食欲魔人日記 09年02月 第4週
2月23日 月曜日
甘いトマトを使ってパスタ料理
「蜂の家」のカレーパン
アイスカフェオレ

昨日、九州物産展で見つけて美味しそうだったカレーパン。佐世保にある「蜂の家」というお店らしい。カレーも一緒に売っていて、「甘くて辛いカレー」なるポップ札が立っていて、試食させてもらったカレーは、確かに「甘くて辛い」面白い味。炒めた玉ねぎやリンゴのような甘さが最初は口一杯に広がるのに、後からじわ〜っと辛さが感じられる美味しいカレーだった。美味しいカレーを使ったカレーパンならきっととても美味しいだろうなと1人1個、朝御飯用に買ってきた。

店頭で揚げながら売っていたカレーパン、オーブンで長めにしっかり温めてから食卓に出した。店頭で味見したカレーと同じ、甘くて辛いルーがしっかり詰まったカレーパンだった。カレーの分量が多いのも嬉しい。辛さを感じはするけれど、息子が閉口するほどの辛さでもなく、適度にじわっとくる辛さ。肉の味も野菜の味も感じられる、期待以上に美味しいカレーパンだった。

スティック野菜のサラダ
牛しゃぶと野菜のスパゲティ
アイスティー

先日買ってきたトマトはたいそう美味しいトマトだった。スライスして海南飯に添えるならと、八百屋さんでみつけた美味しそうな完熟フルーツトマトを買ったところ、これが本当に驚くほど甘くて美味しい。料理に使うのはともかく、トマトそのものを丸かぶりするほどにはトマトが好きでない私も、このトマトならいくらでも食べられるわと思えるほど。残ったトマトも美味しく食べることにしようと、夕御飯のパスタに使うことにした。いつか作って食べた牛しゃぶのパスタを思い出しつつ、適当に作ってみる。

トマトはざく切りにして、おろしにんにくと強めの塩、オリーブ油で和えておく。ほうれん草をざく切りにしてトマトと合わせておき、パスタ鍋でパスタを茹でつつ別鍋で牛薄切り肉をしゃぶしゃぶに。茹でたての熱い麺と肉をトマトのボウルに加え、余熱でほうれん草に火を通すように全体を混ぜ、粗挽き黒胡椒と塩、オリーブ油で適当に味を調えてできあがり。ざっくりと厚めのほうれん草だったので、余熱に頼らず軽く茹でた方が良かった……と、後から思うことに……。

ほうれん草とトマト以外でサラダっぽいのを用意しよう、と、キュウリと人参、大根でスティックサラダ。アンチョビ入りマヨネーズとバジルペースト入りマヨネーズを添えた。

牛肉とトマトとアーリオオーリオというのはとても良く似合う。確か、参考にした元のレシピは、この組み合わせに網焼きにしたアスパラガスを添えたものだった記憶がある。アスパラがないから他に何か緑のものをということで買い置きのほうれん草を選んだのだけれど、これも悪くない組み合わせだった。クリームソースでもなくミートソースでもない、息子にとっては面白みのないパスタだったかなと思ったけれど、ボウルに少量残していたパスタを「おかわりー!」と平らげてくれて、具沢山のパスタは綺麗に無くなった。

2月24日 火曜日
焼きサバにムラムラしてました
コーンフレーク with 牛乳

数日前に息子が「そろそろコーンフレーク食べたくなってきた」と呟いていたので、今朝は私もお相伴して2人でコーンフレークをさらさらと。息子にと貰ったいただきもののココア味のフレークを私も一緒に食べてみた。

牛乳を注ぐと、良い感じにミルクココアみたいになるのがココア味フレークの嬉しいところ。最近すっかりご無沙汰だけれど、フローズンストロベリー入りのフレークは、牛乳入れると苺牛乳みたいな色と味になって、あれは息子ならずとも幸せな味だったなぁと思い出す。

玉こんにゃく
ニラ入り玉子焼き
ミニ海老カツ
サバの塩焼き
わかめと長ねぎの味噌汁
羽釜御飯
麦茶

今日は何故だか、焼きサバの神様が降臨してきた。
「サバ食べたい。焼きサバ、塩味のシンプルな焼きサバ。味噌煮とかじゃなくて、焼きサバ……」
サバーサバー、なんとしてもサバが食べたい〜……と、辛抱たまらずお買い物に。魚屋には良い感じのゴマサバがお手頃価格で売られていた。どちらかと言うとマサバの方が好みではあるけれど、ゴマサバでも何でもいい、焼きサバが食べたい。

「というわけで、サバを焼きます」
と、御飯炊いて味噌汁準備して、御飯の蒸らしに入ったところで魚焼き用グリルで塩をしたサバを焼いていく。御飯を炊く間に用意したのは、先日蔵王で買ってきた玉こんにゃく(たれつきで、から煎りした玉こんにゃくにたれを絡めて煮詰めるだけ)と、刻んだニラを混ぜた玉子焼き。スーパーで特売になっていた5個入りのミニ海カツを、だんなのお弁当の1品にしようかなと買ってきたところだったので、それも1個ずつおまけにと添えた。

そういえば、サバを買ったのは猫たちと暮らしてから初めてだったのかもしれない。
普段、サケ焼いてもブリ焼いてもサンマ焼いてもこれほどじゃなかったよというほどに、魚を焼きはじめてから食事を終えるまでの間、猫たちはずっと挙動不審だった。りゃんりゃんはヒゲが焦げますよという勢いでグリルを覗き込もうとするし、かすみさんは切ない顔をして静かにグリルを見つめてじーっと「待ち」の姿勢だし。尻尾の先の方は塩をふらなかったので、では少しだけお裾分けねと焼きたてのところを餌皿に少量入れてあげたら、ものすごい勢いでかぶりついていた。

お裾分けはおしまいです、と、人間の分の食事を始めたら、またりゃんりゃんは脇でちょろちょろにょろにょろおねだりしてくるし、かすみさんは切ない顔をして静かに以下略だし、最近は人間の食べ物にそれほど強く関心を抱かないようになってきていた猫たちが今日は本当におかしかった。魔性のサバだった。

塩焼きの魚、私にとってはサンマが至高の存在なのだけれど、次点はサバかもしれないなぁと思ってしまいながらもぐもぐ。皮に脂が染み出て爆ぜた感じとか、青魚独特の匂いの強いところとか、でも口にすると身は案外淡泊だったりするところとか、もうもう最高。満足でした。

2月25日 水曜日
肉じゃが!
ツナパン
ミルメーク入り牛乳(ココア)

火曜日のスーパーは「均一価格市」とかいうコンセプトだったらしい。じゃがいもや玉ねぎが1袋98円、パン売り場のお総菜パンも1個98円、粕漬けの魚の切り身なども98円。で、朝御飯用にパンをいくつか買ってきた。

私の分はフランスパン生地でツナマヨをくるんだツナパン。久しぶりにミルメークも楽しいかしらねと、ココア味ミルメークを牛乳に溶いてみた。
ミルメーク、100円ショップで扱うようになってからは、手頃な分量のものが手軽に買えるようになってすごく便利。手持ちのがココア味だけだったので問答無用でココアを出したら、「……いちご味のはないんだね……」と息子にしょんぼりと言われてしまった。うん、今度いちご味とコーヒー味を買ってこよう。久しぶりに飲んだらすっごく美味しくてどうしようかと思ったよ。

玉こんにゃく
あつあつブロッコリーのバター醤油がけ
肉じゃが
水菜と油揚げの味噌汁
羽釜御飯
麦茶

国産牛の切り落とし肉が少々手元に残っている。一昨日スパゲティの具にして「美味しい肉だわー」と思ったその肉を、今日は肉じゃがに。いつも通り、スキレット使って、小林カツ代さんのレシピで作った。

20分程度で出来上がる(しかも調味料はかなり少ない)のに、ちゃんと味が染みてとっても美味しい。炒めた玉ねぎと肉に調味料を絡ませてすき焼きのように炒め煮して、そこにじゃがいもと水を加えて煮込んでいくという調理順が面白く、そして合理的でもある。少なめの水を加えた後、蓋した鍋で一気に火を通していくところはスキレットの利点を活かせるところで、今日も御飯が炊き終わる前に美味しい肉じゃがを煮終えることができた。

美味しそうなブロッコリーを買ってきたところだったので、
 ブロッコリーを茹でる
→茹でたらざるにあける
→空になった鍋をもう一度火にかけ、醤油と少量の砂糖、バターを入れて砂糖が溶けて沸騰するまで熱する
→ブロッコリーをその鍋に戻し入れて、全体を絡める
……といった感じで適当に調理して、一品添えた。昨夜の残りの玉こんにゃくと、今日の味噌汁は水菜と油揚げ。

肉じゃがを旨い旨いと言って食べる息子。
明日、夕飯に何かリクエストある?明日の夜は慌ただしくなりそうだから簡単にお総菜買って済まそうかなと思ってるんだけど……、と話したら
「じゃあ、カツ丼!卵大盛り!」
と言われてしまった。今日も醤油と味醂味なのに、明日もそういう方向で一向に構わないらしい。
一時期は「お前の前世はアメリカ人か」というほどにピザやパスタやチーズ料理に夢中だった息子も、ここ最近は「御飯、味噌汁、醤油味醂味のおかず」という組み合わせがお好きなようで。

2月26日 木曜日
お子様ランチ、食べてきました
ピザトースト
カフェオレ

今週のだんな、「激ジョブにもほどがある」というほどの毎夜の帰宅時間。昨夜は午前3時になろうという頃に帰ってきた気配がしていた。その前の日は4時過ぎだったか、とにかく大変。

いつもなるべくぎりぎりまで寝かせているのだけれど、今日はいつも通りの時間に起きるとのこと。買ってきてある食パンは、当初は普通にバタートーストにするつもりだった。が、野菜も蛋白質も一緒に摂れるピザトーストの方が良いかなと思い直して、ピーマン玉ねぎ増量気味のピザトーストを用意した。

トマトピューレを使って作るピザトーストは市販のピザソースを使うものと違って塩気の調整をしなければいけなくて、それが毎回少しだけ難しい。ピュレを塗ったところにまんべんなく粗塩をさらさらっとふってからベーコンや野菜を盛りつけチーズを散らしていて、いつもごく微妙に物足りない風な薄味になりがちだ。今日は少しだけ思い切って振ったら、割と良い感じになった。

千葉そごう内「丸の内ディンドン」にて
 大人のお子様ランチA \1530

今日は千葉方面にお買い物に。午前中早めの時間に家を出て昼には帰ってくるつもりだったのが、仕事だ何だと午前中はバタバタしまって昼間際に急ぎ家を出た。

だったらお昼御飯食べてから帰ろうかなーと、デパートに寄ったついでに上階のレストランフロアを目指し、先日通りかかって壁に貼られたポスターを見た時に気になって仕方のなかった「大人のお子様ランチ」を食べに行ってみた。お店は「丸の内ディンドン」。昭和39年に当時の丸ビルで創業した「東宝パーラー」が元になっている洋食屋さんなのだとか。ここのレストランフロアの中では、ほんのりと高級感を漂わせている洋食屋さんだった。

なにしろ「大人のお子様ランチ」というコンセプトが素敵。楕円の皿にあれこれスタンダードな洋風料理を盛りつけて、女性限定Aランチ、Bランチは1530円。男性限定というのもあって、それは1680円。

スパゲティナポリタンとタルタルソースを添えた蟹クリームコロッケ(Bランチだとこれがエビフライになる)、オムライス、ドミグラスソースかけハンバーグ、じゃがいもとベーコンのグリルが1皿に盛られて、更に別皿でミモザサラダ、食後のドリンクと小さなデザート(今日は杏仁豆腐)がやってくる……という内容。かなり幸せな感じだった。

何カ所かのお店を回ってきたところだったので喉が乾いてしまって、セットドリンクのアイスティーを最初に持ってきてもらって、それを飲み飲みお昼御飯。オムライスに添えられているのがケチャップではなく甘さの少ないトマトソースだったり、ハンバーグソースにはワインの香りが強めに漂うドミグラスソースがかかっていたりと、盛りの分量だけではなく、味の方もちゃんと「大人の」お子様ランチな皿だった。蟹クリームコロッケも滑らかな口当たりで揚げたてのが出てきて、良い感じ。

食後は階下のLOFTに寄って、使い切ってしまったメモ帳の替えを買って、新発売の筆記用具をうっとり眺めてみたり。消せるボールペンというのを初めて触ったのだけれど、すごく綺麗に消えるもんで、すごくびっくりした。今のところ用途が見つからないので買わなかったけれど、楽しいなぁ。すごいなぁ。

あとは息子からのリクエスト通りにトンカツ買って、それから帰宅。

水菜のおひたし
カツ丼
麦茶

今日のお出かけの目的のひとつが今日発売のWiiのONE PIECEゲームを買うことだったのだけれど、少しだけ触ってから仕事だ荷造りだとバタバタしていたら、あっという間に帰宅した息子が私のプレイ時間(=1時間半)を追い抜いた。……とほほ。

明日からいよいよ楽しみにしていた旅行で(たくさんたくさん情報ありがとうございました!楽しんできます!)、あれこれ食材買ってきて使い切れないのもなと、夕飯は簡単に息子リクエストのカツ丼と、ありものの水菜を使い切っておひたしと。

水菜は普通に茹でておかか醤油で。1人あたり卵を2個使ったカツ丼は、カツそのものがけっこうな大きさだったので、御飯を小盛りにしてもすごくゴージャスなものになってしまった。「カツ丼!カツ丼がたくさんだ!」と息子は大喜び。今日は他の添え物があれこれなかったのがまた息子にとっては嬉しかったらしい。和食っぽいものが好きになってきたと言っても、「好きなものだけを1点お腹いっぱいに食べたい」という嗜好は変わらずで、なんだかなぁという感じ。

2月27日 金曜日
札幌で「お刺身だけでお腹いっぱい」という不思議な体験
羽田空港内「TOKYO CHEF'S KITCHEN」にて
 洋食セット

今日から3日間、楽しみにしていた北海道旅行。
きっかけは、JALのマイレージバンクのキャンペーン。1人分の国内往復の特典航空券が通常15000のマイル必要なところ、「2〜4名での移動で、お1人様8000マイルでいいよ」という内容だ。

期間は限られているものの、ほぼ半分のマイルで旅行できるという太っ腹な企画だったものだから
「家族で24000マイル……それなら行けるね、そのくらいならマイル溜まってるよね」
「行っちゃう?遠くに行っちゃう?」
「……北海道とか、沖縄とか?」
「北海道!僕、旭山動物園と洞爺湖に行ってみたい!」
家族会議を重ねて、この金〜日と札幌に飛ぼうということになった。

最終日には旭川に移動して、旭川空港から羽田に戻ろうという旅程にして、席を予約。ほど良い時間帯の便は特典枠があっという間に埋まってしまうらしく、予約できたのは羽田を朝7時半に発つというなかなか強行軍な便だった。帰りもやや遅めの便で、週明けの月曜日は家族それぞれお疲れな事になりそう。……がんばりましょう。楽しみましょう。

そんな訳で今朝は早朝に最寄り駅から出る高速バスに乗って空港に向かい、羽田空港に到着したのは朝6時頃。飛行機が出るまでにはまだ少しあるしねと空港内をぷらぷらして、TOKYO CHEF'S KITCHENなるフードコートで朝定食をいただくことにした。浅草の「ヨシカミ」、銀座の「梅林」と魅力的なお店が並ぶフードコートで、でも朝食は残念ながら固定メニューのあまりお店は関係ない感じのもの。私が選んだのは洋食セットで息子はうどん、だんなは御飯と味噌汁、各自好き勝手な感じに選んで食べた。

大きなクロワッサンとスクランブルエッグ、ウィンナーが2本、サラダとコーヒーという内容で、味の方はいかにもファーストフード的なもの。昼間に来たら梅林とかヨシカミとかの味が楽しめるのか、それはけっこう嬉しいなぁ……と、すごく久しぶりに訪れた羽田空港の充実ぶりにうっとりしてしまった。

札幌「「食と観光」情報館」にて
 山川牛乳 \160

9時過ぎに、無事に飛行機は千歳空港に到着。
こんな早朝の便だというのに、ジャンボ機はほぼ満席という混雑っぷりだった。そのままJRに乗って札幌駅へ向かい、駅前の滞在ホテルに荷物を置いてから札幌散策。私は十数年ぶりの北海道だし、息子に至っては初めての北海道、今日はいかにもな風の札幌見物をしようということになった。とりあえず、あと40分もしたら目当てのカレー屋さんがオープンする時間だからと、札幌駅ビル内を数十分ぷらぷらしてから地下鉄に乗ってまずは昼御飯ということに。

ホテルから駅に入ってすぐ右手には「食と観光」情報館があって、道内のお土産ものを扱うショップがある。あれこれ美味しいものがありますよ、と事前に教えていただいていたので、早速ちらりと覗いてみた。お目当ての鱈の白子のかまぼこなどを見つけ、特別出店中だったそのお店に実に気前よくあれこれ試食させてもらってしまい(どれも美味しかった……♪)「これから札幌散策なんです、夕方また来ますね」とお店を後に(そうしたらそうしたで、「じゃあ散策中に食べるといいよー」と一口サイズに包まれた昆布のお菓子をこれまたいくつか持たせてもらい……本当に気前の良いお店……)。

ショップ脇にはケーキやソフトクリームが食べられるコーナーも併設されていたものだから、早速牛乳やソフトクリームを味わってしまった。
私は山川牛乳の瓶牛乳、だんなはノースプレインファームの瓶牛乳(おこっぺ牛乳)、息子は同じくノース〜のソフトクリーム。

「……う、美味しい……すっごく濃厚だね、上にクリーム浮いてるし」
同じ北海道の牛乳でも、それとこれとでまた違う風味だよねと感心しながら、札幌到着後に最初に口にした牛乳をしみじみ味わった。

牛乳大好き。牛乳が美味しいから当然チーズやヨーグルトも美味しいわけで、冷蔵ケースには涎の出そうな美味しそうなあれこれがたくさん並んでいた。とりあえず夕方、ホテルにチェックインした後に買いに来ようと心に決める。すぐ近くにはかの「花畑牧場」のショップもあったけれど、さっそく大変な行列ができていた。……うーん、この行列についてまでかの生キャラメルが欲しいとは……なかなか思えない。するっと買える機会があったら買えば良いやと、こちらはゆるく構える方向で。

札幌「ガラムマサオ」にて
 やわらか骨付きチキンベジタブルスープカリー
 マンゴーラッシー

で、札幌滞在1回目のお昼御飯は、悩み悩んだ結果スープカレー屋さん「ガラムマサオ」に行ってみることにした。何しろ名前が素敵。店主の名前がマサオさんだから「ガラムマサオ」という、そんなネーミングセンスがかなりツボで、地下鉄数駅乗って、駅近くにあるというそのお店を目指してみた。満席だったら悲しいので、オープン直後くらいの時間に着くように。

私たちは本日数組目のお客さんといった感じですんなり座れたけれど、狭くはない店内はほどなく満席に近い状態になった。私は人気ナンバー1だという「パリパリ骨付きチキンベジタブルスープカリー」を、「大地の恵み赤」のスープで。御飯の盛りや辛さと共に(基本は2.5の中辛)、たっぷりの玉ねぎとトマトの入った「大地の恵み赤」のスープか豚骨と昆布の風味の黒胡麻白胡麻入りの「新アジアの香りイエロー」かを選ぶことができる。

息子は「ダブルチーズとチキンスープカリー」と赤の1辛で、だんなは「パリパリ骨付きチキンベジタブルスープカリー」を黄の2辛で注文していた。150円でつけられるランチドリンクは、各自ラッシーを。カウンターのミキサーで1つ1つ作ってくれる自家製のラッシーは分量もたっぷりで自然な甘さ。ラッシー飲みつつのんびり待っているうちに、大きなスープ皿と御飯皿がやってきた。

スープの中には骨つきの巨大チキンが沈められ、大きく切った揚げ茄子やかぼちゃ、人参、じゃがいも、ピーマンなどが乗っている。「ベジタブル」の名前がつくだけあって、本当に野菜たっぷり。御飯を1さじすくってはスープに浸しつつ、しっかり辛い(少なくともいつも我が家で作る中辛カレーよりはずっと辛かった……息子の1辛が我が家のカレーくらいかな)スープをハフハフ言いながら啜る。スープカレー専門店に初めて来たので比較しようがない(比較できるのはココイチのスープカレーくらい……)けれど、すごく美味しかった。適度に焦がしたスパイスの香りが強く漂い、辛さと酸味、わずかな甘味のバランスが素敵。胡麻風味の黄色いスープも良かったけれど、基本の味と思われるトマトと玉ねぎのスープがいかにも「スープカレー」らしい感じがして好みな味だった。適度に火の通った野菜も、どれも味のある美味しいもの。

骨つき肉も見事なホロホロっぷりで、あまり崩さないように最初はお上品に食べていたのだけれど、最後は鶏の身をほぐして、そこに残りの御飯も入れてしまって、少々下品ながら雑炊のようにして平らげる。
息子のカレーは、私のよりも若干野菜が少なくて、代わりに肉にとろけるチーズがかけられ上からパルメザンチーズがかかっているというもの。辛さもマイルドで、チーズのまろやかさもあって、こちらも美味しかった。

すっかり体も温まり、では午後は札幌散策だー、と、大通り公園方面を目指す。デパ地下などにも寄りつつ、ホテルのチェックインの時間まであちこち散策してみた。防寒対策ぬかりなし、という装備で臨んだけれど、でもやっぱり寒い。関東平野に吹く、強く冷たい乾いた風も「寒い」と感じるものだけれど、こちらは空気そのものが「冷たい」感じ。風はさほど吹いていないのに、厚着もしているのに、体の表面から体温がじわじわと奪われていく。

「やっぱり寒いねー」
「雪積もってるねー」
「これでも今年はすごく雪がないらしいけどね」

スキー場ではないのに町中のどこを歩いても視界に雪が入る光景に息子は大喜びで、ふらふらと歩道の端に寄っては雪を踏みしめて歩いている。信号待ちの間に、歩道脇の植え込みに積もる雪で雪玉作っていたりして、いかにも「雪のないところから遊びに来た子供」になっていた。少し雪の積もった空間があるたびに「よーし、雪合戦だー!」とか言っているし、明日の日中は雪で遊べるところに行った方が楽しめるかなぁ……と考える。天気次第かな。今日は午後からパラパラと雪がちらつき、夕方には一瞬モツモツと大量に降ってきていた。これまた息子が大喜び。

で、午後に散策したのはこんな感じ↓簡単に箇条書きで。

  • 札幌観光の基本(でも「日本三大がっかり」の一角を成しているらしい)時計台を見に行く。私はここは何度目かの訪問。ビルの谷間にぽつんと木造建築があり、雰囲気としてがっかりと言えばがっかりだけれど、息子は普通に「おお、時計だねー」と感心。「でも"台"じゃなくて"時計塔"とか"時計つきの建物"だよね?」だそうで……。テレビ塔との共通入場券(大人720円)を購入して、今回初めて中まで見学してきた。時折巻き上げつつ、重りの力で動いている、明治の姿のまま動いている時計なのであるらしい。時計の仕組みを紹介する展示が興味深い。すごい仕組みなんだなぁ……。

  • 息子の「あれにも上ってみたい!」とのリクエストで、これまた私も初めて上るテレビ塔に。テレビ塔のイメージキャラクター「テレビ父さん」と時計台のイメージキャラクター「時計大臣」(あと、別に「とっけ」という可愛いのもいる)がすさまじいゆるゆるっぷりのキャラクター(こんな感じ)でかなりツボ。あやうくテレビ父さんのクリアファイルや絵はがきを買いそうになるが「いつどこで使うのー」と思い直してみた。東京タワーの「ノッポン」も相当なものがあるけれど、テレビ父さん……素敵……。

  • 歩いて札幌駅に戻りがてら、赤れんが庁舎もちらりと見てきた。これまた趣のある素敵な建物。雪も降ってきたけれど、重いのをかついできたデジタル一眼レフであちこち撮影してみたり。

  • お買い物もあれこれ。テレビ塔で「じゃがポックル」(箱入りで840円)見つけたので早速だんなが1つ購入。

  • 丸井今井の地下の「きたキッチン」でノースプレインファームサクラ・ドゥ・ノールの生キャラメル(計1516円)を購入。生キャラメルって良いお値段なんだねぇ……食べるのが楽しみ。

  • 道内のセブンイレブンでだけ扱いがあるというロマンス製菓の「甘酒ソフトキャンディー」も買ってみた。このメーカーの生キャラメルも美味しいらしいのだけれど、今日のところは見つからず。

  • ホテルチェックイン後、お疲れのだんなと息子を置いて、一人駅ビルにお買い物に。午前中寄った「「食と観光」情報館」で買ったのは
    アドナイのカチョカヴァロ(1切れずつパックになっていたので2つ購入、766円、833円)
    酪恵舎のロビオーラチーズ(504円)
    ひがしもこと乳酪館の「冷たいチーズフォンデュ」(525円)
    北洋食産のたちかま(鱈の白子のかまぼこ)(1260円)、ほっけの燻製(1050円)、干しほっき貝(1050円)
    ・「居酒屋十一」の豚丼のたれ(787円)。豚丼のたれが何種類かあって、どれも気になったのだけれど、一番心に響いたパッケージのを選んでみた。

  • 今日唯一の「食べ物以外のお買い物」は、駅ビル内にある札幌スタイルで買った紙石鹸「初雪」(1050円)。雪の結晶型の紙石鹸でとっても綺麗。もったいなくて使えそうにない。

  • 信号機が、車道用のも縦型なんだなー……新鮮だ。

  • コンビニ寄ったら、他のお客さんに対して「おにぎり温めますか?」と店員さんが尋ねる声が聞こえてきて少しびっくりした。「温めると美味しいです」と書いているおにぎりも関東に売ってるけど、でもそういうおにぎりじゃなくて、売られているおにぎり全てが温める対象になるらしい。

……と、そんな感じ。帰宅後まで保つか賞味期限確認しながら買ったけど、初日から飛ばしすぎ?宿の冷蔵庫(最初から空のが用意されてたとはいえ)が、初日から珍味とチーズで大変な事になってしまった。「北洋食産」のおっちゃんが保冷剤をいくつかつけてくれたので、最終日はこれを使いつつがんばって持ち帰るつもり。……レアチーズケーキとかも買って帰れるかしら……「LeTAO」というお店の箱入りチーズケーキが美味しそうだったんだなぁ。

札幌「大漁居酒屋 てっちゃん」にて
 舟盛り
 ビール(小ジョッキ)
 日本酒(月の桂 にごり)

夕御飯は、すすきのの雑居ビルの中にある「大漁居酒屋てっちゃん」に。

「じゃあ、お店行こうか、カトちゃんに」
「カトちゃん違う。ぺじゃないから、違うから」
「じゃケンちゃん」
「それも違う」
「じゃヨッちゃん」
「もういいから」
息子がふざけていろんな名前で呼んでいたから、一瞬お店の名前がわからなくなってしまった。「てっちゃん」だ。

北海道で働いていた友人に、数年前だんなが連れてきてもらったのだという居酒屋なのだけれど、「とにかくすごい舟盛りで、おゆきさんが想像する舟盛りの1.5倍くらいのが出てくるお店で、お店の雰囲気もなんかすごくて」という話は聞いていた。札幌に来る機会があったら絶対連れて行くから、と何度も言われていたので、念願叶って、という感じ。

「すごいよ、行ったら驚くよ」
「……池袋の静岡おでんのお店みたいな?それとも四谷の牛タン屋みたいな?」
「いや、そういうんじゃなくて……とにかくすごいの」
狭くて雑多な感じで……という雰囲気の居酒屋はそれなりに慣れてるから、どう驚くのかなーと思いながらエレベーターを降りたら、すごい驚いた。駄菓子屋というかおもちゃ箱というか……いや、驚いた。

壁や柱には全面にメンコやシール、ポスターなどが貼られまくり、天井からはお面や駄菓子屋で扱うようなおもちゃがぶらさがる。古めかしい人形やブリキのおもちゃなどが壁際に飾られて、白熱灯で照らされた店内はすごい空間だった。息子も目を見張りつつ、「探険してくる!」とトイレなどに行ってみては興奮した面もちで帰ってくる。男女共用のトイレには、男用の小用便器の前に水槽が並べられて魚が泳いでいた。手を洗うと横の装置から(ハロウィンのおもちゃ……?)から「わーはっはっはっは」などと声がしてきて、まぁとにかく色々とすごかった。内装もすごいが料理もすごかった。

「1.5倍じゃないよ……3倍くらいあるよ……」
と、とにかくびっくりの舟盛りは、お店に予約をした時点で「大人は2名様ですね。では2名様分の舟盛りをご用意しますね」と問答無用で出てくる品。魚介が3段くらいに重ねられて盛られているようで、「舟に盛ってるから確かに"舟盛り"だろうけど、でも舟盛りの定義からは外れてそうだよね」という、とにかくすさまじい盛りの舟盛りだった。2人分なら、1種類の魚介を鷲掴みにして、それを盛ること15回繰り返します……みたいな感じ。溢れそうだし、実際、まだピクピク動いている生ダコが悶えながら逃走を試みて端から落ちそうになっている。

盛られていたのは、ウニ、鱈の白子、甘海老、帆立、マグロ、シメサバ、生牡蠣、サーモン、生ダコ、クジラ、数の子、ナマコ、アジ、イカ、赤貝、クラゲのようなもの、蟹の殻の中身のようなもの、何かの魚卵らしきもの……と、そんな感じ。渾然一体となっているところもあって、「これナニ?」「さぁ?」というような品もあったりして。舟の隅っこには山盛りの刻み葱やおろし生姜、わさびが添えられ、卓上には醤油とポン酢。

更に日替わりの突き出しは、大根の煮物と海老と蟹の鉢、鮭ハラスの塩焼きと自家製だろうイカの塩辛。この店に訪れる者全員に供されるその突き出しと舟盛りだけで、他にはもう何も頼めなかった。この舟盛り用に酢飯と海苔の「手巻き寿司セット」なるメニューがあるし、生のお刺身に飽きてしまったら、残った舟盛りの魚は塩炒めにもしてくれるそうだ。でも手巻き寿司セットにすら至ることができず、息子が鮭茶漬けを頼んだくらい。ビール小ジョッキと日本酒300ml空けて、ウーロン茶と三ツ矢サイダーでお会計は8715円だった。

その迫力の盛りだけがウリなのではなくて、どれもこれもちゃんと美味しいのが素晴らしい。
舟盛りの上に盛られたウニも甘くとろけるようで、
「あ、下に白子あるじゃん、一番下にカキもあるじゃん」
と、盛りを崩さないようにしながらも堀りすすめつつ食べた白子もカキもプリップリ。でもなにしろ、いかんせん量がすごかった。ついつい好きなものから箸を伸ばしてしまい、最後は貝類がおおむね残ることになってしまって「貝の塩炒め」的なものを作ってもらって、それを最後までつまんでいたけれど、少しばかり残ったところですっかりお腹いっぱいに。だんなの予言通り、「お刺身だけでお腹いっぱいになる」という希有な体験をしてしまった。

「……うう、パフェとかとても食べられそうにないや……」
「だから言ったじゃん、最初っから、"それは無理"って」
「いや、でもアイスくらいはね、パフェくらいは別腹かなって……」
「で、食べられそう?」
「全然無理……」

本当は、同じすすきのエリアにある、昼はアイスクリーム屋さん夜はバーラー(お酒も飲めるパーラー)になるというお店で食後の甘いものでも食べられたらなーと思っていたのだった。もう全然無理。無理でした。

宿に帰って一休みして、大浴場で一日の疲れを取った後は早々に就寝。おつかれさまでした……舟盛りの夢を見てしまいそう。

2月28日 土曜日
おいっしいフレンチでした……♪
札幌 宿の朝食
 肉団子の和風煮
 サンマの煮物・白身魚のフライ
 じゃがいものカレー風味炒め
 スクランブルエッグ・ベーコン
 サラダ
 食パン1/2切れ・クロワッサン
 牛乳・オレンジジュース

今回宿泊のホテルは、札幌駅北口出てすぐのところにあるルートイン。数週間前に急遽決めて行くことにした旅行だったので、とりあえず安いところをと探してここにしてみた。「ファミリーダブル」なる、セミダブルベッドが2つ繋がって家族で並んで寝ることのできる部屋がある。家族で1泊11800円とかなりお手頃価格で、しかも朝食つき、大浴場(そう広くはないけれど)つき、無料接続できるLANつき。部屋はかなり狭かったけれど、天井に蛍光灯がついて部屋は明るく、何しろ札幌駅まで徒歩数十秒という立地がたいそう便利だった。

で、朝食は宿のバイキング。
さほど選択肢はなく、パンも用意されてはいるけれど和食ベース。それでも今日はパンが食べたい気分だったので、和風のおかずも合わせてあれこれ盛ってきてつついた。

食事しながら「今日、どうするー?」と話し合い。
朝から雪がモツモツと降っていて今日もそれなりには寒くなりそう。息子の目は「ゆきー!」と輝いているし、
「当初の予定通り小樽に行く?」
「小樽だと息子がつまんないかなぁ……」
とあれこれ話し合いの結果、今日もベタな感じの札幌観光に。ベタと言いつつだんなも私も一度も行ったことのない、クラーク博士の像を見に行ったり、「白い恋人」の工場見学に行ってみようじゃないかということになった。クラーク博士像のある羊ヶ丘展望台は、息子と雪遊びができるんじゃないかという期待も少々。

週末のみ使える地下鉄一日乗車券の「ドニチカ」を購入し、東西線の端っこの宮の沢駅から徒歩5分ほどのところにある白い恋人パークをまずは目指す。1時間くらいで作れるクッキー制作体験講座があるらしく、「焼き」の工程から体験できる「私の白い恋人体験」(1枚1050円)を息子とやってみることにした。14cmの大きなハート型の「白い恋人」を作ってデコレーションし、持ち帰ることができるそう。

帽子とエプロンを着用して、靴カバーもつけて、手をしっかり洗ってから、生地作り。ハート型の型に柔らかいペースト状のクッキー生地を平らに敷いてから機械を通して薄く広げ、オーブンで焼くこと10分。焼けたら軍手をした手に金属ヘラを持ち、そっとすくったら既にハート型にカットされたホワイトチョコを挟み、白いチョコで表面をデコレーション。模様を描き終わったら15分ほど冷やし、「白い恋人」模様の大きな袋に入れて機械で綴じたら箱詰めしてできあがり。簡単ながらなかなか面白く、柔らかいチョコペンで描く模様はなかなかどうして難しい。

「何描いても良いんだよ、私はとりあえず練習がてら周囲に模様を描こうかしらねー」
「じゃあ僕、"物欲センサー"って描いてもいい?」
「……なんでまた、そんな言葉を……」
そんなことわいわい言いつつ、「お子様1人に大人の方1人は付き添いで入れます」とのことでだんなも一緒に作業場に入ってカメラを構えてくれて、息子と2人にょろにょろと怪しい造形物を楽しんできた。
入場時に1枚もらった「白い恋人」を食べて、息子は美味しい美味しいと大喜びで、自分が作った巨大ハート型「白い恋人」も早く食べたくて仕方がない様子。

観光バスが次々訪れる売店は早々に抜けて、広い屋外の庭に並ぶ幼児向けのおままごと遊びができそうな家(2歳くらいの子が中に入って座ったりベッドに寝たりできるサイズの、1階建て2階建ての小さな家が20個くらい点在している)を眺めつつ、入り口近くにあった雪山のスライダーに息子は大興奮。チューブ型のソリに乗っては何回もツルツル滑って遊んでいて、それをカメラで撮影していた私、一眼レフに持ち替える間にうっかり小さな方のデジカメを雪の上に落としてしまっていたらしい。帰り道、駅に着いてからカメラがバッグ中のどこにも無いことに気がついて急ぎパークに逆戻り。「観光客多かったし、誰かに拾われちゃったらおしまいかなぁ」と覚悟をしていたのだけれど、幸い、受付にデータもそのままの状態で届けられていた。良かった……。

札幌「札幌ら〜めん共和国」内「初代」にて
 白たまり醤油 \890
 煮卵トッピング \100
 チャーマヨ \220
 生ビール \450

せっかくの北海道、北海道ラーメンも一度は食べたいじゃないかということで、お昼は札幌駅ビル内にある札幌ら〜めん共和国に行ってみることにした。北海道にお住まいの方からお勧めされて気になっていた、小樽の「初代」というお店に入ってみた。札幌の「白樺山荘」も人気らしくかなりの行列になっていたけれど、こちらは都内にも支店があるということで。幸い「初代」の方は息子の大好きな醤油ラーメンもあるしと、各自それぞれ醤油だ味噌だと味の違うものを楽しんでみた。

「チャーマヨ」なるものも名物らしい。海苔の上に御飯を軽く盛り、マヨネーズ和えのチャーシューをトッピングしたもの。「おにぎり」より隨分ゆるい感じのそれが、頼んだビールの良い肴になった。ビールに添えられて出てきた、しっかり甘辛味のついた柔らかいチャーシューも美味しい。

で、私が限定数十食なる「白たまり醤油」に煮卵トッピングを、だんながこの店舗限定なのだという「新味噌」にバタートッピング(820円+100円)、息子が「醤油」に海苔トッピング(780円+100円)を選んでみた。

私の分だけ麺がやや細めで、だんなと息子の分はかなりな太麺、もっちりとした口当たりの麺だった。肉と魚の味が同時に感じられるスープは全体的に濃厚で、でも脂っこくもなく、良い色に染まったチャーシューや煮卵とも良く似合っている。息子がすごい勢いで醤油ラーメンを堪能している横で、私とだんなもどんぶりを交換しつつ美味しくいただいた。白たまり醤油が比較的あっさり味で、塩ラーメンに通じる味でもあったかも。炒めた肉野菜が入っている味噌ラーメンも、「この炒めた肉野菜が良いんだよね」とだんな御満悦。

ラーメン後は、地下鉄東豊線に揺られて、今度は東豊線の端っこの福住駅を目指す。乗り放題のドニチカカードは大活躍で、今日は本来の乗車料金の半額ほどで朝から夜まで動けた感じだ。福住駅からは路線バスに乗って羊ヶ丘展望台へ。

クラーク博士の像の他は、羊くらいしかいない展望台だったけれど、一面の雪景色の草原の眺めは期待以上の美しさ。これまた期待通りに「そこら中が雪」という光景に、息子が大喜びだった。売店の裏手に、雪山とソリが用意されていて自由に遊べるようになっていたものだから、他にさほどお客さんもいなかったこともあって息子が猛烈な勢いで遊びはじめてしまい、私とだんなはそれが見える売店の椅子に座ってホットミルクやコーヒーを飲みつつのんびり。

ここに来た目的の一つに「スノーラフティングが面白そう」というのがあって、1人500円だったそれを家族で乗ってきたのだけれど、下手な遊園地の乗り物よりもずっと楽しくてこれも満足。ボートに乗って雪原のコースを、スノーモービルに引っ張られながら3周ほどぐるぐる。うまいこと引っ張ってくれて、斜めになった雪の斜面を駆け上ったり、凹凸のついたコースをぼんぼん跳ねたり。絶叫マシン系が嫌いな息子も、「これ、もう一度乗りたい!」と言うほどにハマッたらしい。

思いの外この展望台でのんびり過ごしてしまって、他に寄り道することもなく(展望台が退屈で早く戻ってくることになったら札幌ドームにでも寄り道しようかと話していたのだけれども)夕方そのままホテルに帰還。帰りがけに「六花亭」で息子好物のバターサンドと霜だたみ、LeTAOで冷凍のチーズケーキ「パフェ・ドゥ・フロマージュ」のハーフサイズ(1575円)を買ってみた。お土産、とってもたくさんだ。鞄に無事に詰められるかな。

札幌「French Restaurant KAZAMA」にて
 ディナーC \8400
 シャンパン(Daniel Collin Brut TraditionNV) \6500

ホテルの部屋で1時間ほど休憩した後、早めの夕食に赴いたのはFrench Restaurant KAZAMAというフレンチのお店。ここが美味しいですよと以前教えていただいていて、ホームページに載る季節の前菜の「海の幸の盛合せプラトー」に釘付けになってしまった。

札幌のフレンチは、美味しいお店が多いうえに、どこもさほど値段が高くなく都心に比べてとってもお値打ちなのだという。新鮮な魚介に美味しい道産の野菜、加えて今のシーズンは鹿肉などのジビエも楽しめるとあって、滞在中一食はこういったところに行ってみたいと思っていた。他にもたくさん美味しそうなお店があることがわかったのだけれど、今回は初志貫徹ということで、このお店に予約をお願いしてみた。魚介のプラトーは8400円のディナーコースの前菜になるということだったので、このコースも予約。息子は当日アラカルトでメインディッシュを出してもらうことにした。

すすきのの隣の駅、西11丁目駅から歩いて5分ほどのところにあった小さなお店。4人がけテーブルが4つか5つかといった小さなお店で、到着してしばらくすると店は満席になった。2時間半ほどのディナーコースは、こんな感じ。

  • アミューズ・ブーシュ
    生ハムを数切れ乗せた、サラダ仕立ての軽めの前菜

  • 海の幸の盛合せプラトー
    牡蠣(厚岸産)とムール貝、手長海老、蟹、帆立の殻に盛られたシーフードマリネ
    エシャロットソースとカクテルソース、レモンつき。
    プリップリの大きな牡蠣が6個も盛られ、小ぶりのムール貝も山ほど。蟹の爪や足、立派な手長海老も盛られた巨大な銀盆は迫力の大きさだった。こんな牡蠣が6個食べられるだけでもすごいのに、この迫力の前菜はアラカルトでいただいてもたったの3000円。
    自家製のカクテルソースが、ものすごくバランスの良い味でびっくりした。牡蠣にももちろん、手長海老にとてつもなく似合っていた。

  • オニオングラタン・スープ
    スープは2種類からの選択で、コンソメスープかオニオングラタンスープか。
    たっぷりのチーズに、しっかり炒められた甘い甘い玉ねぎのスープ。バゲットの薄切りが浮かぶ、スタンダードなオニオングラタンスープだけれど、とても上品な洗練された味。

  • 八角と真ダチのポワレ 種マスタードソース
    こんがり焼かれた八角の切り身が2つと、真ダチ(=鱈の白子)も、これまた良い感じにこんがりと。真ダチの下には青菜のソテーが敷かれ、色鮮やかな種マスタードのクリーミーなソースが広がっていた。馴染みのあるマスタード味のソースなだけに、素材の美味しさが実感できる感じ。ほろっと崩れるような白身の魚も良かったけれど、それよりも白子が!白子が!昨日も思ったけれど、札幌で口にする白子がやたらめったら美味しいです。

  • アプリコットのグラニテ
    口直しに、一口サイズのアプリコットのソルベ。ほんのりと洋酒の香りがした。

  • 白糠産エゾ鹿ロース肉のポワレ 赤ワインソース
    メインディッシュは、皮つきの乳飲み仔豚の皿との2択だったのだけれど、私もだんなも一も二もなく「鹿をください!」と。手のこんだ温野菜もたっぷり添えられた皿には見事なロゼ色の鹿肉が2切れ。黒毛牛の赤身を思い出させるような弾力のある絶妙な柔らかさの肉は筋っぽくもなく、ただ柔らかいだけでもなく、最高だった。鹿肉独特の匂いもそれなりにはあるけれど、それもまた下品でなくて、正直、これほど美味しい鹿肉を食べたのは初めてだったかも。
    息子はアラカルトから、フォアグラ入りの和牛肉ハンバーグを選んでいた。これもまた大きなフォアグラがごろりと入っていて、なのに1皿2000円……安い……。

  • ココナツのブラマンジェ ハチミツのアイスクリーム
    デザートは、数種類からの選択。だんなは「クレームブリュレ アールグレイティーのアイスクリーム」を選び、500円で単品注文もできるとのことで、息子は「りんごのタルト マンゴーのソルベ」を。今にも崩れてしまいそうなほどの柔らかなブラマンジェも、ほのかにハチミツの香りが漂うアイスクリームも、どちらもとても上品な味。最後のデザートまで手抜きのない、嬉しい味だった。

  • エスプレッソ、プチフール
    食後の飲み物はエスプレッソをいただいた。食卓の中央に出てきたプチフールは、薄紙でキャンディ型に包まれたチーズケーキ。さすがにお腹がいっぱいで、ケーキは持ち帰らせてもらった。

使うべきところはしっかりとバターもクリームも使い、でも全体としてはギトギトした感じが少しも残らないフランス料理に大満足。雪を踏みしめ踏みしめ駅まで歩いて、ホテルに戻った。シャンパン1本いただいて空にして、息子の分のアラカルト料理もいくつか注文して、それでお会計は26500円といったところ。
「都心で食べると、コースが8400円なら最後のお会計は2人で普通に3万円超えたりするよね」
びっくりだびっくりだーと、そのクオリティの高さ、素材の良さ、お値段のバランスとにひたすらびっくりした今日の夕御飯。

札幌に来る機会があったら、「一食は絶対フレンチを食べましょう」ということになってしまいそう。