食欲魔人日記 04年06月 第3週
6月14日 月曜日
ナンジャタウンで、揚げ餃子♪
「ヤマザキ」のソースメンチカツバーガー
牛乳

昨日、大変に怪しいものをスーパーで発見し、思わず買ってきてしまった。
特売だったそれは、ヤマザキの「てりやきハンバーガー」「肉じゃがコロッケバーガー」「ソースメンチカツバーガー」などなど。1個99円だった。

「うわー、ハンバーガーだってよ」
「1個99円……怪しい……」
「……話のタネに、買ってみようか?」
「うん、1人1個食べられるだけの種類もあるしね」
おっかなびっくり、「俺はてりやきバーガー」「んじゃ、息子はコロッケだよね、私はメンチカツということで……」と買ってきてみたのだった。レンジでチンして、牛乳を傍らにもぎゅもぎゅと。

うーーーーーーん、やっぱり、99円バーガーは99円バーガーでしかないというか。なんともいえないジャンクな味の、やっぱり怪しいハンバーガーだった。苦笑いしてしまいながら、お互い交換して味見してみたりして。まずおいしいというか、何というか……。

池袋「ナンジャタウン」にて
 餃子スタジアム「歓迎」の
   羽根付き餃子 357円×2
   小龍包 577円

 餃子スタジアム「来らっせ」の
   宇都宮餃子盛り合わせ 360円
   幻の揚げ餃子 420円

 「焼窯ベーカリー」の手作り☆マンゴープリン 304円
 プリン博覧会「シンドー」の新鮮プリン(マンゴー) 350円
 プリン博覧会「フランツ」のまんごプリン 480円
 プリン博覧会「春夏秋冬」の信州ぜいたくプリン
 アイスクリームシティ「オリエンタルの青い月」のドンドルマアイス

……などなど、あれこれ皆で。

今日は、昨日の"親子おたのしみ会"の振り替え休日ということで、息子は幼稚園お休み。更に県民の日ということで明日もお休み。
「んー……どっか、遊びに行く?でも、ディズニーランドはイヤだ……混みそうだし……」
あれこれ考えたあげく、
「池袋のナンジャタウンはどうよ?」
という思いに至った。あそこなら、息子もきっと楽しかろう。私も、ディズニーランドよりはこっちの方が好きだったりして、何よりも先週末から「プリン博覧会」なるイベントが開催中なのであるらしく、気になっていたりしたのだった。

……で、だんなも"振り替え休日"。平日だしさー、オードリー展、週末はめちゃめちゃ混雑するらしいから、この機会についでに行っちゃわない?と誘ってみたら、「じゃあ、俺も一緒にお出かけしよう」と言ってくれたのだった。というわけで、盛りだくさんの1日。12時間近く、歩いて歩いて動き回って帰ることになった。帰りの電車の中では白目剥いて寝てしまうほど疲れてしまったさー(でも満足)。

まず目指したのは、渋谷Bunkamuraで開催中のTimeless Audrey展。幼少時の写真から、晩年のユニセフ活動の記録や写真、映画で着用したドレスやプライベートのイブニングドレスまで、とにかくオードリー・ヘップバーンに関するあれやこれやを集めた展覧会だ。開館直後に行ったというのに、十数個の小さな島に区切られた会場内のそれぞれは早くも大混雑。足を止めたくなるVTRや"読み物"(友人からの手紙とか、説明文とか……)がなかなか多いので人の流れもそれほど早くなく、週末の大混雑が確信できる平日の午前中だった。あー、かわいいねぇ、綺麗だねぇ、とうっとりしながら見て歩く。晩年、年相応に皺も増えていくオードリーだけれど、その"おばあちゃん"な姿もまた輝いていた。最後の最後まで笑顔が似合う人だったんだなぁ〜と、色々感じさせられる展示だった。客層は、「私、オードリーヘップバーンを見て青春時代を過ごしたのよね」という、オードリー誕生後10〜20年くらいの間に生まれたであろうおばちゃんたちが9割ほど。案外と男性客の姿は少ない(平日だしね……)。若い人も案外と多くはなかった。

「ステキだったねぇ……」
「展覧会のパンフ、買って行こう」
会場を出ると真夏のような気候で、そのまま池袋に移動。もう4年ぶりくらいになる久しぶりなナンジャタウンを訪れた。ナムコの屋内型テーマパークで、以前は遊ぶもの一辺倒だったのだけれど、ここ3年くらいのうちに「餃子スタジアム」だの「アイスクリームシティ」だの、遊戯施設の一部を取り壊してはちっちゃなフードテーマパークを建設しまくっている。で、現在はそれに加えて更に「プリン博覧会」なんてものをやっているのだった。最近フードテーマパークの運営にナムコはご執心なようで、「自由が丘スイーツフォレスト」も「横濱カレーミュージアム」も「明石ラーメン波止場」もナムコが運営しているらしい。コンセプトは良いと思うのだけど、どこ行ってもセットが微妙にちゃちいのよねぇ……と私は密かに思ってしまっているのだった。

ともあれ、久しぶりのナンジャタウンに半額割引クーポンを使ってのパスポートで入場。安く入れて遊べるのは良いけれど、何かと「これをしたかったら現金で1000円」とか「このカードを使うと次回その続きからできるけど、カード購入に300円」というのがやたらと多くなっていて、「んー……カード作ってみたい気もするけど……とりあえず餃子を食べるか」と、ちょっと遊んでみては近くに並ぶお店で餃子食べたりしていた。

「餃子スタジアム」には現在12軒のお店が入っていて、更にはテイクアウト専門の冷凍冷蔵のご当地餃子コーナーもある。パンフレットなどを見ながら
「うーん……ここ、入ってみようか?」
と、最初に入ったのは「歓迎(ホワンヨン)」という、鎌田に本店のあるお店。もっちりと歯ごたえのある皮の"羽根付き餃子"を2皿と、息子のリクエストによる小龍包を。小龍包はふやけすぎて皮が破れてしまうものが多く、いまいちだったけれど、ねっちりもっちりした餃子は食べ応えがあって、なかなか美味しかった。肉汁たっぷり。

で、蚊退治のアトラクションなどこなした後に、宇都宮餃子会の「来らっせ」という店に。ここでは曜日と時間帯によってあれこれ組み合わせが変わる宇都宮各店の餃子が2個ずつ3店の盛り合わせで食べることができる。私たちが入った時間は「龍門」「宇都宮餃子館」「幸楽」というお店の組み合わせだった。それ1皿と、新発売らしい「幻の揚げ餃子」というのも1皿。
「はーい、こっちから、龍門、餃子館、幸楽という順になっておりまーす」
と店員さんに伝えられ、焼きたてほやほやの餃子を「えっとー、これが、餃子館?」とか言いながらだんなと半分こしてつついてみる。あー、こっちはけっこう淡泊だね、とか、こっちは肉汁たっぷりで香ばしくて美味しいね、とか、あれこれ堪能できた。幸楽のが好みだったような気がする。辛子マヨネーズをつけて食べる揚げ餃子も、揚げたてサクサク、青じその風味がたっぷり漂ってくるものだった。香ばしくてうまー(青じそは実は苦手なのだけれど、でも、うまー)。

餃子を食した後も、「福袋探偵大學」やら「ナジャヴの大冒険」やら「もののけ探検隊」やらを楽しんでみる。どれも小さなぬいぐるみ(というか、オブジェ?)を持ってパーク内を移動して、それ用のミニイベントコーナーに立ち寄りつつ進めていくものなのだけれど、息子はその"オブジェを持って歩き回る"ことが楽しい様子。お化け屋敷がテーマの、オドロオドロした雰囲気の薄暗いゾーンもあるのだけれど、息子はなんてことない顔でついて歩いていた。中には、泣いちゃってもうそのゾーンに足を踏み入れられないお子さまもけっこういたりして。で、私もちょっと怖かったりして……。

そんなことをしながら、合間にはプリンやアイスをたらふく。全国各地から取り寄せたプリンがずらずらずらーっと冷蔵ケースに並ぶ「プリン博覧会」からマンゴプリンを何個か買い求め、だんなが選んだカスタードプリンや息子が買ってきたトルコアイスと交換しながらいただいた。プリンコーナーは、すごかった。見たことないものばかり、200種類くらいも用意されていて、「うっわー、名古屋コーチンプリンだって。あれが気になる……ああ、あっちの北海道ふらのプリンとかいうのも美味しそう……」と、目移りしまくり。プリンに関することならここ!の有名サイト「いいなプリンワールド」の管理人さんは私の大学時代のサークルの後輩だったりするのだけれど、全部食べたことがあるのかなー、あるんだろうなぁ、と、気になっちゃったりして(なにしろモットーが「1日1プリン」だし)。

5時過ぎて、パークを後にする頃には、もうへろんへろんに疲れていた。このテーマパークは、何しろいっぱい歩かされるのでもう大変。相変わらず楽しかったけれど、でもパーク内のスタッフが軒並み「僕たち私たち、コスプレ大好きなんです!」てな感じのアニメ声の人ばかりに変わっていたのがちょっとショック……前はもうちょっと普通な感じの人が働いていたと思うのだけど、いつの間に……。

新宿「東京麺通団」にて
 ぶっかけ(小)
 半熟玉子天・かしわ天
 豚肉の角煮&煮玉子
 生ビール(小)

「さて、帰りましょうか……新宿に出て電車1本で帰るとして……」
「どうせ新宿経由にするならうどん……?」
「あー!うどんー!ぼく、うどん食べたいなぁ。おなかすいちゃったなぁ」

新宿にある、息子の大好きな大好きなうどん屋さん(そして私もだんなも大好き)は東京麺通団。「ひやかけ」の葱なしうどんを、息子は「お子さまうどん」だと信じて疑っていないようで、いつもこれを1玉食べては満足そうにしている。私は新メニューの"ぶっかけ"の小、半熟玉子天とかしわ天を小皿に盛ったところで美味しそうな角煮と目が合い、
「う……こっちも玉子が乗ってる……玉子2個になっちゃう……まぁ、いいか?だんなも食べてくれるだろう」
と思いながらもそれを1皿。つい恋しくなってしまってビールも1杯。だんなはだんなで
「あ……おでん、食べたいな。おゆきさんもきっと食べるだろう」
とおでんを何品か皿に取っていて、だんなもビールを1杯。ビール飲んでつまみ食べて、うどんを啜って、という幸せな夕食になった。

練り辛子が添えられた味の染みた角煮を囓り、同じく甘辛味のする玉子をつまみ、そして黄身がとろんとろんの半熟玉子の天ぷらをうどんのだしにつけつつ食べる。"ぶっかけ"はつけだしを冷たいうどんにピヤーッとひたひたくらいに注いだもので、レモンが1かけ添えられていた。うどんにレモンを絞って食べるのはなんだか違う気がしたので、かしわ天に絞って囓ることに。ごわっと固い衣が美味しいかしわ天は今日も美味しかった。

明日からはまたお仕事。
「なんじゃたうん、楽しかったぁ〜。またいこうね。また、いっしょに行ってね」
と、息子も満足だったようで、良かった良かった。

6月15日 火曜日
苦手な苦手なオムライス(でもこれは私にしては上出来!)
ベジタリアンなビビンバ
麦茶

昨日は遊んで遊んで疲れ果てて、今日は"県民の日"。幼稚園はお休みということで、私と息子は「もー、今日は起きるまで寝てようね、目覚まし時計なしでね」という心境だ。でも、だんなは仕事。
「こんなに疲れてても、でも俺はジムに行っちゃうんだもんねー」
という昨夜の宣言どおり、早起きしてジムに向かっていった。私も息子も、だんなが起きて出ていった事すら知らずにぐーぐーと。ああ、だんなはパワフル……。

それでも私が起きたのは7時半と案外と早めの時間で、昨日力尽きて書けなかった日記書いたり、部屋の片づけしたり掃除機かけたりと、朝からあれこれ作業することができた。息子も8時頃に起きてきて、
「おかあさん、今日は……ようちえん、行かないのかな?」
「そうよー、お休みなのよ。"県民の日"ってやつでね」
「けんみん、のひー?」
「いや、"ノヒー"じゃなくてね、けんみん、の、ひ」
「けんみん、の、ひ」
「そうそう」
なんて会話をしばし。それからお互いそれぞれ、遊んでみたり仕事してみたりしているうちに昼近くの時間帯になり、気づけば朝御飯をスルーしていた。どうりでお腹が空くなぁと思ったわ。

すぐ食べられる美味しいものはないかしら〜と、冷蔵庫を覗いたら、一昨日の晩に食べたビビンバの残りのナムルがでてきた。ほうれん草もモヤシも大根も、全部ひととおり残っている。ないのは肉だけ。昼御飯だし、淡泊なビビンバでいいかな?と、ほうれん草とモヤシとゼンマイと人参と大根を盛りつけただけの、ベジタリアンなビビンバの準備をした。お供に麦茶。

一昨日の晩に食べた石焼きビビンバはそりゃもう美味しかったのだけれど、石焼きじゃなくても、肉も卵も乗ってなくても、やっぱり美味しい。我が家のナムルは少しも特別な事をしていなくて、ただただへんこの胡麻油を使っているだけなのだけれど、それだけで美味しくなっちゃうのが嬉しくもあり、微妙〜に悔しくもあり。

牛肉ピラフのオムライス
コーンスープ(インスタントもの)
アイスティー

だんなの帰宅は遅いみたい。午後から興に乗ってせっせとお仕事していたら、本日調理予定だったシチュー・カレー用の牛肉が一向に調理されないまま6時半をまわってしまった。

「あちゃー……夕方頃から煮込んでおこうと思ったのに……」
と後悔しても、もう7時目前という時間で、とりあえず御飯を炊き始める。で、しばし悩んでオムライスにしてしまうことにした。卵が食べたい気分だったのだけど醤油味醂味の丼はあまり恋しくはなかったので、オムライス。中には刻んだ牛肉と玉ねぎをたっぷり炒め合わせたピラフ(というか炒飯)を詰めることにした。

バターで小さく刻んだ牛肉を炒め、玉ねぎも加えて更に炒める。味つけは塩胡椒。そこに炊きたて御飯を加えて炒め合わせたら別容器に盛りつけておき、そして卵を焼き始める。息子の分は2個、私の分も2個。溶いた卵をバターを入れて熱したフライパンにジャッと回し入れ、ちゃちゃちゃっと混ぜてから御飯を端に盛り、あとは適当にパタンと返せば……返せない……。

「うーわ、御飯が多すぎちゃったぞ。返せないぞ……」
わたわた慌ててしまい、私のオムライスはグジャッと御飯がこぼれて大失敗。2回目に作った息子のオムライスはばっちりうまくいった。
そうそう、毎回こんな感じに作れれば、いつも冷や汗たらさずにオムライスやオムレツに取り組めるのにねぇ……と苦笑いしながら盛りつける。

オムレツやオムライスは時々無性に食べたくなるけれど、作る頻度はそう多くなくて、私がこれまでの人生で作成したオムレツもしくはオムライスは、合わせて15個に満たないんじゃないだろうか。食べるのもたまになら、作るのは更にたま〜になことなので(何しろ我が家のオムレツ担当はだんな……)、毎回ヒーヒー言いながら作ることになるのだった。もうちょっと頻繁に作成して、精進努力したいところ。がんばろう……。

チキンライスではなくてバター炒め牛肉御飯を詰めたオムライスに、にょろにょろとケチャップをかけて食べる。肉はいかにも煮込み用な感じでちょっと歯ごたえのあるものだったけれど、バターの香りがぷんぷん漂い、思ったよりも美味しいものができあがった。
「あ……ケチャップじゃなくて、ドミグラスソースとか、カレーとかかけてみた方が美味しかったかも……」
と思ったのはもう盛りつけちゃった後。30分前にタッパー持って近所のカレー屋さんに駆け込んで「ルーください!1人前!」と、カレーソース買ってきてかけたら、さぞ美味しかっただろうなぁ。次回はそれ。

6月16日 水曜日
チーズトッピングは50円増しですよー
手作りスコーン
クロテッドクリーム・リンゴジャム
ミルクティー

先日、外出先でたまたま入ったスーパーでナカザワのクロテッドクリームをみつけてしまった。デパ地下などであちこち見かけるしそう珍しいものでもないのだけれど、我が家の近くにはとりあえず売られていない。
「わー、クロテッドクリーム、懐かしいなぁ……スコーン、食べたいなぁ」
と、1つ買ってきた。で、今朝は起きるなりスコーン作り。昨日のうちに計量しておいた小麦粉やバターを冷蔵庫から取り出し、ボウルに入れて混ぜていく。

材料は薄力粉とベーキングパウダー、塩と砂糖とバターと牛乳。バターを溶かさないように粉に細かく細かくつまみ混ぜていき、こねないようにざっとまとめてのばして型で抜いて焼くだけ。簡単だけど難しく、なかなかスコーンの理想とされる"オオカミの口"が開いてくれなかったりする。今日も生地作りは多分良い出来だったと思うのだけど、オーブンの温度設定がよくなかったらしく、ほとんど膨らまないしレシピ通りの時間入れてもいまいち焼きあがらない。
「……レシピに190℃ってあっても、こりゃ230℃くらいの設定で焼いた方が良かったんだな……」
と気づいてももう遅く、結局「粉団子」みたいな外見のスコーンを食べることになった。見かけは悪いけど、でも歯触りはサクサクでまぁまぁ悪くない。

手持ちのジャムはリンゴだけだったので、それをたっぷり、そしてクロテッドクリームもたっぷりとスコーンにこてこてつけつつ食べる。お供にはMitsu Teaのディンブラ。この小さな小さな通販の紅茶屋さんは(今久しぶりに確認したら、オーナーさんが出産休暇に入ってるし……)友人のSちゃんに教えてもらったのだけど、そう種類もない紅茶はどれもおっそろしく美味しい。何百種類も品揃えのある紅茶屋さんからあれこれ選んで買ってきた茶葉よりも美味しいミルクティーが作れてしまって、美味しい紅茶を飲みたいときの"おとっとき"状態になってしまっている。もちろんストレートでいただいても美味しい。

「ああ……ダイエットに大敵みたいなこのクリーム……」
とだんなは嘆きつつ、でもハムハムとスコーン2個を平らげた。私も2個、息子も2個。クロテッドクリームは、ついつい生クリームのような感覚で使ってしまうけれど、実のところ乳脂肪分やカロリーは生クリームというよりもバターに近いのよね。おっそろしい食べ物だこと……。

スコーンの続き
ミルクティーの続き
コンビニで買ってきたコーンマヨパン

今日は幼稚園の教職員の会議だか研修だかで、保育は午前のみ。
「昨日も一昨日もお休みだったのに……今日も半日だけなのかい……」
と、ろくに一人の時間を満喫することもなくお迎えの時間になった。出かける前に、息子から念押しされている。

「おかあさんおかあさん、お昼はさぁ、この、これの続き、食べてもいーい?」
6個残ったスコーンにラップをかけていたら、背後からそう囁かれたのだった。あー、はいはい、続きね、と、つまみ食いせずに残しておいた。お茶っ葉も……あと1煎くらい余裕で大丈夫みたいだし、とポットも片づけずにそのまま。息子からのリクエストどおり、昼食は朝食の「続き」になった。でも、さすがにジャムコテコテつけて食べるものが2食続くとげんなりしちゃうので、コンビニでコーンマヨパンを1個だけ購入。半分こしてそれをつまんでから、スコーンの続きを堪能した。息子は無言でガツガツとスコーンを食べている。……スコーンはガツガツ食べるもんじゃないと思うんだけど……(いや、それ以前に昼御飯に食べるものでもないんだけど……)、

「……そんなに好きなんだ?スコーン」
「うん、好きよー。お茶も好きだしねー、コーンのパンも大好きだからね、好きなものいっぱい!好きなものしかない!」
好きなものしかない!と高らかに宣言されて、思わず笑ってしまった。ぜひイギリスに連れてって高級ホテルのアフタヌーンティーセットの前に座らせて、「うわ!好きなものしかない!」と言わせてみたいものだ。多分セットの中にはコーンパンは入っていないと思うけどね、でもきっと好きなものしかない!……と思う。

チキンカレー チーズトッピング
コーンごろごろコーンスープ
福神漬
アイスティー

もやしのナムル
ビール

昨日あたりから、無性にカレーが恋しかった私。カレーカレー、カレーが食べたい、でもビーフとかポークみたいにこってりしたようなんじゃなくて、チキンがいいなぁ……と、鶏肉を買って帰ってきた。牛や豚は煮込めば煮込むほど美味しくなるけれど、鶏肉は煮込めば煮込むほど……という感じじゃない。固くならない程度にさっと火を通そう、と、30分くらいでちゃちゃっとカレーを作り終えた。肉と野菜を炒めるときに塩と胡椒とカレー粉をまぶしつけ、市販のルーを溶いた後はギー(←インドのバター)を大さじ1くらい溶かしてみて、それなりにコクが出るように工夫してみる。

「うむ!工夫完了!」
と満足な気分に浸っていたら、冷蔵庫を何やらがさがさやっていた息子が
「これも!これも入れましょうー」
とピザ用チーズを出してきた。ああ、更にコクが出ることに。これはカレーに溶かさないで皿の上に乗せようね、とアドバイスして、かくしてチキンチーズカレーに。CoCo壱番屋に行くようになってから、息子は色々なワザを覚えてしまった。そのうちコーンとかツナもトッピングしたがるかもしれない。うずら卵のフライとか。

そして、クリームコーンの缶詰を開けて、簡単コーンスープも。昨日もコーンスープを飲んだのだけどそれは顆粒のを湯に溶くだけのインスタントで、息子はそのコーンスープを口にして
「おいしいなぁおいしいなぁ……こんどは、いーっぱい作ってくれる?いーっぱい、飲みたいなぁ」
なんてやけに感動していたものだから、ちょっと申し訳なく思って今日はちゃんと作ってみる。ちゃんと、と言っても、クリームコーンの缶詰に牛乳加えて適当な濃度にして、あとは市販のコンソメキューブと塩で適当に調味しただけのものだ。コーンをたくさん、とのご所望だったので、冷凍の粒コーンをざくざくと入れてざっくり具沢山のコーンスープにした。

だんなは遅めの帰宅ということで、息子と2人の夕御飯。
カレーライスが好きな私としては、最低2杯。今日はあまりに空腹だったので3杯、いや、のりにのっちゃって上のカレーだけでも4杯いく勢いだった。とりあえず2杯で止めておく。で、息子も息子で、ごくごく普通盛りの「大人用1人前」みたいな分量のカレーをせっせと口に運んでいる。更に、「おかわり」「……もっと、おかわり」と、コーンスープは3杯。今日も呆れるほどよく食べた。

「……そんなにコーンスープとカレー好きなんだ?マッケンチーズとどっちが好き?」
「ぜんぶ、すきー」
「また今度どれか作ってあげるって言ったら?」
「マッケンチーズ!」
「……どして?」
「マッケンチーズのほうがー、カレーライスよりー、好きから」
「あら、そう、マッケンチーズの方が……ねぇ……」
「おかーさんは?」
「はい?」
「おかーさんは、マッケンチーズと、カレーと、どっちが好きですかー?」
「カレーライスだな」
「ええー?」
「カレーライス」
「……おかーさんは、マッケンチーズ……だいきらいなのぉ?」

そ、そんな、眉毛を8時20分にして切なそうな顔をしなくても。いや、マッケンチーズも大好きだよ、大好きなんだけど、おかーさんはカレーライスの方が好きなの。わかる?OK?とカレースプーンを手にしたまま必死に宥める私。やはりこの息子、「この世の誰もがマッケンチーズを愛してやまない」と確信しているのであるらしかった。

……で、その2時間後くらいに帰ってきただんながカレーライスを食べるのにつきあって、ビール半缶飲んでる私。つまみにもやしのナムルバリバリ食べていたりして。

6月17日 木曜日
カツに飢えてカツに飢えて
2日目のカレー
2日目のコーンスープ
福神漬
アイスカフェオレ

カレーのある朝は幸せ。昨日の御飯がたくさん残っていると、更に幸せ。昨夜のチキンカレーがたくさん余っているのをニヤニヤして眺め、昨日の夕飯と同じ内容の朝食を摂った。でも悔いはなく、どころか幸せ。カレーは5食以上連続するとさすがに飽きるけど、4食くらいの連続はウェルカムな私だった。ああ、カレーカレー。2日目のカレー。

朝御飯はそういうわけで非常に簡単な準備で済んだのだけれど、今日はだんなのリクエストによりお弁当作成。私は昼過ぎに仕事場に顔を出さなきゃいけないので、食べる場所もないしと弁当なし。息子とだんなの分だけを作った。

今日の弁当は、ちょっとびっくりさせてみたいなと、ロコモコ丼。弁当箱に御飯を薄くみっしりと詰め、真ん中あたりをクレーターのようにくぼませて、そこにこんがり焼いたハンバーグを乗せる。ちょっとナツメグを効かせておろし玉ねぎをたっぷり入れたハンバーグは、仕上げに水と顆粒デミグラスソースを加えて軽く煮込んでソースにしてみる。ハンバーグと一緒に油を絡めながらソテーしてソースを絡めたいんげんと、昨夜のうちにコンソメ煮にしておいたにんじんを添えた。

顆粒デミグラスソースは、S&B社のデミグラミックスというもの。便利かなぁ、便利かもなぁ、美味しかったら嬉しいなぁ〜と、スーパーで見つけたときに買ってきたものだ。ハンバーグにちょっと絡ませてお弁当に、というときに特に便利かもしれない。うん、けっこう便利。味の方は、息子とだんなに聞いてみないとなんとも言えないけれどもね。

溜池山王 「さぼてん」にて
 ロースカツ定食ランチ 997円

今日はどこで昼御飯を食べようかな、アークヒルズか六本木あたりをぷらぷらしようかな、と思っていたのだけれど、午前中はあれこれやることがあって全然出発できない。時間は気づけば11時半を回ろうとしていて、
「うっわ、昼御飯食べてられないじゃん!寄れるとしてもファーストフードくらいしかないじゃん!」
ということになってしまった。自分の分の弁当も作っておけばよかった……と全力で後悔しながら急いで出発。とりあえずオフィス最寄りの駅まで行こうと、溜池山王に向かう。

……で、車内で、先日図書館で借りてきた『ケンタロウの「おいしい毎日」』(ケンタロウ/著 講談社 2004.03)を読み読み。小林カツ代さんの息子、ケンタロウさんのエッセイ集で、話は料理だけにとどまらないものだったのだけれど、読んでいたら猛烈にカツ丼が食べたくなってきてしまった。ていうか、空腹時にこんなもの読んでいる自分がいけない。
「あああ、カツ丼カツ丼……ていうかカツ!トンカツ!トンカツが食べたい……」
地下鉄銀座線の車内でうずうずうずうず止まらなくなり、"さぼてん"でも"和幸"でもこの際かまわないからトンカツ屋はないか〜!?と、駅を出たとこのオフィスビル内の地下食堂街に駆け込んでしまった。もう出勤予定の15分前という時間で、へたしたら15分以上の遅刻になりそうなタイミングだったのに、もうトンカツへの欲望は抑えられなくなってしまっていたのだった。……ま、オフィスといってもボスと学生さんの2人しかいないし、2人とも私より遙かに時間にルーズなのでそのへんはまぁ、なんとかなるかな、と。

かくして、ビル内にはめでたく「さぼてん」が入っていたのだった。ちらっとメニューを見て、席に通されるなり「ロースカツ定食くださいっ!」と宣言し、その10秒後にやってきたミニすり鉢で胡麻をごーりごーりやりながらまだかまだかとカツを待つ。喜ぶべきことか悲しむべきことか、ものの2分ほどで定食は我が目の前にやってきたのだった。こんなに早く来るなんて、このカツ一体いつ揚げたものなのでしょうか神様。いや、でも、時間ないから嬉しいは嬉しいんだけどね、いただきまーす。

待望のカツは、チェーン店だろうがなんだろうが、涙ちょちょぎれるほど美味しかった。サクサクの衣、ヒレカツでは味わえない、じわっと染み出るとろける脂、御飯に味噌汁、漬け物に、お代わり自由の山盛り刻みキャベツ!
すり鉢にどぼどぼソースを入れてざっと混ぜてからキャベツにかけ、またソースを入れて今度はカツをぺたぺた浸しながら食べる。ああ、時間あるならキャベツで御飯1膳食べて、キャベツと御飯と両方お代わりするんだけどなぁ……と思いつつ、御飯のお代わりは断念しながらも
「すみませ〜ん……キャベツ、もうちょっとください」
とキャベツはお代わり。料理が出てくるのも早ければ、私も食べるのも早かったようで、ものの15分しないうちに店を出ることができた。飢えて飢えて恋しかったトンカツ喰えて、満足。非常に満足。しかも美味しかったし。トンカツ屋さんのソースって、なんだかめちゃめちゃ美味しいのよね。

稲毛 「天狗」にて
 枝豆 \294
 イワシの刺身 \294
 バターコーン \294
 特撰サーロインのサイコロステーキ \480
 マグロの竜田揚げ \504
 鶏の唐揚げ和風ソース \504
 揚げ出し豆腐 \399
 ヒレカツ \609
 ざるうどん \399
 生ハムのピッツァ \609
 蟹雑炊 \399
 杏仁豆腐 \399
 ブラウンビール(中) 2×\441
 シークワーサーサワー \441
 アミノ酸サワー \315
 ぶどうサワー \315
 コーラ \210
……を、家族でもりもりと。

本日、息子はおばあちゃん家で待っていた。息子に直接、
「幼稚園の延長保育で待っていたい?それともおばあちゃんに迎えに来てもらって、おばあちゃん家で遊んでる?」
と尋ねて私の仕事時の動向を決めているのだけれど、今回は「おばあちゃんちが、いいなー」と。幼稚園に迎えに行くよりは多少の寄り道が許されるので、仕事が終わった後に日本橋高島屋と日本橋三越のデパ地下を覗いてきた。目当ては、洋菓子屋さんのマンゴプリン。

おおっ、あの店からもとうとうマンゴプリンが出たぞー、おおっ、こっちのフルーツ屋さんのは初めて見つけたぞー、と、何個かのプリンを購入した後、日本橋高島屋の地下でやばいブツと目があってしまった。「福臨門魚翅海鮮酒家」のマンゴプリンと、お弁当。
「うっわ、ヤバイもの見つけちゃった……久しぶりにここのマンゴプリンも食べたいなぁ……お弁当も食べたいなぁ……」
と、店頭でうずうず。銀座に店を構える超高級広東料理のこのお店、数年前にデパ地下やお店1階の焼き物コーナーなどでお弁当が買えるようになっている。ここのチャーシューとか蒸し鶏を乗せたお弁当が、なんともいえず旨いんだな。でも、お高いんだな。

「うー、お弁当が1個1500円……息子用に炒飯も買うとなるとプラス1200円……」
うーんうーん、これじゃあ今日の労働分がパアになっちゃう……と思いながら、でも久しぶりに食べたいねと弁当1個、ミニパックのチャーシュー1つを買ってみた。だんなの帰宅は遅いみたいだし、これで息子と2人の夕御飯にしよう。

大量の食べ物を抱えてうきうきと帰宅してだんなの実家に息子を迎えに行き、帰ってみるとだんなからのメールで
「今から帰れそう」
と。続けて「天狗でも行く?」という一言も。

冷蔵庫の中には美味しいお弁当も入っているし、戦利品のマンゴプリンもうじゃうじゃとしまわれていたのだけれど、その文面からは「あーもー、生ビール、キューッとやりてぇ!」な雰囲気が感じられ、私自身も生ビールをキューッとやりたい気分だったので、夕御飯は「天狗」に決定。美味しいお弁当は冷蔵庫内で、明日の昼まで眠ってもらうことにした。明日の昼に一人で食べよう〜。

駅改札でだんなと待ち合わせ、駅前のチェーン居酒屋にぽてぽて歩いて向かう。今日の私は昼から"揚げ物スイッチ"が入りっぱなしで、
「あー、鶏唐頼むでしょ、あと……マグロの竜田揚げも欲しいなぁ……あとはね……串カツと、ああ、でなきゃ揚げ出し豆腐でもいい……」
と、もう揚げ物メニューにしか目がいかない。どうしちゃったんだ、自分。
「え?竜田揚げも欲しいの?え?串カツも?」
とだんなは驚きながらも注文したものを一緒にもりもりと食べてくれた。枝豆も食べたしピザもつまんだしバターがじゅわっと染みたコーンもたっぷり食べたし、それを傍らにビールやサワーをこれでもかと飲んで、正しく居酒屋を満喫。私もだんなも青春時代に大変お世話になった「天狗」だけれど、子供が産まれてからもちょくちょく来るようになるとは思っていなかったわ……。

かくして、いつもは中ジョッキ2杯くらいでやめておくところ、とどめにぶどうサワーも飲んでしまってペロンペロンになって9時半頃に帰宅。夕食前にお風呂も済ませていたので、そのまま布団に倒れ込み、
「おゆきさーんおゆきさーん……ちゃんと布団かけて寝なきゃだめよー。……でさ、もうちょっと左に寄ってくれないと、息子も僕も寝られない……」
なんて声にスローモーに反応しながらそのまま寝てしまったのだった。ああ、今は仕事が山積みで、今日も夜にちょっと片づけようと思っていたのに、こんな正しい酔っぱらいになってしまうとは、迂闊だったわ。

6月18日 金曜日
幸せな幸せなお弁当
「福臨門魚翅海鮮酒家」の
 叉焼餡入りパン
牛乳

昨日の夕方、日本橋高島屋の地下で買ってきた戦利品で朝御飯。ちなみに昼御飯も戦利品を消費する予定。

「明日は……だんなは朝ジムだったっけか。じゃあ、だんなの分も一緒に買っておいてあげよう」
と、2個買ってきたのは「叉焼餡入りパン」という愉快なもの。その名のとおり、チャーシュー饅の中身がそのまま詰まったパンなのであるらしい。大きさは大福ほどの、可愛らしいパンだった。超高級料理店が変なもの作るなぁ……と、つい面白くて買ってきてしまったのだ。でも、1個300円くらいしたというのはだんなには秘密。

「……ま、まんまチャーシュー饅の味じゃん……」
その商品は、正真正銘名前のとおりのものだった。チャーシュー饅の中身を、もちっとしたパン生地に詰めただけ。チャーシュー饅独特のねっとりした甘さがパンに似合うというか……似合わないというか。
「これは……なんというか、わざわざパンにしなくても良いじゃないかという気もするし……」
あとでだんなと一緒に「で、なんだったんだろうねあのパン」と話し合えるネタができたということで、まぁいいかなと。

ちなみに息子は満足そうに期間限定ココナッツ入りのフルーツグラノーラを幸せそうに食べていた。

「福臨門魚翅海鮮酒家」の
 お弁当(焼き鴨)マンゴープリンつき \1500
麦茶

月曜締め切りの仕事があって、それ以外にもちょこちょこやらなきゃいけない仕事があって、しかも今日は息子のピアノの日で、しかも昨日だんなの実家に幼稚園帽を忘れてきちゃったから取りにも行かなきゃいけないしで、
「……本当は、ジム行く余裕なんてないのよね……でも行くのよね、行っちゃうのよねー」
と、昼前のボディパンプ45のプログラムに出てきた。45分のプログラムならそう疲れないし1時間半くらいで帰ってこられるから大丈夫、と思ったのだけど、なんか、やり始めてみると、違う。

45分だからねと、いつもより若干重めのおもりをつけてスクワットやってベンチプレスやって背中やって上腕二頭筋やって、「さ、あと1種目やったらクールダウンに入るよね」と思っていたのに、
「はい、次はアームカールいきまーす。けっこうつらいですよー」
「はい、次はランジでーす。バーベル持つ時間、短いですからがんばってくださいねー」
「はい、次は肩!これはきついです!がんばってください」
「おつかれさまでしたー。腹筋やったらクールダウンですからねー」
あれ?あら?あららら?と、もう前半で体力を使い果たしている私の耳に無情なインストラクターの軽やかな声が。45分だと思っていて(だって、タイムテーブルには間違いなく45って……)そのつもりで動いた後にその仕打ちだったので、ゾンビのようになって帰ってきた。ああ、こんなに疲れて、バカみたいだぞ私。

しかも寸前まで仕事してて「うっわ!もう行かないと遅刻じゃん!」というタイミングで家を出たので水のボトルを持っていくのとかも忘れてしまい、1時過ぎに帰ってきた頃には飢えている上に乾いていた。いっそいで昨日買ってきたお弁当を温めて、麦茶をたーっぷりコップに注ぐ。15分くらい、我を忘れてガツガツゴクゴク、食べまくって飲みまくってしまった。ああ、このお弁当があって良かった。本当に良かった。鴨肉が空腹に染み渡る。

「福臨門魚翅海鮮酒家」の焼き物弁当は、チャーシューとか蒸し鶏とか焼き鴨などがある。何カ所かのデパ地下でも買えるけど、銀座のレストランに付設したお店で購入すると「チャーシューと鴨、両方入れてねー」という注文にもその場で応えてくれたりする。たーっぷりの御飯と肉、ザーサイや漬け物がパックに入って1500円。単品で買うと600円のマンゴプリンもついてくるので弁当代は実質900円というところで、そう思えばそんなに高いものじゃない。なにしろもう、弁当も絶品ならここのマンゴプリンも絶品なので、弁当が900円で販売されていても私はきっと600円追加してマンゴプリンも買っちゃうんだろうなと思うのだ。

久しぶりの弁当は、あいかわらず絶品だった。シコッとした歯ごたえの肉に艶やかな香ばしい皮。骨ごと包丁で両断されている肉を囓って骨からこそぐようにして食べる。鴨にはハチミツと酢で作ったような優しい味の甘酢のタレがついてきて、それもちょこちょこ肉に塗りたくりながら。

添え物はインゲンのXO醤和えと、甘酢漬けの大根と人参、そして大ぶりに切られたザーサイ。御飯に埋められるようにブロッコリーも3切れ添えられていた。どれも、簡単なようでいて本格の味。大根1つとっても、「そうそう、香港でこんな味のもの、食べたなぁ〜」と懐かしくなっちゃうような味がして、そしてもう何より肉が、肉が、「あー、家でこんな美味しいもん食べちゃって良いかしら」と罪悪感まで感じちゃうような香港の味。弁当の蓋を開けた直後の、ずらっと並んだ肉のその光景だけでも壮観なのに、その並べられた肉の下にも更に肉が詰まっていて、かなりのボリュームがある。運動した後にはちょうどいい、食べ応えのある弁当だった。んん〜、幸せ。弁当、旨すぎ。

揚げ茄子トッピングの、3日目のチキンカレー
福神漬
ビール(モルツ)、アイスティー

で、幼稚園に息子を迎えに行き、その足でだんなの実家に忘れ物を取りに行き、息つく暇なくピアノ教室に。だんなの実家には忘れ物を取るためだけに寄ったはずなのに、息子はちゃっちゃと上がりこんでアイスご馳走になってるし、
「そうそう由紀さん、お花持ってく?」
とお義母さんから山のように庭の花を切り花にしていただいてしまったり。青いアジサイ紫色のアジサイ、ガクアジサイ、ひまわりのようなちょっと変わった黄色い花、わさわさと大量に抱えて帰ってきて、ピアノから帰って落ち着いてから家中の花瓶を引っ張り出して飾ってみた。……美しい〜♪

アジサイの切り花なんてあんまり見かけないし、我が家の建物のある敷地内に植えられているものを切ってくるのもイヤだし、かといって我が家のベランダのアジサイは今年すっごく貧弱な状態だし……と、「アジサイ飾りたいけど、無理みたいなのよね」と諦めていたところだったのですっごく嬉しい。お礼に、秋にでもがばっと通販サイトで花の苗買ってお裾分けすることにしよう。

で、夕方遅くなってから仕事再開。帰れそうだと言っていただんなからの「今から帰るよ」電話はなかなかかかってこなくて、そのうち息子が
「ねぇね、おかあさん……おなかすいちゃった……もうダメ……」
と言い出す。時計を見ると、もう7時半だった。あらら、大変大変、と、とりあえず米を炊き、3日目のカレーに火を通す。本当はサラダとかスープとかを作る予定だったのだけれど、時間も心も余裕がなくて、スライスして水に数分さらした茄子をオリーブ油で揚げ焼きにするのがやっとだった。炊きたて御飯の上にずらーりと茄子を並べ、チキンカレーをかける。ここのところ、カレーに添えるものがCoCo壱番屋のトッピングに酷似してきたような気がかすかにするのだけれど、あまり気にしないことにする。

だんなは、私たちが食事をし終えた20分後くらいに帰ってきた。私と息子もカレー、だんなもカレー。3日目のカレーをこんなにせっせと食べたのに、カレーはまだ3人分くらい残っていて、しょうがないので明日か明後日あたりにカレーうどんにする予定。

6月19日 土曜日
パエリアをつくりました。……おなかいっぱい……
自家製スコーンの残り
クロテッドクリーム・リンゴジャム
アイスティー

困った。食べるものが色々ありすぎる。
カレーが少量鍋に残っているし(さもカレーうどんにして喰えと言わんばかり)、私が作ったスコーンも3個だけ残っているし、それだけじゃクロテッドクリームを使い切れないと追加購入してきたスコーンも4個ある。今日は魚介がドカンと届く予定だし、更にロールケーキも届くことになっている。大変だ。しかも
「……でも、昼は銚子丸に寿司食べに行くのよ♪」
とか言っていて、ますますわけがわからなくなっている土曜日だった。

とりあえず、昼前に千葉に行く予定なのである。だんながヨドバシカメラに用事があるそうなのでそれにくっついて行き、そのついでに寿司ランチを堪能しようということになっている。

「……昼、寿司なのに、朝からスコーンは重いよねぇカレーうどんもどうかなって思うし」
「スコーン、おゆきさんが作ってくれたやつだけ食べれば?小さいし、1人1個だし」
「……そうだね、そのくらいがいいよね……」
と、朝御飯は1人1個の小さなスコーン。アイスティーを朝からグービグビと大量に飲みながらクリームとジャムをコテコテつけた、スコーンを囓った。温めるとちゃんとサクサクフワフワになって良い感じ。今回はちょーっと不格好なものになっちゃったので次回こそもう少しまともなものを作りたいものだなぁ。

千葉 「銚子丸」にて
 金目鯛・カツオ
 白海老・中とろあぶり
 イクラ・煮穴子一本付
 ねぎとろ納豆・生うに
 とろサーモンあぶり・中トロ
 味噌汁(無料)
……なんかを、適当に。

だんなは焦っていた。
「さぁさ、君たち急ぎなさい。もう出かけるよ」
まだ11時じゃん……と思ったのだけれど、
「早く行かないと、銚子丸混んじゃうじゃん!並んじゃうじゃん!」
だそうで。で、急いで準備して電車に乗って千葉駅前に。「銚子丸」はこのあたりじゃなかなかの人気の回転寿司屋さんで、だんなの言葉通り12時過ぎにはもう店頭に行列ができていた。私たちは空席だったカウンターに並ぶことなく座ることができ、あれこれもりもりと堪能する。

だいたいいつも、壁に貼られている「本日の入荷」の手書きのメニューから美味しそうなのを握ってもらうことから始めるのが多い。
「えっとー、私は金目鯛とカツオ、ください」
「俺には白海老」
「……だんなも金目鯛、食べる?」
「食べる食べる。おゆきさん、白海老つまむ?」
「うん、つまむつまむ〜」
そうやって1皿の寿司を1個ずつ2人で分け合って食べることが普段も多いのだけれど、今日はやたらと多かった。あれ食べる?これも食べる?あー、ぼくもイクラほしいなかわりにおいなりさんあげるからね、……などと皿がこっち行ったりあっち行ったりしたあげく、なんだかカウンターの上が大変なことになった。

ランチタイムのサービス、無料の味噌汁を啜りながらつまんだ寿司は、今日もどれも美味しかった。とろんととろける金目鯛やシコシコした白海老、甘くてぷるんとしたウニ。「……なかなか回転してない寿司屋さんには行けないわねぇ……」と思いつつ、「わーいわーい銚子丸だー」と喜んでいる自分もいる。こういうところじゃないと、「ねぎとろ納豆」(軍艦にねぎとろと納豆が半量ずつ盛られている。でかい。そして旨い)なんてイロモノは食べられないしね。

かくして、皿数が少ないように感じられながらもきっちりたっぷり食べてから店を後に。

で、だんなの用事にくっついてヨドバシカメラに行ったはずなのに、なぜか私が一番大きな買い物をして店を出ることになってしまった。とうとう買ってしまったIXY DIGITAL L。発売されたときから
「うわー、ちっちゃいなー、デザインも好みだなー……接写モードで3cmまで寄れるのかぁ……いいなぁ……」
と、ずっとずっと欲しかったデジタルカメラで、でも4万円近いその値段に購入を諦めていたのだった。3万円に近くなったら買うぞ買うぞと思っていて、今日値札を確認してみたら31000円くらい。ヨドバシカメラのポイントが15%つくので、それを考えると3万円を切ることになる。

「うわー、やっとここまで値段が下がったよ……」
「おゆきさん、どうするの?」
「どうしようどうしよう、今、あんまりお金、ないんだよねぇ……来月にはそこそこ収入が見込めるんだけど」
「……で、どうするの?」
「……どうしよう?」
「とりあえずさ、君の好きなブラックの在庫があるかどうか確認してもらえば?」
だんな、もう目が「買っちゃえよ」と言っている。確かに、昨年からずっと「欲しい欲しい」言っていたものなので、躊躇する理由はないのだった。そしてブラックの在庫があったもんだから、ますます躊躇する理由はなくなっちゃったのだった。

「く……ください……でね、これ買ったポイントでバッテリーの予備も1個、買えますか?」
このデジカメ、私にとって唯一最大の欠点だった、「市販の電池では動かせず、専用バッテリーのみでの起動」という問題も、予備バッテリーがポイントで買えたことでクリア。わーいわーい、新しいデジカメだー。……でも、仕事が一段落するまで開封するのは止めておこう。きっと遊んじゃうし。

自家製パエリア(超大量)
ビールたらふく

「サンルイ島」のマンゴーロールケーキ
アイスカフェオレ

新しい素敵なおもちゃを入手した今日、もうひとつ、素敵なうえに美味しいおもちゃも届いている。クック&ダインで買ったパエリアセットだ。毎日、その日に揚がった鮮魚をネット販売して翌日の午前中に届けるセットを販売している(だから水揚げの内容で毎回違った組み合わせの魚になる)のだけれど、ときどーき、数ヶ月に一度「パエリアセット」の販売がなる。パエリアを作るのにぴったりな魚介を組み合わせた内容で、今回は手長海老とムール貝とアサリと帆立、それに手のひらサイズのかわいいイカ、「ムギイカ」がセットになってくるそうで、たまらず買ってしまったのだった。

もう何年も前になるけれど、「せっかく魚介のセットがあるなら、パエリアセットとかブイヤベースセットみたいなのがあったら嬉しいです〜」と店長さん(店長さんは以前横浜のデパ地下にあったdancyu shopに勤めてらして、その頃からの顔見知り)に言ってみたのは私。面白そうねと店長さんが話に乗ってくれ、いつのまにか「パエリアセット」はヒット商品になっていた。ばんざい。店長さんは食べることも料理することも大好きで大好きで、とうとうそれを仕事にしちゃったすごい人だ。私もだんなも「そこまではできない……よね」「んだ」ということで意見が一致している。

かくして届いたパエリアセット。発砲スチロールの箱の中にはごろごろと貝と大きな手長海老、たっぷりのイカが詰まっている。イカは8ばいくらいと聞いていたけれど、数えてみると10はい以上も入っていて、まずはそれのワタ抜きから。胴に手を突っ込んでニョロ〜っとワタを抜き出し、また別のイカを掴んではニョロ〜っと抜き出す。大きなイカよりもその作業はずっと簡単で、「……こんな簡単に胴と頭(と足)が切り離せるなんて、生物の機構としてそれはどうよ」とイカに説教したくなってくる。臓物を切り取った足部分を胴にもう一度詰め直して、胴に適当に飾り包丁を入れておく。

このセット、普通に作ると4人前のパエリアが2回分できてしまうほどの分量があるので、それを一度に作ろうと思うと大変な事になる。普通のフライパン(スキレット)じゃ、まず盛りきれない。で、仕方ないのでチキンフライヤー(鍋並に深さのあるスキレット。こんなの)で作成した。パエリアというより……御飯入りの寄せ鍋みたいな。

まずは米をオリーブ油で炒めておく。チキンフライヤーにオリーブ油を熱したらみじん切りにした玉ねぎを入れ、鶏肉も入れ、炒めた米も加え、ざかざかと炒めていく。適当に炒められたら一度火を止めておき、上にこれでもかと魚介類をトッピング。海老入れてー、イカ入れてー、アサリ入れて帆立入れてムール貝入れて、もうこのあたりで海老とイカと貝が重なって大変なことに。更にとどめとばかりに刻んだパプリカも散らし、そしてサフランをひとつまみ入れておいた湯とコンソメをジャーッと上から入れて、いざいざ点火。沸騰してから30分くらい、弱火で蓋してくつくつ加熱すればできあがり。具はチキンフライヤーの縁ぎりぎりまでいっぱいになってしまって、やっぱりこれはパエリアじゃなくて別の料理を目指しているような感じ?

で、できあがったこれでもかと具沢山のパエリア。できあがる直前に家族全員風呂を済ませ、食前のビール1杯飲んじゃおうね、パエリア食べながらはコロナ飲もうね、あー、1本じゃ足りないからもう1本飲んじゃおうね、と、幸せに飲んだくれながらパエリアをおなかいっぱい堪能した。何かサラダとかも用意しようかなと思ったのだけど、チキンフライヤーにみちみちの状態を確認したら、そんな事はどうでもよくなっていた。とにかく、パエリアをおなかいっぱい。

甘くてプリプリの手長海老に、綺麗に赤く染まったかわいいモチモチしたイカ。鶏肉もたっぷり入って、肉と魚介の味がこれでもかと染みた御飯は、壮絶に美味しかった。サフランをけっこう入れたのだけれど、いまいちそれっぽく色がつかなかったのは、あまり気にしないことにする。味つけ風味づけはサフランの他に塩胡椒くらいしか入れていないのだけれど、なんて美味しいんだパエリア。
「そのね、おっきいエビはね、怖いからいらない……」
大きな海老を頭からパックリと縦に2等分に包丁を入れていたら息子がおびえてしまって、海老を食べてくれなかった。それでも貝といろんなエキスの染みた御飯はもりもりと。

米は1合半しか入れてないけれど、それにしたって具が多いので食べきるのはなかなかに大変だった。ビールをかっくらったせいで、
「……えへへ、ぜんぜん、酔ってないよぉ〜」
「わたしもね、ぜーんぜん、酔ってないよぉ〜」
という状態になりつつも、チキンフライヤーいっぱいのパエリアを完食。一緒に届いたマンゴーロールケーキをちょこちょこっとつまんで(マンゴー入りのスポンジ生地にマンゴー入りのホイップクリーム……しあわせ……)、喉の入り口まで食べ物がいっぱいみたいな状態でベッドに向かった。うーん……巨大なパエリア鍋、買っちゃおうかなぁ……。

6月20日 日曜日
今日は3食上げ膳据え膳……
だんな特製 カレーうどん
麦茶

今日は日曜だけれど、急ぎの仕事に埋もれている私。1個終わったと思ったら次の1個がやってくるという、笑っちゃうような状況で、
「えーと……これが週明け締め切りで?こっちは"至急"で?」
と昨日あたりからわたわたしているのだった。で、仕事が気になるあまり、今日は5時に起床。
「うっわー……遠足当日とか旅行当日とかじゃないんだからさ、何だいこの時間……」
まずそんな時間に起きることはないという時間にぱっちり目を覚ましてしまい、えらいなーえらいな自分、皆が静かな今の時間に仕事しろって脳味噌が命じたのよねーえらいわー、と自画自賛しながらお仕事開始。涼しいし気は散らないし、はかどったはかどった。非常にはかどった。

「あらまぁ……おゆきさんは朝からお仕事ですか……」
だんなが起きてきたのは8時過ぎ。そうですお仕事してるんです終わらないんです、
「でさぁ……お腹空いちゃったのよねぇ……」
パソコンに向かったまま泣き言をいうと、
「よしよし、今朝はカレーうどんにするんだったよね」
と、だんながてきぱき動き始めてくれた。ポチポチとキーボードを叩く私の後ろの方から、カレーと鰹だしの良い香りが漂ってくる。遠慮せず、「ごはんできたよー」の声が聞こえてくるまで作業に没頭させていただいた。

ほぼ毎回、"カレーが1人前くらい残ったら"くらいのタイミングで、我が家ではカレーうどんが作成される。昆布と鰹節でとっただし汁でカレーを適当な濃度に薄め、醤油と味醂で味をつける。その時々によって、サラサラの"カレー風味が漂ううどん"になってしまったり"コテコテ濃厚カレーうどん"になったりするのだけれど、今回は超コテコテ濃厚カレーうどん。2〜3人前のカレーが残っていた段階でうどんにしてしまったので、コテコテなうえにたっぷりのカレーだしができあがっていた。しかも具沢山。じゃがいもも人参も肉も、まだごろごろと残っている。とても食べ応えのある美味しいカレーうどんだった。うまうま。

かくして今日は、だんなが一日おさんどん。……すみませんねぇ。

だんな特製 冷やし中華
冷茶

「で、おゆきさん、今日はジム行くの?」
「行くつもりだったんだけど……仕事があるという以前に、金曜のジムの余韻ですごい筋肉痛に……まだ腕が上がらない……」
「じゃあ、俺が代わりに行ってこよう」
ジムに行ったうえ、今日はこのうえなく活動的にあれこれやってくれた我が夫。なくなりそうだった牛乳は買い足されてるし、買ったまま放置されていたトイレットペーパーは棚にしまわれているし、洗濯物もいつのまにかビシーッと畳まれてしまわれていた。すごい、すごいよ小人さんのようだよ。

「お昼御飯は〜冷やし中華にしようと思います。……いかが?」
台所を覗いてみると、キュウリが刻まれハムが刻まれ錦糸卵が用意され、しかも冷茶までできあがっている。私がオムレツが苦手なように、だんなは錦糸卵がすご〜く苦手らしいのだけど、今日もほんのり失敗しているようだった。「うおぉぉ〜ん、錦糸卵にならなーい」と、数分前に台所から雄叫びが聞こえてきていたのだ。

えっとー、錦糸卵のコツは、テフロンフライパンでもちゃんと油をひいておくこと(ほんの少量で大丈夫)。1個の卵で2枚焼くくらいを目安に、ごくごく薄く、クレープのように卵液を流すこと。火はなるべく弱く、焦げないようにしながら熱して表面が乾いてきたらペロンと菜箸かフライ返しを突っ込んでひっくり返すこと。私は「錦糸卵は、そんなに難しくないんだけどなぁ」と思うのだけど、多分だんなは同様に「オムレツなんて、そんなに難しいもんじゃないんだけどなぁ」と思っているのに違いない。

今シーズン初の冷やし中華は、マルちゃんの胡麻味。具はスタンダードにハムとキュウリと卵のみ。こうジトジトジトジト蒸し暑い日には冷やし中華がとっても美味しい。

「サンルイ島」の
 マンゴーロールケーキ
 葉山思い出チーズケーキ
アイスカフェオレ

だんながジムに行き、息子は外で近所の友達と遊び始め、私はまた一人静かに仕事の続き……をするはずだったのに、十数分おきにかけられる「おかぁさ〜ん」の声に、何度も中断される羽目に。

息子は最近、近所のちょっと"困ったちゃん"と仲良し。「そんな子と遊んじゃいけません」なんて物わかりの悪い大人みたいな言い方は極力したくないのだけれど、でも正直なところ、その子と遊んで欲しくはないなぁと思ってしまう。ちゃっかりしているというか何というか、
「○○くんのおかぁさん、ガムある?ないの?じゃあアメはある?のどもかわいた」
と息子と一緒に玄関先に現れたと思ったらいきなり菓子を要求してきたり、
「ねー、もっとおもしろいおもちゃないの〜?」
と人ん家の部屋を覗き込んできたり、敷地内に咲いた綺麗なアジサイをちぎっては踏みにじって遊んだり、駄菓子の袋なんかをそのへんに平気で捨てて歩いていたり、と細々と心に引っかかることをしてくれる子供だ。仲良く遊んでるかと思えば突然友達に意地悪し始めたりして(友達のおもちゃを奪ってわざと遠くに投げ捨ててみたりとか……)。

で、息子は
「(××ちゃんが欲しいっていうから)あれは、どこにあったかなぁ?」
「(××ちゃんが食べたいっていうから)アメ、おそとにもってっても、いーい?」
「(××ちゃんが来たいっていうから)おともだち、おうちにきてもいーい?」
他の友達と遊ぶときはそんな事はまず言ってこないのに、この子と遊び始めると十数分おきに、なにがしかの要求を持ってくるのだった。今日は来ちゃだめ、お母さんはお仕事してるし。このおもちゃ持ってくなら、さっき持ってったおもちゃを持って帰ってきてからにしたらどう?と、そんな事を言うために玄関と居間を何度も往復していたものだから……全然はかどらない……××ちゃん、頼むよー。こーの悪ガキめー。

「そういうわけで……大変でした……」
とジム帰りのだんなを出迎え、心がささくれ立ってしまったのを埋めるようにケーキをつまむ。昨日届いたマンゴーロールケーキとチーズケーキは、サンルイ島という、葉山にある洋菓子屋さんのもの。今時珍しく感じてしまうような、バターこてこてのしっかりとした味の焼き菓子が美味しいお店だ。マンゴーの香りがふわふわ漂うロールケーキも美味しかったけれど、チーズケーキもまた相変わらずの美味しさ。しっとりさもあるのにふわんとした優しい食感で、なのに濃厚。サクサクのクルミ味の土台もまた美味しかった。この通販会社のクック&ダインさんでは「ホルトハウス房子」のチーズケーキも買うことができるのだけど(このチーズケーキがまた美味しいんだなぁ……)、なんでも6月末で販売を終了してしまうそうで……(最後に1個買っておこうかなぁ……)。

だんな特製 ウィングスティックの唐揚げ・ゲソの素揚げ
だんな特製 ムギイカのアーリオオーリオスパゲッティ
刻みキュウリとキャベツ with 海苔マヨネーズ&松田のマヨネーズ
ビール(Corona)

12時間も仕事してたら、さすがに飽きてくる。ありがたいことに思いの他はかどったので明るい未来も見えてきた。
「夕飯は〜、フライドチキンが食べたかったので手羽元を買ってきたよ」
と、すっかり"おさんどん"が板についただんな。鶏はそのまま素揚げしてー、昨日の残ったムギイカのゲソも一緒に揚げちゃってー、イカの身はアーリオオーリオでスパゲティにしちゃおうね、と、バババババッと夕食も作ってくれた。さすがに3食任せるのは申し訳ない気がして、私もちょこちょこと野菜を切ってみたり食器を並べてみたり。だんなをサポートして揚げ鶏の面倒を見たりにんにくを炒めてみたりした。

揚げただけの鶏をバーリバリと囓りながら、生野菜をショリショリと。ムギイカは柔らかく優しい味で、にんにくと唐辛子のスパゲティによく似合っていた。塩加減もばっちり。
だんなはこんなに料理ができるのに、そしてフライドチキンはこんなに美味しいのに、来週はだんながいない。だんな遠き九州の地に出張。つまんないの。(そうそう、そういう次第で「小倉及び宮崎の美味しいお店(ラーメン屋含む)」の情報、いただけると嬉しいっすー、嬉しいっすー)