食欲魔人日記 07年07月 第4週
7月23日 月曜日
久しぶりにサイゼリヤに行ってみた
クリームパン
パリパリコーン
アイスカフェオレ

昨日、外出ついでにちらりと寄った大型スーパー内のパン屋さん。息子が店頭にあった「ひまわり型メロンパン チョコチップ入り」に釘付けになり、そこで今朝用のパンを買ってきた。「バニラビーンズを使ったカスタードクリームが云々、当店自慢のクリームパンです云々」と印刷された袋に入ったクリームパンに心惹かれ、ついついそれをお買いあげ。実にあっさり「当店自慢のクリームパン」攻撃にやられてしまった。

で、「当店自慢のクリームパン」は本当にバニラビーンズがかなりたくさん入っていて、ふわふわとした口当たりの白っぽいカスタードクリームもなかなか良い感じ。もう少しもったりとした濃厚なカスタードクリームの方が好みではあるのだけれど、でもちゃんと美味しいクリームパンで大満足だった。

もう一つは、薄焼きにしたピザ生地のようなパリパリパンにコーンをトッピングしたもの。傾けると生地からコーンがぽろぽろ落ちてくる大変危険なパンだった。息子もそれを選んだので、2人してコーンをぽろぽろ落としながら食べる。

「サイゼリヤ」にて
 ハヤシライスセット \700
 (ハヤシ&ターメリックライス、サイドサラダ、ドリンクバー)

数日前、「チケットぴあ」のサイトで演劇のチケットなどをあれこれ取ってみた。チケットを紙発券するにはぴあの窓口かファミリーマートに行かなければならないらしい。

「というわけで、あのスーパーにぴあがあるらしいから、発券しに行こう」
と息子と2人で駅前スーパーにお出かけ。
この番号で予約したチケットまとめて発券できると聞きましたー、とカウンターで告げると、
「はい、じゃあ公演の種類全部分、こちらの紙に番号とお名前、お電話番号書いてくださいね」
と専用紙をばさっと手渡された。

……書くの?全部?公演……5つくらいあるんだけど、5枚全部書くの?と唖然として、「あ、じゃあ、いいです……ファミリーマートで発券します……」とカウンターを後にする。ぴあのカウンターも、ファミリーマートも、紙発券には共通して1枚100円かかるのだけれど、ファミリーマートに移動したらモニター見ながら実にさくっと発券できた。最後に一度だけ、名前と電話番号をレシートに書くだけ。チケットぴあのカウンター、全然使えない……。

「なんか疲れちゃったね」と傷心しつつ、「どっかで昼御飯食べて帰ろうか?」とつきあってくれた息子に声をかけると、
「全然行ってないから、サイゼリヤ!」
とのことで、ちょっと久しぶりのサイゼリヤに寄ってきた。平日ランチタイムは600円でライスとドリンクバーつきのハンバーグセット(ハンバーグとコロッケとか、ハンバーグと鶏肉のグリルとか)が食べられる。すごい安さだなとメニューを見てびっくりしつつ、私はドリンクバーとサラダつきのハヤシライス700円也を。息子はカルボナーラスパゲティを。サラダを適当に半分こしながら思い思いのものを食べてきた。

サイゼリヤでハヤシライスを食べたのは初めてだったような気が。薄切り肉がひらひらどっさり入っていて、けっこう甘口のハヤシライスだった。アイスティーお代わりして飲みつつ、へたなハンバーガーショップよりも素早く出てきた料理を手早く平らげて、午後は家でのんびりと。

茹でアスパラのアンチョビマヨネーズ
豚生姜焼き丼 ししとうの塩焼きとキャベツ添え
豆腐の味噌汁
麦茶

だんなは本日野球観戦だそうで、息子と2人の夕御飯。
「夕御飯は、これにすれば良いと思うよー」
とスーパーで肉のパックを持った息子に迫られた。「3パック980円」と書かれたそれに、「3つも要らないよ」と苦笑いして、割高になっても仕方ないかなと1パック350円ほどだった豚肩ロース肉の薄切りパックを買ってきた。

「……で、この肉をどうすれば良いと思ったの?」
「炒めてー、御飯に乗せればいいと思った」
「ほほー」

炒めて御飯に乗せますか……じゃあ、甘辛く生姜焼きとかにしようか、キャベツあるから添えて、あとししとうも少し焼いて……と、適当に作った夕御飯。醤油と酒と味醂、多めのおろし生姜で甘辛味に焼きつけた豚肉を平皿に盛りつけた御飯の上に乗せ、ちょっと粗めに切った千切りキャベツと塩焼きししとうを添えた。

「お母さん!結界師見てたら、ワンピースのサンジの声がした!」
簡単に味噌汁作って、あとはアスパラ茹でてサラダっぽいものを……と動いていたところで、息子からそんな声がかかり
「なんですとなんですと、サンジですと!?」
サラダの仕込みをほっぽりだして、「で、どれがサンジさんですって?」とテレビの前に座してしまい、そんなことしているうちに御飯が炊けてしまった。結局アスパラは、茹でたところに叩いたアンチョビとマヨネーズを合わせたものを添えるだけの簡単料理に。

「しかし君も、声優について思いを馳せるようになってしまったのかね」
間違いなく親の(両親の)影響だよなぁ……と思いつつ、後番組の名探偵コナン見ながら
「そうそう、光彦の声優さんはチョッパーやピカチュウと一緒だよ」
とか
「毛利小五郎の人は、ジャンプ漫画の主人公やりまくった偉大な人なんだよ」
とか、どんな試験にも出ようがない豆知識をえんえんと伝授するお母さんなのだった。

豚生姜焼き丼は良くできた。
そしてサンジの声の人は「火黒」という名のキャラクター(どっから見ても悪役だ)だった。

7月24日 火曜日
お豆腐屋さん経営の居酒屋で
島田屋製菓 「特大・宮内庁長崎バウムクーヘン」
カフェオレ

先日、錦糸町を歩いた時に駅ビル内に島田屋製菓のお店ができていた。バームクーヘンの専門店で、「やわらかくてふわふわのバームクーヘンである」こととか、本店には行列ができるらしいとか、「宮内庁御献上品」(御用達というのとは違うらしい)のバームクーヘンであるらしいとか、噂だけはかなり前から聞いていた。お店の前に行列ができることもなく、ごくごくフツーに売られていたバームクーヘンを、「これ、食べたい!食べてみたい!」と1包み買ってきてみたのだった。

で、買ったは良いけど、明後日から我が家は旅行の予定。早く食べなきゃ大変じゃん、旅行に持っていくにも柔らかいし……と、しょうがないので朝御飯に出してしまうことにした。適当に切って、コーヒー率高めのカフェオレ用意して、息子と2人もぐもぐ食べる。

確かに、素晴らしく柔らかくふわふわで、口当たりはかなり素敵。柔らかいけれど、層同士がベトついたりすることもなく、しっとりと綺麗な年輪模様ができている。甘さも強すぎず、弱すぎず。

美味しいバームクーヘンだったのだけれど、でもどちらかというと私は「バターと卵たっぷり、どっしり系」の焼き菓子がどうにも好きみたいで、クラブハリエのバームクーヘンの方が好みかな、と思ったりしたのだった。

「くら寿司」にて
 焼はらす握り
 海鮮ユッケ風軍艦一貫
 牛すき焼き風軍艦
 あぶりうなぎ一貫
 イベリコ豚蒲焼一貫
 コーン軍艦一貫
 ローストビーフ握り
 〆さば握り
 とろけるあなご一貫
 生サーモン一貫
 生いくら軍艦一貫
などなど、適当に。

今日は一日友人と。手渡さなければいけないものがあって、ついでに「どうせ会うなら遊びましょう」ということに。
「昼だけ一緒する?夜でもいいしー」
「いや、いっそ両方でも」
「両方ですか」
と盛り上がって、昼前から友人宅に遊びに行かせてもらった。

「お昼、行ったことのないうどん屋さんがあるんだけど……そこ行ってみる?あとは、お寿司屋さんとか」
「寿司!ぼく、寿司!」
友人宅に到着して、「で、お昼御飯どうしようか」と話し合いを始めたところで息子が会話に大参戦して寿司コール。友人御一家のお気に入りなのだというくら寿司に連れて行ってもらった。回転寿司と言えば、我が家は「銚子丸」くらいしか足を運ばないので、別のお店にちょっとうきうき。1皿どれも105円(お高いネタは1皿1貫になる、でも105円)という格安回転寿司屋さんで、「でも、この手の100円寿司の中では、ここが一番美味しいと思うなぁ」と、友人。回転寿司ならではのイロモノメニューが豊富で、あれこれ独自のギミックもテーブルに存在していて、すごく楽しいお寿司屋さんだった。

各テーブルには「皿カウンター」なる皿回収穴と、その上に「皿5枚投入ごとに動くビッくらポン」なるガチャガチャ様のものが。レーンの上、各テーブルにはタッチパネルがついていて、そこから注文することもできる。注文した皿は「御注文品」なる下敷きつきでレーンを流れてきて、自分の注文品が近づくとモニターからピーピー音が出てきて知らせてくれる。うわー、なんだこりゃー、うわー、すごいすごいと、息子はしばらく落ち着かずに各ギミックを眺め倒していた。

手が伸びてしまうのは、ついつい気になるイロモノメニュー。「海鮮ユッケ風軍艦」に「牛すき焼き風軍艦」は半熟状のうずらの卵が添えられている。「実はこれが一番お気に入りかも」と友人が言っていた「牛すき焼き風」がさりげなく美味しい。かつて吉野家が運営する回転寿司屋(確か「ハミータ」という名前)があって、そこには「牛丼寿司」がメニューにあった。吉野家の牛丼の具そのものを軍艦にしたその寿司をだんながいたく気に入っていたのだけれど、それを思い出しす。ついつい2皿もこれを食べてしまったり。

他にも「イベリコ豚蒲焼」とか(タレの味が濃すぎて、もうイベリコだか何なんだか……)、お子さまに大人気の「コーン軍艦」とかもしっかり食べ、後半には
「あ、あとお皿3枚でガシャポン動くよ」
「じゃ、じゃあ、一貫盛りのやつ1つ食べるよ……」
なんて、おもちゃギミックが動くのを目当てについつい皿を重ねてしまったのだった。生サーモンも生いくらも美味しかったです。

市川 「なか川 東風庵」にて
 京風湯豆富 \580
 生湯葉の刺身 \840
 揚げ出し豆富 \580
 お刺身の盛り合わせ \3600
 本まぐろ中トロ刺身 \1250
 豆富サラダ \650
 茄子と鴨の甲州煮 \800
 つくば地鶏と厚揚げと夏野菜の串焼き \1350
 鱧ちり鍋(紙鍋仕立て) \1300
 鹿児島産ポークのグリル \980
 鮎の釜めし \1400
 ホッキ貝の釜めし \1400
 日本酒いろいろ
午後はのんびり友人宅でおしゃべりしたり、久しぶりにボーリングに行ったり。ぎりぎり6ポンドのボールを投げられるようになった息子と、「もう久しぶりで投げ方も忘れちゃったわよ」というお母さんズでいい感じに同レベルな戦いをしてみた。ノンガーターレーンに息子も私も2人して助けられたとはいえ、1ゲームは息子に負けてしまったりして、素で悔しい。

夕飯は、「このお店、気になってるんだよね……でも、予約全然取れなくて」と、友人が前々から話してくれていた、お豆腐屋さん経営の料理屋さんなか川 東風庵に。幸いにして今日の夜は予約も入れることができて、半個室の掘り炬燵式のテーブルでのんびりと御飯を食べることができた。

私のだんなは本日イベント(これ)にお出かけだそうで、私と息子、友人御一家と5人での夕御飯。ドリンクメニューは日本酒、焼酎等々品揃えがなかなか良くて、「玉乃光」のみぞれ酒(300ml)をついつい注文。早々に飲み干してしまい、あとはグラスで日本酒を結局3杯(3合)飲んでしまった。帰宅してそれをだんなに報告すると
「おゆきさん、そりゃ5合近く飲んでるよ……飲みすぎ」
と。……でも、以前焼酎で二日酔いになった時ほどの酔い方はしていなかった……と思う。

料理はなかなかお値段お高めながら、美味しいものばかり。さすがに豆腐に力を入れているだけあって、揚げ出し豆腐や生湯葉のお刺身などが良い感じ。口の上でほろっととろけるような甘みのある生湯葉が素晴らしかった。お刺身も色々あって盛り合わせをいただきつつ、豆腐のサラダも頼んだり、厚揚げと肉野菜の串焼きを頼んだり、全体的に豆腐多めの夕御飯になった。

シメは、息子が鮎の釜飯、大人3人でホッキ貝の釜飯。炊きたての釜飯はちゃんとだしが利いていて、飲みの後に染み入るような味だった。
美味しかったねー、楽しかったねー、また遊んでねーと友人らと別れて、息子と帰宅。
私たちの帰宅後1時間ほどで帰ってきただんなと、本日の楽しかったことについて報告会をぐだぐだとしていた。

「スネークの中の人(大声優、大塚明夫さん……)とキャンベルの中の人(これまた大声優、青野武さん……)と話せたよ。"浜村通信"とも話した。みずしな孝之の描く絵、そのまんまだったっ!」
なんとも羨ましいパーティーだったようで、「……帰ってきたら、無性にメタルギアやりたくなっちゃったよ」と、だんな。私も、バイオハザードは怖くて一歩も先へ進められないし、デビルメイクライは一向にスタイリッシュな動きにならないしで全くダメなのだけれど、メタルギアは得意だし好きなんだよねぇ……早く4が出ないかな。

7月25日 水曜日
ありもの冷やし中華
「CoCo壱番屋」の
 マグロカツカレー(ハーフ)
麦茶

「奥さん奥さん……二日酔いですか?」
「大丈夫だよー……日本酒しか飲んでないもん、昨日。気持ち悪いとか頭重いとか、ない、全然ない……」
布団に突っ伏していたら、
「あ、やっぱ二日酔いだ」
と合点された。だから違うってば。少ししか気持ち悪くないってば(あれ?)。

息子は午前中、学校のプール教室に行って来るそうで、だんなと2人朝食にパンを食べて元気に出かけていった。私は午前中はアイスプーアル茶(←今夏の我が家のトレンド)だけで過ごし、プール教室から帰ってきた息子と一緒に昼御飯を。「カレー食べたい!」のリクエストを受け、でも今言われても作れない……と、ココイチの宅配を使ってしまうことにした。私はシーズン商品のマグロカツカレーをハーフサイズで。

噛み締めてみると、案外ちゃんとマグロの味だったのが面白かったマグロカツカレー。期間限定メニューは何かと不思議な内容のものが多いココイチだけれど、今回のマグロカツカレーもなかなか不思議オーラ漂うものだった。息子は「シャキッとコーン」をチーズカレーにトッピングして、ご満悦。

燻製ミミガーときゅうりの和え物
ミニメンチカツ・クリームコロッケ
胡麻だれ冷やし中華(鶏肉・卵・きゅうり)
豆腐と人参のスープ
ビール(サッポロ黒ラベル)

旅行を前にして、「あまり生ゴミ出したくない」と、簡単に準備できた冷やし中華で夕御飯。永楽製麺所の涼風麺を茹で、胡麻だれだったらやっぱりハムより鶏肉でしょう、と茹でて裂いた鶏肉をトッピングする。あとはほんのり失敗気味になってしまった錦糸卵と、細切りきゅうりと。あとは買い置きの燻製ミミガーをきゅうりと和えて……と簡単に準備していたら、だんなが「ビールのおつまみ」と一口サイズメンチとコロッケをお土産に帰ってきた。

透明感のある永楽の麺は、やっぱりとても美味しい。ちょっと太めでツルンツルンの口当たりがスーパーの冷やし中華の麺とは全く違ってとても良い感じ。

7月26日 木曜日
大阪に来ましたよ(というわけで、たこ焼き……)
新幹線の車内にて
 チキン弁当
 コーヒー牛乳

今日から数日間の家族旅行。そもそもの始まりは、
「7/27の、甲子園の阪神戦チケットが取れましたぁ!」
のだんなの一声だった。

え?甲子園?大阪?平日?いや、息子はもう夏休みだから問題ないけど、本当に行くの?応援するためだけに?
まぁ大変ーと笑ってしまいつつ、でも息子も「甲子園行ってみたい」と以前から言っていたこともあり、大阪に行こうということになった。甲子園往復だけというのではあまりに悲しいので、泊数増やして初めての「USJ」にも行ってみることにして、帰り道は浜松にも寄り道することに。それなりに旅行らしい旅行の予定が立って、この夏最大のビッグイベントということになったのだった。

初日の今日は、初めてのUSJ。なるべくたくさん遊べる方が良いねと、かなり早めの新幹線の席を取った。東京駅に到着しても、いつものおにぎり屋さんもやっていない時間帯で、じゃあお弁当屋さんで何か買おうと売店へ。だんなと私は「チキン弁当」、息子はサンドイッチを買うことにした。

何がどう、ってわけではないのだけれど、チキン弁当はとても美味しい。チキンライスと鶏の唐揚げ、唐揚げの下にレタスのサラダ(別添ドレッシングつき)、あとはレモンと、小袋に入ったプルーンと干しあんずのデザート。ただそれだけの組み合わせなのだけれど、「唐揚げとチキンライス」という組み合わせがどうにもツボで、東京駅でお弁当をという時にはついついこれを選んでしまうのだった。

USJ内「ディスカバリー・レストラン」にて
 T-REXセット \1,490
 (恐竜ハンバーグのロコモコ丼・サラダ・ソフトドリンク)

「おおー、大阪環状線だー」
「おお、オレンジ色だー中央線の色だー」
「あ、あっちに特急だ。……はるか、だって」
めでたく大阪に到着し、電車の中の子供たちが「なんでやねん」と言っているのを耳にして「おお、大阪だ」(何しろ私、7年ぶりくらいの大阪で……)と感慨深くなる。電車に揺られて、USJに入場できたのは10時を少し回ったところ。

入場料は6000円くらい。別料金で3700円払う(繁忙期にはもっと高くなる……らしい)と「UNIVERSAL EXPRESS BOOKLET 7」なるものを買うことができて、それを使えば人気アトラクションを行列せずに専用入り口からすいすい入ることができるらしい。
「……金にものを言わせれば行列しなくて済む、と」
「いかにもアメリカらしいシステムではあるよね……」
初回だし、今日は暑くなりそうだし、金にもの言わせてみる?言わせちゃう?と、そのブックレットを買ってみた。結果としては買って正解だったようで、今日はさほど混雑していなかったと思われるものの、1時間待ち1時間半待ち等々の人気アトラクションを「待ち時間30秒」といった感じで楽しむことができた。何しろ今日は蒸し暑いということもあって、「行列せずに済む」というのは想像以上に助かるものだった。

午前中はET乗って、ターミネーター見て、そして早めのお昼御飯をジュラシックパークエリアのファーストフード式レストランで。
恐竜型のハンバーグの乗ったロコモコと裂いた鶏肉をトッピングしたサラダ、ソフトドリンク(料金追加でビールにも変えてくれるそうで、思わずビールを)がセットで1500円というのはかなり強気の価格設定で、家族の料理の支払いはあっというまに5000円を超えてちょっとびっくり。その割に量は今ひとつ物足りないというか、味も物足りないというか。

午後にはいよいよ日差しの強さも本格的となってきて、でも精力的にバックドラフト、バック・トゥ・ザ・フューチャー、スパイダーマン、ジョーズと見て回る。
「とにかくジェットコースターはイヤ!落ちるのはイヤ!」
と息子がとことん嫌がったので、 ジュラシックパークと、新アトラクションのジェットコースターは息子に待っていてもらってだんなと2人で乗ってきた。途中、スタート直前のウォーターパレードの「ウェットゾーン」(=容赦なくお客さんに水をかけますよゾーン)を通りかかり、「おもしろそう」と立ち止まったのが災い(?)して、スタッフにバケツの水を真正面から浴びせられたりも。ジョーズもジュラシックパークも水濡れ系で、お約束通りにずぶ濡れになった。楽しかった……。

アトラクションになっているような映画は「バックドラフト」以外は幸いに見たことがあるようなものばかりで、「ああ、久しぶりにジョン・コナーを見たよ」とか「そうそうETはマーブルチョコレートが好きで」とか、懐かしく思い出した。やっぱりターミネーター2は名作だ、としみじみ思ってみたり。

そして、最後の最後に乗ったジェットコースター「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」は、涙目になるほど怖かった。
「……そうか、おゆきさんにとっては"ハリウッド・ドリーム"じゃなくて"ハリウッド・ナイトメア"だったか」
後でそう呟いていただんなはというと、楽しい楽しいヒャッホー!と悦びの雄叫びをあげ続けていた。その横で「やっぱり乗るんじゃなかったー!」と叫び続けていた私。

「たこ焼きミュージアム」にて
 「くくる」のはーふ&はーふセット(大だこ入りたこ焼き5個+チーズたこ焼き4個) \600
 「甲賀流」のねぎソースたこ焼き15個 \600

実のところ、息子にはUSJはまだ少し早かったようで(映画のネタもわからないうえ、アトラクションは恐怖心を煽るものも色々で)、
「落ちる、ってお母さん言わなかったのに、落ちた。うそつき」
と何度も責められた。だからあれはそう見せかけてるだけで、本当に落ちてなくて、乗ったマシンの揺れと映像でそう見せてるだけなんだってば……と言っても、
「でも、落ちた」
と頑なだ。結局「ターミネーター、面白かったけど怖かった。ジョーズは大丈夫だった。スパイダーマンとバック・トゥ・ザ・フューチャーなんか、もう最悪」といった印象だったらしい。

で、ショーにはあまり興味なく(このショーには実のところとても興味があったけど、ショー開始は明日だそうで……旅行の日程が全て決まった後でショーのスケジュール等々が発表された)、すっかり疲れたねと夕方早めにユニバーサルシティ駅前のホテルにチェックインした。小腹が空いたので、すぐ横にあるショッピングモールを歩き、「大阪たこ焼きミュージアム」でおやつ。

「お!"くくる"来てるじゃん、あと"甲賀流"も。ここのにしよう」
とだんながさくさく決めてくれて、お茶飲みながら適当に買ったたこ焼きを皆でつついた。「くくる」は名物の大だこ入りのたこ焼きと、ちょっと不思議なチーズたこ焼き、「甲賀流」は「ねぎポン酢もあったけど、ねぎソースがなんか食べたかった」と、ねぎソースたこ焼き。

関東で(というか、私が住む町で)気軽に買えるたこ焼きというと「銀だこ」なので、たこ焼きと言えば「銀だこっぽいもの」をなんとなく想像してしまっていたのだけれど、あれは独特に固い食感のたこ焼きだったのだなと今更ながらに思い知らされた。どちらの店のも中はとろとろふわん、という感じ。ああ、確かにタコでっかいね、こっちの葱も良い感じ……と、味の異なる数種類のたこ焼きを堪能した。生地の感じとか、「くくる」の方が好みかも。上から粉チーズをかけた、生地にもチーズが入っている「チーズたこ焼き」もすごく好みだった。息子のツボだったようで、あっさり2個奪われる。

ホテル日航ベイサイド大阪にて
 サマーファミリーバイキング(ファミリープラン) \8000
 フリードリンク \1500

「……船乗れば天保山の方出られるよ。でなきゃ電車に乗って、串揚げでも食べに行く?」
ホテルにチェックイン当初はそのくらいの気力が残っていたのだけれど、シャワー浴びてたこ焼き食べたら、「もうお部屋から出るの、いや」という程に疲れ果ててしまった。ディズニーランドほどには広くない印象ではあったUSJ、でも一日歩けばさすがに疲れる。ホテルの案内を眺めていて、
「これで良くない?」
「これで良いかも」
と、入り口階にあるカジュアルレストランのサマーブッフェに行くことにした。

決め手は、外からよく見えた「フリードリンク」コーナーにあった、ビールサーバーと焼酎サーバー、シロップ類がずらりと並べられたチューハイコーナー。ビール、自分で入れて飲み放題なんだねぇ……そりゃいいねぇ……と、ここに来てしまうことにした。ファミリープランは大人2人と小学生1人で8000円、大人2人がアルコール飲み放題で3000円。

次々焼かれるサイコロステーキに、ワゴンサービスのたこ焼きや冷やし中華。テリーヌやハム、サラダ類の冷菜とホワイトソースのニョッキ、牛肉の赤ワイン煮、茄子のムサカ、和風のものも少しずつ色々と、あとは子供たちが好きそうなものもそれなりに揃っていた。
「何から行こうか?」
「……そりゃもう、"ビールに似合うもの"から」
「そりゃそうだ」

息子は早々にうどんに取り組み始め、大人たちはビール傍らに前菜類やヒレカツ、ムサカなどをつまむ。じゃあ今度は焼酎だと芋焼酎をロックで持ってきて、テーブルに今度は「焼酎に似合うもの」を色々と。だんなと2人、お茶漬けコーナーの漬物置き場の前で出会ってしまい、
「あ」
「……同じこと考えてた」
と苦笑い。小皿に漬物を取り、イワシの生姜煮、じゅんさいのゼリー寄せ、ピーナッツ和えミミガーにピクルス、チェダーチーズ……と、「酒の肴セット」を用意した。だんなはお茶漬けコーナーから昆布の佃煮やじゃこの佃煮も見つけてきて「こんなん見つけた」と得意気だ。息子は早々に満腹になって一人部屋に戻っていったので、そこからだんなと2人でだらだらと飲み食いしていた。時々焼きたてのサイコロステーキも持ってきてみたり。

結局ビール2杯に焼酎ロック2杯を飲み干して、良い気分で部屋に帰還。息子と2人で泡風呂を楽しんでから、かなり早めに就寝した。明日は甲子園!

7月27日 金曜日
なんばで、「肉吸、小玉」
「モスバーガー」にて
 テリヤキチキンサンド
 アイスカフェオレ

USJにほど近いホテルに宿泊していた昨夜。今日は早めに梅田付近に移動しなければならず、
「……朝御飯、どうしよう」
「お昼にがっちょり食べるし、ホテルの朝食ブッフェって感じじゃないねぇ……」
と、ホテル周辺をぷらぷら。開いているお店と言えばコンビニかマクドナルドかモスバーガーかという状況だったので、モスバーガーで軽く食べてから電車に乗ることになった。残念ながら、朝食用メニューなどは置いていないお店だ。

ポテト要らないね、1人1個バーガー囓るくらいで充分でしょう、ということで、私はテリヤキチキンサンド。たっぷりのカフェオレと共に軽くお腹を満たしてから、とりあえず今日の宿へ荷物を置きに。

新世界「八重勝」にて
 どて焼 2人で2皿(6本)
 串かつ 家族で3皿(9本)
 玉子、チーズ、鶏から、玉ねぎ、茄子、かぼちゃ
 生ビール(中) 1.5杯

なんば「千とせ」にて
 肉吸 \580
 小玉(御飯の小に卵乗せ) \200

今日は、お昼に串揚げと肉吸、夕方から甲子園、あとは自由、という予定。

じゃあ朝一番のプラネタリウムを見るというのはどうでしょうと私が言い出して、守口の「MOVE21」という施設に行って来た。関東でこの番組を見ようと思うと八王子か大宮か、あるいは筑波か……という微妙なロケーションしか上映施設が存在しないそうなので、比較的簡単に見られる場所にある大阪で見てしまおうじゃないかと。

見終われば、ちょうどお昼時。電車に乗って、今度は新世界に移動。串かつー串かつー言いながら、ジャンジャン横丁にある「八重勝」を目指した。7年前に大阪に来た時にも食べたお店で、やっぱり串揚げ食べるならここが良くない?と、再びここに。7年前はそれほどでもなかった記憶があるけれど、新世界一体串揚げ屋さんだらけになっていた。八重勝は決して「すごく安い」というわけではない(豚とか牛ヒレとか食べようとするとけっこう高い)けれど、どれもこれもちゃんと美味しい。何しろ「どて焼」が超美味しい。

幸い、まだ席が空いていて親子3人並んで座ることができ、座るなり早々に
「どて焼1つ、串かつ2つ、あと生中2つ!」
あなた、実は大阪に別宅でもあって密かに通ったりしてるんですか?という滑らかさでだんなが注文。どて焼きも串かつも、3本セットで300円だ。早速出されたどて焼はビールの肴にして、串かつは息子の側にも「はいこれ君の分」と2本置いてやる。

卓上には一口大にちぎったキャベツの入ったバットと、たっぷり深さ15cmくらいの容器に満たされたウスターソースの器。お客はここにカツをどぼんを自分で漬けて食べる。共有アイテムなので「ソース二度づけ厳禁」と壁にはでかい貼り紙がある。ウサギのようにパリポリキャベツをつまみつつ、今回もあれこれつまんできた。

串かつは、薄切りの牛肉を揚げたもの。どて焼は、牛スジ肉を白味噌で煮込んだ、甘じょっぱいトロリとした口当たりのもの。粘るような濃厚な味噌だれの中、目の前でどて焼の鍋がぽこぽこと音を立てていた。つるんとろんに煮込まれた牛スジ肉が素晴らしく美味しい。

串揚げは、とろんと中が柔らかいチーズも良い感じだし、下味が強めについた鶏の唐揚げも美味しかった。玉子は茹でがのが丸々1個揚げられてくる。
「やっぱり野菜揚げが美味しいよね」
と、玉ねぎは1人1個、茄子を頼んだだんなとかぼちゃを頼んだ私で串に刺さった2切れを半分こしたりもした。歯ごたえを残しつつ辛さのない玉ねぎもとても素敵。やっぱりこの味は捨てがたいとばかりにどて焼と串かつを追加注文しつつ、20分くらいで食べるだけ食べて店を後にした。周囲に似たお店はあるけれど、このお店ほど賑わっているのはこのお店の他ほんの数軒。平日の、ランチタイムには少し早い時間だというのにお店は常に満席で、7割以上の人がお酒を飲んでいるというのがちょっとすごい。

いやー、やっと大阪って気分になったよ。昨日は大阪というより「USJ」だったし、と、初めて通天閣の近くを歩いてみたりしつつ、今度はなんばに移動して「千とせ」(こんなお店)というお店に。周囲は合羽橋と同じような雰囲気の道具街で、探していた模様のお皿をついつい買ってしまいつつ、その店名物の「肉吸」を食べてきた。

「肉吸」とは、牛丼の具だけ……というより、肉うどんのうどん抜き、といった感じのもの。「肉入り吸いもの」の略なのだろうなと思う。ここは大阪なので「肉」と言えば牛肉。豚肉使用のものは「豚吸」という名前になる。注文の基本は、「肉吸いと、卵かけ御飯」という意味で「肉吸、小玉」なるものなのだとか。もちろん普通に「肉うどん」も人気らしい。

「肉吸と卵かけ御飯の小を2つずつ……君は?それじゃなくてうどんが良いよね?」
と、息子はきつねうどん、私たちはその「肉吸、小玉」を。
先の串かつ屋さんでは炭水化物メニューは全くないので、「まぁ、これが飲みの後の"お食事"ってことで」と、お食事にしてはけっこうなボリュームのものをわしわしと食べてきた。

やってきたのは、「小」というサイズにしては大きめな丼に入った生卵乗せ御飯と、漬物の小皿、そしてうどん用のどんぶりにたっぷり満たされたうどんだしと、煮込まれた牛肉、葱の小山。牛肉の下には、半熟に火が通った卵も沈んでいた。

いかにも関西風な、色が薄くしっかりしただしの味のスープにふわふわひらひらとしたごく薄い牛肉が沈んでいる。だしを吸った肉が、噛み締めるほどに味が出てくる感じがして、普通に「肉うどん」でも充分美味しいだろうにあえて「卵かけ御飯」というのが不思議でステキだ。卵かけ御飯というのが、めちゃめちゃ似合う。あ、やばい、似合う、たまらん、と、御飯を口に運んでは肉吸を啜り、肉と葱を囓ってはまた卵御飯に戻り……と、さっきの串かつをお腹の下に追いやりつつ、綺麗にそれらを平らげた。

甲子園球場にて
 焼き鯖寿司
 フランクフルト
 生ビール
 カクテルチューハイ
など、適当に

一度ホテルに寄り、応援グッズを手にしてからいよいよ初めての甲子園でナイター観戦。
梅田から特急に乗ればたったの12分という甲子園の近さに驚きつつ(もっと遠いと思っていた……具体的には、東京から横浜スタジアムに向かうようなものくらいかな、と)、周囲はどこも、一塁側も三塁側もまっ黄色という甲子園の応援席に到着した。

一塁側が阪神ファンだらけというのは当然として、三塁側も阪神ファンだらけ。対戦相手の横浜ベイスターズの応援団は、20m四方くらいのごく小さなブロックに固まって、その前も横もまっ黄色だ。「一度は"ホーム"で応援したい」と一塁側の指定席券を持った私たちは、初めて「阪神戦で、左側にバックネットがある」という状況下での応援になった。いつも三塁が目の前あたりにある席で、「いつも間近に見ているのはレフトを守備する金本です」という状態だったので、「間近に見えるのはライトを守備する林威助です」ということがとても新鮮。

「そっかー、アウェイの席だと、"そーれ向こうにぶち込め、ラーイトスタンドへー♪"が"さーあここまでぶち込め、ラーイトスタンドへー♪"になるんだ……」
歌い慣れないから"向こうへ"になっちゃうよね、こっちなのにね、と笑いつつ、今日も大変に気持ちよくあれこれ歌うことができて、めでたく勝ち試合だった。かなり外野寄りの内野席だったから応援のラッパや太鼓の音もすぐ近くから聞こえてきて、かなり良い感じ。お昼にあれこれ食べ過ぎたので、球場では水分取りつつ軽く鯖寿司をだんなと半分こしたり、フランクフルトを囓ったり。息子は「甘口カレーがあった!」と、発泡スチロールによそわれたカレーを一人買ってきて、それがなんだかとても美味しそう。

幸せに美味しかったのが「カクテルチューハイ」なるもので、葡萄味かグレープフルーツ味のアイスボックスをチューハイに合わせたもの。甘くてさっぱりしていて、しばらく冷たくて、けどただの氷で薄まっていくというわけでもなく、暑い空気の中での観戦にはぴったりな飲み物だった。ついついお代わりしまくり。他の球場にもあれば良いのにね、なんて言っていたのだけれど、これもしっかり「甲子園名物」だったようで。

横浜での観戦でも何度も見ているはずなのに、今日も相手投手は三浦大輔。これはなかなか点が取れそうにないなぁと思っていたのに2点先取し続けて3点追加し、2点取り返されたものの逃げ切って勝利した。桧山も見られたし球児も見られたし、金本はホームラン打つしで、とても良い試合。360度の方向から飛ばされた7回裏と試合終了時のジェット風船がものすごく壮観だった。球場が揺れてました。

7月28日 土曜日
実に楽しい数時間でした(これは賀茂茄子)
梅田「英國屋」にて
 ホットサンド(ミックス)
 アイスカフェオレ

ホテルの近場で朝御飯を軽く済ませようじゃないかということで、朝8時頃外をぷらぷら。そろそろ疲れもピークだし、あまり遠出はしたくないし、かといって
「吉野家の朝定食?」
とかいうのもかなり悲しいし……と、何度か歩いた地下街に英國屋という喫茶店があったのを思い出した。ロゴの下には「大阪・東京・名古屋・京都・神戸」と書かれているので東京にも展開しているチェーン店のようだけれど、あまり目にしたことはない、と思う(新宿のエルタワー、東京の大丸あたりに入ってるようで)。

ワッフルもあるよ、これ良くない?と、入ってみることにした。食券制で、息子はワッフル、大人はホットサンド。ミックスサンドとハムチーズサンドを選んで、2切れ盛られてきたそれを交換しながら食べた。

耳なしのホットサンドで、かなり薄いパンを使ってパン・具・パン・具・パンと5層構造になっていたホットサンド。ミックスにはポテトサラダ、チーズ、ハム、甘いトマトソースなどなどが挟まっていて、想像以上に凝った中身の美味しいものだった。

今日は三宮に移動して、その後は浜松へ。

三宮「ハクサン」にて
 すじ焼(モダン)
 生ビール(中)

三宮「にしむら珈琲店」にて
 ブレンドコーヒー

今日は、東京で何度かお会いしたことのある神戸にお住まいの友人ご一家とお昼御飯。
午後の移動も考えると三宮駅からあまり遠出することもできず、「三宮近郊で、たこ焼きかお好み焼きはどうでしょう」と、おすすめいただいたお店に御一緒した。

昼からビールですか?ビールいっちゃいますか?と、「ハクサン」というお好み焼き屋さんで各自1枚お好み焼きをつつきつつ、ビールを1杯。だんなは店名が掲げられた「ハクサン焼」のモダン、私はどうしても気になっちゃって「すじ焼」のモダン、息子はそばなしの豚焼。息子より数歳年下の友人の息子さんに会うのは今日が初めてだったのだけれど、目がくりくりした照れ屋さんですごく楽しかった。ネタ仕込んできました、と、

おとさん「はーい、しりとりするよー。……うどんー」
息子さん「なんでやねんー」
おとさん「失礼しましたー」

おとさん「しりとり第二段ー。おとさんから行くねー。バナナー」
息子さん「なんでやねんー」
おとさん「はい、"ん"がついたから息子くんの負けー」

目の前で漫才してくれて、息子さんのツッコミの手の角度が実に美しくて大笑い。おお、関西人だね。かっこいいなぁ。

お好み焼きは、厨房でできあがりまで焼いてもらったものを、テーブルの鉄板に乗せてもらう形式。とろんと柔らかく煮込まれたすじが大量に入っていて幸せだった。そばもしこたま入っていて、お腹一杯。

食後はにしむら珈琲に移動して、とりあえず基本のものを飲まなくちゃとオリジナルブレンドをホットで飲みつつ、更におしゃべり。友人が注文していた「モカ・ぺア」というデザート(コーヒーゼリーにアイスクリームを添えて、ミルクをかけたもの)も実に美味しそうだった。

座り心地の良い椅子と明るい店内、入店した時には空席もちらちらあった店内も午後1時を過ぎる頃には満席になっていた。ケーキ類も豊富なようで、もちろんコーヒーもとても美味しい(以前友人からお土産にいただいたことがあり、あまり美味しかったもので通販して家でも現在進行形で飲んでいる)。

久しぶりに訪れた神戸、私は震災後に来たのはこれが初めてだ。
「もうねー、今の中学生は震災を知らない子供達だから」と友人が言うように、一見すると震災の傷跡などは感じられなかったけれど、「道路向こうのビルが、夜になってバタンと倒れてしまった」とか、「あのへんも、もう全部ダメで」などという話が普通に出てくるあたり、神戸の人にとって震災は昔の事ではないのだなぁと思い知らされた。

浜松「弁いち」にて
前菜
田楽 落花生大蒜味噌和え(富士宮)
蛸はす芋酢の物 枝豆とうもろこしかき揚げ 鮑酒蒸し肝あんかけ


牡丹鱧(舞阪)
管牛蒡 白ダツ 木の芽

刺身
伊勢海老洗い(御前崎) 肝醤油

刺身
甘鯛一味鯛(福田産) 昆布〆 煎り酒ジュレ
花丸胡瓜 おかひじき

煮物
賀茂茄子(賀茂茄子研究会)
海老万願寺唐辛子あんかけ

焼き物
太刀魚焼き目昆布蒸し(福田産)
割りポン酢

ご飯
鮎ご飯(気田川)

デザート
メロン(袋井) ポルト酒ゼリー
 

磯自慢純米大吟醸愛山
十四代特吟愛山
八海山金剛心
菊姫鶴乃里平成16
村祐 純米大吟醸雅 亀口取り
梅の宿吟醸昭和62年生酒 常温熟成
奥播磨鑑評会金賞受賞酒
黒龍石田屋

で、夕方到着を目指して浜松に移動。
「新型新幹線の切符が取れたー」
とだんなが騒いでいた、N700系に乗って名古屋に移動し、一度乗り換えて浜松を目指した。少しばかり席が広くなり、テーブルはすごく広くなった。車両の隅の席をだんなが抑えてくれたのだけれど、そこにはパソコンなどに使えるコンセントまでついている。のっぺりした先頭部分は、"700系アヒルちゃん"とは違い、カモノハシのような感じ。揺れも少なく快適だった。何しろパソコンが不自由なく置けるのが気持ち良い。

駅前のビジネスホテルにチェックインして一度シャワーを浴びた後、夕食に訪れたのは「弁いち」さん。

「友人のブログのコメント欄」という不思議な場所が縁となり、2年ほど前からホームページの更新のお手伝いをしている割烹料理屋さんなのだけれど、ずっとずっとメールでしかやりとりをしていなかったのでお顔を拝見したことがなければ声すら知らない……という状況だった2年間。

2年続けてお正月にお送りいただいたおせち料理はどれもが素晴らしい美味しさで、「お店に行かなきゃ、絶対行かなきゃ」と思っていたのだった。今回、大阪に旅行ということで「帰りに途中下車できるじゃん!」と、さっそく予約。大阪滞在も楽しみだったけれど、浜松に寄るのもものすごく楽しみだった今回の旅行なのだった。

こんな、食べることとお酒を飲むことが大好きではあるけれど、普通に吉野家が好きだしファーストフードもまんべんなく食べるし、どころか好きだし(王将も好きだし……)という、悪食気味のおっちゃんおばちゃんのどこがご主人の琴線に触れてくれたのか本当に不思議なのだけれど、ご主人、私たちが伺うのを楽しみにしていてくれたらしい。
私たちにはもったいないほどの大変な食材の数々と、眩しくて直視できないような日本酒の品揃えが待ちかまえていて、数時間「おいしい」「おいしい」「ボキャブラリーが貧困なのが悔しい」と、ひたすら「おいしい」ばかりを連発することになってしまった。

上に記したのは、「多分後半は酔っぱらっちゃって、絶対間違った銘柄とか書いてしまいそうだから」とご主人にまとめていただいた献立とお酒の内容。

最初から最後まで隙なく仕事がされた、でも食べる人に緊張を強いるような皿でもなく、押しつけがましい感じもない料理の数々。
ハモが美味しい、伊勢海老が美味しい、いやでもこの賀茂茄子ときたら!と、「美味しかったもの」がどんどん上書きされていって、最後の鮎御飯の頃には「もう言葉もございません」という感じ。
この料理にはこんなお酒を……と、ご主人自ら酒瓶持ってうきうきとお酒を勧めに来てくださって、お酒も大変に堪能させていただいた。……というか、どの酒もどの酒も「こんなの、拝見したこともございません」というものばかりで。

最初にビールをごく軽く1杯いただきつつ箸を伸ばした前菜は、「まず、あったかいものから食べないとね」と最初に手を伸ばすべきところにあったものがビールに似合う枝豆ととうもろこしのかき揚げ。サクサクと香ばしく、枝豆ととうもろこしそれぞれの甘さが感じられるかき揚げの横には田楽と蒸し鮑。甘苦い肝のソースがかかった蒸し鮑は、びっくりするほど柔らかく、その仕込み時間もびっくりするほどのものらしい。にんにく味噌和えの落花生もビールのアテだよねぇ……とつついているうちに日本酒もやってきて、これを舐めつつこの料理、あれを舐めつつあの料理、と口も箸も大変に忙しいことになった。

日本酒は、「これが吟醸香というものか」とつくづく思い知らされたものあり、非常にわかりやすい方向の辛口端麗なものあり、「すず音」系の柔らかいものながら甘ったるいだけではないきちんとした存在感のあるものあり、「"似たようなもの"すら口にしたことがございません」という不思議なものあり。口に含む前と含んだ後の印象が全く違う、「良い意味での裏切り」を感じたお酒もいくつもあった。

だんなは、「常温熟成の生酒」という、ある意味放置プレイの酒(ある意味じゃなく放置プレイ……?)を旨い旨いと喜んでいた。昭和62年の酒ともなると、もう「日本酒」ではなくシェリー酒などに近いものがある。樽のような木の皮のような香りが出た、琥珀色のお酒だった。

私が「もしもこの中の一本、持って帰って良いよと言われたらこれ選ぶなぁ」と思ったのは「菊姫鶴乃里平成16」。山廃純米の、味も香りも存在感も「強い」お酒。日本酒が苦手な人にとっての、おそらくはその苦手な面がこれでもかと強調されたようなお酒で、口に含む前から酔うことができるような芳香があった。柔らかい味の茄子が不思議と似合って、賀茂茄子囓りつつ菊姫をくいくいと。「全く方向の違う2種類を飲み比べてみてください」と出していただいた「村祐」が良家の箱入りお嬢さんのようなお酒(これも不思議と強く印象に残るお酒で)だったので、ますます鶴乃里が百戦錬磨の熟女のような存在に感じられた。

ああ、磯自慢も十四代も黒龍も、どれもこれも美味しうございました。

料理のお話に戻って、プリップリの伊勢海老に添えられていたのはその肝を使った醤油。醤油自体にも手を加えられているとのことで、濃厚な肝の風味が溶けた醤油はくどさもえぐみもなく、ただただ深く甘い味。「下げちゃダメです」とばかり、お刺身の皿が下がった後も肝醤油舐めつつお酒を飲んでいた。ふわっと独特の酸味が漂う、しっかりした味の煎り酒のジュレがかかった昆布〆の鯛も、キュッとした口当たりなのに囓ればとろんと溶けていくよう。そして次に来たのが、おっきな賀茂茄子だった。

だしをこれでもかと含んだ賀茂茄子の上には、地物の海老、色鮮やかな2色の万願寺唐辛子。肉系のだしではないというお話なのに、肉を口にしているようなこってりとした濃厚さが感じられた。柔らかいのにぐずぐずに崩れることのない大きな賀茂茄子は、かなり稀少な存在の「まぎれもない賀茂茄子」なのだそう。

最後の焼き物は、びっくりするほどの大きさの太刀魚だった。
通常、私が買い物しているような場で目にすることのできる太刀魚の、軽く3倍ほどの胴回りのある太刀魚は、まるで別の魚のよう。表面の輝く銀色の皮は間違いなく太刀魚で、多分こういうサイズのものだったのじゃないかな、と。

予約していたからといって水揚げの保証は全くない立派な(立派すぎる)メインディッシュに、全員が本当にびっくりした。
「やっぱりねぇ、これを一口ちょびっと……という風にはいかないでしょう?」
皆さんお若いし、食べられるかなと思って……と出していただいたその皿もまた豪華な盛りっぷりで、しばしお酒の存在も忘れる勢いで太刀魚をつついてしまった。

こと食材に対しては「大きいことは良いことだ」と一概には言えないものではあるけれど、太刀魚については「大きいことは良いこと」という理解で良いらしい。驚くほどの脂の乗りっぷりで、どこもかしこもホロホロと柔らかく味わい深い肉だった。太い骨にまとわりつくような透明がかった肉もしゃぶりつくす勢いで平らげる。……ていうか、こんなに太い太刀魚の骨というのも、なんだか不思議だ。大きな鯛とか、はまちとかを食べている感覚だ。

最後は鮎ご飯、蟹のだしの、卵豆腐入りのお味噌汁、そしてポルト酒の香りが漂うゼリーをかけた甘い甘いメロン。
子供の席には、子供用にとお願いしていたお食事セットも並べられていて、鶏団子に卵焼き、大きな海老のフライに鮑、茄子、そしてアンガスビーフのポルト酒ソースステーキ、しらすを炊いたものを乗せたご飯にお味噌汁……と、これまたかなりな御馳走が並べられていて、息子はすごい勢いでそれらを平らげてしまっていた。こればかりは大人と同じものがやってきたメロンも、「メロンだ!」と一気食い。

土曜の夜のお座敷は盛況だったようで、そこかしこの部屋から賑やかな声が聞こえてきていた。
今度は冬に伺います。美味しい根菜と、ジビエと、あん肝と唐墨!と宣言して、夜風のなか酔いを冷ましつつ歩いてホテルに帰還。
浜松の夜は、この旅行一番の豪華なものになった。

7月29日 日曜日
てんねんうなぎ!!!
「ロイヤルホスト」にて
 モーニングスープセット

昨夜あんなに飲み食いしたのに、実にあっさり朝、お腹が空いてしまう私たち。
「お昼の予約、早めだけど……」
「でも食べておかないと、多分保たない」
外に食べに行きましょうそうしましょうと浜松駅前に出て、目についたロイヤルホストで朝御飯にすることにした。ごくごく軽く、モーニングスープセット。

具沢山の野菜のスープに薄切りトースト1枚分、そしてドリンクバーというセットで、パインとパッションフルーツのジュース、アッサムティーなどを適当に持ってきながらさらさらっと平らげる。俺も軽くするよ、と言っていただんなが、フィッシュフライのセット(タルタルソースつき)とかだったのは、多分気のせいだ。

浜松「うな正」にて
 うなぎ肝焼 \500
 ぬか漬け(水茄子)
 う巻き細巻 \850
 天然うな重(前菜・ぬか漬け・デザートつき) \6000
 日本酒(蓬莱昇竜 特別限定酒)

浜松はこれが初めての私たち。「うなぎパイ工場行こう」「鰻も食べよう」「ついでに温泉も」と、精力的な浜松巡りの一日になった。

最初に目指したのは春華堂にてうなぎパイ工場見学
予約して、説明を聞きながら30分ほどの工場見学をしてきた。

うなぎパイに鰻の粉が入っているのは知っていたけど、前半の工程がほぼ手作業だったことにちょっとびっくり。
ほとんど全てが機械化されている菓子作りかと思いきや、パイ生地の"玉"を作る最初の段階と、焼く直前の折パイ生地の作成まで、それは全て人の手で作られているのだそうだ。工場中に甘いパイの焼ける匂いが漂ってきて、なんともお腹の空く感覚のする数十分。お土産にミニパイ3個入り袋をもらい、併設の売店で、規格外としてハネられたパイの徳用袋をお土産に買ってきた。続々とパイが焼かれて出てくるオーブンのラインが6本、みっちりと稼働していたのはものすごく壮観な光景だった。

パイ工場見学を終えると、そろそろお昼御飯。「浜松だからといって鰻が美味しいというわけではない」とは聞くけれど、「弁いち」のご主人が以前絶賛されていた、「うな正」は、すごく気になっていたお店。天然鰻なんて、食べたことがない。「養殖とは別もの」ということだけれど、どう別ものなのか想像もつかない。「できれば天然、食べさせてください!」と弁いちさんに口を利いていただいて、予約を入れてもらった。折しも「7月30日は土用の丑の日」という大変なタイミング。それでも「天然鰻は確保します!」と言っていただいて、他にも数品一品料理をお願いしておいた。

利き酒師の二代目ご主人が「今おすすめの冷酒はこの3種類……」と勧めてくださった中から、私は「蓬莱昇龍」(瓶のシールに"なんとか特別限定品"と書いてある……)というものを、だんなは純米大吟醸の「御湖鶴」をグラスで少しだけいただきつつ、肝焼とう巻き、水茄子のお漬物を。

このお店のぬか漬け、なんと27年もののぬか床なのだそうで、めちゃめちゃ気になっていた。鰻重を注文すればもれなく小さな盛り合わせが食べられるとのことだったけれど、季節の水茄子の漬物だけ、別にいただくことに。適度に漬かった、シャキシャキした歯ごたえも残る茄子は、塩気の中に甘さがじわじわ染み出てくるような美味しさだった。小ぶりな風の、コリコリした肝焼きもとても深い味。どれもこれも「鰻重楽しみだなぁ」に通じる味ばかりで、うきうきしてきた。

鰻重についてきた前菜は、汲み上げ湯葉にかぼちゃのあんをかけた冷たくとろりと甘いもの。そしてぬか漬けは、きゅうり、人参、蕪、ズッキーニ、山芋、じゃがいも、ふき、大根、そして沢庵が1切れずつ盛り合わされていた。食後にはほうじ茶と豆乳の一口サイズのほろ苦い羊羹。天然鰻の鰻重に限らず、子供用に注文した小うな丼(鰻のサイズが半分、1400円)にも前菜とぬか漬け(こちらはミニサイズ)、デザートはついてきていた。なんだかとてもお得な感じ。

そして、おいでましました、天然鰻の鰻重!!
見た目で「お、これは天然!」とわかるほど鰻を食べているわけではないから、見た感じは「おお、これが……」という印象でしかなかったのだけれど、焼いた鰻の、あの独特の香ばしい脂が焼ける匂いが強い感じがする。口にしてみて驚いた。舌にもったりと来るほどの脂が乗り、その脂が少しもくどくない。甘さを感じる脂の味で、でも後を引くネトネトした油っこさではない感じ。少しばかり野趣が感じられる、味の濃い鰻だった。

「天然鰻は、"養殖のものを美味しくした感じ"というのとは全然違う」と事前に伺ってはいたのだけれど、確かにこれは全く別の種類の鰻と言っても良さそうな気がした。このお店は関西風の鰻のお店なので、脂を落とす感じで蒸した関東風のふわっとした食感とは異なり、誤解を恐れず表現すれば「ごわっばりっ」という感じ。かといって口当たりが固いとかいうことはなく、独特の弾力があるのにゴムのように噛みきれないということもなく、絶妙の歯ごたえだった。

天然鰻の値段はいわゆる「時価」。多少高くても、と覚悟はしていたのだけれど、この季節はどうしても割高になるとのことで鰻重が6000円だった。手頃な価格の時には3500円くらいになったりもするそうで、そういう価格の時にまた食べたいなと思いつつ、天然鰻でなくとも、このお店でいただく「共水うなぎ」は養殖の中でもとても美味なものなのだとか。今度は共水も良いね、こちらも食べてみたいよねと話しながら店を後にした。

食後は浜名湖畔に移動して、温泉ホテルの日帰り入浴に立ち寄ってから、新幹線で帰路につく。
どこもかしこもお土産ものは当然鰻だらけで、ついつい「肝の佃煮」などを購入。美味しいと良いなぁ。

「日高屋」にて  ニンニク餃子
 唐揚げ単品
 味噌ネギ冷し麺
 生ビール

温泉入って、新幹線の中でビール飲んだら、もうぐにゃんぐにゃん。とりあえず急いで家に帰ろうと、最寄り駅まで戻ってきて、
「……なんかこう、肉が喰いたい」
「ああ、わかる……鶏の唐揚げとか、食べたい」
「あと、麺だよな。この数日全然麺類食べてない」
「ああー、私、冷やし中華とかが良いなぁー」
そんな話しつつ、結局駅前にあるチェーンラーメン屋「日高屋」に寄り道して帰ることにした。
ビールと餃子、唐揚げをだんなと半分こ。あとは、限りなく胡麻だれ冷やし中華に近い感じの「味噌ネギ冷し麺」をつるつると。

家では金魚とカブトムシたちが無事に帰宅を待っていてくれて、急ぎ餌などやりつつ、明日には大量の洗濯が待ちかまえている。充実した3泊4日の旅行だった。

7月30日 月曜日
息子リクエストの麺料理。
「アンデルセン」の
 ソフトフランス
 スパンダワー
アイスカフェオレ

旅行疲れで「今日は勝手に目が覚めるまで寝ていよう」と思ったのに、実にあっさり7時頃に目が覚める。そういえば今日はゴミの日だったっけ、あと洗濯も始めないと、天気悪いし何回転乾燥機を回さなきゃいけないやら……と、重い腰を上げてとりあえずそのあたりを細々と片づけた。息子が起きてきたのは8時過ぎ、だんながようやっと起きてきたのは9時半過ぎ。ちょっと遅めの朝御飯になった。

昨日、大荷物抱えての帰宅途中、パン屋さんで朝ごパンを買ってきた。閉店間近でそろそろ品揃えも少なくなっていた時間帯、好みな感じのしょっぱい系パンが今ひとつなく、ついつい甘いものを選んでしまう。ひとつはお気に入りのソフトフランス、もう一つは「スパンダワー」という品名からは今ひとつ想像できないけれど、カスタードクリームのデニッシュ。

「しまった、両方甘いよ……」
選んだのは他ならぬ自分なのに、今日の朝になってみて息子のベーコンチーズパンやだんなのカレーパンが少し羨ましくなる。
今日は午前中から雷がゴロゴロ鳴っていて、不穏な天気。旅行中にも何度か夕立などがあったらしく、ベランダの草花はどれも一通り元気な様子でひと安心。

「CoCo壱番屋」の
 豚しゃぶほうれん草カレー
麦茶
うなぎパイ

今にも降り出しそうな空の下、雷が四六時中ドンゴロドンゴロ言っているところで
「……夕飯の食材買いに行かなきゃ……」
今行かなきゃヤバくない?いや、今行ってもヤバいっしょ、夕方まで待ったら晴れにならない?いや、天気予報だとずっと雨だってよ……と、だんなとやいやい話し合って「とりあえず買い物行こう、今」と2人で自転車こいで近所のスーパーへ。紙一重のタイミングだったようで、さぁ色々買ったぞお家に帰るぞ、というところでものっすごい土砂降りになった。

もう笑うしかないほどの大雨の中、びしょ濡れになって帰宅。傘を持って歩いて買い物に行っていたとしても、どのみち下半身はずぶ濡れだろうというほどの大雨だったので、いっそ気持ち良いくらいだった。……結局雨は夕方には綺麗に止み、私たちは最悪のタイミングで買い物に出かけたということになったらしい。

昼御飯は、大阪で買ってきた豚まんにしようかと話していたのだけれど、
「カレー……喰いたいなぁ」
のだんなの一言でココイチに決定。なんでもだんな、甲子園球場からずっと「カレー喰いてぇ」と思っていたらしい。

甲子園、一塁側内野席に入るところにカレー販売のスタンドがあった。
「通るたびにすっごい旨そうな匂いするんだよー」
あとで絶対食べるんだ俺は、とだんなはうきうきしていたのだけれど、応援に夢中になっている間にあっけなく閉店してしまい、だんなは結局カレーを食べられなかったのだった。息子は試合開始後早々に一人で買い求めに行き、「甘口カレー、ちゃんと売ってた!」とそりゃもう美味しそうにカレーを平らげていたのだからだんなは余計にカレー心を募らせてしまったのであるらしい。

私はなんとなくピラピラした感じのカレーが食べたくて、豚しゃぶカレーにほうれん草をトッピング。
薄切り肉と茹でたほうれん草が期待通りにピラピラとするカレーでとても満足だった。だんなの頼んだゴージャスなビーフカツカレーも少しもらいつつ(初めて"1辛"を食べたけど、思った以上に辛かった……)、でもカレーはポークが好きだなと再確認していた私。

鶏肉とブロッコリーのクリームソースパスタ
ミックスリーフのサラダ
コーンスープ
ビール(ザ・プレミアム・モルツ 黒)

昨日、「麺が食べたいね」という話をしていたとき、後ろで飛び跳ねながら
「だったら、僕は、クリームのスパゲティーがいいなー」
と呟いていた息子。いや今日はラーメンになりました、と、昨夜は実にあっさり却下してしまったので、そのお詫びも兼ねて今日の夕御飯は注文どおりのスパゲティー。少しチーズを加えた、鶏肉のクリームソースパスタにした。いつも通りに、クタクタに茹でたブロッコリー入り。

一口大に切った鶏肉も、ブロッコリーも、麺と一緒に茹でてしまい、別鍋にバターを少し、おろしにんにくを少し落としたところに生クリーム1パックを加えて温める。少し煮詰まったところで茹であがった麺と具を絡めてできあがり。生クリームの鍋に少しだけピザ用チーズとおろしたパルメザンチーズも入れてみた。更に上から粉チーズと黒胡椒をかけてできあがり。
ソースにチーズを加えたおかげもあって、なかなかに濃厚なパスタ料理になり、息子はしっかり喜んでくれた。

7月31日 火曜日
お祝いシャンパンと焼き鳥。
「551蓬莱」の豚まん
麦茶

先日の大阪旅行、神戸を発って浜松に向かう日に、かなり無理めな方法で551蓬莱の豚まんを買い込んだ我が家だった。

蒸された温かい豚まんを三宮駅前の売店で購入し、数時間後に浜松に到着してからホテルの冷蔵庫へ。その翌日は一日常温で持ち歩き続け、そして我が家に帰ってきたのだった。真夏にこんなことして大丈夫かなと思いつつ、でもお土産豚まんは外せない。ダメだったらそれはその時、と覚悟しながら、今朝蒸して食べてみた。…… ん、大丈夫っぽい。

「わ!豚まんだね?551だね?」
息子もこの豚まんは大好物らしく、「2個じゃなくて、1個なの?」と言いつつ蒸かしたての豚まんをもぐもぐと。皮の風味といい、肉あんの味といい、やっぱりこの豚まんが美味しいわぁ。

「ファーストキッチン」にて
 ベーコンエッグバーガー
 ポテト(M)(チーズ)
 アイスティー

今日はだんなの誕生日。何食べたい?よっぽど無理なものじゃなきゃ何でも作るよ、エスニックでも中華でも……と昨日話していたのだけれど、
「だらだら飲みたい」
と。刺身に枝豆、きゅうりに魚肉ソーセージに、あと鶏の唐揚げ?などと呟きはじめ、誕生日ディナーがそんなもので良いのかと脱力する私。

じゃあ、いっそ串揚げでもする?大阪で食べてきたばかりだけど、家でチーズとかウィンナーとか野菜とか牛肉、鶏肉なんかを揚げたてで……と相談しているうちに
「あ、そういえばさ、誕生日に与志万行ったら、お祝いでシャンパン貰えるんだったよ」
とだんなが声をあげた。銀座にある焼き鳥屋さんで、ここ数ヶ月ばかり何かにつけ「与志万行きたい、与志万行きたい」と騒いでいた私。「だらだら飲む」のテーマにも近しいし、あの絶品釜飯をまた食べたいしで、結局今日は与志万でお祝いディナーということになった。夕飯だけのために都心に出るのも何だかもったいないので、ついでに息子と2人映画でも見てぷらぷらしようということに。

仕事だなんだで結局家を出たのは昼御飯時を少し過ぎた頃になってしまい、乗換駅にあったファーストキッチンで軽めのお昼御飯ということになった。
息子と半分こしたポテトは息子のリクエストのチーズ味。私はベーコンエッグバーガーで、息子はカルボナーラスパゲティ。ファーストキッチンでパスタを頼んだのはこれが初めてだったのだけれど、思っていたよりまっとうな感じのカルボナーラスパゲティが出てきて少しびっくりした。ちゃんとベーコンが入り、クリーミーなチーズソースが絡んだソースに息子は喜び、私は超定番メニューのベーコンエッグバーガーにいつも通りの満足。

銀座「与志万」にて
 やきとりサービスコース \1890
 かわ \210
 ナンコツ \263
 ねぎ \189
 穴子釜めし \893
 生ビール
 お祝いシャンパン

で、息子と見てきたポケモン映画、「ディアルガVSパルキアVSダークライ」。最近はポケモンではなくジャンプ系漫画の方に御執心な様子に見えた息子だけれど、やっぱりポケモンはポケモンで別格な存在らしい。席から身を乗り出す勢いで、真剣に画面を見続けていた。

メディアミックスに長けたポケモンの映画らしく、映画放映の前後では「客席でDSゲームにポケモンをプレゼント」などというキャンペーンも実施中。今映画に初めて出てきたポケモン「ダークライ」を受け取れるのだそうで、そこら中の席で子供達がニンテンドーDSを立ち上げていた。客席はさほど混雑していなかったけれど、ポケモンは相変わらずの人気らしい。

そして夕方、銀座に移動して焼き鳥屋さん与志万に。

このお店、初めて来たのはもう10年ほど前の事だったと思う。都内に住んでいた頃に
「焼き鳥食べたくない?銀座あたりで」
「うかつに知らないお店入ると高そうだよね」
と、手持ちの『Hanako』を捲って「ここ、釜飯美味しそう、そんなに高くなさそうだし」と目星をつけて行ってみたお店だった。

情報誌に載るお店は玉石混合という感じだけれど、この時の選択は大当たりだったようで、すっかり気に入ってしまったこのお店に以来ちょくちょくと足を運んでいる。価格も良心的だし、何しろ美味しい。とろけるような臭みのないレバーも、コリッとしな砂肝も最高だし、シメの釜飯の存在がたまらない。通い始めた当初はお酒の品揃えがあまり充実していなかったのが難だったのだけれど、ここ数年は多くの焼酎がメニューに並ぶようになってますます嬉しいことになってしまった。私はほぼ1年ぶりの与志万で、とても楽しみ。

誕生日なんです、と予約しておいたので、最初のビールを飲み干してすぐ後に「来店当日が誕生日の方へのサービス」のハーフサイズのシャンパンがテーブルにやってきた。「シャンパンと焼き鳥」なんて組み合わせは、いかにも今風な気がしないでもないけれど、これが不思議とあっさりしていて口当たりよく楽しめてしまい、ついつい杯を重ねて早々に飲み干してしまった。

焼き鳥は、「レバー、正肉、砂ぎも、つくね、手羽先、うづら玉子、ピーマン、ぎんなん、とりスープ」がセットになったサービスコースと、コースに含まれない皮や軟骨などを単品でいくつか。息子にも正肉やつくねあたりを注文してやり、そして忘れちゃいけないのが早めに注文を入れておかなければいけないシメの釜飯。

やっぱり外せないのは絶品のとりそぼろが乗った「とりそぼろ」「五目」なのだけれど、「鮭」「かに」などの塩味系の釜飯もかなり美味しい。冬季限定の「かき」なんてめちゃめちゃ美味しい。ストイックに「竹の子」「しいたけ」といったものもあり、他には「えび」「穴子」など。
「ぼかぁね、とりそぼろをお腹一杯食べたいのです」
というだんなが「とりそぼろ」を注文し、じゃあ私は味の傾向を変えて、と、「穴子」にしてみた。たっぷり1.5合分くらいはあると思われる釜飯なので、2つ注文して家族で分け合いつついただいた。

みっちみちに圧縮して串に刺したところを、脂を落とす感じでこんがり焼きつけた「皮」も相変わらず絶品だったし、中まで味がしっかりついているつくねの味も相変わらず。テーブルには出来たての焼き鳥がぽつりぽつりと次々出され、焼きたての串を堪能しながらのお酒は最高だった。

お店は広くなく、カウンター席の他には4人がけテーブルが1つと6人がけテーブルが1つ、そして4人用の小あがりが1つだけ。新しいビルの中に入っているお店のような、高い天井やゆったりした客席とは無縁の空間なのだけれど、なんとも好きなお店なのだった。そういえば息子をベビーカーで連れてきて、店頭に畳んだベビーカーもたせかけて入店したこともあったっけねぇ……なんて思い出しつつ今や普通に1人前をぺろりと食べそうな勢いの息子と共に、だんなのお誕生日祝い。今年のお祝いは、「浜松の食事は私が全部おごるから!」という感じだったのだけれど、それとは別に変なTシャツも数枚プレゼントしてみた。