食欲魔人日記 08年10月 第2週
10月6日 月曜日
秋色のパフェ食べてきました
チーズバーガー
カフェオレ

「明日の朝は、ハンバーガーにしようと思いますっ!」
昨日の午後、千葉で買い物したあれこれを手に持って私はそのまま家に帰り、だんなと息子はその足でスーパーにお買い物に行ってくれていた。「朝御飯用の何かを買ってきてください」とお願いしたら、バンズとひき肉が袋に入っていて、少しびっくり。

「いや……バンズ売っててね、ベーコンエッグ挟むのもいいなぁと思ったんだけど、"やっぱりハンバーガーだろ"と思い……」
だそうで、昨夜私が回鍋肉やサラダの準備をしている隣で、だんなはぺったんぺったんハンバーグの成形に励んでいたのだった。

で、今日は起きるなりスキレットをコンロにかけて、ハンバーガーの準備。
「ハンバーグ、6枚できちゃったから、ダブルバーガーもできるよ?」
「……いや、朝食メニューにダブルバーガーないからね、ダブルじゃなくていいからね」
などと話しつつ、私はレタスちぎったり玉ねぎスライスしたり。

ハンバーガーを焼く仕上げにはとろけるチーズもトッピングして、切り口に薄くバター塗ってオーブントースターで温めたバンズに、各自自由に挟んで食べた。温かいパンに焼きたてのチーズ乗せハンバーグ、レタスに玉ねぎ、上から自分でケチャップにょろにょろかけると、そりゃもう美味しいハンバーガーに。

「……あ、いかん、うまい……」
「でしょー、なんか、食べたかったんだよねぇ……」
ハンバーガーショップも朝メニューはエッグマフィンとかソーセージエッグとか、そんな感じだよなぁと思いつつ、朝御飯にハンバーガーというのもどうよと思いつつ、でも今日は都心で打ち合わせなのでしっかり食べてしっかり出かけようともぐもぐ食べた。レタス大盛りの分厚いハンバーガーになってしまった。

新宿 「SPICE HEAVEN」にて
 ランチバイキング \1,000

今日は新宿で仕事の打ち合わせ。
手がけている仕事でイラストが必要になり、では友人のイラストレーターをご紹介しますということで、今日は友人と2人。せっかく新宿くんだりまで足をのばしたことだし、と、近隣で昼御飯にすることにした。昼過ぎの打ち合わせの約束で、混雑するランチタイムにさほど選択肢は多くなく、しかも肌寒いほどの涼しさに小雨とあって外を歩く気分でもない。ビル中の飲食店街を眺め歩いた結果「SPICE HEAVEN」のインドカレーバイキングということになった。

サフランライスと普通の御飯、ナンが用意され、カレーは4種、豆と野菜と鶏と魚介。刻みキャベツやもやし、コーンなどのサラダ類と、デザートにアップルゼリーも用意されていた。これにタンドリーチキンがあれば言うことなかったけれど、焼きたてのナンが次々に出てくるのはありがたい。これから打ち合わせだというのに、かなりしっかり食べてしまった。

魚介カレーはかなりしっかりとココナッツ味。どれもじわっとくる辛さがあるけれど辛すぎるということもなく(それでも野菜カレーはちと辛さ強めだった)、どれも具沢山。優しい味の豆カレーが案外良い感じだわと思いつつ、でもお代わりして食べたのは鶏と魚介だというところに私の欲望が凝縮されていた。食後ぷらりと隣接ホテルのデリショップなど覗きつつ、明日の朝御飯用のパンを少しばかり見繕って半ば無理矢理鞄にしまった後、いざ打ち合わせ。

新宿 「千疋屋」にて
 秋のフルーツパフェ \1575

遠く新宿までご足労いただいて小さな仕事だったら申し訳ないと思っていたのだけれど、想像以上に大きな仕事となり、先様との意識のすりあわせもでき、「めでたしめでたし」という感じで打ち合わせはさらっと終了。
「さっき通った駅ビルの下に、千疋屋あるんですよ。パフェ……食べます?食べていきます??」
「行く!食べます〜!」
と、果物好きの友人に悪魔の誘いをかけて、一緒にパフェ休憩。私は「秋のフルーツパフェ」を頼むことにした。

グラスの上には栗のアイスクリームといちじくのシャーベット。柿たっぷりといちじくたっぷり、あとは葡萄と梨とリンゴなどなどが盛り合わされた、季節のフルーツ山盛りの幸せなパフェだった。赤紫色のシャーベットが、葡萄にしてはねっとりとした口当たりで、素晴らしく香りが良くて、でもしばらくそれが「いちじく」ということに気がつくことができなかった。コンポートにしたり肉料理に添えたりといった食べ方で口にすることが多いいちじくだけれど、シャーベットはもちろん、生の果実を食べるのも美味しいものなんだなあ。

柿も、自分で買って食べるほどには好きな果物ではないのだけれど、これは甘さもしっかり、歯ごたえも固すぎず柔らかすぎずの心地よいもの。あの独特の柔らかい食感が柿の苦手なところだったので、とても美味しくいただけた。

パフェ最高、パフェステキー、と、うっとりした後はハム屋さんで見切り品のハム盛り合わせなど見つけてしまい、購入して帰宅。

キャベツときゅうりの塩だれ和え
ミニ牛丼
玉ねぎと卵のスープ
麦茶

昼にバイキング、おやつにパフェで、夜になっても私はお腹いっぱい。私一人ならそのまま夕飯をスルーしてしまうところ、息子の夕飯をスルーするわけにはいかず、だんなのお弁当用牛肉の残りを使って手早く牛丼を用意してみた。昨夜の残りのスープと、焼き肉用の塩だれと胡麻油、すり胡麻で適当に和えたちぎりキャベツときゅうりも食卓へ。私は主にキャベツときゅうりをぽりぽり囓りつつ、牛丼は超ミニサイズをさらさらっと口にした。

「こんな美味しいパフェ食べて、でもきっと私帰ったら娘に報告しちゃう」
と友人は言っていたけれど、我が家も我が家で
「お母さん、今日のお昼はどうしてたの?」
「ん?打ち合わせ行った先でー、今日は○○さんと一緒だったから、カレーバイキング行ってきたよ。あと、帰りにパフェ食べてきた」
「パフェ!!!!!」
なんて会話をしていたり。

パフェいいなー、パフェいいなーと息子は騒いでいて、そうか息子はパフェ好きだったのかと初めて知ってみたり。
……また、四谷三丁目の「フクナガ」のパフェ食べたいな。

10月7日 火曜日
ルッコラの分量を少々見誤りました……多すぎ。
「パークハイアットホテル」の
 バニラブリオッシュ
 ブルーベリーブリオッシュ
カフェオレ

昨日は外出ついでに、久しぶりにパークハイアットホテルのペストリーショップを覗いてきた。デリコーナーには実に綺麗なカップケーキが売られていたり、一度は買ってみたいと思っている各種リエット(陶器の器に描かれたイラストがとても可愛いんだ……)にそそられたり、買いたいものはたくさんあったけれど、とりあえず今日の分の朝御飯だけを買ってきたのだった。

私と息子の分は、それぞれ半分こするつもりで、バニラ風味のブリオッシュとブルーベリーが大量にトッピングされたブルーベリーブリオッシュを。朝ジムに向かうだろうだんなには、ミートパイもどきを。確か「パテパイ」とか「リエットパイ」といった、ちょっと変わった名前のパイだった。

「これ、ミートパイというつもりで買って大丈夫ですか?」
と思わずお店の人に聞いてしまい、
「お肉のパイですが、一般的なミートパイとは少し違います。ひき肉ではなくて……」
と説明をもらい、「まぁいいや、きっとだんなは美味しく食べてくれるだろう」と買ってきたのだった。

結局だんなは、連日の残業ですっかりお疲れでジム行きはお休み。家族皆での朝御飯になり、私もそのミートパイもどきを一口おすそわけしてもらうことができた。
すごくリッチな風味のサクサクのパイに、テリーヌ風の、ややねっとりとした肉が包まれている。こりゃ美味しい!とだんなが喜んでいた。卵の味のしっかりとするカスタードクリームがはいったブリオッシュもなかなかのもの。

マカロンも美味しそうだったし、変わらず棚に並べられていたバナナブレッドも相変わらず美味しそうだったし、ホテルのペストリーショップってどうしてこんなにわくわくしてしまうのかしら。

塩豚とルッコラのアーリオオーリオスパゲッティ
ドイツ風ポテキャベ
アイスティー

冷蔵庫内に、「塩豚」がひとかたまり。しっかり塩をしてラップしておいた肩ロース肉で、適当にスライスしてただ炙っても美味しいのだけれど、今日はこれをルッコラと一緒にスパゲッティにすることにした。オリーブ油でにんにくを炒め、肉を加えて炒め、味付けは塩とナムプラー。最後の最後にざく切りにしたルッコラを和えたら、ほとんど火を通さずにすぐさま皿に盛りつける。

ルッコラの買い物だけ、習い事ついでに息子に買ってきてもらったのだけれど、なかなかの立派な株で分量もたっぷり。調子に乗って、つい全量混ぜてしまったら、さすがに多かった。ルッコラの苦みが無視できないほどの分量になってしまって、息子は「ルッコラ、たくさん食べると、薬草みたいだよね?」などと言い出すし、ちょっと反省。もうちょっと軽めの分量を混ぜれば良かった。

あとは、「ドイツ風ポテキャベ」。
どのあたりが「ドイツ風」なのかは私も良くわからないのだけれど(ソーセージが入っているところがドイツ風??)、参考にしたレシピがそういう名前だったので、疑わず作ってみた。マッシュポテトを作り、バターと牛乳を加えておく。太めの千切りにしたキャベツは塩で軽く揉み、適当に切ったソーセージ、ベイリーフを加えて蒸し焼きに。柔らかくなったらレモン汁をふり、粒胡椒と塩を加えつつじゃがいもと混ぜてできあがり……といった感じのものだ。キャベツ入り、黒胡椒風味のマッシュポテトといった感じ。

「お母さん、いつクッキー焼くの?」
「んー……もうすぐ秋休みでしょ?秋休みだったら一緒に焼けるんじゃない?」
なんて話をしながら、若干大人な味になったスパゲティを平らげた。

巷は今、ハロウィン一色。先日、友人のサイトで素晴らしく綺麗なアイシングデコレーションを施されたハロウィンクッキーの写真を見て、更に製菓材料屋さんの特集ページでもアイシングクッキーの記事を見て、楽しそう楽しそう作ってみたい、と火がついてしまったのだった。
ハロウィン用のクッキー型を買うなら今!んでもって、今からちょこちょこ作ってみたら、クリスマス用に綺麗なクッキー焼くのも夢じゃない!と、型をちまちま買ってみたり、アイシングデコレーションについて色々検索して学んでみたり、天然の食用色素を買ってみたりしていたここ数日。まずは「型抜きクッキー」を綺麗に焼くことに重点を置きつつ、可愛い猫クッキーから焼いてみようかと。可能ならば白いアイシング作って白猫作ってみようかと。ハロウィン用だったら黒猫なんだけどね。

10月8日 水曜日
「これはやりすぎだ!」という勢いのロールケーキ。美味しかった!
自家製チーズパンのトースト
ハムエッグ
中国茶(プーアル珈琲)

昨夜、たまには使わないとなと、久方ぶりにホームベーカリーを動かしてみた。先日も一度使おうとしたのだけれど、そのときは息子に「ちゃんと自分たちでこねようよ」とリクエストされて、急遽手こねパンに転向。手こねの方が充実感があるし一口大に丸めて焼くパンの方が香ばしくて使い勝手も良いのだけれど、たまにはこちらもと電源を入れたのだった。

作ってみたのはチーズパン。トッピング追加のアラームが鳴ったところでコルビージャックを適当にカットしたものを加えたのだけれど、「溶けずにチーズの塊が残るといいな」という願いむなしく、見事に溶け去った。全体からチーズの香りが漂うパンも悪くはないのだけれど、食パン生地にごろごろとチーズの塊が感じられるようなパンを目指していたので、これは失敗。その手のパンを作りたかったら手こねの方が良いのかしらん……。

側面に胡椒をまぶしたハムがあったのでそれを焼きつつ、目玉焼きも用意。淹れてみたお茶は、サンプルで以前もらったルピシアの「プーアル珈琲(プーアルカフェ)」というもので、プーアル茶なのに香りも味もコーヒーが強く漂う面白いものだった。プーアル茶なのにコーヒーでもあり、牛乳を入れても美味しそうな風味だった。朝食ではブラックで飲んだけれど、息子とだんなが出かけてからお代わりを淹れてミルクティーで飲んでみたりして。

きのこのアーリオオーリオ
空心菜芽のおひたし
ブリの香り煮
豆腐と葱の味噌汁
羽釜御飯
麦茶

「Shin」の神戸ミルキーロール
アッサムティー

今日は午前中、りゃんりゃんを2度目のワクチン摂取のために病院へ。万が一のために白血病の免疫もつくようにと5種ワクチンを打ってもらった。さして脅えた風でもなかったけれど、やっぱり怖かったらしい。

「ワクチン摂取の後はちょっとだるくなったり食欲がなくなったり良く眠るようになったりします。数日か、長ければ1週間くらい」
と獣医さんに言われたのだけれど、その副作用もあってなのか、帰宅後は一日ひたすら私にぺったりとくっついていた。仕事しようとパソコンの前に移動すると「それじゃあくっつけない」と足下でニーニー鳴かれ、トイレに行けばトイレの前でニーニー鳴かれ。

「あんたのお母さんいるじゃない、そこに」
と言っても、かすみさん相手だと遊んでしまってダメなのか(お互いにちょっかい出してじゃれ始めてしまう……)、とにかく私にくっついていた。食欲なくなっちゃったらあっというまにまた痩せてしまうなぁと心配しつつ、魚屋さんでマグロのアラが出ていたのでとりあえず買ってきた。

人間用にはサンマにするかブリにするかカツオにするかでものすごく悩みつつ、結局ブリに。今日は甘辛味で煮付けてしまうことにした。醤油と酒と味醂、ハチミツで葱と一緒に煮て、ほのかに生姜の香り。

添えたのはオリーブ油とにんにくで炒めたエリンギとしめじ、「空心菜の芽」という変わったものを八百屋さんで見つけたので、それはとりあえずおひたしに。明日のだんなのお弁当のメインディッシュは洋風なので、それに添えやすい副菜はなんだろなと思いながら、お弁当にも流用できるようにときのこを炒めたのだった。空心菜も、茹でた状態のを取り分けておいたので、そちらは玉ねぎドレッシングで和えるとかしてみようかなぁと思っている。

和風の夕御飯を終えた後は、ロールケーキのデザート。千葉そごう内にいつのまにか出店していたShinというお店、私はロールケーキの冷蔵ケースの前で「お!」と足を止め、息子はその1mほど先のプリンの冷蔵ケースの前で「お!」と立ち止まったのは先週のことだった。

呆れるほど大量のクリームが巻かれたロールケーキ(もはや"ロール"になってない気もする……)は、それでもとても美味しそうで、週末に再度デパートに赴いた時に、だんなをそのロールケーキの前に「どうよ、なんか、すごくない?」と連れて行ったのだった。

「うん、すごい……めちゃめちゃすごい……」
「プレーンのも美味しそうだけど、やっぱりあっちのミルキーロールってやつじゃない?」
「だよねぇ。……すみません、これ1つください」

結局「神戸ミルキーロール」なるそのロールケーキを購入し、週末のおやつに食べたのだけれど、なんてシアワセなロールケーキ。たいてい「もっとクリームがたくさんだといいのになぁ」と思ってしまうロールケーキだけれど、「いや、こんなに多くなくても」と思ってしまったロールケーキはこれが初めて。どこからどう食べてもクリームがこれでもかとついてきて、非常に幸せだった。練乳の香りがするような、ほの甘いクリームはふわふわで甘さもとても好みな塩梅。カステラ状のスポンジ生地の口当たりや存在感もバランスが良かった。

で、残っていたロールケーキを息子と半分こ。昨日食べるつもりでうっかり忘れてしまい、スポンジが少しばかり固くなってしまった事に反省しつつ、温かい紅茶淹れて楽しんだ。どうにもロールケーキが大好きです。

10月9日 木曜日
そろそろ豚バラ肉と距離を置きたいお年頃?
ドイツ風ポテキャベ
ハム&スクランブルエッグ
御飯
豆腐と葱の味噌汁
抹茶入り玄米茶
梨(新高梨)

昨夜御飯をたんまり炊いておいたので、今日は味噌汁と白い御飯の朝食を。気の利いたおかずがあれば良かったのだけれど、あいにくハムくらいしかなくて、スクランブルエッグとハムを大皿に盛りつけて、各自適当に箸をのばしてつつくことにした。先日の夕飯の残りの「ポテキャベ」(と書くと、なんか"液キャベ"を思い出しちゃうんだなぁ……二日酔いにはこれ!みたいな……)も。

2学期制の息子の学校は、今日が1学期終わりの日。明日から連休を挟んで5日ばかりの秋休みがあり、来週から2学期が始まる。今年は海外に行く予定も入れておらず、週末に少しお出かけするくらい。だんなは忙しいし、忙しくなくとも燃料サーチャージがおっそろしいことになっていて海外に行く気も沸かないし、とりあえず県内をぷらぷらする予定。

食後の梨は、いよいよ千葉産の豊水もそろそろ終わりということで、高知の新高梨を。甘さはさほどでもなかったけれど、瑞々しくて爽やかな酸味のある美味しい梨だった。しかもでかい。3人で1個分けて、なかなかいい具合にお腹がいっぱいになるサイズだった。

空心菜の芽ともやしの和え物
スライス茹で豚バラの角煮風
羽釜御飯
油揚げと大根の味噌汁
麦茶

今日が終業式と言えど、普通に給食があって普通に午後の授業もあって、最近の小学校はあまり「明日からお休みだ!」という気分が盛り上がらない日程になっている。夏休みや冬休み前なども、私が子供の頃に比べると、「短縮授業」というのが圧倒的に少ないのだった。

で、夕方になって、
「賞状もらえたー!」
と、手に大きな賞状(千葉市総合展覧会科学の部の入選おめでとう賞状)をピラピラさせながら帰宅した息子。折ってしまうのも悲しいと、ランドセルに入れることもせずに大事に抱えて帰ってきたのであるらしかった。たいそう嬉しかったらしく、何度も見つめてはうっとりしている。

でも、だからといって「来年またすごい研究をしよう!」とは思っていないようで、「夏休みは遊べばいいよ」と思っている私は、「それもまたよし」という感じ。「来年の夏休みはflashで脱出ゲーム作りたい」とか言っているけど、それは小学生の自由研究としてアリなのかどうか。そもそも作れるのかどうか。とりあえず「クリックしたら、なんか動く」くらいのギミックにしておいたらどうか、ていうか、まずそのくらいのを作れないと脱出ゲームは作れないからね、と、夕食の時間にそんなことを話しているここ最近だった。ちなみに脱出ゲーム、私がやっているのを見て息子がはまってしまったのだけれど、こんな感じのもの。

で、夕御飯のおかずは、豚バラ肉の角煮風。
先日回鍋肉をした時に、多めに茹でた豚バラブロックの残りが冷蔵庫にあったのだけれど、大きく切って角煮という気分ではないしなぁと、心もち厚めにスライスして、醤油と味醂でコテッと煮絡めることにした。味は「角煮」のまんまなのだけれど、薄切りなので食べやすいし少量でお腹いっぱいにもなる。半端に残っていた三つ葉があったので、ちぎって乗せた。
あとは、空心菜の芽をゆがいたものが残っていたので、茹でもやしと合わせて酢醤油と炒り胡麻で和えてみた。

「……なんで丼にしなかったの?」
こういう味のだと、丼にしない?と、「いただきます」の直後、息子に早々に指摘された。
「丼だとさ、御飯も具も食べすぎちゃうし。けっこうしっかり味ついちゃったから、逆に丼じゃない方が良いかなーと思ったんだよね」
「そっか!で、これは薬草?」
「……薬草?」
「辛い草、乗ってる」

息子よ、それは三つ葉と言ってね、君は美味しくない野菜はみんな「薬草」でまとめようとするけどね……と脱力しながらもぐもぐ。
「お母さんも、その草、早く食べちゃいなよ、辛いよ?」
とアドバイスされてしまった。三つ葉、美味しいんだけどなぁ。

10月10日 金曜日
クッキー作りは難しいもんだと痛感しました
自家製チーズパンのトースト
カフェオレ

今日から息子は秋休み。平日だけど、だんなは朝ジムだし、今日は目が覚めるまで思う存分寝てられる〜……と思っていたのに、息子は早々に朝6時前に起きているのだった。だんなとごにょごにょ話しているのが聞こえてきて、目覚まし時計もばっちりいつも通りの時間に鳴り響き、結局いつもと同じ時間の起床。

目覚まし時計は二段構えで、枕元の時計が鳴った数分後に携帯も鳴るようにセットしてあるのだけれど、最近はその携帯のアラームが鳴ると「鳴ったよ、起きろ」とばかりにりゃんりゃんが起こしに来るようになった。切なそうな声で「お腹がすいたよー」とばかりに鳴かれるのは、どんな目覚まし時計よりも効果があるもので、ばっちり覚醒してしまって、今日も餌やり。先日、試しにと鮭の白子を買ってきたのだけれど、さっとゆがいてから切ったそれは母猫も子猫もけっこう気に入ってくれたようで、あげるとすぐになくなってしまう。

で、人間の朝御飯は、ちょっと遅めに9時頃に。ホームベーカリーで焼いたチーズパンをトーストして、カフェオレと一緒にもぐもぐ。

「ナポリの窯」の
 ハーフ&ハーフ
   5種のチーズのピッツァ
   マヨコーンのクリーミィ仕立て
 オニオンリング
ジンジャーエール

今日は息子と一緒にハロウィンクッキー作り。製菓材料屋さんのハロウィンキャンペーンと、友人の影響から、目下「アイシングクッキー」に興味津々で、いっちょやってみようと思ったのだった。いつか目指すはこんな感じの美しいクッキーをという野望を持ちつつ、「本番はクリスマスか、それもダメなら来春のイースター」くらいの気持ちで、今回はお試し気分で焼いてみた。そもそも、型抜きクッキーというのが、学生来か、もしかしたら初めてかもというくらい。綺麗に型を抜き、しかる後に砂糖の模様を絞り出すなんて、不器用な私(と息子)にとっては非常に難易度が高かった。

アイシングは、卵白と粉砂糖と水を混ぜ合わせればできる。水が多ければゆるくなり(面を塗りつぶすのに向く)、砂糖が多ければ固くなる(細い模様を絞り出すのに向く)。卵白はほんの少しの分量で良いそうで、そのために卵を割ってもなと、今後を考えて「乾燥卵白」なる粉状の卵白を買ってきてみた。

焼くクッキーは、バター少なめの固めの口当たりのもの。甘さも控えめ。調子に乗って買ってしまった猫型とカバ型、そしてカボチャ型でがんばって抜き、残った生地をまとめてのばしてまた抜いて、としつつ、最後は丸いクッキーも遊びで何枚か作っておいた。大小色々なサイズがあるので、焼き上がりもサイズなどによって微妙に焼き色が違ってしまったりして、「そっか、焼く時は大きさをなるべく揃えたほうがいいんだ……」と色々試行錯誤。

固さによる塗りやすさの感じもまったくわからないので、右往左往しつつ、とりあえず白いアイシングを固さを変えて2種類、絞り出し用のオレンジ色のを1種類、あとは「アイシングより簡単かも」と買ってきてみたチョコペンが黒白ピンクの3色。ずーっと前に買った、色つきのグラニュー糖があったので、パステルカラーのそれを出してやったら、息子が喜んで使い始めた。で、模様を絞り始めてみたら、チョコの方がずっと難しい。変に伸びるし粘るし、案外すぐには固まらない。

ぎゃー、これはゆるすぎるーとか、袋の口が広がって大変なことにー、とか、親子でわーわーキャーキャーやりながら作ったクッキーは、見た目こそモザイクをかけたくなるような散々たるものだったけれど、でもとても楽しかった。次はきっと、もう少しはうまくいく……はず。最初のうちはあまり「絞り出す」ことに固執せず、まずは綺麗なクッキーを焼き上げることと、「塗り」のアイシングをまずはきっちりやることが重要なのだと、よーくわかった。色もあまり欲張らず、最初は2色、がんばっても3色くらいにしておくのがパニックにならなくて良いかもしれない。

結局、ピンクのチョコペンを使ったりパステルカラーの砂糖飾りを使ったりした段階で「どこがハロウィンだ」という風にもなり、そして肝心のカボチャ型は造形そのものが複雑なので、あまりアイシングのし甲斐がないということもわかったり。紫色のカボチャだとか、マーブル模様を施されたカバだとか、幾何学模様の猫だとか、前衛的なクッキーがたくさん仕上がった。
カボチャ型クッキーに関しては、次はアイシングではなく生地自体をマーブルにするなどした方が、形の楽しさを感じられるかも。
とりあえず、次回は「マーブル模様カボチャ型クッキー」を課題にしましょうということで、今日のクッキー作りは終了した。

で、昼御飯は、焼いたクッキーを冷ましている間にと、簡単に宅配ピザにしてしまうことに。
「ハンバーガーか、それともパン屋さんのサンドイッチとか買ってこようか?」
という私の言葉に「んー、4種のチーズのピザが食べたい」と返してきた息子。最近宅配ピザもご無沙汰だったしなと、注文することにしたのだった。ハーフ&ハーフで、残り半分はコーンとマヨネーズのピザ。

買い置きのジンジャーエールがあったのでそれを空けつつ、クッキーが焼けたばかりの甘い匂いが漂うダイニングテーブルでの昼御飯だった。「ナポリの窯」は、前身(というか、同じ場所で以前店舗を構えていたグループ店)の「ストロベリーコーンズ」の頃は非常にイマイチな感じがあったのだけれど、「ナポリの窯」は、前向きに好きな宅配ピザ屋さんの一つ。手頃なサイズで手頃な価格、シンプルで美味しいと思う。

稲毛 「串じまん」にて
 お疲れ様一杯セット(生ビール・つくね・ハツ・ぼんじり・しそ巻き・にんにくの芽巻き)
 串焼き(白レバー・チーズ焼・豚ハラミ)
 鶏たたき
 オリジナルサラダ
 どーんと鶏もも一枚揚げ
 焼きおにぎり
 鶏がらスープ
 焼酎ロック(やきいも黒瀬)
などなど

クッキーを焼き上げた後は、仕事したり、ごろごろしたり。夕御飯どうしようかな、簡単にしておこうかなーと思っていたら、友人から「今、東京ゲームショーに来てるのー」と連絡が。多忙かつ遠方に住む友人なのでこれは良い機会と、夕飯を御一緒することにした。ご夫婦揃ってこちらの地元駅に来てくださり、食事に向かったのは串じまんという焼き鳥屋さん。安くて美味しくて、居心地も良いお店だ。金曜の夜ということで、一応一報入れてから向かったのだけれど、入店時はそれなりに空席があった店内もほどなく満席に。

最初は1000円の「お疲れ様一杯セット」を注文。日替わりの5本の焼き鳥とビールがセットで、今日はぼんじりとかハツとかつくねとか。追加の串焼きもぽつぽつ注文しつつ、このお店名物の鶏もも一枚揚げも頼んだ。近況交えつつ、ゲームの話したり漫画の話したり猫の話したり。

友人は、子猫「いーちゃん」の里親になってくれた人。日々とても元気に(元気すぎるほどに)暮らしているらしい。「りゃんちゃんもかすみさんも元気ですか?」ということで、食後は我が家でお茶しつつ、猫見せつつ、メインイベントはモンスターハンター。モンハン仲間でもある友人夫妻、いよいよ「G級」目前ということで、
「じゃあ、あとはディアブロスとグラビモスでー……そしたらシェンガオレン出るから行きましょ、んでもってアカムトルム!」
と、数時間、私は微量に酔っぱらった状態で、へらへらと4人でモンスターを倒していた。友人がめでたくG級ハンターになり、だんなさまが「あとアカムトルム倒せばG級」というところまでいって、あえなくタイムリミット。いつかモンハン合宿やりたいですねーなどと不穏な会話をしつつ、友人夫妻とお別れした。

しかし友人夫妻、猫飼い歴が長いだけあって、警戒心の強いかすみさんたちが割と無防備に近寄っていくのにびっくり。旧名いーちゃんも、めちゃめちゃ可愛がってもらってるのだろうな。良かった良かった。

10月11日 土曜日
気になってたお店の、気になっていたモツ煮込みをテイクアウト
津田沼 「チャド」にて
 ランチバイキング \1050

「Juicer Bar」にて
 ミックスジュースソフト

「息子の長袖服、買ってあげないとね」
「そうそう、俺もユニクロ行きたかった」
「あー、あとね、私、ユザワヤに行きたい」

色々予定が積み重なって、今日は津田沼にお買い物に。起きるのがすっかり遅くなり、「もういいや、出かけた先で早めの昼御飯にしよう」と、朝御飯を食べずに家を出た。まずはユザワヤと100円ショップに寄り、買い物した後で駅の反対側に移動。昼御飯はドリンク飲み放題のTapas&Tapasにしようと相談していたのに、今日に限って貸し切りイベントだそうでランチ営業をしていなかった。

さてどうしましょう……と次の買い物の目的地の京成津田沼駅方面に向かって歩きつつ、「あー、インド料理バイキングがあったね」と、以前一度入ったことのある、雑居ビル2階の小さなインド料理レストランに行ってみることに。ランチバイキングは1000円、3種類のカレーとサフランライスとナン、サラダとデザート、ドリンクは3種類でウーロン茶とアイスコーヒーとアイスチャイ。チャイが飲み放題というのが地味に嬉しくて、次々焼かれていくナンも美味しかった記憶のあるお店だった。

オープン直後の早い時間帯だったので、お客さんは私たちだけ。今日のカレーは、しっかり辛めの味のキーマと、鶏肉とじゃがいもと蕪のカレー、優しい味のかぼちゃのカレーという組み合わせだった。どれもじわっとくる辛さはあるけれど、息子が平然とチキンカレーを食べられるくらいには穏やかな味つけ。マメに焼いてくれるナンは適度にパリパリで適度にもちもちで香ばしくてとても良い感じで、親子3人、次々持ってきては次々食べてしまった。目立つ具はかぼちゃだけ、という野菜のカレーがじわじわとくる美味しさで、サフランライスにもナンにも良く似合うのが面白い。

デザートは、薄切りリンゴを入れたヨーグルト。しっかりと甘くて、私はこのインド料理の甘ったるいデザートが大好きだったりするものだから、ついついお代わりして食べてしまった。

食後は秋冬用のシャツなどをユニクロでしこたま買って、猫用の餌やおもちゃを買ったり、カルディコーヒーファームのハロウィン用お菓子を冷やかしつつ、猫型マカロニなど買ってみたり。大変な大荷物になって帰宅の途についた。

「……ハーゲンダッツ食べたい人ー、はーい」
「はーい」
「はーい、満場一致〜。……あ、ジューサーバーだ」
「……うわ、ミックスジュースソフトだって」
「ハーゲンダッツじゃなくて、ミックスジュースソフトでもいい人ー、はーい」
「はーい」
「はーい」
「また満場一致だったね」
と、予定ではハーゲンダッツの寄り道だったはずが、Juicer Barのミックスジュースソフトに。

いかにも「大阪のミックスジュース」という風の、缶詰の桜桃とみかんがメインになっているようなジューサーバーのミックスジュースはみんな大好き。それがそのまんまソフトクリームになったようなソフトクリームだったので、それはもう美味しくないわけがないのだった。

焼き茄子のおろし醤油添え
「ギュートン軒」のモツ煮込み
スライス茹で豚バラの角煮風 茹でほうれん草添え
親子煮
羽釜御飯
大根の味噌汁
ビール(モルツ)

京成津田沼駅からJR津田沼駅への道中、通るたびに気になっていた立ち飲み居酒屋があった。なにしろ「立ち飲み」だし、小さな店だしで子供連れで入れるという雰囲気でもなく、看板には店名らしい店名が見あたらず、ただ「やき鳥 煮込み」と書いてある。煮込みだ、モツ煮込みだ、気になる……と、お昼時には営業していないそのお店の前を何度か通り、入り口のガラス戸に「モツ煮込みお持ち帰りできます 2時頃できあがります」という張り紙があるのを見つけてしまった。

「今日はね、モツ煮をお持ち帰りするんだー」
と、夕飯の食材あれこれを買い込んだ帰り道、そりゃもう大変な大荷物(息子ですら3kgほどの紙袋持ち)だったのだけれど、だんなが「煮込みくださーい」とその店に消えていき、私と息子は隣のビル前で荷物番。2人前500円也を包んでもらったそうで、ビニール袋に入れられた煮込みがプラスチック容器に入っていた。

本当はお玉1杯が1人前らしかったのだけれど、
「ちょっとおまけしちゃわねー」
と、お店のおばちゃんがお玉2.7杯分ほどを詰めてくれちゃったのであるらしい。家に帰って鍋にあけたら、小サイズのやっとこ鍋にたっぷりなほどの分量があった。大きな豆腐がごろごろしていて、大根やにんじん、こんにゃくも入っている。味噌味でいかにも美味しそうなそれにうっとりしながら、夕飯の準備をした。

今日の夕飯のメインは「親子煮」。親子丼が食べたいね、でも「丼」はちょっと重いねということで、お酒のつまみにもなるように「親子煮」。息子は当然のように御飯にたっぷり乗せて食べていた。一昨日の残りの薄切り豚バラの角煮風と、焼き茄子のおろし醤油。なんだか居酒屋のメニューばかりのような献立で、中央には輝かしく「例のモツ煮」が鎮座ましましているのだった。

これがもう、煮込まれ具合も具のバランスも、とっても好みな素晴らしいモツ煮。今度はタッパー持って買いに行こう、と、大変に盛り上がった。「津田沼 モツ煮 立ち飲み」などで検索してみた結果、お店の名は「ギュートン軒」と言うらしい。「ギュートン」は「牛豚」で、「榊原精肉店直営」のお店なのだとか。ハムカツとかも、とても美味しそう。でも立ち飲みは……ちょっと難易度高いのよ……。

10月12日 日曜日
温泉ホテルで、ずらりと並んだ夕食のお皿。
「ほんのり屋」の
 焼きたらこおにぎり
 海老天おにぎり
お茶

息子の秋休み中のこの週末、ごく近くに1泊2日でどこか行こうかという話になって、「銚子はどうだろう」ということになった。
犬吠あたりなら温泉ホテルが複数あるし、1泊して翌日に銚子の漁港近くでお魚買って帰るのは幸せじゃない?ということで、宿の予約して特急の予約して、今日は朝8時頃に出発。

千葉からだと、銚子まではせいぜい1時間半ほど。旅情を感じるほどの距離でもなく、でもおにぎり食べながら「世界の車窓から」気分を味わったり、家族でモンハンに興じたり。朝御飯はこれだ!と、千葉駅での乗り換え時に買った、「ほんのり屋」のおにぎり。私の分はたらこと天むすだ。

犬吠埼灯台前 「あわび屋」にて
 さんが焼定食 \1200
 生ビール \600

今日は銚子で「よさこい」が開催されるそうだけど、それにはさほど興味がなく、「犬吠の灯台見て、面白そうだったら隣接する水族館見て、あとはホテルで温泉入ってのんびりするくらいでいいんじゃない?」くらいの予定だった。が、ちらりと調べてみたら「犬吠埼温泉湯めぐりカード」なるものが販売されているらしい。9月〜11月の期間限定で、犬吠のホテル6軒のお風呂が1000円で巡れるというものだった。購入の当日限り有効で、1ヶ所につき1回ということなので、このカードで「ホテルのお風呂6カ所にそれぞれ1回ずつ入れます」ということになる。それぞれのホテルで、フェイスタオルなら貸してくれたり貰えたりするので、手ぶらで大丈夫という嬉しい内容のものだった。ホテルによっては「入浴料1500円」というところもあり、1ヶ所行くだけでも元が取れそうな内容だ。

で、今日のテーマは温泉巡りに決定。銚子電鉄に乗り戸川駅に向かい、まずは宿泊ホテルに荷物を置きに行った。
初めて乗った銚子電鉄は、2両編成の可愛らしいもの。どこか懐かしいような車両は、なんと銀座線のものだったらしい。20年前は時々見かけることができた、ドアの近くにライトのついたタイプの実に古い銀座線の車両が銚子を走っていたものだから、感慨深いものがあった。

単線の線路をのんびりと進み、駅を降りて少し歩けばもう人気もまばら。青空の下をてくてく歩いて無事にホテルに到着し、荷物を預けて今度は犬吠駅に徒歩で向かい、「湯めぐりカード」を購入。観光客向けの特殊なチケットということだからか、購入できる場所は駅や観光スポットの数少ない場所に限られているのだった。ホテルでは買えない。

犬吠駅で展示中だった銚子電鉄の模型電車と写真の展覧会も覗いた後は犬吠の灯台に向かい、99段の階段を上って展望台から周囲を眺める。かなり突き出た形の岬なので、180度以上にぐるりと水平線が見えるのは圧巻だった。お客さんも少なくなくて灯台周囲は賑わっており、灯台元の食事処でお昼御飯。

適当に選んだ「あわび屋」というお店で、私は「さんが焼定食」を。
千葉の郷土料理に「なめろう」というものがあり、青魚を香味野菜と味噌でたたきにしたものなのだけれど、それを焼いたものが「さんが焼き」。1200円という定食の価格はさほど安くもなかったけれど、タコと葱の和え物と秋刀魚の煮付け、ごぼうの煮物が乗った皿もついてきて、しっかり食べ応えがあるものだった。御飯とあさりの味噌汁、お新香つき。

息子はたぬきうどん、だんなはお刺身とつぶ貝の壺焼きの定食。やっぱりビールでしょー、と、生ビールも貰ってしまいつつ、焼きたてのさんが焼きを楽しんだ。並ぶ建物、並ぶホテルはどれも歴史を感じさせるもので、犬吠周辺はこのあたりの名所とホテル以外は「あとはほとんどなんにもない」という印象だったけれど、絶え間なく聞こえる波の音は気持ちがいい。

食後は最寄りのホテルだった「犬吠埼京成ホテル」に向かい、続いて「グランドホテル磯屋」「ぎょうけい館」「ホテルニュー大新」と4ヶ所のホテル温泉をはしごした。大小色々あれど、どのホテルにも露天風呂があって、海が見えたり庭が見えたり。燦々と陽光が入る京成ホテルの露天風呂も気持ちが良かったし、不思議な雰囲気の岩風呂がある磯屋も面白かった。ニュー大新では男湯も女湯も貸し切り状態。

ここ最近、「水上コテージいいないいなー」とタヒチだのフィジーだのの旅行パンフレットを集めていたのだけれど、その欲望もしゅるしゅると消えていってしまった。「水上ホテルもいいけど、でもお風呂広いわけじゃないし、温泉というわけじゃないし……こっちで充分だなぁ〜」と、波の砕ける様を間近に見ながらの広々とした湯船に浸かるのは最高に気持ちが良かった。ナトリウム泉でかなり塩気を感じる温泉は、いかにも海辺の温泉という感じ。

透けるような薄い秋の雲が少しかかった澄み切った青空、中空にかかる白い月、眼下に広がる青い海。少しばかりの肌寒さもまた長風呂を助けてくれるもので、「いい時に来たなー」と感無量だった。

「犬吠埼観光ホテル」にて
 海藻の寒天寄せ わかめときゅうりの黄身酢
 洋風皿(海老のグリル・スモークサーモン・栗の渋皮煮・ブリ照り)
 茹で蟹
 天ぷら(海老・魚すり身の磯辺巻き・小芋やお麩)
 牡蠣の土手鍋
 お刺身盛り合わせ
 菊の花を散らした茶碗蒸し
 金目鯛の煮付け かぼちゃと里芋
 日本蕎麦
 御飯・つみれと海藻、きのこの吸い物
 デザート(柿と葡萄)

 ビール(アサヒ熟撰)
 日本酒(七福神 大吟醸 長期熟成五年酒)

ひととおり温泉巡りをした後は、他のホテル群よりやや南に位置する「犬吠埼観光ホテル」へ。部屋数は20ちょっとしかない大きくはないホテルで、でも広々とした大浴場に定評があるらしい。予約を入れた時の電話の対応なども気持ちが良くて、ここに宿泊することにしたのだった。

日の出を臨める水平線を真正面に見られる部屋は、8畳+12畳+応接間の、実質24畳以上のびっくりする広さのもの。部屋の奥には巨大な液晶テレビと、マッサージチェアまで置かれていて更にびっくりだった。部屋に案内されるなり、早速だんながモミモミされ、息子もモミモミ、私もモミモミ。空気圧で手足のマッサージはされるし、いーい具合に肩や背中をモミモミされるし叩かれるし、そのマッサージチェアの高機能っぷりに「あ、なんかこの宿、すごく幸せ」と思ってしまった。大浴場でバスタオルとフェイスタオルが入浴のたびに新しいのを使えるのもありがたい。

ひとしきりモミモミされ、入浴を済ませた後は早めの夕御飯。
部屋食だそうで、さんざん温泉めぐりをした後だから絶対お腹が空いてしまうよと、6時の早めの時間に食事を持ってきてもらうことにした。

大きなテーブルにところ狭しと並べられた山のようなお皿。どうだ!という感じに並べられるこういう料理が私は嫌いではなくて、わくわくしてしまう。少しばかり洋風の料理もあり、蟹だ土手鍋だ、豪華な刺身盛り合わせだと、大変なことになっていた。息子は子供向け料理ということで、大きなエビフライやハンバーグ、お刺身や茶碗蒸しなど。こちらもけっこうな分量で、息子には食後に1階の売店で売られているアイスクリームの中から好きなものをというサービスもあったりした。

部屋食というのは事前に聞いていたので、「だったら、お料理つまみながら美味しいお酒を飲みましょう」と、日本酒を1本持ってきていたので、注文したビールを飲み終えた後は日本酒をくぴくぴ。4合瓶くらい飲み干せるかなと思ったのだけれど、なにしろ料理が大量にあって、だんなは日頃の疲れもあり瓶半分ほどですっかり良い気分になってしまった。

料理の味も悪くなく、金目鯛の煮付けはお代わりしたいと思ったほど。御飯だけ食べきれなかったけれど、あとはすっかり完食した。

夕食後は軽くお風呂に入って、早々に就寝。このホテルは入浴と夕食の日帰りパックなどもあるらしく、夕食の時間を過ぎても大浴場は日帰り客でしばらく賑やかだった。明日の朝は静かに入浴できるかなー。