タンも厚切りでとても素敵。何しろホッピーがあるのが素敵。調子に乗って、ホッピーと黒ホッピーと、最後にシークワーサーサワーまでいただいてすっかり酔っぱらってしまった。

そして念願の「ニンニクのオイル焼き」。七輪の上の網で焼くのが本来らしいのだけれど、お店のおねぇちゃんが
「焼いてきましょうか?」
と言ってくれたので、初めてということでお願いしてみることに。カウンターの中の七輪で小さな小さな鉄鍋を熱し、その中にはにんにくとマーガリンが入れられている模様。数分おきにころころとにんにくを転がして上下を入れ替えつつ、こんがりじっくり火を通していく。焼き上がったそれを小皿に乗せ、塩ふって持ってきてくれた。白熱灯の下で、写真は色味がヘンになっちゃったけれど、黄色く色づいてこんがり焼けたにんにくがいかにも美味しそう。

「9粒だ……9粒ある……」
「ここはスポンサー特権で俺が5粒だ!これは譲れん!」
「うん、いいよ5粒食べなよ……」
次回はもしかして1人1個の鉄鍋が必要なのじゃないかなと思いつつ、にんにくをぱくりと。あま〜くって、やわ〜らかくって、香ばしくって、ほのかについた塩味と栗みたいなホコホコ感が一緒になって「なんじゃこりゃあ!」な美味しさだった。にんにくホイル焼きは普通に家での焼き肉でもやってるし、「牛角」でもいつも注文しているメニューだけれど、それとは全然違う。全然違う旨さだった。マーガリンを使うだけでこうなっちゃうのかしら。鉄鍋がやっぱり秘密なのかしら。直径10cmくらいのスキレットがあるから、それ使って家でやったら再現できるかなぁ。

なんか知らないけれどとんでもなく美味しいにんにくを食べた後、カウンターを眺めれば、七輪の上に残った鉄鍋に、卵をパカンと割り落としている。ぐーりぐーりとかき混ぜて、蓋をして網の上に放置。数分したら、鉄鍋の中に卵焼きができあがっていた。上下を返すようにころんと卵をひっくり返し、小皿に鉄鍋を移して醤油ちろりと垂らして持ってきてくれる。「ニンニクのオイル焼き」は、この卵もセットなのであるらしかった。
「うわー!この卵がまた!」
「うわー!なんじゃこりゃー!」
見てくれはいまいちなのだけれど、ぷわんとにんにくの匂いが漂うこの卵もまた幸せな美味しさだった。やっぱりこれもマーガリンマジック?それとも鉄鍋マジック?

そんなこんなで、運動後の胃袋にホッピーもホルモンもいーい感じに染みこんじゃって、シメにしっかりクッパとか「お子様と女性にサービス」のデザートプリンもいただいちゃって、
「……くさいかな?やっぱりくさいかな?」
「……焼き肉臭いんだかニンニク臭いんだかアルコール臭いんだかわからないね」
「ま、いずれにせよ、多分臭いよね」
なんて言いながら電車に揺られて帰宅。

そんなに高くない店だったはずなのに8000円も食べてしまっていた今日の夕御飯(敗因は牛タンやユッケの存在かと……)。でも、「牛角」より遙かに幸せな夕御飯だったなぁ。また行こう。